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特開2023-129998蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置
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  • 特開-蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置 図1
  • 特開-蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置 図2
  • 特開-蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置 図3
  • 特開-蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023129998
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/00 20220101AFI20230912BHJP
   F22B 37/48 20060101ALI20230912BHJP
   B01D 39/12 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B01D46/00 Z
F22B37/48 B
B01D39/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034402
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】神丸 直毅
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA02
4D019BB02
4D019CA03
4D058JA02
4D058JB03
4D058JB24
4D058QA03
4D058QA11
4D058UA18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】蒸気フィルターを蒸気が通過する際の通過音を抑えることができる蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の提供。
【解決手段】導入管14の先端部分から噴射される蒸気がメッシュフィルター4を透過する際、通過音が発生することがある。この通過音を抑制するために、メッシュフィルター4に消音カバー2が取り付けられる。消音カバー2の円筒本体20には多数の消音孔25が形成されており、各消音孔25は円筒本体20の内周面から外周面に向けて漸次、内径が小さくなる傾斜面を備えている。このため、通過音は傾斜面に反射して拡散し消音孔内面との間で摩擦が生じ、この摩擦によって通過音の音エネルギーが熱エネルギーに変換されて通過音の振動が弱められる。これによって、通過音が小さくなり、蒸気がメッシュフィルター4を通過する際の通過音を抑えることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を濾過する網状金属製の蒸気フィルターに取り付けられる蒸気フィルターカバーであって、
前記蒸気フィルターと対向する内側面、及び当該内側面の裏側である外側面を有するカバー本体、
前記カバー本体の前記内側面と前記外側面とを連通させ、蒸気が前記内側面から前記外側面に向けて通過する貫通穴であって、前記内側面から前記外側面に向けて漸次、大きさが狭くなる消音傾斜面が貫通穴内面に形成されている貫通穴、
を備えたことを特徴とする蒸気フィルターカバー。
【請求項2】
請求項1に係る蒸気フィルターカバーにおいて、
前記カバー本体は、弾性部材で構成されている、
ことを特徴とする蒸気フィルターカバー。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に係る蒸気フィルターカバーにおいて、
前記蒸気フィルターと前記カバー本体の前記内側面との間には、拡散用空間が形成されている、
ことを特徴とする蒸気フィルターカバー。
【請求項4】
蒸気が流入する流入路、
前記流入路を通じて流入する蒸気を濾過する網状金属製の蒸気フィルター、
前記蒸気フィルターに取り付けられる蒸気フィルターカバーであって、当該蒸気フィルターカバーは、
前記蒸気フィルターと対向する内側面、及び当該内側面の裏側である外側面を有するカバー本体、
前記カバー本体の前記内側面と前記外側面とを連通させ、蒸気が前記内側面から前記外側面に向けて通過する貫通穴であって、前記内側面から前記外側面に向けて漸次、大きさが狭くなる消音傾斜面が貫通穴内面に形成されている貫通穴、を備えている、
ことを特徴とする蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置は、蒸気を濾過する蒸気フィルターに取り付けられる蒸気フィルターカバーの構成についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気は各種装置の熱源等に用いられることがあるが、一般に蒸気中には微細なゴミ等の異物が混入している。このため、蒸気の移送経路にフィルターを設けて透過させ、このフィルターで蒸気を濾過して異物を捕捉することが多い。
【0003】
このような蒸気フィルターを設けた装置として後記特許文献1に開示された気液分離器がある。この気液分離器は、蒸気等の気体の中から水分等の液体を分離させる装置である。入口6から流入した気体は旋回羽根12に沿って旋回し、その際の遠心力の作用で液体が外側に振り出されて分離される。液体が取り除かれた気体は出口5から流出する。
【0004】
こうして気体はこの気液分離器を通過するが、気液分離器内には気体の流路に上流フィルター24及びフィルター22が設けられている。この上流フィルター24及びフィルター22に気体を透過させることによって濾過し、気体に含まれる異物を捕捉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-162480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述の特許文献1に開示された技術においては、気体がフィルターを透過する際、通過音が発生することがある。特にメッシュ状の金属製フィルターを用いた場合、通過音が発生することが多い。また、たとえば円筒状のフィルターでは、内側から外側に向けて気体が透過する場合に、より大きな通過音を外部に生じさせてしまう。
【0007】
このような通過音は、条件によっては騒音の問題を生じさせる場合がある。また、蒸気の移送経路に設置される各種機器は、故障や部品の劣化に起因して異音が発生することが多いため、フィルターを透過する際に通過音が発生した場合、機器としては正常に動作しているにもかかわらず故障等が生じていると誤認識される虞がある。
【0008】
そこで本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置は、蒸気フィルターを蒸気が通過する際の通過音を抑えることができる蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に係る蒸気フィルターカバーは、
蒸気を濾過する網状金属製の蒸気フィルターに取り付けられる蒸気フィルターカバーであって、
前記蒸気フィルターと対向する内側面、及び当該内側面の裏側である外側面を有するカバー本体、
前記カバー本体の前記内側面と前記外側面とを連通させ、蒸気が前記内側面から前記外側面に向けて通過する貫通穴であって、前記内側面から前記外側面に向けて漸次、大きさが狭くなる消音傾斜面が貫通穴内面に形成されている貫通穴、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
本願に係る蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置は、
蒸気が流入する流入路、
前記流入路を通じて流入する蒸気を濾過する網状金属製の蒸気フィルター、
前記蒸気フィルターに取り付けられる蒸気フィルターカバーであって、当該蒸気フィルターカバーは、
前記蒸気フィルターと対向する内側面、及び当該内側面の裏側である外側面を有するカバー本体、
前記カバー本体の前記内側面と前記外側面とを連通させ、蒸気が前記内側面から前記外側面に向けて通過する貫通穴であって、前記内側面から前記外側面に向けて漸次、大きさが狭くなる消音傾斜面が貫通穴内面に形成されている貫通穴、を備えている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置においては、蒸気フィルターカバーに、カバー本体の内側面と外側面とを連通させ、蒸気が内側面から外側面に向けて通過する貫通穴が形成されている。そして、この貫通穴内面には内側面から外側面に向けて漸次、大きさが狭くなる消音傾斜面が形成されている。
【0012】
このため、蒸気フィルターを通過する蒸気が通過音を発生させた場合、この通過音は蒸気とともに貫通穴に入って消音傾斜面で拡散し、通過音の振動エネルギーが熱エネルギーに変換され通過音の振動が弱められる。したがって、蒸気が蒸気フィルターを通過する際の通過音を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の第1の実施形態である消音カバー2が設けられた加熱装置1の全体構成を示す模式図である。
図2図1に示す消音カバー2近傍の拡大一部断面図である。
図3図2に示す消音カバー2に形成されている消音孔25を示す拡大断面図である。
図4】本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の第2の実施形態における消音カバー202近傍の拡大一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態における用語説明]
実施形態において示す主な用語は、それぞれ本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の下記の要素に対応している。
【0015】
加熱装置1・・・蒸気使用装置
消音カバー2、202・・・蒸気フィルターカバー
メッシュフィルター4・・・蒸気フィルター
導入管14・・・流入路
円筒本体20、220・・・カバー本体
内周面20a・・・内側面
外周面20b・・・外側面
消音孔25、225・・・貫通穴
消音孔内面25a・・・貫通穴内面
傾斜面25b・・・消音傾斜面
メッシュフィルター4の外周面と円筒本体20、220の内周面との間の隙間・・・拡散用空間
ゴム、ウレタンスポンジ、グラスウール等・・・弾性部材
【0016】
[第1の実施形態]
本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の第1の実施形態を加熱装置1の構成を例に掲げて説明する。加熱装置1は装置本体10内に収容された食料品等の加熱対象物50を蒸気によって加熱処理する装置である(図1参照)。
【0017】
加熱装置1の装置本体10内の空間は加熱室12として構成される。そして、装置本体10には、上部に円筒形状の導入管14が加熱室12に向けて取り付けられており、ボイラー等の蒸気生成装置で生成された蒸気がこの導入管14を通じて移送され、矢印91方向に沿って加熱室12に導入される。図2に示すように、導入管14の先端はボルト15によって封じられているが、先端部の円筒面には噴出孔が設けられており(図示せず)、この噴出口から蒸気が加熱室12に噴射される。
【0018】
図2に示すように、導入管14の先端部分には、噴出口を覆って円筒形状のメッシュフィルター4が取り付けられており、蒸気はこのメッシュフィルター4を透過して噴出される。メッシュフィルター4の中心は、導入管14の中心線L1(図2)と一致するよう配置される。なお、本実施形態においては、メッシュフィルター4は金属材料で構成されており、全体にわたって網状のメッシュ部分を備えている。
【0019】
導入管14を通じて移送される蒸気にはゴミ等の異物が混入していることがあり、メッシュフィルター4を透過することによって蒸気は濾過され、メッシュフィルター4のメッシュ部分で異物が補足される。なお、メッシュフィルター4は導入管14の先端部分に対して着脱可能であり、メンテナンス作業の際、導入管14からメッシュフィルター4が取り外され、メッシュフィルター4に付着している異物は清掃作業で除去される。
【0020】
ここで、メッシュフィルター4を蒸気が通過する際、通過音が発生することがある。これにはメッシュフィルター4の材質や形状等の要因が複雑に関連しているが、メッシュフィルター4を蒸気が勢いよく通過するとき乱気流が生じ、主にこれに起因して通過音が発生する。
【0021】
このような通過音は騒音の問題を生じさせる場合がある。また、加熱装置1に故障や部品の劣化等が生じた場合、これに起因して異音が発生することが多いため、メッシュフィルター4を蒸気が通過する際に通過音が発生した場合、加熱装置1としては正常に動作しているにもかかわらず故障等が生じていると誤認識してしまう虞がある。
【0022】
そこで、このような通過音を抑制するために、本実施形態ではメッシュフィルター4を覆って円筒形状の消音カバー2を設けている。この消音カバー2はメッシュフィルター4に近接した状態で保持され、メッシュフィルター4の外周面と消音カバー2の内周面との間には僅かな隙間が形成されている。そして、消音カバー2の中心は、導入管14の中心線L1(図2)と一致するよう配置される。
【0023】
本実施形態では消音カバー2は弾性部材としてのゴムを用いて構成されている。消音カバー2は、凹凸部の嵌合や固定具等の固定手段(図示せず)よって導入管14の先端部分に着脱可能に保持されている。なお図2では、消音カバー2のみが断面図として表されており、他の部分は側面図として示されている。
【0024】
消音カバー2は円筒本体20を備えており、この円筒本体20には図1に示すように全体にわたって多数の消音孔25が形成されている。各消音孔25は円形状を備えており、図3に示すように、円筒本体20の内周面20aと外周面20bとを連通させるように貫通している。円筒本体20の内周面20aは、メッシュフィルター4の外周面に近接して対向する面であり、外周面20bは内周面20aの裏面である。各消音孔25の貫通中心線L2(図3)は、導入管14の中心線L1(図2)に対して直交するように形成されている。
【0025】
各消音孔25の消音孔内面25aは、連続的に形成されている円筒面25cと傾斜面25bから構成されている。円筒面25cは、その内径が貫通中心線L2に沿って一定であるのに対して傾斜面25bは、円筒本体20の内周面20aから外周面20bに向けて漸次、内径が小さくなるように傾斜している。本実施形態においては、円筒面25cに対する傾斜面25bの傾斜角度kは45度未満、具体的には約40度に形成されている。
【0026】
各消音孔25の消音孔内面25aが傾斜面25bを備えているため、メッシュフィルター4を蒸気が通過する際に生じる通過音が消音孔25に進入したとき、通過音は傾斜面25bに反射して拡散し消音孔内面25aとの間で摩擦が生じる。この摩擦によって通過音の音エネルギーが熱エネルギーに変換され通過音の振動が弱められる。したがって、通過音が小さくなり、蒸気がメッシュフィルター4を通過する際の通過音を抑えることができる。
【0027】
また、本実施形態では、消音カバー2はゴムを用いて構成されているため、ゴム素材の振動によってもメッシュフィルター4の通過音の音エネルギーが振動エネルギー又は熱エネルギーに変換され、通過音の振動が弱められる。このため、通過音がより小さくなり、蒸気がメッシュフィルター4を通過する際の通過音をさらに抑えることができる。
【0028】
さらに、本実施形態では、メッシュフィルター4の外周面と消音カバー2の内周面との間には僅かな隙間が形成されているため、メッシュフィルター4の通過音はこの隙間の中で乱反射して拡散する。この拡散の際の摩擦によって通過音の音エネルギーが熱エネルギーに変換され通過音の振動が弱められる。このため、通過音がより小さくなり、蒸気がメッシュフィルター4を通過する際の通過音をさらに抑えることができる。
【0029】
[第2の実施形態]
本願に係る蒸気フィルターカバー及び蒸気フィルターカバーを有する蒸気使用装置の第2の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態に係る消音カバー202も、前述の第1の実施形態における消音カバー2と同様、導入管14の先端部分に設けられたメッシュフィルター4を覆って取り付けられる。加熱装置1の動作や導入管14、メッシュフィルター4の構成、作用は前述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。なお図4では、消音カバー202のみが断面図として表されており、他の部分は側面図として示されている。
【0030】
本実施形態に係る消音カバー202も円筒形状を有してゴム材料で形成されており、消音カバー202の上端部(又は両端部)の内径は第1の実施形態における消音カバー2の内径と同じ長さに構成されているが、本実施形態に係る消音カバー202は、導入管14に流入する蒸気の圧力を受けて膨張するような素材及び厚みで設計されている。つまり、本実施形態に係る消音カバー202は、使用時において、図4に示すように中央部に向けて湾曲する膨らみが生じるように構成されている。この膨らみによって、消音カバー202の内周面とメッシュフィルター4の外周面との間の内径方向における隙間長さL20がより広く確保されている。
【0031】
そして、消音カバー202の円筒本体220には、第1の実施形態における消音カバー2と同様に多数の消音孔225が形成されている。消音孔225の構成は消音カバー2と同じである。すなわち、消音孔225は円形状を備えており、円筒本体220の内周面と外周面とを連通させるように貫通している。そして、各消音孔225の貫通中心線は、導入管14の中心線L1(図2)に対して直交するように形成されている。
【0032】
また、各消音孔225の消音孔内面は、連続的に形成されている円筒面と傾斜面から構成されており、円筒面は、その内径が貫通中心線に沿って一定であるのに対して傾斜面は、円筒本体220の内周面から外周面に向けて漸次、内径が小さくなるように傾斜している。
【0033】
このため、前述の第1の実施形態と同様、メッシュフィルター4を蒸気が通過する際に生じる通過音が消音孔225に進入したとき、通過音は傾斜面に反射して拡散し通過音が抑えられる。また、消音カバー202がゴムを用いて構成されているため、蒸気圧力を受けたゴム素材自体の揺れに基づく振動によって、通過音はさらに抑えられる。
【0034】
また、本実施形態では、メッシュフィルター4の外周面と消音カバー202の内周面との間の隙間長さL20がより広く確保されていることから、メッシュフィルター4の通過音はより広範囲で乱反射して拡散する。このため、拡散の際の摩擦が大きくなり通過音の音エネルギーから熱エネルギーへの変換量が増加して通過音の振動が十分に弱められ、通過音をより確実に抑えることができる。
【0035】
なお、本実施形態における消音カバー202の上端部(又は両端部)の内径は第1の実施形態における消音カバー2と同じ長さに構成されているため、第1の実施形態で示した寸法を有する導入管14に消音カバー202を取り付けることが可能である。したがって、第1の実施形態に係る消音カバー2と本実施形態に係る消音カバー202とを容易に交換することができ、消音カバーの汎用性を高めることができる。
【0036】
[その他の実施形態]
前述の実施形態においては、蒸気使用装置として加熱装置1を例に掲げたが、これに限定されるものではなく、導入される蒸気を濾過する蒸気フィルターを備えた装置であれば、異なる構成、作用を備えた他の装置に本願における貫通穴が形成された蒸気フィルターカバーを適用することができる。
【0037】
また前述の実施形態においては、蒸気フィルターとしてメッシュフィルター4を例示したが、網状金属製のもので蒸気を濾過するフィルターであれば他の形状、構造の蒸気フィルターを用いてもよい。たとえば、円筒形状とは異なる形状の蒸気フィルターを採用することができる。
【0038】
さらに前述の実施形態においては、蒸気フィルターカバーとして消音カバー2を例示したが、消音傾斜面が貫通穴内面に形成されている貫通穴を備えたものであれば他の形状、構造の蒸気フィルターカバーを用いてもよい。たとえば平面形状等、円筒形状とは異なる形状であって、取り付け対象である蒸気フィルターの形状に対応した形状を有する蒸気フィルターカバーを採用することができる。
【0039】
また貫通穴として、円筒本体20に形成された多数の消音孔25を例示したが、例示した数よりも多数又は少数の消音孔25を形成してもよい。さらに消音傾斜面として、傾斜角度kが約40度の傾斜面25bを例示したが、45度未満の他の角度又は45度以上の角度を採用することもできる。
【0040】
さらに、前述の実施形態においては、消音カバー2がゴム材料を用いて構成されている例を示したが、蒸気フィルターカバーをウレタンスポンジやグラスウール等、ゴム材料以外の弾性部材を用いて構成することもできる。また、蒸気フィルターカバーの材料として樹脂材料、金属材料等、弾性部材以外の材料を採用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
1:加熱装置 2、202:消音カバー 4:メッシュフィルター 14:導入管
20、220:円筒本体 20a:内周面 20b:外周面 25、225:消音孔
25a:消音孔内面 25b:傾斜面

図1
図2
図3
図4