(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013013
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】配線固定具
(51)【国際特許分類】
G02B 6/46 20060101AFI20230119BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G02B6/46
H02G3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116880
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】守屋 亨
(72)【発明者】
【氏名】岩村 英志
【テーマコード(参考)】
2H038
5G363
【Fターム(参考)】
2H038CA33
5G363AA16
5G363BA10
5G363DA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】固定された配線が直線性を保てているか否かを作業者により容易に判断させる。
【解決手段】配線Wを固定する配線固定具1であって、配線Wを把持する構造を有し、配線Wが把持されている状態の配線Wの把持位置における配線Wの軸方向に対して平行な光Lを発する発光体101を支持し、配線固定具1より発光体101が発する光Lの進行方向の反対側に設置された他の配線固定具1が有する発光体101が発した光Lを受ける受光的105、を有する配線把持部、を備える、配線固定具1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を固定する配線固定具であって、
前記配線を把持する構造を有し、前記配線が把持されている状態の前記配線の把持位置における前記配線の軸方向に対して平行な光を発する発光体を支持し、
前記配線固定具より前記発光体が発する光の進行方向の反対側に設置された他の配線固定具が有する発光体が発した光を受ける受光的、を有する配線把持部、
を備える、配線固定具。
【請求項2】
任意の設置場所に固定される固定部、
を更に備え、
前記配線把持部の位置は、前記固定部に対して相対的に可変である、
請求項1に記載の配線固定具。
【請求項3】
前記配線把持部と前記固定部の間に設けられ、前記固定部に対して移動可能な可動部、
を更に備える、
請求項2に記載の配線固定具。
【請求項4】
前記配線把持部の位置は、前記配線の軸方向に交差する方向に可変である、
請求項3に記載の配線固定具。
【請求項5】
前記可動部は、前記固定部に対してスライドにより移動可能である、
請求項4に記載の配線固定具。
【請求項6】
前記配線把持部は、前記可動部に対してスライドにより移動可能である、
請求項4または請求項5に記載の配線固定具。
【請求項7】
前記可動部は、
前記配線把持部との連結面または前記固定部との連結面のうち少なくともいずれか一方に長穴を有する、
請求項5または請求項6に記載の配線固定具。
【請求項8】
前記可動部は、
前記配線把持部との連結面において、高さ方向に沿って形成された長穴を有し、
前記固定部との連結面において、水平方向に沿って形成された長穴を有する、
請求項7に記載の配線固定具。
【請求項9】
前記配線把持部は、
前記受光的の周囲に沿って形成された凸状構造を有する、
請求項1から請求項8までのうちいずれか一項に記載の配線固定具。
【請求項10】
前記受光的の中心軸と同一直線上に中心軸を有する穴を有する遮光部、
を更に備える、
請求項1から請求項9までのうちいずれか一項に記載の配線固定具。
【請求項11】
前記発光体が発する光は、レーザー光である、
請求項1から請求項10までのうちいずれか一項に記載の配線固定具。
【請求項12】
前記配線把持部は、
前記発光体が取付けられる穴を有する、
請求項1から請求項11までのうちいずれか一項に記載の配線固定具。
【請求項13】
前記配線把持部は、
前記発光体、
を更に備える、
請求項1から請求項11までのうちいずれか一項に記載の配線固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、配線を固定する配線固定治具が開発されている。例えば、特許文献1では、光ファイバーケーブルを把持する固定治具の一面に接着層を有することで、例えば、屋内の壁や、車内のフロントパネルに接着することが可能な配線固定治具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載した技術では、例えば、作業者が配線の直線性を保ちつつ配線固定治具を用いて配線を固定する場合に、予め設置場所を定めておく必要が生じ、また、作業者は、配線固定治具を用いて固定された配線が直線性を保てているか否かを確認することが困難になり得る。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、固定された配線が直線性を保てているか否かを作業者により容易に判断させることが可能な、新規かつ改良された配線固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、配線を固定する配線固定具であって、前記配線を把持する構造を有し、前記配線が把持されている状態の前記配線の把持位置における前記配線の軸方向に対して平行な光を発する発光体を支持し、前記配線固定具より前記発光体が発する光の進行方向の反対側に設置された他の配線固定具が有する発光体が発した光を受ける受光的、を有する配線把持部、を備える、配線固定具が提供される。
【0007】
任意の設置場所に固定される固定部、を更に備え、前記配線把持部の位置は、前記固定部に対して相対的に可変であってもよい。
【0008】
前記配線把持部と前記固定部の間に設けられ、前記固定部に対して移動可能な可動部、
を更に備えてもよい。
【0009】
前記配線把持部の位置は、前記配線の軸方向に交差する方向に可変であってもよい。
【0010】
前記可動部は、前記固定部に対してスライドにより移動可能であってもよい。
【0011】
前記配線把持部は、前記可動部に対してスライドにより移動可能であってもよい。
【0012】
前記可動部は、前記配線把持部との連結面または前記固定部との連結面のうち少なくともいずれか一方に長穴を有してもよい。
【0013】
前記可動部は、前記配線把持部との連結面において、高さ方向に沿って形成された長穴を有し、前記固定部との連結面において、水平方向に沿って形成された長穴を有してもよい。
【0014】
前記配線把持部は、前記受光的の周囲に沿って形成された凸状構造を有してもよい。
【0015】
前記受光的の中心軸と同一直線上に中心軸を有する穴を有する遮光部、を更に備えてもよい。
【0016】
前記発光体が発する光は、レーザー光であってもよい。
【0017】
前記配線把持部は、前記発光体が取付けられる穴を有してもよい。
【0018】
前記配線把持部は、前記発光体、を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、固定された配線が直線性を保てているか否かを作業者により容易に判断させることが可能な、新規かつ改良された配線固定具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る配線固定具1の概要を説明するための説明図である。
【
図2】障害物Aが存在する状況の一例を説明するための説明図である。
【
図3】本実施形態に係る配線固定具1の構成例を説明するための説明図である。
【
図4A】本実施形態に係る把持部本体100の正面図である。
【
図4B】本実施形態に係る把持部本体100の背面図である。
【
図5】本実施形態に係る固定部本体200の平面図である。
【
図6A】本実施形態に係る可動部30の平面図である。
【
図6B】固定部20と可動部30とが連結された状態を示す説明図である。
【
図7A】本実施形態に係る可動部30の側面図である。
【
図7B】配線把持部10と可動部30とが連結された状態を示す説明図である。
【
図8】配線把持部10の第1の変形例を説明するための説明図である。
【
図9】配線把持部10の第2の変形例を説明するための説明図である。
【
図10】配線把持部10の第3の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
また、複数ある配線固定具1をそれぞれ配線固定具1A、1Bおよび1Cのように区別して表現する場合があるが、各配線固定具1を特に区別する必要がない場合は、単に配線固定具1と称する。
【0023】
<<1.配線固定具の概要>>
本発明の一実施形態は、固定された配線が直線性を保てているか否かを作業者により容易に判断させることを可能とする配線固定具に関する。以下、
図1を参照し、本実施形態に係る配線固定具の概要を説明する。
【0024】
近年、配線の直線性を保ちつつ配線を設置場所に固定することが望ましい状況がある。例えば、構造物(例えば、船舶)の歪や温度分布を測定する方法の一例として、光ファイバーケーブルを当該構造物に敷設し、光ファイバー中の後方散乱を測定するBOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)がある。BOTDRによる測定に際して、光ファイバーケーブルは、構造物の形状に沿って直線性を保ちつつ固定されることが望ましい場合がある。
【0025】
図1は、本実施形態に係る配線固定具1の概要を説明するための説明図である。本実施形態に係る配線固定具1は、配線Wを任意の位置で固定する固定治具である。例えば、
図1に示すように、配線固定具1A、配線固定具1Bおよび配線固定具1Cのように複数の箇所で配線Wを固定することで配線Wを撓ませずに固定することができる。なお、
図1および
図2は、概要を説明する便宜上、配線固定具1を簡略化した図であり、実際の配線固定具1の外観とは異なる。
【0026】
また、本実施形態に係る配線固定具1は、それぞれ配線Wの把持位置における配線Wの軸方向に対して平行な光Lを発する発光体101を支持し、ある配線固定具1より、光の進行方向の反対側に設置された他の配線固定具1が有する発光体101が発した光を受ける受光的105を有する。
【0027】
例えば、
図1において、配線固定具1Aは、配線Wの把持位置における配線Wの軸方向に対して平行な光Lを発する発光体101Aを支持し、配線固定具1Aにより支持された発光体101Aが発する光Lの進行方向の反対側に設置された配線固定具1Bが有する発光体101Bが発した光Lを受ける受光的105Aを有する。
【0028】
作業者は、配線固定具1Bが支持する発光体101Bが発する光Lが、配線固定具1Aが有する受光的105Aに当るように、配線固定具1Aまたは配線固定具1Bの位置を調整する。
【0029】
また、作業者が配線固定具1を設置したい経路に障害物がある状況も想定される。その場合、従来では、作業者は、障害物が存在しない経路を改めて選定し、改めて選定した経路に配線固定具1を設置して配線を固定する必要があった。このように、作業者は当初に計画した経路に配線を固定できない状況が生じ得た。
【0030】
また、作業者は、配線固定具1を設置した経路に障害物が存在した場合、当該障害物の影響を受ける箇所のみ配線固定具1をずらして設置して配線を固定する状況も生じ得た。
【0031】
図2は、障害物Aが存在する状況の一例を説明するための説明図である。例えば、作業者は、障害物Aが存在することで配線固定具1Bを設置できない状況がある。このような状況では、作業者は、障害物Aを避けた位置に配線固定具1Bを設置して配線Wを固定するが、同時に配線Wの直線性を保つことが困難になり得る。
【0032】
そこで、本実施形態に係る配線固定具1は、このような障害物Aが配線固定具1を設置したい経路間にあった際においても、配線Wの直線性を保ちつつ配線Wを固定することが可能である。以下、
図3を参照して、本実施形態に係る配線固定具1を説明する。
【0033】
<2.構成例>
<2.1.配線固定具1の全体構成>
図3は、本実施形態に係る配線固定具1の構成例を説明するための説明図である。本実施形態に係る配線固定具1は、配線把持部10と、固定部20と、可動部30と、を備える。本明細書では、
図3に示すように配線Wの軸方向をZ方向とし、配線固定具1の横幅方向をX方向、配線固定具1の高さ方向をY方向として説明する。
【0034】
配線把持部10は、把持部本体100、発光体101、プレートPL、ネジS1およびネジS2を含む。把持部本体100、プレートPLおよびネジS1は、配線Wを把持する構造として機能する。発光体101は、把持部本体100に支持されている。発光体101は、直進性を有する光を発することが望ましい。発光体101が発する直進性を有する光は、例えば、レーザー光であってもよい。また、配線把持部10は、把持部本体100とネジS2により可動部30を挟持することにより、可動部30に連結されている。詳細は後述する通り、配線把持部10の位置は、固定部20に対して相対的に可変である。また、配線把持部10の位置は、配線の軸方向に交差する方向に可変である。
【0035】
固定部20は、固定部本体200および固定用ネジS3を含み、任意の設置場所に固定される。例えば、固定部本体200は
図3に示したように中空のコの字形状を有する。固定部20は、固定部本体200の中空部分に固定物Fが配置された状態で固定部本体200と固定用ネジS3により固定物Fを挟持することにより、固定物Fに固定される。すなわち、固定部20は、固定物Fが存在する任意の設置場所に固定され得る。
【0036】
可動部30は、配線把持部10と固定部20との間に設けられ、固定部20に対して移動可能である。なお、以下の説明では、配線把持部10に連結される可動部30の面を把持部連結面と表現し、固定部20に連結される可動部30の面を固定部連結面と表現する場合がある。
【0037】
配線把持部10および可動部30は、ネジS2により連結される。また、固定部20および可動部30は、ネジS4により連結される。
【0038】
以下、
図4~
図6を参照し、配線把持部10、固定部20および可動部30の構成例を順次説明する。なお、以下の説明では、
図3に示す配線固定具1の方向を正面図として説明する。
【0039】
<2.2.配線把持部10の構成例>
図4Aは、本実施形態に係る把持部本体100の正面図である。本実施形態に係る配線把持部10は、配線を把持する構造を有し、配線が把持されている状態の配線の把持位置における配線の軸方向に対して平行な光を発する発光体101を支持する。配線を把持する構造は、例えば、
図4Aに示すような直線状に形成された溝Nであってもよい。
【0040】
また、把持部本体100は、発光体101を支持する方法の一例として、発光体101が取り付けられる穴を有していてもよい。この場合、発光体101は、当該穴に嵌め込まれ把持部本体100により支持される。または、把持部本体100は、発光体101を支持する方法の他の例として、発光体101を予め備えていてもよい。
【0041】
また、把持部本体100は、ネジ穴H1およびネジ穴H2Aを有する。作業者は、
図3に示したプレートPLを介してネジS1をネジ穴H1に取り付ける。これにより、配線把持部10は、プレートPLにより挟み込むことで配線を把持することが可能である。
【0042】
また、作業者は、
図3に示した可動部30を介してネジS2をネジ穴H2Aに取り付ける。なお、
図4Aに示すネジ穴H1およびネジ穴H2Aは、それぞれ任意の数であってもよい。
【0043】
図4Bは、本実施形態に係る把持部本体100の背面図である。配線把持部10は、配線固定具1より光の進行方向の反対側に設置された他の配線固定具が有する発光体が発した光を受ける受光的105を有する。例えば、配線把持部10は、発光体101が発する光の中心軸と同一の中心軸を有する受光的105を有する。これにより、作業者は、発光体101が発する光が前方にある配線把持部10の受光的105に当っていることを確認することで、配線の直線性を保てていることをより容易に判断することが可能である。
【0044】
なお、本実施形態に係る受光的105の形状、大きさまたは位置は
図4Bに示す例に限定されない。受光的105の形状、大きさまたは位置は、発光体101の性能や求める精度に応じて適宜変更されてもよい。
【0045】
以上、本実施形態に係る配線把持部10の構成例を説明した。続いて、
図5を参照し、本実施形態に係る固定部20の構成例を説明する。
【0046】
<2.3.固定部20の構成例>
図5は、本実施形態に係る固定部本体200の平面図である。固定部本体200は、
図5に示すように、ネジ穴H3Bおよびネジ穴H4Bを有する。作業者は、
図3に示した固定用ネジS3をネジ穴H3Bに取り付ける。固定部20は、
図3に示した固定用ネジS3により固定物Fを挟み込むことで配線固定具1を任意の設置場所に固定する。
【0047】
作業者は、
図3に示した可動部30を介して、ネジS4をネジ穴H4Bに取り付ける。
【0048】
<2.4.可動部30の構成例>
図6Aは、本実施形態に係る可動部30の平面図である。可動部30は、固定部連結面において、水平方向(X方向)に沿って形成された長穴H4Cを有する。長穴H4Cの形状は、
図6Aでは長方形である例を示しているが、本実施形態に係る長穴H4Cは係る例に限定されない。長穴H4Cの形状は、長方形の四隅に丸みがあってもよく、可動部30が可動できる範囲で任意の形状であってもよい。また、長穴H4Cの大きさは、連結に用いるネジのネジ部径に併せて適宜変更されてもよい。
【0049】
図6Bは、固定部20と可動部30とが連結された状態を示す説明図である。
図6Bに示すように、可動部30は、固定部20に対して水平方向(X方向)のスライドにより移動可能である。これにより、作業者は、障害物を水平方向に避けて配線把持部10の位置を調整できる。
【0050】
図7Aは、本実施形態に係る可動部30の側面図である。可動部30は、把持部連結面において、高さ方向(Y方向)に沿って形成された長穴H2Cを有する。なお、可動部30は、把持部連結面または上述した固定部連結面のうち少なくともいずれか一方に長穴を有していてもよい。
【0051】
図7Bは、配線把持部10と可動部30とが連結された状態を示す説明図である。
図7Bに示すように配線把持部10は、可動部30に対して高さ方向(Y方向)のスライドにより移動可能である。これにより、作業者は、障害物を高さ方向に避けて配線把持部10の位置を調整できる。
【0052】
以上、本実施形態に係る配線固定具1の構成例を説明した。以上説明したように、本実施形態に係る配線固定具1によれば、作業者は、障害物の有無や障害物の位置に応じて、配線固定具1の位置を調整することが可能である。そして、作業者は、配線把持部10が支持する発光体101の発する光が前方の配線固定具1が備える配線把持部10の受光的105に当たるように配線把持部10又は可動部30の位置を調整する。これにより、作業者は、配線の直線性を保ちつつ配線を固定することが可能である。
【0053】
なお、より高い精度で配線の直線性を保ちつつ配線を固定するためには、作業者は、受光的105に当たる光が受光的105の中心軸の方向から光が入射されたか否かを判別することが望ましい。このような受光的105の中心軸の方向から光が入射されたことを判別する一手法として、受光的に入射された光の真円の度合いを確認する方法がある。例えば、受光的105の中心軸とのなす角が大きい方向から光が入射された場合、受光的105に入射された光は楕円形として作業者に視認され得る。したがって、作業者は、受光的に入射された光の形状から光の入射された方向を判別可能になり得る。
【0054】
また、受光的に当たる光が受光的の中心軸の方向から光が入射されたか否かを判別する方法の他の例として配線把持部10の構成に創意工夫がなされてもよい。以下、配線把持部10の構成の創意工夫に関し、
図8~
図10を参照して、配線把持部10の変形例を説明する。
【0055】
<<3.変形例>>
<3.1.第1の変形例>
図8は、配線把持部10の第1の変形例を説明するための説明図である。第1の変形例に係る配線把持部10は受光的105の中心軸と同一直線上に中心軸を有する穴を有する遮光部110を備えてもよい。これにより、遮光部110は、受光的105に向かう光Lのうち、受光的105の中心軸と光のなす角が所定値以上である光Lを遮光する。この結果、作業者は、発光体101が発する光が前方にある配線把持部10の受光的105に当っているか否かを確認することで、配線の直線性を保てているか否かを判断し得る。なお、
図8では、3つの配線把持部10が配線Wを一定間隔ごとに設置する一例を示しているが、配線把持部10が配線Wを把持する間隔は必ずしも一定でなくてもよい。
【0056】
<3.2.第2の変形例>
図9は、配線把持部10の第2の変形例を説明するための説明図である。第2の変形例に係る配線把持部10は、受光的105の周囲に沿って形成された凸状構造Cを有していてもよい。凸状構造Cは、受光的105に向かう光Lのうち、受光的105の中心軸とのなす角が所定値以上である光Lを遮光する。
【0057】
また、配線把持部10は、受光的105を配線把持部10の溝部として有していてもよい。これにより、配線把持部10の溝部としてある受光的105は、受光的105の中心軸とのなす角が所定値未満である光Lのみが当たる。この結果、作業者は、発光体101が発する光が前方にある配線把持部10の受光的105に当っているか否かを確認することで、配線の直線性を保てているか否かを判断し得る。
【0058】
<3.3.第3の変形例>
図10は、配線把持部10の第3の変形例を説明するための説明図である。配線把持部10は、配線Wの軸方向と直交する2面でそれぞれ発光体101を支持し、受光的105を有していてもよい。
【0059】
この場合、配線把持部10が備える2つの発光体101は双方向に光Lを発する。そして、作業者は、双方向から入射される光Lが各々に対応する2つの受光的105に当るように配線把持部10の位置を調整する。これにより、配線固定具1は、より高い精度で配線Wの直線性を保ちつつ配線Wを固定し得る。
【0060】
<<4.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0061】
例えば、本明細書では、本実施形態に係る配線把持部10が受光的105を備える例を説明したが、本実施形態に係る配線固定具1は、作業者に一定間隔で配置され、当該間隔の所定の位置にある配線を受光的として利用してもよい。この場合、発光体101は、配線Wが直線性を保つことが可能な方向に向けて光を発するように配線把持部10により支持されてもよい。
【0062】
また、本実施形態に係る配線固定具1は、可動部30のような可動機構を必ずしも有していなくてもよい。
【0063】
また、本明細書では、配線把持部10の位置が固定部20に対して並進方向に可変である一例を説明したが、配線把持部10の位置は、固定部20に対して回転方向に可変であってもよい。これにより、作業者は、配線把持部10の位置をより高い自由度で調整し得る。
【符号の説明】
【0064】
1 配線固定具
10 配線把持部
100 把持部本体
101 発光体
105 受光的
20 固定部
200 固定部本体
30 可動部