IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋企画株式会社の特許一覧

特開2023-130175掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造
<>
  • 特開-掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造 図1
  • 特開-掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造 図2
  • 特開-掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造 図3
  • 特開-掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造 図4
  • 特開-掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130175
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造
(51)【国際特許分類】
   E21B 4/14 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
E21B4/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034699
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】390032746
【氏名又は名称】東洋企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 靖孝
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129BA19
2D129DA23
2D129DB05
2D129DB08
2D129DC03
2D129DC13
(57)【要約】
【課題】 押付力と回転力と内蔵したエアハンマー装置Hによる繰り返し打撃力とを掘削刃物Bに与えて、地盤・地山を効果的に掘削する掘削工具4を、クレーン作業車Gの上下・前後・左右の自由度をもって操作される操作アーム1の先端部2に取付ける構造で、掘削刃物Bの掘削時に地盤側から生じる上下方向の反力、回転反トルク、繰り返し打撃力の反力が、掘削工具4と前記先端部2との接続部特にスイーベル部Sを破損・損耗させることを抑えることができる連結構造を提供する。
【解決手段】掘削刃物の上方のエアハンマー装置Hを介して連結された摺動角軸43を先端部2に連結されて回転される円筒部41の内部空間で上下動させることで上記の回転力・反トルク・繰り返し打撃力の反力のエネルギーを開放してスイーベル部の構造に強い荷重が作用しないようにして、スイーベル部の破損を低減して掘削工具の寿命を長くする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木建設工事で地面・地山・地盤に対して先端に取り付けた掘削刃物を用いて削孔又は掘削する掘削機械にあって、その掘削機械で操作されて所要の自由度をもって動かすことができる操作部の先端部に、
地盤を掘削する掘削刃物と同掘削刃物を繰り返し打撃するエアハンマー装置とを地中に挿入される筒状の下部ボデイ内部に内蔵させ且つ前記下部ボデイの上部に前記先端部に取付けた油圧モータ等の回動部の回転力を前記掘削工具側の回転部材を介して伝達させて下方の前記下部ボデイと前記エアハンマー装置を回転させる上部構造を有する掘削工具を脱着自在可能に取付けるとともに、
前記先端部に設置した回動部から発生させる回転力を前記上部構造を介して前記下部ボデイと前記エアハンマー装置と前記掘削刃物に負荷させてこれらを回転させ、更に前記上部構造の前記回転部材の下部と前記下部ボデイとの間に前記回転部材の下部の外周に外筒を回転可能に嵌装してスイーベル部を形成し、同スイーベル部の前記外筒に取付けたエアホースのエアを前記スイーベル部の前記外筒と前記回転部材の下部の内側に形成された空気路を介し前記下部ボデイ内の前記エアハンマー装置に送り、前記エアハンマー装置の作動で発生する繰り返し打撃力を前記下部ボデイ内の前記掘削刃物に加えて効果的に掘削させることができる、掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取り付け構造であって、
前記掘削工具の上部構造は、先端部の回動部に脱着自在に取付けられて回動部の出力軸によって回転して且つ軸方向に連接された連動筒部と,同連動筒部の下端に連結され内部に上下方向に長い中空空間を有する円筒部と,同円筒部の下部に設けた内部の断面円形の前記中空空間の円径より狭い包路面でその内面が多角形状とした中間筒部と,同中間筒部の内部の内面が多角形状とした多角形状中空空間に嵌挿されて前記円筒部の回転で回転する外形が多角形状の摺動角軸と,前記摺動角軸の下端に設けた拡幅した連結軸部とを有し、
前記上部構造の下方の前記掘削工具には、前記同連結軸部の下端と連結されて下方に延びた筒状の前記下部ボデイと,同下部ボデイ内の下方に封入された掘削刃物と,前記連結軸部の下端と連結されて下方の前記掘削刃物の頭部を繰り返し打撃するエアハンマー装置とを備えた構造であり、スピン回転する前記連結軸部と,前記連結軸部の外周に嵌装した外筒と,同外筒に取り付けられたエアホースと,前記エアホースのエアを前記エアハンマー装置に送気する前記連結軸部と前記外筒に形成された空気通路とで形成されたスイーベル部とを備えた構造であり,しかも上下にストローク運動する前記摺動角軸の頭部はその上下ストロークの最上位置でも前記円筒部の内面の天井面との間に接触しない遊び空間を確保させることで、前記掘削刃物に働く地盤からの反力・回転反トルク及び前記エアハンマー装置の作動による繰り返し打撃の反力のエネルギーが前記エアハンマー装置と前記連結軸部がある前記スイーベル部に荷重されても前記摺動角軸の頭部と前記円筒部の内面の天井面との間に接触しないので、前記摺動角軸は前記円筒部の前記中空空間で上下の往復ストローク運動して、前記反力とそのエネルギーはその運動で開放され、前記スイーベル部に荷重する力と振動エネルギーは弱まりスイーベル部の破損・損傷を低減して製品寿命を長くできることを特徴とする、掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造。
【請求項2】
前記遊び空間の寸法として10~150mm確保するようにした、請求項1記載の掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造。
【請求項3】
前記摺動角軸の下端の連結軸部の外側で前記摺動角軸の摺動方向に延びた案内管を複数設け、前記先端部の下方に前記摺動角軸の摺動方向に延びた固定支持された複数の上下動案内用ロッドの外側に前記案内管を摺動可能に嵌装して、前記上下動案内用ロッドに沿って前記摺動角軸の上下ストローク方向を規制するとともに、前記スイーベル部の外筒と前記エアホースが前記摺動角軸の回転とともにとも廻りしない様にしたことを特徴とした請求項1又は2記載の掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木建設工事で地面・地山・地盤に対して先端に取り付けた掘削刃物を用いて削孔又は掘削するクレーン掘削作業車又は垂直の杭打機等の掘削機械にあつて、その掘削機械で操作されて所要の自由度をもって動かすことができる操作部の先端部に、掘削刃物と同掘削刃物に繰り返し打撃を与えるエアハンマー装置とを地中に挿入される筒状の下部ボデイ内部に内蔵させるとともに前記下部ボデイの上部に前記先端部に取付けた油圧モータ等の回動部の回転力を前記下部ボデイと前記エアハンマー装置に伝達できる上部構造を設け、前記下部ボデイと前記上部構造との中間に前記エアハンマー装置のエア取り込みのスイーベル部を設けた構造の掘削工具の取付構造に関する。特に掘削する地面・地山・地盤から掘削刃物が受ける反力・回転反トルク及び繰り返し打撃力の反力振動エネルギーが前記掘削工具に負荷されても前記掘削工具の内部構造・部品が破損・損傷を受けにくくする掘削工具の先端部との取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、掘削機械の操作されて上下・左右・首振り等の運動自由度をもって動かされる操作部の先端部において、前記掘削刃物と同掘削刃物に繰り返し打撃を与えるエアハンマー装置を筒状の内部に内蔵した下部ボデイと,下部ボデイの上方に設けられる前記操作部の先端部に取付けた油圧モータ等の回動部の回転力を前記下部ボデイと前記エアハンマー装置に伝達できる上部構造を有する掘削工具を前記先端部と取付ける構造は、先端部に取付けた油圧モータ等の回動部の回転出力軸と掘削工具との間にスイーベル部を設け、同スイーベル部において先端部の前記回転出力軸の回転力を掘削工具側の回動部材に伝達できる構造として、同回動部材の回転力は前記下部ボデイと前記エアハンマー装置とを回動させ、更に前記の外周に嵌装したスイーベル部を形成する外筒に前記エアホースを固着し、同エアホースの高圧エアを前記外筒の供給口と前記回転部材の内部に形成した空気通路とを介して、下部ボデイ内の前記エアハンマー装置に空気を送り込む構造であった。この構造は周知で特許文献1で知られている。
【0003】
しいかしながら、掘削工具の掘削刃物に作用する回転力及び繰り返し打撃力の地盤側からの反トルク・反力・衝撃エネルギーは前記掘削刃物とエアハンマー装置を介して前記スイーベル部に強く負荷され、スイーベル部の構造の回転構造及びエア機密構造を破損・損傷させていた。そのため、この破損・損傷で掘削工具の寿命、機密性が低下して掘削工具の使用寿命を短くしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-166786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、前記の操作アームの先端部と掘削工具との取付構造を改良することで、掘削工具のスイーベル部での破損・損傷を低減させ、故障が少なく耐久性が高く製品寿命を長くできる先端部と掘削工具との取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 土木建設工事で地面・地山・地盤に対して先端に取り付けた掘削刃物を用いて削孔又は掘削する掘削機械にあって、その掘削機械で操作されて所要の自由度をもって動かすことができる操作部の先端部に、
地盤を掘削する掘削刃物と同掘削刃物を繰り返し打撃するエアハンマー装置とを地中に挿入される筒状の下部ボデイ内部に内蔵させ且つ前記下部ボデイの上部に前記先端部に取付けた油圧モータ等の回動部の回転力を前記掘削工具側の回転部材を介して伝達させて下方の前記下部ボデイと前記エアハンマー装置を回転させる上部構造を有する掘削工具を脱着自在可能に取付けるとともに、
前記先端部に設置した回動部から発生させる回転力を前記上部構造を介して前記下部ボデイと前記エアハンマー装置と前記掘削刃物に負荷させてこれらを回転させ、更に前記上部構造の前記回転部材の下部と前記下部ボデイとの間に前記回転部材の下部の外周に外筒を回転可能に嵌装してスイーベル部を形成し、同スイーベル部の前記外筒に取付けたエアホースのエアを前記スイーベル部の前記外筒と前記回転部材の下部の内側に形成された空気路を介し前記下部ボデイ内の前記エアハンマー装置に送り、前記エアハンマー装置の作動で発生する繰り返し打撃力を前記下部ボデイ内の前記掘削刃物に加えて効果的に掘削させることができる、掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取り付け構造であって、
前記掘削工具の上部構造は、先端部の回動部に脱着自在に取付けられて回動部の出力軸によって回転して且つ軸方向に連接された連動筒部と,同連動筒部の下端に連結され内部に上下方向に長い中空空間を有する円筒部と,同円筒部の下部に設けた内部の断面円形の前記中空空間の円径より狭い包路面でその内面が多角形状とした中間筒部と,同中間筒部の内部の内面が多角形状とした多角形状中空空間に嵌挿されて前記円筒部の回転で回転する外形が多角形状の摺動角軸と,前記摺動角軸の下端に設けた拡幅した連結軸部とを有し、
前記上部構造の下方の前記掘削工具には、前記同連結軸部の下端と連結されて下方に延びた筒状の前記下部ボデイと,同下部ボデイ内の下方に封入された掘削刃物と,前記連結軸部の下端と連結されて下方の前記掘削刃物の頭部を繰り返し打撃するエアハンマー装置とを備えた構造であり、スピン回転する前記連結軸部と,前記連結軸部の外周に嵌装した外筒と,同外筒に取り付けられたエアホースと,前記エアホースのエアを前記エアハンマー装置に送気する前記連結軸部と前記外筒に形成された空気通路とで形成されたスイーベル部とを備えた構造であり,しかも上下にストローク運動する前記摺動角軸の頭部はその上下ストロークの最上位置でも前記円筒部の内面の天井面との間に接触しない遊び空間を確保させることで、前記掘削刃物に働く地盤からの反力・回転反トルク及び前記エアハンマー装置の作動による繰り返し打撃の反力のエネルギーが前記エアハンマー装置と前記連結軸部がある前記スイーベル部に荷重されても前記摺動角軸の頭部と前記円筒部の内面の天井面との間に接触しないので、前記摺動角軸は前記円筒部の前記中空空間で上下の往復ストローク運動して、前記反力とそのエネルギーはその運動で開放され、前記スイーベル部に荷重する力と振動エネルギーは弱まりスイーベル部の破損・損傷を低減して製品寿命を長くできることを特徴とする、掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造
2) 前記遊び空間の寸法として10~150mm確保するようにした、前記1)記載の掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造
3) 前記摺動角軸の下端の前記連結軸部の外側で前記摺動角軸の摺動方向に延びた案内管を複数設け、前記先端部の下方に前記摺動角軸の摺動方向に延びた固定支持された複数の上下動案内用ロッドの外側に前記案内管を摺動可能に嵌装して、前記上下動案内用ロッドに沿って前記摺動角軸の上下ストローク方向を規制するとともに、前記スイーベル部の前記外筒と前記エアホースが前記摺動角軸の回転とともにとも廻りしない様にしたことを特徴とした前記1)又は2)記載の掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造
にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前記下部ボデイ内の前記エアハンマー装置と連結されて回転と上下動する前記連結軸部とその外側に嵌装された前記筒体とに、前記エアホースからのエアの送気口と空気路とを設けて前記エアハンマー装置に送気する前記スイーベル部を形成し、気密性に優れた空気路を形成できしかもこの前記連結軸部の上部はそのまま上方の前記摺動角軸であり、前記円筒部と前記摺動角軸とは嵌合して回転が下方の前記連結軸部に伝動可能としているので、前記先端部からの回転力と前記エアハンマー装置による繰り返し打撃力は前記掘削刃物に負荷されて地面を掘削するが、その掘削に対して上下方向の力・回転力及び打撃力の反力がこの前記連結軸部に作用するが、その反力は前記連結軸部から直接上方の前記摺動角軸に作用して、前記摺動角軸は前記円筒部の中空空間内で上下にストローク運動し、且つ前記円筒部の天井面と上下にストロークする前記摺動角軸の頭部との間には遊びの空間があって接触なく単に上下動するだけとなり、その分前記連結軸部に作用する反力・、飛び上がり力・回転力及び繰り返し打撃する反力エネルギーは前記摺動角軸の上下運動で開放され、下方の前記スイーベル部に強く作用する反力が減少し、前記スイーベル部の破損は大巾に低下減し、前記スイーベル部の破損・故障は大巾に抑えられて、掘削工具の耐久性を大巾に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の実施例の掘削用のクレーン作業車による使用状態を示す説明図である。
図2図2は実施例の連結構造の要部を示す説明図である。
図3図3図2のA-A拡大断面図である。
図4図4図2の連結構造の平面図である。
図5図5は掘削工具の筒状の下部ボデイの内部構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では摺動角軸の頭部のストロークの最大上位位置とこれを嵌挿した円筒部の内部の天井面との非接触とする空間の遊びの寸法としては20mm以上が実用的な寸法である。この寸法は10mm~150mmの範囲にするのが好ましい。前記先端部の出力軸と連動筒部との連結には、実施例の連結構造のごとく、スプライン歯合とネジ連結の組み合せの他、ネジ螺合でも可能である。
本発明では、摺動角軸部と中間軸部との間の連結部分には、雨水・ゴミ・砂などが掘削刃物の隙間・空隙・表面に進入・付着するのを防止する侵入防止用防水ラバー53を設けることが好ましい。
【実施例0010】
図1~3に示す実施例を図面に基づいて説明する。
図中、Gは本発明の先端部とエアハンマーを内蔵する取付構造の実施例である。
Kは掘削用クレーン作業車、K1は同クレーン作業車Kのクレーンブーム、1はクレーンブームK1の操作アーム、2はその操作アームの先端部、3は同先端部に設けた油圧モータによる回動部、31は同回動部の出力軸、4は実施例の掘削工具、40は前記出力軸31のスプラインと歯合する前記掘削工具4の連動筒部、401は前記出力軸31のスプラインと歯合する連動筒部40の内側のスプライン、402は出力軸31と連動筒部40を軸方向に連接する6角ボルト、41は同連動筒部の下端に連接される内部が中空空間となった円筒部、42は同円筒部の下部の中間筒部、421は同中間筒部の6角形状内面の中空空間、4211は20mmの遊び空間、43は同中空空間に嵌挿された6角形状の外形の摺動角軸、44は同摺動角軸の下端に連結された拡径した連結軸部、441は同連結軸部の内部に設けた空気路、45は同連結軸部44の外周で同連結軸部44を回転可能に嵌装した固定の筒体である。Sは本実施例の連結軸部44と筒体45で形成されるスイーベル部、S1は同スイーベル部の外側に設けた高圧のエアの送給口、S2は同送給口S1に接続されるエアホース、S3は連結軸部44内部に設けた空気通路、47は同連結軸部44の下端に連結されたエアハンマー装置47(H)であって、同連結軸部44の空気路441から高圧エアがエアハンマー装置47(H)へ送給され、その内部のピストンロッド472の下端が掘削刃物48の頭部に対し繰り返し打撃力を与える。471はエアハンマー装置47(H)のケーシングであって、連結軸部44からの押付力と回転力を掘削刃物48(B)に伝達する。
48はエアハンマー装置47(H)内のピストンロッド472によって軸体482の頭部に加えられる繰り返し打撃力と前記押付力と回転力が与えられて同軸体の下端に取付けたインナービット481によつて地盤を掘削する掘削刃物、482は同掘削刃物Bの軸部、
53は摺動角軸43の外側で且つ連結軸部43の上端と中間筒部42下端との間に設けた防水ラバー、
481は掘削刃物48の下端でエアハンマー装置47(H)のケーシング471によって回転力が伝達されるインナービットである。49はエアハンマー装置47(H)と掘削刃物48(B)を内側に収容したインナーケイシングである下部ボデイ、50は先端部側の下方に取付けられた上下動用ロッド軸、51は同上下動用ロッド軸の外側に嵌装した案内管、52は同案内管と連結軸部44とを連結する取付部材である。更に、連結軸部44の外側の案内管51は先端部側に取付けられた上下動用ロッド軸50に挿入されているので摺動角軸44は案内管51の案内により円筒部41の内部を円滑に上下運動できる。
【0011】
(実施例の動作説明)
本実施例では、図1に示すように掘削用クレーン作業車KのクレーンブームK1の下方の操作アーム1の先端部2は、上下・左右・前後いずれでも可動でき、その先端部2の下端に本発明の掘削工具4を取付けて、地面に所要深さの削孔を行う例である。
【0012】
クレーンブームK1の先端下方に吊り下げた操作アーム1の先端部2は垂直の部材であり、同先端部2に設けた油圧モータを使用した回動部3を設け、その出力軸31は掘削工具4の連動筒部40に挿入されてスプラインの&#22169;み合い連動されて連動筒部40は回動され、先端部2の回動部3の回転力は連動筒部40とその下方の円筒部41とその下部の中間筒部42に伝達されて、中間筒部42を回転させ下方の連結軸部44も回転する。同時に同中間筒部の回転は内部の6角形状の内面の中空空間421に挿入されている6角形状の内面と嵌合する外形状が6角形状の摺動角軸43を回転させる。しかも摺動角軸43は外側の中間筒部42の内面と嵌入していて上下に摺動可能となっている。しかも摺動角軸43はエアハンマー装置47(H)のケーシング471の頭部と連結軸部44を介して連結されているので、下方のエアハンマー装置47(H)からの繰り返し打撃の反力は連結軸部44を介して摺動角軸43を上下摺動させて上下ストローク運動させる。これら力、回転力及び打撃力の地盤側からの反力のエネルギーは、連結軸部44を介して摺動角軸43を上下ストローク運動させて、これによって反力のエネルギーは消耗して開放される。摺動角軸43と上方の円筒部41とは摺動しても摺動角軸43の頭部431と円筒部41の内側天井面411との間にはその上下の20mm程の遊び空間4211を設けられているので、摺動角軸43の頭部431と円筒部41の内側天井面441とは当接しない。よつて円筒部41・スイーベル部Sにはこれら反力による力・回転力、繰り返し打撃力の反力エネルギーは直接伝えられず減衰して弱まつてスイーベル部Sの構造に作用するので、反力の負荷に耐えられるものとなつている。
【0013】
本実施例の削工具では、下記の商品上の利点を備える。
1 構造がシンプルで価格が安く提供できる。したがって故障が少なくランニングコストが極めて低い。
図2に示す通りでエアハンマー装置47(H)のすぐ上にスイーベル部S(給気部)が有り、その上にクッションラバー(防水ラバー53)が有る為、圧気が構造部の中を通らないので摺動面へのグリスアップのみで良く、エアー洩れ防止の為の加工精度やOリング、シール類の摩耗考慮が一切不要となる。
3 スイーベル部Sのエアーのインレット部にユニバーサルジョイントを組込み、360°どの方向にもホースの引き出しが可能。
4 伸縮可能な供廻り防止装置をセット供給している。
5 回動部3の油圧モーターとの接続はスライドサブ上部のインナースプライン部にモーターシャフト(出力軸31)を挿入し、6角ボルト402で固定することによりスイーベルシャフトとハンマー迄一体化され、モーターの回転を伝え縦吊りの上、GLに押しつけることによりハンマーリングが始まり、その反動を除去する構造に成っている。この折、同スライドサブ本体からスイーベルシャフトが脱落しない様に二重、三重に防止機構が構築されている。尚ストローク以上に収縮した時のクッションラバーがある。
又のボルトの2本が緩むことが無い様にボルトの頭に6角部の穴を穿孔し、それぞれをワイヤーで縫い、万一の事故が起こらぬよう配慮した構造に成っている。
【0014】
ショックアブソーバー部の分解要領
1 油圧モーター(オーガー減速機)の胴体部にバンドで固定している部品をモーターから取り外し、廻り止め用受台から部品を引き出し、取り除く。
2 キャップボルトの6本を外し、スライドサブ上部を取り除く。
3 穴付き6角ボルトのワイヤーを取り除き2本のボルトを取り除く。この時のクッションラバー(防水ラバー53)、スナップリング押えが一緒に取れてもかまわないし、別々に取り除いても良い。
4 砂プリン雲スナップリングプライヤーで開き、取り除く。
5 シャフト用ナットを取り除くが、これは内ネジが切ってあるので(右ネジ)、左回転させながら抜き取る。シャフト用ワッシャーを取る。
6 粉塵カバーASSY両側のバンド部も緩め、スライドサブ本体及びジャバラを引き出す。以上でショックアブソーバー部の分解は終了となる。
【0015】
* ショックアブソーバー部のメンテナンスに掛かる費用はクッションラバー(防水ラバー53)、穴付き6角ボルト、ワッシャー交換程度で費用的には微々たるもの。
* エアースイーベル部Sのメンテナンスはブッシュ、ラバー、パッキ、Oリング類の交換程度で高額な部品の取り換えは有らない。
よって、本実施例では掘削工具の破損・気密性低下も少なく、掘削工具の性能を長く維持し、耐久性ある掘削具とした。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、地上の地面の削孔の他にトンネル工事での掘削・削孔工事にも有益である。
【符号の説明】
【0017】
Gは実施例の掘削機械の可動する操作アームの先端部と掘削工具との取付構造例である。
Kはクレーン作業車
K1はクレーンブーム
Sは実施例の掘削工具Gのスイーベル部
Hは掘削工具に設けたエアハンマー装置
H1は同エアハンマー装置のケーシング
Bは掘削工具のエアハンマー装置の下方に設けた掘削刃物
B1は掘削刃物の軸部
B2は下端に設けられたインナービット
Tは掘削工具のエアハンマー装置Hの外周の筒状の下部ボデイ
1 操作アーム
2 先端部
3 回動部
31 ねじ出力軸
40 螺合筒部
401 スプライン
402 6角ボルト
41 円筒部
411 天井面
42 中間筒部
421 中空空間
43 摺動角軸
44 連結軸部
45 筒体
47(H) エアハンマー装置
471 エアハンマー装置のケーシング
48(B) 掘削工具
481 インナービット
482 軸部
50 上下動用ロッド軸
51 案内管
52 案内管と連結軸部44とを連結する取付部材

図1
図2
図3
図4
図5