IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジシールの特許一覧

<>
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図1
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図2
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図3
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図4
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図5
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図6
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図7
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図8
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図9
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図10
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図11
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図12
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図13
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図14
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図15
  • 特開-ラベル及びラベル付き被着体 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130071
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ラベル及びラベル付き被着体
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20230912BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20230912BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G09F3/00 R
G09F3/00 Z
G09F3/02 C
B65D23/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034521
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】稲川 和樹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 颯太
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB03
3E062DA02
3E062DA07
(57)【要約】
【課題】印刷又は塗工により情報を表示する表示領域の位置を容易に認識できるラベル、及び、当該ラベルが貼り付けられているラベル付き被着体を提供する。
【解決手段】被着体(2)に貼り付けられるラベル(1)は、情報を表示する表示領域(12)を有するか、又は、被着体(2)の表面に表示領域(12)が位置する場合に表示領域(12)を透視させる基材層(11)と、基材層(11)上に設けられ、表示領域(12)の周囲の少なくとも一部に位置している段部(13)と、を備える。段部(13)は、(i)表示領域(12)側の基材層(11)の表面(13b)と、段部(13)の先端部(13h)との間に、第1段差(a)を生じさせている。そして、段部(13)は、(ii)ラベル(1)が被着体(2)に貼り付けられた状態において、被着体(2)の表面(2a)と段部(13)の先端部(13h)との間に第2段差(b)を生じさせる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に貼り付けられるラベルであって、
印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有するか、又は、前記被着体の表面に前記表示領域が位置する場合に該表示領域を透視させる基材層と、
前記基材層上に設けられ、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置している段部と、
を備え、
前記段部は、(i)前記表示領域側の前記基材層の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせていると共に、(ii)前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記被着体の表面と前記段部の先端部との間に第2段差を生じさせるものである、ラベル。
【請求項2】
前記段部の、前記表示領域側の第1側面と反対側の第2側面は、前記基材層の側面と面一である、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有する被着体に貼り付けられるラベルであって、
前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置する段部を備え、
前記段部は、前記状態において、(i)前記表示領域側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせると共に、(ii)前記段部を挟み前記表示領域と反対側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第2段差を生じさせるものである、ラベル。
【請求項4】
前記段部は、前記表示領域側からその反対側へと延伸する直線を含む断面において、折曲部を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル。
【請求項5】
前記第2段差は、50μm以上200μm以下である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のラベル。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のラベルが貼り付けられている、ラベル付き被着体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、被着体に貼り付けられるラベル、及び、当該ラベルが貼り付けられているラベル付き被着体に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者に対する二次元コード等の情報コードに近接して、手の触感で情報コードの存在を認識するための、周辺が厚み方向に盛り上がった複数の孔が設けられているラベルがある(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-108810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のラベルは、ユーザが孔を探し出した後、情報コードが孔に対してどの位置にあるのかわかりにくく、情報コードを探し出すのに時間を要するという問題があった。
【0005】
本発明の一態様は、印刷又は塗工により情報を表示する表示領域の位置を触感により容易に認識できるラベル、及び、当該ラベルが貼り付けられているラベル付き被着体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るラベルは、被着体に貼り付けられるラベルであって、印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有するか、又は、前記被着体の表面に前記表示領域が位置する場合に該表示領域を透視させる基材層と、前記基材層上に設けられ、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置している段部と、を備え、前記段部は、(i)前記表示領域側の前記基材層の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせていると共に、(ii)前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記被着体の表面と前記段部の先端部との間に第2段差を生じさせるものである。
【0007】
本発明の一態様に係るラベルは、印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有する被着体に貼り付けられるラベルであって、前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置する段部を備え、前記段部は、前記状態において、(i)前記表示領域側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせると共に、(ii)前記段部を挟み前記表示領域と反対側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第2段差を生じさせるものである。
【0008】
本発明の一態様に係るラベル付き被着体は、上述のラベルが貼り付けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係るラベルによれば、印刷又は塗工により情報を表示する表示領域の位置を容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係るラベルを被着体としての例えばPETボトル等の容器に装着した状態を示す斜視図である。
図2図1のII-II線矢視断面図である。
図3】ラベル1の作製方法の一例を説明するための断面図である。
図4】実施形態1に係るラベルの段部の変形例を示す平面図である。
図5】実施形態1に係るラベルの段部の断面形状の変形例を示す断面図である。
図6】実施形態2に係るラベルを示す断面図である
図7】実施形態3に係るラベルを示す断面図である
図8】実施形態4に係るラベルを示す平面図である。
図9図8のIX-IX線矢視断面図である。
図10】本発明の実施形態5に係るラベルを、被着体としての容器に装着した状態を示す斜視図である。
図11図10のXI-XI線矢視断面図である。
図12】容器の変形例を示す断面図である。
図13】実施形態6に係る容器と、フラップラベルとを示す平面図である。
図14図13のXIV-XIV線矢視断面図である。
図15】実施形態7に係る容器と、フラップラベルと、を示す平面図である。
図16図15のXVI-XVI線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本発明の技術的思想]
(2段構成のラベル)
特許文献1等の情報コードの撮像エリアは比較的小さく、情報コードの周囲の一部に孔が設けられていても、上述したように、情報コードの位置を認識しにくく、情報コードの位置を認識できたとしても時間を要していた。また、特許文献1の孔はレーザー照射によって形成されているので、ラベルの製造時に潰れる可能性もあり、使用時に剥がれる虞もあった。本発明者は、基材層が有する表示領域の周囲の少なくとも一部に段部を設けることにした。そしてこの場合、被着体の表面と段部の先端部との段差、及び表示領域側と段部の先端部との段差が生じ、ユーザが2つの段差を順に触感で認識することで表示領域の位置を認識できることを見出し、本発明の一態様に係るラベルを完成した。
【0012】
本発明の一態様に係るラベルは、印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚み(高さ)が200μm以下である表示領域を有するか、又は、被着体の表面に表示領域が位置する場合に該表示領域(被着体の表面に設けられた表示領域)を透視させる基材層と、基材層上に設けられ、表示領域の周囲の少なくとも一部に位置している段部と、を備える、二段構成のラベルである。本明細書で、ラベルの「表面」とは、被着体に貼り付ける側の面と反対側の面をいい、「裏面」とは、被着体に貼り付ける側の面をいう。「被着体の表面」とは、ラベルの裏面に対向する被着体の面をいう。被着体に表示領域が設けられている場合、段部は、基材層の表面における、表示領域に対応する領域の周囲の少なくとも一部に位置する。段部により、(i)表示領域側の基材層の表面と、段部の先端部との間に、第1段差が生じる。また、段部により、(ii)ラベルが被着体に貼り付けられた状態において、被着体の表面と段部の先端部との間に第2段差が生じる。段部の先端部とは、段部の突出方向における先端の部分であり、平坦面であってもよい。
【0013】
ここで、表示領域に表示される情報としては、墨字で表示された情報を含み、一次元コード、二次元コード、及びその他の印刷された文字、図形、絵等の情報を含む。情報は有色であってもよい。本開示における表示領域には、当該表示領域における最大の厚さが200μm超過である、点字で表示された表示領域は含まれない。被着体としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル等の容器、ウエットティッシュ等の水分及び揮発性溶剤を含むシートを収容する袋状の包装体、薬等を収容する箱状の包装体、並びに自動販売機等が挙げられる。包装体の場合、例えば印刷により情報が表示され、自動販売機の場合、例えば塗工により情報が表示される。
【0014】
上記構成によれば、ユーザは、第2段差を認識した後、第1段差を認識することにより、手の触感で容易に表示領域の位置を認識することができる。また、特許文献1のように、ラベルの基材層にレーザー照射により情報コードの認識のための孔を形成するのではなく、ラベルの層構造として段部を含むので、ラベルの製造時に潰れる可能性は低減し、使用時に剥がれる可能性も低減している。2段構成のラベルについては、下記実施形態1~4において詳述する。
【0015】
(1段構成のラベル)
また、本発明者は、表示領域が容器に形成されていることもあるものの、従来、容器が有する表示領域を認識できるラベルは存在しないという知見を得て、本発明の別の一態様に係るラベルを完成した。
【0016】
本発明の別の一態様に係るラベルは、表示領域を有する被着体に貼り付けられる、一段構成のラベルである。ラベルは、被着体に貼り付けられた状態において、表示領域の周囲の少なくとも一部に位置する段部を備える。段部により、上記状態において、(i)表示領域側の被着体の表面と、段部の先端部との間に、第1段差が生じる。また、(ii)段部を挟み表示領域と反対側の被着体の表面と、段部の先端部との間に、第2段差が生じる。
【0017】
上記構成によれば、ユーザは、第2段差を認識した後、第1段差を認識することにより、手の触感で容易に表示領域の位置を認識することができる。1段構成のラベルについては、下記実施形態5~7において詳述する。
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の記載は発明の趣旨をよりよく理解させるためのものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、本出願における各図面に記載した構成の形状及び寸法(長さ、幅等)は、実際の形状及び寸法を必ずしも反映させたものではなく、図面の明瞭化及び簡略化のために適宜変更している。
【0019】
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係るラベル1を、被着体としての容器2(例えばPETボトル等)に装着した状態を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線矢視断面図である。各図におけるX軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。図1において、X軸正方向を右方向、Y軸正方向を手前方向、Z軸正方向を上方向とする。以下の図面において、表示領域12、21、42は分かりやすくするために、厚みを厚く記載している。ラベル1が貼り付けられた容器2が、ラベル付き被着体の一例となる。
【0020】
[ラベル]
(ラベルの構成)
ラベル1は、基材層11と、段部13と、を有する。基材層11の材質は、紙及び合成樹脂フィルム等に特に限定されるものではなく、粘着紙として一般的に用いられているものも使用可能である。例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材とした合成樹脂フィルム、前記の合成樹脂を複数種組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シート、合成樹脂フィルムから形成されていてもよく、これらを混合したものであってもよい。段部13は剛性があることが好ましく、具体的にはPET等のポリエステル系樹脂が含まれていることが好ましい。段部13は、基材層11と同一の材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
【0021】
(基材層)
基材層11は平面視で四角形状をなし、中央部に、印刷等によって情報を表示し、高さが200μm以下である表示領域12を有する。図1及び図2においては、表示領域12が、平面視で四角形状の二次元コードである場合を示している。基材層11は、接着剤を塗工してなる接着層11aにより容器2に貼り付けられている。接着剤の材料としては、例えば溶剤系接着剤、UV(ultraviolet)粘着剤、エマルジョン系接着剤、ホットメルト等が挙げられる。接着層11aの材質が粘着剤である場合、再剥離でき、以下の2つの効果を有する。(i)貼り付けが任意にしやすい(自由に貼り付け箇所を選ぶことができ、修正及び変更も容易にできる)。(ii)接着層11aにより剥離性がコントロールできるので、リサイクル時に分離及び剥離が容易にできる。表示領域12及び基材層11の形状は四角形状である場合には限定されない。
【0022】
(段部)
基材層11上の、表示領域12の周囲には、段部13が接着層13aにより貼り付けられている。図1及び後述する図4の4001に示すように、段部13は平面視が矩形枠状をなす。図2及び後述する図5の5001に示すように、段部13は、断面視が矩形状をなす。段部13は、表示領域12側に位置する第1側面13fと、第1側面13fの反対側に位置する第2側面13gと、第1側面13fと第2側面13gと繋ぐ平面状の先端面13hとを備える。先端面13hの角部13i及び角部13jは直角状をなす。基材層11と段部13とにより凹部13bが形成される。
【0023】
段部13は、ラベル1が容器2に貼り付けられている状態において、凹部13bの底面(表示領域12側の基材層11の表面)と段部13の先端面(先端部)13hとの間において第1段差aを生じさせている。また、ラベル1が容器2に貼り付けられている状態において、段部13は、容器2の表面2aと、段部13の先端面13hとの間に第2段差bを生じさせている。
【0024】
(ラベルの作製方法)
ラベル1は以下のようにして作製される。図3は、ラベル1の作製方法の一例を説明するための断面図である。
【0025】
まず、基材層11の表示領域12の外周縁から所定距離を隔てた状態で、基材層11上に接着層13aを形成する。次に、表示領域12を段部母材13cで覆い、接着層13aに対向する段部母材13cの部分を接着層13aに接着させる。段部母材13cに切れ目13dを入れ、中抜き部13eを段部母材13cの他の部分から分ける。次に、中抜き部13eの表面にUV粘着層15を形成する。UV粘着層15を含んで段部母材13cを覆うように受け材16を配置する。受け材16の材料としては、いわゆる工程紙(製造工程のみで使われる、紙基材又はフィルム基材等)が挙げられる。UV粘着層15にUVを照射して硬化させることにより、UV粘着層15を固体化させ、受け材16と中抜き部13eとの接着強度を高める。この状態において、受け材16を持ち上げることにより、切れ目13dが裂け、中抜き部13eが段部母材13cのその他の部分から引き剥がされる(中抜きされる)。以上のようにして、基材層11の表面に、矩形枠状の段部13が形成される。
【0026】
ラベル1の作製方法として、以下の作製方法も挙げられる。この場合、裏面全体に接着層13aが設けられた段部母材13cを用いる。表示領域12の上側であって、中抜き部13eに対向する部分に、シリコーンを含むシリコーン組成物を塗布して剥離用ニス層を形成する。剥離用ニス層に、接着層13aを介し段部母材13cを接着させる。段部母材13cに対し、厚み方向に切れ目を入れ、中抜き部13eを段部母材13cの他の部分から分ける。中抜き部13eの表面に、UV粘着層15を形成する。段部母材13cを覆うように受け材16を配置する。UV粘着層15にUVを照射して硬化させ、受け材16を持ち上げることにより、剥離用ニス層と接着層13aとの界面で剥がれが生じ、中抜き部13eが中抜き部13eに対応する接着層13aとともに、段部母材13cのその他の部分から引き剥がされる。基材層11の表面に、矩形枠状の段部13が形成される。この場合、図2に示す表示領域12の外側に剥離用ニス層が残存することになる。
【0027】
(段部の平面視の形状の変形例)
図4は、実施形態1に係るラベル1の段部13の変形例を示す平面図である。段部13の平面視の形状は、図4の4001に示す矩形枠状に限定されない。段部13は、図4の4002に示すように、平面視において、表示領域12の一辺に沿って直線状に延びるような形状を有していてもよい。段部13は、図4の4003に示すように、平面視において、表示領域12の二辺に沿ってL字状に曲がる形状を有していてもよい。段部13は、図4の4004に示すように、平面視において、表示領域12の三辺に沿ってU字状をなすものであってもよい。図4の4005に示すように、複数の段部13が表示領域12の四方を断続的に囲んでいてもよい。この場合、複数の段部が構成する段部群が、平面視において矩形状を形成する。図4の4005に示すように、段部13の長さが不均一ではなくてもよく、同一の長さを有していてもよい。すなわち、平面視において、複数の点状の段部13が、表示領域12の周囲を囲むものであってもよい。4002~4005の段部13も4001と同様にして作製される。
【0028】
その他、図4の4001~4003、4005では、段部13の角部は、平面視において直角状であるが、これに限らず、切り欠き形状であってもよいし、丸みを帯びた形状であってもよい。また、図4の4004では、段部13の角部は、平面視において、丸みを帯びた形状であるが、直角状であってもよい。また、4001は円形状であってもよく、4005において段部13の群が円形状であってもよく、4003が円弧状であってもよい。4002は、アーチ状であってもよい。
【0029】
そして、図4に示すように、このような種々の形状の段部13は、表示領域12の周囲の少なくとも一部に位置している。これにより、ユーザは、表示領域12の位置を触覚的に判断することができる。
【0030】
4002のように、表示領域12の一辺に沿って直線状に延びる場合、意図しない他のラベルの段差と誤認される虞がある。この誤認が生じる可能性を低減する観点からいえば、4003のように表示領域12の2辺(2方向)が分かる形状が好ましい。さらに、4001、4004のように表示領域12の周囲を囲う形状がより好ましい。表示領域12の周囲を囲う形状の場合、4005のように断続的であってもよい。また、断続的な形状、及び、直線ではないといった、変化を付した形状は、表示領域12を認識することをユーザに促しながら、ユニバーサルデザインに貢献する形状とすることができる。例えば、アルコール含有の有無、水及びお茶等の飲料の種類を示すことができる。段部13の内側の縁部(複数辺ある場合は1辺)の長さは、表示領域12の1辺の長さを基準として、100~120%であることが好ましい。
【0031】
(段部の断面形状の変形例)
図5は、実施形態1に係るラベル1の段部13の断面形状の変形例を示す断面図である。図5においては、段部13の先端側を上側、表示領域12側を内側、表示領域12と反対側を外側として説明する。図5に示すラベル1の断面は、表示領域12側からその反対側(基材層11の中央部分から外側)へと延伸する直線を含む断面の一例である。
【0032】
断面視の形状は、図5の5001に示すように、段部13の先端面13hの内側の角部13i及び外側の角部13jが直角状である場合に限定されない。段部13は、図5の5002に示すように、段部13の先端面13hの内側の角部が切り欠かれた斜面13dを有していてもよい。段部13は、図5の5003に示すように、段部13の先端面13hの外側の角部が切り欠かれた斜面13eを有していてもよい。段部13は、図5の5004に示すように、段部13の先端面13hの内側及び外側の角部が切り欠かれた斜面13d及び斜面13eを有していてもよい。
【0033】
また、段部13は、図5の5005に示すように、段部13の内側及び外側に斜面13d及び斜面13eを有していてもよい。この場合、斜面13dと斜面13eとが接続される段部13の先端部が、断面視において段部13の中央部で接続され、当該中央部が最も高くなっていてもよい。すなわち、段部13の上側は、断面視において、二等辺三角形状を有していてもよい。
【0034】
但し、上記先端部が、上記中央部から離れた位置に存在してもよい。例えば、第1側面13fおよび第2側面13gが基材層11に対して垂直であり、第1側面13fおよび第2側面13gの一方の傾斜面のみが存在していてもよい。すなわち、段部13の上側部分が、断面視において、直角三角形状であってもよい。
【0035】
また、段部13は、第1側面13fおよび第2側面13gが、基材層11の主面に垂直な方向に対して傾斜していてもよい。すなわち、段部13は、断面視において、台形状であってもよいし、平行四辺形状であってもよい。また、段部13は、断面視において、三角形状を有していてもよい。
【0036】
以上のように、段部13は、表示領域12側からその反対側へと延伸する直線を含む断面において、面方向が変わる角部(折曲部)を有している。角部で面方向が変わり、角部が丸みを帯びていないことから、ユーザは、段部13に基づく第1段差a及び第2段差bを認識しやすい。段部13が幅方向に亘って複数の折曲部を有することにより、ユーザは、段部13に基づく第1段差a及び第2段差bをより認識しやすくなる。変化を付した形状は、表示領域12を認識することを促しながら、ユニバーサルデザインに貢献する形状とすることもできる。
【0037】
(表示領域の位置の認識方法)
表示領域12の位置の認識方法について、図2を参照して説明する。視覚障害者等のユーザは、容器2の表面2aを指で辿り、基材層11の側面11bの前側の角部11cを認識し、段部13の先端面13hの下側の角部13j(折曲部)に到達する。ユーザは、これまでの動作により第2段差bを認識する。ユーザは、指を先端面13hに沿って上側に進め、先端面13hの上側の角部13i(折曲部)で第1側面13fを認識する。ユーザは、指の向きを変え、第1側面13fに沿って指を後側に進め、第1段差aを認識する。ユーザは、第1段差a及び第2段差bにより表示領域12の位置を認識し、凹部13bの底面を辿り、表示領域12に到達することができる。なお、ユーザが、段部13のZ軸負方向から指により表示領域12に到達する場合には限定されない。段部13が矩形状である場合、ユーザは、段部13のいずれの方向からも第1段差a及び第2段差bを認識して、表示領域12に到達することができる。
【0038】
第2段差bは、50μm以上200μm以下であることが好ましい。第2段差bが50μm以上である場合、後述する実施例で示すように、ユーザは第2段差bを良好に認識することができる。ラベル1が厚い場合、1巻で納入するラベルの1の数量が減り、製造効率が落ちる。そして、自動貼りつけにおいて、製造効率が下がる。200μm以下である場合、表示領域12の認識に必要な厚みを有しつつ、製造効率等が低下する可能性を低減できる。そのため、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することができる。第2段差bの上限は、150μmであることが好ましい。
【0039】
第1段差aは、10μm以上190μm以下であることが好ましい。第1段差aと第2段差bとの面方向の間隔は、10cm以下であることが好ましく、5cm以下であることがより好ましい。この場合、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを迅速に探し出すことができる。
【0040】
本実施形態においては、ラベル1が二段構成のラベルであり、より大きい第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域12の位置を認識し、表示領域12に到達することができる。また、インキ又はエンボスにより、表示領域の存在を示す場合と異なり、段部13はラベル1の製造時に潰れる虞はなく、使用により劣化し、剥がれることもほとんどない。
【0041】
ラベル1が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器2によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域12の位置を認識し、表示領域12に到達することができる。
【0042】
〔実施形態2〕
図6は、実施形態2に係るラベル10を示す断面図である。ラベル10においては、実施形態1に係るラベル1と異なり、表示領域12側にある第1側面13fと段部13を挟んで反対側の第2側面13gは、基材層11の側面11bと面一である。実施形態2においては、ユーザは、容器2の表面2aを指で辿ったとき、基材層11の側面11bと段部13の第2側面13gとが繋がっているので、側面11bと第2側面13gとを合わせた高さ、即ち第2段差bを一度に認識できる。従って、容易に先端面13hの角部13jに到達することができる。以上のように、実施形態2のラベル10は、実施形態1のラベル1より第2段差bを認識し易く、表示領域12の位置をより認識し易い。
【0043】
なお、ラベル10の段部13は、ラベル1の段部13と同様に、種々の平面視の形状及び断面視の形状を採り得る。
【0044】
ラベル10が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器2によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域12の位置を認識し、表示領域12に到達することができる。そして、他の意匠性ラベルとの区別が容易となる。
【0045】
〔実施形態3〕
図7は、実施形態3に係るラベル18を示す断面図である。ラベル18においては、実施形態2に係るラベル10と異なり、表示領域12は、容器2の表面2aに形成されている。基材層11は透明な材質からなり、基材層11の表側から表示領域12を透視でき、基材層11の表側から表示領域12を撮像できるように構成されている。段部13及び基材層11の構成は、ラベル10の構成と同一である。実施形態1のラベル1のように、第2側面13gと側面11bとが面一でない構成であってもよい。ラベル18によれば、ラベル1及びラベル10と同様に、ユーザは表示領域12の位置を良好に認識できる。表示領域12が容器2の表面2aではなく、基材層11の裏面に形成されている場合も、基材層11は透明な材質からなるとき、上記と同様に基材層11の表側から表示領域12を透視でき、基材層11の表側から表示領域12を撮像できる。基材層11の全体が透光性を有する必要はなく、表示領域12に対応する領域のみが透光性を有していてもよい。
【0046】
〔実施形態4〕
図8は、実施形態4に係るラベル15を示す平面図である。図9は、図8のIX-IX線矢視断面図である。各図におけるX軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。図8において、X軸正方向を右方向、Y軸正方向を手前方向、Z軸正方向を上方向とする。
【0047】
ラベル15はPOP(Point of Purchase)ラベルであり、薬等の内容物を収容する箱型の容器20の表面に、接着層11aを介しラベル15の端部が貼り付けられている。図8および図9の例では、容器20の右側の端部に、ラベル15の左側の端部が貼り付けられている。
【0048】
図8に示すように、ラベル15の基材層11の先端側には、表示領域12が形成されている。図8の例では、平面視において、基材層11の先端側の中央部に、表示領域12が形成されている。基材層11の先端側には、表示領域12の右側の三辺に沿って表示領域12を囲むように、U字状の段部13が接着層13aを介し貼り付けられている。
【0049】
ユーザは、例えば、容器20の表面に沿って右側に指を進めると、指は基材層11の左側の側面11dに突き当たる。ユーザは、指の向きを変え、側面11dに沿って指を上側に進めると、指は段部13の上面13kの左側の角部13mに到達する。これにより、ユーザは第2段差bを認識する。ユーザは、指で上面13kを辿り、指は上面の内側の角部13nに到達する。ユーザは、指の向きを変え、段部13の内側の側面に沿って指を下降させ、第1段差aを認識する。ユーザは表示領域12の位置を認識し、表示領域12に到達することができる。
【0050】
ラベル15が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器20によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域12の位置を認識し、表示領域12に到達することができる。
【0051】
〔実施形態5〕
図10は、本発明の実施形態5に係るラベル3を、被着体としての容器2(例えばPETボトル等)に装着した状態を示す斜視図である。図11は、図10のXI-XI線矢視断面図である。図10において、X軸正方向を右方向、Y軸正方向を手前方向、Z軸正方向を上方向とする。
【0052】
実施形態5においては、容器2が表示領域21を有する。表示領域21は四角形状をなす。但し、実施形態1と同様、情報が表示される領域であればよく、四角形状以外の形状であってもよい。
【0053】
ラベル3は、接着層3aにより容器2に貼り付けられており、表示領域12の下辺に沿って左右方向に延びる直方体状をなす。そして、実施形態5においては、ラベル3自体が段部を構成している。つまり、ラベル3は、容器2に貼り付けられた状態において、表示領域21の周囲の少なくとも一部に位置する段部として機能する。ラベル3は、表示領域21側の第1側面3bと、表示領域21と反対側の第2側面3cと、第1側面3bと第2側面3cとを繋ぐ先端面3dと、を有する。
【0054】
ラベル3は、表示領域12の下辺に沿って設けられるのではなく、下辺以外の一辺に沿って設けられてもよい。また、表示領域12の一辺に沿って設けられるのではなく、表示領域12の少なくとも2辺に沿って設けられてもよい。また、ラベル3は、直方体状に限定されず、例えば図4に示す平面形状、及び、図5に示す断面形状を採り得る。
【0055】
ラベル3は、容器2に貼り付けられた状態において、表示領域21側の容器2の表面2bと、ラベル3の先端面3dとの間に、第1段差aを生じさせる。また、ラベル3は、ラベル3を挟み表示領域21と反対側の容器2の表面2aと、ラベル3の先端面3dとの間に、第2段差bを生じさせる。
【0056】
実施形態5においては、ユーザは、容器2の表面2aを指で辿り、段部13の先端面3dの下側の角部3f(折曲部)に到達する。ユーザは、これまでの動作により第2段差bを認識する。ユーザは、指を先端面3dに沿って上側に進め、先端面3dの上側の角部3e(折曲部)で第1側面3bを認識する。ユーザは、指の向きを変え、第1側面3bに沿って指を後側に進め、第1段差aを認識する。ユーザは、第1段差a及び第2段差bにより表示領域21の位置を認識し、表示領域21に到達することができる。
【0057】
ラベル3が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器2によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域21の位置を認識し、表示領域21に到達することができる。
【0058】
(変形例)
図12は、容器2の変形例を示す断面図である。図12においては、表示領域21の下辺から所定距離を隔てて設けられ、当該下辺に沿って左右方向に延びる溝状の凹部2cを有する。ラベル3は、凹部2cの上縁部に下辺部を合わせた状態で配置されている。第2側面3cと凹部2cの側面とは面一である場合には限定されない。
【0059】
変形例によれば、凹部2cの底面と先端面3dとの段差が第2段差bとなる。第1段差aより第2段差bが大きいので、ユーザは、第1段差aと第2段差bとを区別できる。ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することで、ラベル3を超えて、表示領域12に近づいたことを把握できる。なお、例えば、図2のラベル1、及び図6のラベル10においても、基材層11に沿って、容器2に凹部2cを設けてもよい。
【0060】
〔実施形態6〕
図13は、実施形態6に係る容器4と、フラップラベル5とを示す平面図である。図14は、図13のXIV-XIV線矢視断面図である。各図におけるX軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。図13において、X軸正方向を右方向、Y軸正方向を手前方向、Z軸正方向を上方向とする。
【0061】
実施形態6に係る容器4は、略直方体状をなし、変形可能な袋部(被着体)41と、袋部41の上面の一部に形成された表示領域42と、を有する。図13の例では、表示領域42は、袋部41の上面の左端部に設けられている。袋部41は、上面の中央部に長円状の穴部41aを有する。袋部41には、水分及び揮発性の液体を含んだ複数のシート(不図示)が折り畳まれた状態で収容されている。穴部41aからシートが上側に向かって取り出される。フラップラベル5は、袋部41に対して、穴部41aを塞ぐ蓋材として袋部41に剥離可能に貼付されるラベルである。
【0062】
フラップラベル5は、左右方向に延びる矩形状をなす。フラップラベル5は、例えばPET、ポリプロピレン等からなる。フラップラベル5は、フラップラベル5の周縁部の一部に、段部51を有する。図13の例では、段部51は、フラップラベル5の左側の一辺の中央部に設けられ、半円の枠状をなす。半円の枠の根元に相当するラベル5の縁部も段部51を構成する。フラップラベル5は、フラップラベル5の周縁部及び段部51の下側に、粘着剤が塗布された粘着層51aを有する。フラップラベル5は、袋部41の穴部41aを塞ぐように、粘着層51aにより袋部41の上面に接着されている。フラップラベル5は、段部51とは反対側の位置において、袋部41の上面に固定されている。図13の例では、フラップラベル5の右側の一辺において、袋部41の上面に固定されている。ユーザが段部51をつまんで引き上げることにより、フラップラベル5の右側の一辺が袋部41に固定された状態で、フラップラベル5は、袋部41の上面から剥離する。これにより、ユーザは、穴部41aからシートを取り出すことができる。粘着層51aは、繰り返し、袋部41の上面に粘着できる再粘着性を有する。粘着層51aの材質は、UV粘着層15の材質と同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0063】
ユーザは、袋部41の左側端部から袋部41の上面を指で辿り、指は段部51の第2側面51cの下部に突き当たる。ユーザは、指の向きを変えて、段部51の左側の角部51fを認識し、ユーザは、第2段差bを認識する。ユーザは、指により先端面51dを辿る。ユーザは、右側の角部51eで第1段差aを認識する。ユーザは、第1段差a及び第2段差bにより表示領域42の位置を認識し、表示領域42に到達することができる。
【0064】
ラベル5が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器4によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域42の位置を認識し、表示領域42に到達することができる。
【0065】
〔実施形態7〕
図15は、実施形態7に係る容器4と、フラップラベル6と、を示す平面図である。図16は、図15のXVI-XVI線矢視断面図である。各図におけるX軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とし、Z軸方向を上下方向とする。図15において、X軸正方向を右方向、Y軸正方向を手前方向、Z軸正方向を上方向とする。図中、図13及び図14と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
実施形態7に係る容器4においては、袋部(被着体)41の穴部41aの周縁部の一部に表示領域42を有する。図15の例では、フラップラベル6の右上部に、矩形状の表示領域42を有する。フラップラベル6は、左右方向に延びる矩形状をなす。フラップラベル6は例えばPET、ポリプロピレン等からなる。フラップラベル6は、表示領域42を露出させる(表示領域42を囲うように)、矩形状の窓部6aを有する。フラップラベル6の窓部6aの周縁部の後側及び右側が段部61となっている。フラップラベル6は、左側の端部の中央部に半円状のつまみ部62を有する。窓部6aは矩形状には限定されない。
【0067】
フラップラベル6は、周縁部及び段部61の下側に、粘着剤が塗布された粘着層61aを有する。フラップラベル6は、袋部41の穴部41aを塞ぐように、粘着層61aにより袋部41の上面に接着されている。フラップラベル6は、フラップラベル6の右側の端部において、袋部41の上面に固定されている。ユーザがつまみ部62をつまんで引き上げることにより、フラップラベル6の右側の端部が袋部41に固定された状態で、フラップラベル6は、袋部41の上面から剥離される。ユーザは、穴部41aからシートを取り出す。
【0068】
ユーザは、袋部41の右側端部から袋部41の上面を指で辿り、指は段部61の第2側面61cの下部に突き当たる。ユーザは、指の向きを変え、段部61の右側の角部61fを認識し、ユーザは、第2段差bを認識する。ユーザは、指により先端面61dを辿る。ユーザは、左側の角部61eで第1段差aを認識する。ユーザは、第1段差a及び第2段差bにより表示領域42の位置を認識し、表示領域42に到達することができる。
【0069】
ラベル6が貼り付けられたラベル付き被着体としての容器4によれば、ユーザは、第2段差bを認識した後、第1段差aを認識することにより、手の触感で容易に表示領域42の位置を認識し、表示領域42に到達することができる。
【実施例0070】
以下、実施例によって本発明の一実施形態をより詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0071】
容器の表面に矩形状の段部を設ける。この段部の先端面と容器の表面との段差(厚み:μm)を変えて、段差とユーザの判別結果とを調べた。その結果を表1に示す。被験者は、幼少期からの視覚障害者、幼少期を過ぎた後に失明した中途失明者である。表1の判別結果の内容は以下の通りである。
A:段差を容易に判別できる。
B:時間を要するが段差を判別できる。
C:他の印刷の領域と区別できず、判別できない。
【0072】
【表1】
【0073】
幼少期からの視覚障害者は、視覚に頼る期間が短く、手の触感に頼る期間が長いので、中途失明者より、触感による凹凸の判別に優れる傾向がある。表1より、幼少期からの視覚障害者は50μmの段差から判別できるのに対し、中途失明者は75μmの段差から判別できることが分かる。以上より第2段差bとしては、50μm以上が好ましいことが分かる。
【0074】
<付記事項>
本発明の一態様に係るラベルは、被着体に貼り付けられるラベルであって、印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有するか、又は、前記被着体の表面に前記表示領域が位置する場合に該表示領域を透視させる基材層と、前記基材層上に設けられ、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置している段部と、を備え、前記段部は、(i)前記表示領域側の前記基材層の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせていると共に、(ii)前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記被着体の表面と前記段部の先端部との間に第2段差を生じさせるものである。
【0075】
上記構成によれば、ユーザは、第2段差を認識した後、第1段差を認識することにより、手の触感で容易に表示領域の位置を認識し、表示領域に到達することができる。
【0076】
上述のラベルは、前記段部の、前記表示領域側の第1側面と反対側の第2側面は、前記基材層の側面と面一であってもよい。
【0077】
上記構成によれば、第2段差を一度に認識できる。従って、表示領域の位置をより認識し易い。
【0078】
本発明の一態様に係るラベルは、印刷又は塗工によって情報を表示し、かつ厚みが200μm以下である表示領域を有する被着体に貼り付けられるラベルであって、前記ラベルが前記被着体に貼り付けられた状態において、前記表示領域の周囲の少なくとも一部に位置する段部を備え、前記段部は、前記状態において、(i)前記表示領域側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第1段差を生じさせると共に、(ii)前記段部を挟み前記表示領域と反対側の前記被着体の表面と、前記段部の先端部との間に、第2段差を生じさせるものである。
【0079】
上記構成によれば、ユーザは、第2段差を認識した後、第1段差を認識することにより、手の触感で容易に表示領域の位置を認識し、表示領域に到達することができる。
【0080】
上述のラベルは、前記段部は、前記表示領域側からその反対側へと延伸する直線を含む断面において、折曲部を有していてもよい。
【0081】
上記構成によれば、折曲部で面方向が変わり、折曲部は丸みを帯びていないので、ユーザは、段部に基づく第1段差及び第2段差を認識しやすい。
【0082】
上述のラベルにおいて、前記第2段差は、50μm以上200μm以下であってもよい。
【0083】
第2段差が50μm以上である場合、ユーザは第2段差bを良好に認識することができる。第2段差が200μm以下である場合、表示領域の認識に必要な厚みを有しつつ、SDGsの達成に貢献することができる。
【0084】
本発明の一態様に係るラベル付き被着体は、上述のいずれかのラベルが貼り付けられている。
【0085】
上記構成によれば、ユーザは、第2段差を認識した後、第1段差を認識することにより、手の触感で容易に表示領域の位置を認識し、表示領域に到達することができる。
【0086】
以上、本開示に係る発明について、諸図面及び実施形態に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0087】
1、3、5、6、10、15、18 ラベル
11 基材層
12、21、42 表示領域
13 段部
13b 凹部(基材層の表面)
13f、3b、51b、61b 第1側面
13g、3c、51c、61c 第2側面
13i、13j 角部(折曲部)
13h、3d、51d、61d 先端面(先端部)
13k 上面(先端部)
2、4、20 容器(被着体、ラベル付き被着体)
2a 表面(被着体の表面、表示領域と反対側の被着体の表面)
2b 表面(表示領域側の被着体の表面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16