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特開2023-129937部品実装ライン及び廃テープ回収方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129937
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】部品実装ライン及び廃テープ回収方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034306
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂口 晴哉
(72)【発明者】
【氏名】中島 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】野田 明宏
(72)【発明者】
【氏名】神谷 有城
(72)【発明者】
【氏名】村野 陽一
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC01
5E353EE02
5E353GG02
5E353GG31
5E353HH01
5E353HH26
5E353HH32
5E353HH33
5E353HH34
5E353HH40
5E353JJ21
5E353JJ54
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL04
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】廃テープを分別しやすくする
【解決手段】部品実装ラインは、複数の部品を収容した紙製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又はプラスチック製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機を複数備える。複数の部品実装機のうち第1部品実装機群の実装機本体には、第1テープフィーダがセットされており、第2部品実装機群のうち少なくとも所定の部品実装機に基板搬送方向の下流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、第2テープフィーダがセットされている。第1部品実装機群の廃テープ搬送装置は、基板搬送方向の上流側に廃テープを搬送し、第2部品実装機群の廃テープ搬送装置は、基板搬送方向の下流側に廃テープを搬送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインであって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最上流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の下流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の上流側に廃テープを搬送し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の下流側に廃テープを搬送する、
部品実装ライン。
【請求項2】
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインであって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最下流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の上流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の下流側に廃テープを搬送し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の上流側に廃テープを搬送する、
部品実装ライン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の部品実装ラインであって、
前記第2部品実装機群の実装機本体には、前記第2テープフィーダがセットされている、
部品実装ライン。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の部品実装ラインであって、
前記第2部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダと前記第2テープフィーダとが混在するようにセットされている、
部品実装ライン。
【請求項5】
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインにおいて用いられる廃テープ回収方法であって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最上流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の下流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の上流側に設定し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の下流側に設定する、
廃テープ回収方法。
【請求項6】
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインにおいて用いられる廃テープ回収方法であって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最下流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の上流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の下流側に設定し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の上流側に設定する、
廃テープ回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、部品実装ライン及び廃テープ回収方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、テープフィーダから供給された部品を基板に対して実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを搬送する廃テープ搬送装置とを備える部品実装機が、基板の搬送方向に沿って並べて構成された部品実装ラインが知られている。例えば、特許文献1には、各部品実装機に設けられた廃テープ搬送装置は、基板搬送方向の下流側に隣接する部品実装機の廃テープ搬送装置に対して、廃テープを受渡可能である旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/045018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品実装機に対して部品を供給するテープフィーダとしては、紙製のテープで部品を供給するものと、プラスチック製のテープで部品を供給するものとが使用される場合がある。この場合、特許文献1に開示されている部品実装ラインで発生した廃テープは、紙製の廃テープとプラスチック製の廃テープとが混在した状態で搬送されていき、終端に配置された部品実装機の側方にある回収ボックスで回収される。廃テープを廃棄する際には、廃テープの材質に応じて分別して廃棄することが望ましいが、特許文献1に開示されている部品実装ラインでは、廃テープを分別するのが困難であった。
【0005】
本開示は、第1材料製の廃テープと第2材料製の廃テープとを分別しやすくすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の部品実装ラインは、
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインであって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最上流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の下流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の上流側に廃テープを搬送し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の下流側に廃テープを搬送することを要旨とする。
【0007】
この第1の部品実装ラインでは、基板搬送方向の上流側には、第1材料製の廃テープのみが搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体にテープフィーダをセットしたり、廃テープ搬送装置の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープを分別しやすくなる。
【0008】
本開示の第2の部品実装ラインは、
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインであって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最下流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の上流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダがセットされており、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の下流側に廃テープを搬送し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置は、前記基板搬送方向の上流側に廃テープを搬送することを要旨とする。
【0009】
この第2の部品実装ラインでは、基板搬送方向の下流側には、第1材料製の廃テープのみが搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体にテープフィーダをセットしたり、廃テープ搬送装置の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープを分別しやすくなる。
【0010】
本開示の第1の廃テープ回収方法は、
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインにおいて用いられる廃テープ回収方法であって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最上流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の下流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の上流側に設定し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の下流側に設定することを要旨とする。
【0011】
この第1の廃テープ回収方法では、基板搬送方向の上流側には、第1材料製の廃テープのみが搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体にテープフィーダをセットしたり、廃テープ搬送装置の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープを分別しやすくなる。
【0012】
本開示の第2の廃テープ回収方法は、
複数の部品を収容した第1材料製テープで部品を供給する第1テープフィーダ又は第2材料製テープで部品を供給する第2テープフィーダから部品の供給を受けて基板に部品を実装する実装機本体と、部品を供給した後の廃テープを基板搬送方向の上下流両側に搬送可能な廃テープ搬送装置とを備えた複数の部品実装機が、前記基板搬送方向に並べて配置された部品実装ラインにおいて用いられる廃テープ回収方法であって、
前記複数の部品実装機のうち前記基板搬送方向の最下流に位置する部品実装機から所定の部品実装機までの連続する第1部品実装機群の実装機本体には、前記第1テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群以外である第2部品実装機群のうち少なくとも前記所定の部品実装機に前記基板搬送方向の上流側で隣接する部品実装機の実装機本体には、前記第2テープフィーダをセットし、
前記第1部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の下流側に設定し、
前記第2部品実装機群の廃テープ搬送装置における廃テープ搬送方向を、前記基板搬送方向の上流側に設定することを要旨とする。
【0013】
この第2の廃テープ回収方法では、基板搬送方向の下流側には、第1材料製の廃テープのみが搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体にテープフィーダをセットしたり、廃テープ搬送装置の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープを分別しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】部品実装ラインLの斜視図である。
図2】部品実装機10の構成の概略を示す斜視図である。
図3】廃テープ搬送装置60の正面図である。
図4】部品実装ラインLの廃テープ搬送装置60の関係を示す説明図である。
図5】部品実装システム1の電気的な接続関係を示すブロック図である。
図6】廃テープ搬送方向決定ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図7】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図8】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図9】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図10】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図11】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図12】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図13】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図14】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図15】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
図16】テープフィーダ20のテープ材毎のセット状態と廃テープ搬送方向との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。図1は、部品実装ラインLの斜視図である。図2は、部品実装機10の構成の概略を示す斜視図である。図3は廃テープ搬送装置60の正面図である。図4は、部品実装ラインLの廃テープ搬送装置60の関係を示す説明図である。図5は、部品実装システム1の電気的な接続関係を示すブロック図である。
【0016】
部品実装システム1は、部品実装ラインLと、管理装置80(図5参照)と、回収ボックス90とを備える。
【0017】
部品実装ラインLは、基板Sの搬送方向に配列された複数(本実施形態では6台)の部品実装機10(10A,10B,10C,10D,10E,10F)を備える。部品実装機10は、図2に示すように、部品を供給するテープフィーダ20から部品の供給を受けて基板Sに部品を実装する実装機本体11と、廃テープ搬送装置60と、制御装置70(図5参照)とを備える。
【0018】
テープフィーダ20は、実装機本体11に部品を供給する装置である。このテープフィーダ20は、図2に示すように、実装機本体11の本体枠14の前面部に着脱可能にセットされる。本体枠14は、台座12上に設けられている。テープフィーダ20は、テープが巻回されたリール23を備えており、キャリアテープの各キャビティには、部品が所定間隔で収容されている。これらの部品は、テープの表面を覆うフィルムによって保護されており、リール23からテープが引き出されると、フィーダ部24においてフィルムが剥がされて露出した状態となる。ここで、このようなテープフィーダ20のキャリアテープには、部品の種類や、サイズなどに応じて、紙製のテープが利用されたり、プラスチック製のテープが利用されたりする。本実施形態では、紙製のキャリアテープを利用したテープフィーダ20を第1テープフィーダ21と称し、プラスチック製のキャリアテープを利用したテープフィーダ20を第2テープフィーダ22と称するものとする。
【0019】
実装機本体11は、基板搬送装置30と、部品装着装置40と、テープ切断機構25と、を備える。
【0020】
基板搬送装置30は、図2に示すように、2つの基板搬送路が設けられたデュアルレーン方式の搬送装置として構成されており、本体枠14の中段部に設けられた支持台18上に配置されている。基板搬送装置30は、コンベアベルト装置33と、図示しないバックアップ装置とを備える。コンベアベルト装置33は、各基板搬送路に設けられており、駆動により基板Sを図1,2の左から右(基板搬送方向)へと搬送する。バックアップ装置は、搬送された基板Sをバックアップする。
【0021】
部品装着装置40は、バックアップ装置によりバックアップされた基板Sに対して部品を装着する装置である。部品装着装置40は、本体枠14内に収容されている。部品装着装置40は、図2に示すように、本体枠14の上段部にY軸方向に沿って設けられたガイドレール42と、ガイドレール42に沿って移動が可能なY軸スライダ44と、Y軸スライダ44の下面にX軸方向に沿って設けられたガイドレール46と、ガイドレール46に沿って移動が可能なX軸スライダ48と、X軸スライダ48に取り付けられXY方向に移動が可能なヘッド50と、Z軸方向の移動とZ軸周りの回転とが可能にヘッド50に装着され部品を吸着可能な吸着ノズル52と、を備える。更に、部品装着装置40は、X軸スライダ48に取り付けられ基板Sに設けられた基板位置決め基準マークを撮影するためのマークカメラ54と、支持台18上に設けられ吸着ノズル52に吸着された部品を撮影するためのパーツカメラ56と、ヘッド50に装着可能な複数種類の吸着ノズル52をストックするノズルストッカ58も備える。
【0022】
テープ切断機構25は、部品が供給された後のテープ(廃テープ)を切断して下方へ送るための機構である。テープ切断機構25は、テープカッタ26と、テープダクト27と、テープシュート28とを備える。テープカッタ26は、廃テープを切断するためのものである。テープカッタ26は、テープダクト27及びテープシュート28の間に設けられている。テープダクト27及びテープシュート28は、廃テープを下方へ送るためのものである。テープダクト27及びテープシュート28は、テープフィーダ20が実装機本体11に取り付けられた際に、フィーダ部24の後方に位置するよう設けられている。テープダクト27を通過した廃テープは、テープカッタ26により細かく切断されてテープシュート28内を落下して、廃テープ搬送装置60に送られる。
【0023】
廃テープ搬送装置60は、テープ切断機構25から送られてきた廃テープを、基板搬送方向に沿って部品実装機10の装置外へと搬送する装置である。廃テープ搬送装置60は、図3(a)に示すように、駆動輪61aおよび従動輪61bを回転自在に支持するコンベアレール62と、駆動輪61aおよび従動輪61bに架け渡されたコンベアベルト64とを備えるベルトコンベア装置として構成されている。この廃テープ搬送装置60では、駆動輪61aの回転軸に駆動モータ66が取り付けられている。駆動モータ66は、正方向及び逆方向に回転可能なモータである。駆動モータ66を正方向に回転駆動する場合には、コンベアベルト64は、廃テープを基板搬送方向の上流側(右から左)に搬送するように回転駆動する。一方、駆動モータ66を逆方向に回転駆動することにより、コンベアベルト64は、廃テープを基板搬送方向の下流側(右から左)に搬送するように回転駆動する。
【0024】
コンベアレール62と駆動モータ66は、支持部材69(図2参照)を介して台座12に固定されている。支持部材69は、図示しないが、台座12に対して傾斜角度を調整可能な傾斜角度調整機構が設けられており、廃テープの搬送傾斜角度を所定範囲内(例えば0度を水平として+30度~-30度の範囲内)で調整できるようになっている(図3(b)~3(e)参照)。
【0025】
コンベアレール62は、ガススプリング68によって全長が伸縮可能に構成されており、ガススプリング68が収縮している状態では台座12のX軸方向(基板搬送方向)の幅内に収まり、ガススプリング68が伸張している状態では一部が台座12から突き出た状態となる。なお、図示しないが、コンベアのフレームには、ガススプリング68の収縮状態を保持するためのロック機構が設けられている。
【0026】
コンベアベルト64は、コンベアレール62が収縮している状態では、緩んだ状態(図3(a)~(c)参照)となり、コンベアレール62が伸張している状態ではベルト駆動に適したテンションで張った状態(図3(d),(e)参照)となるようベルト長さが調整されている。
【0027】
ここで、複数台の部品実装機10A~10Fを設置して部品実装ラインLを構成する場合を考える。図4に示すように、複数台の部品実装機10を基板搬送方向に並べて設置すると、各部品実装機10の廃テープ搬送装置60は、基板搬送方向に一列に整列した状態となる。部品実装機10A,10Bの廃テープ搬送装置60(ベルトコンベア装置)は、左上り傾斜となるように傾斜角が調整されており、一部を台座12から廃テープ搬送方向に向かって突き出すことにより、隣接する部品実装機10の廃テープ搬送装置60(ベルトコンベア装置)と上下にオーバーラップさせている。一方、部品実装機10C~10Fの廃テープ搬送装置60(ベルトコンベア装置)は、右上り傾斜となるように傾斜角が調整されており、一部を台座12から廃テープ搬送方向に向かって突き出すことにより、隣接する部品実装機10の廃テープ搬送装置60(ベルトコンベア装置)と上下にオーバーラップさせている。こうすることで、廃テープ搬送装置60から隣接する廃テープ搬送装置60への廃テープの受け渡しをスムーズに行ない、受け渡しの際に廃テープが落下するのを防止することができる。これにより、各廃テープ搬送装置60は、隣接する部品実装機10の廃テープ搬送装置60に、廃テープを受け渡しながら部品実装ラインLの端まで廃テープを搬送することができる。更に、部品実装ラインLのうち最上流から連続する部品実装機10A,10Bを第1部品実装機群G1とし、残りの部品実装機10C~10Fを第2部品実装機群G2とした場合に、第1部品実装機群G1の廃テープ搬送装置60では廃テープを基板搬送方向の上流側に搬送し、第2部品実装機群G2の廃テープ搬送装置60では廃テープを基板搬送方向の流側に搬送することもできる。
【0028】
制御装置70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、部品実装機10全体を制御する。制御装置70は、実装機本体11や、テープフィーダ20、廃テープ搬送装置60に制御信号を出力する。また、制御装置70は、テープフィーダ20や、他の部品実装機10の制御装置70、管理装置80などと通信可能に接続されている。
【0029】
管理装置80は、CPU81やROM82、RAM83、ストレージ84等を備えたコンピュータであり、部品実装機10の制御装置70と通信可能に接続されている。
【0030】
回収ボックス90は、廃テープ搬送装置60により部品実装ラインLの始端又は終端まで搬送された廃テープを回収する箱型の部材である。
【0031】
次に、こうして構成された部品実装ラインLの部品実装処理について説明する。部品実装処理では、まず、制御装置70は、基板Sがバックアップ装置の真上に来るまで基板搬送装置30を制御する。次に、制御装置70は、基板Sがバックアップ装置の真上に来たならば、基板Sがバックアップされるようにバックアップ装置を制御する。次に、制御装置70は、テープがリール23から送り出されて部品が供給されるように、テープフィーダ20を制御する。そして、制御装置70は、供給された部品の真上に吸着ノズル52が来るようにX軸スライダ48およびY軸スライダ44を制御する。次に、制御装置70は、吸着ノズル52を下降させ、吸着ノズル52の吸引口に負圧を作用させることにより、吸着ノズル52に部品を吸着させる。こうして部品を吸着すると、制御装置70は、吸着ノズル52を上昇させ、吸着ノズル52に吸着させた部品が基板Sの実装位置の真上に来るよう各スライダ44,48を制御する。そして、制御装置70は、部品が基板Sの実装位置に押し当てられるまで吸着ノズル52を下降させると共に吸着ノズル52の吸引口に正圧を作用させることにより、吸着ノズル52による部品の吸着を解除する。こうした動作を繰り返すことにより各部品を基板S上に実装していく。基板Sに対して自機で実装するべき全ての部品を実装し終えたら、制御装置70は、基板Sのバックアップが解除されるようにバックアップ装置を制御すると共に基板Sが下流側に搬送されるように基板搬送装置30を制御する。
【0032】
ここで、第1部品実装機群G1の各実装機本体11には、テープの材質が同じテープフィーダ20をセットし、第2部品実装機群G2の各実装機本体11にも、テープの材質が同じテープフィーダ20をセットすることができる。例えば、図7に示すように、第1部品実装機群G1に第1テープフィーダ21をセットすると共に第2部品実装機群G2に第2テープフィーダ22をセットすることができる。この場合、第1部品実装機群G1の廃テープ搬送装置60では、コンベアベルト64が廃テープを基板搬送方向の上流側に搬送するように、駆動モータ66の回転方向を正方向設定し、第2部品実装機群G2の廃テープ搬送装置60のコンベアベルト64が廃テープを基板搬送方向の下流側に搬送するように、駆動モータ66の回転方向を逆方向に設定する。こうすれば、第1テープフィーダ21の紙製廃テープ及び第2テープフィーダ22のプラスチック製の廃テープは、部品実装ラインLの始端及び終端側方に配置された回収ボックス90に分別して回収される。
【0033】
また、第1部品実装機群G1の各実装機本体11には、テープの材質が異なるテープフィーダ20を混在するようにセットし、第2部品実装機群G2の各実装機本体11には、テープの材質が同じテープフィーダ20をセットすることができる。例えば、図8に示すように、第1部品実装機群G1の実装機本体11に第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22とが混在するようにセットすると共に第2部品実装機群G2の実装機本体11に第2テープフィーダ22をセットすることができる。この場合、第1部品実装機群G1の廃テープ搬送装置60では、コンベアベルト64が廃テープを基板搬送方向の上流側に搬送するように、駆動モータ66の回転方向を正方向に設定し、第2部品実装機群G2の廃テープ搬送装置60のコンベアベルト64が廃テープを基板搬送方向の下流側に搬送するように、駆動モータ66の回転方向を逆方向に設定する。こうすれば、紙製の廃テープと、紙製の廃テープ及びプラスチック製料製の廃テープが混在した廃テープとが、反対方向に搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体11にテープフィーダ20をセットしたり、廃テープ搬送装置60の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープをより分別しやすくなる。
【0034】
次に、上述した部品実装処理を実行するにあたり、第1部品実装機群G1と第2部品実装機群G2との境界を定めたり、第1部品実装機群G1や第2部品実装機群G2の廃テープ搬送方向を定めたりする、廃テープ搬送方向決定ルーチンについて、図6~9を用いて説明する。図6は、廃テープ搬送方向決定ルーチンの一例を示すフローチャートである。図7~9は、各実装機本体11にテープフィーダ20がセットされた状態を示す説明図である。このルーチンは、管理装置80のストレージ84に記憶されており、CPU81によって実行される。なお、この処理は、部品実装ラインLにおいて、上述した部品実装処理が実行される前に行われる。
【0035】
本ルーチンを開始すると、CPU81は、まず、ストレージ84から、基板Sの生産に用いられるテープフィーダ20に関する情報を読み出すと共にテープフィーダ20をテープ材毎に第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22とに分類する(S100)。このテープフィーダ20に関する情報には、テープフィーダ20においてテープを構成する材質に関する情報や、テープフィーダ20の配置位置の制限に関する情報が含まれている。
【0036】
次に、CPU81は、配置位置に制限があるテープフィーダ20があるか否かを判定する(S110)。配置位置に制限があるテープフィーダ20(以下、配置位置制限有りのテープフィーダ20)とは、第1テープフィーダ21から供給される部品よりも先に、基板Sに実装される部品を供給する第2テープフィーダ22や、第2テープフィーダ22から供給される部品よりも先に、基板Sに実装される部品を供給する第1テープフィーダ21である。配置位置制限有りのテープフィーダ20としては、例えば、基板Sの生産に用いられる部品のうち隣接する他の部品と比べて背の低い部品を供給するテープフィーダ20や、シールド部品よりも先に基板Sに実装される部品を供給するテープフィーダ20、シールド部品を供給するテープフィーダ20等である。シールド部品とは、基板Sに実装された他の部品を上部から覆うように、基板Sに実装される部品である。本実施形態では、配置位置制限有りのテープフィーダ20は、部品実装機10Aの実装機本体11にセットしなければならない第2テープフィーダ22及び当該第2テープフィーダ22から供給される部品よりも後に基板Sに実装される部品を供給する第1テープフィーダ21であるものとする。そのため、CPU81は、部品実装機10Aの実装機本体11にセットしなければならない第2テープフィーダ22があるか否かを判定する。
【0037】
S110で否定判定を行なったならば、CPU81は、第1テープフィーダ21の比率に応じて第1部品実装機群G1と第2部品実装機群G2とを決定する(S120)。この処理は以下のように実行される。すなわち、CPU81は、第1テープフィーダ21の数と、第2テープフィーダ22の数とを取得する。次に、CPU81は、第1テープフィーダ21の比率を導出する。第1テープフィーダ21の比率とは、全てのテープフィーダ20に対する、第1テープフィーダ21の比率である。次に、CPU81は、第1部品実装機群G1に属する部品実装機10の構成数(第1部品実装機群G1を決定したときに、第1部品実装機群G1に属し、連続して並ぶこととなる部品実装機10の台数)を導出する。具体的には、部品実装ラインLを構成する部品実装機10の数に、第1テープフィーダ21の比率を乗じて積算値を導出する。積算値が整数ならば、CPU81は、積算値を構成数とする。一方、積算値が小数である場合、CPU81は、以下のような丸込処理を実行する。第1テープフィーダ21の方が第2テープフィーダ22よりも多いならば、CPU81は、積算値を切り上げて得た値を構成数とする。第1テープフィーダ21の方が第2テープフィーダ22よりも少ないならば、CPU81は、積算値を切り下げた値を構成数とする。そして、CPU81は、最上流に位置する部品実装機10Aから構成数だけ連続して並ぶ部品実装機10を第1部品実装機群G1に決定すると共に第1部品実装機群G1以外の部品実装機10を第2部品実装機群G2に決定する。
【0038】
続いて、CPU81は、第1部品実装機群G1に第1テープフィーダ21をセットし、第2部品実装機群G2に第2テープフィーダ22をセットすることを決定する(S130)。
【0039】
ここで、S120及びS130にしたがって、第1部品実装機群G1及び第2部品実装機群G2を決定し、実装機本体11に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22をセットした状態の一例を、図7を用いて説明する。図7では、第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22と数の比率が2:3である。この場合、第1テープフィーダ21の比率は、0.4である。また、図7では、部品実装ラインLが6台の部品実装機10を有するため、積算値は2.4である。そして、2.4を切り下げて得られる2が構成数となる。そのため、部品実装機10Aを含めて連続して並ぶ2台の部品実装機10(部品実装機10A,10B)が第1部品実装機群G1となり、それ以外の部品実装機10(部品実装機10C~10F)が第2部品実装機群G2となる。
【0040】
一方、S110で肯定判定を行なったならば、CPU81は、配置位置制限有りのテープフィーダ20を部品実装機10Aの実装機本体11にセットすることを決定する(S140)。
【0041】
次に、CPU81は、第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22の比率を調整した調整後比率に応じて第1部品実装機群G1と第2部品実装機群G2とを決定する(S150)。比率の調整は、配置位置制限により第2テープフィーダ22を第1テープフィーダ21よりも基板搬送方向の上流側に配置する場合に、その数だけ第1テープフィーダ21の数を加算すると共に第2テープフィーダ22の数を減算して比率を再計算することにより行なう。S150では、CPU81は、第1テープフィーダ21の比率の代わりに、調整後比率を用いる点以外はS120と同様の処理を行なう。
【0042】
そして、CPU81は、第1部品実装機群G1に属する部品実装機10のうち部品実装機10A以外のものに第1テープフィーダ21をセットし、第2部品実装機群G2に第2テープフィーダ22をセットすることを決定する(S160)。
【0043】
S140~S160にしたがって、第1部品実装機群G1及び第2部品実装機群G2を決定し、実装機本体11に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22をセットした状態の一例を、図8を用いて説明する。図8では、配置位置の制限により第2テープフィーダ22の一部が第1テープフィーダ21よりも基板搬送方向の上流側に配置されるため、第1テープフィーダ21の数と第2テープフィーダ22の数との比率が調整され、調整後比率は、0.5である。また、図8では、部品実装ラインLが6台の部品実装機10を有するため、積算値は3である。そして、丸込処理を行なう必要がないため、3が構成数となる。そのため、部品実装機10Aを含めて連続して並ぶ3台の部品実装機10(10A~10C)が第1部品実装機群G1となり、それ以外の部品実装機10(10D~10F)が第2部品実装機群G2となる。
【0044】
なお、図8では、第1部品実装機群G1では、第1テープフィーダ21がセットされる実装機本体11(部品実装機10B,10Cの実装機本体11)と第2テープフィーダ22がセットされる実装機本体11(部品実装機10Aの実装機本体11)とが混在するものとした。しかし、図9に示すように、第1部品実装機群G1では、1つの実装機本体11(部品実装機10Aの実装機本体11)に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22が混在するようにセットされていてもよい。
【0045】
S130又はS160の後、CPU81は、第1部品実装機群G1での廃テープ搬送方向を基板搬送方向の上流側(図7~9において左向きの白色矢印)に決定し(S170)、第2部品実装機群G2での廃テープ搬送方向を基板搬送方向の下流側(図7~9において右向きの白色矢印)に決定する(S180)。
【0046】
次に、CPU81は、作業者に対してテープフィーダ20のセットを指示する(S190)。具体的には、CPU81は、管理装置80に設けられた図示しない表示装置に、基板Sの生産に必要なテープフィーダ20に関する情報及び当該テープフィーダ20をセットするべきセット位置に関する情報を表示させる。作業者は、これらの情報を確認した後、基板Sの生産に必要なテープフィーダ20を用意して、それらのテープフィーダ20を指示されたセット位置にセットする。なお、図示しない自動交換装置によりテープフィーダ20のセットを自動で行なうようにしてもよい。
【0047】
そして、CPU81は、各部品実装機10の制御装置70に対して、廃テープ搬送方向を指示する(S200)。各部品実装機10の制御装置70は、廃テープ搬送方向の指示を入力すると、廃テープ搬送方向が指示された方向となるように駆動モータ66の回転方向を設定すると共に傾斜角度調整機構を制御して廃テープ搬送装置60の傾斜方向及び傾斜角を調整する。S200の後、CPU81は、本ルーチンを終了する。
【0048】
ここで、実施形態の主要な要素と本開示の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、部品実装ラインLが部品実装ラインに相当し、第1テープフィーダ21が第1テープフィーダに相当し、第2テープフィーダ22が第2テープフィーダに相当し、実装機本体11が実装機本体に相当し、部品実装機10A~10Fが複数の部品実装機に相当し、第1部品実装機群G1が第1部品実装機群に相当し、第2部品実装機群G2が第2部品実装機群に相当する。
【0049】
以上説明した部品実装ラインLでは、基板搬送方向の上流側には、紙製の廃テープのみが搬送される。したがって、廃テープの材質を考慮せずに実装機本体11にテープフィーダ20をセットしたり、廃テープ搬送装置60の搬送方向を決定したりした場合に比べると、廃テープを分別しやすくなる。
【0050】
また、部品実装ラインLでは、第2部品実装機群G2の実装機本体11には、第2テープフィーダ22がセットされていてもよい。こうすれば、紙製の廃テープと、プラスチック製の廃テープとを分別することができる。
【0051】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0052】
上述した実施形態では、第1部品実装機群G1の実装機本体11には、第1テープフィーダ21がセットされ、第2部品実装機群G2の実装機本体11には、第2テープフィーダ22がセットされるものとした。しかし、図10,11に示すように、第1部品実装機群G1の実装機本体11には、第1テープフィーダ21がセットされ、第2部品実装機群G2の実装機本体11には、第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22とが混在するようにセットされていてもよい。すなわち、図10に示すように、第2部品実装機群G2では、第1テープフィーダ21がセットされる実装機本体11(部品実装機10Fの実装機本体11)と、第2テープフィーダ22がセットされる実装機本体11(部品実装機10C~10Eの実装機本体11)とが混在するように配置されていてもよい。また、図11に示すように、第2部品実装機群G2では、1つの実装機本体11に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22が混在するようにセットされていてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、基板搬送方向の最上流に位置する部品実装機10Aから連続して並ぶ部品実装機10Bまでを第1部品実装機群G1とした。しかし、図12に示すように、基板搬送方向の最下流に位置する部品実装機10Fから連続して並ぶ部品実装機10(10F,10E,10D)を第1部品実装機群G1とし、それ以外の部品実装機10(部品実装機10A~10C)を第2部品実装機群G2としてもよい。この場合、図13,14に示すように第1部品実装機群G1の実装機本体11には、第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22とが混在するようにセットされ、第2部品実装機群G2の実装機本体11には、第2テープフィーダ22がセットされていてもよい。すなわち、図13に示すように、第1部品実装機群G1では、第1テープフィーダ21がセットされる実装機本体11(部品実装機10D,10Eの実装機本体11)と、第2テープフィーダ22がセットされる実装機本体11(部品実装機10Fの実装機本体11)とが混在するように配置されていてもよい。あるいは、図14に示すように、第1部品実装機群G1では、1つの実装機本体11(部品実装機10Fの実装機本体11)に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22が混在するようにセットされていてもよい。また、図15,16に示すように、第1部品実装機群G1の実装機本体11には、第1テープフィーダ21がセットされ、第2部品実装機群G2の実装機本体11には、第1テープフィーダ21と第2テープフィーダ22とが混在するようにセットされていてもよい。すなわち、図15に示すように、第2部品実装機群G2では、第1テープフィーダ21がセットされる実装機本体11(部品実装機10Aの実装機本体11)と、第2テープフィーダ22がセットされる実装機本体11(部品実装機10B,10Cの実装機本体11)とが混在するように配置されていてもよい。あるいは、図16に示すように、第2部品実装機群G2では、1つの実装機本体11(部品実装機10Aの実装機本体11)に第1テープフィーダ21及び第2テープフィーダ22が混在するようにセットされていてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、管理装置80が、第1部品実装機群G1及び第2部品実装機群G2を定めたり、廃テープ搬送装置60の廃テープ搬送方向を決定したりした。しかし、部品実装ラインLの作業者が第1部品実装機群G1及び第2部品実装機群G2を定めたり、廃テープ搬送装置60の廃テープ搬送方向を決定したりしてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、本開示を部品実装ラインLとして説明したが、廃テープの回収方法としてもよいし、管理装置80としてもよいし、部品実装システム1としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示は、部品実装機の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 部品実装システム、10,10A~10F 部品実装機、11 実装機本体、12 台座、14 本体枠、18 支持台、20 テープフィーダ、21 第1テープフィーダ、22 第2テープフィーダ、23 リール、24 フィーダ部、25 テープ切断機構、26 テープカッタ、27 テープダクト、28 テープシュート、30 基板搬送装置、33 コンベアベルト装置、40 部品装着装置、42 ガイドレール、44 Y軸スライダ、46 ガイドレール、48 X軸スライダ、50 ヘッド、52 吸着ノズル、54 マークカメラ、56 パーツカメラ、58 ノズルストッカ、60 廃テープ搬送装置、61a 駆動輪、61b 従動輪、62 コンベアレール、64 コンベアベルト、66 駆動モータ、68 ガススプリング、69 支持部材、70 制御装置、80 管理装置、81 CPU、82 ROM、83 RAM、84 ストレージ、90 回収ボックス、G1 第1部品実装機群、G2 第2部品実装機群、L 部品実装ライン、S 基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16