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  • 特開-コネクタ抜け止め具 図1
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  • 特開-コネクタ抜け止め具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130018
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】コネクタ抜け止め具
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034448
(22)【出願日】2022-03-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】596058904
【氏名又は名称】有限会社アバンテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明弘
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC36
5E021HC11
5E021HC31
5E021HC40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動車等狭い空間に装備されるメス側コネクタに差し込んだオス側コネクタがずれたり抜けたりすることを容易に防止できるコネクタ抜け止め具を提供する。
【解決手段】ツイストタイ3と、一方の面に前記ツイストタイの端部301を通す輪21を備え、他方の面に粘着材を備える台座部と、を含む、コネクタ抜け止め具1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツイストタイと、
一方の面に前記ツイストタイの端部を通す輪を備え、他方の面に粘着材を備える台座部と、を含む
ことを特徴とする、コネクタ抜け止め具。
【請求項2】
前記ツイストタイの端部は、前記輪を通して折り返して、前記ツイストタイの本体部に固定部材で固定してある
ことを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ抜け止め具。
【請求項3】
前記輪は、正面視台形である
ことを特徴とする、請求項1また2に記載のコネクタ抜け止め具。
【請求項4】
前記台座部を一対含む
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ抜け止め具。
【請求項5】
コネクタ抜け止め具の台座部であって、
一方の面にツイストタイの端部を通す輪を備え、他方の面に粘着材を備える
ことを特徴とする台座部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ抜け止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の自動車には、スマートフォンなどの電子機器を接続して通信したり充電したりするために、USBコネクタが装備されている。また、自動車の電動化に伴い、USBコネクタその他のコネクタ(HDMIコネクタなど)が標準装備になることが考えられる。
【0003】
住宅や事務所の室内と異なり、自動車は走行中に振動しているため、コネクタによってはオス側がメス側から抜ける方向にずれてしまい、接触不良により通信や充電が上手く行かなくなることがある。最悪の場合は、抜けて完全に外れてしまうこともある。
【0004】
従来、例えば、「プラグ抜け防止器具であって、片面に粘着材が形成されたシート状の絶縁部材から構成され、前記シート状の絶縁部材は、電子機器の表面に張り付けられる横方向に延びた第1の片、プラグの周囲に巻き付けられる横方向に延びた第2の片と、前記第1の片の中央部から前記第2の片の一端部に向けて縦方向に延び、前記第1の片と前記第2の片を連結する第3の片、を有することを特徴とするプラグ抜け防止器具」が提案されている(特許文献1の請求項1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-197638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記プラグ抜け防止器具は、全体が1枚のシート状であるので製造コストの削減が期待できる一方、プラグの周囲に巻き付ける第2の片を粘着材によりプラグに貼り付けるなど、使用上の利便性が低下する可能性がある。
【0007】
とりわけ、自動車内に装備されるコネクタは、ダッシュボードやコンソールボックスの奥まった場所や狭いった場所に設置されることが多く、上記プラグ抜け防止器具の第2の片や市販の粘着テープは、手に貼り付いたり、周辺部分に貼り付いたりするので、奥まった場所や狭いった場所で使うのは容易ではない。また、自動車内に装備されるコネクタ等は、手指を細かに動かして作業するスペースがないので、取付けが複雑な抜け止め器具も不向きである。
【0008】
本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決するためのものであり、自動車等狭い空間に装備されるメス側コネクタに差し込んだオス側コネクタがずれたり抜けたりすることを容易に防止できるコネクタ抜け止め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、コネクタ抜け止め具であって、ツイストタイと、一方の面に前記ツイストタイの端部を通す輪を備え、他方の面に粘着材を備える台座部と、を含む。
【0010】
好ましくは、上記コネクタ抜け止め具において、前記ツイストタイの端部は、前記輪を通して折り返して、前記ツイストタイの本体部に固定部材で固定してある。
【0011】
好ましくは、上記コネクタ抜け止め具において、前記輪は、正面視台形である。
【0012】
好ましくは、上記コネクタ抜け止め具において、前記台座部を一対含む。
【0013】
上記の課題を解決する本発明の一態様は、コネクタ抜け止め具の台座部であって、一方の面にツイストタイの端部を通す輪を備え、他方の面に粘着材を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自動車等狭い空間に装備されるメス側コネクタに差し込んだオス側コネクタがずれたり抜けたりすることを容易に防止できるコネクタ抜け止め具を提供することができる。
【0015】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のコネクタ抜け止め具の一例を示す斜視図である。
図2】本発明のコネクタ抜け止め具の台座部の例を示す斜視図である。
図3】本発明のコネクタ抜け止め具の台座部の本体部及び輪の一例を示す、(a)平面図、(b)正面図、(c)底面図である。
図4図3の本体部及び輪の、(a)AA線断面図、(b)BB線断面図である。
図5】本発明のコネクタ抜け止め具の使い方を説明するための図である。
図6】本発明のコネクタ抜け止め具の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、下記実施形態(及び変形例)において共通する構成要素については、前出の符号と同様な符号を付し説明を省略することがある。また、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0018】
図1は、本発明のコネクタ抜け止め具の一例を示す斜視図である。本発明のコネクタ抜け止め具1は、電気・電子機器のメス側のコネクタQに差し込んだオス側のコネクタP(図5を参照)がずれたり抜けたりすることを防止するための器具である。
【0019】
コネクタ抜け止め具1は、図示のように、ツイストタイ3と、一方の面にツイストタイ3の端部301を通す輪21を備え、他方の面に粘着材22(図2を参照)を備える台座部2と、を含む。
【0020】
まず、図2図4を参照して、台座部2について説明する。図2(a)、(b)は、各々が台座部2の一例の斜視図である。図3は、台座部2の本体部及び輪の一例を示す、(a)平面図、(b)正面図、(c)底面図である。図4は、図3の本体部及び輪の、(a)AA線断面図、(b)BB線断面図である。図2及び図3において、Xは横方向(左右方向)、Yは厚み方向(上下方向)、Zは奥行方向(前後方向)を示す。
【0021】
台座部2は、板状の本体部20と、本体部20の一方の面である上面201に備える輪21と、他方の面である下面202に備える粘着材22とを含む。
【0022】
本体部20及び輪21は、例えば、樹脂製で、一体に形成される。本体部20及び輪21の厚みは、好ましくは0.8mm~1.5mm程度で、例えば、1mm程度である。
【0023】
本体部20は、ユーザが設置箇所に応じて、大きさや形状を鋏等でカットして調整できるようになっている。言い換えれば、本体部20は、好ましくは、普通の切断具(例えば、鋏やカッター等)でカットできる程度の柔軟性を有する。
【0024】
輪21は、本体部20の上面201の中央に形成される。本体部20は、輪21の下方の部分が厚み方向に貫通して矩形の貫通孔203が形成される。本体部20は、貫通孔203を有しない構成でもよい。輪21は、円形ないし円弧形状でもよいが、好ましくは、正面視台形に形成される。
【0025】
より具体的には、輪21は、上面201から相対して突出する一対の脚部212と、両脚部212の上端を連結する連結部211とを有する。両脚部212は、各々が平板状で上端が内側(横方向の中心側)に傾斜して、上端間距離が下端間距離より小さくなっている。連結部211は、平板状で、上面201と平行し、横方向に延びて、両脚部212の上端を連結している。両脚部212の上端と連結部211で形成される角部はR面取りされている。
【0026】
輪21は、横方向の幅Cが、好ましくは、10~14mm程度で、例えば、12mm程度である。輪21は、奥行方向の幅Fが、好ましくは、3.0~6.0mm程度で、例えば、4.5mm程度である。輪21の連結部211は、横方向の幅Dが、好ましくは、6.0~8.0mm程度で、例えば、7.0mm程度である。連結部211は、上面201から突出する高さEが、好ましくは2.5~3.5mm程度で、例えば3.0mm程度である。連結部211と両脚部212との間の角部の表面側R面の曲率半径は例えば2.0mm程度である。
【0027】
ここでは、台座部2は、輪21が台形であるため、後述の扁平な形状のツイストタイ3を通しやすい。台座部2は、輪21の連結部211、両脚部212のいずれも平板な形状で、角部がR面であるため、扁平なツイストタイ3の巻き付けが容易になる。台座部2は、輪21が台形であるため、円形ないし円弧形状よりも、上面201から突出する度合(高さ)が小さく、場所を取らずに済む。
【0028】
図2に示すように、台座部2は、本体部20の下面202を覆うように粘着材22が設けられる。粘着材22には、例えば両面テープが用いられ、使用の際に剥離紙を剥がして使用される。
【0029】
次に、図1に戻って、ツイストタイ3について説明する。
【0030】
ツイストタイ3は、一端部301と、他端部302を有する長尺の本体部30を有する。本体部30は、樹脂(PETやPVC等)シートの間に針金が挟み込まれるいわゆるツイストタイ(ビニールタイとも呼ばれる)で構成される。
【0031】
ツイストタイ3の本体部30は、幅が台座部2の連結部211の横方向の幅Dより狭く、厚みが連結部211の裏面と本体部20の上面201との間の間隔より薄い。ここでは、連結部211が例えば、幅Dがツイストタイ3の本体部30の1.5~2.0倍程度、裏面と本体部20の上面201との間の間隔がツイストタイの本体部30の最大厚みの1.5~3.0倍程度となるように形成されてもよい。
【0032】
ツイストタイ3は、本体部30の端部301が、台座部2の輪21を通して折り返して、本体部30に固定してある。固定手段は、特に限定されないが、好ましくは、図示のように、端部301を本体部30に金属の固定部材311を用いてカシメにより固定してある。言い換えれば、ツイストタイ3は、端部301側が予め輪21にループ状に取り付けられ、ループ部31が形成される。
【0033】
詳細は後述するが、このように予めツイストタイ3の一端部301側を輪21に取り付けてあるため、狭所で端部301を輪21に結ぶ作業が不要となり、取付けが簡便になる。
【0034】
本体部30の他端部302は、自由端である。後述のように、ツイストタイ3は、一例として、オス側のコネクタPの首部に巻き付けて絡めた後、他端部302を、輪21に通し折り返して本体部30に巻き付けて使用される。
【0035】
以下では、使い方について、より具体的に説明する。図5は、コネクタ抜け止め具1の使い方を説明するための図である。なお、ここでは、USBコネクタの例を図示している。
【0036】
まず、接続相手機器のメス側のコネクタQの近傍に、台座部2を、本体部20の下面に設置の粘着材22(ここでは不図示)により貼り付けて固定する。ここでは、台座部2をメス側のコネクタQの設置面に隣接する面に固定しているが、スペースがない場合はコネクタQの設置面と同じ面に固定してもよい。前述のように、本体部20を適宜な大きさや形状にカットしてから貼付け、固定してもよい。
【0037】
次に、メス側のコネクタQにオス側のコネクタPを差し込んだ後は、ツイストタイ3を引っ張りながらオス側のコネクタPの本体部より細くなっている首部に2周ほど巻き付ける。その後、図示しないが、他端部302を引っ張りながら輪21に通し、さらに折り返して、他端部302をツイストタイ3の本体部30に巻き付ける(本体部30への巻き付けは図6(b)を参照)。
【0038】
以上に記載のように、コネクタ抜け止め具1は、使用の際は、ツイストタイ3の一端部301が台座部2に対して固定され、中間部分がオス側のコネクタPの首部に巻き付けられ、他端部302がさらに台座部2に対して固定されるため、抜け止めの力が大きく、自動車の走行など振動のある環境においても、コネクタPがずれたり抜けたりすることを防止できる。
【0039】
また、コネクタ抜け止め具1は、ツイストタイ3が針金及びこれを被覆する扁平な帯状の樹脂シートで構成されるため、単なるワイヤと比べて、オス側のコネクタPの首部に緩みなく、面でガッチリつかんでかかることができる。また、コネクタ抜け止め具1は、ツイストタイ3の他端部302及びオス側のコネクタPに絡めた部分を容易に外せるので、コネクタPを抜く場合も簡便である。さらに、形状を元に戻せるので、次にコネクタP(または他のオス側のコネクタ)を差し込む際も繰り返し使用できる。
【0040】
また、コネクタ抜け止め具1は、輪21が台座部2の上面201から突出しているため、狭い車内でも視認しやすく、ツイストタイ3を通しやすい。また、ツイストタイ3のループ部31は、輪21に留められた状態で様々な角度に姿勢を変えられるので、様々な角度からオス側のコネクタPの首部に巻き付けることができる。
【0041】
なお、ツイストタイ3は、被覆部分が、ほどよい柔軟性を有し、繰返し使用可能であれば、金属箔や紙等樹脂以外の材料が用いられてもよい。また、芯材が、所定の強度や折り曲げ性を有するものであれば、塑性変形する樹脂からなる樹脂ワイヤ等針金以外の材料が用いられてもよい。
【0042】
<変形例>
図6は、本発明のコネクタ抜け止め具1の変形例を説明するための斜視図で、(a)一方の台座部2(2a)、(b)他方の台座部2(2b)を説明するための図である。
【0043】
本例のコネクタ抜け止め具1は、台座部2を一対含む。本例では、ツイストタイ3の端部301が、一方の台座部2aの輪21に通して折り返して、本体部30に固定してある。言い換えれば、本例のコネクタ抜け止め具1は、ツイストタイ3が一方の台座部2aに予め取り付けられ、他方の台座部2bはこれらとは独立して備えられる。
【0044】
本例のコネクタ抜け止め具1は、使用の際には、まず、接続相手機器のメス側のコネクタQの近傍に、台座部2a、2bを、各々の本体部20の下面に設置の粘着材22(ここでは不図示)により貼り付けて固定する。図示では、台座部2a、2bを、メス側のコネクタQの設置面に隣接し相対する両面に固定しているが、コネクタQの設置面と同じ面にコネクタQを跨いて両側に固定してもよい。前述のように、本体部20を適宜な大きさや形状にカットしてから貼付け、固定してもよい。
【0045】
次に、メス側のコネクタQにオス側のコネクタPを差し込んだ後は、図6(a)に示すように、ツイストタイ3を引っ張りながらオス側のコネクタPの首部に2周ほど巻き付ける。その後、図6(b)に示すように、他端部302を引っ張りながら他方の台座部2bの輪21に通し、さらに折り返してツイストタイ3の本体部30に巻き付ける。
【0046】
このように、本例のコネクタ抜け止め具1は、使用の際は、ツイストタイ3の一端部301が一方の台座部2aに対して固定され、中間部分がオス側のコネクタPの首部に巻き付けられ、他端部302が他方の台座部2bに固定されるため、抜け止めの力が大きく、抜ける方向に逆向きの合力がかかるので、自動車の走行など振動のある環境においても、より効果的にコネクタPがずれたり抜けたりすることを防止できる。
【0047】
以上に記載のように、本発明のコネクタ抜け止め具1は、設置場所に応じて貼り付けるスペースがある場合は台座部2を一対用いる、スペースがない場合は台座部2を一つのみ用いるなど柔軟に対応できる。本発明のコネクタ抜け止め具1は、上記ツイストタイ3とは別途に、予備のツイストタイを備えてもよい。なお、ツイストタイ3の一端部301が輪21に予め取り付けられなくてもよいことは言うまでもない。
【0048】
以上、本発明に係るコネクタ抜け止め具の実施形態について説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されない。本発明には、以上の各実施形態やその変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…コネクタ抜け止め具、2…台座部、20…本体部、201…上面、202…下面、21…輪、211…連結部、212…脚部、22…粘着材、3…ツイストタイ、30…本体部、301…端部、302…端部、31…ループ部、311…固定部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6