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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130135
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】筒状容器胴
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/22 20060101AFI20230912BHJP
   B65D 3/04 20060101ALI20230912BHJP
   B65D 3/28 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65D3/22 A
B65D3/04
B65D3/28 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034631
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000145987
【氏名又は名称】株式会社昭和丸筒
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】神田 智賀
(72)【発明者】
【氏名】兼光 駿佑
(57)【要約】
【課題】マイクロプラスチックによる環境汚染および生態系への悪影響を低減しうる容器に好適に用いられる筒状容器胴を提供する。
【解決手段】円筒状容器胴2は、紙101を主体とする紙主体層10と、紙主体層10の内周側に設けられたバリア層201と、バリア層201の内周側に設けられた内面被覆層202とを備えている。円筒状容器胴2は、第1アルミニウム箔203と、第1アルミニウム箔203の内周面を被覆する第1保護膜204と、第1アルミニウム箔203の外周面に接着された紙206と、第1保護膜204の内周面に接着された第2アルミニウム箔208とを備えている。第1アルミニウム箔203の外周面に接着された紙206の外周に紙主体層10が設けられる。第1アルミニウム箔203がバリア層201となり、第2アルミニウム箔208が内面被覆層202となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を主体とする紙主体層と、紙主体層の内周側に設けられたバリア層と、バリア層の内周側に設けられた内面被覆層とを備えている筒状容器胴。
【請求項2】
バリア層が、アルミニウム箔、合成樹脂フィルムに形成されたアルミニウム蒸着膜または合成樹脂フィルムに形成されたシリカ蒸着膜からなる請求項1記載の筒状容器胴。
【請求項3】
第1アルミニウム箔と、第1アルミニウム箔の内周面を被覆する第1保護膜と、第1アルミニウム箔の外周面に接着された紙と、第1保護膜の内周面に接着された第2アルミニウム箔とを備えており、第1アルミニウム箔の外周面に接着された紙の外周に紙主体層が設けられ、第1アルミニウム箔がバリア層となり、第2アルミニウム箔が内面被覆層となっている請求項1または2記載の筒状容器胴。
【請求項4】
第2アルミニウム箔の内周面が第2保護膜で被覆されており、第2アルミニウム箔および第2保護膜が内面被覆層となっている請求項3記載の筒状容器胴。
【請求項5】
紙、第1アルミニウム箔および第1保護膜が順に積層されている第1帯状積層材と、接着剤層、第2アルミニウム箔および第2保護膜が順に積層されている第2帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、第1帯状積層材の第1保護膜が内周側を向くとともに第2帯状積層材の第2保護膜が内周側を向くように、第2帯状積層材、第1帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、第2帯状積層材の接着剤層により第1帯状積層材の第1保護膜と第2帯状積層材の第2アルミニウム箔とが接着され、第1帯状積層材の端縁どうしの継ぎ目が、第2帯状積層材によって覆われている請求項4記載の筒状容器胴。
【請求項6】
ポリエチレンテレフタレートフィルムと、ポリエチレンテレフタレートフィルムの内周面に形成されたアルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜と、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜の内周面を被覆する強化樹脂層と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの外周面に接着された紙とを備えており、ポリエチレンテレフタレートフィルムの外周面に接着された紙の外周側に紙主体層が設けられ、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜がバリア層となり、強化樹脂層が内面被覆層となっている請求項1または2記載の筒状容器胴。
【請求項7】
強化樹脂層の内周面が熱融着樹脂層で被覆されており、強化樹脂層および熱融着樹脂層が内面被覆層となっている請求項6記載の筒状容器胴。
【請求項8】
紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜、強化樹脂層および熱融着樹脂層が順に積層されている帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材の熱融着樹脂層が内周側を向くように、帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、帯状積層材が、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、帯状積層材の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層と接合されている請求項7記載の筒状容器胴。
【請求項9】
アルミニウム箔と、アルミニウム箔の内周面を被覆する強化樹脂層と、アルミニウム箔の外周面に接着された紙とを備えており、アルミニウム箔の外周面に接着された紙の外周側に紙主体層が設けられ、アルミニウム箔がバリア層となり、強化樹脂層が内面被覆層となっている請求項1または2記載の筒状容器胴。
【請求項10】
強化樹脂層の内周面が熱融着樹脂層で被覆されており、強化樹脂層および熱融着樹脂層が内面被覆層となっている請求項9記載の筒状容器胴。
【請求項11】
紙、アルミニウム箔、強化樹脂層および熱融着樹脂層が順に積層されている帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材の強化樹脂層が内周側を向くように、帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、帯状積層材が、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、帯状積層材の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層と接合されている請求項10記載の筒状容器胴。
【請求項12】
請求項1~11のうちのいずれかに記載の筒状容器胴と、筒状容器胴の開口を閉鎖する閉鎖部からなる容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、紙を主体とする材料で形成されて、たとえば化粧品、文具、飲食品などが収容される容器に用いられる筒状容器胴に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という語には純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、「容器」という語には収容部材を含むものとする。
【背景技術】
【0003】
化粧品を収容する容器として、たとえば、特許文献1に記載されているように、ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンとを含む樹脂組成物を延伸ブロー成形して得られた容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-222296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、マイクロプラスチックによる環境汚染(海洋汚染)および生態系への悪影響が問題となっており、環境負荷を低減するための様々な取り組みが始まっている。
【0006】
この発明の目的は、上記実情に鑑みてなされたもので、マイクロプラスチックによる環境汚染および生態系への悪影響を低減しうる容器に好適に用いられる筒状容器胴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)紙を主体とする紙主体層と、紙主体層の内周側に設けられたバリア層と、バリア層の内周側に設けられた内面被覆層とを備えている筒状容器胴。
【0009】
2)バリア層が、アルミニウム箔、合成樹脂フィルムに形成されたアルミニウム蒸着膜または合成樹脂フィルムに形成されたシリカ蒸着膜からなる上記1)記載の筒状容器胴。
【0010】
3)第1アルミニウム箔と、第1アルミニウム箔の内周面を被覆する第1保護膜と、第1アルミニウム箔の外周面に接着された紙と、第1保護膜の内周面に接着された第2アルミニウム箔とを備えており、第1アルミニウム箔の外周面に接着された紙の外周に紙主体層が設けられ、第1アルミニウム箔がバリア層となり、第2アルミニウム箔が内面被覆層となっている上記1)または2)記載の筒状容器胴。
【0011】
4)第2アルミニウム箔の内周面が第2保護膜で被覆されており、第2アルミニウム箔および第2保護膜が内面被覆層となっている上記3)記載の筒状容器胴。
【0012】
5)紙、第1アルミニウム箔および第1保護膜が順に積層されている第1帯状積層材と、接着剤層、第2アルミニウム箔および第2保護膜が順に積層されている第2帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、第1帯状積層材の第1保護膜が内周側を向くとともに第2帯状積層材の第2保護膜が内周側を向くように、第2帯状積層材、第1帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、第2帯状積層材の接着剤層により第1帯状積層材の第1保護膜と第2帯状積層材の第2アルミニウム箔とが接着され、第1帯状積層材の端縁どうしの継ぎ目が、第2帯状積層材によって覆われている上記4)記載の筒状容器胴。
【0013】
6)ポリエチレンテレフタレートフィルムと、ポリエチレンテレフタレートフィルムの内周面に形成されたアルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜と、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜の内周面を被覆する強化樹脂層と、ポリエチレンテレフタレートフィルムの外周面に接着された紙とを備えており、ポリエチレンテレフタレートフィルムの外周面に接着された紙の外周側に紙主体層が設けられ、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜がバリア層となり、強化樹脂層が内面被覆層となっている上記1)または2)記載の筒状容器胴。
【0014】
7)強化樹脂層の内周面が熱融着樹脂層で被覆されており、強化樹脂層および熱融着樹脂層が内面被覆層となっている上記6)記載の筒状容器胴。
【0015】
8)紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム蒸着膜またはシリカ蒸着膜、強化樹脂層および熱融着樹脂層が順に積層されている帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材の熱融着樹脂層が内周側を向くように、帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、帯状積層材が、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、帯状積層材の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層と接合されている上記7)記載の筒状容器胴。
【0016】
9)アルミニウム箔と、アルミニウム箔の内周面を被覆する強化樹脂層と、アルミニウム箔の外周面に接着された紙とを備えており、アルミニウム箔の外周面に接着された紙の外周側に紙主体層が設けられ、アルミニウム箔がバリア層となり、強化樹脂層が内面被覆層となっている上記1)または2)記載の筒状容器胴。
【0017】
10)強化樹脂層の内周面が熱融着樹脂層で被覆されており、強化樹脂層および熱融着樹脂層が内面被覆層となっている上記9)記載の筒状容器胴。
【0018】
11)紙、アルミニウム箔、強化樹脂層および熱融着樹脂層が順に積層されている帯状積層材と、紙主体層を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材の強化樹脂層が内周側を向くように、帯状積層材および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、帯状積層材が、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、帯状積層材の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層と接合されている上記10)記載の筒状容器胴。
【0019】
12)上記1)~11)のうちのいずれかに記載の筒状容器胴と、筒状容器胴の開口を閉鎖する閉鎖部からなる容器。
【発明の効果】
【0020】
上記1)~11)の容器によれば、全体がプラスチックからなる従来の容器に比較してプラスチックの使用量を低減することができるので、環境汚染および生態系への悪影響を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明による筒状容器胴を用いた容器の全体構成を示す縦断面図である。
図2図1の容器の円筒状容器胴の部分拡大断面図である。
図3図1の容器の円筒状容器胴の第1の変形例を示す図2相当の断面図である。
図4図1の容器の円筒状容器胴の第2の変形例を示す図2相当の断面図である。
図5図1の容器の円筒状容器胴の第3の変形例を概略的に示す部分拡大断面図である。
図6図5の円筒状容器胴を形成する積層材層の構成を具体的に示す部分拡大断面図である。
図7図5の円筒状容器胴を形成する積層材層の変形例を示す図6相当の断面図である。
図8図5の円筒状容器胴を形成する積層材層の他の変形例を示す図6相当の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
全図面を通じて同一物および同一部分には同一符号を付す。
【0024】
図1はこの発明による筒状容器胴を用いた容器の全体構成を示し、図2図1の容器の筒状容器胴の構成を示す。
【0025】
図1において、化粧品を収容するのに用いられる容器1は、上下両端が開口した円筒状容器胴2と、円筒状容器胴2の上端開口を閉鎖しかつ中央部に化粧品注出口4を有する上閉鎖部3と、円筒状容器胴2の下端開口を閉鎖する下閉鎖部5とよりなる。化粧品注出口4は、上閉鎖部3の中央部に形成された貫通穴6の周囲に上方突出状に設けられており、着脱自在のキャップ(図示略)が取り付けられるようになっている。貫通穴6は、上閉鎖部3の下面に貼着されたメンブレン7により閉鎖されている。円筒状容器胴2の内径は、2~40mmであることが好ましい。なお、容器胴の形状は、円筒状のものに限らず、四角筒状等の多角筒状、楕円筒状など他の形状であってもよい。
【0026】
図2に示すように、円筒状容器胴2は、紙を主体とする紙主体層10と、紙主体層10の内周側に設けられ、かつ気体および/または液体の通過を遮断するバリア層201およびバリア層201の内周側に設けられた内面被覆層202を有する積層材層20とを備えている。紙主体層10は、1または2層以上の紙101からなる。積層材層20は、より詳細に説明すると、第1アルミニウム箔203と、第1アルミニウム箔203の内周面を被覆する第1保護膜204と、第1アルミニウム箔203の外周面に接着剤層205により接着された紙206と、第1保護膜204の内周面に接着剤層207により接着された第2アルミニウム箔208と、第2アルミニウム箔208の内周面を被覆する第2保護膜209とを備えている。第1アルミニウム箔203の外周面に接着された紙206の外周側に1または2以上の紙101からなる紙主体層10が設けられ、第1アルミニウム箔203がバリア層201となり、第2アルミニウム箔208および第2保護膜209が内面被覆層202となっている。
【0027】
円筒状容器胴2は、第1アルミニウム箔203、第1アルミニウム箔203の片面を被覆する第1保護膜204および第1アルミニウム箔203の他面に接着剤層205により接着された紙206からなる第1帯状積層材21と、第2アルミニウム箔208、第2アルミニウム箔208の片面を被覆する第2保護膜209および第2アルミニウム箔208の他面を被覆する接着剤層207からなる第2帯状積層材22と、紙主体層10を構成する1または2以上の帯状紙101とを、第1帯状積層材21の第1保護膜204が内周側を向くとともに第2帯状積層材22の第2保護膜209が内周側を向くように、第2帯状積層材22、第1帯状積層材21および帯状紙101を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されており、第2帯状積層材22の接着剤層207により第1帯状積層材21の第1保護膜204と第2帯状積層材22の第2アルミニウム箔208とが接着されている。第1帯状積層材21の端縁どうしの継ぎ目211は突き合わせ状となっており、第1帯状積層材21の端縁どうしの継ぎ目211が、第2帯状積層材22によって覆われている。第1帯状積層材21の第1保護膜204は、製造時におけるマンドレルに対する滑り性を向上させるものである。
【0028】
なお、第2帯状積層材22は、端縁どうしが突き合わせ状となっていてもよいし、あるいは端縁どうしが重なり合っていてもよい。
【0029】
第1帯状積層材21の第1アルミニウム箔203の厚みは、好ましくは5~50μm、より好ましくは5~15μmであり、たとえば7μmである。第1帯状積層材21の第1保護膜204としては、耐熱耐食性、滑り性改善などのため、たとえばエポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが用いられる。第1帯状積層材21の第1アルミニウム箔203の外周面に接着される紙206としては、たとえばクラフト紙、上質紙、コート紙、耐水紙などが用いられる。
【0030】
第2帯状積層材22の第2アルミニウム箔208の厚みは、5~50μm、好ましくは5~15μmであり、たとえば11μmである。第2帯状積層材22の第2保護膜209としては、たとえばエポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが用いられる。第2帯状積層材22の接着剤層205としては、たとえば塩化ビニル-酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤などが用いられる。また、第2帯状積層材22の幅は3mm以上であることが好ましい。
【0031】
紙主体層10を構成する帯状紙202としては、上質紙、コート紙、耐水紙、純白紙などの中から容器1の用途に応じて適宜選択されて用いられる。また、帯状紙202の厚みや数も、容器1の用途に応じて適宜選択される。
【0032】
図3は、図1の容器の円筒状容器胴の第1の変形例を示す。
【0033】
図3に示す円筒状容器胴30は、図2に示す円筒状容器胴2から第2保護膜209を省いたものである。
【0034】
その他の構成は、図2に示す円筒状容器胴2と同様である。
【0035】
図4は、図1の容器の円筒状容器胴の第2の変形例を示す。
【0036】
図4に示す円筒状容器胴40は、図2に示す円筒状容器胴2を構成する第2帯状積層材22が、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれ、第2帯状積層材22の側縁部どうしの重なり部222における外周側に位置する側縁部の第2保護膜209の内周面に、前記重なり部222における内周側に位置する側縁部の第2アルミニウム箔208が、接着剤層207を介して接着されたものである。
【0037】
その他の構成は、図2に示す円筒状容器胴2と同様である。
【0038】
図5および図6は、図1の容器1の円筒状容器胴の第3の変形例を示す。
【0039】
図5および図6に示す円筒状容器胴50は、紙を主体としかつ円筒状容器胴50の強度を担う紙主体層10と、紙主体層10の内周側に設けられた積層材層60とを備えている。積層材層60は、ポリエチレンテレフタレートフィルム61と、ポリエチレンテレフタレートフィルム61の内周面に形成されたアルミニウム蒸着膜62と、アルミニウム蒸着膜62の内周面を被覆する強化樹脂層63と、強化樹脂層63の内周面を被覆する熱融着樹脂層64と、ポリエチレンテレフタレートフィルム61の外周面に接着された紙65とを備えており、ポリエチレンテレフタレートフィルム61の外周面に接着された紙65の外周側に紙主体層10が設けられ、アルミニウム蒸着膜62が気体および/または液体の通過を遮断するバリア層66となり、強化樹脂層63および熱融着樹脂層64が内面被覆層67となっている。
【0040】
円筒状容器胴50は、紙65、ポリエチレンテレフタレートフィルム61、アルミニウム蒸着膜62、強化樹脂層63および熱融着樹脂層64が順に積層されている帯状積層材68と、紙主体層10を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材68の熱融着樹脂層64が内周側を向くように、帯状積層材68および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されている。帯状積層材68は、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、帯状積層材68の側縁部どうしの重なり部681における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部69が設けられ、前記重なり部681において、外方折り返し部69の熱融着樹脂層64が、重なり部681の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層64と接合されている。
【0041】
帯状積層材68のポリエチレンテレフタレートフィルム61とアルミニウム蒸着膜62とを合わせた厚みは、好ましくは5~100μm、より好ましくは5~30μmであり、たとえば15μmである。帯状積層材68の強化樹脂層63としては、厚みが好ましくは5~100μm、より好ましくは5~30μmであり、たとえば15μmのナイロンからなるものが用いられる。帯状積層材68の熱融着樹脂層64としては、厚みが好ましくは30~100μm、より好ましくは30~60μmであり、たとえば40μmの直鎖状低密度ポリエチレンからなるものが用いられる。
【0042】
紙主体層10を構成する帯状紙としては、上質紙、コート紙、耐水紙、純白紙などの中から容器の用途に応じて適宜選択されて用いられる。また、帯状紙の厚みや数も、容器の用途に応じて適宜選択される。
【0043】
図7は、図5に示す円筒状容器胴を形成する積層材層の変形例を示す。
【0044】
図7に示す積層材層70は、アルミニウム箔71と、アルミニウム箔71の内周面を被覆する強化樹脂層72と、強化樹脂層72の内周面を被覆する熱融着樹脂層73と、アルミニウム箔71の外周面に接着された紙74とを備えており、アルミニウム箔71の外周面に接着された紙74の外周側に紙主体層10が設けられ、アルミニウム箔71が気体および/または液体の通過を遮断するバリア層75となり、強化樹脂層72および熱融着樹脂層73が内面被覆層76となっている。
【0045】
図示は省略したが、積層材層70を備えた円筒状容器胴は、紙74、アルミニウム箔71、強化樹脂層72および熱融着樹脂層73が順に積層されている帯状積層材77と、紙主体層10を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材77の熱融着樹脂層73が内周側を向くように、帯状積層材77および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されている。帯状積層材77は、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、図5および図6に示す円筒状容器胴と同様に、帯状積層材70の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層と接合されている。
【0046】
帯状積層材77のアルミニウム箔71の厚みは、好ましくは5~50μm、より好ましくは5~15μmであり、たとえば7μmである。帯状積層材77の強化樹脂層72としては、厚みが好ましくは5~100μm、より好ましくは5~30μmであり、たとえば15μmのナイロンからなるものが用いられる。帯状積層材の熱融着樹脂層73としては、厚みが好ましくは30~100μm、より好ましくは30~60μmであり、たとえば40μmの直鎖状低密度ポリエチレンからなるものが用いられる。
【0047】
図8は、図5に示す円筒状容器胴を形成する積層材層の他の変形例を示す。
【0048】
図8に示す積層材層80は、アルミニウム箔81と、アルミニウム箔81の内周面を被覆する熱融着樹脂層82と、アルミニウム箔81の外周面に接着されたグラシン紙83とを備えており、アルミニウム箔81の外周面に接着されたグラシン紙83の外周側に紙主体層10が設けられ、アルミニウム箔81が気体および/または液体の通過を遮断するバリア層84となり、熱融着樹脂層82が内面被覆層85となっている。
【0049】
図示は省略したが、積層材層80を備えた円筒状容器胴は、グラシン紙83、アルミニウム箔81および熱融着樹脂層82が順に積層されている帯状積層材86と、紙主体層10を構成する1または2以上の帯状紙とを、帯状積層材80の熱融着樹脂層82が内周側を向くように、帯状積層材80および帯状紙を内周側から順にスパイラル状に巻くことにより形成されている。帯状積層材80は、一方の側縁部どうしが部分的に重なるようにスパイラル状に巻かれており、図5および図6に示す円筒状容器胴と同様に、帯状積層材80の側縁部どうしの重なり部における内周側に位置する側縁部に外方折り返し部が設けられ、前記重なり部において、外方折り返し部の熱融着樹脂層82が、前記重なり部の外周側に位置する側縁部の内周面の熱融着樹脂層82と接合されている。
【0050】
帯状積層材のアルミニウム箔81の厚みは、好ましくは5~50μm、より好ましくは5~15μmであり、たとえば9μmである。帯状積層材の熱融着樹脂層82としては、厚みが好ましくは30~100μm、より好ましくは30~60μmであり、たとえば40μmの高密度ポリエチレンからなるものが用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
この発明による容器は、化粧品を収納する容器の筒状容器胴として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0052】
1:容器、10:紙主体層、101:紙、2:円筒状容器胴、201:バリア層、202:内面被覆層、203:第1アルミニウム箔、204:第1保護膜、206:紙、207:接着剤層、208:第2アルミニウム箔、209:第2保護膜、21:第1帯状積層材、22:第2帯状積層材、3:上閉鎖部、5:下閉鎖部、30:円筒状容器胴、40:円筒状容器胴、50:円筒状容器胴、60:積層材層、61:ポリエチレンテレフタレートフィルム、62:アルミニウム蒸着膜、63:強化樹脂層、64:熱融着樹脂層、65:紙、66:バリア層、67:内面被覆層、68:帯状積層材、70:積層材層、71:アルミニウム箔、72:強化樹脂層、73:熱融着樹脂層、74:紙、75:バリア層、76:内面被覆層、77:帯状積層材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8