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▶ 藤井 裕介の特許一覧

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  • 特開-インク持ちの良いペン先 図1
  • 特開-インク持ちの良いペン先 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129861
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】インク持ちの良いペン先
(51)【国際特許分類】
   B43K 1/00 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
B43K1/00 100
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034174
(22)【出願日】2022-03-07
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】516202419
【氏名又は名称】藤井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】藤井 裕介
【テーマコード(参考)】
2C350
【Fターム(参考)】
2C350GA02
2C350HA05
2C350NC02
2C350NC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ガラスペン等、毛細管現象を利用してインクを保持する仕組みのペン先においてインクをたくさんつけても紙に触れるペン最先端部分以外からインクがつたい出ず、1度インクに浸けるだけでたくさん筆記できるペン先を提供する。
【解決手段】ガラスペン等、毛細管現象を利用してインクを保持する仕組みのペン先を凹んだカーブを描く形状にし、かつ、インクを保持する溝部分の幅をペン先端に向かって狭めていくことで表面張力を強く働かせインク保持力を高め、ペン先端の溝の幅を狭めた部分を長くすることで筆記時、インクをたくさんつけてもペン先端以外からインクがつたい出ず、つたい出なかったインクの分を筆記に使えるので1度インクに浸けるだけでたくさん筆記できるペン先となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管現象を利用してインクを保持するガラスペン等のペン先の形状を凹んだカーブを描くようにし、かつ、ペン先の溝の幅をペン先端部分に向かって極端に狭め、表面張力を強く働かせることでインクの保持力を高めた仕組みのペン先。
【請求項2】
請求項1に記載の仕組みに加えて、ペン先端部分の溝の幅の狭い部分を長くし、請求項1に記載のインクをたくさん保持する部分と紙に触れるペン先端を離すことで筆記時、紙に触れるペン先端以外からインクがつたい出ないようにした仕組みのペン先。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は毛細管現象を利用してインクを保持するつけペン等のペン先に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラスペンというペン先に溝の入った形状のペンで、毛細管現象を利用してインクを保持するつけペンがあった。特許文献1にはペン先がインクを持続的に供給可能なガラスペンに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3218808号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガラスペン等の毛細管現象を利用しインクを吸い上げ保持する文具はペン先の何割かをインクに浸し、筆記するものであった。その際、インクをつけすぎるとインクを保持する量が増え筆記時にペン先端以外からインクがつたい出て、紙にインクのたまりをつけることが常であった。本発明はインクをたくさんつけて筆記してもインクがペン先端以外からつたい出ず、つたい出なかった分のインクを筆記に使うことができるため、一度インクに浸けるだけでたくさん筆記することができるペン先を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する手段を見出し、本発明を完成させた。本発明は毛細管現象を利用してインクを保持するガラスペン等のペン先の形状を凹んだカーブを描くようにすることで表面張力を強く働かせインクをたくさん保持できるようにした。また、ペン先の溝の幅をペン先端部分に向かって極端に狭めることで表面張力によるインクの保持力を高めた。さらに、ペン先端部分の溝の狭い部分を長くし、インクをたくさん保持する部分と紙に触れるペン先端を離すことで筆記時に紙に触れるペン先端以外からインクがつたい出ないようにした。
【発明の効果】
【0006】
従来のガラスペン等の毛細管現象を利用しインクを吸い上げ保持する文具とは違い、ペン先部分をすべてインクに浸けて筆記してもペン先端以外からインクがつたい出ず、かつ一度インクに浸けるだけで多量の筆記を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るペン先の側面図である。
図2】ペン先をペン先端から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
周りにいくつか溝を入れた円筒状の太いガラス棒を溝が残る程度の熱で柔らかくし引き伸ばし周りにいくつか溝の入った円筒状のやや細いガラス棒を成型する。そのガラス棒に熱を加えペン先の長さで溶かし、切り取りペン先のもととする。ペン先のもとを何らかの方法でペン軸に接続する。ペン先端を溝が残るくらいの熱で柔らかくし引き伸ばし、横から見たときペン先がペン先端に向かって凹んだカーブを描くような形状に加工する。ペン先端を溝が残る程度の熱で柔らかくし引き伸ばすことを繰り返すことでペン先の溝の幅をペン先端に向かってさらに狭めていく。ペン先端を溝が残る程度の熱で柔らかくし引き伸ばし溝の幅の狭い部分を長くし、その先端に熱を加え溶かし切る。溶けて丸くなったペン先端のガラスを研磨で落とし、丸め、筆記可能なペン先とする。
【符号の説明】
【0009】
1 凹んだカーブを描き、かつ溝の幅を極端に狭めたペン先部分
2 長くしたペン先端部分の溝の幅の狭い部分
3 ペン先の溝と溝の間にある山なりの部分
4 インクを保持する溝の部分
5 インクを保持する溝の幅
6 紙に触れるペン先端部分
図1
図2