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特開2023-130047情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130047
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230912BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20230912BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20230912BHJP
【FI】
A61N1/36
G16Y10/60
G16Y20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034490
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 謙太朗
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ04
4C053JJ24
4C053JJ32
(57)【要約】
【課題】 対象物に好適な制御態様で肌処理装置を制御することを可能とする。
【解決手段】 人の皮膚に付与可能な対象物に対応付けて生成された制御情報の利用権限を示す権限情報を受信する受信部と、受信部により権限情報が受信された場合に、ユーザの肌を処理する肌処理装置を、制御情報に基づき制御可能な状態に設定する有効化処理部とを備える、情報処理装置が開示される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の皮膚に付与可能な対象物に対応付けて生成された制御情報の利用権限を示す権限情報を受信する受信部と、
前記受信部により前記権限情報が受信された場合に、ユーザの肌を処理する肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する有効化処理部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、特定の対象物を購入するための第1所定入力が前記ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第1所定入力の発生を示す情報を、前記権限情報として受信し、
前記有効化処理部は、前記第1所定入力の発生を示す情報に基づいて、前記肌処理装置を、前記特定の対象物に対応付けて生成された前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記肌処理装置を購入するための第2所定入力が前記ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第2所定入力の発生を示す情報を、前記権限情報として受信し、
前記有効化処理部は、前記第2所定入力の発生を示す情報に基づいて、前記第2所定入力に係る前記肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信部は、定期購入契約を確定させるための第3所定入力が前記ユーザに対応付けて発生した場合に、前記ユーザを識別するユーザ識別子を含む通知を、前記権限情報として受信し、
前記通知に基づいて、前記ユーザ識別子に第1特定情報を対応付ける第1対応付け処理部を更に備え、
前記有効化処理部は、前記ユーザ識別子に前記第1特定情報が対応付けられていることに基づいて、前記肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受信部は、所定電子媒体の消費を確定させるための第4所定入力が前記ユーザに対応付けて発生した場合に、前記第4所定入力の発生を示す情報を、前記権限情報として受信し、
前記有効化処理部は、前記第4所定入力の発生を示す情報に基づいて、前記肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザが特典条件を満たすか否かを判定する判定部を更に備え、
前記受信部は、前記ユーザが前記特典条件を満たすことを示す判定結果であって、前記ユーザを識別するユーザ識別子を含む判定結果を、前記権限情報として受信し、
前記判定結果に基づいて、前記ユーザ識別子に第2特定情報を対応付ける第2対応付け処理部を更に備え、
前記有効化処理部は、前記ユーザ識別子に前記第2特定情報が対応付けられていることに基づいて、前記肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
肌状態ごとに前記対象物に対応付けて生成された前記制御情報を記憶する記憶部と、
前記ユーザの肌に関する肌情報を取得する肌情報取得部と、を更に備え、
前記制御情報に基づき制御可能な状態は、前記ユーザの前記肌情報に対応する肌状態に係る前記制御情報に基づき前記肌処理装置を制御可能な状態を含む、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザの前記肌情報に基づいて、推奨される対象物情報を前記ユーザに提示するための提示画面情報を生成する提示処理部を更に備える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提示画面情報は、推奨される対象物情報のうちの特定の対象物をユーザが選択して購入するためのユーザインタフェースを含む、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記肌情報取得部は、前記ユーザの肌を撮像した画像情報、又は、前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記ユーザの前記肌情報を取得する、請求項7から9のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記肌情報取得部は、前記ユーザからの前記入力情報を得るための入力画面であって、アンケート又は問診を含む入力画面情報を生成する、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記有効化処理部は、
前記制御情報を生成又は取得する第1処理部と、
前記制御情報に基づく制御指示、前記制御情報自体、又は、前記制御情報を特定可能な情報を、前記ユーザに対応付けられたユーザ端末又は前記肌処理装置に送信する第2処理部とを含む、請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記対象物は、複数の成分を含む商品を含み、
前記第1処理部は、前記対象物に含まれる複数の成分のうちから、1つ以上の対象成分を抽出し、抽出した前記1つ以上の対象成分に適合する前記制御情報を生成又は取得する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第1処理部は、前記対象物に含まれる複数の成分を特定し、複数の成分のうちから、所定の優先順に従って、前記1つ以上の対象成分を抽出する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記所定の優先順は、成分ごとにあらかじめ対応付けられた優先情報、又は、前記商品の販売情報に基づく、請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記第1処理部は、前記対象物に含まれる複数の成分のうちから、前記ユーザからの選択入力に基づいて、1つ以上の対象成分を選択し、選択した前記1つ以上の対象成分に適合する前記制御情報を生成又は取得する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項17】
人の皮膚に付与可能な対象物に対応付けて生成された制御情報の利用権限を示す権限情報を受信し、
前記権限情報を受信した場合に、ユーザの肌を処理する肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定することを含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項18】
人の皮膚に付与可能な対象物に対応付けて生成された制御情報の利用権限を示す権限情報を受信し、
前記権限情報を受信した場合に、ユーザの肌を処理する肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用する化粧品配合成分に関する情報の入手を容易とし、ユーザの要求に合った化粧品の選択、化粧品レシピの作成を可能とする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-357140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、化粧品等に含まれる各種成分を対象物として、当該対象物に好適な制御態様で肌処理装置を制御できない。
【0005】
そこで、本開示は、対象物に好適な制御態様で肌処理装置を制御可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、人の皮膚に付与可能な対象物に対応付けて生成された制御情報の利用権限を示す権限情報を受信する受信部と、
前記受信部により前記権限情報が受信された場合に、ユーザの肌を処理する肌処理装置を、前記制御情報に基づき制御可能な状態に設定する有効化処理部とを備える、情報処理装置が開示される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、対象物に好適な制御態様で肌処理装置を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例に係る情報処理システムの構成概要を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】一例による美容デバイスの外観を示す図である。
図4】一例による美容デバイスに備わる制御系の概略的な構成図である。
図5】本実施例に係る情報処理装置の記憶部に記憶されるデータであって、制御情報に関連するデータの一例を説明する説明図である。
図6図5の繰り返し情報の説明図である。
図7】情報処理システムの情報処理装置の機能の一例を示すブロック図である。
図8】対象物データベース内のデータの説明図である。
図9】制御情報データベース内のデータ(専用制御情報)の説明図である。
図10】一の出力モードの出力波形の例を示す図である。
図11】他の出力モードの出力波形の例を示す図である。
図12】更なる他の出力モードの出力波形の例を示す図である。
図13】更なる他の出力モードの出力波形の例を示す図である。
図14】更なる他の出力モードの出力波形の例を示す図である。
図15】具体的な対象物ごとの制御情報の一例を示す表図である。
図16】ユーザ情報データベース内のデータの説明図である。
図17】情報処理システムの動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
図18】情報処理システムの他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
図19】情報処理システムの更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
図20図19に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その1)の説明図である。
図21図19に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その2)の説明図である。
図22図19に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その3)の説明図である。
図23図19に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その4)の説明図である。
図24】情報処理システムの更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
図25図24に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その1)の説明図である。
図26図24に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その2)の説明図である。
図27図24に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末上の画面(その3)の説明図である。
図28】情報処理システムの更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施例について説明する。以下に示す実施例中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
本実施例に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施例において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。また、本実施例においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
また、本明細書において、用語「対応付け」とは、直接的な対応付けのみならず、間接的な対応付けをも含む。例えば、要素Aに要素Bが対応付けられている状態は、要素Aに要素Bが対応付けられている状態のみならず、要素Aに要素Cが対応付けられかつ要素Cに要素Bが対応付けられている状態をも含む概念である。
【0014】
図1は、本実施例に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
【0015】
情報処理システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3と、美容デバイス4と、を備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。換言すると、情報処理装置3は、ユーザ端末2及び美容デバイス4とネットワークを介して通信可能に構成される。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。図1には、ネットワークに接続されている化粧品販売サーバ5及び美容デバイス販売サーバ6が示されている。化粧品販売サーバ5及び美容デバイス販売サーバ6については後述する。
【0016】
ユーザ端末2は、通信部と、記憶部と、制御部と、表示部と、入力部と、撮像部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。通信部、記憶部および制御部の説明は、情報処理装置3における通信部31、記憶部32および制御部33と略同様のため、省略する。
【0017】
表示部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカル・ユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0019】
撮像部は、外界の情報を撮像可能に構成される、いわゆるビジョンセンサ(カメラ)である。撮像部は、撮影対象を撮影することで画像データを生成するように構成される。撮像部は、後述の情報処理装置3における通信部31とネットワークを介して接続され、撮像した画像データを情報処理装置3に転送可能に構成される。
【0020】
以下で説明するユーザ端末2の機能は、ユーザ端末2に備わる制御部(図示せず)が、ユーザ端末2に備わる記憶部(図示せず)等に記憶される1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。本実施例では、一例として、専用のアプリケーション(以下、「専用アプリ」とも称する)により実現されるものとする。なお、専用アプリは、ネイティブアプリであってもよいし、WEBアプリであってもよい。
【0021】
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、例えばサーバコンピュータの形態であってよい。情報処理装置3は、複数のサーバコンピュータにより実現されてもよい。
【0022】
情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が、情報処理装置3の内部において、通信バス30を介して電気的に接続されている。
【0023】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、通信部31は、これら複数の通信手段の集合として実施されることがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、ユーザ端末2および美容デバイス4とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0024】
記憶部32は、任意の記憶媒体により形成されてよく、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、記憶部32は、これらの組み合わせであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。なお、記憶部32は、情報処理装置3に内蔵されている必要はなく、情報処理装置3の外部に設けられてもよい。この場合、記憶部32は、情報処理装置3によりネットワークを介してアクセス可能な記憶装置により実現されてもよい。
【0025】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、実現される。なお、制御部33は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施されてもよい。また、制御部33は、複数の制御部の組み合わせであってもよい。
【0026】
図3は、一例による美容デバイス4の外観を示す図である。美容デバイス4は、動作部4aと、グリップ部4bとを備える。
【0027】
美容デバイス4は、動作部4aとその支持体であるグリップ部4bとで構成される。動作部4aは、ユーザの皮膚に接触して動作するように構成され、グリップ部4bの長手方向の一方の端部に設けられている。動作部4aを接触させる皮膚とは、例えば、上半身の皮膚を含むものである。ここで上半身は、顔周辺と、首周辺と、胸元周辺とのうち少なくとも一つを含む。すなわち、上半身のうち、デコルテよりも上部の皮膚をいう。例えば、顔、顎、頸部、鎖骨部分、胸元、頭部等をいう。なお、必ずしも前述した部位に限らず、後頚部、腹部、背部、腰、腕を含んでもよく、臀部、脚等の下半身を含んでもよい。
【0028】
動作部4aには、複数の電極が設けられてもよい。この場合、複数の電極のうちの、任意又は所定の1つ以上の対の電極を介して各種出力波形を肌に付与することができる。図3に示す例では、一例として、複数の電極40は、円弧上に配置されている。なお、電極40の配置や数は、任意であり、少なくとも2つ以上の電極が配置されている構成であればよい。また、イオン導入等の特定処理においてはグリップ部4bに配置されうる手元電極(図示せず)が利用されてもよい。
【0029】
グリップ部4bは、ユーザによって把握される棒状の部分である。グリップ部4bには、美容デバイス4の動作開始若しくは終了の際、又は動作モードを変更する際に、ユーザによって操作される操作ボタン4cが備え付けられてもよい。
【0030】
(制御系)
図4は、一例による美容デバイス4に備わる制御系100の概略的な構成図である。
【0031】
図4に示す例では、制御系100は、制御装置110と、電気回路部112とを含み、電気回路部112は、駆動回路部120と、出力波形発生部130と、切替回路部140とを含む。
【0032】
制御装置110は、コンピュータを含み、例えばマイクロコンピュータにより形成されてよい。なお、制御装置110は、電源150からの電力に基づいて動作してよい。
【0033】
制御装置110は、制御情報に基づいて、複数の電極40から制御情報に対応する出力波形が生成されるように、駆動回路部120、出力波形発生部130、及び切替回路部140を制御する。
【0034】
制御情報は、複数の電極40を介した出力の出力波形を特徴付ける任意の情報である。また、制御情報は、制御装置110が複数の電極40を介して所期の出力波形を出力するために用いる任意の情報であり、任意の段階で用いられる情報を含んでもよい。例えば、制御情報は、後述する制御信号CT1、CT2や、駆動回路部120から出力波形発生部130への信号自体であってもよいし、これらの信号を生成するための各種情報であってもよい。制御情報の一例は、後述する。
【0035】
図4に示す例では、駆動回路部120は、複数の電極40を介して各種出力波形を発生する。図4には、制御信号CT1、CT2の一部の波形が模式的に示されている。この場合、制御信号CT1、CT2は、それぞれ別々の制御ラインL1、L2を介して駆動回路部120に付与されてよい。制御信号CT1、CT2の周波数(デューティー比)は、後述する制御情報(第2パラメータの値)に応じて決まってよい。
【0036】
駆動回路部120は、後述する複数のスイッチング素子Trを駆動するドライバを含む。駆動回路部120は、それぞれ、制御装置110からの制御信号CT1、CT2に応じて出力波形発生部130のスイッチング素子Trをオン/オフさせるための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を、対応するスイッチング素子Trに与える。
【0037】
出力波形発生部130は、それぞれ、直流電源である電源150に基づいて、出力波形を生成する。出力波形発生部130は、対のスイッチング素子Trと、トランス135とを含む。
【0038】
対のスイッチング素子Trは、例えばトランジスタ等のスイッチング素子であり、一方は、トランス135の端子Taに接続され、他方は、トランス135の端子Tbに接続される。トランス135は、センタータップに係る端子Tcに電源150が接続される。トランス135は、所定周波数に適合された周波数仕様である。例えば、トランス135の誘起電圧Eを、E=√2・π・f・n・φmとした場合、周波数fは、所定周波数と略等しくなるように設定されてもよい。なお、この場合、nは、巻数であり、φmは、磁束である。なお、トランス135は、周辺回路の設定乗数やフェライトコア(トランス135の内部部品)の材質や密着度を変えるなどの設定(調整)に基づいて、所定周波数に適合されてよい。所定周波数は、好ましくは高周波に対応する周波数である。なお、本明細書において、特に言及しない限り、高周波とは、10kHzよりも大きい周波数帯を指し、低周波とは、10kHz以下の周波数帯を指す。
【0039】
切替回路部140は、出力波形発生部130の出力端子(すなわちトランス135の出力端子)Td、Teの接続先を、複数の電極40内で切り替えることで、出力波形を生成する電極の対を複数の電極40内で制御する。この場合、切替回路部140は、後述する制御情報に基づいて、出力波形を生成する電極の対が変化するように制御してよい。
【0040】
なお、図4に示した制御系100は、あくまで一例であり、利用する制御情報の種類(2種類以上の場合も含む)に応じて、適宜、変更されてよい。例えば、切替回路部140において、出力波形発生部130の出力端子(すなわちトランス135の出力端子)Td、Teの接続先が、他の電極(図示せず)を含んでよく、この場合、出力波形を発生する対の電極は、時分割により切り替えられてもよい。あるいは、2系統以上の駆動回路部120や出力波形発生部130が設けられてもよい。また、対の電極の切り替えが不要な構成の場合、切替回路部140は省略されてもよい。また、PWM信号は、発振器を利用して駆動回路部120に直接的(制御装置110を介さずに)印加されてもよい。
【0041】
次に、図5以降を参照して、制御情報について説明する。
【0042】
図5は、制御情報の説明図である。制御情報は、美容デバイス4の制御に用いられる情報であり、制御情報が異なれば美容デバイス4の動作(制御方法)も異なる関係がある。
【0043】
本実施例では、一例として、制御情報は、通常の制御情報と、特別に生成された制御情報(以下、「専用制御情報」とも称する)とを含む。専用制御情報は、特定の対象物に対応付けて生成された制御情報であり、通常の制御情報は、特定の対象物に対応付けられていない制御情報である。通常の制御情報は、特定の対象物に対応付けられていないため、特定の対象物に対応付けて生成された後述する専用制御情報に比べて、汎用性があるものの、特定の対象物に対する効果が低くなりやすい傾向となる。以下、専用制御情報と通常の制御情報とを特に区別しないときは、単に「制御情報」と称する。
【0044】
図5に示す例では、制御情報は、制御情報IDごとに規定される。制御情報IDは、各種制御情報のそれぞれに対して付与される識別子である。なお、制御情報の一単位は、制御情報IDごとであってよい。具体的には、制御情報IDは、図5に示すように、制御態様を表す各種情報に対応付けられてよい。図5に示す例では、制御情報データ510は、上位データ511と、下位データ512とを含む。なお、上位データ511及び下位データ512の分け方は、説明の都合上であり、実際には、同様のデータが、実質的に同様の他の態様に管理されてもよい。例えば、上位データ511及び下位データ512は、統合されてもよい。
【0045】
上位データ511では、制御情報IDごとに、モード構成情報、実行時間比、基準実行時間、及び繰り返し情報、が対応付けられている。
【0046】
モード構成情報は、複数の出力モードを、どのような順番で実行するかを示す情報である。なお、本実施例では、一の制御情報IDに対応付けられるモード構成情報は、2つ以上の出力モードを含むが、変形例では、1つだけの出力モードを含むモード構成情報が対応付けられる制御情報IDが存在してもよい。
【0047】
例えば、図5に示す例では、制御情報ID“001”に対応付けられているモード構成情報は、後述する出力モードM3、出力モードM4、及び出力モードM2を、この順で実行することを示す。
【0048】
実行時間比は、モード構成情報で示される各出力モードの実行時間の、互いに対する比を表す。ここでは、最初に実行される出力モードの実行時間を基準値“1”とした場合の、他の出力モードの実行時間の比が規定される。なお、他の実施例では、各出力モードの実行時間の比に代えて、実行時間自体の情報が利用されてもよい。
【0049】
例えば、図5に示す例では、制御情報ID“001”に対応付けられている実行時間比は、後述する出力モードM3の実行時間を基準値“1”としたとき、出力モードM4の実行時間が同じ“1”であり、出力モードM2の実行時間が“1.2”であることを、示す。
【0050】
基準実行時間は、基準値に係る実行時間を示す。例えば、図5に示す例では、実行時間は、20ミリ秒であり、この場合、出力モードM3の実行時間は、20ミリ秒であり、出力モードM4の実行時間が同じ20ミリ秒であり、出力モードM2の実行時間が24ミリ秒である。
【0051】
繰り返し情報は、モード構成情報で示される各出力モードが繰り返し(周期的に)実行されるか否かを示す。ここでは、一例として、“1”は、繰り返し実行されることを表し、“0”は、繰り返し実行されないことを表す。なお、繰り返し実行される場合は、繰り返し回数や繰り返し態様(例えばインターバルの有無やその長さ等)が規定されてもよい。
【0052】
例えば、図5に示す例では、制御情報ID“001”に対応付けられている繰り返し情報は、“1”であり、従って、図6に示すように、出力モードM3、出力モードM4、及び出力モードM2が、この順に、複数回、繰り返し実行される。
【0053】
下位データ512では、出力モードごとに、対応する出力モードに係る出力波形を出力するための制御パラメータが対応付けられる。制御パラメータは、任意であるが、本実施例では、一例として、出力波形が交流波形か直流波形かを表す第1パラメータと、周波数に関する第2パラメータと、振幅(強度)に関する第3パラメータとを含む。ここでは、一例として、第1パラメータの値は、“1”が交流波形を表し、“0”が直流波形かつ極性が正であること、を表し、“2”が直流波形かつ極性が負であること、を表す。なお、出力波形が直流波形であるとき、第2パラメータの値は、パルス波の発生の周波数を表してよい。また、出力の強度がユーザにより調整可能な構成の場合、第3パラメータの値は、デフォルト値として機能してよい。なお、第3パラメータは、出力レベルを示す電圧やデューティに関連したパラメータであってよい。
【0054】
例えば、図5に示す例では、出力モードM1は、第1パラメータの値が“1”であり、出力波形が交流波形であることを表す。また、出力モードM1は、第2パラメータの値が“α1(実際には特定の数値)”であり、交流波形の周波数がα1[Hz]であることを表す。また、出力モードM1は、第3パラメータの値が“β1(実際には特定の数値)”であり、交流波形の振幅がβ1[V]であることを表す。
【0055】
このようにして本実施例によれば、対象物ごとに、制御情報が対応付けられる。従って、対象物ごとの対象物の特性に好適な出力波形を生成できる制御情報を対応付けることができる。また、各対象物に対応付けられる制御情報は、2つ以上の出力モードによる出力波形の出力(美容デバイス4の対の電極40を介した出力)を規定する。すなわち、制御情報は、美容デバイス4に時系列で連続して実行される処理であって、特性が異なる出力波形による処理(2種類以上の所定処理)を表す。これにより、対象物のそれぞれに好適な処理をきめ細かに実現できる。
【0056】
図7は、情報処理システム1の情報処理装置3の機能の一例を示すブロック図である。図8は、対象物データベース300内のデータの説明図である。図9は、制御情報データベース302内のデータ(専用制御情報)の説明図である。
【0057】
情報処理装置3は、図7に示すように、対象物データベース300と、制御情報データベース302と、ユーザ情報データベース305とを含む。対象物データベース300からユーザ情報データベース305の各データベースは、図2に示した記憶部32により実現できる。
【0058】
対象物データベース300には、制御情報が対応付けられる対象物に関するデータが記憶される。図8に示す例では、対象物データベース300内のデータは、物質単位の対象物について物質IDごとに管理された対象物データD301と、化粧品単位の対象物について化粧品IDごとに管理された化粧品データD302とを含む。なお、対象物データD301の物質名や化粧品データD302の化粧品名は、正式名称や、略称、別名、化学記号等を含んでよい。化粧品データD302の全成分リストは、化粧品メーカから提供される情報や、化粧品のパッケージ等に表示される情報、分析結果等に基づいてよい。また、図8に示す例では、化粧品データD302には、含まれていないが、成分番号、性質、分子量等を含んでよい。この場合、性質は、例えば、(1)溶媒への対象物の溶けやすさに関する性質、(2)帯電に係る特性、及び、(3)分子量又はその属性、のうちの少なくともいずれかに基づいて設定されてよい。
【0059】
例えば(1)については、対応する対象物の、特定溶媒(例えば水や油)への溶けやすさ(溶け難さも同義)に関する性質(例えば、水溶性であるか脂溶性であるかという性質や、皮膚外用剤を使用する温度と溶液のpH(Potential Hydrogen)において水溶性であるか、脂溶性(油溶性)であるか、あるいは、両親媒性であるかという性質)とを、含んでよい。また、(2)については、例えば荷電数として、2,1,0,-1、や、これに代えて又は加えて、帯電の正負や、荷電を有しない区分(解離しないないしは両性電解質)に係る特性を含んでよい。また、水溶液中での解離態様とその酸又は塩基の強度に係る特性を含んでよい。また、(3)については、分子量自体であってもよいし、低分子か高分子かなどの区分(属性)を示す情報を含んでよい。
【0060】
なお、対象物は、人の皮膚に付与可能な物質であり、典型的には、美容効果などの各種効果を期待できる物質である。対象物は、例えば、化粧品等に含まれる各種成分であってよい。あるいは、対象物は、皮膚外用剤に含まれる各種成分であってもよい。なお、皮膚外用剤は、医薬品、及び医薬部外品など物質担体の使用目的は任意である。また、対象物は、医薬部外品において肝臓で代謝され効果効能が発揮しきれなかった医薬品の経皮吸収の促進にも効果がある物質を含んでよい。また、さらに経皮吸収させる外用剤の使用目的は任意であり、鎮痛剤、消炎剤、美白剤、湿潤剤、抗しわ剤、抗炎症剤、抗菌剤、抗ウイルス薬をはじめとして外用剤の経皮吸収目的を問わない。
【0061】
制御情報データベース302には、特定の対象物に対応付けられていない通常の制御情報が記憶されてよい。以下では、通常の制御情報に基づいて生成される出力波形を、「通常波形」とも称する。なお、通常波形を生成するための制御情報は、基本的に、任意のユーザが常に利用できる制御情報であり、デフォルト設定としてユーザ端末2や美容デバイス4に記憶されていてもよい。
【0062】
制御情報データベース302には、特定の対象物に対応付けられている専用制御情報が記憶される。専用制御情報は、通常の制御情報とは、特定の対象物に対応付けられている点が異なり、それに伴い、図5を参照して上述した制御情報データ510の各パラメータの値の少なくとも一部が異なる。
【0063】
図9には、専用制御情報の一例が表2300で示されている。図9に示す例では、特定の物質ID又は化粧品IDごとに制御情報IDが対応付けられている。専用制御情報は、2つ以上の対象物の組み合わせに対応付けて生成されてもよい。なお、一の制御情報IDに対応する制御情報は、図5を参照したとおり、対応するモード構成情報等を含み、各種試験や知見等に基づいて適合されてよい。この場合、複数の対象物の組み合わせによる影響等を考慮した制御情報を用意できる。
【0064】
また、制御情報データベース302には、肌情報と対象物情報の組み合わせに対応付けられている専用制御情報(以下、区別するときは、「肌状態反映型の専用制御情報」とも称する)が記憶されてよい。この場合、肌情報が同じであっても対象物情報が異なれば、肌状態反映型の専用制御情報も異なりうる。図9には、肌状態反映型の専用制御情報の一例が表2301で示されている。この場合、肌状態IDと物質ID又は化粧品IDとの組み合わせごとに、制御情報IDが対応付けられている。肌状態IDは、顔全体に対応付けられてよい。なお、一の制御情報IDに対応する制御情報は、図5を参照したとおり、対応するモード構成情報等を含み、各種試験や知見等に基づいて適合されてよい。この場合、肌状態のみならず化粧品の性質等を考慮した制御情報を用意できる。この結果、肌状態及び化粧品(対象物)の双方に適合した制御情報に基づく処理を実現できる。
【0065】
なお、制御情報データベース302には、更に、対象物が付与される対象部位(例えば顔の部位)をも考慮した制御情報(以下、区別するときは、「ケア部位反映型の専用制御情報」とも称する)が記憶されてよい。各対象部位は、顔部の複数の部位を含み、具体的には、額、目尻、鼻、目袋、ほうれい線(正確には、ほうれい線が形成される部位)、フェイスライン(頬)、あご(顎)の7部位を含む。なお、変形例では、これらの7部位の一部が省略されてもよいし、他の対象部位が追加されてもよいし、より粗い又はより細かい粒度の分類が利用されてもよい。また、目尻、目袋、ほうれい線、及びフェイスライン(頬)については、左右で別々の部位として扱われてもよく、この場合、顔部は、合計11部位に分類される。この場合、美容デバイス4が当たる対象部位が変化するごとに、それぞれの部位に適合した出力波形を肌に印加できる。
【0066】
以下では、上述した専用制御情報、肌状態反映型の専用制御情報、及びケア部位反映型の専用制御情報に基づいて生成される出力波形を、それぞれ区別しないときは、単に「専用波形」とも称する。
【0067】
制御情報データベース302内の専用制御情報は、運営側(例えば、美容デバイス4の開発を行う運営側)の研究者や開発者等が各種試験や知見等に基づいて生成するが、後述するように有効化処理部312(第1処理部3121)により自動的に生成されてもよい。
【0068】
ここで、図10から図15を参照して、専用波形となりうる各種出力波形とともに、専用制御情報の一例について説明する。
【0069】
図10は、出力モードM1の出力波形の例を示す図である。図10では、横軸に時間を取り、縦軸に電圧値を取ったときの、出力モードM1の出力波形(時系列波形)が示されている。なお、図10において、ΔT1は、出力波形の一周期を表し、上述した第2パラメータの値(=α1)に応じて決まる。
【0070】
出力モードM1の出力波形は、交流波形であり、かつ、半周期(ΔT/2)の間に複数のピーク電圧値を有する。この場合、複数のピーク電圧値は、第1ピーク電圧値Vp1と、1つ以上の第2ピーク電圧値Vp2とを含む。
【0071】
第1ピーク電圧値Vp1は、半周期の最初に現れるピーク電圧値であり、第2ピーク電圧値Vp2は、第1ピーク電圧値Vp1よりも後に現れ、かつ、第1ピーク電圧値Vp1よりも大きさが小さい。第2ピーク電圧値Vp2は、図10に示すように、徐々に小さくなる態様で複数発生してもよい。第2ピーク電圧値Vp2は、好ましくは、第1ピーク電圧値Vp1の大きさの半分よりも小さい。
【0072】
なお、図10に示すような出力波形は、第2パラメータの値(=α1)を、上述した所定周波数よりも有意に低く設定することで形成できる。
【0073】
図11は、出力モードM2の出力波形の例を示す図である。図11では、横軸に時間を取り、縦軸に電圧値を取ったときの、出力モードM2の出力波形(時系列波形)が示されている。なお、図11において、ΔT2は、出力波形の一周期を表し、上述した第2パラメータの値(=α2)に応じて決まる。
【0074】
出力モードM2では、一の持続時間内に、少なくとも2回以上周期的に変化する連続波形を発生する。本実施例では、出力モードM2の出力波形は、パルス状の直流波形である。このような出力波形は、極性が正であるので、正イオンを反発させることができる。従って、出力モードM2は、正に帯電している対象物(電荷がプラスの対象物)に好適である。なお、第1パラメータの値が“2”である他の出力モードは、図12に示すような極性が反転した波形であってよい。このような出力モードは、負に帯電している対象物(電荷がマイナスの対象物)に好適である。
【0075】
出力モードM2の出力波形の周波数(第2パラメータの値β2)は、一の持続時間内に少なくとも2つ以上のパルス状の直流波形が発生するように定められる。
【0076】
出力モードM2の出力波形は、振幅が同じ複数のパルス状の直流波形からなってもよいが、他の出力モードの出力波形は、振幅(電圧値の大きさ)が他よりも有意に大きい1つ以上の特定のパルスを含んでよい。例えば、図13には、一の持続時間内に、特定のパルスPL2が1つだけ含まれる他の出力モードの出力波形の例が示されている。特定のパルスは、パルス刺激により皮膚に一過性の孔を発生させること(エレクトロポレーション)で、帯電を有する対象物(電荷がプラスやマイナスの対象物)の、肌への浸透効果を高める機能を有する。この場合、特定のパルスは、出力モードM2の出力波形のうちの、特定のパルス以外のパルス(以下、区別のため、「メソポレーション用パルス」と称する)に対して、振幅のみならず、周波数も異なってもよい。従って、メソポレーション用パルスを含む出力モードに係る制御情報は、特定のパルスに係る第2パラメータや第3パラメータの各値を含んでよい。例えば、メソポレーション用パルスに対しては、第2パラメータの値(=α2)が1.5kHzから10kHzの間で設定されてよく、第3パラメータの値は、ピーク電圧値が10V未満となるように設定されてよい。これに対して、特定のパルスについては、第2パラメータの値が2Hz~10Hzの間で設定されてよく、第3パラメータの値は、ピーク電圧値が10V以上となるように設定されてよい。なお、特定のパルスの極性は、メソポレーション用パルスの極性と同じであってよい。
【0077】
ところで、高電圧を印加してイオンで有効成分(対象物)を深層部へと押し込む作用(メソポレーション)を有するメソポレーション用パルスの機能を高めるためには、パルス刺激により皮膚に一過性の孔を発生させる機能を有する特定のパルスの印加直後にメソポレーション用パルスを印加することが有用となりうる。これは、一過性の孔がすぐにふさがってしまう傾向があるためである。
【0078】
従って、図13に示すような出力波形は、特定のパルスの印加直後にメソポレーション用パルスが発生するので、出力モードM2のメソポレーション用パルスだけでは肌の深層部に押し込まれ難い対象物に好適となる。
【0079】
図14は、出力モードM3の出力波形の例を示す図である。図14では、横軸に時間を取り、縦軸に電圧値を取ったときの、出力モードM3の出力波形(時系列波形)が示されている。なお、図14において、ΔT3は、出力波形の一周期を表し、上述した第2パラメータの値(=α3)に応じて決まる。
【0080】
ここで、図14に示すような出力波形は、出力モードM3に係る第2パラメータの値(=α3)を、上述した所定周波数と略一致させることで形成できる。例えば、所定周波数が900kHz付近である場合、第2パラメータの値(=α3)を900kHz付近に設定することで、正弦波に近い交流波形を実現でき、加温効果を高めることができる。従って、この場合、出力モードM3は、肌の加温により効果(対象物に係る効果)が高くなる対象物に好適となる。また、この場合、出力モードM1に係る第2パラメータの値(=α1)は、10kHzから500kHzの間で設定されてよい。
【0081】
このようにして、多様な出力モードの出力波形は、多様な組み合わせで連続的に肌に印加することができる。従って、対象物ごとに、多様な出力波形(出力モード)の、多様な組み合わせのうちの、最適な一の組み合わせを対応付けることができる。
【0082】
この場合、例えば試験や経験等を踏まえ、対象物ごとの最適な組み合わせを見出してもよい。この際、対象物の各種特性ないし性質等は、例えば、(1)溶媒への対象物の溶けやすさに関する性質、(2)帯電に係る特性、及び、(3)分子量又はその属性、のうちの少なくともいずれかに基づいて設定されてよい。
【0083】
例えば(1)については、対応する対象物の、特定溶媒(例えば水や油)への溶けやすさ(溶け難さも同義)に関する性質(例えば、水溶性であるか脂溶性であるかという性質や、皮膚外用剤を使用する温度と溶液のpH(Potential Hydrogen)において水溶性であるか、脂溶性(油溶性)であるか、あるいは、両親媒性であるかという性質)とを、含んでよい。また、(2)については、例えば荷電数として、2,1,0,-1、や、これに代えて又は加えて、帯電の正負や、荷電を有しない区分(解離しないないしは両性電解質)に係る特性を含んでよい。また、水溶液中での解離態様とその酸又は塩基の強度に係る特性を含んでよい。また、(3)については、分子量自体であってもよいし、低分子か高分子かなどの区分(属性)を示す情報を含んでよい。
【0084】
例えば、一の対象物に対して、上述した第1パラメータの値のうちの、極性に係る値(すなわち“0”又は“2”)は、当該一の対象物の帯電に係る特性を考慮して設定されてもよい。この場合、正に帯電する対象物に対しては、負の極性の直流波形(すなわち第1パラメータの値“2”)が設定されてもよい。また、負に帯電する対象物に対しては、正の極性の直流波形(すなわち第1パラメータの値“0”)が設定されてもよい。また、当該一の対象物に対して、第2パラメータ及び第3パラメータの各値は、溶媒への対象物の溶けやすさに関する性質、及び、分子量又はその属性、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて設定されてもよい。例えば、高分子の対象物に対しては、第2パラメータの値が30kHzから70kHzの間に設定されてもよい。この場合、浸透に有効な出力波形として、筋収縮の大きい出力波形を実現しやすくなる。また、低分子の対象物に対しては、第2パラメータの値が70kHzから200kHzの間に設定されてもよい。この場合、浸透に有効な出力波形として、筋収縮は小さいが温感(加温効果による温感)との併用効果がある出力波形を実現しやすくなる。
【0085】
より具体的には、例えば図15に示すような態様で制御情報が生成(設定)されてもよい。図15には、一例として、6つの成分(対象物)としてニコチン酸アミド、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びレチノールに対応する制御情報が示されている。図15には、上側の表1200には、6つの対象物の各種特性と制御情報の一部(図5に示した上位データ511に対応するデータの一部)が示されている。例えば、ニコチン酸アミドについては、モード構成情報“M10+M20+M30”が対応付けられている。モード構成情報“M10+M20+M30”とは、出力モードM10、出力モードM20、及び出力モードM30を、この順(又は他の順でも良い)で実行することを表し、他も同様である。図15の下側の表1202には、制御情報の一部(図5に示した下位データ512に対応するデータの一部)が示されている。
【0086】
図15に示す例では、出力モードM20、M21、M30は、同じ交流波形であっても、周波数が異なることで、互いに異なる効果を期待できる処理となる。例えば、出力モードM21は、上述したように、比較的大きい筋収縮に起因した比較的高い浸透効果を期待でき、筋収縮は小さいが温感(加温効果による温感)との併用効果を期待できる。また、出力モードM30は、第2パラメータの値に示すように、出力波形の周波数が比較的高くなり、高い加温効果を期待できる。
【0087】
ユーザ情報データベース305には、各ユーザに係るユーザデータが記憶される。ユーザ情報データベース305内のユーザデータは、各ユーザに係るユーザデータを含む。図16は、ユーザ情報データベース305内のデータの説明図である。ユーザ情報データベース305内のユーザデータは、図16に示すように、ユーザ情報として、例えば、ユーザIDとともに、ユーザの生年月日や性別等の基本情報の他、ポイント情報、使用する化粧品情報、及び、使用する美顔器情報を含む。
【0088】
ユーザIDは、ユーザを特定する固有の識別子である。一のユーザIDと一のユーザとは、基本的に、一対一の関係で対応するために、以下では、ユーザIDとユーザとは、特に区別せず適宜利用される。例えば、ユーザIDに特定情報を対応付けるとは、当該ユーザIDに係るユーザに同特定情報を対応付けることと同義であり、同様に、ユーザに特定情報を対応付けるとは、当該ユーザに係るユーザIDに同特定情報を対応付けることと同義である。
【0089】
ポイント情報は、専用アプリで利用可能なポイントに関する情報である。ポイント情報は、対応するユーザが現在利用可能なポイント数(保有するポイント数)を含んでよい。なお、専用アプリで利用可能なポイントは、任意の電子媒体の形態であってよく、例えば、サービス内通貨、トークン(例えばNon-Fungible Token(NFT))等であってよい。また、専用アプリで利用可能なポイントは、他のサービス(例えば携帯電話サービス)等で利用可能なポイントと同じであってもよいし、連携可能であってもよい。
【0090】
使用する化粧品情報は、対応するユーザが使用している化粧品情報を表す。複数の化粧品を使用しているユーザの化粧品情報は、当該複数の化粧品を表してよい。化粧品情報は、上述した化粧品IDで表現されてもよい。
【0091】
使用する美顔器情報は、対応するユーザが使用している美容デバイス4に関する情報である。例えば、使用する美顔器情報は、美容デバイス4の型式等の基本情報を含んでよい。
【0092】
また、ユーザ情報データベース305内のユーザデータは、図16に示すように、特典情報、肌情報、及び、使用する制御情報IDを含む。
【0093】
特典情報は、ユーザの各種特典条件の成否を判定するための各種情報を表す。各種特典条件は、上述した専用波形を利用するために満たされるべき条件である。特典条件は、運営側が任意に設定してよく、例えば、サブスクリプション会員であることや、各種連携サービスの特定会員(例えばプレミアム会員)であること等であってよい。また、特典条件は、美容デバイス4の利用頻度等に基づく条件を含んでもよい。図16に示す例では、特典情報は、各種特典フラグの状態(オン/オフ状態)と、ユーザステータス等を含む。各種特典フラグは、後述する第1特定情報や第2特定情報に関するフラグであってよい。また、ユーザステータスは、プレミアム会員等のようなステータス情報であってよい。
【0094】
肌情報は、ユーザの肌状態の検出(解析)結果を表す。例えば、ユーザの肌状態は、ユーザの顔画像に基づいて判定されてもよいし、ユーザからのユーザ入力に基づいて設定されてもよい。
【0095】
使用する制御情報IDの情報は、対応するユーザに対応付けられた1つ以上の制御情報IDを表す情報である。制御情報IDは、上述のように、各種制御情報のそれぞれに対して付与される識別子である。なお、デフォルト設定では、使用する制御情報IDの情報は、上述した通常の制御情報に係る制御情報IDを表す。また、複数の化粧品を使用しているユーザに対しては、化粧品ごとに1つ以上の制御情報IDを表す情報が格納されてよい。
【0096】
情報処理装置3は、更に、権限情報受信部310と、有効化処理部312と、第1対応付け処理部314と、第2対応付け処理部316と、特典判定部318と、肌情報取得部320と、提示処理部322とを含む。権限情報受信部310から提示処理部322の各部は、図2に示した制御部33により実現できる。
【0097】
権限情報受信部310は、専用制御情報の利用権限を示す権限情報を受信する。権限情報は、化粧品及び/又は美容デバイス4の購入の際に取得されうる2次元バーコードのような、特定のユーザIDに紐付かない情報であってもよい。あるいは、権限情報は、専用アプリを介して取得可能な利用権限を表す情報であってよい。この場合、権限情報は、サブスクリプション契約、課金等によって取得可能な利用権限を表す情報であってよい。
【0098】
例えば、権限情報受信部310は、特定の対象物を購入するための対象物購入入力(第1所定入力の一例)がユーザに対応付けて発生した場合に、対象物購入入力の発生を示す情報を、権限情報として受信してよい。また、権限情報受信部310は、美容デバイス4を購入するためのデバイス購入入力(第2所定入力の一例)がユーザに対応付けて発生した場合に、デバイス購入入力の発生を示す情報を、権限情報として受信してよい。また、権限情報受信部310は、サブスクリプション契約(定期購入契約)を確定させるためのユーザからの定期購入入力(第3所定入力の一例)がユーザに対応付けて発生した場合に、定期購入入力の発生を示す情報を、権限情報として受信してよい。また、権限情報受信部310は、所定電子媒体の消費を確定させるためのユーザからの媒体消費入力(第4所定入力の一例)がユーザに対応付けて発生した場合に、媒体消費入力の発生を示す情報を、権限情報として受信してよい。所定電子媒体の消費は、上述した電子媒体の所定量の消費を含む。なお、ユーザによる電子媒体の所定量の消費とは、当該ユーザに対応付けられている電子媒体の所定量の低減(対応付けの解除)を意味する。
【0099】
有効化処理部312は、権限情報受信部310により権限情報が受信された場合に、美容デバイス4を専用制御情報に基づき制御可能な状態に設定する。美容デバイス4が、専用制御情報に基づき制御可能な状態となると、美容デバイス4は、動作時に、専用制御情報に基づき専用波形を出力可能となる。以下では、このようにして有効化処理部312が、特定の美容デバイス4に対して専用波形を出力可能とすることを、「専用波形の付与」とも称し、また、当該特定の美容デバイス4(又は当該特定の美容デバイス4に対応付けられたユーザ)を、付与対象の美容デバイス4又はユーザ(ユーザID)とも称する。また、このようにして付与対象の美容デバイス4を介して出力可能となる専用波形を生成するための専用制御情報を、「付与対象の専用制御情報」とも称する。
【0100】
なお、有効化処理部312により、美容デバイス4を専用制御情報に基づき制御可能な状態に設定されると、所定の終了条件が成立するまで、当該状態が維持されてよい。所定の終了条件は、権限情報の種類に応じて異なってもよい。例えば、定期購入入力に係る権限情報の場合、定期購入契約が終了すると所定の終了条件が成立してよい。
【0101】
また、付与対象の専用制御情報の種類や数等は、権限情報の種類に応じて異なってもよい。例えば、定期購入入力に係る権限情報の場合、付与対象の専用制御情報の上限数が月ごとに設定されてもよい。また、サブスクリプション契約の種類に応じて、付与対象の専用制御情報の上限数が無限大(すなわち上限なし)とされてもよい。また、対象物購入入力に係る権限情報の場合、付与対象の専用制御情報は、購入した特定の対象物に対応付けられた専用制御情報だけであってよい。また、媒体消費入力に係る権限情報の場合、付与対象の専用制御情報は、媒体消費入力の際に指定可能とされてもよい特定の対象物に対応付けられた専用制御情報だけであってよい。また、化粧品の購入の際に取得されうる2次元バーコードから読み取り可能な権限情報の場合、付与対象の専用制御情報は、購入した化粧品(特定の対象物)に対応付けられた専用制御情報だけであってよい。
【0102】
有効化処理部312は、第1処理部3121と、第2処理部3122とを含む。
【0103】
第1処理部3121は、付与対象の専用制御情報を生成又は取得する。例えば、第1処理部3121は、制御情報データベース302から、付与対象の専用制御情報を取得してもよい。
【0104】
また、第1処理部3121は、対象物データベース300内に記憶されていない新たな対象物に対しては、付与対象の専用制御情報を新たに生成してもよい。なお、この場合、第1処理部3121は、生成した付与対象の専用制御情報に係る新たな制御情報IDを付与して、新たな専用制御情報を追加することで、制御情報データベース302内のデータを更新してよい。
【0105】
例えば、第1処理部3121は、人工知能を利用して、付与対象の専用制御情報を出力(生成)することも可能である。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、各種対象物の各成分に係る実績データを用いて、誤差が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習される。
【0106】
また、第1処理部3121は、複数の成分を含む化粧品に対しては、化粧品に含まれる複数の成分のうちから、1つ以上の対象成分を抽出し、抽出した1つ以上の対象成分に適合する専用制御情報を生成又は取得してもよい。この際、第1処理部3121は、化粧品に含まれる複数の成分を特定し、複数の成分のうちから、所定の優先順に従って、1つ以上の対象成分を抽出してよい。この場合、所定の優先順は、成分ごとにあらかじめ対応付けられた優先情報、又は、化粧品の販売者やメーカ等による化粧品の販売情報(例えばポスターやコマーシャル等における公式の販売情報)に基づいてよい。成分ごとにあらかじめ対応付けられた優先情報は、各成分の配合比率や有効性等を考慮してあらかじめ設定されてよい。また、化粧品の販売情報に基づく場合、当該化粧品の宣伝等で強調又は売りにしている成分(すなわち販売会社が当該化粧品に関して推している成分)に比較的高い優先順が割り当てられてもよい。
【0107】
あるいは、第1処理部3121は、複数の成分を含む化粧品に対しては、化粧品に含まれる複数の成分のうちから、ユーザからの選択入力に基づいて、1つ以上の対象成分を選択し、選択した前記1つ以上の対象成分に適合する専用制御情報を生成又は取得してもよい。この場合、まず、第1処理部3121は、上述した所定の優先順に従って、複数の成分を提示しつつ、ユーザからの選択入力を受け付けてもよい。
【0108】
第2処理部3122は、利用権限を有するユーザからの専用波形の付与要求に応じて、専用制御情報の送信処理を実行する。専用制御情報の送信処理では、第2処理部3122は、第1処理部3121により生成又は取得された付与対象の専用制御情報に基づいて、当該付与対象の専用制御情報に基づく制御指示、付与対象の専用制御情報自体、又は、付与対象の専用制御情報を特定可能な情報を、ユーザに対応付けられたユーザ端末2に送信する。この場合、ユーザ端末2は、受信した専用制御情報に基づいて、美容デバイス4を制御できる(すなわち専用波形を出力できる)。なお、変形例では、第2処理部3122は、付与対象の専用制御情報に基づく制御指示、付与対象の専用制御情報自体、又は、付与対象の専用制御情報を特定可能な情報を、ユーザに対応付けられた美容デバイス4に送信してもよい。なお、以下では、付与対象の専用制御情報に基づく制御指示、付与対象の専用制御情報自体、又は、付与対象の専用制御情報を特定可能な情報の送信を、「付与対象の専用制御情報等の送信」と総称する。
【0109】
なお、第2処理部3122は、権限情報受信部310が権限情報を受信した場合に、権限情報の属性に応じて、専用制御情報の送信処理を直ちに実行してもよい。例えば、上述した対象物購入入力や媒体消費入力に基づく権限情報を受信した場合、第2処理部3122は、専用制御情報の送信処理を直ちに実行してもよい。この場合、利用権限を有するユーザからの専用波形の付与要求は、権限情報自体であってよい。
【0110】
本実施例では、第2処理部3122は、権限情報受信部310が権限情報を受信した場合に、受信した権限情報に基づいて、利用権限を有するユーザ(又はユーザID、以下同じ)、すなわち付与対象のユーザを特定してよい。なお、化粧品及び/又は美容デバイス4の購入の際に取得されうる2次元バーコードから読み取り可能な権限情報のように、権限情報にユーザID等が含まれていない場合、第2処理部3122は、その後のユーザからのユーザ入力に基づいて、付与対象のユーザを特定してよい。
【0111】
第1対応付け処理部314は、上述したユーザからの定期購入入力(サブスクリプション契約を確定させるための入力)に基づいて、対応するユーザIDに、第1特定情報を対応付ける。第1特定情報が対応付けられているユーザIDに係るユーザは、専用波形を利用する利用権限を取得できる。この場合、利用権限は、複数の専用波形に対する一括の権限であってもよいし、個別の権限であってもよい。第1特定情報は、任意の形態であるが、例えば、サブスクリプション契約が有効である間にオンするフラグの形態であってよい。
【0112】
第2対応付け処理部316は、特典判定部318による特典条件を満たすことを示す判定結果に基づいて、対応するユーザIDに、第2特定情報を対応付ける。特典条件については、特典判定部318を参照して後述する。第2特定情報が対応付けられているユーザIDに係るユーザは、専用波形を利用する利用権限を取得できる。この場合、利用権限は、複数の専用波形に対する一括の権限であってもよいし、個別の権限であってもよい。第2特定情報は、任意の形態であるが、例えば、特典条件を満たすことを示す判定結果が維持される間にオンするフラグの形態であってよい。
【0113】
特典判定部318は、ユーザが特典条件を満たすか否かを判定する。特典条件は、図16を参照して上述したように任意であってよい。特典条件は、付与対象の専用制御情報ごとに異なってもよい。
【0114】
肌情報取得部320は、各ユーザの肌状態に関する肌情報を生成又は取得する。肌情報取得部320は、例えば、ユーザからの情報に基づいて肌情報を生成又は取得してよい。例えば、肌情報取得部320は、ユーザの肌に対する接触式のセンサ又は非接触式のセンサからのセンサ情報に基づいて、ユーザに係る肌情報を生成してよい。接触式のセンサは、肌の抵抗値や水分量を測定するセンサであってよい。この場合、接触式のセンサは、美容デバイス4の動作部4aに設けられてもよい。非接触式のセンサは、画像センサ(カメラ)等であってよい。この場合、肌情報取得部320は、ユーザに係る顔画像に基づいて、ユーザに係る肌情報を生成する。肌情報取得部320は、肌情報を生成すると、ユーザ情報データベース305内のデータを更新してよい。例えば、肌情報取得部320は、肌診断エンジンを備えてよく、肌診断エンジンにより肌情報(診断ないし解析結果)を生成してもよい。なお、肌診断エンジンは、人工知能等を利用した機械学習により構築されてよい。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、多数のユーザに係る顔画像に係る実績データを用いて、肌情報に係る誤差(例えば専門家による診断結果に対する誤差)が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習されてよい。この場合、ユーザに係る肌情報の時系列の変化が考慮されない態様(すなわち現時点の顔画像を利用する態様)で、ユーザに係る肌情報が生成されてもよい。なお、肌情報取得部320の機能の一部又は全部は、ユーザ端末2及び/又は美容デバイス4により実現されてもよい。
【0115】
提示処理部322は、ユーザの前記肌情報に基づいて、推奨される対象物情報をユーザに提示するための提示画面情報を生成する。提示処理部322については、図19から図23を参照して後述する。
【0116】
次に、図17以降を参照して、本実施例の情報処理システム1の動作例について説明する。
【0117】
図17は、情報処理システム1の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。以降のタイミングチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0118】
図17に示す動作例では、ユーザが、例えば特定の化粧品を購入し、特定の化粧品に付属する2次元バーコードを読み取ることで得られる権限情報を、情報処理装置3に送信する(ステップS1700)。なお、2次元バーコードは、URL(Uniform Resource Locator)を介して特定のサイト(情報処理装置3が提供するサイト)へのアクセスを可能としてよい。この場合、アクセス先の特定のサイトは、特定の化粧品に係る専用波形を取得するためのサイトであってよい。
【0119】
この場合、情報処理装置3は、特定のサイトでのユーザ入力に基づいて、付与対象のユーザIDを取得する(ステップS1702)。なお、購入者であるユーザが非会員である場合、特定のサイトでの会員登録を行うことで、ユーザIDが付与されてよい。ただし、変形例では、ユーザIDの設定を行うことなく、ステップS1704に進んでもよい。情報処理装置3は、ついで、付与対象の専用制御情報を生成・取得し(ステップS1704)、当該付与対象の専用制御情報を、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4に送信する(ステップS1706)。この場合、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報を受信し(ステップS1708)、受信した専用制御情報を記憶する(ステップS1710)。そして、例えばユーザからの指示に応じて、ユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報に基づく制御を開始できる(ステップS1712)。例えば、それまでは通常の制御情報に基づいて動作していた美容デバイス4は、専用制御情報に基づいて動作可能な状態へと移行する。
【0120】
なお、図17に示す例は、ユーザが特定の化粧品を購入した場合の動作例であるが、ユーザが美容デバイス4を購入した場合の動作例も実質的に同一であってよい。この場合、付与対象の専用制御情報は、ユーザが選択可能であってもよい。
【0121】
図18は、情報処理システム1の他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
【0122】
図18に示す動作例では、ユーザが、例えば化粧品販売サーバ5が運営するWEBサイト上で、特定の化粧品を購入し(ステップS1800)、化粧品販売サーバ5は、当該購入に応じた化粧品の決済処理を行うとともに(ステップS1802)、権限情報を情報処理装置3に送信する(ステップS1804)。なお、この場合、化粧品販売サーバ5は、購入したユーザに係るユーザIDと、購入した化粧品を特定できる化粧品情報とともに、権限情報を情報処理装置3に送信してよい。化粧品情報は、購入した化粧品に含まれる各種成分に関する成分情報を含んでもよい。
【0123】
この場合、情報処理装置3は、受信した権限情報に基づいて、付与対象のユーザID(又は付与対象の美容デバイス4)を特定する(ステップS1806)。ついで、情報処理装置3は、受信した化粧品情報に基づいて、付与対象の専用制御情報を生成・取得し(ステップS1808)、当該付与対象の専用制御情報を、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4に送信する(ステップS1810)。以降は、図17に示す例と同様、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報を受信し(ステップS1708)、受信した専用制御情報を記憶する(ステップS1710)。そして、例えばユーザからの指示に応じて、ユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報に基づく制御を開始できる(ステップS1712)。
【0124】
図19は、情報処理システム1の更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。図20から図23は、図19に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末2上の画面の説明図である。
【0125】
図19に示す動作例では、ユーザ端末2は、専用アプリの一機能として、肌の悩み等に関するアンケート情報の入力機能を有してよい。この場合、ユーザ端末2は、ユーザ入力に基づいてアンケート回答情報を生成し、化粧品販売サーバ5に送信する(ステップS1900)。化粧品販売サーバ5は、アンケート回答情報に基づいて、ユーザにおすすめの化粧品を抽出し、ユーザに提示する(ステップS1902)。例えば、図20に示すように、アンケート回答情報に基づくユーザの悩みが「しわ、たるみ」である場合、化粧品販売サーバ5は、ケア分類の「エイジングケア成分」として、レチノールやニコチン酸アミド等の成分が含まれる化粧品を抽出し、提示する。図21は、いくつかのおすすめの化粧品の提示用の画面表示(ユーザ端末2の画面表示)の一例を示す。なお、かかる提示用の画面表示は、上述した提示処理部322による提示画面情報に基づいて生成されてよい。この場合、ユーザは、化粧水のカテゴリのうちの、エッセンスA、B、C等から、所望の化粧水を購入できる。例えば、ユーザ端末2は、ユーザ入力に基づいて、エッセンスBに係る購入操作(例えば、購入ボタンB21の操作)を検出すると、購入情報を化粧品販売サーバ5に送信する(ステップS1904)。以降、図18のステップS1802からの動作と同じである。なお、ユーザ端末2は、エッセンスBに係る購入操作を検出すると、図22に示すように、ユーザ端末2に登録画面を表示させてもよい。登録画面は、エッセンスBを対象物情報に含ませるか否かをユーザに入力してもらうためのユーザインタフェースを含んでよい。また、登録画面は、エッセンスBに対応付けられた専用制御情報を取得するか否かをユーザに入力してもらうためのユーザインタフェースを含んでよい。例えば、ユーザが登録ボタンB22を操作すると、情報処理装置3がユーザ情報データベース305内のデータを更新してよい。
【0126】
なお、ユーザ端末2が情報処理装置3から受信した専用制御情報を美容デバイス4に転送する場合、例えば図23に示すような画面表示(ユーザ端末2の画面表示)が実現されてもよい。これにより、ユーザは、新たに購入した化粧品に関する登録が完了したことを容易に把握できる。また、ユーザは、送信開始ボタンB23を押すと、今後、今回購入したエッセンスBに好適な専用制御情報に基づく出力波形(図23では、“専用波形”と表記)が美容デバイス4から発生されることを、容易に把握できる。このようにして、ユーザは、自身の悩みにあった化粧品と専用波形(専用制御情報)とを一連の操作で手に入れることができる。
【0127】
なお、図20に示す動作例では、アンケート回答情報に基づいておすすめの化粧品を提示しているが、これに代えて又は加えて、問診結果に基づいておすすめの化粧品を提示してもよい。
【0128】
図24は、情報処理システム1の更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。図25から図27は、図24に示す動作例に関連して表示されてよいユーザ端末2上の画面の説明図である。
【0129】
図24は、図18に対して、ステップS2400からステップS2408の処理が追加されている点が異なる。なお、図24に示す動作例は、図19に示した動作例と組み合わせで実現することも可能である。
【0130】
図24に示す動作例では、ユーザは、化粧品購入後、成分解析を要求する(ステップS2400)。なお、ユーザ端末2には、化粧品購入後に、図25に示すような成分解析要求画面が出力されてもよい。この場合、ユーザが解析ボタンB25を操作すると、情報処理装置3は、今回ユーザが購入した化粧品に含まれる各種成分を特定(解析)するとともに、各種成分に対して優先順を設定する(ステップS2402)。なお、各種成分は、化粧品販売サーバ5から提供されうる化粧品情報に基づいて特定(解析)されてもよい。
【0131】
ついで、情報処理装置3は、ステップS2402で得た各種成分のうちから、優先順の高い成分を提示しつつ、専用波形用の成分をユーザが選択するための選択画面情報を生成し、生成した選択画面情報をユーザ端末2に送信する(ステップS2404)。
【0132】
ユーザ端末2は、受信した選択画面情報に基づいて専用波形用の成分選択画面を出力する(ステップS2406)。図26及び図27には、それぞれ、専用波形用の成分選択画面の一例が示されている。図26に示す例では、「アスコルビン酸」と「トコフェロール」と「3-O-エチルアスコルビン酸」の3つの成分が候補として提示されている。他方、図27に示す例では、「アスコルビン酸」と「トコフェロール」と「〇〇エキス」の3つの成分が候補として提示されている。この場合、図27に示す例では、「〇〇エキス」が、図26に示す例の「3-O-エチルアスコルビン酸」に代えて候補として出力されている。例えば、この「〇〇エキス」は、当該化粧品の販売者等による“推し成分”であってよい。なお、図26及び図27に示す成分選択画面は、ユーザが専用波形の付与要求を行うためのユーザインタフェースとして波形生成ボタンB26を含む。この場合、ユーザは、現に提示されている3つの成分に基づく専用制御情報で問題ない場合は、波形生成ボタンB26を操作することで、専用波形の付与要求を情報処理装置3に送信できる。なお、ユーザは、現に提示されている3つの成分のいくつか又はすべてを変えたい場合は、対象の成分をタップ等することで変更可能であってよい。
【0133】
そして、ユーザ端末2は、ユーザからユーザ入力に基づく対象成分の選択結果(図24では「成分選択結果」と表記)を専用波形の付与要求とともに情報処理装置3に送信する(ステップS2408)。情報処理装置3は、受信した対象成分の選択結果に基づいて、付与対象のユーザID(又は付与対象の美容デバイス4)を特定する(ステップS2410)とともに、受信した対象成分選択結果に基づいて、選択された各種対象成分に対応付けられた付与対象の専用制御情報を生成・取得し(ステップS2412)、当該付与対象の専用制御情報を、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4に送信する(ステップS1810)。以降は、図17に示す例と同様、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報を受信し(ステップS1708)、受信した専用制御情報を記憶する(ステップS1710)。そして、例えばユーザからの指示に応じて、ユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報に基づく制御を開始できる(ステップS1712)。
【0134】
図24に示す動作例によれば、ユーザは、購入した化粧品に含まれる各種成分のうち、所望の1つ以上の成分に対応付けられた専用制御情報を得ることができる。従って、例えば、ユーザは、A成分やB成分を目当てに化粧品を購入した場合に、同化粧品に含まれるC成分に対応付けられた専用制御情報を得てしまう可能性を無くすことができる。このような不便は、例えば、C成分が当該化粧品の代表的な成分である場合等に生じやすい。
【0135】
ところで、一般的に、1つの化粧品には多数の成分が含まれており、それらすべてのうちからユーザが所望の成分を選択するのは煩雑である。また、各種成分についてあまり知識がなく、どのような成分を専用波形用に選択したら良いのかがわからないユーザも存在しうる。この点、図24に示す動作例によれば、あらかじめ優先順に従って複数の成分が提示されるので、ユーザが選択しやすくなり、利便性が向上する。また、ユーザの好みに応じた専用制御情報を得ることが可能となり、同じ化粧品であっても専用波形の選択肢を広げることができる。
【0136】
また、図26及び図27に示す画面例のように、各種成分に関する特徴などの情報を表示することで、ユーザが選択しやすくなり、利便性が向上する。また、ユーザの知識も深まり、専用制御情報に対する興味も高まることが期待できる。また、かかる観点から、図27に示す画面例のように、成分選択画面は、化粧品の販売者等による“推し成分”である「〇〇エキス」に関する詳細ページ(例えば公式HP)へのリンクを含んでもよい。
【0137】
ここで、図18から図27を参照して上述した動作例において、化粧品販売サーバ5の機能は、美容デバイス販売サーバ6により実現されてもよい。この場合、販売情報に基づく優先順位づけ(例えば図21の画面での列挙順位)や、アフェリエイト広告の挿入などの販売元に合わせて、画面表示態様をカスタマイズした場合、その内容によって、マージン率を変更できるような仕組みが組み込まれてもよい。また、情報処理装置3は、料金の参考にするために、販売情報に基づくカスタマイズの内容を、適宜抜き出し可能に管理(記憶)してもよい。
【0138】
図28は、情報処理システム1の更なる他の動作例を概略的に示すタイミングチャートである。
【0139】
図28に示す例では、ユーザがサブスクリプション契約を確定させることで、自身のユーザIDを含む通知を発生させると(ステップS2800)、情報処理装置3は、当該通知(権限情報)に基づいて、ユーザ情報データベース305内の対応するデータ(第1特定情報に係る特典情報)を更新する(ステップS2802)。ついで、ユーザは、例えば手持ちの化粧品(例えば化粧品販売サーバ5とは異なるサーバで購入した化粧品)に対する専用波形の付与要求を情報処理装置3に送信する(ステップS2804)。情報処理装置3は、受信した専用波形の付与要求に基づいて、付与対象のユーザID(又は付与対象の美容デバイス4)を特定する(ステップS2806)。また、情報処理装置3は、当該専用波形の付与要求に応答して、ユーザの手持ちの化粧品を特定するとともに、当該化粧品に含まれる各種成分を特定する(ステップS2808)。この場合、情報処理装置3は、専用波形の付与要求に含まれうる化粧品情報に基づいて、ユーザの手持ちの化粧品を特定してもよい。あるいは、情報処理装置3は、ユーザ情報データベース305内の対応するユーザの対象物情報(図16参照)に基づいて、ユーザの手持ちの化粧品を特定してもよい。ついで、情報処理装置3は、各種成分のうちの所定の優先順に従った所定数(例えば3つ)の対象成分の組み合わせに対応付けられた付与対象の専用制御情報を生成・取得し(ステップS2810)、当該付与対象の専用制御情報を、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4に送信する(ステップS2812)。以降は、図17に示す例と同様、付与対象のユーザに係るユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報を受信し(ステップS1708)、受信した専用制御情報を記憶する(ステップS1710)。そして、例えばユーザからの指示に応じて、ユーザ端末2又は美容デバイス4は、専用制御情報に基づく制御を開始できる(ステップS1712)。
【0140】
なお、図28に示す例は、ユーザがサブスクリプション契約を購入した場合の動作例であるが、ユーザが特典条件を満たす場合の動作例も実質的に同一であってよい。この場合も、付与対象の専用制御情報は、ユーザが選択可能であってもよい。また、この場合、情報処理装置3において、ユーザが特典条件を満たす否かの判定は、ステップS2804の専用波形の付与要求に応答して実行されてもよい。
【0141】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0142】
例えば、上述した実施例において、制御情報を形成する下位データ512(図5参照)は、第1パラメータから第3パラメータの各値を含むが、第1パラメータから第3パラメータの各値の一部が省略されてもよい。また、第4パラメータとして、出力波形を発生させる対の電極の変化パターンを規定するパラメータを含んでよい。このような第4パラメータは、複数の電極40が多様に配置されている電極構成の場合に好適である。また、第5パラメータとして、出力波形が減衰波形となるか否かを規定するパラメータを含んでもよい。
【0143】
また、上述した実施例において、制御情報は、美容デバイス4の型式やタイプごとに設定されてもよい。この場合、各種の美容デバイスの特徴に制御情報を適合できる。
【0144】
また、上述した実施例では、一の対象物に対応付けられる制御情報は、当該一の対象物の各種特性ないし性質等、例えば、(1)溶媒への対象物の溶けやすさに関する性質、(2)帯電に係る特性、及び、(3)分子量又はその属性のうちの、少なくともいずれか1つに基づいて設定される場合があるが、これに限られない。例えば、一の対象物に対応付けられる制御情報は、これらのうちの少なくともいずれか1つに加えて、化粧品全体の「pH値」や、「基剤」、「配合割合」、「有効性」等をも考慮して設定されてもよい。
【0145】
また、上述した実施例では、制御情報に基づいて美容デバイス4で実行される処理は、電気的な出力波形に基づくが、これに限られない。例えば電気的な出力波形に代えて又は加えて、ヒータ等による熱を用いる方法、LED(Light Emitting Diode)光やIPL(Intense Pulsed Light)のような光を用いる方法、超音波を用いる方法、磁気的方法、電磁波を用いる方法、及びプラズマを用いる方法のうちのいずれか1つ以上が利用されてもよい。この場合、電極40が利用されない処理が実現されてもよい。
【0146】
また、上述した実施例において、一の対象物に対応付けられる制御情報は、利用する側のユーザに関する情報に基づいて、補正等されてもよい。例えば、制御情報は、ユーザの属性(例えば性別や年齢、人種等)、ユーザの悩み情報、肌質などアンケート情報、美容デバイスの使用状況等に基づいて、補正されてもよい。
【0147】
また、上述した実施例において、一の対象物に対応付けられる制御情報は、利用時の外部環境(例えば紫外線の強さや、湿度等)に応じて、補正されてもよい。これは、利用時の外部環境に応じて最も効果的な制御情報に差異が生じうるためである。
【0148】
また、上述した実施例において、一の対象物に対応付けられる制御情報は、美容デバイス4の種類ごとに設定されてもよい。この場合、情報処理装置3は、制御情報の要求元のユーザが所有する美容デバイス4の種類に応じた制御情報を抽出してよい。
【0149】
また、上述した実施例では、一の対象物に対応付けられる制御情報は、主に、当該対象物の、人の皮膚への浸透が効果的に実現されるように適合されるが、これに限られない。例えば、電気施術においては、浸透以外に電気そのものの効果が出やすい対象物が存在することがわかってきている。すなわち、浸透以外にも、単純に電気の働きかけで、肌が活性化されて、肌のハリや弾力が出る場合があり、その際に利用するのが好適な対象物もある。また、LEDや電磁波なども対象物の浸透を促す効果よりは、細胞の活性化や血行促進、殺菌などの効果の方が有意であり、その際に利用するのが好適な対象物もある。具体的には、クエン酸を含む対象物は、電気が流れやすかったり、ゲル状のものよりサラサラしている溶媒の方が熱の伝わりが速かったりといった具合に、対象物の性質によって体感や、電気刺激の伝わりも変わりうる。そこで、浸透を目的としていない対象物については、その性質やテクスチャー等も考慮して、人の皮膚への浸透方法以外の制御情報が対応付けられてもよい。この場合、例えば、電気の流れやすい対象物に対しては、電気刺激に係る処理(例えば高周波筋電気刺激用の出力波形)を実現するための制御情報が対応付けられ、熱の伝わりやすい成分(基剤としての成分を含む)を含む対象物に対しては、加温に係る処理方法(例えばラジオ波による加温用の出力波形)を実現するための制御情報が対応付けられてもよい。
【符号の説明】
【0150】
1 情報処理システム
2 ユーザ端末
3 情報処理装置
4 美容デバイス
4a 動作部
4b グリップ部
4c 操作ボタン
5 化粧品販売サーバ
6 美容デバイス販売サーバ
30 通信バス
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 電極
100 制御系
110 制御装置
120 駆動回路部
130 出力波形発生部
135 トランス
140 切替回路部
150 電源
200 電気回路部
300 対象物データベース
302 制御情報データベース
305 ユーザ情報データベース
310 権限情報受信部(受信部)
312 有効化処理部
3121 第1処理部
3122 第2処理部
314 第1対応付け処理部
316 第2対応付け処理部
318 特典判定部(判定部)
320 肌情報取得部
322 提示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図15
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