(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130141
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230912BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20230912BHJP
F21V 5/08 20060101ALI20230912BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20230912BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20230912BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20230912BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230912BHJP
F21V 21/26 20060101ALI20230912BHJP
F21W 131/406 20060101ALN20230912BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230912BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230912BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230912BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20230912BHJP
【FI】
F21S2/00 330
F21S2/00 621
F21S2/00 622
F21S2/00 365
F21S2/00 230
F21V19/02 300
F21V5/08
F21V5/00 510
F21V5/04 650
F21V5/02 300
F21V3/00 320
F21V21/26
F21W131:406
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y103:10
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034643
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 健太郎
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013BA01
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、光の取り出し効率の向上を図りつつ小型化を図ることである。
【解決手段】照明装置A1は、第1LEDアレイ21と、第2LEDアレイ22と、第1のレンズブロック31と、第2のレンズブロック32と、拡散部材4と、を備える。第1LEDアレイ21は、ライン状の発光領域を有する。第2LEDアレイ22は、ライン状の発光領域を有して第1LEDアレイ21と隣り合う。第1のレンズブロック31は、第1LEDアレイ21から放射される光の配光を制御する。第2のレンズブロック32、第2LEDアレイ22から放射される光の配光を制御する。拡散部材4は、第1のレンズブロック31の出射面312及び第2のレンズブロック32の出射面322と対向する。第1のレンズブロック31の配光特性と第2のレンズブロック32の配光特性が異なる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン状の発光領域を有する第1の光源と、
ライン状の発光領域を有して前記第1の光源と隣り合う第2の光源と、
前記第1の光源から放射される光の配光を制御する第1のレンズブロックと、
前記第2の光源から放射される光の配光を制御する第2のレンズブロックと、
前記第1のレンズブロックの出射面及び前記第2のレンズブロックの出射面と対向する拡散部材と、
を備え、
前記第1のレンズブロックの配光特性と前記第2のレンズブロックの配光特性が異なる、
照明装置。
【請求項2】
前記第1のレンズブロックの前記配光特性は、前記第2のレンズブロックから離れる向きに片寄っている、
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2のレンズブロックの前記配光特性は、前記第1のレンズブロックから離れる向きに片寄っている、
請求項1又は2記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1のレンズブロックの前記配光特性は、第1の配光特性と第2の配光特性を有し、前記第1の配光特性は、前記第2のレンズブロックに近付く向きに片寄っており、前記第2の配光特性は、前記第2のレンズブロックから離れる向きに片寄っている、
請求項1-3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の光源は、基板と、前記基板に実装される複数の第1発光素子と、を有し、
前記第2の光源は、前記基板に実装される複数の第2発光素子を有する、
請求項1-4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1のレンズブロックと前記第2のレンズブロックは、透光性を有する材料で一体に形成されている、
請求項1-5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記拡散部材は、透光性を有する材料で板状に形成されている、
請求項1-6のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1の光源、前記第2の光源、前記第1のレンズブロック、前記第2のレンズブロック、及び前記拡散部材を保持する本体と、
前記本体を回転可能に支持する支持部と、
を更に備える、
請求項1-7のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関し、より詳細には、演出用の照明を行うための照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置を例示する。特許文献1記載の照明装置(以下、従来例という。)は、テレビ局の撮影スタジオ又はステージなどの背景としての壁面(ホリゾント面)を照明する用途(演出照明)に用いられる。
【0003】
従来例は、光源部、光源部に電源を供給する電源部、電源部に対して光源部を角度調整可能に支持する支持部を備えている。光源部は、筐体、筐体内に収容された発光モジュールおよび反射装置を備えている。
【0004】
発光モジュールは、横長の基板と、基板の一面に実装された複数の発光素子(LED又は有機EL素子)と、を備えている。反射装置は、第1の反射体と第2の反射体を有している。筐体は、一面である上面が開口されたケース、及びケースの開口を覆って配置されたプリズムレンズを備えている。
【0005】
従来例において、発光素子が発光することにより、発光素子から光軸方向に向かう光がプリズムレンズを透過して直接光として光照射面(壁面)に照射される。また、発光素子から第1の反射体に向かう光が第1の反射体の反射面で反射した後にプリズムレンズを透過して出射される。さらに、発光素子から第2の反射体に向かう光が第2の反射体の反射面で反射してプリズムレンズを透過して出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来例のように発光素子の光の配光を反射体で制御する構造では、光の取り出し効率の向上が困難であり、かつ、照明装置の小型化も難しかった。
【0008】
本開示の目的は、光の取り出し効率の向上を図りつつ小型化を図ることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る照明装置は、ライン状の発光領域を有する第1の光源と、ライン状の発光領域を有して前記第1の光源と隣り合う第2の光源と、を備える。前記照明装置は、前記第1の光源から放射される光の配光を制御する第1のレンズブロックと、前記第2の光源から放射される光の配光を制御する第2のレンズブロックと、を備える。前記照明装置は、前記第1のレンズブロックの出射面及び前記第2のレンズブロックの出射面と対向する拡散部材を備える。前記第1のレンズブロックの配光特性と前記第2のレンズブロックの配光特性が異なる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の照明装置は、光の取り出し効率の向上を図りつつ小型化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明装置の正面図である。
【
図4】
図4は、同上の照明装置における光源ユニットの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の光源ユニットのエンド板を省略した側面図である。
【
図6】
図6は、同上の光源ユニットにおけるレンズユニットの一部を省略した背面図である。
【
図7】
図7は、同上の光源ユニットにおけるレンズユニットの配光制御を説明するための説明図である。
【
図8】
図8は、同上の照明装置の使用状態の側面図である。
【
図9】
図9Aは、同上のレンズユニットにおける第1のレンズブロックの配光特性を示す図である。
図9Bは、同上のレンズユニットにおける第1のレンズブロックと拡散部材を含む配光特性を示す図である。
【
図10】
図10Aは、同上のレンズユニットにおける第2のレンズブロックの配光特性を示す図である。
図10Bは、同上のレンズユニットにおける第2のレンズブロックと拡散部材を含む配光特性を示す図である。
【
図11】
図11は、同上のレンズユニットと拡散部材を合わせた配光特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態に係る照明装置について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)概要
本開示の実施形態に係る照明装置A1は、第1の光源(第1LEDアレイ21)と、第2の光源(第2LEDアレイ22)と、第1のレンズブロック31と、第2のレンズブロック32と、拡散部材4と、を備える(
図1-
図4参照)。第1の光源(第1LEDアレイ21)は、ライン状の発光領域を有する。第2の光源(第2LEDアレイ22)は、ライン状の発光領域を有して第1の光源(第1LEDアレイ21)と隣り合う。第1のレンズブロック31は、第1の光源(第1LEDアレイ21)から放射される光の配光を制御する。第2のレンズブロック32、第2の光源(第2LEDアレイ22)から放射される光の配光を制御する。拡散部材4は、第1のレンズブロック31の出射面及び第2のレンズブロック32の出射面と対向する。第1のレンズブロック31の配光特性と第2のレンズブロック32の配光特性が異なる。
【0014】
しかして、本開示の実施形態に係る照明装置A1は、第1の光源(第1LEDアレイ21)の配光を制御する第1のレンズブロック31と、第2の光源(第2LEDアレイ22)の配光を制御する第2のレンズブロック32と、を備えている。そのため、本開示の実施形態に係る照明装置A1は、反射板を用いて配光を制御する従来例に比べて、第1の光源(第1LEDアレイ21)及び第2の光源(第2LEDアレイ22)の光の取り出し効率の向上を図りつつ小型化を図ることができる。しかも、本開示の実施形態に係る照明装置A1は、第1のレンズブロック31の配光特性と第2のレンズブロック32の配光特性を異ならせているので、光の照射範囲を拡大しつつ照射面における光の均斉度の向上を図ることができる。
【0015】
(2)詳細
本開示の実施形態に係る照明装置A1(以下、照明装置A1と略す。)は、
図1-
図3に示すように、光源ユニットB1と、制御ユニットC1と、を備える。なお、照明装置A1は、従来例と同様に、テレビ局の撮影スタジオ又はステージなどの背景としての壁面(ホリゾント面)を照明する用途(演出照明、舞台照明)に用いられる、いわゆる、ホリゾントライト(ロワーホリゾントライト)である。ただし、実施形態に係る照明装置は、壁面を上方から照明するアッパーホリゾントライトでもよいし、ホリゾントライト以外の演出照明及び舞台照明用の照明装置でも構わない。
【0016】
(2-1)制御ユニット
制御ユニットC1は、金属製のハウジング7と、ハウジング7内に収容される、電源装置及び制御装置と、一対のアーム70と、を備えている(
図1-
図3参照)。
【0017】
電源装置は、商用の電力系統から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路を有する。電力変換回路は、例えば、半導体スイッチング素子を備えたスイッチング電源回路で構成される。
【0018】
制御装置は、マイクロコントローラを主構成要素とする。また、制御装置は、外部のコントローラ(例えば、調光操作卓)と通信するための通信回路を有している。通信回路は、照明制御に適した通信規格、例えば、DMX(Digital Multiplex)512Aに準拠したディジタルの制御信号(以下、DMX信号と呼ぶ。)を送受信する機能を有している。ただし、通信回路は、DMX512A以外の通信規格、例えば、DALI(Digital Addressable Lighting Interface:登録商標)、あるいは、100BASE-T及び1000BASE-Tなどの有線LANの規格に準拠した制御信号を送受信する機能を有しても構わない。
【0019】
制御装置は、マイクロコントローラで照明制御用のプログラムを実行することにより、通信回路を通じて外部のコントローラから受け取る指令に応じて電源装置を制御し、光源ユニットB1の点滅、調光、調色などを行う。
【0020】
ハウジング7は、金属板によって長尺の箱状に形成されている。そして、電源装置及び制御装置がハウジング7内に収容される。なお、ハウジング7の上面における短手方向の一端に台形状の突台71が形成されている(
図2参照)。
【0021】
一対のアーム70はそれぞれ、金属板によって弧状に形成されている。一対のアーム70にはそれぞれ、弧状の溝700がアーム70の厚み方向に貫通している。一対のアーム70は、それぞれの溝700に1つずつ挿通された2つのつまみねじ72によってハウジング7の長手方向の両端にねじ止めされる。なお、一対のアーム70の前端は、後述する光源ユニットB1の本体1の後面に固定される(
図2及び
図3参照)。
【0022】
(2-2)光源ユニット
光源ユニットB1は、本体1と、2つのLEDモジュール2と、レンズユニット3と、拡散部材4と、を備える(
図4参照)。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図4に矢印で示した前後、左右、上下の各方向を光源ユニットB1の前後、左右、上下の各方向と規定する。
【0023】
(2-2-1)本体
本体1は、2つのLEDモジュール2、レンズユニット3、及び拡散部材4が取り付けられる取付台10と、一対のエンド板18と、を備える(
図4及び
図5参照)。
【0024】
取付台10は、一対の側板11と、支持部12と、複数の放熱板13と、底板14と、を有し、アルミ又はアルミ合金などの熱伝導性が良好な材料で形成されている(
図5参照)。一対の側板11は、それぞれ長方形の板状に形成されている。ただし、一対の側板11のうち、下方に配置される側板11を下側板11Dと呼び、上方に配置される側板11を上側板11Uと呼ぶ場合がある。
【0025】
一対の側板11の前端部分に第1保持部111と第2保持部112がそれぞれ設けられている。第1保持部111及び第2保持部112はそれぞれ、角とい状に形成されている。第2保持部112は、各側板11の前端に配置されている。第1保持部111は、各側板11において第2保持部112より後方に配置されている。
【0026】
支持部12は、長方形の平板状に形成され、上側板11Uの短手方向(前後方向)のほぼ中央から上側板11Uと垂直に突出している(
図4及び
図5参照)。支持部12の前面に2つのLEDモジュール2が長手方向(左右方向)に並べて支持される(
図4参照)。なお、2つのLEDモジュール2は、例えば、基板20が支持部12にねじ止めされて支持部12に固定されることが好ましい。
【0027】
複数の放熱板13はそれぞれ、長方形の平板状に形成されている。複数の放熱板13は、上下方向に間隔を空けて並び、かつ、支持部12の後面から支持部12と垂直に突出している。ただし、複数の放熱板13のうちの1つの放熱板13は、左右方向から見てL字形に形成されている(
図5参照)。
【0028】
底板14は、長方形の平板状に形成され、最下段の放熱板13の後端と下側板11Dの後端をつないでいる。なお、底板14の長手方向の中央に貫通穴が設けられている。この貫通穴にガスケット15が嵌め込まれている。ガスケット15は、2つのLEDモジュール2と制御ユニットC1の電源装置を電気的に接続するためのケーブル16(
図4参照)を保護している。
【0029】
一対のエンド板18は、取付台10と同様に熱伝導性の良好な材料によって長方形の平板状に形成されている。片方のエンド板18は、取付台10の長手方向の一端(左端)に固定される。もう片方のエンド板18は、取付台10の長手方向の他端(右端)に固定される。
【0030】
(2-2-2)LEDモジュール
2つのLEDモジュール2は共通の構成を有している。LEDモジュール2は、長方形状の基板20と、複数の第1LED210と、複数の第2LED220と、を有している。
【0031】
複数の第1LED210は、例えば、パッケージ型のLEDである。複数の第1LED210は、基板20の前面(実装面)における短手方向(上下方向)の一端部分(下端部分)に、基板20の長手方向(左右方向)に沿って1列に並べて実装されている。ただし、複数の第1LED210は、例えば、ジグザグに並べて実装されても構わない。そして、複数の第1LED210によってライン状の発光領域が形成される。ここで、複数の第1LED210は、異なる複数種類の色(例えば、赤色、緑色、青色、白色など)の光を放射するLEDをそれぞれ複数個ずつ含んでいる。なお、以下の説明においては、これら複数の第1LED210をまとめて第1LEDアレイ21と呼ぶ。
【0032】
複数の第2LED220は、第1LED210と同様に、パッケージ型のLEDである。複数の第2LED220は、基板20の前面における短手方向の他端部分(上端部分)に、基板20の長手方向に沿って1列に並べて実装されている。ただし、複数の第2LED220は、例えば、ジグザグに並べて実装されても構わない。そして、複数の第2LED220によってライン状の発光領域が形成される。ここで、複数の第2LED220は、複数の第1LED210と同様に、異なる複数種類の色(例えば、赤色、緑色、青色、白色など)の光を放射するLEDをそれぞれ複数個ずつ含んでいる。なお、以下の説明においては、これら複数の第2LED220をまとめて第2LEDアレイ22と呼ぶ。また、複数の第1LED210が実装される基板と複数の第2LED220が実装される基板が、独立した別々の基板であっても構わない。
【0033】
(2-2-3)拡散部材
拡散部材4は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹材料によって長方形の平板状に形成されている(
図4及び
図5参照)。
【0034】
拡散部材4は、例えば、酸化チタン、ガラスビーズ、マイカなどの充填剤が合成樹脂材料に充填されて形成されることにより、透過する光を拡散させるように構成されている。あるいは、拡散部材4は、表面又は表裏両面に凹凸加工又はシボ加工が施されることにより、透過する光を拡散させるように構成されてもよい。
【0035】
(2-2-4)レンズユニット
レンズユニット3は、第1のレンズブロック31と、第2のレンズブロック32と、ベース30と、複数のリブ33と、を有する(
図5及び
図6参照)。なお、第1のレンズブロック31、第2のレンズブロック32、ベース30、及び複数のリブ33は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂の成形体として一体に形成されている。
【0036】
ベース30は、長方形の平板状に形成されている。ベース30の後面に第1のレンズブロック31と第2のレンズブロック32が設けられている。第1のレンズブロック31は、ベース30の後面における下側にベース30の長手方向に沿って設けられている。第2のレンズブロック32は、ベース30の後面における上側にベース30の長手方向に沿って設けられている。したがって、ベース30の前面が第1のレンズブロック31及び第2のレンズブロック32の出射面となる。
【0037】
第2のレンズブロック32は、第2LEDアレイ22の配光を制御する。第2のレンズブロック32は、集光部320と一対の反射部321を有している。集光部320は、コリメータレンズであり、第2LEDアレイ22から放射される光(以下、第2の放射光と呼ぶ場合がある。)の一部を平行光に近付けて出射面322から出射するように配光制御する(
図7参照)。一対の反射部321は、互いに鏡像の関係にあり、集光部320を上下方向から挟むように設けられている。一対の反射部321は、第2の放射光の一部を内部全反射するように構成されている(
図7参照)。
【0038】
第1のレンズブロック31も集光部310と反射部311を有している。第1のレンズブロック31の集光部310は、コリメータレンズである。第1のレンズブロック31は、第1LEDアレイ21から放射される光(以下、第1の放射光と呼ぶ場合がある。)のうちで第1LEDアレイ21の光軸から上側の範囲に放射される第1の放射光の一部を平行光に近付けて出射面322から出射するように配光制御する(
図7参照)。反射部311は、集光部310の上側に設けられている。反射部311は、第1LEDアレイ21の光軸から上側の範囲に放射される第1の放射光の一部を内部全反射するように構成されている(
図7参照)。なお、第1の放射光のうちで第1LEDアレイ21の光軸から下側の範囲に放射される第1の放射光は、第1のレンズブロック31に配光制御されずにベース30を透過する(
図7参照)。
【0039】
複数のリブ33はそれぞれ、円柱状に形成されている(
図5及び
図6参照)。複数のリブ33はそれぞれ、ベース30の後面において、第1のレンズブロック31と第2のレンズブロック32の間から後方に向かって垂直に突出している。なお、複数のリブ33のそれぞれの後端は、第1のレンズブロック31及び第2のレンズブロック32のそれぞれの後端よりも後方に位置している(
図5参照)。
【0040】
(2-2-5)光源ユニットの組立て
次に、光源ユニットB1を組み立てる手順を説明する。
【0041】
まず、取付台10の前面に2つのLEDモジュール2が取り付けられる。続いて、レンズユニット3のベース30の短手方向の両端部分が、取付台10の長手方向の一端から取付台10の一対の第1保持部111に挿入される。その結果、レンズユニット3が一対の第1保持部111に保持される(
図5参照)。このとき、レンズユニット3の複数のリブ33の後端がLEDモジュール2の基板20の前面に当たることにより、LEDモジュール2に対してレンズユニット3を位置決めすることができる。
【0042】
続いて、拡散部材4の短手方向の両端部分が、取付台10の長手方向の一端から取付台10の一対の第2保持部112に挿入される。その結果、拡散部材4が一対の第2保持部112に保持される(
図5参照)。
【0043】
最後に、取付台10の両端に一対のエンド板18が1つずつ固定されて光源ユニットB1の組立てが完了する。
【0044】
なお、光源ユニットB1は、取付台10の後面に取り付けられた2つの蝶番17によって、制御ユニットC1のハウジング7(突台71の斜面)に回転可能に取り付けられる(
図2及び
図3参照)。ただし、光源ユニットB1は、一対のアーム70の溝700に沿って回転可能であり、2つのつまみねじ72に締め付けられることでアーム70の任意の位置で固定される。
【0045】
(2-3)照明装置の動作
照明装置A1は、
図8に示すように、撮影スタジオ又は舞台の床F1に設置されて背景面W1(壁面又は背景幕)に光(第1の照射光及び第2の照射光)を照射して演出照明を行う。
【0046】
光源ユニットB1の第1LEDアレイ21及び第2LEDアレイ22は、制御ユニットC1の電源装置から直流電力が供給されて第1の放射光及び第2の放射光を放射する。
【0047】
第1の放射光の一部は、第1のレンズブロック31に配光制御され、第1の放射光の残りは、第1のレンズブロック31に配光制御されない。
図9Aの曲線α11は、第1のレンズブロック31の縦方向(レンズユニット3の短手方向)の配光特性を示し、
図9Aの曲線β11は、第1のレンズブロック31の横方向(レンズユニット3の長手方向)の配光特性を示している。
図9Aにおいて0度の軸は第1LEDアレイ21の光軸と一致し、プラスの向きは上向き(第1のレンズブロック31に近付く向き)及び左向きを示し、マイナスの向きは下向き(第1のレンズブロック31から離れる向き)及び右向きを示している。
図9Aから明らかなように、第1の配光特性と第2の配光特性の2つの配光特性を有している。第1の配光特性は、第2のレンズブロック32に近付く向き(上向き)に片寄った配光特性である。一方、第2の配光特性は、第2のレンズブロック32から離れる向き(下向き)の配光特性である。なお、第1のレンズブロック31の横方向の配光特性は、左右方向にほぼフラットな特性となる(曲線β11参照)。
【0048】
そして、レンズユニット3を透過した第1の放射光は、拡散部材4で拡散されて背景面W1の相対的に低い位置に照射される(
図8参照)。
図9Bの曲線α12は、拡散部材4を透過した第1の放射光の縦方向の配光特性を示し、
図9Bの曲線β12は、拡散部材4を透過した第1の放射光の横方向の配光特性を示している。
図9Bから明らかなように、拡散部材4で拡散された第1の放射光は、縦方向において、第1LEDアレイ21の光軸に対してわずかに下向きに配光されている。
【0049】
しかして、第1LEDアレイ21から放射される第1の放射光は、第1のレンズブロック31に配光制御され、かつ、拡散部材4で拡散されることによって、光の照射範囲を拡大しつつ照射面における光の均斉度の向上を図ることができる。なお、第1の放射光には赤色光、緑色光、青色光、白色光などの異なる色の光が含まれているが、拡散部材4を透過する際に拡散されて混色される。そのため、背景面W1に照射される第1の放射光の色むらが抑制される。
【0050】
第2の放射光は、第2のレンズブロック32に配光制御される。
図10Aの曲線α21は、第2のレンズブロック32の縦方向の配光特性を示し、
図10Aの曲線β21は、第2のレンズブロック32の横方向の配光特性を示している。
図10Aにおいて0度の軸は第2LEDアレイ22の光軸と一致し、プラスの向きは上向き及び左向きを示し、マイナスの向きは下向き及び右向きを示している。
図10Aから明らかなように、第2のレンズブロック32で配光制御された第2の放射光は、第2LEDアレイ22の光軸と光量のピークが近くなっている(曲線α21参照)。なお、第2のレンズブロック32の横方向の配光特性は、縦方向に比べて左右方向に広がった特性となる(曲線β21参照)。
【0051】
そして、レンズユニット3を透過した第2の放射光は、拡散部材4で拡散されて背景面W1の相対的に高い位置に照射される(
図8参照)。
図10Bの曲線α22は、拡散部材4を透過した第2の放射光の縦方向の配光特性を示し、
図10Bの曲線β22は、拡散部材4を透過した第2の放射光の横方向の配光特性を示している。
図10Bから明らかなように、拡散部材4で拡散された第2の放射光は、縦方向において、第2LEDアレイ22の光軸に対してわずかに上向きに配光されている。
【0052】
しかして、第2LEDアレイ22から放射される第2の放射光は、第2のレンズブロック32に配光制御され、かつ、拡散部材4で拡散されることによって、光の照射範囲を拡大しつつ照射面における光の均斉度の向上を図ることができる。なお、第2の放射光には赤色光、緑色光、青色光、白色光などの異なる色の光が含まれているが、拡散部材4を透過する際に拡散されて混色される。そのため、背景面W1に照射される第2の放射光の色むらが抑制される。
【0053】
ここで、
図11の曲線α31は、拡散部材4を透過した第1の放射光及び第2の放射光を合わせた放射光全体の縦方向の配光特性を示し、
図11の曲線β31は、拡散部材4を透過した放射光全体の横方向の配光特性を示している。
図11から明らかなように、照明装置A1は、光の照射範囲を拡大しつつ照射面における光の均斉度の向上を図ることができる。
【0054】
(3)まとめ
本開示の第1の態様に係る照明装置(A1)は、第1の光源(第1LEDアレイ21)と、第2の光源(第2LEDアレイ22)と、第1のレンズブロック(31)と、第2のレンズブロック(32)と、拡散部材(4)と、を備える。第1の光源は、ライン状の発光領域を有する。第2の光源は、ライン状の発光領域を有して第1の光源と隣り合う。第1のレンズブロック(31)は、第1の光源から放射される光の配光を制御する。第2のレンズブロック(32)、第2の光源から放射される光の配光を制御する。拡散部材(4)は、第1のレンズブロック(31)の出射面(312)及び第2のレンズブロック(32)の出射面(322)と対向する。第1のレンズブロック(31)の配光特性と第2のレンズブロック(32)の配光特性が異なる。
【0055】
第1の態様に係る照明装置(A1)は、反射板を用いて配光を制御する従来例に比べて、第1の光源及び第2の光源の光の取り出し効率の向上を図りつつ小型化を図ることができる。しかも、第1の態様に係る照明装置(A1)は、第1のレンズブロック(31)の配光特性と第2のレンズブロック(32)の配光特性を異ならせているので、光の照射範囲を拡大しつつ照射面における光の均斉度の向上を図ることができる。
【0056】
本開示の第2の態様に係る照明装置(A1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る照明装置(A1)において、第1のレンズブロック(31)の配光特性は、第2のレンズブロック(32)から離れる向きに片寄っていることが好ましい。
【0057】
第2の態様に係る照明装置(A1)は、光の照射範囲を更に拡大しつつ照射面における光の均斉度の更なる向上を図ることができる。
【0058】
本開示の第3の態様に係る照明装置(A1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る照明装置(A1)において、第2のレンズブロック(32)の配光特性は、第1のレンズブロック(31)から離れる向きに片寄っていることが好ましい。
【0059】
第3の態様に係る照明装置(A1)は、光の照射範囲を更に拡大しつつ照射面における光の均斉度の更なる向上を図ることができる。
【0060】
本開示の第4の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る照明装置(A1)において、第1のレンズブロック(31)の配光特性は、第1の配光特性と第2の配光特性を有することが好ましい。第1の配光特性は、第2のレンズブロック(32)に近付く向きに片寄っていることが好ましい。第2の配光特性は、第2のレンズブロック(32)から離れる向きに片寄っていることが好ましい。
【0061】
第4の態様に係る照明装置(A1)は、光の照射範囲を更に拡大しつつ照射面における光の均斉度の更なる向上を図ることができる。
【0062】
本開示の第5の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る照明装置(A1)において、第1の光源は、基板(20)と、基板(20)に実装される複数の第1発光素子(第1LED210)と、を有することが好ましい。第2の光源は、基板(20)に実装される複数の第2発光素子(第2LED220)を有することが好ましい。
【0063】
第5の態様に係る照明装置(A1)は、1つの基板(20)に複数の第1発光素子と複数の第2発光素子が実装されるので、部品点数の削減による製造コストの削減と小型化を図ることができる。
【0064】
本開示の第6の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る照明装置(A1)において、第1のレンズブロック(31)と第2のレンズブロック(32)は、透光性を有する材料で一体に形成されていることが好ましい。
【0065】
第6の態様に係る照明装置(A1)は、第1のレンズブロック(31)と第2のレンズブロック(32)が一体に形成されているので、部品点数の削減による製造コストの削減と組立て作業の簡素化を図ることができる。
【0066】
本開示の第7の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第6のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る照明装置(A1)において、拡散部材(4)は、透光性を有する材料で板状に形成されていることが好ましい。
【0067】
第7の態様に係る照明装置(A1)は、拡散部材(4)が板状に形成されることで製造が容易であり、かつ、組立性の向上を図ることができる。
【0068】
本開示の第8の態様に係る照明装置(A1)は、第1-第7のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る照明装置(A1)において、第1の光源、第2の光源、第1のレンズブロック(31)、第2のレンズブロック(32)、及び拡散部材(4)を保持する本体(1)と、本体(1)を回転可能に支持する支持部(ハウジング7、アーム70)と、を更に備えることが好ましい。
【0069】
第8の態様に係る照明装置(A1)は、支持部に対して本体(1)を回転させて光の照射方向を調整することができる。
【符号の説明】
【0070】
A1 照明装置
B1 光源ユニット
C1 制御ユニット
1 本体
4 拡散部材
7 ハウジング(支持部)
20 基板
21 第1LEDアレイ(第1の光源)
22 第2LEDアレイ(第2の光源)
31 第1のレンズブロック
32 第2のレンズブロック
70 アーム(支持部)
210 第1LED(第1発光素子)
220 第2LED(第2発光素子)
312 出射面
322 出射面