(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130108
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置
(51)【国際特許分類】
G11B 5/596 20060101AFI20230912BHJP
G11B 21/10 20060101ALI20230912BHJP
G11B 21/08 20060101ALI20230912BHJP
G11B 5/09 20060101ALI20230912BHJP
G11B 5/02 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G11B5/596
G11B21/10 E
G11B21/08 C
G11B21/08 F
G11B5/09 311Z
G11B5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034587
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田上 尚基
(72)【発明者】
【氏名】原 武生
(57)【要約】
【課題】 データフォーマット効率を高めることのできる磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】 磁気ディスク装置は、第1サーボ周波数の第1領域RE1、第2サーボ周波数の第2領域RE2、及び上記第1サーボ周波数の第3領域RE3を含むゾーンサーボ領域ZBaを有するディスクと、ヘッドと、上記第1領域の第1サーボデータを復調し上記ヘッドの位置を導出し、上記第3領域の第1補正データを復調し上記ヘッドの位置を補正するコントローラと、を備える。第1領域RE1、第2領域RE2、及び第3領域RE3は、進行方向d2に順に並べられている。第1領域RE1及び第2領域RE2はディスクの円周方向に互いに隣接している。第2領域RE2及び第3領域RE3は上記円周方向に互いに隣接している。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボ領域に、第1サーボ周波数の第1領域、第2サーボ周波数の第2領域、及び前記第1サーボ周波数の第3領域を含むゾーンサーボ境界領域を有するディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトするライトヘッドと、前記ディスクからデータをリードするリードヘッドと、を有するヘッドと、
前記ヘッドを所定のトラックに対応付けて位置決めするために、前記ヘッドでリードした前記第1領域の第1サーボデータを復調し前記ヘッドの位置を導出し、前記ヘッドでリードした前記第3領域の第1補正データを復調し前記ヘッドの位置を補正するコントローラと、を備え、
前記第1領域、前記第2領域、及び前記第3領域は、前記ディスクに対する前記ヘッドの進行方向に順に並べられ、
前記第1領域及び前記第2領域は、前記ディスクの円周方向に互いに隣接し、
前記第2領域及び前記第3領域は、前記ディスクの前記円周方向に互いに隣接している、
磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記第1領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含み、
前記第2領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第2プリアンブル領域、第2サーボマーク領域、第2グレイコード領域、及び第2バースト領域を含み、
前記第3領域は、第1ポストコード領域を含み、
前記第1サーボ周波数は、前記第1プリアンブル領域の周波数と同じであり、
前記第2サーボ周波数は、前記第2プリアンブル領域の周波数と同じである、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記ゾーンサーボ境界領域は、前記第2サーボ周波数の第4領域をさらに含み、
前記コントローラは、前記ヘッドを所定のトラックに対応付けて位置決めするために、前記ヘッドでリードした前記第2領域の第2サーボデータを復調し前記ヘッドの位置を導出し、前記ヘッドでリードした前記第4領域の第2補正データを復調し前記ヘッドの位置を補正し、
前記第1領域、前記第2領域、及び前記第4領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられ、
前記第2領域及び前記第4領域は、前記ディスクの前記円周方向に互いに隣接し、
前記第3領域及び前記第4領域は、前記ディスクの半径方向に互いに隣接している、
請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記第1領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含み、
前記第2領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第2プリアンブル領域、第2サーボマーク領域、第2グレイコード領域、及び第2バースト領域を含み、
前記第3領域は、第1ポストコード領域を含み、
前記第4領域は、第2ポストコード領域を含み、
前記第1サーボ周波数は、前記第1プリアンブル領域の周波数と同じであり、前記第2サーボ周波数は、前記第2プリアンブル領域の周波数と同じである、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第1非対象領域及び第1対象領域を含み、
前記第1非対象領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第3領域と前記第1対象領域との間に位置し、前記第3領域及び前記第1対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第1対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第1非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記第3領域は前記第4領域の外周側に隣接し、前記ヘッドの前記進行方向と逆向きであり前記ディスクの回転する方向を回転方向とし、前記回転方向を基準に前記ディスクをみた場合、
前記第1対象領域の前側の端は、前記第4領域の後側の端と前記半径方向に揃っている、又は、
前記第1対象領域の前側の前記端は、前記第4領域の後側の前記端より後方に位置している、
請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第2非対象領域及び第2対象領域を含み、
前記第2非対象領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第4領域と前記第2対象領域との間に位置し、前記第4領域及び前記第2対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第2対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第2非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記第3領域は前記第4領域の内周側に隣接し、前記ヘッドの前記進行方向と逆向きであり前記ディスクの回転する方向を回転方向とし、前記回転方向を基準に前記ディスクをみた場合、
前記第2対象領域の前側の端は、前記第3領域の後側の端と前記半径方向に揃っている、又は、
前記第2対象領域の前側の前記端は、前記第3領域の後側の前記端より後方に位置している、
請求項7に記載の磁気ディスク装置。
【請求項9】
前記サーボ領域は、前記第1サーボ周波数の第5領域をさらに含み、
前記コントローラは、前記ヘッドを所定のトラックに対応付けて位置決めするために、前記ヘッドでリードした前記第1領域の前記第1サーボデータを復調し前記ヘッドの位置を導出し、前記ヘッドでリードした前記第5領域の第3補正データを復調し前記ヘッドの位置を補正し、
前記第1領域及び前記第5領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられ、
前記第1領域及び前記第5領域は、前記ディスクの前記円周方向に互いに隣接し、
前記第2領域及び前記第5領域は、前記半径方向に互いに隣接している、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項10】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向に順に並べられた第3非対象領域及び第3対象領域を含み、
前記第3非対象領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第5領域と前記第3対象領域との間に位置し、前記第5領域及び前記第3対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第3対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第3非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項9に記載の磁気ディスク装置。
【請求項11】
前記ヘッドの前記進行方向と逆向きであり前記ディスクの回転する方向を回転方向とし、前記回転方向を基準に前記ディスクをみた場合、
前記第3対象領域の前側の端は、前記第3領域の後側の端と前記半径方向に揃っている、又は、
前記第3対象領域の前側の前記端は、前記第3領域の後側の前記端より後方に位置している、
請求項10に記載の磁気ディスク装置。
【請求項12】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第3領域に隣接し前記半径方向に並べられた第1非対象領域及び第1対象領域を含み、
前記第1非対象領域は、前記半径方向にて前記第4領域と前記第1対象領域との間に位置し、前記第4領域及び前記第1対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第1対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第1非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項13】
前記第1非対象領域は、前記第1対象領域に対して前記データがライトされた際に影響が及ぶ領域である、
請求項12に記載の磁気ディスク装置。
【請求項14】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第4領域に隣接し、前記半径方向に並べられた第2非対象領域及び第2対象領域を含み、
前記第2非対象領域は、前記半径方向にて前記第3領域と前記第2対象領域との間に位置し、前記第3領域及び前記第2対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第2対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第2非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項15】
前記第2非対象領域は、前記第2対象領域に対して前記データがライトされた際に影響が及ぶ領域である、
請求項14に記載の磁気ディスク装置。
【請求項16】
前記ディスクは、前記ヘッドの前記進行方向にて前記サーボ領域に隣接したユーザデータ領域をさらに有し、
前記ユーザデータ領域は、前記ヘッドの前記進行方向にて前記第5領域に隣接し、前記半径方向に並べられた第3非対象領域及び第3対象領域を含み、
前記第3非対象領域は、前記半径方向にて前記第2領域及び前記第3領域と前記第3対象領域との間に位置し、前記第2領域、前記第3領域、及び前記第3対象領域にそれぞれ隣接し、
前記コントローラは、前記第3対象領域をリーディング及びライティングの対象とし、前記第3非対象領域を前記リーディング及び前記ライティングの対象から外す、
請求項9に記載の磁気ディスク装置。
【請求項17】
前記第3非対象領域は、前記第3対象領域に対して前記データがライトされた際に影響が及ぶ領域である、
請求項16に記載の磁気ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクの半径方向に間隔に置いて複数のトラックをライトする通常記録(Conventional Magnetic Recording:CMR)型式(又は、従来記録型式)の磁気ディスク装置とディスクの半径方向に複数のトラックを重ね書きする瓦記録(Shingled write Magnetic Recording:SMR、又はShingled Write Recording:SWR)型式の磁気ディスク装置と、通常記録型式及び瓦記録型式を選択して実行するハイブリッド記録型式の磁気ディスクがある。磁気ディスクは、プリアンブル(preamble)領域、サーボマーク(Servo Mark)領域、グレイコード(Gray Code)領域、ポストコード(Post Code)領域等のサーボ領域を有している。通常記録型式、瓦記録型式、及びハイブリッド記録型式の磁気ディスク装置は、それぞれ、対応するポストコード領域を含むサーボ領域を有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9070411号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0264942号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/0179198号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2020/0286517号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、データフォーマット効率を高めることのできる磁気ディスク装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る磁気ディスク装置は、
第1サーボ周波数の第1領域、第2サーボ周波数の第2領域、及び前記第1サーボ周波数の第3領域を含むサーボ領域を有するディスクと、前記ディスクに対してデータをライトするライトヘッドと、前記ディスクからデータをリードするリードヘッドと、を有するヘッドと、前記ヘッドを所定のトラックに対応付けて位置決めするために、前記ヘッドでリードした前記第1領域の第1データを復調し前記ヘッドの位置を導出し、前記ヘッドでリードした前記第3領域の第3データを復調し前記ヘッドの位置を補正するコントローラと、を備え、前記第1領域、前記第2領域、及び前記第3領域は、前記ディスクに対する前記ヘッドの進行方向に順に並べられ、前記第1領域及び前記第2領域は、互いに隣接し、前記第2領域及び前記第3領域は、互いに隣接している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、比較例に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、上記比較例に係るディスクのサーボ領域の配置の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、上記ディスクのトラックのデータパターンの一例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、上記ディスクのトラックのデータパターンの別の例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、
図2に示したサーボ領域のサーボセクタの一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、上記サーボ領域のサーボセクタの一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、上記サーボ領域のサーボセクタの別の例を示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図1に示したヘッド、ヘッドアンプIC、及びシステムコントローラの構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、上記磁気ディスク装置において、リードヘッドを基準位置に位置決めした場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す概略図である。
【
図10】
図10は、上記磁気ディスク装置において、リードヘッドを半径位置に位置決めした場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す概略図である。
【
図11】
図11は、上記磁気ディスク装置において、リードヘッドを半径位置に位置決めした場合のライトヘッドと2つのリードヘッドとの幾何学的配置の一例を示す概略図である。
【
図12】
図12は、
図2に示したディスクのうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域及び2つのデータ領域を示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る磁気ディスク装置のディスクの2重ゾーンサーボ領域のサーボセクタを説明するための概略図である。
【
図14】
図14は、上記第1の実施形態に係るディスクの2重ゾーンサーボ領域における前側サーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
【
図15】
図15は、上記第1の実施形態に係るディスクの2重ゾーンサーボ領域における後側サーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
【
図16】
図16は、上記第1の実施形態に係るディスクの単一ゾーンサーボ領域におけるサーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
【
図17】
図17は、上記第1の実施形態に係るディスクのうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域及び2つのデータ領域を示す図である。
【
図18】
図18は、上記第1の実施形態に係るディスクの円周方向に並んだサーボ領域の一部の領域、ギャップ、及びデータゾーンを示す概略図であり、サーボゲート、ライトゲート、及びリードゲートの一例を併せて示す図である。
【
図19】
図19は、上記第1の実施形態及び上記比較例のそれぞれにおいて、ディスクの半径位置に対するフォーマットロスの割合の変化をグラフで示す図である。
【
図20】
図20は、上記第1の実施形態に係るポストコードのライト処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、上記第1の実施形態に係るポストコードのリード処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、上記第1の実施形態に係るディスクのうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つのサーボ領域及び2つのデータ領域を示す図である。
【
図23】
図23は、第2の実施形態に係る磁気ディスク装置のディスクのうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域及び2つのデータ領域を示す図である。
【
図24】
図24は、上記第2の実施形態に係るディスクのうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つのサーボ領域及び2つのデータ領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(比較例)
まず、比較例について、図面を参照して説明する。
図1は、本比較例に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
【0008】
図1に示すように、磁気ディスク装置1は、後述するヘッドディスクアセンブリ(HDA)と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプ)30と、揮発性メモリ70と、不揮発性メモリ80と、バッファメモリ(バッファ)90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(以下、単に、ホストと称する)100と接続される。
【0009】
HDAは、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)10と、スピンドルモータ(以下、SPMと称する)12と、ヘッド15を搭載しているアーム13と、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)14とを有する。ディスク10は、SPM12に取り付けられ、SPM12の駆動により回転する。アーム13及びVCM14は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM14の駆動により、アーム13に搭載されているヘッド15をディスク10の所定の位置まで移動制御する。ディスク10およびヘッド15は、2つ以上の数が設けられてもよい。
【0010】
ディスク10は、そのデータをライト可能な領域に、ユーザが利用可能なユーザデータ領域10aと、ホスト等から転送されたデータ(又はコマンド)をユーザデータ領域10aの所定の領域にライトする前に一時的に保持するメディアキャッシュ(又は、メディアキャッシュ領域と称する場合もある)10bと、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリア10cとが割り当てられている。なお、メディアキャッシュ10bは、ディスク10に配置されていなくともよい。
【0011】
以下、ディスク10の内周から外周へ向かう方向を半径方向と称する。半径方向に平行な方向において、内周から外周へ向かう方向を外方向(外側)と称し、外周から内周へ向かう方向を内方向(内側)と称する。ディスク10の半径方向に直交する方向を円周方向又は周方向と称する。円周方向は、ディスク10の円周に沿った方向に相当する。
【0012】
また、ディスク10の半径方向の所定の位置を半径位置と称し、ディスク10の円周方向の所定の位置を円周位置と称する場合もある。半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。半径位置は、例えば、ディスク10の回転中心から所定の半径位置までの距離、ディスク10の最内周から所定の半径位置までの距離、又はディスク10の所定の半径位置から他の半径位置までの距離などに相当する。
【0013】
ディスク10は、半径方向の所定の範囲毎に複数の領域(以下、ゾーンと称する場合もある)に区分される。ゾーンは、複数のトラックを含んでいる。ディスク10を半径方向に区分した領域を半径領域と称する場合もある。半径領域は、ゾーン、トラック等を含んでいる。
【0014】
なお、“トラック”は、ディスク10の半径方向に区分した複数の領域の内の1つの領域、所定の半径位置におけるヘッド15の経路、ディスク10の円周方向に延長するデータ、所定の半径位置のトラックにライトされた1周分のデータ、ディスク10の所定のトラックにライトされたデータ、ディスク10の所定のトラックにライトされたデータの一部、及びその他の種々の意味で用いる。
【0015】
“セクタ”は、ディスク10の所定のトラックを円周方向に区分した複数の領域の内の1つの領域、ディスク10の所定の半径位置における所定の円周位置にライトされたデータ、ディスク10の所定のトラックの所定のセクタにライトされたデータ、及びその他の種々の意味で用いる。
【0016】
“トラックの半径方向の幅”を“トラック幅”と称する場合もある。“所定のトラックにおけるトラック幅の中心位置を通る経路”を“トラックセンタ”と称する場合もある。“セクタの半径方向の幅”を“セクタ幅”と称する場合もある。“所定のセクタにおけるセクタ幅の中心位置を通る経路”を“セクタセンタ”と称する場合もある。セクタセンタは、トラックセンタと一致する。“同じ”、“同一”、“一致”、及び“同等”等の用語は、全く同じという意味を含んでいることはもちろん、実質的に同じであると見做せる程度に異なるという意味も含んでいる。以下、“所定のトラックのトラックセンタ”を単に“トラック”と称する場合もある。また、“所定のセクタのセクタセンタ”を単に“セクタ”と称する場合もある。
【0017】
ヘッド15は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15Rとを備える。ライトヘッド15Wは、ディスク10上にデータをライトする。以下、“データをライトすること”を“ライティング”、“データライト”、“ライト処理”等と称する場合もある。リードヘッド15Rは、ディスク10に記録されているデータをリードする。以下、“データをリードすること”を“リーディング”、“データリード”、“リード処理”等と称する場合もある。
【0018】
なお、ライトヘッド15Wを単にヘッド15と称する場合もあるし、リードヘッド15Rを単にヘッド15と称する場合もあるし、ライトヘッド15W及びリードヘッド15Rをまとめてヘッド15と称する場合もある。ヘッド15の中心部を単にヘッド15と称し、ライトヘッド15Wの中心部を単にライトヘッド15Wと称し、リードヘッド15Rの中心部を単にリードヘッド15Rと称する場合もある。
【0019】
“ライトヘッド15Wの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“リードヘッド15Rの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もある。“ヘッド15の中心部を所定のトラックのトラックセンタに位置決めする”ことを“ヘッド15を所定のトラックに位置決めする”、“ヘッド15を所定のトラックに配置する”、“ヘッド15を所定のトラックに位置する”等と表現する場合もある。
【0020】
図2は、本比較例に係るディスク10のサーボ領域SVの配置の一例を示す概略図である。
図2に示すように、半径方向d1において、ディスク10の外周に向かう方向を外方向(外側)と称し、外方向と反対方向を内方向(内側)と称する。また、
図2に示すように、円周方向において、ディスク10の回転する方向を回転方向d3と称する。なお、
図2に示した例では、回転方向d3は、反時計回りで示しているが、逆向き(時計回り)であってもよい。
【0021】
また、ディスク10に対するヘッド15の進行方向d2は、回転方向d3と逆向きである。進行方向d2は、円周方向においてディスク10に対してヘッド15がデータをシーケンシャルにライト及びリードする方向、つまり、円周方向においてディスク10に対してヘッド15が進行する方向である。
【0022】
図2において、ユーザデータ領域10aは、内方向に位置する内周領域IRと、外方向に位置する外周領域ORと、内周領域IR及び外周領域ORの間に位置する中周領域MRとに区分されている。
【0023】
ディスク10は、複数のサーボ領域SVと複数のデータ領域DTRとを有している。複数のサーボ領域SVは、例えば、ディスク10の半径方向に放射状に延出して円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されていてもよい。複数のサーボ領域SVは、例えば、内周から外周にかけて直線状に延出して円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されていてもよい。複数のサーボ領域SVは、例えば、内周から外周にかけてスパイラル状に延出して円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されていてもよい。また、複数のサーボ領域SVは、例えば、半径方向に島状に配置され、且つ円周方向に所定の間隔を変えて離散的に配置されていてもよい。以下、所定のトラックにおける1つのサーボ領域SVを“サーボセクタ”と称する場合もある。なお、“サーボ領域SV”を“サーボセクタSV”と称する場合もある。サーボセクタは、サーボデータを含んでいる。以下、“サーボセクタを構成する幾つかのサーボデータの配置等”を“サーボパターン”と称する場合もある。なお、“サーボセクタにライトされたサーボデータ”を“サーボセクタ”と称する場合もある。
【0024】
複数のデータ領域DTRは、それぞれ、複数のサーボ領域SVの間に配置されている。例えば、データ領域DTRは、円周方向において、2つの連続するサーボ領域SVの間の領域に相当する。以下、所定のトラックにおける1つのデータ領域DTRを“データセクタ”と称する場合もある。なお、“データ領域DTR”を“データセクタDTR”と称する場合もある。データセクタは、ユーザデータを含んでいる。なお、“データセクタにライトされたユーザデータ”を“データセクタ”と称する場合もある。“データセクタ”を“ユーザデータ”と称する場合もある。また、“幾つかのデータで構成されるパターン”を“データパターン”と称する場合もある。
図2に示した例では、所定のトラックのデータパターンは、サーボデータ(サーボセクタ)と、ユーザデータ(データセクタ)とで構成されている。
【0025】
サーボ領域SVは、複数のゾーンサーボ領域ZSV等を有している。なお、サーボ領域SVは、ゾーンサーボ領域ZSVの他に、ギャップ(2つのゾーンサーボ領域の円周位置のずれ)を含む領域、サーボデータを含む領域、及びデータ領域DTR等を含んでいてもよい。複数のゾーンサーボ領域ZSVは、半径方向に沿って離散的に配置されている。複数のゾーンサーボ領域ZSVは、それぞれ、半径方向に延出している。
【0026】
所定のトラックにおける1つのゾーンサーボ領域(サーボ領域)ZSVを“ゾーンサーボセクタ”又は“サーボセクタ”と称する場合もある。なお、“ゾーンサーボ領域(サーボ領域)ZSV”を“ゾーンサーボセクタZSV”又は“サーボセクタZSV”と称する場合もある。“ゾーンサーボセクタにライトされたサーボデータ”を“ゾーンサーボセクタ”又は“サーボセクタ”と称する場合もある。以下、“ゾーンサーボセクタを構成する幾つかのサーボデータの配置等”を“ゾーンサーボパターン”又は“サーボパターン”と称する場合もある。以下、所定のトラックにおける1つのサーボ領域SVを“ゾーンパターンセクタ”と称する場合もある。
【0027】
なお、“サーボ領域SV”を“ゾーンパターンセクタ”と称する場合もある。“ゾーンパターンセクタにライトされた少なくとも1つのデータ等”を“ゾーンパターンセクタ”と称する場合もある。ゾーンパターンセクタは、少なくとも1つのゾーンサーボセクタを含む。以下、“ゾーンパターンセクタのデータパターン”を“ゾーンデータパターン”と称する場合もある。
【0028】
所定のサーボ領域SVにおいて内方向から外方向に配置された複数のゾーンサーボ領域ZSVの内の外方向に配置されたゾーンサーボ領域のサーボ周波数は、これら複数のゾーンサーボ領域ZSVの内の内方向に配置されたゾーンサーボ領域のサーボ周波数よりも大きい。また、所定のゾーンサーボ領域ZSVの内の外方向に配置されたゾーンサーボセクタのサーボ周波数は、このゾーンサーボ領域ZSVの内の内方向に配置されたゾーンサーボセクタのサーボ周波数よりも大きい。ディスク10に対するヘッド15の線速度(進行速度)は、内方向の半径位置よりも外方向の半径位置の方が速い。そのため、前述したようにディスク10において外方向のサーボ領域のサーボ周波数を内方向のサーボ領域のサーボ周波数よりも大きくすることで、フォーマット効率を向上することができる。なお、サーボ周波数は、サーボ領域にサーボデータを書き込むときの周波数、または、サーボ領域からサーボデータを読み出すときの周波数である。
【0029】
図2に示した例では、サーボ領域SVは、ゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、及びZSV2を有している。ゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、及びZSV2は、半径方向に千鳥状に配置されている。ゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、及びZSV2は、半径方向に階段状に配置されていてもよい。
【0030】
ゾーンサーボ領域ZSV2は、ゾーンサーボ領域ZSV1よりも内方向に位置している。ゾーンサーボ領域ZSV0は、ゾーンサーボ領域ZSV1よりも外方向に位置している。例えば、ゾーンサーボ領域ZSV2は、内周領域IRから中周領域MRにわたって配置され、ゾーンサーボ領域ZSV1は、内周領域IRから外周領域ORにわたって配置され、ゾーンサーボ領域ZSV0は、中周領域MRから外周領域ORにわたって配置されている。以下、所定のサーボ領域SVにおいて、円周方向に複数のゾーンサーボ領域ZSVが配置された半径方向の所定の領域を、ゾーンサーボ境界領域又は2重サーボ領域又は2重ゾーンサーボ領域ZBと称する場合もある。
【0031】
ゾーンサーボ領域ZSV2は、トラックTRz1に配置されている。ゾーンサーボ領域ZSV2の外周端及びゾーンサーボ領域ZSV1の内周端は、トラックTRnに配置されている。言い換えると、ゾーンサーボ領域ZSV2の外周端及びゾーンサーボ領域ZSV1の内周端は、2重ゾーンサーボ領域ZB2に配置されている。
【0032】
ゾーンサーボ領域ZSV1は、トラックTRz2に配置されている。ゾーンサーボ領域ZSV1の外周端及びゾーンサーボ領域ZSV0の内周端は、トラックTRmに配置され得る。言い換えると、ゾーンサーボ領域ZSV1の外周端及びゾーンサーボ領域ZSV0の内周端は、2重ゾーンサーボ領域ZB1に配置されている。ゾーンサーボ領域ZSV0は、トラックTRz3に配置されている。
【0033】
例えば、ゾーンサーボ領域ZSV1のサーボ周波数は、ゾーンサーボ領域ZSV2のサーボ周波数よりも大きく、ゾーンサーボ領域ZSV0のサーボ周波数は、ゾーンサーボ領域ZSV1のサーボ周波数よりも大きい。なお、サーボ周波数は後述するプリアンブルの周波数と同じである。
【0034】
サーボ領域SVは、例えば、サーボ領域(以下、主サーボ領域と称する場合もある)SVOと、サーボ領域(以下、従サーボ領域と称する場合もある)SVEと、を有している。以下、所定のトラックにおける1つの主サーボ領域SVOを“主ゾーンパターンセクタSVO”と称する場合もあるし、所定のトラックにおける1つの従サーボ領域SVEを“従ゾーンパターンセクタSVE”と称する場合もある。
【0035】
なお、主サーボ領域SVOを“主ゾーンパターンセクタSVO”と称する場合もあるし、従サーボ領域SVEを“従ゾーンパターンセクタSVE”と称する場合もある。主ゾーンパターンセクタのデータパターン(以下、主ゾーンデータパターンと称する場合もある)は、従ゾーンパターンセクタのデータパターン(以下、従ゾーンデータパターンと称する場合もある)とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
図2に示した例では、主サーボ領域SVOと従サーボ領域SVEとは、円周方向に間隔を置いて交互に配置されている。例えば、円周方向において、間隔を置いて連続して並んでいる2つの主サーボ領域SVOの間に、1つの従サーボ領域SVEが配置されている。言い換えると、円周方向において、間隔を置いて連続して並んでいる2つの主サーボ領域SVOの間に、1つの従サーボ領域SVEが配置されている。例えば、ディスク10の全てのサーボ領域SVに順番に連続する番号を付与した場合、主サーボ領域SVOは、奇数番目のサーボ領域SVに相当し、従サーボ領域SVEは、偶数番目のサーボ領域SVに相当する。なお、円周方向において、間隔を置いて連続して並んでいる2つの主サーボ領域SVOの間に、2つ以上の従サーボ領域SVEが配置されていてもよい。
【0037】
主サーボ領域SVOと従サーボ領域SVEとは、例えば、全体的にサーボデータをリードして復調するサーボ領域(以下、ノーマルサーボ領域と称する場合もある)のみで構成されてもよい。以下、“サーボデータをリードして復調する”ことを“サーボリードする”と称する場合もある。主サーボ領域SVOと従サーボ領域SVEとは、例えば、ノーマルサーボ領域と、ノーマルサーボ領域でサーボリードするサーボデータの円周方向の範囲よりも小さいサーボデータの円周方向の範囲をサーボリードするサーボ領域(以下、ショートサーボ領域と称する場合もある)とで構成されていてもよい。
【0038】
例えば、主サーボ領域SVOは、ノーマルサーボ領域で構成され、従サーボ領域SVEは、ショートサーボ領域で構成されていてもよい。また、例えば、主サーボ領域SVOは、ショートサーボ領域で構成され、従サーボ領域SVEは、ノーマルサーボ領域で構成されていてもよい。
【0039】
以下、所定のトラックにおける1つのノーマルサーボ領域を“ノーマルサーボセクタ”と称する場合もあるし、所定のトラックにおける1つのショートサーボ領域を“ショートサーボセクタ”と称する場合もある。なお、ノーマルサーボ領域を“ノーマルサーボセクタ”と称する場合もあるし、ショートサーボ領域を“ショートサーボセクタ”と称する場合もある。“ノーマルサーボセクタのサーボデータ”を“ノーマルサーボデータ”と称し、“ショートサーボセクタのサーボデータ”を“ショートサーボデータ”と称する場合もある。
【0040】
また、“ノーマルサーボデータ”を“ノーマルサーボセクタ”と称する場合もあるし、“ショートサーボデータ”を“ショートサーボセクタ”と称する場合もある。ノーマルサーボデータのサーボパターン(以下、ノーマルサーボパターンと称する場合もある)は、ショートサーボセクタのサーボパターン(以下、ショートサーボパターンと称する場合もある)と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0041】
例えば、ショートサーボセクタの円周方向の長さは、ノーマルサーボセクタの円周方向の長さよりも短い。以下、“円周方向の長さ”を単に“長さ”と称する場合もある。なお、ショートサーボセクタの長さは、例えば、ノーマルサーボセクタの長さと同じであってもよいし、ノーマルサーボセクタの長さよりも長くてもよい。
【0042】
次に、
図3及び
図4を参照して、ディスク10の2重ゾーンサーボ領域ZBの所定のトラックのデータパターンの一例を示す。
図3は、ディスク10のトラックTRnのデータパターンZDTP1の一例を示す概略図である。
【0043】
図3に示すように、進行方向d2及び回転方向d3は、円周方向に沿った方向である。進行方向d2は、円周方向においてディスク10に対してヘッド15がデータをシーケンシャルにライト及びリードする方向である。トラックTRnは、データパターンZDTP1を有する。データパターンZDTP1は、ゾーンパターンセクタZPS(ZPS1)と、データ領域DTRのデータセクタDSCとで構成されている。
【0044】
図3に示した例では、データパターンZDTP1は、進行方向d2において間隔を置いて並んでいる2つのデータセクタDSCの間にゾーンパターンセクタZPS1が配置されている。ゾーンパターンセクタZPS1は、ゾーンデータパターンZDP1を含んでいる。ゾーンデータパターンZDP1は、少なくとも1つのデータ、例えば、ゾーンサーボ領域ZSV(ZSV1)のゾーンサーボセクタZSVS11、ギャップ(以下、ゾーンサーボギャップと称する場合もある)GP(GP21)、及びゾーンサーボ領域ZSV(ZSV2)のゾーンサーボセクタZSVS21で構成されている。ゾーンデータパターンZDP1において、ゾーンサーボセクタZSVS11、ギャップGP(GP21)、及びゾーンサーボセクタZSVS21は、これら記載の順に進行方向d2に並んで配置されている。
【0045】
以下、所定のゾーンデータパターンにおいて、所定のゾーンサーボセクタに対して回転方向d3の前方に配置されている所定のゾーンサーボセクタを“前ゾーンサーボセクタ”と称し、所定のゾーンサーボセクタに対して回転方向d3の後方に配置されている所定のゾーンサーボセクタを“後ゾーンサーボセクタ”と称する場合もある。前ゾーンサーボセクタZSVS11は、ゾーンサーボパターンZSP11を含んでいる。また、後ゾーンサーボセクタZSVS21は、ゾーンサーボパターンZSP21を含んでいる。
【0046】
例えば、前ゾーンサーボセクタZSVS11の長さZSSL11は、後ゾーンサーボセクタZSVS21の長さZSSL21よりも短い。ギャップGP21(GP)の長さGPL2(GPL)は、前ゾーンサーボセクタZSVS11と後ゾーンサーボセクタZSVS21との間の円周方向の距離に相当する。例えば、長さGPL2は、長さZSSL11に応じて変化する。長さGPL2は、前ゾーンサーボセクタZSVS11をライトしても後ゾーンサーボセクタZSVS21に前ゾーンサーボセクタZSVS11を上書きしない長さに設定され得る。
【0047】
図4は、ディスク10のトラックTRmのデータパターンZDTP2の一例を示す概略図である。
図4に示すように、トラックTRmは、データパターンZDTP2を有している。データパターンZDTP2は、ゾーンパターンセクタZPS(ZPS2)と、データ領域DTRのデータセクタDSCとで構成されている。
【0048】
図4に示した例では、データパターンZDTP2は、進行方向d2において間隔を置いて並んでいる2つのデータセクタDSCの間にゾーンパターンセクタZPS2が配置されている。ゾーンパターンセクタZPS2は、ゾーンデータパターンZDP2を含んでいる。ゾーンデータパターンZDP2は、少なくとも1つのデータ、例えば、ゾーンサーボ領域ZSV(ZSV1)のゾーンサーボセクタZSVS12、ギャップGP(GP11)、及びゾーンサーボ領域ZSV(ZSV0)のゾーンサーボセクタZSVS02で構成されている。
【0049】
ゾーンデータパターンZDP2において、ゾーンサーボセクタZSVS12、ギャップGP(GP11)、及びゾーンサーボセクタZSVS02は、これら記載の順に進行方向d2に並んで配置されている。前ゾーンサーボセクタZSVS12は、ゾーンサーボパターンZSP12を含んでいる。また、後ゾーンサーボセクタZSVS02は、ゾーンサーボパターンZSP02を含んでいる。
【0050】
例えば、前ゾーンサーボセクタZSVS12の長さZSSL12は、後ゾーンサーボセクタZSVS02の長さZSSL02よりも長い。ギャップGP11(GP)の長さGPL1(GPL)は、前ゾーンサーボセクタZSVS12と後ゾーンサーボセクタZSVS02との間の円周方向の距離に相当する。長さGPL1は、
図3に示した長さGPL2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、長さGPL1は、長さZSSL12に応じて変化する。長さGPL1は、前ゾーンサーボセクタZSVS12をライトしても後ゾーンサーボセクタZSVS02に前ゾーンサーボセクタZSVS12を上書きしない長さに設定され得る。
【0051】
図5は、サーボ領域SVのサーボセクタSVS0の一例を示す概略図である。
図5に示すように、サーボ領域SVのサーボセクタSVS0は、ゾーンサーボ領域ZSV0の所定のゾーンサーボセクタ(例えば、後ゾーンサーボセクタZSVS02等)、ゾーンサーボ領域ZSV1の所定のゾーンサーボセクタ(例えば、前ゾーンサーボセクタZSVS11、及びZSVS12等)、及びゾーンサーボ領域ZSV2の所定のゾーンサーボセクタ(例えば、後ゾーンサーボセクタZSVS21等)を含んでいる。
【0052】
例えば、サーボセクタSVS0は、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS11、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタZSVS21、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS12、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタZSVS02、トラックTRz1のゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタ、トラックTRz2のゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタ、及び、トラックTRz3のゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタを含んでいる。
【0053】
サーボセクタSVS0は、サーボパターンSVP0を含んでいる。サーボパターンSVP0は、少なくとも1つのサーボデータ、例えば、プリアンブル(Preamble)、サーボマーク(Servo Mark)若しくはサーボアドレスマーク(Servo Address Mark)、グレイコード(Gray Code)、PAD、バーストデータ、及び追加パターン(Additional Pattern)で構成されている。サーボパターンSVP0において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及び追加パターンは、これら記載の順に進行方向d2に並んで配置されている。
【0054】
例えば、サーボパターンSVP0において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及び追加パターンは、これら記載の順に進行方向d2に連続して並んで配置されている。
つまり、サーボパターンSVP0において、サーボマークは、プリアンブルの後方に位置し、プリアンブルに隣接している。ここで、“隣接”とは、データ、物体、領域、及び空間等が接して並んでいることはもちろん、所定の間隔を置いて並んでいることも含んでいる。
グレイコードは、サーボマークの後方に隣接している。PADは、グレイコードの後方に隣接している。バーストデータは、PADの後方に隣接している。
【0055】
追加パターンは、バーストデータの後方に位置し、バーストデータに隣接している。なお、サーボセクタSVS0は、追加パターンを含まなくてもよい。追加パターンは、例えば、ディスク10にライトされたデータをリードして復調する際のタイミングのずれを判定するためのパターンに相当する。追加パターンをリードして得られる位相データは、例えば、バーストデータをリードするタイミングがずれているかずれていないかを判定するために使用され得る。
以下、“タイミング”という用語は、“リードヘッド15Rが所定のデータをリードした基準とするタイミングから所定の時間後のタイミング”、及び“リードヘッド15Rが所定の円周位置に配置されているタイミング”等の意味で用いる場合もある。
【0056】
追加パターンは、例えば、後述するポストコードと異なるデータである。追加パターンの周波数は、例えば、プリアンブルの周波数と異なる。言い換えると、追加パターンの周波数は、ポストコードの周波数と異なる。例えば、追加パターンの周波数は、バーストデータの周波数、例えば、Nバーストの周波数及びQバーストの周波数と同等である。
【0057】
例えば、追加パターンはバースト周波数でライトされた、4bit長の周期パターンである。追加パターンの位相は、円周方向に周期的に変化している。追加パターンは、ディスク10の半径方向d1に1サーボトラック周期で位相が同等となるデータパターンでライトされている。言い換えると、所定の追加パターンの位相と、この追加パターンに半径方向に隣接する追加パターンの位相とは、同等である。
図5には、サーボセクタSVS0の長さASL0と、追加パターンの長さADLとを示している。長さADLは、例えば、後述するポストコードの長さよりも短い。以下で、PADの長さ、及びバーストの長さは、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
【0058】
図6は、サーボ領域SVのサーボセクタSVS1の一例を示す概略図である。
図6に示すように、サーボ領域SVのサーボセクタSVS1は、ゾーンサーボ領域ZSV0の所定のゾーンサーボセクタ、ゾーンサーボ領域ZSV1の所定のゾーンサーボセクタ、及びゾーンサーボ領域ZSV2の所定のゾーンサーボセクタを含んでいる。例えば、サーボセクタSVS1は、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS11、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタZSVS21、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS12、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタZSVS02、トラックTRz1のゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタ、トラックTRz2のゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタ、及び、トラックTRz3のゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタを含んでいる。サーボセクタSVS1は、サーボパターンSVP1を含んでいる。
【0059】
サーボパターンSVP1は、少なくとも1つのサーボデータ、例えば、プリアンブル、サーボマーク若しくはサーボアドレスマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及びポストコード(Post Code)X1で構成されている。サーボパターンSVP1において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及びポストコードX1は、これら記載の順に進行方向d2に並んで配置されている。
【0060】
例えば、サーボパターンSVP1において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、及びポストコードX1は、これら記載の順に進行方向d2に連続して並んで配置されている。ポストコードは、バーストデータの後方に位置し、バーストデータに隣接している。なお、サーボセクタSVS1は、ポストコードX1を含まなくてもよい。
図6には、サーボセクタSVS1の長さASL1と、プリアンブル、サーボマーク、及びグレイコードを合わせた長さSVL1と、ポストコードの長さPCLX1とを示している。
【0061】
プリアンブルは、サーボマーク及びグレイコードなどで構成されるサーボパターンの再生信号に同期するためのプリアンブル情報を含んでいる。
サーボマーク(若しくは、サーボアドレスマーク)は、サーボパターンの開始を示すサーボマーク情報を含んでいる。
グレイコードは、所定のトラックのアドレス(シリンダアドレス)と、所定のトラックのサーボセクタのアドレスとから構成されている。
バーストデータは、所定のトラックのトラックセンタに対するヘッド15の半径方向d1及び/又は円周方向の位置ずれ(位置誤差)を検出するために使用されるデータ(相対位置データ)であり、所定の周期の繰り返しパターンから構成されている。
PADは、ギャップ及びサーボAGCなどの同期信号のPAD情報を含んでいる。
【0062】
バーストデータは、ディスク10の半径方向d1に1サーボトラック周期でバーストデータの位相が180°反転するデータパターンでライトされている。サーボトラック(サーボシリンダ)とは、ホスト100等からのコマンドによりライト処理又はリード処理の対象とするトラックに相当する。バーストデータは、例えば、ディスク10におけるヘッド15の半径方向d1及び/又は円周方向の位置(以下、ヘッド位置と称する場合もある)を取得するために使用される。
【0063】
バーストデータは、例えば、Nバースト(N Burst)及びQバースト(Q Burst)を含んでいる。NバーストとQバーストとは、互いにディスク10の半径方向d1に位相が90°ずれるデータパターンでライトされている。
ポストコードは、サーボデータをディスクにライトをしたときのディスク10の回転に同期したブレ(繰り返しランナウト(Repeatable Run Out:RRO))によって生じるディスク10と同心円状に配置されたヘッド15の目標とする経路(以下、目標経路と称する場合もある)、例えば、トラックセンタに対するトラックの歪みに起因する誤差を補正するためのデータ(以下、RRO補正データと称する)等を含んでいる。以下、ポストコードデータ(RRO補正データ)をライトした領域を、ポストコード領域、RROビット領域、補正データ保存領域と呼ぶこともある。
【0064】
以下、説明の便宜上、RROによって生じる目標経路に対するトラックの歪みに起因する誤差を単にRROと称する場合もある。例えば、ポストコードは、ノーマルサーボセクタに含まれる。なお、ポストコードは、ショートサーボセクタに含まれていてもよい。追加パターンは、ショートサーボセクタに含まれている。なお、追加パターンは、ノーマルサーボセクタに含まれてもよい。例えば、長さPCLX1は、
図5の長さADLよりも長い。長さASL1は、
図5の長さASL0よりも長い。なお、長さPCLX1は、
図5の長さADL以下であってもよい。また、長さASL1は、
図5の長さASL0以下であってもよい。
【0065】
図7は、サーボ領域SVのサーボセクタSVS2の一例を示す概略図である。
図7に示すように、サーボ領域SVのサーボセクタSVS2は、ゾーンサーボ領域ZSV0の所定のゾーンサーボセクタ、ゾーンサーボ領域ZSV1の所定のゾーンサーボセクタ、及びゾーンサーボ領域ZSV2の所定のゾーンサーボセクタを含んでいる。例えば、サーボセクタSVS2は、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS11、トラックTRnのゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタZSVS21、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタZSVS12、トラックTRmのゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタZSVS02、トラックTRz1のゾーンサーボ領域ZSV0のゾーンサーボセクタ、トラックTRz2のゾーンサーボ領域ZSV1のゾーンサーボセクタ、及び、トラックTRz3のゾーンサーボ領域ZSV2のゾーンサーボセクタを含んでいる。サーボセクタSVS2は、サーボパターンSVP2を含んでいる。サーボパターンSVP2は、少なくとも1つのサーボデータ、例えば、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、追加パターン、及びポストコードX2で構成されている。ポストコードX2は、
図6のポストコードX1と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0066】
サーボパターンSVP2において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、追加パターン、及びポストコードX2は、これら記載の順に進行方向d2に並んで配置されている。例えば、サーボパターンSVP2において、プリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータ、追加パターン、及びポストコードX2は、これら記載の順に進行方向d2に連続して並んで配置されている。なお、サーボセクタSVS2は、追加パターン及びポストコードX2を含まなくてもよい。
【0067】
図7には、サーボセクタSVS2の長さASL2及びポストコードX2の長さPCLX2を示している。長さASL2は、例えば、
図5の長さASL0及び
図6の長さASL1よりも大きい。長さPCLX2は、例えば、
図6の長さPCLX1と同じであってもよいし、上記長さPCLX1よりも小さくてもよいし、上記長さPCLX1よりも大きくてもよい。
【0068】
図1に示すように、ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU60)の制御に従って、SPM12およびVCM14の駆動を制御する。
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、リードアンプ及びライトドライバを備えている。リードアンプは、ディスク10からリードされたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル40)に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル40から出力される信号に応じたライト電流をヘッド15に出力する。
【0069】
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
【0070】
不揮発性メモリ80は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。
【0071】
バッファメモリ90は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ90は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ90は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
【0072】
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、リード/ライト(R/W)チャネル40と、ハードディスクコントローラ(HDC)50と、マイクロプロセッサ(MPU)60と、を含んでいる。システムコントローラ130は、例えば、ドライバIC20、ヘッドアンプIC30、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、及びホスト100に電気的に接続されている。
【0073】
R/Wチャネル40は、後述するMPU60からの指示に応じて、ディスク10からホスト100に転送されるリードデータ及びホスト100から転送されるライトデータの信号処理、例えば、変調処理、復調処理、符号化処理、復号化処理等を実行する。R/Wチャネル40は、リードデータの信号品質を測定する回路、又は機能を有している。R/Wチャネル40は、各種ゲート、例えば、データをライトする信号に相当するライトゲート、データをリードする信号に相当するリードゲート、及びサーボをリードする信号に相当するサーボゲート等を検出する。R/Wチャネル40は、ライトゲートに応じてライトデータの信号処理を実行し、リードゲートに応じてリードデータの信号処理を実行し、サーボゲートに応じてサーボデータの信号処理を実行する。R/Wチャネル40は、ヘッドアンプIC30より入力されるリードシグナルからサーボデータを復調するサーボリード処理を実行し、ディスク10へのデータのライト処理(ヘッドアンプIC30にライトデータを出力する処理)を実行する。R/Wチャネル40は、サーボリード処理を実行し、ディスク10からデータのリード処理を実行する。R/Wチャネル40は、例えば、ヘッドアンプIC30、HDC50、及びMPU60等に電気的に接続されている。
【0074】
例えば、R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域においてサーボセクタのサーボデータを全体的にサーボリードするサーボゲートに応じてサーボセクタをサーボリードし、このサーボゲートに応じてサーボリードしたサーボデータに基づいてこの領域にライト処理を実行する。以下、”サーボセクタのサーボデータを全体的にサーボリードするサーボゲート”を”ノーマルサーボゲート(Normal Servo Gate)”と称する場合もある。”ノーマルサーボゲートに応じてサーボリード処理を実行すること”を”ノーマルサーボリード“又は”ノーマルサーボリード処理“と称する場合もある。
【0075】
例えば、R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域においてサーボセクタのサーボデータの一部、例えば、ノーマルサーボゲートでサーボリードするサーボデータの円周方向の範囲よりも小さい円周方向の範囲のサーボデータをサーボリードするサーボゲートに応じてサーボセクタをサーボリードし、このサーボゲートに応じてサーボリードしたサーボデータに基づいてこの領域にライト処理を実行する。
【0076】
以下、”サーボセクタのサーボデータの一部、例えば、ノーマルサーボゲートでサーボリードするサーボデータの円周方向の範囲よりも小さい円周方向の範囲のサーボデータをサーボリードするサーボゲート”を”ショートサーボゲート(Short Servo Gate)”と称する場合もある。”ショートサーボゲートに応じてサーボリード処理を実行すること“を”ショートサーボリード”又は“ショートサーボリード処理”と称する場合もある。
【0077】
ノーマルサーボゲートとショートサーボゲートとは、アサート(アクティブ、有効、又はON)状態になってからネゲート(インアクティブ、無効、又はOFF)状態になるまでの時間の長さ(以下、サーボゲート長さと称する場合もある)が異なる。例えば、ノーマルサーボゲートのサーボゲート長さは、ショートサーボゲートのサーボゲート長さよりも長い。
【0078】
例えば、R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域においてサーボセクタをノーマルサーボリードし、ノーマルサーボリードしたサーボデータに基づいてこの領域にリード処理を実行する。
例えば、R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域においてサーボセクタをショートサーボリードし、ショートサーボリードしたサーボデータに基づいてこの領域にリード処理を実行してもよい。
【0079】
R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域でノーマルサーボリード処理を実行する。なお、R/Wチャネル40は、ディスク10の所定の領域でショートサーボリード処理を実行するか実行しないかを切り替え可能であってもよい。“ショートサーボリード処理を実行するモード“を”ショートサーボモード(Short Servo Mode)“と称する場合もある。また、”ショートサーボリード処理を実行する“ことを”ショートサーボモードをONにする“と称し、”ショートサーボリード処理を実行しない“ことを”ショートサーボモードをOFFにする“と称する場合もある。つまり、R/Wチャネル40は、ショートサーボモードのON及びOFFを切り替えることができる。
【0080】
例えば、R/Wチャネル40は、ライト処理を実行するモード(以下、ライトモードと称する場合もある)であるかリード処理を実行するモード(以下、リードモードと称する場合もある)であるかに応じて、ショートサーボモードのON及びOFFを切り替えてもよい。以下、”ライトモード“及び”リードモード“をまとめて”アクセスモード“と称する場合もある。”アクセス“という用語は、”ディスク10の所定の領域にデータ記録若しくはライトすること“、”ディスク10の所定の領域からデータを読み出す若しくはリードすること“、”ディスク10の所定の領域にヘッド15等を移動させること“等の意味を含んでいる。つまり、R/Wチャネル40は、アクセスモードに応じて、ショートサーボモードのON及びOFFを切り替えてもよい。
【0081】
HDC50は、後述するMPU60からの指示に応じて、ホスト100とR/Wチャネル40との間のデータ転送を制御する。HDC50は、後述するMPU60からの指示に応じて、各種ゲート、例えば、ライトゲート、リードゲート、及びサーボゲート等をR/Wチャネル40に出力する。例えば、HDC50は、ノーマルサーボゲートを生成して、R/Wチャネル40に出力する。ノーマルサーボゲートは、例えば、少なくともプリアンブル、サーボマーク、グレイコード、PAD、バーストデータをリードするためのゲートに相当する。例えば、HDC50は、ショートサーボゲートを生成して、R/Wチャネル40に出力する。ショートサーボゲートは、少なくともプリアンブル、サーボマーク、グレイコード、及びPADをリードせずに、少なくともバーストデータをリードするためのゲートに相当する。HDC50は、例えば、R/Wチャネル40、MPU60、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90等に電気的に接続されている。
【0082】
MPU60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15の位置決めを行なうサーボ制御を実行する。また、MPU60は、ドライバIC20を介してSPM12を制御し、ディスク10を回転させる。MPU60は、ディスク10へのデータのライト動作を制御すると共に、ライトデータの保存先を選択する。また、MPU60は、ディスク10からのデータのリード動作を制御すると共に、リードデータの処理を制御する。また、MPU60は、データを記録する領域を管理する。MPU60は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU60は、例えば、ドライバIC20、R/Wチャネル40、HDC50等に電気的に接続されている。
【0083】
図8は、
図1に示したヘッド15、ヘッドアンプIC30、及びシステムコントローラ130の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、R/Wチャネル40は、ゲート検出部410を有している。ゲート検出部410は、各種ゲート、例えば、ライトゲート、リードゲート、サーボゲート等がアサート状態であるかネゲート状態であるかを検出する。
【0084】
例えば、ゲート検出部410は、ライトゲートがアサートであることを検出した場合にライト処理を実行し、ライトゲートがネゲートであることを検出した場合にライト処理を停止する。ゲート検出部410は、リードゲートがアサートであることを検出した場合にリード処理を実行し、リードゲートがネゲートであることを検出した場合にリード処理を停止する。ゲート検出部410は、サーボゲートがアサートであることを検出した場合にサーボリード処理を実行し、サーボゲートがネゲートであることを検出した場合にサーボリード処理を停止する。なお、ゲート検出部410は、HDC50又はMPU60内にあってもよい。
【0085】
HDC50は、ゲート生成部510を有している。ゲート生成部510は、ホスト100からのコマンド、MPU60からの指示等に応じて、各種ゲート、例えば、ライトゲート、リードゲート、サーボゲート等を生成し、R/Wチャネル40、例えば、ゲート検出部410に出力する。以下、”所定のゲートを立ち上げる“ことを“所定のゲートをアサートする”と称する場合もある。また、”所定のゲートを立ち下げる“ことを”所定のゲートをネゲートする“と称する場合もある。”所定のゲートをアサートする“ことや”所定のゲートをネゲートする“ことは、”所定のゲートを生成する“という意味を含む場合もある。なお、ゲート生成部510は、R/Wチャネル40、又はMPU60に含まれてもよい。
【0086】
例えば、ゲート生成部510は、ノーマルサーボゲートを生成し、ノーマルサーボゲートをゲート検出部410に出力する。例えば、ゲート生成部510は、複数のノーマルサーボゲートを生成し、複数のノーマルサーボゲートをゲート検出部410に出力する。
【0087】
例えば、ショートサーボモードがONの場合、ゲート生成部510は、ノーマルサーボゲートとショートサーボゲートとを生成し、ノーマルサーボゲート及びショートサーボゲートをゲート検出部410に出力する。
【0088】
例えば、ショートサーボモードがOFFの場合、ゲート生成部510は、ノーマルサーボゲートを生成し、ノーマルサーボゲートをゲート検出部410に出力する。例えば、ショートサーボモードがOFFの場合、ゲート生成部510は、複数のノーマルサーボゲートを生成し、複数のノーマルサーボゲートをゲート検出部410に出力する。
【0089】
図9は、磁気ディスク装置1において、リードヘッド15R1を基準位置(例えば、中周領域MRの半径位置)に位置決めした場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す概略図である。
図9に示すように、ライトヘッド15Wの中心部WCと、リードヘッド15R1の中心部RC1と、リードヘッド15R2の中心部RC2と、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との中間に位置する中間部MPとを示している。
【0090】
以下、リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の円周方向の間隔をダウントラック間隔(Down Track Separation:DTS)と称する場合もある。リードヘッド15R1の中心部RC1とリードヘッド15R2の中心部RC2との間の半径方向の間隔をクロストラック間隔(Cross Track Separation:CTS)と称する場合もある。リードヘッド15Rとライトヘッド15Wとの間隔、例えば、リードヘッド15R1の中心部RC1及びライトヘッド15Wの中心部WCの間の円周方向の間隔と、リードヘッド15R2の中心部RC2及びライトヘッド15Wの中心部WCの間の円周方向の間隔と、中間部MP及びライトヘッド15Wの中心部WCの間の円周方向の間隔と、をリード/ライトギャップと称する場合もある。
【0091】
以下で、リードヘッド15R2の中心部RC2及びライトヘッド15Wの中心部WCの間の円周方向の間隔をリード/ライトギャップGrwとして説明する。説明の便宜上、“ライトヘッドの中心部”及び“ライトヘッドの各部”を単に“ライトヘッド”と称し、“リードヘッドの中心部”、“複数のリードヘッドの内の2つのリードヘッドの中間部”、及び“リードヘッドの各部”を単に“リードヘッド”と称する場合もある。
【0092】
図9に示した例では、リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R2、中間部MP、及びリードヘッド15R1は、進行方向d2に沿って並んでいる。リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、リード/ライトギャップGrwは、距離Grwbである。リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、ダウントラック間隔DTSは、距離DTSbである。
なお、距離Grwbは、中心部WCから中心部RC2までの直線距離に相当している。距離DTSbは、中心部RC2から中心部RC1までの直線距離に相当している。
【0093】
図9に示した例では、リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MPは、半径方向d1にずれていない。リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、クロストラック間隔CTSは距離CTSbであり、距離CTSb=0である。なお、リードヘッド15R1を基準位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MPは、それぞれ、半径方向d1にずれてもよい。
【0094】
図10は、磁気ディスク装置1において、リードヘッド15R1を内周領域IRの半径位置(例えば、内周領域IRの半径位置)に位置決めした場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す概略図である。
図10に示すように、中心部RC1、中心部RC2、及び中心部WCは、基準位置よりディスク10の内周ID側に位置している。内周領域IRの半径位置も、基準位置より内周ID側に位置している。
【0095】
リードヘッド15R1を内周領域IRの半径位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MP(ヘッド15)は、円周方向に従って延長する軸に対してスキュー角θsw=θswiで内周ID側に傾いている。リードヘッド15R1を内周領域IRの半径位置に配置した場合、リード/ライトギャップGrwは、距離Grwiである。リードヘッド15R1を内周領域IR半径位置に配置した場合、ダウントラック間隔DTSは、距離DTSiである。
なお、Grwi=Grwb・cosθswiであり、DTSi=DTSb・cosθswiである。
【0096】
図10に示した例では、リードヘッド15R1を内周領域IRの半径位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MPは、半径方向d1にずれている。リードヘッド15R1を内周領域IRの半径位置に配置した場合、クロストラック間隔CTSは、距離CTSiである。
なお、CTSi=DTSb・sinθswiである。
【0097】
図11は、磁気ディスク装置1において、リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置(例えば、外周領域ORの半径位置)に位置決めした場合のライトヘッド15Wと2つのリードヘッド15R1、15R2との幾何学的配置の一例を示す概略図である。
図11に示すように、中心部RC1、中心部RC2、及び中心部WCは、基準位置よりディスク10の外周OD側に位置している。外周領域ORの半径位置も、基準位置より外周OD側に位置している。
【0098】
図11に示した例では、リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MP(ヘッド15)は、円周方向に従って延長する軸に対してスキュー角θsw=θswoで外周OD側に傾いている。リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置に配置した場合、リード/ライトギャップGrwは、距離Grwoである。リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置に配置した場合、ダウントラック間隔DTSは、距離DTSoである。
【0099】
なお、Grwo=Grwb・cosθswoであり、DTSo=DTSb・cosθswoである。
【0100】
図11に示した例では、リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置に配置した場合、ライトヘッド15W、リードヘッド15R1、リードヘッド15R2、及び中間部MPは、半径方向d1にずれている。リードヘッド15R1を外周領域ORの半径位置に配置した場合、クロストラック間隔CTSは、距離CTSoである。
なお、CTSo=DTSb・sinθswoである。
【0101】
次に、ディスク10の一部の領域について説明する。
図12は、
図2に示したディスク10のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域SVO及び2つのデータ領域DTRを示す図である。
図12に示すように、サーボ領域SVである主サーボ領域SVOは、複数のゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、及びZSV2を有している。各々のゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、及びZSV2は、ポストコード以外のサーボデータを含んでいる。
【0102】
ポストコード領域PC0は、ゾーンサーボ領域ZSV0の後方に位置し、ゾーンサーボ領域ZSV0に隣接している。ポストコード領域PC0のポストコードは、ゾーンサーボ領域ZSV0のサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
ポストコード領域PC1は、ゾーンサーボ領域ZSV1の後方に位置し、ゾーンサーボ領域ZSV1に隣接している。ポストコード領域PC1のポストコードは、ゾーンサーボ領域ZSV1のサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
ポストコード領域PC2は、ゾーンサーボ領域ZSV2の後方に位置し、ゾーンサーボ領域ZSV2に隣接している。ポストコード領域PC2のポストコードは、ゾーンサーボ領域ZSV2のサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
【0103】
主サーボ領域SVOにおいて、複数の単一ゾーンサーボ領域ZGと、複数の2重ゾーンサーボ領域ZBとは、半径方向d1に並べられている。各々の単一ゾーンサーボ領域ZGは円周方向に複数のゾーンサーボ領域ZSVが並んでいない領域であり、各々の2重ゾーンサーボ領域ZBは円周方向に複数のゾーンサーボ領域ZSVが並んでいる領域である。
【0104】
ゾーンサーボ領域ZSV2及びポストコード領域PC2は、同一のサーボ周波数を持ち、ゾーンサーボ領域ZSV1及びポストコード領域PC1は、同一のサーボ周波数を持ち、ゾーンサーボ領域ZSV0及びポストコード領域PC0は、同一のサーボ周波数を持っている。
ゾーンサーボ領域ZSV1及びポストコード領域PC1のサーボ周波数は、ゾーンサーボ領域ZSV2及びポストコード領域PC2のサーボ周波数より大きい。ゾーンサーボ領域ZSV0及びポストコード領域PC0のサーボ周波数は、ゾーンサーボ領域ZSV1及びポストコード領域PC1のサーボ周波数より大きい。
【0105】
各々のデータ領域DTRは、複数のデータゾーン領域DZを有している。主サーボ領域SVOの後方に位置するデータ領域DTRに注目した場合、データ領域DTRは外周OD側のデータゾーン領域DZ0から、内周ID側のデータゾーン領域DZ25までの複数のデータゾーン領域DZを有している。
図中、円周方向にて、単一ゾーンサーボ領域ZGに隣接する複数のデータゾーン領域DZにはドットパターンを付し、2重ゾーンサーボ領域ZBに隣接する複数のデータゾーン領域DZには右上がりの斜線を付している。
【0106】
円周方向にデータゾーン領域DZ7を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV1、ギャップGP(GP1)、ゾーンサーボ領域ZSV0、ポストコード領域PC0、及びデータゾーン領域DZ7は、進行方向d2に順に並んでいる。ギャップGP1は、
図4に示したギャップGP11を含んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ8を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV1、ポストコード領域PC1、ゾーンサーボ領域ZSV0、ギャップGP(GP3)、及びデータゾーン領域DZ8は、進行方向d2に順に並んでいる。
【0107】
円周方向にデータゾーン領域DZ17を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV1、ポストコード領域PC1、ゾーンサーボ領域ZSV2、ギャップGP(GP4)、及びデータゾーン領域DZ17は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ18を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV1、ギャップGP(GP2)、ゾーンサーボ領域ZSV2、ポストコード領域PC2、及びデータゾーン領域DZ18は、進行方向d2に順に並んでいる。ギャップGP2は、
図3に示したギャップGP21を含んでいる。
図中、ギャップGP1乃至GP4には、データゾーン領域DZより密にドットパターンを付している。
【0108】
上記のように構成された比較例に係る磁気ディスク装置1によれば、磁気ディスク装置1は、ゾーンサーボを採用した装置であり、2重ゾーンサーボ領域ZBを特殊データ領域として活用することが考えられる。ディスク10に対するヘッド15の線速度は、内周ID側の半径位置よりも外周OD側の半径位置の方が速い。そのため、前述したようにディスク10において外周OD側のサーボ領域のサーボ周波数を内周ID側のサーボ領域のサーボ周波数よりも大きくすることで、フォーマット効率を向上することができる。
【0109】
2重ゾーンサーボ領域ZB1において、前側のゾーンサーボ領域ZSV1及び後側のゾーンサーボ領域ZSV0は、円周方向に並んで配置されている。2重ゾーンサーボ領域ZB2において、前側のゾーンサーボ領域ZSV1及び後側のゾーンサーボ領域ZSV2は、円周方向に並んで配置されている。
ポストコード領域PC1にポストコードをライトするため、ゾーンサーボ領域ZSV1とゾーンサーボ領域ZSV0との間にはギャップGP1が確保され、ゾーンサーボ領域ZSV1とゾーンサーボ領域ZSV2との間にはギャップGP2が確保されている。言い換えると、ギャップGP1により、ポストコード領域PC1にポストコードをライトした際に、ゾーンサーボ領域ZSV0のサーボデータが消去される事態を回避することができる。また、ギャップGP2により、ポストコード領域PC1にポストコードをライトした際に、ゾーンサーボ領域ZSV2のサーボデータが消去される事態を回避することができる。
【0110】
本比較例において、2重ゾーンサーボ領域ZBにギャップGP1、GP2が存在するため、2重ゾーンサーボ領域におけるサーボ占有率が高くなったり、2重ゾーンサーボ領域ZBのデータ量は減ったりしてしまう。ギャップGP1、GP2を無くすことができれば、2重ゾーンサーボ領域ZBのデータ量を増やすことはできる。しかしながら、ギャップGP1、GP2を無くすと、前側のゾーンサーボ領域ZSV1に含まれるバーストデータの直後にポストコード領域PC1にポストコードをライトできなくなってしまう。
【0111】
そこで、本比較例における問題を解決すべく、後述する実施形態においては、2重ゾーンサーボ領域のギャップを削減することで、2重ゾーンサーボ領域のサーボ占有率を低くすることができ、データフォーマット効率を高めることのできる磁気ディスク装置が得られるものである。例えば、後述する実施形態の2重ゾーンサーボ領域において、ポストコード領域を前側のゾーンサーボ領域の直後ではなく、後側のゾーンサーボ領域の直後に設けるサーボフォーマットを採用した磁気ディスク装置が得られるものである。また、上記ポストコード領域のポストコードを消去しない隣接データフォーマットを採用した磁気ディスク装置が得られるものである。次に、上記問題を解決するための手段及び手法について説明する。なお、これらの手段及び手法は、2重ゾーンサーボ領域のサーボフォーマットと、データ領域のデータフォーマットとに使用される。
【0112】
(第1の実施形態)
次に、第1の実施形態について説明する。磁気ディスク装置1は、本実施形態で説明する構成以外、上記比較例と同様に構成されている。
図13は、本実施形態に係る磁気ディスク装置1のディスク10の2重ゾーンサーボ領域ZBのサーボセクタSVS1を説明するための概略図である。
図13には、本実施形態のサーボセクタSVS1と比較するため、比較例のサーボセクタSVS1も併せて示している。
【0113】
図13に示すように、比較例のサーボセクタSVS1において、ゾーンサーボセクタZSVS01とゾーンサーボセクタZSVS11の間にギャップGPが存在している。一方、本実施形態のサーボセクタSVS1において、ゾーンサーボセクタZSVS01とゾーンサーボセクタZSVS11の間のギャップを無くしている。
図13には、ポストコードをライトする前の2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、あるトラックのあるサーボセクタのサーボパターンの例を示している。前側のゾーンサーボセクタZSVS01は、プリアンブル1、サーボマーク1、グレイコード1、バーストデータ1、及び追加パターン1を含んでいる。後側のゾーンサーボセクタZSVS11は、プリアンブル2、サーボマーク2、グレイコード2、バーストデータ2、及び追加パターン2を含んでいる。
【0114】
比較例のサーボセクタSVS1において、プリアンブル1、サーボマーク1、グレイコード1、バーストデータ1、追加パターン1、ギャップGP、プリアンブル2、サーボマーク2、グレイコード2、バーストデータ2、及び追加パターン2は、進行方向d2に順に並べられている。なお、追加パターン1及び追加パターン2は、ショートサーボ装置において、ショートサーボセクタのサーボデータの復調時にリードタイミングがずれているかどうか検出するためのパターンである。ショートサーボ装置でなければ、すなわち全てのサーボのそれぞれがノーマルサーボであれば、追加パターン1及び追加パターン2は無くてもよい。
【0115】
一方、本実施形態のサーボセクタSVS1において、プリアンブル1、サーボマーク1、グレイコード1、バーストデータ1、追加パターン1、プリアンブル2、サーボマーク2、グレイコード2、バーストデータ2、及び追加パターン2は、進行方向d2に順に並べられている。ギャップGPを削減したことで、プリアンブル2は、追加パターン1に隣接して配置されている。ショートサーボ装置でなければ、プリアンブル2は、バーストデータ1に隣接して配置されてもよい。
【0116】
図14は、本実施形態に係るディスク10の2重ゾーンサーボ領域ZBにおける前側サーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
図14に、サーボパターン及びポストコードの配置等を示している。また、
図14には、ギャップGPを削減した2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、前側のゾーンサーボセクタZSVS01をリードする(前側のゾーンサーボセクタZSVS01の復調データを用いてヘッド15を位置決めする)場合に、ゾーンサーボセクタZSVS01用のポストコード1をバーストデータ2の後に配置したサーボパターンを示している。
【0117】
図14に示すように、ポストコード1は、バーストデータ2に対して後方に配置され、バーストデータ2に隣接している。ポストコード1は、
図13に示した追加パターン2に上書きされている。ポストコード1のサーボ周波数は、後側のプリアンブル2のサーボ周波数と異なっている。前側のプリアンブル1のサーボ周波数は、ポストコード1のサーボ周波数と同一である。
【0118】
本実施形態において、ゾーンサーボセクタZSVS01は、ゾーンサーボセクタZSVS11より外周OD側に配置され、ゾーンサーボセクタZSVS01のサーボ周波数は、ゾーンサーボセクタZSVS11のサーボ周波数より大きい。例えば、ゾーンサーボセクタZSVS01のサーボ周波数は400MHzであり、ゾーンサーボセクタZSVS11のサーボ周波数は300MHzである。
【0119】
サーボゲートは、プリアンブル1に対応するタイミングT31でアサートし、ポストコード1に対応するタイミングT32でネゲートしている。これにより、前側のゾーンサーボセクタZSVS01のプリアンブル1、サーボマーク1、グレイコード1、バーストデータ1、及び追加パターン1と、ポストコード1とをリードすることができる。プリアンブル1、サーボマーク1、グレイコード1、バーストデータ1、追加パターン1、及びポストコード1は、サーボゲートがアサート状態の期間内のタイミング、例えばサーボゲートオンを基準としたタイミングが指定されることで、適切なサーボデータを復調することができる。
【0120】
なお、
図14のようにタイミングT31をプリアンブル1の途中に設定することで、タイミングT31の直前までライティングを行うことができる。一方、ヘッド15がシーク中の期間、ライティング及びリーディングは行われないため、タイミングT31は、
図14の例よりプリアンブル1の前端側であってもよい。
【0121】
ポストコード1をリードするためのRROゲートは、ポストコード1の前端に対応するタイミングT33でアサートし、ポストコード1の後端に対応するタイミングT34でネゲートしている。これにより、ポストコード1をリードすることができる。なお、タイミングT32は、タイミングT34と同時であってもよいし、タイミングT34の後のタイミングであってもよい。
【0122】
図15は、本実施形態に係るディスク10の2重ゾーンサーボ領域ZBにおける後側サーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
図15に、サーボパターン及びポストコードの配置等を示している。また、
図15には、ギャップGPを削減した2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、後側のゾーンサーボセクタZSVS12をリードする(後側のゾーンサーボセクタZSVS12の復調データを用いてヘッド15を位置決めする)場合に、ゾーンサーボセクタZSVS12用のポストコード2をバーストデータ2の後に配置したサーボパターンを示している。
【0123】
図15に示すように、ポストコード2は、バーストデータ2に対して後方に配置され、バーストデータ2に隣接している。ポストコード2のサーボ周波数は、後側のプリアンブル2のサーボ周波数と同一である。
【0124】
サーボゲートは、プリアンブル2に対応するタイミングT41でアサートし、ポストコード2に対応するタイミングT42でネゲートしている。これにより、後側のゾーンサーボセクタZSVS12のプリアンブル2、サーボマーク2、グレイコード2、及びバーストデータ2と、ポストコード2とをリードすることができる。
【0125】
ポストコード2をリードするためのRROゲートは、ポストコード2の前端に対応するタイミングT43でアサートし、ポストコード2の後端に対応するタイミングT44でネゲートしている。これにより、ポストコード2をリードすることができる。なお、タイミングT42は、タイミングT44と同時であってもよいし、タイミングT44の後のタイミングであってもよい。
【0126】
図16は、本実施形態に係るディスク10の単一ゾーンサーボ領域ZGにおけるサーボリード処理の一例を説明するための概略図である。
図16に、サーボパターン及びポストコードの配置等を示している。また、
図16には、単一ゾーンサーボ領域(シングルゾーンサーボ領域)ZGのサーボパターンをリードする(単一ゾーンサーボ領域ZGの復調データを用いてヘッド15を位置決めする)場合に、ポストコード3をバーストデータ3の後に配置したサーボパターンを示している。
【0127】
図16に示すように、単一ゾーンサーボ領域ZGのプリアンブル3、サーボマーク3、グレイコード3、及びバーストデータ3、並びにポストコード3は、進行方向d2に順に並んでいる。ポストコード3のサーボ周波数は、プリアンブル3のサーボ周波数と同一である。
【0128】
サーボゲートは、プリアンブル3に対応するタイミングT51でアサートし、ポストコード3に対応するタイミングT52でネゲートしている。これにより、プリアンブル3、サーボマーク3、グレイコード3、バーストデータ3、及びポストコード3をリードすることができる。
【0129】
ポストコード3をリードするためのRROゲートは、ポストコード3の前端に対応するタイミングT53でアサートし、ポストコード3の後端に対応するタイミングT54でネゲートしている。これにより、ポストコード3をリードすることができる。なお、タイミングT52は、タイミングT54と同時であってもよいし、タイミングT54の後のタイミングであってもよい。
【0130】
次に、ディスク10の一部の領域について説明する。
図17は、本実施形態に係るディスク10のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域SVO及び2つのデータ領域DTRを示す図である。図中、円周方向にて、単一ゾーンサーボ領域ZGに隣接する複数のデータゾーン領域DZにはドットパターンを付し、2重ゾーンサーボ領域ZBに隣接する複数のデータゾーン領域DZには右上がりの斜線を付している。ギャップGPにはデータゾーン領域DZより密にドットパターンを付している。
【0131】
図17に示すように、サーボ領域SVである主サーボ領域SVOは、複数のゾーンサーボ領域、例えば6つのゾーンサーボ領域ZSV0、ZSV1、ZSV2、ZSV3、ZSV4、及びZSV5を有している。なお、ゾーンサーボ領域の数は6つ以外でもよい。各々のゾーンサーボ領域ZSV0乃至ZSV5は、ポストコード以外のサーボデータを含んでいる。主サーボ領域SVOにおいて、複数の単一ゾーンサーボ領域ZGと、複数の2重ゾーンサーボ領域ZBとは、半径方向d1に並べられている。
【0132】
各々の2重ゾーンサーボ領域ZB1、ZB2、ZB3、ZB4、及びZB5において、前側のゾーンサーボ領域及び後側のゾーンサーボ領域は、進行方向d2に順に並べられ、互いに隣接している。各々の2重ゾーンサーボ領域ZB1乃至ZB5において、前側のゾーンサーボ領域と後側のゾーンサーボ領域との間にギャップは存在していない(ギャップ=0)。そのため、本実施形態に係る磁気ディスク装置1において、2重ゾーンサーボ領域ZBのサーボ占有率を低くすることができ、データフォーマット効率を高めることができる。
【0133】
単一ゾーンサーボ領域ZGにおいて、各々のポストコード領域PC0_a、PC1_a、PC2_a、PC3_a、PC4_a、及びPC5_aは、対応するゾーンサーボ領域ZSVの後方に位置し、対応するゾーンサーボ領域ZSVに隣接している。各々のポストコード領域PC0_a、PC1_a、PC2_a、PC3_a、PC4_a、及びPC5_aのポストコードは、対応するゾーンサーボ領域ZSVのサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
例えば、単一ゾーンサーボ領域ZGにおいて、ポストコード領域PC0_aは、ゾーンサーボ領域ZSV0の後方に位置し、ゾーンサーボ領域ZSV0に隣接している。ポストコード領域PC0_aのポストコードは、ゾーンサーボ領域ZSV0のサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
【0134】
2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、後側のゾーンサーボ領域ZSVのための各々のポストコード領域PC1_a、PC3_a、及びPC5_aは、対応する後側のゾーンサーボ領域ZSVの後方に位置し、対応する後側のゾーンサーボ領域ZSVに隣接している。各々のポストコード領域PC1_a、PC3_a、及びPC5_aのポストコードは、対応する後側のゾーンサーボ領域ZSVのサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
例えば、2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、ゾーンサーボ領域ZSV1のためのポストコード領域PC1_aは、ゾーンサーボ領域ZSV1の後方に位置し、ゾーンサーボ領域ZSV1に隣接している。ポストコード領域PC1_aのポストコードは、ゾーンサーボ領域ZSV1のサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
【0135】
2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、前側のゾーンサーボ領域ZSVのための各々のポストコード領域PC0_4、PC2_10、PC2_15、PC4_20、及びPC4_25は、後側のゾーンサーボ領域ZSVの後方に位置し、後側のゾーンサーボ領域ZSVに隣接している。例えば、各々のポストコード領域PC0_4、PC2_10、PC2_15、PC4_20、及びPC4_25は、後側のゾーンサーボ領域ZSVのバースト領域の後方に位置し、上記バースト領域に隣接している。各々のポストコード領域PC0_4、PC2_10、PC2_15、PC4_20、及びPC4_25は、対応する前側のゾーンサーボ領域ZSVのサーボデータを復調した際にヘッド15の位置を補正するために用いられる。
【0136】
例えば、円周方向にデータゾーン領域DZ4を通る領域において、ゾーンサーボ領域ZSV0のためのポストコード領域PC0_4は、ゾーンサーボ領域ZSV1(例えば、ゾーンサーボ領域ZSV1のバースト領域)の後方に配置されている。円周方向にデータゾーン領域DZ10を通る領域において、ゾーンサーボ領域ZSV2のためのポストコード領域PC2_10は、ゾーンサーボ領域ZSV1(例えば、ゾーンサーボ領域ZSV1のバースト領域)の後方に配置されている。円周方向にデータゾーン領域DZ15を通る領域において、ゾーンサーボ領域ZSV2のためのポストコード領域PC2_15は、ゾーンサーボ領域ZSV3(例えば、ゾーンサーボ領域ZSV3のバースト領域)の後方に配置されている。円周方向にデータゾーン領域DZ20を通る領域において、ゾーンサーボ領域ZSV4のためのポストコード領域PC4_20は、ゾーンサーボ領域ZSV3(例えば、ゾーンサーボ領域ZSV3のバースト領域)の後方に配置されている。円周方向にデータゾーン領域DZ25を通る領域において、ゾーンサーボ領域ZSV4のためのポストコード領域PC4_25は、ゾーンサーボ領域ZSV5(例えば、ゾーンサーボ領域ZSV5のバースト領域)の後方に配置されている。
【0137】
ゾーンサーボ領域ZSV0、ポストコード領域PC0_a、及びポストコード領域PC0_4は、同一の第1サーボ周波数を持っている。ゾーンサーボ領域ZSV1及びポストコード領域PC1_aは、同一の第2サーボ周波数を持っている。ゾーンサーボ領域ZSV2、ポストコード領域PC2_a、ポストコード領域PC2_10、及びポストコード領域PC2_15は、同一の第3サーボ周波数を持っている。ゾーンサーボ領域ZSV3及びポストコード領域PC3_aは、同一の第4サーボ周波数を持っている。ゾーンサーボ領域ZSV4、ポストコード領域PC4_a、ポストコード領域PC4_20、及びポストコード領域PC4_25は、同一の第4サーボ周波数を持っている。ゾーンサーボ領域ZSV5及びポストコード領域PC5_aは、同一の第6サーボ周波数を持っている。
【0138】
上記第1サーボ周波数は、上記第2サーボ周波数より大きい。上記第2サーボ周波数は、上記第3サーボ周波数より大きい。上記第3サーボ周波数は、上記第4サーボ周波数より大きい。上記第4サーボ周波数は、上記第5サーボ周波数より大きい。上記第5サーボ周波数は、上記第6サーボ周波数より大きい。
【0139】
各々のデータ領域DTRは、複数のデータゾーン領域DZを有している。主サーボ領域SVOの回転方向d3の後方に位置するデータ領域DTRに注目した場合、データ領域DTRは外周OD側のデータゾーン領域DZ0から、内周ID側のデータゾーン領域DZ29までの複数のデータゾーン領域DZを有している。
【0140】
円周方向にデータゾーン領域DZ3を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV0、ポストコード領域PC0_a、ギャップGP(GP3)、及びデータゾーン領域DZ3は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ4を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV0、ゾーンサーボ領域ZSV1、ポストコード領域PC0_4、ギャップGP(GP4)、及びデータゾーン領域DZ4は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ9を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV2、ゾーンサーボ領域ZSV1、ポストコード領域PC1_a、ギャップGP(GP9)、及びデータゾーン領域DZ9は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ11を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV2、ポストコード領域PC2_a、ギャップGP(GP11)、及びデータゾーン領域DZ11は、進行方向d2に順に並んでいる。
【0141】
円周方向にデータゾーン領域DZ14を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV2、ポストコード領域PC2_a、ギャップGP(GP14)、及びデータゾーン領域DZ14は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ15を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV2、ゾーンサーボ領域ZSV3、ポストコード領域PC2_15、ギャップGP(GP15)、及びデータゾーン領域DZ15は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ19を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV4、ゾーンサーボ領域ZSV3、ポストコード領域PC3_a、ギャップGP(GP19)、及びデータゾーン領域DZ19は、進行方向d2に順に並んでいる。
【0142】
円周方向にデータゾーン領域DZ21を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV4、ポストコード領域PC4_a、ギャップGP(GP21)、及びデータゾーン領域DZ21は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ24を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV4、ポストコード領域PC4_a、ギャップGP(GP24)、及びデータゾーン領域DZ24は、進行方向d2に順に並んでいる。
円周方向にデータゾーン領域DZ25を通る領域に注目した場合、データゾーン領域DZ、ゾーンサーボ領域ZSV4、ゾーンサーボ領域ZSV5、ポストコード領域PC4_25、ギャップGP(GP25)、及びデータゾーン領域DZ25は、進行方向d2に順に並んでいる。
【0143】
上述したように、ギャップGPを設けることで、データゾーン領域DZの前端の位置(サーボ領域通過後のデータ領域開始位置)をずらし、半径方向d1に隣接するポストコード領域PCのポストコードの消去が起きないようにしている。
データゾーン領域DZ3の前端(データ開始位置)は、ポストコード領域PC0_aの後端からギャップGP3の円周方向の長さL3だけ後方にずらし、ポストコード領域PC0_4のポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ3)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ4の前端は、ポストコード領域PC0_4の後端からギャップGP4の円周方向の長さL4だけ後方にずらし、ポストコード領域PC1_aのポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ4)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ9の前端は、ポストコード領域PC1_aの後端からギャップGP9の円周方向の長さL9だけ後方にずらし、ポストコード領域PC2_10のポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ9)側から消去されないようにしている。
【0144】
データゾーン領域DZ11の前端は、ポストコード領域PC2_aの後端からギャップGP11の円周方向の長さL11だけ後方にずらし、ポストコード領域PC2_10のポストコードが内周ID(データゾーン領域DZ11)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ14の前端は、ポストコード領域PC2_aの後端からギャップGP14の円周方向の長さL14だけ後方にずらし、ポストコード領域PC2_15のポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ14)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ15の前端は、ポストコード領域PC2_15の後端からギャップGP15の円周方向の長さL15だけ後方にずらし、ポストコード領域PC3_aのポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ15)側から消去されないようにしている。
【0145】
データゾーン領域DZ19の前端は、ポストコード領域PC3_aの後端からギャップGP19の円周方向の長さL19だけ後方にずらし、ポストコード領域PC4_20のポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ19)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ21の前端は、ポストコード領域PC4_aの後端からギャップGP21の円周方向の長さL21だけ後方にずらし、ポストコード領域PC4_20のポストコードが内周ID(データゾーン領域DZ21)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ24の前端は、ポストコード領域PC4_aの後端からギャップGP24の円周方向の長さL24だけ後方にずらし、ポストコード領域PC4_25のポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ24)側から消去されないようにしている。
データゾーン領域DZ25の前端は、ポストコード領域PC4_25の後端からギャップGP25の円周方向の長さL25だけ後方にずらし、ポストコード領域PC5_aのポストコードが外周OD(データゾーン領域DZ25)側から消去されないようにしている。
【0146】
図17に示した例では、データゾーン領域DZ3及びデータゾーン領域DZ4を互いに別のデータゾーンとしているが、データゾーン領域DZ3及びDZ4の前端(データ開始位置)は実質的に同一である。そのため、データゾーン領域DZ3及びデータゾーン領域DZ4を同一のデータフォーマットのデータゾーンとして扱ってもよい。
データゾーン領域DZ3乃至DZ5に注目した場合、データゾーン領域DZ4の前端は、データゾーン領域DZ5の前端と半径方向d1に揃っているが、データゾーン領域DZ5の前端より後方にずれてもよい。データゾーン領域DZ3の前端は、データゾーン領域DZ4の前端及びデータゾーン領域DZ5の前端の少なくとも一方と半径方向d1に揃っていてもよいが、データゾーン領域DZ4の前端より前方に最大で長さL4だけずらすことができる。データゾーン領域DZ3の前端をデータゾーン領域DZ4の前端より前方にずらすことにより、データ領域のフォーマットロスを改善することができる。
【0147】
同様に、データゾーン領域DZ10及びデータゾーン領域DZ11を互いに別のデータゾーンとしているが、データゾーン領域DZ10及びデータゾーン領域DZ11を同一のデータフォーマットのデータゾーンとして扱ってもよい。
データゾーン領域DZ14及びデータゾーン領域DZ15を互いに別のデータゾーンとしているが、データゾーン領域DZ14及びデータゾーン領域DZ15を同一のデータフォーマットのデータゾーンとして扱ってもよい。
データゾーン領域DZ20及びデータゾーン領域DZ21を互いに別のデータゾーンとしているが、データゾーン領域DZ20及びデータゾーン領域DZ21を同一のデータフォーマットのデータゾーンとして扱ってもよい。
データゾーン領域DZ24及びデータゾーン領域DZ25を互いに別のデータゾーンとしているが、データゾーン領域DZ24及びデータゾーン領域DZ25を同一のデータフォーマットのデータゾーンとして扱ってもよい。
【0148】
図18は、本実施形態に係るディスク10の円周方向に並んだサーボ領域SVの半径方向d1における一部の領域(以下、
図18の説明ではサーボと言う)、ギャップGP、及びデータゾーン領域DZを示す概略図であり、サーボゲートSG、ライトゲートWG、及びリードゲートRGの一例を併せて示す図である。なお、
図18には、円周方向に各々のデータゾーン領域DZ3、DZ4、DZ9、DZ11、DZ14、DZ15、DZ19、DZ21、DZ24、及びDZ25を通る領域のためのサーボゲートSG、ライトゲートWG、及びリードゲートRGの一例を示している。図中、ギャップGPのうち左上りの斜線を付した領域に、データゾーン領域DZは配置していない。仮に、左上りの斜線を付した領域にデータゾーン領域DZを配置した場合、左上りの斜線を付した領域に対して半径方向d1に隣接するポストコード領域のポストコードの消去が起きてしまう。
【0149】
図18に示すように、データゾーン領域DZの前端(データ開始位置)をサーボの後端から後方にギャップGPだけずらすために、タイミングT72を設定する。サーボが終了するタイミング、例えばサーボゲートSGがネゲートするタイミングT71を基準とした場合、タイミングT72は、タイミングT71から所定の遅延期間が経過したタイミングであり、ライトゲートWGがアサートするタイミングである。
ずらし書きしたデータゾーン領域DZのユーザデータをリードするために、タイミングT73を設定する。タイミングT71を基準とした場合、タイミングT73は、タイミングT71から所定の遅延期間が経過したタイミングであり、リードゲートRGがアサートするタイミングである。
【0150】
例えば、サーボゲートSGがネゲートするタイミングT71から遅延期間WGdly2が経過したタイミングT72で、ライトゲートWGをアサートしている。これにより、ギャップGPに対して半径方向d1に隣接するポストコード領域のポストコードを消去すること無しに、データゾーン領域DZにユーザデータをライトすることができる。また、タイミングT71から遅延期間RGdly2が経過したタイミングT73で、リードゲートRGをアサートしている。これにより、ずらし書きしたデータゾーン領域DZのユーザデータをリードすることができる。
【0151】
次に、2重ゾーンサーボ領域ZBのフォーマットロスについて説明する。2重ゾーンサーボ領域ZBのサーボセクタSVSにおいて、サーボ長S1の第1サーボ、ギャップ長G1のギャップ、及びサーボ長S2の第2サーボは、ディスクの回転方向d3に並んでいる。ここで、1つのトラックにおけるサーボセクタSVSの数をNとし、1つのトラックにおいてサーボが占有する長さをAとする。すると、長さAは次の式で表される。
A=N×(S1+G1+S2)
また、トラック1周の長さをLEとし、1つのトラックにおいてデータ領域DTRとして使用できる長さをDIとする。すると、長さDIは次の式で表される。
DI=LE-A=LE-N×(S1+G1+S2)
本実施形態のように、2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、前側のゾーンサーボ領域ZSVと後側のゾーンサーボ領域ZSVとの間のギャップが0になれば、長さDIは最大値となる。すなわち、ギャップ長G1が0になれば、1つのトラックにおいてデータ領域DTRとして使用できる長さDIを最大化することができる。
【0152】
次に、2重ゾーンサーボ領域ZBにおいて、前側のゾーンサーボ領域ZSVと後側のゾーンサーボ領域ZSVとの間のギャップを削減し、上記ギャップを0にし、フォーマットロスの割合を改善した一例について説明する。
図19は、本実施形態及び上記比較例のそれぞれにおいて、ディスク10の半径位置に対するフォーマットロスの割合の変化をグラフで示す図である。
【0153】
図19に示すように、上記比較例において前側のゾーンサーボ領域ZSVと後側のゾーンサーボ領域ZSVとの間にギャップは存在するが、本実施形態において、前側のゾーンサーボ領域ZSVと後側のゾーンサーボ領域ZSVとの間のギャップを無くしている。本実施形態において、フォーマットロスが改善されるため、例えば磁気ディスク装置1の記録容量を増やすことができる。
【0154】
次に、半径方向d1の各々の領域におけるポストコードのライティング方法について説明する。
円周方向に単一ゾーンサーボ領域ZGを通る領域に注目すると、ゾーンサーボ領域ZSV(例えば、ゾーンサーボ領域ZSVのバースト領域)の後端からリード/ライトギャップGrwに対応する期間だけ経過したタイミングにてポストコードをライトすればよい。
【0155】
例えば
図16において、サーボマーク3の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード3をライトするタイミングは、サーボマーク3の検出位置から、グレイコード3の円周方向の長さと、バーストデータ3の円周方向の長さと、円周方向におけるリード/ライトギャップGrwとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0156】
円周方向に、2重ゾーンサーボ領域ZBを通る領域のうち後側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする領域を通る領域に注目すると、後側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、後側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からリード/ライトギャップGrwに対応する期間だけ経過したタイミングにてポストコードをライトすればよい。
【0157】
例えば
図15において、後側のゾーンサーボセクタZSVSのサーボマーク2の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード2をライトするタイミングは、サーボマーク2の検出位置から、グレイコード2の円周方向の長さと、バーストデータ2の円周方向の長さと、円周方向におけるリード/ライトギャップGrwとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0158】
円周方向に、2重ゾーンサーボ領域ZBを通る領域のうち前側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする領域を通る領域に注目すると、前側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、前側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からリード/ライトギャップGrwに対応する期間だけ経過したタイミングにてポストコードをライトするのではなく、後側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、後側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からリード/ライトギャップGrwに対応する期間だけ経過したタイミングにてポストコードをライトすればよい。
【0159】
例えば
図14において、前側のゾーンサーボセクタZSVSのサーボマーク1の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード1をライトするタイミングは、サーボマーク1の検出位置から、グレイコード1の円周方向の長さと、バーストデータ1の円周方向の長さと、追加パターン1の円周方向の長さと、プリアンブル2の円周方向の長さと、サーボマーク2の円周方向の長さと、グレイコード2の円周方向の長さと、バーストデータ2の円周方向の長さと、円周方向におけるリード/ライトギャップGrwとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0160】
リードするサーボ(ゾーンサーボセクタZSVSのサーボ)のサーボマークの検出位置(終了位置)を基準とした場合であって、かつ、単一ゾーンサーボ領域ZGのゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合又は2重ゾーンサーボ領域ZBの後側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合、ポストコードをライトするタイミングWtTiming1は、次の通りである。すなわち、タイミングWtTiming1を、サーボマークの検出位置から、リードするサーボのグレイコードの円周方向の長さと、リードするサーボのバーストデータの円周方向の長さと、円周方向におけるリード/ライトギャップGrwとの和の分を経過したタイミングとすればよい。
【0161】
リードするサーボ(ゾーンサーボセクタZSVSのサーボ)のサーボマークの検出位置(終了位置)を基準とした場合であって、かつ、2重ゾーンサーボ領域ZBの前側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合、ポストコードをライトするタイミングWtTiming2は、次の通りである。すなわち、タイミングWtTiming2を、サーボマークの検出位置から、リードするサーボのグレイコードの円周方向の長さと、リードするサーボのバーストデータの円周方向の長さと、リードするサーボの追加パターンの円周方向の長さと、リードしない(正確に復調できない)サーボのプリアンブルの円周方向の長さと、リードしないサーボマークの円周方向の長さと、リードしないグレイコードの円周方向の長さと、リードしないバーストデータの円周方向の長さと、円周方向におけるリード/ライトギャップGrwとの和の分を経過したタイミングとすればよい。
【0162】
次に、半径方向d1の各々の領域におけるポストコードをリードするタイミングについて説明する。
円周方向に単一ゾーンサーボ領域ZGを通る領域に注目すると、ゾーンサーボセクタZSVS(例えば、ゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からRROゲートをアサートし、ポストコードをリードすればよい。
【0163】
例えば
図16において、サーボマーク3の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード3をリードするタイミング(RROゲートをアサートするタイミング)は、サーボマーク3の検出位置から、グレイコード3の円周方向の長さと、バーストデータ3の円周方向の長さとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0164】
円周方向に、2重ゾーンサーボ領域ZBを通る領域のうち後側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする領域を通る領域に注目すると、後側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、後側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からRROゲートをアサートし、ポストコードをリードすればよい。
【0165】
例えば
図15において、後側のゾーンサーボセクタZSVSのサーボマーク2の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード2をリードするタイミング(RROゲートをアサートするタイミング)は、サーボマーク2の検出位置から、グレイコード2の円周方向の長さと、バーストデータ2の円周方向の長さとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0166】
円周方向に、2重ゾーンサーボ領域ZBを通る領域のうち前側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする領域を通る領域に注目すると、前側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、前側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からポストコードをリードするのではなく、後側のゾーンサーボセクタZSVS(例えば、後側のゾーンサーボセクタZSVSのバースト領域)の後端からRROゲートをアサートし、ポストコードをリードすればよい。
【0167】
例えば
図14において、前側のゾーンサーボセクタZSVSのサーボマーク1の検出位置(終了位置)を基準とした場合、ポストコード1をリードするタイミング(RROゲートをアサートするタイミング)は、サーボマーク1の検出位置から、グレイコード1の円周方向の長さと、バーストデータ1の円周方向の長さと、追加パターン1の円周方向の長さと、プリアンブル2の円周方向の長さと、サーボマーク2の円周方向の長さと、グレイコード2の円周方向の長さと、バーストデータ2の円周方向の長さとの和の分を経過したタイミングとなる。
【0168】
リードするサーボ(ゾーンサーボセクタZSVSのサーボ)のサーボマークの検出位置(終了位置)を基準とした場合であって、かつ、単一ゾーンサーボ領域ZGのゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合又は2重ゾーンサーボ領域ZBの後側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合、ポストコードをリードするタイミングRdTiming1は、次の通りである。すなわち、タイミングRdTiming1を、サーボマークの検出位置から、リードするサーボのグレイコードの円周方向の長さと、リードするサーボのバーストデータの円周方向の長さとの和の分を経過したタイミングとすればよい。
【0169】
リードするサーボ(ゾーンサーボセクタZSVSのサーボ)のサーボマークの検出位置(終了位置)を基準とした場合であって、かつ、2重ゾーンサーボ領域ZBの前側のゾーンサーボセクタZSVSをリードする場合、ポストコードをリードするタイミングRdTiming2は、次の通りである。すなわち、タイミングRdTiming2を、サーボマークの検出位置から、リードするサーボのグレイコードの円周方向の長さと、リードするサーボのバーストデータの円周方向の長さと、リードするサーボの追加パターンの円周方向の長さと、リードしないサーボのプリアンブルの円周方向の長さと、リードしないサーボマークの円周方向の長さと、リードしないグレイコードの円周方向の長さと、リードしないバーストデータの円周方向の長さとの和の分を経過したタイミングとすればよい。
【0170】
図20は、本実施形態に係るポストコードのライト処理方法の一例を示すフローチャートである。
図8及び
図20に示すように、ポストコードのライト処理を開始すると、まず、ステップSTa1において、システムコントローラ130は、ポストコードをライトする場合、前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用するのかどうかを判断する。
【0171】
図8、
図15、及び
図20に示すように、システムコントローラ130が前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用しないと判断した場合(ステップSTa1)、ステップSTa2に移行し、ステップSTa2において、システムコントローラ130は、タイミングWtTiming1を選択し、ポストコード2を選択する。その後、ステップSTa4に移行し、ステップSTa4において、選択したポストコード(ポストコード2)をディスク10の所定の領域にライトし、ポストコードのライト処理を終了する。
【0172】
図8、
図14、及び
図20に示すように、一方、システムコントローラ130が前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用すると判断した場合(ステップSTa1)、ステップSTa3に移行し、ステップSTa3において、システムコントローラ130は、タイミングWtTiming2を選択し、ポストコード1を選択する。その後、ステップSTa4に移行し、ステップSTa4において、選択したポストコード(ポストコード1)をディスク10の所定の領域にライトし、ポストコードのライト処理を終了する。
【0173】
図21は、本実施形態に係るポストコードのリード処理方法の一例を示すフローチャートである。
図8及び
図21に示すように、ポストコードのリード処理を開始すると、まず、ステップSTb1において、システムコントローラ130は、ポストコードをリードする場合、前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用するのかどうかを判断する。
【0174】
図8、
図15、及び
図21に示すように、システムコントローラ130が前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用しないと判断した場合(ステップSTb1)、ステップSTb2に移行し、ステップSTb2において、システムコントローラ130は、タイミングRdTiming1を選択し、ポストコード2を選択する。その後、ステップSTb4に移行し、ステップSTb4において、選択したポストコード(ポストコード2)をリードし、ポストコードのリード処理を終了する。
【0175】
図8、
図14、及び
図21に示すように、一方、システムコントローラ130が前側のゾーンサーボセクタZSVSを使用すると判断した場合(ステップSTb1)、ステップSTb3に移行し、ステップSTb3において、システムコントローラ130は、タイミングRdTiming2を選択し、ポストコード1を選択する。その後、ステップSTb4に移行し、ステップSTb4において、選択したポストコード(ポストコード1)をリードし、ポストコードのリード処理を終了する。
【0176】
次に、
図1及び
図22を用いて本実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成及び効果について説明する。
図22は、本実施形態に係るディスク1のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つのサーボ領域SV及び2つのデータ領域DTRを示す図である。図中、非対象領域NROには、第2対象領域RO2より密にドットパターンを付している。
図1及び
図22に示すように、上記のように構成された第1の実施形態に係る磁気ディスク装置1によれば、磁気ディスク装置1は、ディスク10と、ヘッド15と、コントローラ130と、を備えている。
【0177】
(1)ディスク10は、サーボ領域SVに、第1サーボ周波数の第1領域(第1ゾーンサーボ領域)RE1、第2サーボ周波数の第2領域(第2ゾーンサーボ領域)RE2、及び上記第1サーボ周波数の第3領域(第1補正データ保存領域)RE3を含む2重ゾーンサーボ領域(ゾーンサーボ境界領域)ZBaを有している。ヘッド15は、ディスク10に対してデータをライトするライトヘッド15Wと、ディスク10からデータをリードするリードヘッド15Rと、を有している。コントローラ130は、ヘッド15を所定のトラックに対応付けて位置決めするために、ヘッド15でリードした第1領域RE1の第1サーボデータを復調しヘッド15の位置を導出し、ヘッド15でリードした第3領域RE3の第1補正データを復調しヘッド15の位置を補正する。
【0178】
第1領域RE1、第2領域RE2、及び第3領域RE3は、ディスク10に対するヘッド15の進行方向d2に順に並べられている。第1領域RE1及び第2領域RE2は、ディスク10の円周方向に互いに隣接している。第2領域RE2及び第3領域RE3は、ディスク10の円周方向に互いに隣接している。第1領域RE1と第2領域RE2との間にギャップは存在していない。そのため、本第1の実施形態に係る磁気ディスク装置1において、サーボ占有率を低くすることができ、データフォーマット効率を高めることができる。
【0179】
例えば、第1領域RE1は前側のゾーンサーボ領域ZSVであり、第2領域RE2は後側のゾーンサーボ領域ZSVであり、第3領域RE3は第1ポストコード領域を含んでいる。第1領域RE1のうち第1ゾーンサーボセクタZSVS1は、進行方向d2に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含んでいる(
図14)。第2領域RE2のうち第2ゾーンサーボセクタZSVS2は、進行方向d2に順に並べられた第2プリアンブル領域、第2サーボマーク領域、第2グレイコード領域、及び第2バースト領域を含んでいる(
図14)。上記第1サーボ周波数は、第1プリアンブル領域の周波数と同じである。第2サーボ周波数は、第2プリアンブル領域の周波数と同じである。
【0180】
(2)また、2重ゾーンサーボ領域(ゾーンサーボ境界領域)ZBaは、上記第2サーボ周波数の第4領域(第2補正データ保存領域)RE4をさらに含んでいる。コントローラ130は、ヘッド15を所定のトラックに対応付けて位置決めするために、ヘッド15でリードした第2領域RE2の第2サーボデータを復調しヘッド15の位置を導出し、ヘッド15でリードした第4領域RE4の第2補正データを復調しヘッド15の位置を補正する。第1領域RE1、第2領域RE2、及び第4領域RE4は、進行方向d2に順に並べられている。第2領域RE2及び第4領域RE4は、ディスク10の円周方向に互いに隣接している。
【0181】
第3領域RE3及び第4領域RE4は、ディスク10の半径方向d1に互いに隣接している。言い換えると、第3領域RE3を第4領域RE4に対して半径方向d1に隣接するように配置したことで、第1領域RE1と第2領域RE2との間のギャップを削減することができる。
【0182】
例えば、第1領域RE1は前側のゾーンサーボ領域ZSVであり、第2領域RE2は後側のゾーンサーボ領域ZSVであり、第3領域RE3は第1ポストコード領域を含み、第4領域RE4は第2ポストコード領域を含んでいる。第1領域RE1のうち第3ゾーンサーボセクタZSVS3は、進行方向d2に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含んでいる(
図14)。第2領域RE2のうち第4ゾーンサーボセクタZSVS4は、進行方向d2に順に並べられた第2プリアンブル領域、第2サーボマーク領域、第2グレイコード領域、及び第2バースト領域を含んでいる(
図14)。上記第1サーボ周波数は、第1プリアンブル領域の周波数と同じである。上記第2サーボ周波数は、第2プリアンブル領域の周波数と同じである。
【0183】
(3)ディスク10は、進行方向d2にてサーボ領域SVに隣接したユーザデータ領域(データ領域)DTRをさらに有している。ユーザデータ領域DTRのうち第1データセクタDSC1は、進行方向d2に順に並べられた第1非対象領域NRO1及び第1対象領域RO1を含んでいる。第1非対象領域NRO1は、進行方向d2にて第3領域RE3(第2ゾーンサーボセクタZSVS2)と第1対象領域RO1との間に位置し、第3領域RE3及び第1対象領域RO1にそれぞれ隣接している。
【0184】
コントローラ130は、第1対象領域RO1をリーディング及びライティングの対象とし、第1非対象領域NRO1をリーディング及びライティングの対象から外している。例えば、第1非対象領域NRO1はギャップGPである(
図18)。第1データセクタDSC1に第1非対象領域NRO1を設けたことにより、第1対象領域RO1にユーザデータをライトした際に、第4領域RE4の第2ポストコードが消去される事態を回避することができる。
第3領域RE3は、第4領域RE4の外周側に隣接している。回転方向d3を基準にディスク10をみた場合、第1対象領域RO1の前側の端(前端)は、第4領域RE4の後側の端(後端)と半径方向d1に揃っている。これにより、第4領域RE4の第2ポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
なお、
図22の例と異なり、第1対象領域RO1の前端は、第4領域RE4の後端より後方に位置してもよい。言い換えると、第1対象領域RO1の前端は、第4領域RE4の後端より進行方向d2の前方に位置してもよい。その場合も、第4領域RE4の第2ポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
【0185】
(4)また、サーボ領域SVは、上記第1サーボ周波数の第5領域(第3補正データ保存領域)RE5をさらに含んでいる。コントローラ130は、ヘッド15を所定のトラックに対応付けて位置決めするために、ヘッド15でリードした第1領域RE1の第1サーボデータを復調しヘッド15の位置を導出し、ヘッド15でリードした第5領域RE5の第3補正データを復調しヘッド15の位置を補正する。第1領域RE1及び第5領域RE5は、進行方向d2に順に並べられている。第1領域RE1及び第5領域RE5は、ディスク10の円周方向に互いに隣接している。第2領域RE2及び第5領域RE5は、半径方向d1に互いに隣接している。
【0186】
例えば、第1領域RE1は前側のゾーンサーボ領域ZSVのうち単一ゾーンサーボ領域ZGに位置する領域であり、第5領域RE5は第3ポストコード領域を含んでいる。第1領域RE1のうち第5ゾーンサーボセクタZSVS5は、進行方向d2に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含んでいる(
図14)。
【0187】
(5)ユーザデータ領域DTRのうち第3データセクタDSC3は、進行方向d2に順に並べられた第3非対象領域NRO3及び第3対象領域RO3を含んでいる。第3非対象領域NRO3は、進行方向d2にて第5領域RE5(第5ゾーンサーボセクタZSVS5)と第3対象領域RO3との間に位置し、第5領域RE5及び第3対象領域RO3にそれぞれ隣接している。
【0188】
コントローラ130は、第3対象領域RO3をリーディング及びライティングの対象とし、第3非対象領域NRO3をリーディング及びライティングの対象から外している。例えば、第3非対象領域NRO3はギャップGPである(
図18)。第3データセクタDSC3に第3非対象領域NRO3を設けたことにより、第3対象領域RO3にユーザデータをライトした際に、第3領域RE3の第1ポストコードが消去される事態を回避することができる。
回転方向d3を基準にディスク10をみた場合、第3対象領域RO3の前端は、第3領域RE3の後端と半径方向d1に揃っている。これにより、第3領域RE3の第1ポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
なお、
図22の例と異なり、第3対象領域RO3の前端は、第3領域RE3の後端より後方に位置してもよい。言い換えると、第3対象領域RO3の前端は、第3領域RE3の後端より進行方向d2の前方に位置してもよい。その場合も、第3領域RE3の第1ポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
【0189】
次に、
図1及び
図17を用いて本実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成及び効果について説明する。ここでは、2重ゾーンサーボ領域(ゾーンサーボ境界領域)ZB2に注目する。ゾーンサーボ領域ZSV2は第1領域に相当し、ゾーンサーボ領域ZSV1は第2領域に相当し、ポストコード領域PC2_10は第3領域に相当し、ポストコード領域PC1_aは第4領域に相当するものとする。
図1及び
図17に示すように、ユーザデータ領域DTRのデータゾーン領域DZ9は、進行方向d2に順に並べられた第2非対象領域NRO2(ギャップGP9)及び第2対象領域RO2を含んでいる。第2非対象領域NRO2は、進行方向d2にてポストコード領域PC1_a(第4領域)と第2対象領域RO2との間に位置し、ポストコード領域PC1_a及び第2対象領域RO2にそれぞれ隣接している。
【0190】
コントローラ130は、第2対象領域RO2をリーディング及びライティングの対象とし、第2非対象領域NRO2をリーディング及びライティングの対象から外している。第2非対象領域NRO2(ギャップGP9)を設けたことにより、第2対象領域RO2にユーザデータをライトした際に、ポストコード領域PC2_10のポストコードが消去される事態を回避することができる。
ポストコード領域PC2_10(第3領域)は、ポストコード領域PC1_a(第4領域)の内周側に隣接している。回転方向d3を基準にディスク10をみた場合、第2対象領域RO2の前側の端(前端)は、ポストコード領域PC2_10の後側の端(後端)と半径方向d1に揃っている。これにより、ポストコード領域PC2_10のポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
なお、
図17の例と異なり、第2対象領域RO2の前端は、ポストコード領域PC2_10の後端より後方に位置してもよい。言い換えると、第2対象領域RO2の前側は、ポストコード領域PC2_10の後端より進行方向d2の前方に位置してもよい。その場合も、ポストコード領域PC2_10のポストコードが消去される事態を確実に回避することができる。
【0191】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。磁気ディスク装置1は、本実施形態で説明する構成以外、上記第1の実施形態と同様に構成されている。
図23は、本実施形態に係る磁気ディスク装置1のディスク10のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つの主サーボ領域SVO及び2つのデータ領域DTRを示す図である。図中、円周方向にて、単一ゾーンサーボ領域ZGに隣接する複数のデータゾーン領域DZにはドットパターンを付し、2重ゾーンサーボ領域ZBに隣接する複数のデータゾーン領域DZには右上がりの斜線を付している。但し、データゾーン領域DZのうち、トラックスキップ領域TSは白塗り(空白)となっている。
【0192】
図23に示すように、データ領域DTRがサーボ領域SVに隣接したギャップGP(非対象領域NRO)を有していない点で、本実施形態は、上記第1の実施形態(
図17)と相違している。言い換えると、本実施形態は、2重ゾーンサーボ領域ZBに円周方向に隣接するポストコード領域のポストコードが消去される事態を回避するため、データゾーン領域DZ(データセクタDSC)の前端を回転方向d3の後方にずらすデータフォーマットを採用していない。本実施形態では、データゾーン領域DZのうち、半径方向d1にてポストコード領域に隣接する領域をトラックスキップ領域TSとしている。データゾーン領域DZの中にユーザデータをライトしないトラックスキップ領域TSを設けることにより、トラックスキップ領域TSに半径方向d1に隣接するポストコード領域のポストコードが消去される事態を回避することができる。
【0193】
例えば、ライトしたデータセクタDSCに半径方向d1に隣接する範囲をデータトラック範囲(トラック範囲)とする。データトラック範囲は、データセクタDSCにユーザデータをライトした際に不所望な消去が起こる範囲である。ここでは、データトラック範囲をwATE[トラック]とする。
【0194】
内周ID側に不所望な消去を起こし得るデータゾーン領域DZ3、DZ4、DZ9、DZ14、DZ15、DZ19、DZ24、及びDZ25では、内周ID側にトラックスキップ領域TSを設け、各々のデータゾーン領域DZにおいて、「データゾーン領域DZの最内周トラック-wATE+1トラック、で求められるトラック」から「データゾーン領域DZの最内周トラック」までを少なくともトラックスキップとすればよい。
一方、外周OD側に不所望な消去を起こし得るデータゾーン領域DZ11及びDZ21では、外周OD側にトラックスキップ領域TSを設け、各々のデータゾーン領域DZにおいて、「データゾーン領域DZの最外周トラック」から「データゾーン領域DZの最外周トラック+wATE-1トラック、で求められるトラック」までを少なくともトラックスキップとすればよい。なお、内周ID側に1トラック分をカウントすることを+1トラックとし、外周OD側に1トラック分をカウントすることを-1トラックとしている。
【0195】
上述したように、データ領域DTRにトラックスキップ領域TSを設ければ、データ領域DTRに上記第1の実施形態の
図17に示したギャップGP(
図22に示した非対象領域NRO)を設ける必要はない。但し、トラックスキップ領域TSのトラック数の上限に留意する必要があり、上記上限を
図17のギャップGPを削減することによるADC(areal density capability)ゲインがある範囲に留める必要がある。
【0196】
次に、
図1及び
図24を用いて本実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成及び効果について説明する。
図24は、本実施形態に係るディスク1のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つのサーボ領域SV及び2つのデータ領域DTRを示す図である。
図24は、本実施形態に係るディスク1のうち円周方向における一部の領域を示す概略図であり、1つのサーボ領域SV及び2つのデータ領域DTRを示す図である。図中、非対象領域NROを白塗り(空白)としている。
図1及び
図24に示すように、上記のように構成された第2の実施形態に係る磁気ディスク装置1によれば、磁気ディスク装置1は、ディスク10と、ヘッド15と、コントローラ130と、を備えている。本実施形態においても、第1領域RE1と第2領域RE2との間にギャップは存在していない。そのため、本実施形態は、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0197】
データゾーン領域DZ、第1領域RE1(ゾーンサーボ領域ZSV)の第1ゾーン領域ZSVR1、第2領域RE2(ゾーンサーボ領域ZSV)の第2ゾーン領域ZSVR2、第3領域RE3、第1データゾーン領域DZaは、進行方向d2に順に並べられている。
データゾーン領域DZ、第1領域RE1(ゾーンサーボ領域ZSV)の第3ゾーン領域ZSVR3、第2領域RE2(ゾーンサーボ領域ZSV)の第4ゾーン領域ZSVR4、第4領域RE4、データゾーン領域DZは、進行方向d2に順に並べられている。データゾーン領域DZ、第1領域RE1(ゾーンサーボ領域ZSV)の第5ゾーン領域ZSVR5、第5領域RE5、第2データゾーン領域DZbは、進行方向d2に順に並べられている。
【0198】
(1)ディスク10は、進行方向d2にてサーボ領域SVに隣接したユーザデータ領域(データ領域)DTRを有している。ユーザデータ領域DTRのうち第1データゾーン領域DZaは、進行方向d2にて第3領域(第1補正データ保存領域)RE3にそれぞれ隣接し、半径方向d1に並べられた第1非対象領域NRO1及び第1対象領域RO1を含んでいる。第1非対象領域NRO1は、半径方向d1にて第4領域(第2補正データ保存領域)RE4と第1対象領域RO1との間に位置し、第4領域RE4及び第1対象領域RO1にそれぞれ隣接している。
【0199】
コントローラ130は、第1対象領域RO1をリーディング及びライティングの対象とし、第1非対象領域NRO1をリーディング及びライティングの対象から外している。例えば、第1非対象領域NRO1はトラックスキップ領域TSであり(
図23)、第1対象領域RO1は非トラックスキップ領域である。第1データゾーン領域DZaに第1非対象領域NRO1を設けたことにより、第1対象領域RO1にユーザデータをライトした際に、第4領域RE4の第2ポストコードが消去される事態を回避することができる。
なお、第1非対象領域NRO1は、第1対象領域RO1に対してユーザデータ(データ)がライトされた際に影響が及ぶ領域である。
【0200】
(2)また、サーボ領域SVは、上記第1サーボ周波数の第5領域(第3補正データ保存領域)RE5を含んでいる。コントローラ130は、ヘッド15を所定のトラックに対応付けて位置決めするために、ヘッド15でリードした第1領域RE1の第1データを復調しヘッド15の位置を導出し、ヘッド15でリードした第5領域RE5の第5データを復調しヘッド15の位置を補正する。
【0201】
第1領域RE1及び第5領域RE5は、進行方向d2に順に並べられている。第1領域RE1及び第5領域RE5は、ディスク10の円周方向にて互いに隣接している。第2領域RE2及び第5領域RE5は、半径方向d1に互いに隣接している。
【0202】
例えば、第1領域RE1は前側のゾーンサーボ領域ZSVのうち単一ゾーンサーボ領域ZGに位置する領域であり、第5領域RE5は第1ポストコード領域を含んでいる。第1領域RE1のうち第5ゾーン領域ZSVR5は、進行方向d2に順に並べられた第1プリアンブル領域、第1サーボマーク領域、第1グレイコード領域、及び第1バースト領域を含んでいる(
図14)。なお、各々の第1ゾーン領域ZSVR1乃至第4ゾーン領域ZSVR4も、進行方向d2に順に並べられたプリアンブル領域、サーボマーク領域、グレイコード領域、及びバースト領域を含んでいる。
【0203】
(3)ユーザデータ領域DTRのうち第3データゾーン領域DZcは、進行方向d2にて第5領域RE5にそれぞれ隣接し半径方向d1に並べられた第3非対象領域NRO3及び第3対象領域RO3を含んでいる。第3非対象領域NRO2は、半径方向d1にて第2及び第3領域RE2及びRE3と第3対象領域RO3との間に位置し、第2領域RE2(第2ゾーン領域ZSVR2)、第3領域RE3、及び第3対象領域RO3にそれぞれ隣接している。
【0204】
コントローラ130は、第3対象領域RO3をリーディング及びライティングの対象とし、第3非対象領域NRO3をリーディング及びライティングの対象から外している。例えば、第3非対象領域NRO3はトラックスキップ領域TSであり(
図23)、第3対象領域RO3は非トラックスキップ領域である。第3データゾーン領域DZcに第3非対象領域NRO3を設けたことにより、第3対象領域RO3にユーザデータをライトした際に、第3領域RE3の第1ポストコードが消去される事態を回避することができる。また、第2ゾーン領域ZSVR2のサーボデータが消去される事態を回避することができる。
なお、第3非対象領域NRO3は、第3対象領域RO3に対してユーザデータ(データ)がライトされた際に影響が及ぶ領域である。
【0205】
次に、
図1及び
図23を用いて本実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成及び効果について説明する。ここでは、2重ゾーンサーボ領域(ゾーンサーボ境界領域)ZB2に注目する。ゾーンサーボ領域ZSV2は第1領域に相当し、ゾーンサーボ領域ZSV1は第2領域に相当し、ポストコード領域PC2_10は第3領域に相当し、ポストコード領域PC1_aは第4領域に相当するものとする。
図1及び
図23に示すように、ユーザデータ領域DTRのデータゾーン領域DZ9は、進行方向d2にてポストコード領域PC1_aに隣接し、半径方向d1に並べられた第2非対象領域NRO2及び第2対象領域RO2を含んでいる。例えば、第2非対象領域NRO2はトラックスキップ領域TSであり、第2対象領域RO2は非トラックスキップ領域である。第2非対象領域NRO2は、半径方向d1にてポストコード領域PC2_10と第2対象領域RO2との間に位置し、ポストコード領域PC2_10及び第2対象領域RO2にそれぞれ隣接している。
【0206】
コントローラ130は、第2対象領域RO2をリーディング及びライティングの対象とし、第2非対象領域NRO2をリーディング及び前記ライティングの対象から外している。第2非対象領域NRO2を設けたことにより、第2対象領域RO2にユーザデータをライトした際に、ポストコード領域PC2_10のポストコードが消去される事態を回避することができる。
なお、第2非対象領域NRO2は、第2対象領域RO2に対してユーザデータ(データ)がライトされた際に影響が及ぶ領域である。
【0207】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0208】
1…磁気ディスク装置、10…ディスク、12…スピンドルモータ(SPM)、
13…アーム、14…ボイスコイルモータ(VCM)、15…ヘッド、
15W…ライトヘッド、15R…リードヘッド、20…ドライバIC、
30…ヘッドアンプIC、40…リード/ライト(R/W)チャネル、
50…ハードディスクコントローラ(HDC)、60…マイクロプロセッサ(MPU)、130…システムコントローラ、SV…サーボ領域、ZB…2重ゾーンサーボ領域、
ZG…単一ゾーンサーボ領域、ZSV…ゾーンサーボ領域、RE1…第1領域、
RE2…第2領域、RE3…第3領域、RE4…第4領域、RE5…第5領域、
RO1…第1対象領域、NRO1…第1非対象領域、RO2…第2対象領域、
NRO2…第2非対象領域、RO3…第3対象領域、NRO3…第3非対象領域、
DTR…ユーザデータ領域(データ領域)、DZ…データゾーン領域、
DSC…データセクタ、TS…トラックスキップ領域、d1…半径方向、
d2…進行方向、d3…回転方向、ID…内周、OD…外周。