(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130143
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20230912BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230912BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20230912BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230912BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/20
H05B47/165
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034645
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 幸夫
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA07
3K273QA30
3K273RA02
3K273RA05
3K273SA03
3K273SA06
3K273SA24
3K273SA35
3K273SA36
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA29
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA78
3K273TA79
3K273UA02
3K273UA18
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】明るさ調整に関する容易性の改善を図ること。
【解決手段】制御システム1は、光源部7から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる。制御システム1は、比率取得部11と、調整部12と、出力部13と、を備える。比率取得部11は、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。調整部12は、複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。出力部13は、調整部12による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。対象光は、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる制御システムであって、
前記複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する比率取得部と、
前記複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、前記比率を維持するように前記対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する調整部と、
前記調整部による調整結果に応じた前記複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する出力部と、
を備え、
前記対象光は、前記複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である、
制御システム。
【請求項2】
外部からの操作入力に応じて変更され得る補助パラメータのレベルを記憶する記憶部と、
前記複数の明るさレベルのうち1以上の明るさレベルを変更する指令に関する指令情報を取得するレベル変更取得部と、
前記レベル変更取得部で取得した前記指令情報に基づき、前記記憶部内の前記補助パラメータのレベルを、変更後における前記対象光の明るさレベルと同じレベルに更新するパラメータ更新部と、
を更に備える、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記パラメータ更新部は、前記1以上の明るさレベルを変更する前と後とで、前記対象光が前記複数色の光の中で入れ替わる場合、前記記憶部内の前記補助パラメータのレベルを、入れ替わり後の前記対象光の明るさレベルと同じレベルに更新する、
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記補助パラメータのレベルを変更する指令に関する指令情報を取得するパラメータ変更取得部を更に備え、
前記パラメータ更新部は、前記パラメータ変更取得部で取得した前記指令情報に基づき、前記記憶部内の前記補助パラメータのレベルを更新し、
前記調整部は、更新後における前記補助パラメータのレベルに一致するように前記対象光の明るさレベルを変更し、かつ前記比率を維持するように前記対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する、
請求項2又は3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記調整部は、更新後における前記補助パラメータのレベルが最小レベルに一致する場合、前記複数の明るさレベルを全て最小に調整する、
請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記比率情報を表示部から表示させる表示出力部を更に備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
光源部から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる制御方法であって、
前記複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する比率取得処理と、
前記複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、前記比率を維持するように前記対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する調整処理と、
前記調整処理による調整結果に応じた前記複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する出力処理と、
を含み、
前記対象光は、前記複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である、
制御方法。
【請求項8】
1以上のプロセッサに、請求項7に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、制御システム、制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には本開示は、照明器具の調光に関する制御を行う制御システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、調光卓やパーソナルコンピュータ、電子タブレット等の外部端末により調光制御等がなされる照明制御装置について開示されている。この照明制御装置は、外部端末に接続され、DMX規格に沿った通信プロトコルやDMX規格を拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式により外部端末と双方向通信が可能である。この照明制御装置は、外部端末から送信された光源部の調光レベルを設定する制御信号に従って、光束や色温度、照射範囲を変化させることによりスタジオや舞台等の照明演出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばRGB等の複数色の光を調光して所定色の照明光を提供する照明演出において、各色の光の明るさの調整が容易でない可能性があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、明るさ調整に関する容易性の改善を図った制御システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御システムは、光源部から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる。前記制御システムは、比率取得部と、調整部と、出力部と、を備える。前記比率取得部は、前記複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。前記調整部は、前記複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、前記比率を維持するように前記対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。前記出力部は、前記調整部による調整結果に応じた前記複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。前記対象光は、前記複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【0007】
本開示の一態様に係る制御方法は、光源部から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる方法である。前記制御方法は、比率取得処理と、調整処理と、出力処理と、を含む。前記比率取得処理では、前記複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。前記調整処理では、前記複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、前記比率を維持するように前記対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。前記出力処理では、前記調整処理による調整結果に応じた前記複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。前記対象光は、前記複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る制御システムを含む照明システム全体の概略ブロック構成図である。
【
図2】
図2A~
図2Cは、同上の制御システムが適用される調光操作卓の要部(操作パネル)を示す概念図である。
【
図3】
図3A~
図3Cは、同上の制御システムにおける補助パラメータの更新処理を説明するための概念図である。
【
図4】
図4A~
図4Cは、同上の制御システムにおける第1調整処理を説明するための概念図である。
【
図5】
図5A~
図5Cは、同上の制御システムにおける第2調整処理を説明するための概念図である。
【
図6】
図6は、同上の制御システムにおける動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(概要)
以下、実施形態に係る制御システム、制御方法、及びプログラムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
図1に示すように、一態様に係る制御システム1は、光源部7から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる。一例として、照明光は、演出照明用の光であり、光源部7は、演出照明を行う1又は複数(
図1では3つ)の照明器具8の各々に設けられていることを想定する。演出照明は、屋内であれば舞台、コンサートホール、イベントホール、テレビスタジオ、学校、ホテルの宴会場、公民館等において適用され、屋外であれば夜間の景観(ビル、タワー、城、橋、テーマパーク等のライトアップ演出)に適用され得る。
【0013】
照明器具8の種類は特に限定されないが、例えば、投光器、又はダウンライト等である。具体的には、照明器具8は、スポットライト、フラッドライト、又はホリゾントライト等である。照明器具8は、演出照明を提供する現場における造営材に取り付けられる。以下では、「複数色の光」は、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の光を含み、照明器具8は、いわゆるRGBカラー照明器具であることを想定する。しかし、「複数色の光」は、RGBに限定されず、例えば、RGBの3色に加えてW(白色)を含んでよい。
【0014】
本開示における複数色の光の各々の「明るさ」は、光源部7に供給する電流の大きさに依存し、例えば、光源部7における各色の光を発する光源(例えばLED:Light Emitting Diode)により照らされる面の単位面積当たりの光束、すなわち照度(ルクス)であることを想定する。以下では、「明るさレベル(調光レベル)」について、理解し易いように、各光源部7の定格出力を「100%」とした0%~100%の百分率のスケールを用いて説明することがあるが、特に限定されない。「明るさレベル(調光レベル)」を含む制御信号は、例えば、各光源部7の定格出力を「255」とした0~255の数値範囲のスケール(256段階)で出力され得る。
【0015】
制御システム1は、
図1に示すように、比率取得部11と、調整部12と、出力部13と、を備える。一例として、制御システム1の機能が全て調光操作卓100に設けられていることを想定する。
【0016】
比率取得部11は、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。調整部12は、複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。出力部13は、調整部12による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。対象光は、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【0017】
つまり、一例を挙げて説明すると、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の光の明るさレベル間の比率が30:20:10とすれば、対象光は、赤色の光となる。仮に赤色の光の明るさレベルが、30から65に増加されると、調整部12は、緑色、青色の光の明るさレベル20、10を、上記比率を維持するように連動させて43、22にそれぞれ調整する。以下では一例として、比率情報は、「30:20:10」といったように、0%~100%の百分率のスケールの態様のままの比率を含み、百分率のスケールのまま、表示部3から表示されることを想定する。
【0018】
上記の制御システム1によれば、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルが連動して調整される。結果的に、制御システム1には、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる、という利点がある。例えば、制御システム1を利用するユーザは、光源部7の明るさ調整を容易に行えるようになる。
【0019】
本開示における「ユーザ」は、一例として、制御システム1が適用された調光操作卓100を用いて演出照明の設定を行う者である。例えば、演出照明を提供する現場がコンサートホールであれば、ユーザは、コンサートの開演前に、ホールの対象空間に照射される1又は複数の照明器具8の照明光を視認しながら、調光操作卓100を用いて演出照明用の演出パターンを制御シーン毎に予め作成する。実際に演出照明が提供されるコンサートの最中には、1又は複数の照明器具8は、記憶部5(
図1参照)に記憶された1又は複数の制御シーンに対応する演出パターンに従って調光制御されることになる。もちろん、ユーザがコンサートの最中にリアルタイムで調光操作卓100を操作して、照明器具8が調光制御されてもよい。
【0020】
また一態様に係る制御方法は、光源部7から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる方法である。制御方法は、比率取得処理と、調整処理と、出力処理と、を含む。比率取得処理では、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。調整処理では、複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。出力処理では、調整処理による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。対象光は、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。上記の制御方法には、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる、という利点がある。
【0021】
この制御方法は、コンピュータシステム(制御システム1)上で用いられる。つまり、この制御方法は、プログラムでも具現化可能である。一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0022】
(詳細)
以下、本実施形態に係る制御システム1及びその周辺構成を含んだ全体のシステム(照明システム200)について、
図1~
図6を参照しながら詳しく説明する。
【0023】
照明システム200は、
図1に示すように、複数の照明器具8(
図1では3つ)と、調光制御盤6と、制御システム1の機能を有する調光操作卓100と、情報端末T1とを備える。なお、周辺構成の少なくとも一部が、制御システム1の構成に含まれてもよい。照明器具8の数は特に限定されない。
【0024】
以下では一例として、照明システム200が、テレビスタジオ等の屋内施設に適用される場合を想定する。
【0025】
各照明器具8は、一例として、RGBカラーの照明器具である。各照明器具8は、予め設定(作成)された演出パターンに基づいて、所定の期間ごとに異なる複数色の光を発することで、所定色の照明光を生成し、テレビスタジオ内の対象空間に対して演出照明を行う。各照明器具8は、調光制御盤6と接続されている。
【0026】
各照明器具8は、光源部7及び点灯回路等を有する。光源部7は、赤色光、緑色光、及び青色光を発することが可能なモジュールである。光源部7は、複数の発光素子、及び複数の発光素子が実装された基板等を含む。複数の発光素子は、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ及び青色LEDチップを含む。
【0027】
調光操作卓100は、各照明器具8の調光制御に関する設定を行うための操作卓である。ユーザは、調光操作卓100を操作して、光源部7が発する光(RGB)の明るさ、光色等を調整できる。
【0028】
調光操作卓100は、各照明器具8を制御するための情報に関する操作入力を受け付ける操作部4を有し、その情報に基づき、各照明器具8を調光制御するための制御信号(例えば、DMX信号)を調光制御盤6に出力する。DMX信号は、米国劇場技術協会(USITT)により規格化された演出分野等に用いられるデジタル信号である。本実施形態では、調光操作卓100は、制御信号として、最大で512個のチャンネルによりデータを送信可能な「DMX512」の通信プロトコルに準拠した信号を出力する。DMX512の通信プロトコルに準拠した制御信号では、1個のチャンネル毎に、0~255の256段階の調光レベル(明るさレベル)のデータが付与される。
【0029】
調光操作卓100は、
図1に示すように、処理部10、通信部2、表示部3、操作部4、記憶部5、及び操作パネル400(
図2A~
図2C参照)等を有する。
【0030】
上述の通り、調光操作卓100は、制御システム1の機能を有する。制御システム1は、光源部7から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる。
【0031】
操作パネル400は、扁平な略矩形の箱状となっている。操作パネル400は、例えば鋼板等により形成されている。操作パネル400は、処理部10、通信部2、表示部3、操作部4、及び記憶部5等を収容又は保持する。操作パネル400は、ユーザが操作し易いように、ユーザ側を向くように水平面に対して僅かに傾斜した表面401を有する。
【0032】
通信部2は、信号ケーブルC1を介して、調光制御盤6と通信するための通信インタフェースを含む。また、通信部2は、情報端末T1と通信するための通信インタフェースを含む。
【0033】
表示部3は、第1表示部31(
図2A参照)、及び第2表示部32(
図2B参照)の少なくとも一方を含み得る。第1表示部31及び第2表示部32は、例えば液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等のディスプレイを含む。ディスプレイは、例えば、ユーザによる操作入力を受け付け可能なタッチパネルディスプレイでもよく、特に第2表示部32は、タッチパネルディスプレイを含むことを想定する。表示部3は、操作パネル400に配置される。第1表示部31及び第2表示部32には、4つのパラメータA1(A11~A14)の数値が表示され得る。
【0034】
記憶部5は、制御システム1の機能の一部として機能する。記憶部5は、フラッシュメモリ等の電気的に書き換え可能な不揮発性の半導体メモリである。記憶部5は、外部からの操作入力に応じて変更され得る補助パラメータA14(
図2A、
図2B参照)のレベルを記憶(格納)する。記憶部5は、補助パラメータA14の他にも、RGBの各色の光に関する明るさレベル、及び比率情報等を記憶(格納)する。
【0035】
処理部10は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、処理部10の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。記憶部5は、処理部10のメモリであってもよい。
【0036】
本実施形態では、処理部10が、制御システム1における記憶部5以外の機能を有する。具体的には、処理部10は、
図1に示すように、比率取得部11と、調整部12と、出力部13と、レベル変更取得部14と、パラメータ更新部15と、パラメータ変更取得部16と、表示出力部17と、を有する。
【0037】
比率取得部11は、複数(ここでは3つ)の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。具体的には、比率取得部11は、操作部4にてユーザから受け付けた操作入力に基づく比率情報を取得する。言い換えると、本開示における制御方法は、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する比率取得処理を含む。
【0038】
ここで、先ず、操作部4について
図2A~
図2Cを参照して具体的に説明する。
【0039】
操作部4は、以下の第1~第3ユーザインタフェースU1~U3の少なくとも1つを含む。
図2A~
図2Cはそれぞれ、操作パネル400の表面401の主要な領域のみを部分的に示す。なお、以下の第1~第3ユーザインタフェースU1~U3は、操作部4が含み得るユーザインタフェースの一例を示したものであり、これらに限定されない。
【0040】
[第1ユーザインタフェース]
第1ユーザインタフェースU1は、
図2Aに示すように、4つのダイヤル式のエンコーダ4A(操作器)を含む。4つのエンコーダ4Aは、第1エンコーダ41、第2エンコーダ42、第3エンコーダ43、及び補助エンコーダ44から構成される。これらの4つのエンコーダ4Aは、円盤形状に形成された摘み部を含み、操作パネル400の表面401に配置される。また、操作パネル400における4つのエンコーダ4Aより上には、4つのパラメータA1(A11~A14)の数値が表示される第1表示部31が配置されている。4つの数値の上には、パラメータA1の種類を示す「P」、「R」、「G」、「B」の文字が順に並んで表示される。第1表示部31の表面は、操作パネル400の表面401の一部を構成する。4つのエンコーダ4Aと4つのパラメータA1とは、一対一で対応付けされている。
【0041】
各エンコーダ4Aの回転位置は、対応するパラメータA1の数値と対応付けされている。あるエンコーダ4Aが時計回りに回されると、その回転位置に応じて、4つのパラメータA1のうちの対応するパラメータの数値が増加し、逆に反時計回りに回されると減少する。ユーザは、第1表示部31に表示されるパラメータA1の数値を見ながら、4つのエンコーダ4Aの各摘み部を時計回り又は半時計回りに回すことで、対応するパラメータA1を設定又は変更できる。
【0042】
本実施形態では、第1エンコーダ41は、「R」の数値、すなわち、R(赤色)の光の明るさレベルに相当する第1パラメータA11の数値を調整可能に設定されている。また、第2エンコーダ42は、「G」の数値、すなわち、G(緑色)の光の明るさレベルに相当する第2パラメータA12の数値を調整可能に設定されている。また、第3エンコーダ43は、「B」の数値、すなわち、B(青色)の光の明るさレベルに相当する第3パラメータA13の数値を調整可能に設定されている。また、補助エンコーダ44は、「P」の数値、すなわち本開示における「対象光」の明るさレベルに相当する補助パラメータA14の数値を調整可能に設定されている。「対象光」は、上述の通り、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光であり、3つのパラメータA1の数値の変動に応じて、RGBのうちどの色の光が対象光となるか変化し得る。
【0043】
図2Aでは、一例として、明るさレベル(パラメータA1の数値)が、0%~100%の百分率で表示されている。明るさレベルが100%とは、照明器具8の照度に関する定格出力の100%であることを意味する。RGBの明るさレベルが全て100%になると、全体としての照明光は、最大の明るさで、かつ白色を呈する。逆にRGBの明るさレベルが全て0%になると各色の光は消失し、すなわち照明器具8は消灯する。
【0044】
[第2ユーザインタフェース]
第2ユーザインタフェースU2は、
図2Bに示すように、操作パネル400に配置されたタッチパネルディスプレイである第2表示部32に表示される4つの操作領域Q1(画素領域)を含む。第2表示部32の表面は、操作パネル400の表面401の一部を構成する。4つの操作領域Q1は、ユーザからタップ操作を受け付け可能に表示される。4つの操作領域Q1は、第1操作領域Q11、第2操作領域Q12、第3操作領域Q13、及び補助操作領域Q14から構成される。4つの操作領域Q1と4つのパラメータA1とは、一対一で対応付けされている。
【0045】
第1操作領域Q11は、R(赤色)の光の明るさレベルに相当する第1パラメータA11の数値を調整可能に設定されている。また、第2操作領域Q12は、G(緑色)の光の明るさレベルに相当する第2パラメータA12の数値を調整可能に設定されている。また、第3操作領域Q13は、B(青色)の光の明るさレベルに相当する第3パラメータA13の数値を調整可能に設定されている。また、補助操作領域Q14は、対象光の明るさレベルに相当する補助パラメータA14の数値を調整可能に設定されている。
【0046】
各操作領域Q1は、+アイコンQ1aと-アイコンQ1bとを含む。また、各操作領域Q1における+アイコンQ1aと、-アイコンQ1bとの間には、対応するパラメータA1の数値を表示する表示領域R1がある。各操作領域Q1の-アイコンQ1bの下には、選択アイコンB1が表示されている。ユーザは、4つの選択アイコンB1のいずれかをタップ操作することで、調整するパラメータA1を選択できる。ユーザは、調整するパラメータA1を選択した状態で、対応する操作領域Q1の+アイコンQ1a、又は-アイコンQ1bをタップ操作することで、当該パラメータA1の数値を増加、又は減少できる。
【0047】
図2Bでは、一例として、明るさレベル(パラメータA1の数値)が、0~255の数値範囲のスケール(256段階のレベル)で表示されている。
【0048】
[第3ユーザインタフェース]
第3ユーザインタフェースU3は、
図2Cに示すように、4つのフェーダF1(操作器)を含む。4つのフェーダF1は、第1フェーダF11、第2フェーダF12、第3フェーダF13、及び補助フェーダF14から構成される。これらの4つのフェーダF1は、正面から見て略矩形状の摘み部を含み、操作パネル400の表面401に配置される。4つのフェーダF1と4つのパラメータA1(
図2Cでは不図示)とは、一対一で対応付けされている。
【0049】
第1フェーダF11は、R(赤色)の光の明るさレベルに相当する第1パラメータA11の数値(
図2Cでは不図示)を調整可能に設定されている。また、第2フェーダF12は、G(緑色)の光の明るさレベルに相当する第2パラメータA12の数値(
図2Cでは不図示)を調整可能に設定されている。また、第3フェーダF13は、B(青色)の光の明るさレベルに相当する第3パラメータA13の数値(
図2Cでは不図示)を調整可能に設定されている。また、補助フェーダF14は、対象光の明るさレベルに相当する補助パラメータA14の数値(
図2Cでは不図示)を調整可能に設定されている。
【0050】
各フェーダF1の上下位置は、対応するパラメータA1の数値と対応付けされていて、あるフェーダF1が上に移動されると、対応するパラメータA1の数値が増加し、下に移動されると、対応するパラメータA1の数値が減少する。また、表面401には、パラメータA1の数値を調整する際の目安となる目盛りG1が表記されている。目盛りG1は、例えば、0%~100%の百分率のスケールに対応して、10%ごとに記されている。ユーザは、目盛りG1を見ながら、4つのフェーダF1の各摘み部を上下方向に動かすことで、対応するパラメータA1の数値を設定又は変更できる。
【0051】
以下では、説明の便宜上、操作部4が少なくとも第1ユーザインタフェースU1(
図2A参照)を含み、第1ユーザインタフェースU1のみに着目して説明することがある。
【0052】
比率取得部11は、例えば、第1エンコーダ41~第3エンコーダ43の回転位置に基づく第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値間の比率に関する比率情報を取得する。言い換えると、比率取得部11は、これらの第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値にそれぞれ対応するRGBの明るさレベル間の比率(例えば、R:G:B=30:20:10といった比率)に関する比率情報を取得する。比率取得部11は、取得した比率情報を記憶部5に記憶(又は更新)させる。
【0053】
調整部12は、複数色(本実施形態ではRGB)の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。言い換えると、本開示における制御方法は、複数色(RGB)の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する調整処理(後述する第1調整処理、及び第2調整処理)を含む。
【0054】
表示出力部17は、比率情報を表示部3から表示させる。
図2Aの例では、表示出力部17は、第1表示部31から、比率情報を百分率の表記で表示させている。
図2Bの例では、表示出力部17は、第2表示部32から、比率情報を0~255の数値の表記で表示させている。
図2A及び
図2Bに示すように、表示出力部17は、比率情報だけでなく、補助パラメータA14の数値も並べて表示させることが好ましい。特に、比率情報と補助パラメータA14の数値とが、同一のスケール(百分率、又は0~255の数値範囲)で表示部3から表示される。つまり、照明器具8へ出力されるDMX信号の調光レベルと、補助パラメータA14のレベル(数値)とが、同一のスケールで表示部3から表示される。そのため、ユーザにとって、視認性が良い。
【0055】
本実施形態における制御システム1は、記憶部5内で補助パラメータA14を管理し、RGBの明るさレベルに関する調整を実行する。言い換えると、制御システム1は、以下の補助パラメータA14の更新処理、補助パラメータA14の増加に伴う第1調整処理、及び、補助パラメータA14の減少に伴う第2調整処理を実行する。以下では、第1パラメータA11~第3パラメータA13のいずれか1つ以上を変更するための操作部4に対する操作(入力)を「第1操作」と呼び、補助パラメータA14を変更するための操作部4に対する操作(入力)を「第2操作」と呼ぶことがある。
【0056】
本実施形態では、第1操作は、光色を調整する場合に実行され得る操作である。一方、第2操作は、光色を変えずに(比率維持)、RGBの明るさを調整する場合に実行され得る操作である。ユーザは、先ずは第1操作を行って光色を決めてから、次に第2操作を行って明るさを調整することが好ましい。
【0057】
[更新処理]
レベル変更取得部14は、複数の明るさレベルのうち1以上の明るさレベルを変更する指令に関する指令情報を取得する。例えば、ユーザが、第1エンコーダ41~第3エンコーダ43のいずれか1つ以上を回すと(第1操作の実行)、レベル変更取得部14は、第1パラメータA11~第3パラメータA13のいずれか1つ以上の数値を変更する指令に関する指令情報を取得する。
【0058】
パラメータ更新部15は、更新処理を実行し、レベル変更取得部14で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14のレベルを、変更後における対象光の明るさレベルと同じレベルに更新する。
【0059】
以下、更新処理について、
図3A~
図3Cを参照して具体的に説明する。例えば、
図3Aは、更新処理前の4つのパラメータA1の数値の一例(P:R:G:B=30:30:20:10)を表示する第1表示部31を示す。
図3Aでは、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値のうち最大値、すなわちRGBの明るさレベルのうち最大のレベルはR(赤色)の光である。つまり、対象光は、R(赤色)の光である。したがって、補助パラメータA14の数値は、第1パラメータA11の数値と同じ「30」である。記憶部5内の補助パラメータA14の数値は「30」である。
【0060】
つまり、パラメータ更新部15は、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値の中から、最大値を特定する。
【0061】
例えば、
図3Aに示す数値の状態から、ユーザが第2エンコーダ42を回して、
図3Bに示すように、第2パラメータA12の数値が「70」に変更されたとする(第1操作の実行)。この場合、G(緑色)の光の明るさレベルが、RGBの中で最大のレベルとなる。つまり、対象光がR(赤色)の光からG(緑色)の光に入れ替わることになる。パラメータ更新部15は、更新処理を実行し、レベル変更取得部14で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14の数値を変更後における対象光:G(緑色)の光の明るさレベルと同じレベルに更新する。すなわち、パラメータ更新部15は、記憶部5内の補助パラメータA14の数値「30」を第2パラメータA12の数値と同じ数値「70」に更新する。
図3Bでは、第1表示部31は、更新後の数値「70」の補助パラメータA14を表示している。
【0062】
また、例えば、
図3Aに示す数値の状態から、ユーザが第1エンコーダ41及び第2エンコーダ42を回して、
図3Cに示すように、第1パラメータA11及び第2パラメータA12の数値が「0」、「5」にそれぞれ変更されたとする(第1操作の実行)。この場合、変更されていないB(青色)の光の明るさレベルが、RGBの中で最大のレベルとなる。つまり、対象光がR(赤色)の光からB(青色)の光に入れ替わることになる。パラメータ更新部15は、更新処理を実行し、レベル変更取得部14で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14の数値を変更後における対象光:B(青色)の光の明るさレベルと同じレベルに更新する。すなわち、パラメータ更新部15は、記憶部5内の補助パラメータA14の数値「30」を第3パラメータA13の数値と同じ数値「10」に更新する。
図3Cでは、第1表示部31は、更新後の数値「10」の補助パラメータA14を表示している。
【0063】
要するに、パラメータ更新部15は、1以上の明るさレベルを変更する前と後とで、対象光が複数色の光の中で入れ替わる場合、記憶部5内の補助パラメータA14のレベルを、入れ替わり後の対象光の明るさレベルと同じレベルに更新する。
【0064】
図示は省略するが、
図3Aに示す数値の状態から、ユーザが第1エンコーダ41を回して、第1パラメータA11の数値が「40」に増加(又は「25」に減少)されたとする(第1操作の実行)。しかし、この場合、変更前と変更後とで、対象光は、R(赤色)の光のままで、入れ替わらない。パラメータ更新部15は、更新処理を実行し、レベル変更取得部14で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14の数値を対象光:R(赤色)の光の明るさレベルと同じレベルに更新する。すなわち、パラメータ更新部15は、記憶部5内の補助パラメータA14の数値「30」を第1パラメータA11の数値と同じ数値「40」(又は「25」)に更新する。
【0065】
ところで、第1操作は、照明光の光色を変更する操作、すなわち、比率を変更する操作を意味する。比率取得部11は、更新処理後における比率情報を記憶部5に記憶(又は更新)させる。
【0066】
出力部13は、第1操作の実行後におけるRGBの明るさレベルを含む制御信号(DMX信号)を出力する。出力部13は、例えば信号ケーブルC1(
図1参照)を介して、制御信号を調光制御盤6に出力する。
【0067】
2色以上の光の明るさレベルが同じで、かつ最大の明るさレベルである場合、いずれか1つの光を対象光とする。例えば、R:G:B=30:30:10の場合、R(赤色)及びG(緑色)の光のパラメータA1の数値が同じ「30」で、RGB間で最大の数値である。この場合、R(赤色)及びG(緑色)のいずれか一方を対象光とする。
【0068】
第1操作により、照明光の光色の変更が完了した時点で、第1エンコーダ41~第3エンコーダ43は、その時点での回転位置に留まることになり、ユーザは、次に補助エンコーダ44だけを用いて第2操作を実行することになる。つまり、第2操作の実行中、第1エンコーダ41~第3エンコーダ43の回転位置は、第1操作を終えた時点の位置に留まっている。
【0069】
[第1調整処理]
パラメータ変更取得部16は、補助パラメータA14のレベルを変更する指令に関する指令情報を取得する。パラメータ更新部15は、パラメータ変更取得部16で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14のレベルを更新する。
【0070】
ユーザが、補助エンコーダ44を時計回りに回すと(第2操作の実行)、パラメータ変更取得部16は、補助パラメータA14の数値を増加させる指令に関する指令情報を取得する。パラメータ更新部15は、パラメータ変更取得部16で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14のレベルを更新する。
【0071】
さらに、調整部12は、第1調整処理を実行し、更新後における補助パラメータA14のレベルに一致するように対象光の明るさレベルを変更し、かつ比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。
【0072】
以下、第1調整処理について、
図4A~
図4Cを参照して具体的に説明する。例えば、
図4Aは、第1調整処理前の4つのパラメータA1の数値の一例(P:R:G:B=30:30:20:10)を表示する第1表示部31を示す。
図4Aでは、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値のうち最大値、すなわちRGBの明るさレベルのうち最大のレベルはR(赤色)の光である。つまり、対象光は、R(赤色)の光である。したがって、補助パラメータA14の数値は、第1パラメータA11の数値と同じ「30」である。記憶部5内の補助パラメータA14の数値は「30」である。
【0073】
例えば、
図4Aに示す数値の状態から、ユーザが補助エンコーダ44を時計回りに回して、
図4Bに示すように、補助パラメータA14の数値が「65」に更新されたとする(第2操作の実行)。この場合、調整部12は、更新後における補助パラメータA14の数値「65」に一致するように対象光であるR(赤色)の光の明るさレベル、すなわち第1パラメータA11の数値を「65」に変更する。さらに、調整部12は、
図4Aに示すRGBの比率=30:20:10を維持するようにG(緑色)及びB(青色)の光の明るさレベル、すなわち第2パラメータA12及び第3パラメータA13の数値を「43」、「22」にそれぞれ連動して変更する。
【0074】
また、例えば、
図4Aに示す数値の状態から、ユーザが補助エンコーダ44を時計回りに回して、
図4Cに示すように、補助パラメータA14の数値が「100」に更新されたとする(第2操作の実行)。この場合、調整部12は、更新後における補助パラメータA14の数値「100」に一致するように対象光であるR(赤色)の光の明るさレベル、すなわち第1パラメータA11の数値を「100」に変更する。さらに、調整部12は、
図4Aに示すRGBの比率=30:20:10を維持するようにG(緑色)及びB(青色)の光の明るさレベル、すなわち第2パラメータA12及び第3パラメータA13の数値を「68」、「33」にそれぞれ連動して変更する。
【0075】
出力部13は、調整部12による第1調整処理の調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号(DMX信号)を出力する。言い換えると、本開示における制御方法は、第1調整処理による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する出力処理を含む。出力部13は、例えば信号ケーブルC1(
図1参照)を介して、制御信号を調光制御盤6に出力する。
【0076】
[第2調整処理]
ユーザが、補助エンコーダ44を反時計回りに回すと(第2操作の実行)、パラメータ変更取得部16は、補助パラメータA14の数値を減少させる指令に関する指令情報を取得する。パラメータ更新部15は、パラメータ変更取得部16で取得した指令情報に基づき、記憶部5内の補助パラメータA14のレベルを更新する。
【0077】
さらに、調整部12は、第2調整処理を実行し、更新後における補助パラメータA14のレベルに一致するように対象光の明るさレベルを変更し、かつ比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。
【0078】
以下、第2調整処理について、
図5A~
図5Cを参照して具体的に説明する。例えば、
図5Aは、第2調整処理前の4つのパラメータA1の数値の一例(P:R:G:B=30:30:20:10)を表示する第1表示部31を示す。
図5Aでは、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値のうち最大値、すなわちRGBの明るさレベルのうち最大のレベルはR(赤色)の光である。つまり、対象光は、R(赤色)の光である。したがって、補助パラメータA14の数値は、第1パラメータA11の数値と同じ「30」である。記憶部5内の補助パラメータA14の数値は「30」である。
【0079】
例えば、
図5Aに示す数値の状態から、ユーザが補助エンコーダ44を反時計回りに回して、
図5Bに示すように、補助パラメータA14の数値が「15」に更新されたとする(第2操作の実行)。この場合、調整部12は、更新後における補助パラメータA14の数値「15」に一致するように対象光であるR(赤色)の光の明るさレベル、すなわち第1パラメータA11の数値を「15」に変更する。さらに、調整部12は、
図5Aに示すRGBの比率=30:20:10を維持するようにG(緑色)及びB(青色)の光の明るさレベル、すなわち第2パラメータA12及び第3パラメータA13の数値を「10」、「5」にそれぞれ連動して変更する。
【0080】
また、例えば、
図5Aに示す数値の状態から、ユーザが補助エンコーダ44を反時計回りに回して、
図5Cに示すように、補助パラメータA14の数値が「0」に更新されたとする(第2操作の実行)。この場合、調整部12は、更新後における補助パラメータA14の数値「0」に一致するように対象光であるR(赤色)の光の明るさレベル、すなわち第1パラメータA11の数値を「0」に変更する。さらに、調整部12は、G(緑色)及びB(青色)の光の明るさレベル、すなわち第2パラメータA12及び第3パラメータA13の数値を「0」、「0」にそれぞれ連動して変更する。
【0081】
つまり、調整部12は、更新後における補助パラメータA14のレベルが最小レベルに一致する場合、複数の明るさレベルを全て最小に調整する。
【0082】
出力部13は、調整部12による第2調整処理の調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号(DMX信号)を出力する。言い換えると、本開示における制御方法は、第2調整処理による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する出力処理を含む。出力部13は、例えば信号ケーブルC1(
図1参照)を介して、制御信号を調光制御盤6に出力する。
【0083】
なお、全てのパラメータA1の数値が「0」、すなわち、全ての明るさレベルが最小レベルを示す制御信号が出力されると、照明器具8は消灯し得る。したがって、照明器具8を消灯させたい場合に、ユーザが、第1エンコーダ41~第3エンコーダ43の全てを個別に操作して個々の色の光の明るさを最小にする手間が掛かりにくくなる。
【0084】
調光制御盤6は、
図1に示すように、入力部63と、制御部60と、複数の分配部61(DMX信号出力部)と、電源管理部62と、キャビネット(筐体)とを有する。各分配部61には、対応する照明器具8がそれぞれ電気的に接続されている。キャビネット内には、制御部60、複数の分配部61、及び電源管理部62が収容されている。
【0085】
入力部63は、調光操作卓100と電気的に接続され、調光操作卓100から制御信号(DMX信号)が入力される。各分配部61は、対応する照明器具8に制御信号(DMX信号)を出力する。制御部60は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部60の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部60は、調光操作卓100から受信する制御信号(DMX信号)を、複数の分配部61を介して複数の照明器具8に出力(分配)する。要するに、調光制御盤6は、制御信号(DMX信号)を各照明器具8に分配する機能を有する。
【0086】
電源管理部62は、調光操作卓100及び各照明器具8の電源供給を行う機能を有する。電源管理部62は、主幹ブレーカ、及び複数の分岐回路(分岐ブレーカ等を含む)等を含む。主幹ブレーカの一次側端子には、系統電源につながる引込線が電気的に接続される。これにより、主幹ブレーカの一次側端子は、系統電源に電気的に接続される。本実施形態では、配電方式として単相三線式を想定している。そのため、主幹ブレーカの一次側端子には、系統電源につながる単相三線式の引込線が電気的に接続される。主幹ブレーカの二次側端子には、幹線が電気的に接続される。幹線は、第1電圧極(L1相)の導電バー、第2電圧極(L2相)の導電バー、及び中性極(N相)の導電バーを含み得る。複数の分岐回路は、幹線から複数に分岐される。複数の分岐回路には、調光操作卓100及び複数の照明器具8が電気的に接続され得る。電源管理部62は、対応する分岐回路を介して、交流電力(例えば実効値100V)を対応する照明器具8に供給する。また、電源管理部62は、対応する分岐回路に接続された電源ケーブルC2(
図1参照)を介して、交流電力(例えば実効値100V)を調光操作卓100に供給する。
【0087】
情報端末T1は、調光操作卓100と例えば有線通信(無線通信でもよい)可能に接続される。情報端末T1は、例えばノートパソコンを想定する。情報端末T1は、スマートフォン、又はタブレット端末等の携帯端末でもよいし、デスクトップ型のパソコンでもよい。有線通信は、一例として、イーサネット(Ethernet)(登録商標)等の有線LAN(Local Area Network)の規格に準拠していることを想定する。情報端末T1には、調光操作卓100と通信するための専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0088】
情報端末T1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、情報端末T1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0089】
情報端末T1は、表示部T10を有する。表示部T10は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイを含む。ディスプレイは、例えば、ユーザによる操作入力を受け付け可能なタッチパネルディスプレイでもよい。表示部T10は、情報を表示(提示)する。表示部T10から表示される情報は、調光操作卓100の表示部3から表示される情報と略同等の情報を含む。また、表示部T10から表示される情報は、調光操作卓100の操作部4の外観(
図2A~
図2C参照)を模したアイコンに関する情報を含む。ユーザは、マウス等を用いてポインタで当該アイコンに対してクリック等の操作を行うことで、操作部4による操作入力と略同等の操作入力を行える。情報端末T1は、ユーザから受け付けた操作入力に関する情報を、調光操作卓100に送信する。要するに、ユーザは、調光操作卓100の表示部3及び操作部4を直接利用しなくても、情報端末T1を利用することで、調光制御に関する設定を行える。
【0090】
(制御システムの動作)
以下、制御システム1の動作に関する一連の流れについて、
図6を参照して説明する。なお、
図6に示すフローチャートは、本開示に係る制御システム1における動作のフローの一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0091】
制御システム1は、例えば、ユーザからの調光操作卓100(又は情報端末T1)への操作に応じて、ある制御シーンの調光制御に関する演出パターンを設定するための設定処理を開始する(ステップST1)。調光操作卓100は、設定処理が実行されている間、リアルタイムで随時、制御信号(DMX信号)を調光制御盤6に送信し、各照明器具8の調光制御が行われる。そのため、ユーザは、テスト的にテレビスタジオ内の対象空間に照射される照明光を目視で確認しながら、調光操作卓100(又は情報端末T1)を操作して、演出パターンの設定を行える。
【0092】
制御システム1は、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値のいずれかを変更する操作、すなわち第1操作が有るか否かを確認する(ステップST2)。第1操作が有れば(ステップST2:Yes)、制御システム1は、記憶部5内の比率情報を更新する(ステップST3)。制御システム1は、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値の最大値を特定し(ステップST4)、記憶部5内の補助パラメータA14の数値を特定した最大値に更新し(ステップST5)、次の処理(ステップST6)に移る。なお、第1操作が無ければ(ステップST2:No)、制御システム1は、ステップST6まで処理をスキップする。
【0093】
制御システム1は、補助パラメータA14の数値を変更する操作、すなわち第2操作が有るか否かを確認する(ステップST6)。第2操作が有れば(ステップST6:Yes)、制御システム1は、第2操作に応じて、記憶部5内の補助パラメータA14の数値を更新する(ステップST7)。また、制御システム1は、第1パラメータA11~第3パラメータA13の数値の最大値を、更新後の補助パラメータA14の数値と同じ値に変更する(ステップST8)。さらに、制御システム1は、第1パラメータA11~第3パラメータA13の、最大値以外の数値を、比率を維持するように変更する(ステップST9)。
【0094】
制御システム1は、例えば、調光操作卓100が当該制御シーンの演出パターンの設定処理を終了する操作を受け付けるまで、ステップST2~ST9の処理を繰り返す。演出パターンの設定が完了すると、制御システム1は、記憶部5に、当該制御シーンの演出パターンとして、当該制御シーンのシーン番号に紐づけて、RGBの明るさのレベル及び比率情報等を格納(記憶)させる。
【0095】
そして、実際に演出照明が提供される際には、1又は複数の照明器具8は、記憶部5に記憶された1又は複数の制御シーンに対応する演出パターンに従って、調光制御されることになる。
【0096】
(利点)
以上説明した通り、本実施形態に係る制御システム1では、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルが連動して調整される。結果的に、制御システム1には、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる、という利点がある。例えば、制御システム1を利用するユーザは、光源部7の明るさ調整を容易に行えるようになる。
【0097】
また、補助パラメータA14のレベル(数値)が、変更後における対象光の明るさレベルと同じレベルに更新される。つまり、補助パラメータA14のレベルが、対象光の明るさレベルの変更に追従して更新される。言い換えると、補助パラメータA14のレベルは、対象光の明るさレベルと同期を取っている。そのため、ユーザが、例えばRGBの明るさレベルと補助パラメータA14の両方を変更する手間が掛かりにくくなる。また、全体の照明光の明るさと個々の色の光の明るさとが連動した調光制御が実現しやすくなる。
【0098】
さらに、補助パラメータA14のレベル(数値)が更新(変更)されると、その更新に応じて、対象光の明るさレベルが変更され、かつ比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルも連動して調整される。そのため、ユーザにとっては、操作部4への操作により補助パラメータA14のレベルを変更するだけで、比率を維持しながら、全体の照明光の明るさを強くしたり弱くしたり調整できる。つまり、ユーザが個々の色の明るさを目視で確認して、目視で比率を維持しながら全体の照明光の明るさを調整するという手間が掛かりにくくなる。結果的に、全体の照明光の明るさと個々の色の光の明るさとが連動した調光制御が実現しやすくなる。また、1つの演出パターンの設定の中で、ユーザの操作部4に対する操作量(例えばエンコーダ4Aを回す量)も抑えることができる。
【0099】
特に、本実施形態では、補助パラメータA14のレベルを変更することで、特定の色(対象光)の明るさレベルを最小(例えば0%)から最大(例えば100%)までの全範囲で、容易に変更可能な調光制御が実現しやすくなる。
【0100】
また、比率情報と補助パラメータA14の数値とが、同一のスケール(百分率、又は0~255の数値範囲)で表示部3から表示される。つまり、照明器具8へ出力される調光レベルと、補助パラメータA14のレベルとが、同一のスケールで表示部3から表示される。そのため、ユーザにとって、視認性が良い。ユーザは、表示される比率情報と補助パラメータA14の数値を目視で確認しながら、全体の照明光の明るさを調整できる。
【0101】
(変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る制御システム1と同様の機能は、制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0102】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0103】
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0104】
また、制御システム1における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されていることは必須の構成ではない。例えば、制御システム1の構成要素は、複数のハウジングに分散して設けられていてもよい。
【0105】
反対に、上記実施形態のように、制御システム1における複数の機能が、1つのハウジング内に集約されてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、制御システム1の一部の機能がクラウドコンピューティング等によって実現されてもよい。
【0106】
例えば、制御システム1の少なくとも一部の機能が、調光制御盤6、情報端末T1、又は照明器具8に設けられてもよい。
【0107】
上記実施形態では、周辺構成として調光制御盤6が、調光操作卓100(制御システム1)と各照明器具8との間にある。しかし、制御システム1を利用する上で、調光制御盤6は、必須の構成ではない。調光操作卓100(制御システム1)は、調光制御盤6を介さずに、制御信号(DMX信号)を照明器具8に送信してもよい。
【0108】
上記実施形態では、照明器具8は、光源部7がLEDチップを有したLEDライトであり、調光操作卓100から出力される制御信号は、DMX信号の信号方式のまま、照明器具8に送信される。照明器具8は、例えば、ハロゲンランプでもよく、この場合、調光操作卓100から出力されるDMX信号の信号方式を位相制御方式に変換する変換器が調光制御盤6等に設けられてもよい。
【0109】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0110】
第1の態様に係る制御システム(1)は、光源部(7)から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる。制御システム(1)は、比率取得部(11)と、調整部(12)と、出力部(13)と、を備える。比率取得部(11)は、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。調整部(12)は、複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。出力部(13)は、調整部(12)による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。対象光は、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【0111】
上記の態様によれば、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルが連動して調整される。結果的に、制御システム(1)には、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる、という利点がある。
【0112】
第2の態様に係る制御システム(1)は、第1の態様において、記憶部(5)と、レベル変更取得部(14)と、パラメータ更新部(15)と、を更に備える。記憶部(5)は、外部からの操作入力に応じて変更され得る補助パラメータ(A14)のレベルを記憶する。レベル変更取得部(14)は、複数の明るさレベルのうち1以上の明るさレベルを変更する指令に関する指令情報を取得する。パラメータ更新部(15)は、レベル変更取得部(14)で取得した指令情報に基づき、記憶部(5)内の補助パラメータ(A14)のレベルを、変更後における対象光の明るさレベルと同じレベルに更新する。
【0113】
上記の態様によれば、補助パラメータ(A14)のレベルが、変更後における対象光の明るさレベルと同じレベルに更新される。そのため、ユーザが補助パラメータ(A14)を変更する手間が掛かりにくくなり、また、全体の照明光の明るさと個々の色の光の明るさとが連動した調光制御が実現しやすくなる。
【0114】
第3の態様に係る制御システム(1)に関して、第2の態様において、パラメータ更新部(15)は、1以上の明るさレベルを変更する前と後とで、対象光が複数色の光の中で入れ替わる場合、記憶部(5)内の補助パラメータ(A14)のレベルを、入れ替わり後の対象光の明るさレベルと同じレベルに更新する。
【0115】
上記の態様によれば、ユーザが補助パラメータ(A14)を変更する手間がより掛かりにくくなる。
【0116】
第4の態様に係る制御システム(1)は、第2又は第3の態様において、補助パラメータ(A14)のレベルを変更する指令に関する指令情報を取得するパラメータ変更取得部(16)を更に備える。パラメータ更新部(15)は、パラメータ変更取得部(16)で取得した指令情報に基づき、記憶部(5)内の補助パラメータ(A14)のレベルを更新する。調整部(12)は、更新後における補助パラメータ(A14)のレベルに一致するように対象光の明るさレベルを変更し、かつ比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。
【0117】
上記の態様によれば、全体の照明光の明るさと個々の色の光の明るさとが連動した調光制御が実現しやすくなる。
【0118】
第5の態様に係る制御システム(1)に関して、第4の態様において、調整部(12)は、更新後における補助パラメータ(A14)のレベルが最小レベルに一致する場合、複数の明るさレベルを全て最小に調整する。
【0119】
上記の態様によれば、ユーザが個々の色の光の明るさを最小にする手間が掛かりにくくなる。
【0120】
第6の態様に係る制御システム(1)は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、比率情報を表示部(3)から表示させる表示出力部(17)を更に備える。
【0121】
上記の態様によれば、ユーザが比率情報を目視により確認できるため、利便性が向上する。
【0122】
第7の態様に係る制御方法は、光源部(7)から発する複数色の光を複数の明るさレベルに基づいてそれぞれ調光して所定色の照明光を生成させる方法である。制御方法は、比率取得処理と、調整処理と、出力処理と、を含む。比率取得処理では、複数の明るさレベル間における比率に関する比率情報を取得する。調整処理では、複数色の光のうち、対象光の明るさレベルの変更に応じて、比率を維持するように対象光以外の光の明るさレベルを連動して調整する。出力処理では、調整処理による調整結果に応じた複数の明るさレベルを含む制御信号を出力する。対象光は、複数の明るさレベルの中で最大の明るさレベルの光である。
【0123】
上記の態様によれば、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる制御方法を提供できる。
【0124】
第8の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第7の態様における制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0125】
上記の態様によれば、明るさ調整に関する容易性の改善を図れる機能を提供できる。
【0126】
第2~6の態様に係る構成については、制御システム(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 制御システム
11 比率取得部
12 調整部
13 出力部
14 レベル変更取得部
15 パラメータ更新部
16 パラメータ変更取得部
17 表示出力部
3 表示部
5 記憶部
7 光源部
A14 補助パラメータ