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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012998
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ロール紙カッター
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20230119BHJP
   G09F 23/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
A47K10/36 G
G09F23/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116843
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】500470781
【氏名又は名称】有限会社毘沙門寿司
(74)【代理人】
【識別番号】100110814
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】堀江 富夫
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カット後の紙の先端を覆うことができ、紙の引き出しも容易で片手でも引き出した紙をカットできるロール紙カッターを提供する。
【解決手段】ペーパーホルダー2のロール紙22から必要長さ引き出した紙をカットするロール紙カッター1において、一方の縁部に切刃部11cが形成されたカッター本体11と、このカッター本体11をペーパーホルダー2のカバー21に取り付けるための取着部12と、この取着部12とカッター本体11とを揺動自在に連結するヒンジ部13とを有し、カッター本体11は、取着部12をカバー21に取着したときに、ロール紙22の先端22aを覆うようにカバー21の端縁から下方に延出するとともに、ロール紙22の表面と切刃部11cとの間に指先を差し込める隙間Sが形成される構成としてある。取着部12又はカッター本体11に、カッター本体11の揺動角度を規制するストッパを設けてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパーホルダーに回転自在に保持されたロール紙から必要長さ引き出した紙をカットするロール紙カッターにおいて、
一方の縁部に切刃部が形成されたカッター本体と、
このカッター本体を前記ペーパーホルダーのカバーに取り付けるための取着部と、
この取着部と前記カッター本体とを揺動自在に連結するヒンジ部と、
を有し、
前記カッター本体は、前記取着部を前記カバーに取着したときに、前記ロール紙の先端を覆うように前記カバーの端縁から下方に延出するとともに、前記ロール紙の表面と前記切刃部との間に指先を差し込める隙間が形成されるものであること、
を特徴とするロール紙カッター。
【請求項2】
前記カッター本体の縦幅は、前記切刃部でカットされた前記ロール紙の先端が、前記ロール紙の表面から剥離して垂下する寸法に決定されていることを特徴とする請求項1に記載のロール紙カッター。
【請求項3】
前記カッター本体の表面に企業・店舗広告や啓蒙スローガンを含む広告等案内表示を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のロール紙カッター。
【請求項4】
前記ヒンジ部が前記カッター本体に貼着される粘着テープであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のロール紙カッター。
【請求項5】
前記粘着テープの一部が前記取着部であることを特徴とする請求項4に記載のロール紙カッター。
【請求項6】
前記取着部又は前記カッター本体には、前記カッター本体の揺動角度を規制するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のロール紙カッター。
【請求項7】
前記ストッパが、前記取着部又は前記カッター本体の表面に折り畳まれた状態から起立させて形成されるものであることを特徴とする請求項6に記載のロール紙カッター。
【請求項8】
前記ストッパが、前記カッター本体の揺動動作に連動して起立するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のロール紙カッター。
【請求項9】
前記ストッパに当接した前記カッター本体の延長上に前記ロール紙の回転中心が位置するように、前記ストッパによる前記カッター本体の揺動角度が決定されていることを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載のロール紙カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状の紙(ロール紙)を保持するトイレットペーパーホルダーなどのカバーに後付けすることができ、所定長さ引き出した紙を簡単に切断することができるようにするロール紙カッターに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のロール紙カッターとしては、特許文献1に記載するようなものが知られている。
この文献に記載のロール紙カッターは、トイレットペーパーホルダーのカバーに両面テープなどでカッターを固定するもので、カッターの先端を略逆八の字形や山形に形成することで、引き出した紙をカットしやすくするとともに、カット後の紙の先端が略逆八の字形や山形の先端に入り込むことで、次回の使用時に紙の先端を摘みやすくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-20045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した特許文献1に記載のロール紙カッターには以下のような問題がある。
すなわち、1.カット後の紙の先端が略逆八の字形や山形の先端に入り込んで保持されるため、前記先端がトイレットペーパーホルダーから露出した形となり、トイレ利用者の咳やくしゃみなどによる飛沫や、手洗い又は清掃時の水が掛かりやすくなる、2.引き出した紙をカットする際にカバーが持ち上がろうとするため、紙を持った手と反対の手でカバーを押さえなければならず、新型コロナウィルスやノロウィルスなどに感染リスクが高くなる、
本発明は、従来のロール紙カッターが有する上記の問題を解決するためになされたもので、第一に、カット後の紙の先端を覆うことができ、飛沫や水が掛かりにくい状態にできるとともに、このような状態であっても紙の引き出しが容易なロール紙カッターを提供すること、第二に、片手でも引き出した紙をカットできるロール紙カッターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の第一の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ペーパーホルダーに回転自在に保持されたロール紙から必要長さ引き出した紙をカットするロール紙カッターにおいて、一方の縁部に切刃部が形成されたカッター本体と、このカッター本体を前記ペーパーホルダーのカバーに取り付けるための取着部と、この取着部と前記カッター本体とを揺動自在に連結するヒンジ部と、を有し、前記カッター本体は、前記取着部を前記カバーに取着したときに、前記ロール紙の先端を覆うように前記カバーの端縁から下方に延出するとともに、前記ロール紙の表面と前記切刃部との間に指先を差し込める隙間が形成されるように構成されている。請求項2に記載するように、前記カッター本体の縦幅は、前記切刃部でカットされた前記ロール紙の先端が、前記ロール紙の表面から剥離して垂下する寸法に決定するとよい。
【0006】
この構成によれば、ロール紙から所定長さの紙を引き出した後に、カッター本体の切刃部で紙をカットすると、カット後のロール紙の先端はカッター本体の裏側に隠れるので、飛沫や水が掛かりにくい状態とすることができる。また、カッター本体とロール紙との間には指先を差し込める隙間があるので、この隙間に指を差し込んで容易にロール紙の先端を摘むことができる。
さらに、カッター本体の縦幅を、前記切刃部でカットされた前記ロール紙の先端が前記ロール紙の表面から剥離して自重で垂下する寸法とすることで、ロール紙の先端はカッター本体の裏側で常にロール紙の表面から剥離して垂下しており、ロール紙の先端が見えなくても片手で簡単に前記先端を摘むことができる。
また、カッター本体や取着部を厚紙や薄いプラスチック板などで形成することで、ロール紙カッターを薄く小型にすることができ、例えばノベルティ商品として街頭やイベント会場、企業、事業所などで配布しても嵩張らず、受け取った人の携行の障害とならない。そのため、請求項3に記載するように、カッター本体の表面に企業・店舗広告や、飲酒運転禁止・マスク着用・手指消毒などの啓蒙スローガンを記載することで、宣伝・広告・啓蒙効果を得ることができる。
【0007】
なお、請求項4に記載するように、前記ヒンジ部としては、前記カッター本体に貼着される粘着テープを用いることができ、請求項5に記載するように、前記粘着テープの一部が前記取着部を構成するようにしてもよい。
このようにすることで、ロール紙カッターをさらに薄く小型にすることができる。
【0008】
また、請求項6に記載するように、前記取着部又は前記カッター本体に、前記カッター本体の揺動角度を規制するストッパを設けてもよい。このようなストッパを設けることで、紙のカットがより容易になる。
【0009】
前記ストッパは、請求項7に記載するように、前記取着部又は前記カッター本体の表面に折り畳まれた状態から起立させて形成されるものであるとよい。請求項8に記載するように、前記ストッパが、前記カッター本体の揺動動作に連動して起立するように構成されていてもよい。
このようにすることで、カッター本体及び取着部とほぼ同一の面内にストッパを収納することができてロール紙カッターを薄型にすることができ、例えばノベルティ商品として街頭等で配布しても嵩張らず、受け取った人も携行の妨げとならない。
【0010】
上記の第二の目的を達成するために請求項9に記載の発明は、前記ストッパに当接した前記カッター本体の延長上に前記ロール紙の回転中心が位置するように、前記ストッパによる前記カッター本体の揺動角度が決定されている構成としてある。
前記ストッパをこのように構成すれば、紙のカット時にカバーが持ち上がらず、片手で紙をカットすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カット後にロール紙の先端がカッター本体の背後に隠れるので、トイレ利用者の咳やくしゃみなどによる飛沫や、手洗い又は清掃時の水が掛かりにくい状態とすることができる。また、カット後のロール紙の先端は、ロール紙の表面から剥離し垂下した状態でロール紙とカッター本体との間に位置するので、先端を摘んで引き出しやすい。さらに、ストッパを設けることで片手で引き出した紙を片手でカットすることができるので、カバーに触れる機会が減り、新型コロナウィルスやノロウィルスなどに感染リスクを低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のロール紙カッターの好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本発明のロール紙カッターの第一の実施形態に係り、(a)はその正面図、(b)は、揺動の状態を示す側面図、図2は、ペーパーホルダーのカバーにロール紙カッターに取り付ける様子を説明する斜視図で、(a)は取り付け前の状態を、(b)は取り付けた後の状態を示すもの、図3(a)はロール紙カッターを取り付けたペーパーホルダーの側面図で、(b)は、ロール紙から紙を引き出す様子を説明するペーパーホルダーの側面図である。
図示するように、本発明のロール紙カッター1は、長方形に形成された平板状のカッター本体11と、トイレットペーパーホルダーなどのペーパーホルダー2のカバー21に取着される取着部12と、この取着部12に対してカッター本体11を図1(b)の符号I方向に揺動自在に連結するヒンジ部としてのヒンジテープ13とを有している。
【0013】
[カッター本体11]
カッター本体11は、厚紙やプラスチック板などで長方形状に形成されている。
カッター本体11の横幅(図1(a)において紙面の左右方向の幅)は、トイレットペーパーホルダーなどのペーパーホルダーのカバーの幅よりも少し小さい幅に形成されていて、カッター本体11の一端縁には、ロール紙から引き出した紙をカットするための切刃部11cが形成されている。紙をカットできるのであれば切刃部11cの形態は特に限定されず、図示の例のように均等間隔で連続する多数の三角山から構成される切刃部11cとしてもよいし、ナイフエッジ状の切刃部11cとしてもよい。
カッター本体11の縦幅(図1(a)において紙面の上下方向の幅)は、ロール紙22から所定長さの紙を引き出してカットした後に、ロール紙22の先端部分がカッター本体11の背後に隠れるような寸法とする。
カッター本体11の肉厚は、ロール紙22紙から引き出した紙をカットする際に容易にカッター本体11が撓んだり変形したりすることがないものであれば可能な限り薄いものが好ましい。
【0014】
カッター本体11の横幅の寸法としては、例えばトイレットペーパーのペーパーホルダー2用として、10cm~12cm程度を目安とすることができる。カッター本体11の縦幅の寸法としては4cm~6cm程度を目安として挙げることができるが、切刃部11cでカットされたロール紙22の先端22aが、図3(a)に示すようにロール紙の表面から剥離して自重で垂下する寸法とするのが好ましい。このようにすることで、ロール紙22の先端22aが見えなくても、片手で簡単に先端22aを摘んでロール紙22を引き出すことができる。
縦幅の寸法を大きくするほど、ロール紙22の表面と先端22aとの間隔w(図3(a)参照)が大きくなり、先端22aを摘んでロール紙22を引き出す際にロール紙22の表面に手が触れる可能性が小さくなることから、これによっても感染リスクを低減できるという利点があるが、縦幅の寸法が大きくなるほどロール紙カッター1が大きくなるので、概ね10cm程度を上限とするとよい。
また、カッター本体11の肉厚としては、その材料として厚紙やプラスチック板を用いた場合、1mm程度が目安である。
カッター本体11の表面11aは、例えばトイレを使用する利用者の目に付きやすい部分であり、この表面11aに企業や店舗の広告のほか「飲酒運転禁止」「マスク、手指消毒」などの啓蒙スローガンといった広告等案内表示16を記載することで、企業や店舗の集客、飲酒運転抑制・感染症対策などを図ることができる。
【0015】
[取着部12]
取着部12は、カッター本体11をペーパーホルダー2のカバー21に取り付けるためのものである。図示の例では、取着部12はカッター本体11の横幅と同じかこれよりも小さい横幅を有する長方形状の平板から形成されていて、その材質はカッター本体11と同じ材質とすることができる。カッター本体11をペーパーホルダー2のカバー21に取り付けることができるのであれば、取着部12の形状や材質は特に限定されず、例えば、後述するヒンジ部としての薄肉のヒンジテープ13を粘着テープで形成した場合、このヒンジテープ13の一部をそのまま取着部12として構成してもよい。
取着部12の縦幅は、ペーパーホルダー2への取着強度を十分に保てる範囲内でできるだけ小さくするのが好ましい。このようにすることで、カッター本体11及び取着部12を利用者の携行に嵩張らない一枚の平板状とすることができ、例えばノベルティ商品として街頭やイベント会場、各企業、事業所などで配布するのに適した大きさとすることができる。
取着部12の肉厚は、カッター本体11の肉厚と同じとしてもよいし、これよりも小さくしてもよい。図3に示すように、カッター本体11とロール紙22との間には利用者の指が差し込める隙間Sが形成されるようにするが、前記肉厚を調整することで、この隙間Sの大きさを調整することが可能である
また、取着部12をカバー21に取着するための手段は公知の種々のものを用いることができ、例えばステンレン製のカバー21に対しては磁石を用いることができるほか、図示の例のように粘着テープなどから構成される粘着面12aを取着部12の裏面に設けてもよい。
【0016】
[ヒンジテープ13]
ヒンジテープ13は、カッター本体11と取着部12とを連結しつつ、取着部12に対してカッター本体11を揺動自在とする柔軟性を有し、かつ、紙のカット時に持ち上がったカッター本体11をカット後に元の位置に復元させるある程度の復元性を有するものを用いるとよい。このようなヒンジテープ13としては主として市販されている樹脂製の粘着テープを用いることができる。
ヒンジテープ13の一部を取着部12として構成してもよく、使用前の状態ではヒンジテープ13の粘着面(図示の例では符号12aで示す部分)に被覆シールを貼り付けておき、ペーパーホルダー2のカバー21に取り付ける際にはこの被覆シールを剥がして前記粘着面を露出させる。
【0017】
[カバー21への取り付け]
上記構成のロール紙カッター1をペーパーホルダー2のカバー21に取り付けるには、取着部2の裏面の被覆シールを剥がして粘着面12aを露出させる。そして、カバー21の適切な位置に粘着面12aを貼着するが、このとき、ロール紙22の表面とカッター本体11の下端に形成された切刃11cとの間に、利用者の指の先端が差し込める隙間Sが形成されるようにする。
カバー21は一般にロール紙22の表面に沿った湾曲形状となっているため、この湾曲を利用して隙間Sが形成されるようにしてもよい。この場合、隙間Sが大きくなるほどロール紙カッター1の水や飛沫に対する遮蔽効果が低下するため、利用者の指の先端が差し込める範囲内でできるだけ小さいものとするのが好ましい。
カバー1の湾曲を利用できない場合、又は、湾曲の度合いが不十分で利用者の指の先端が差し込める隙間Sの形成が困難な場合は、取着部2の肉厚を小さくするか、カッター本体11の下面に補助部材を差し込むなどして、適切な寸法の隙間Sを確保する。
【0018】
上記構成のロール紙カッター1によれば、図3に示すように、ロール紙カッター1をカバー21に取着することでロール紙22の端部22aがカッター本体11の背後に隠れ、水の飛散や利用者の咳・くしゃみなどによる飛沫のロール紙22への付着を抑制することができる。
その一方で、ロール紙22の端部22aとカッター本体11との間には指先が差し込める適度の隙間Sが形成されていることから、利用者は指先Fを隙間S内に差し込むことでカッター本体11が押し上げられ、容易にロール紙22の端部22aを摘むことができる。そして、ロール紙22から所定長さの紙を引き出した後は、カッター本体11の切刃部11cを使って、ロール紙22から所定長さの紙をカットすればよい。
【0019】
[第二の実施形態]
上記の第一の実施形態のロール紙カッター1においては、ロール紙22から所定長さ引き出した紙をカットする際には、カッター本体11の揺動動作をもう一方の手で規制する必要がある。
そのため、この第二の実施形態のロール紙カッター1においては、カッター本体11又は取着部材12のいずれかにストッパ15を設け、カッター本体11が所定角度以上の揺動しないようにストッパ15で規制することによって、ロール紙22から所定長さ引き出した紙を片手でカットできるようにしている。
図4は、ロール紙カッター1の第二の実施形態にかかり、(a)はストッパ15を起立させる前の状態を示すロール紙カッター1の斜視図、(b)はストッパ15を起立させたときの状態を示すロール紙カッター1の斜視図、(c)はロール紙カッター1をカバー21に取着したときにおけるストッパ15の作用を説明する斜視図、図5は、ストッパ15の作用と適切な揺動角度を説明する側面図である。
【0020】
[ストッパ15]
この実施形態においてストッパ15は、折り目15a,15bで三つ折りできる短冊状に形成されたもので、一端(図示の例では上端)が取着部12に固定されている。取着部12とストッパ15とを一体に形成したもよい。ストッパ15の他端は、固定されていない自由端であり、その途中の二カ所に離間して折り目15a,15bが形成されている。そのため、ストッパ15を起立させる前においては、ストッパ15はカッター本体11及び取着部12の表面に密着していて、ロール紙カッター1の一枚の平板性を維持している。
ロール紙カッター1をカバー21に取り付ける際にストッパ15を起立させるが、折り目15a,15bを境にストッパ15を同じ方向に折り曲げ、側面視して三角形状のストッパ15が形成されるようにする(図5参照)。
また、例えばストッパ15の他端側に粘着部を形成しておき、折り目15bで前記他端側を折り曲げたときに、前記粘着部によって前記他端側を取着部12に固定できるようにすれば、起立させたストッパ15の三角形状を維持させることができる。
このストッパ15によれば、ロール紙22から所定長さ引き出した紙をカッター本体11の切刃部11cでカットする際に、カッター本体11の揺動動作をストッパ15で規制することができ、引き出す際に紙を摘んだ片手で前記紙をカットすることができる。
カッター本体11の延長線IIがロール紙22の回転中心Cよりも上に位置すると、カバー21がロール紙22の表面から滑ってヒンジ23を軸として上方に浮き上がりやすくなり、他方の手でカバー21を押さえる必要がある。一方、延長線IIがロール紙22の回転中心Cと同じか、回転中心Cよりも少し下に位置していれば、カバー21がロール紙22の表面に押さえつけられ、カバー21の浮き上がりが抑制される。
そのため、カッター本体11の揺動角度は、延長線IIがロール紙22の回転中心Cと同じか少し下に位置するものに設定するとよい。
【0021】
[ストッパ15の別の実施形態]
図6は、ストッパ15の別の実施形態を示すもので、取着部12とカッター本体11との境界部分の部分拡大側面図である。
この実施形態では、平板状のストッパ15によって取着部12とカッター本体11とが連結されている。また、平板状のストッパ15の表面には、取着部12とカッター本体11との境界部分にV溝15dが形成されていて、このV溝15dを支点として、取着部12に対してカッター本体11が揺動自在である。カッター本体11を取着部12に対して揺動させると、V溝15dの幅が次第に狭くなり、やがて、V溝15dの対岸どうしが密接してカッター本体11の揺動動作が規制される。カッター本体11の最大の揺動角度は、V溝15dの頂角の角度によって決定される。V溝15dの頂角の角度は、図5に示すように延長線IIがロール紙22の回転中心Cと同じか下に位置するものとするとよい。
【0022】
[ストッパ15のさらに別の実施形態]
図7は、ストッパ15のさらに別の実施形態を示すもので、取着部12とカッター本体11との境界部分の部分拡大側面図である。
この実施形態のストッパ15は、平板状の四つの部材(151~154)を連結して形成され、そのうちの一つの部材151が取着部12の表面に、この部材151に隣接する部材152がカッター本体11の表面11aに貼着等によって固定されている。そのため、この実施形態では、ストッパ15がヒンジ部として機能する。
また、各部材151~154間は折り目として形成されていて、カッター本体11を取着部12に対して揺動させると、図7(a)に示すように平らな状態から、(b)(c)(d)に示すように部材153,154が起立を始め、部材153がカッター本体11の表面11aに当接したところで、図5のストッパ15と同じ側面視して三角形状のストッパ15が完成する。これにより、カッター本体11の揺動が規制される。
【0023】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、図4においてストッパ15は取着部12の表面に固定するものとしたが、カバー本体11の表面11aに固定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、ロール紙22を保持するペーパーホルダーに広範に適用が可能であり、トイレットペーパーホルダーに限らずキッチンペーパーホルダなどロール紙22を保持する他のペーパーホルダーにも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明のロール紙カッターの第一の実施形態に係り、(a)はその正面図、(b)は、揺動の状態を示す側面図である。
図2】ペーパーホルダーのカバーにロール紙カッターに取り付ける様子を説明する斜視図で、(a)は取り付け前の状態を、(b)は取り付けた後の状態を示すものである。
図3】(a)はロール紙カッターを取り付けたペーパーホルダーの側面図で、(b)は、ロール紙から紙を引き出す様子を説明するペーパーホルダーの側面図である。
図4】ロール紙カッターの第二の実施形態にかかり、(a)はストッパを起立させる前の状態を示すロール紙カッターの斜視図、(b)はストッパを起立させたときの状態を示すロール紙カッターの斜視図、(c)はロール紙カッターをカバーに取着したときにおけるストッパの作用を説明する斜視図である。
図5】ストッパの作用と適切な揺動角度を説明する側面図である。
図6】ストッパの別の実施形態を示すもので、取着部とカッター本体との境界部分の部分拡大側面図である。
図7】ストッパのさらに別の実施形態を示すもので、取着部とカッター本体との境界部分の部分拡大側面図である。
【符号の説明】
【0026】
1:ロール紙カッター
11:カッター本体
11a:表面
11c:切刃部
12:取着部
12a:粘着面
13:ヒンジテープ
15:ストッパ
15a,15b:折り目
15d:V溝
151~154:部材
16:広告等案内表示
2:ペーパーホルダー
21:カバー
22:ロール紙
22a:先端
C:回転中心
S:隙間
w:ロール紙カッターと先端との間隔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7