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特開2023-130177センサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130177
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】センサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20230912BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
A61M16/00 370Z
A61B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034701
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】株本 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 文彦
(72)【発明者】
【氏名】馬場 裕也
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038ST02
4C038SU19
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティが向上したセンサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタを提供する。
【解決手段】センサ取付システム1は、被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサ2と、呼吸ガスセンサ2に適合する適合エアウェイアダプタ3とを備える。呼吸ガスセンサ2は、被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部と、適合エアウェイアダプタ3に係合するセンサ側係合部と、を備える。適合エアウェイアダプタ3は、呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路40を有する管部と、センサ側係合部と係合するアダプタ側係合部と、を備える。呼吸ガスセンサ2は、適合エアウェイアダプタ3と呼吸ガスセンサ2が互いに干渉しない状態で、適合エアウェイアダプタ3に取付可能となり、呼吸ガスセンサ2に適合しない不適合エアウェイアダプタと呼吸ガスセンサ2が互いに干渉した状態で、不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサと、前記呼吸ガスセンサに適合する適合エアウェイアダプタとを備えたセンサ取付システムであって、
前記呼吸ガスセンサは、
前記被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部と、
前記適合エアウェイアダプタに係合するセンサ側係合部と、
を備え、
前記適合エアウェイアダプタは、
前記呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路を有する管部と、
前記センサ側係合部と係合するアダプタ側係合部と、
を備え、
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる、
センサ取付システム。
【請求項2】
前記呼吸ガスセンサは、
前記呼吸ガスセンサの第一面及び前記第一面とは反対側の第二面のうちの少なくとも一方に設けられ、前記不適合エアウェイアダプタとの取付を不可能にするように構成された取付阻止部をさらに備え、
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアウェイアダプタと前記取付阻止部とが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記不適合エアウェイアダプタと前記取付阻止部とが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる、
請求項1に記載のセンサ取付システム。
【請求項3】
前記適合エアウェイアダプタは、前記取付阻止部との干渉を防止するように前記取付阻止部を収容する収容部をさらに備える、
請求項2に記載のセンサ取付システム。
【請求項4】
前記取付阻止部は、前記第一面及び前記第二面のうちの少なくとも一方から突出した柱状体として構成されている、
請求項2又は3に記載のセンサ取付システム。
【請求項5】
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアウェイアダプタに対する前記呼吸ガスセンサの位置を決定するように構成され、前記適合エアウェイアダプタの一部が嵌合する嵌合部をさらに備え、
前記適合エアウェイアダプタは、
前記適合エアウェイアダプタに対する前記呼吸ガスセンサの位置を決定するように構成され、前記嵌合部と嵌合するセンサ装着部をさらに備え、
前記管部は、
第1外径を有する第1管部と、
前記第1外径より大きな第2外径を有する第2管部と、
を有し、
前記センサ装着部は、前記適合エアウェイアダプタの長手方向において前記第1管部と前記第2管部との間に配置され、
前記アダプタ側係合部と前記収容部は、前記長手方向において前記第1管部と前記センサ装着部との間または前記第2管部と前記センサ装着部との間に配置される、
請求項3に記載のセンサ取付システム。
【請求項6】
前記センサ側係合部は、
前記第一面に設けられた第1センサ側係合部と、
前記第二面に設けられた第2センサ側係合部と、
を有し、
前記アダプタ側係合部は、
前記長手方向において前記第1管部と前記センサ装着部との間に設けられ、前記第1センサ側係合部と係合する第1アダプタ側係合部と、
前記長手方向において前記第2管部と前記センサ装着部との間に設けられ、前記第2センサ側係合部と係合する第2アダプタ側係合部と、
を有し、
前記取付阻止部は、
前記第一面に設けられた第1取付阻止部と、
前記第二面に設けられた第2取付阻止部と、
を有し、
前記収容部は、
前記長手方向において前記第1管部と前記センサ装着部との間に設けられ、前記第1取付阻止部との干渉を防止するように前記第1取付阻止部を収容する第1収容部と、
前記長手方向において前記第2管部と前記センサ装着部との間に設けられ、前記第2取付阻止部との干渉を防止するように前記第2取付阻止部を収容する第2収容部と、
を有する、
請求項5に記載のセンサ取付システム。
【請求項7】
前記第1取付阻止部は、前記第1センサ側係合部を介して互いに対向する一対の第1取付阻止部を有し、
前記第2取付阻止部は、前記第2センサ側係合部を介して互いに対向する一対の第2取付阻止部を有し、
前記第1収容部は、前記第1アダプタ側係合部を介して互いに対向する一対の第1収容部を有し、
前記第2収容部は、前記第2アダプタ側係合部を介して互いに対向する一対の第2収容部を有し、
前記一対の第1収容部の各々は、前記一対の第1取付阻止部のうちの対応する一つとの干渉を防止するように前記対応する第1取付阻止部を収容し、
前記一対の第2収容部の各々は、前記一対の第2取付阻止部のうちの対応する一つとの干渉を防止するように前記対応する第2取付阻止部を収容する、
請求項6に記載のセンサ取付システム。
【請求項8】
被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサであって、
前記呼吸ガスセンサは、前記呼吸ガスセンサに適合する適合エアウェイアダプタに取付可能であって、
前記被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部と、
前記適合エアウェイアダプタに係合するセンサ側係合部と、
を備え、
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる、
呼吸ガスセンサ。
【請求項9】
前記呼吸ガスセンサの第一面及び前記第一面とは反対側の第二面のうちの少なくとも一方に設けられ、前記不適合エアウェイアダプタとの取付を不可能にするように構成された取付阻止部をさらに備え、
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアウェイアダプタと前記取付阻止部とが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記不適合エアウェイアダプタと前記取付阻止部とが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる、
請求項8に記載の呼吸ガスセンサ。
【請求項10】
被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサに取付可能な適合エアウェイアダプタであって、
前記呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路を有する管部と、
前記呼吸ガスセンサと係合するアダプタ側係合部と、
を備え、
前記呼吸ガスセンサは、前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタとの取付を不可能にするように構成された取付阻止部を有し、
前記適合エアウェイアダプタは、
前記取付阻止部との干渉を防止するように前記取付阻止部を収容する収容部をさらに備える、
適合エアウェイアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、人工呼吸器の気管チューブに接続されるエアウェイアダプタと、エアウェイアダプタに装着される呼吸ガスセンサとを備えたセンサ取付システムが開示されている。エアウェイアダプタに呼吸ガスセンサが装着されることで、患者の呼気ガスの状態(例えば、二酸化炭素の濃度や分圧)を検出することが可能となる。また、呼吸ガスセンサによって測定される情報の測定精度を高めるために、呼吸ガスセンサとエアウェイアダプタとの間の位置決めがされた状態で呼吸ガスセンサはエアウェイアダプタに取り付けられている。一般的に、呼吸ガスセンサは繰り返し使用される一方で、エアウェイアダプタは使い捨てとなる。また、エアウェイアダプタは、非挿管用エアウェイアダプタや挿管用エアウェイアダプタ等の用途に応じた様々な種類のエアウェイアダプタが用意されている。ここで、挿管用エアウェイアダプタとは、患者の気管内に気管チューブが挿入される侵襲的陽圧換気で使用されるエアウェイアダプタとなる。一方、非挿管用エアウェイアダプタとは、患者の気管内に気管チューブが挿入されない非侵襲的陽圧換気で使用されるエアウェイアダプタとなる。一般的に、呼吸ガスセンサは全ての種類のエアウェイアダプタに取付可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-174152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、呼吸ガスセンサが侵襲的陽圧換気及び非侵襲的陽圧換気の両方に適用可能な場合には、呼吸ガスセンサは、全ての種類のエアウェイアダプタ(特に、挿管用エアウェイアダプタ及び非挿管用エアウェイアダプタ)に取付可能であることが好ましい。その一方で、呼吸ガスセンサが侵襲的陽圧換気にのみ適用可能な場合には、呼吸ガスセンサが非挿管用エアウェイアダプタに取付可能である状況は好ましくない場合がある。例えば、患者の呼吸ガス(呼気)に含まれるCO2濃度の測定精度を向上させるために、呼吸ガスセンサの使用前に呼吸ガスセンサのCO2濃度の較正(キャリブレーション)が一般的に実行されている。CO2濃度の較正手法は、侵襲的陽圧換気及び非侵襲的陽圧換気とでは異なる場合がある。侵襲的陽圧換気用の較正手法が適用された呼吸ガスセンサが非挿管用エアウェイアダプタに取り付けられる場合では、呼吸ガスセンサは、患者のCO2濃度を高い精度で検出できない虞がある。また、別の一例としては、成人用呼吸ガスセンサが新生児用エアウェイアダプタに取り付けられる場合も想定される。かかる場合では、新生児用エアウェイアダプタに接続される気管チューブが成人用呼吸ガスセンサの重量によって必要以上に折れ曲がってしまう状況が想定される。このように、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサがエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となるようなセンサ取付システムについて検討する余地がある。
【0005】
本開示は、ユーザビリティが向上したセンサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタを提供することを目的とする。特に、本開示は、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサがエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となるようなセンサ取付システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るセンサ取付システムは、被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサと、前記呼吸ガスセンサに適合する適合エアウェイアダプタとを備える。
前記呼吸ガスセンサは、
前記被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部と、
前記適合エアウェイアダプタに係合するセンサ側係合部と、
を備える。
前記適合エアウェイアダプタは、
前記呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路を有する管部と、
前記センサ側係合部と係合するアダプタ側係合部と、
を備える。
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる。
【0007】
上記構成によれば、呼吸ガスセンサは、呼吸ガスセンサに適合する適合エアアダプタと呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、適合エアウェイアダプタに取付可能となる。その一方で、呼吸ガスセンサは、呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる。このように、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサがエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となるようなセンサ取付システムを提供することができ、センサ取付システムのユーザビリティを向上させることができる。
【0008】
本開示の一態様に係る呼吸ガスセンサは、被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成されている。
前記呼吸ガスセンサは、前記呼吸ガスセンサに適合する適合エアウェイアダプタに取付可能であって、
前記被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部と、
前記適合エアウェイアダプタに係合するセンサ側係合部と、
を備える。
前記呼吸ガスセンサは、
前記適合エアアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、前記適合エアウェイアダプタに取付可能となり、
前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと前記呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、前記不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる。
【0009】
上記構成によれば、呼吸ガスセンサに適合する適合エアアダプタと呼吸ガスセンサが互いに干渉しない状態で、呼吸ガスセンサが適合エアウェイアダプタに取付可能となる。その一方で、呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタと呼吸ガスセンサが互いに干渉した状態で、呼吸ガスセンサが不適合エアウェイアダプタに取付不可能となる。このように、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサがエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となり、呼吸ガスセンサのユーザビリティを向上させることができる。
【0010】
本開示の一態様に係る適合エアウェイアダプタは、被検者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガスセンサに取付可能であって、
前記呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路を有する管部と、
前記呼吸ガスセンサと係合するアダプタ側係合部と、
を備える。
前記呼吸ガスセンサは、前記呼吸ガスセンサに適合しない不適合エアウェイアダプタとの取付を不可能にするように構成された取付阻止部を有する。
前記適合エアウェイアダプタは、前記取付阻止部との干渉を防止するように前記取付阻止部を収容する収容部をさらに備える。
【0011】
上記構成によれば、呼吸ガスセンサに設けられた取付阻止部との干渉を防止するように取付阻止部を収容する収容部が適合エアウェイアダプタに設けられているため、呼吸ガスセンサが適合エアウェイアダプタに取付可能となる。このように、呼吸ガスセンサに適合する適合エアウェイアダプタを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザビリティが向上したセンサ取付システム、呼吸ガスセンサおよび適合エアウェイアダプタを提供することができる。特に、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサがエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となるようなセンサ取付システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】呼吸ガスセンサと適合エアウェイアダプタとからなるセンサ取付システムを示す斜視図である。
図2】呼吸ガスセンサを示す正面図である。
図3】呼吸ガスセンサを示す背面図である。
図4】呼吸ガスセンサを示す底面図である。
図5】適合エアウェイアダプタを示す斜視図である。
図6】呼吸ガスセンサと不適合エアウェイアダプタとを示す斜視図である。
図7】不適合エアウェイアダプタを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照することで本開示の実施形態(以下、本実施形態)に係るセンサ取付システム1について以下に説明する。尚、各図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。また、本実施形態では、図1に示すセンサ取付システム1に対して設定されたX軸方向、Y軸方向、Z軸方向について適宜言及する。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各々は、残りの2つの方向に対して垂直となる。例えば、X軸方向は、Y軸方向及びZ軸方向に対して垂直となる。
【0015】
図1は、呼吸ガスセンサ2と適合エアウェイアダプタ3とからなるセンサ取付システム1を示す斜視図である。図1に示すように、センサ取付システム1は、呼吸ガスセンサ2と適合エアウェイアダプタ3とを備える。呼吸ガスセンサ2は、患者(被検者)の呼吸ガスの状態(例えば、呼吸ガスに含まれる二酸化炭素の濃度や分圧)を検出するように構成されている。呼吸ガスセンサ2は、ケーブル10を通じて図示しない生体情報モニタに接続されている。生体情報モニタは、患者の呼吸ガスの状態を示す生体信号を呼吸ガスセンサ2から取得した上で、呼吸ガス(呼気)の状態を示す情報を表示画面上に表示する。
【0016】
適合エアウェイアダプタ3は、呼吸ガスセンサ2に適合するエアウェイアダプタである。即ち、呼吸ガスセンサ2は、適合エアウェイアダプタ3に取付可能となっている。より具体的には、呼吸ガスセンサ2は、適合エアウェイアダプタ3と呼吸ガスセンサ2が互いに干渉しない状態で、適合エアウェイアダプタ3に取付可能となっている。図1では、呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられている様子が図示されている。エアウェイアダプタは、患者の呼吸ガスが通過する通気路を形成している。エアウェイアダプタが侵襲的陽圧換気で使用される挿管用エアウェイアダプタである場合、エアウェイアダプタは、患者の気管内に挿入された気管チューブに接続される。また、エアウェイアダプタが非侵襲的陽圧換気で使用される非挿管用エアウェイアダプタである場合、エアウェイアダプタは、酸素マスクに取り付けられてもよい。
【0017】
(呼吸ガスセンサの構成)
次に、図1から図4を参照して呼吸ガスセンサ2の構成について具体的に説明する。図1から図4に示すように、呼吸ガスセンサ2は、第一面24と、第一面24とは反対側に位置する第二面27と、上面28と、上面28とは反対側に位置する下面29とを有する。図2に示すように、第一面24上には、第1センサ側係合部21が設けられている。第1センサ側係合部21は、適合エアウェイアダプタ3の一部に係合するように構成されている。また、第一面24上には、一対の第1取付阻止部22が設けられている。一対の第1取付阻止部22は、第1センサ側係合部21を介して互いに対向している。各第1取付阻止部22は、第一面24から突出した柱状体として構成されている。各第1取付阻止部22は、呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に挿入される挿入方向であるZ軸方向に沿って延びている。
【0018】
図3に示すように、第二面27上には、第2センサ側係合部26が設けられている。第2センサ側係合部26は、適合エアウェイアダプタ3の一部に係合するように構成されている。また、第二面27上には、一対の第2取付阻止部25が設けられている。一対の第2取付阻止部25は、第2センサ側係合部26を介して互いに対向している。各第2取付阻止部25は、第二面27から突出した柱状体として構成されている。各第2取付阻止部25は、Z軸方向に沿って延びている。図4に示すように、一対の第2取付阻止部25の各々は、X軸方向において、一対の第1取付阻止部22のうちの対応する一つと対向している。
【0019】
図2から図4に示すように、下面29には嵌合部23が設けられている。嵌合部23は、適合エアウェイアダプタ3に対する呼吸ガスセンサ2の位置を決定するように構成されている。適合エアウェイアダプタ3の一部が嵌合部23に嵌合することで、呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられる。嵌合部23は、X軸方向において呼吸ガスセンサ2の本体を貫通する溝として形成されている。嵌合部23は、X軸方向において第一面24と第二面27との間を延出していると共に、Z軸方向において下面29と第1センサ側係合部21(若しくは第2センサ側係合部26)との間を延出している。Z軸方向において、第1センサ側係合部21及び第2センサ側係合部26は、嵌合部23に対向している。
【0020】
嵌合部23は、Y軸方向において互いに対向する側壁部23a,23bと、側壁部23a,23bの一端のそれぞれに接続する底部23cによって規定されている。側壁部23aには、発光部42が設けられている。側壁部23bには、受光部41が設けられている。即ち、発光部42と受光部41は、Y軸方向において嵌合部23を介して互いに対向するように配置されている。図1に示すように呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられた状態で、センサ装着部31(図5参照)は嵌合部23に嵌合する。この状態において、発光部42と受光部41は、Y軸方向において呼吸ガス通気路40内を通過する呼吸ガスを介して互いに対向する。
【0021】
発光部42及び受光部41は、患者の呼吸ガスの状態を検出するように構成された呼吸ガス検出部として機能する。発光部42は、第1赤外光を出射する第1発光素子と、第1赤外光とは異なる波長の第2赤外光を出射する第2発光素子とを有する。受光部41は、第1発光素子から出射された第1赤外光を受光する第1受光素子と、第2発光素子から出射された第2赤外光を受光する第2受光素子とを有する。尚、本例において、呼吸ガス検出部は、発光部及び受光部に限定されるものではない。
【0022】
第1赤外光は、呼吸ガス中に含まれる二酸化炭素によって吸収される一方で、第2赤外光は二酸化炭素によって吸収されない。このように、第1受光素子により受光される第1赤外光の受光強度は、呼吸ガス中に含まれる二酸化炭素の濃度に応じて変化する。その一方で、第2受光素子により受光される第2赤外光の受光強度は、二酸化炭素の濃度に応じて変化しない。このため、第1赤外光は二酸化炭素の濃度を測定するための測定光として利用される一方、第2赤外光は参照光として利用される。呼吸ガスセンサ2に設けられた制御部(図示せず)は、第1受光素子から出力された第1測定信号の強度と第2受光素子から出力された第2測定信号の強度との間の比率に基づいて、患者の呼吸ガスの状態(呼吸ガスに含まれる二酸化炭素の濃度や分圧)を示す生体信号を生成することができる。
【0023】
また、制御部は、患者の呼吸ガスの状態を示す生体信号を生成する前に、二酸化炭素濃度の較正処理を実行してもよい。較正処理が事前に実行されることで二酸化炭素濃度の測定精度を向上させることが可能となる。また、侵襲的陽圧換気または非侵襲的陽圧換気に応じて、二酸化炭素濃度の較正処理の手法が異なっていてもよい。
【0024】
(適合エアウェイアダプタの構成)
次に、図5を参照して適合エアウェイアダプタ3の構成について具体的に説明する。図5は、適合エアウェイアダプタ3を示す斜視図である。図5に示すように、適合エアウェイアダプタ3は、管部30と、センサ装着部31と、第1フランジ部45と、第2フランジ部46と、第1アダプタ側係合部34と、第2アダプタ側係合部35とを備える。また、適合エアウェイアダプタ3は、一対の第1収容部36と、一対の第2収容部37とをさらに備える。
【0025】
管部30は、患者から排出される呼吸ガスが通過する呼吸ガス通気路40を有する。管部30は、第1外径を有する第1管部32と、第1外径よりも大きな第2外径を有する第2管部33とを有する。第1管部32及び第2管部33は、円筒状に形成されており、第1管部32の中空領域と第2管部33の中空領域によって呼吸ガス通気路40が形成される。第1管部32は、チューブを介して人工呼吸器やエアバック等の外部機器に接続される。第2管部33は、気管チューブやマスク等の患者に装着される機器に接続される。
【0026】
センサ装着部31は、適合エアウェイアダプタ3に対する呼吸ガスセンサ2の位置を決定するように構成されている。呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられる際に、センサ装着部31は、呼吸ガスセンサ2の嵌合部23に嵌合するように構成されている。センサ装着部31は、適合エアウェイアダプタ3の長手方向であるX軸方向において、第1管部32と第2管部33との間に配置されている。センサ装着部31には中空領域が設けられている。センサ装着部31の中空領域は、第1管部32の中空領域および第2管部33の中空領域にそれぞれ連通している。このように、患者の呼吸ガスは、第2管部33の中空領域を通過した後に、センサ装着部31の中空領域および第1管部32の中空領域を通過する。
【0027】
センサ装着部31には、Y軸方向において互いに対向する一対のガラス窓(図示せず)が設けられている。一対のガラス窓は、赤外光を透過させるように構成されている。呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられた状態で、一対のガラス窓の一方はY軸方向において発光部42と対向していると共に、一対のガラス窓の他方はY軸方向において受光部41と対向している。
【0028】
第1フランジ部45は、X軸方向において第1管部32とセンサ装着部31との間に配置されている。呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられた状態で、第1フランジ部45は、X軸方向において呼吸ガスセンサ2の第一面24の一部を覆う。第2フランジ部46は、X軸方向において第2管部33とセンサ装着部31との間に配置されている。呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられた状態で、第2フランジ部46は、X軸方向において呼吸ガスセンサ2の第二面27の一部を覆う。
【0029】
第1アダプタ側係合部34は、呼吸ガスセンサ2の第1センサ側係合部21に係合するように構成されている(図1参照)。特に、第1アダプタ側係合部34は、呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられる際に弾性変形することで、第1センサ側係合部21にスナップ嵌合する。第1アダプタ側係合部34は、X軸方向において第1管部32とセンサ装着部31との間に配置されている。
【0030】
第2アダプタ側係合部35は、呼吸ガスセンサ2の第2センサ側係合部26(図3参照)に係合するように構成されている。特に、第2アダプタ側係合部35は、呼吸ガスセンサ2が適合エアウェイアダプタ3に取り付けられる際に弾性変形することで、第2センサ側係合部26にスナップ嵌合する。第2アダプタ側係合部35は、X軸方向において第2管部33とセンサ装着部31との間に配置されている。第2アダプタ側係合部35と第1アダプタ側係合部34は、X軸方向において互いに対向している。
【0031】
一対の第1収容部36は、呼吸ガスセンサ2と適合エアウェイアダプタ3との間の干渉を防止するように構成されている。一対の第1収容部36は、X軸方向において第1管部32とセンサ装着部31との間に配置されていると共に、Y軸方向において第1アダプタ側係合部34を介して互いに対向している。一対の第1収容部36は、第1フランジ部45に形成された切欠き部として構成されている。図1に示すように、一対の第1収容部36の各々は、一対の第1取付阻止部22のうちの対応する一つを収容するように構成されている。特に、一対の第1収容部36の各々は、対応する第1取付阻止部22と適合エアウェイアダプタ3との間の干渉を防止するように、対応する第1取付阻止部22を収容するように構成されている。
【0032】
一対の第2収容部37は、呼吸ガスセンサ2と適合エアウェイアダプタ3との間の干渉を防止するように構成されている。一対の第2収容部37は、X軸方向において第2管部33とセンサ装着部31との間に配置されていると共に、Y軸方向において第2アダプタ側係合部35を介して互いに対向している。一対の第2収容部37は、第2フランジ部46に形成された切欠き部として構成されている。一対の第2収容部37の各々は、一対の第2取付阻止部25(図3参照)のうちの対応する一つを収容するように構成されている。特に、一対の第2収容部37の各々は、対応する第2取付阻止部25と適合エアウェイアダプタ3との間の干渉を防止するように、対応する第2取付阻止部25を収容するように構成されている。一対の第2収容部37の各々は、X軸方向において、一対の第1収容部36のうちの対応する一つと対向している。
【0033】
本実施形態では、適合エアウェイアダプタ3に一対の第1収容部36及び第2収容部37が設けられているため、呼吸ガスセンサ2と適合エアウェイアダプタ3との間の干渉が防止され、適合エアウェイアダプタ3が呼吸ガスセンサ2に取付可能となる。
【0034】
(不適合エアウェイアダプタの構成)
次に、本実施形態に係る適合エアウェイアダプタ3と不適合エアウェイアダプタとの相違点を説明するため、不適合エアウェイアダプタの一例について図6及び図7を参照して以下に説明する。図6は、呼吸ガスセンサ2と不適合エアウェイアダプタ3aとを示す斜視図である。図7は、不適合エアウェイアダプタ3aを示す斜視図である。
【0035】
ここで、不適合エアウェイアダプタとは、呼吸ガスセンサ2に適合しないエアウェイアダプタである。即ち、呼吸ガスセンサ2は、不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となっている。より具体的には、呼吸ガスセンサ2は、不適合エアウェイアダプタ3aと呼吸ガスセンサ2が互いに干渉した状態で、不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となっている。
【0036】
図6では、呼吸ガスセンサ2の一部が不適合エアウェイアダプタ3aに干渉している様子が図示されている。尚、以降の説明では、不適合エアウェイアダプタ3aに取付可能な呼吸ガスセンサを呼吸ガスセンサ2aと称する場合がある。呼吸ガスセンサ2aは、取付阻止部が設けられていない点で、本実施形態に係る呼吸ガスセンサ2とは相違する。
【0037】
図6及び図7に示すように、不適合エアウェイアダプタ3aは、第1収容部36及び第2収容部37が設けられていない点で適合エアウェイアダプタ3とは大きく相違する。不適合エアウェイアダプタ3aは、管部30aと、センサ装着部31aと、第1フランジ部45aと、第2フランジ部46aと、第1アダプタ側係合部34aと、第2アダプタ側係合部35aとを備える。また、適合エアウェイアダプタ3は、一対の第1干渉突出部142と、一対の第2干渉突出部143とをさらに備える。
【0038】
管部30aは、呼吸ガス通気路40aを有する。管部30aは、第1外径を有する第1管部32aと、第1外径よりも大きな第2外径を有する第2管部33aとを有する。センサ装着部31aは、不適合エアウェイアダプタ3aに対する呼吸ガスセンサ2aの位置を決定するように構成されている。第1アダプタ側係合部34a及び第2アダプタ側係合部35aのそれぞれは、呼吸ガスセンサ2aの一部に係合するように構成されている。
【0039】
一対の第1干渉突出部142は、呼吸ガスセンサ2と不適合エアウェイアダプタ3aとが互いに干渉するように構成されている。一対の第1干渉突出部142は、第1フランジ部45aに形成された突出部として構成されている。図6に示すように、一対の第1干渉突出部142の各々は、一対の第1取付阻止部22のうちの対応する一つと干渉するように構成されている。特に、一対の第1干渉突出部142の各々は、対応する第1取付阻止部22と不適合エアウェイアダプタ3aとが干渉するように、対応する第1取付阻止部22に接触する。
【0040】
一対の第2干渉突出部143は、呼吸ガスセンサ2と不適合エアウェイアダプタ3aとが互いに干渉するように構成されている。一対の第2干渉突出部143は、第2フランジ部46aに形成された突出部として構成されている。一対の第2干渉突出部143の各々は、一対の第2取付阻止部25(図3参照)のうちの対応する一つと干渉するように構成されている。特に、一対の第2干渉突出部143の各々は、対応する第2取付阻止部25と不適合エアウェイアダプタ3aとが干渉するように、対応する第2取付阻止部25に接触する。このように、呼吸ガスセンサ2の嵌合部23は、不適合エアウェイアダプタ3aのセンサ装着部31aに嵌合されないため、呼吸ガスセンサ2は、不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となる。
【0041】
本実施形態によれば、呼吸ガスセンサ2は、適合エアウェイアダプタ3と呼吸ガスセンサ2が互いに干渉しない状態で、適合エアウェイアダプタ3に取付可能となる。その一方で、呼吸ガスセンサ2は、呼吸ガスセンサ2に適合しない不適合エアウェイアダプタ3aと呼吸ガスセンサ2が互いに干渉した状態で、不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となる。このように、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサ2がエアウェイアダプタに取付可能又は不可能となるようなセンサ取付システム1を提供することができ、センサ取付システム1及び呼吸ガスセンサ2のユーザビリティを向上させることができる。
【0042】
例えば、呼吸ガスセンサ2が侵襲的陽圧換気にのみ使用可能な呼吸ガスセンサである場合、適合エアウェイアダプタ3は挿管用エアウェイアダプタである一方、不適合エアウェイアダプタ3aは非挿管用エアウェイアダプタであってもよい。この場合、呼吸ガスセンサ2は、挿管用エアウェイアダプタである適合エアウェイアダプタ3に取付可能となる一方で、非挿管用エアウェイアダプタである不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となる。
【0043】
また、呼吸ガスセンサ2が成人用呼吸ガスセンサである場合、適合エアウェイアダプタ3は成人用エアウェイアダプタである一方、不適合エアウェイアダプタ3aは新生児用エアウェイアダプタであってもよい。この場合、呼吸ガスセンサ2は、成人用エアウェイアダプタである適合エアウェイアダプタ3に取付可能となる一方で、新生児用エアウェイアダプタである不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、一対の第1取付阻止部22と一対の第1収容部36との連携および一対の第2取付阻止部25と一対の第2収容部37との連携を通じて、エアウェイアダプタの種類に応じて呼吸ガスセンサ2がエアウェイアダプタに取付可能又は取付不可能となるようなセンサ取付システム1を提供することができる。このように、センサ取付システム1及び呼吸ガスセンサ2のユーザビリティを向上させることができる。特に、呼吸ガスセンサ2に設けられた第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25によって、呼吸ガスセンサ2と不適合エアウェイアダプタ3aとの取付を確実に阻止することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態では、Y軸方向において、一対の第1取付阻止部22が第1センサ側係合部21を介して互いに対向するように配置されていると共に、一対の第2取付阻止部25が第2センサ側係合部26を介して互いに対向するように配置されている。このような配置構造によれば、呼吸ガスセンサ2が不適合エアウェイアダプタ3aに取り付けられることを確実に防止することができる一方で、呼吸ガスセンサ2を適合エアウェイアダプタ3に確実に取り付けることができる。この点において、単一の第1アダプタ側係合部34が第1センサ側係合部21に確実にスナップ嵌合されると共に、単一の第2アダプタ側係合部35が第2センサ側係合部26に確実にスナップ嵌合される。このため、呼吸ガスセンサ2を適合エアウェイアダプタ3に確実に取り付けることができる。その一方で、一対の第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25が不適合エアウェイアダプタ3aに確実に干渉することで、呼吸ガスセンサ2と不適合エアウェイアダプタ3aとの間の取付が確実に防止される。
【0046】
また、本実施形態では、一対の第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25は、Z軸方向に延びる柱状体として構成されている。このため、Z軸方向に沿って呼吸ガスセンサ2が不適合エアウェイアダプタ3a内に挿入される際に、Z軸方向に延びる一対の第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25が確実に不適合エアウェイアダプタ3aに干渉する。特に、図6に示すように、第1アダプタ側係合部34が第1センサ側係合部21にスナップ嵌合される前に、一対の第1取付阻止部22が不適合エアウェイアダプタ3aの一部と干渉する。同様に、第2アダプタ側係合部35が第2センサ側係合部26に確実にスナップ嵌合される前に、一対の第2取付阻止部25が不適合エアウェイアダプタ3aの一部と干渉する。このように、医療従事者は、呼吸ガスセンサ2が不適合エアウェイアダプタ3aに取付不可能であることを確実に把握することができる。さらに、第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25がZ軸方向に延びる柱状体として構成されているため、Z軸方向における第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25の剛性を向上させることができ、Z軸方向の外力によって第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25が破損することが好適に防止されうる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0048】
尚、本実施形態では、2つの第1取付阻止部22と第2取付阻止部25が呼吸ガスセンサ2に設けられているが、取付阻止部の個数は特に限定されるものではない。同様に、第1取付阻止部22を収容する第1収容部36と第2取付阻止部25を収容する第2収容部37の個数も特に限定されるものではない。例えば、呼吸ガスセンサ2の第一面24に単一の第1取付阻止部22が設けられる一方で、呼吸ガスセンサ2の第二面27に単一の第2取付阻止部25が設けられてもよい。この場合、第1収容部36と第2収容部37の個数も一つであってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、第1取付阻止部22は第1センサ側係合部21の付近に配置されると共に、第2取付阻止部25は第2センサ側係合部26の付近に配置されているが、第1取付阻止部22及び第2取付阻止部25の配置場所は特に限定されるものではない。
【0050】
また、本実施形態では、呼吸ガスセンサ2に取付阻止部が設けられる一方で、適合エアウェイアダプタ3に取付阻止部を収容する収容部が設けられているが、本実施形態はこれに限定されるものではない。この点において、エアウェイアダプタに取付阻止部が設けられる一方で、呼吸ガスセンサに取付阻止部を収容するための収容部が設けられてもよい。この場合、呼吸ガスセンサの種類に応じて、呼吸ガスセンサとエアウェイアダプタとの間の取付が可能又は不可能となる。この場合、エアウェイアダプタに設けられる複数の取付阻止部の各々は、Z軸方向に沿って延びる柱状体として構成されていてもよい。さらに、エアウェイアダプタに適合する呼吸ガスセンサ(以下、適合呼吸ガスセンサ)に設けられる複数の収容部の各々は、Z軸方向に沿って延びる溝部として形成されていてもよい。このように、複数の取付阻止部の各々が対応する収容部に挿入されることで、エアウェイアダプタと適合呼吸ガスセンサが互いに取付可能となる。その一方で、エアウェイアダプタに適合しない呼吸ガスセンサ(以下、不適合呼吸ガスセンサ)には、取付阻止部を収容するための収容部が設けられていない。このため、エアウェイアダプタに設けられる複数の取付阻止部が不適合呼吸ガスセンサに干渉することで、エアウェイアダプタと不適合呼吸ガスセンサとの間の取付が確実に防止される。
【符号の説明】
【0051】
1:センサ取付システム
2,2a:呼吸ガスセンサ
3:適合エアウェイアダプタ
3a:不適合エアウェイアダプタ
10:ケーブル
21:第1センサ側係合部
22:第1取付阻止部
23:嵌合部
25:第2取付阻止部
26:第2センサ側係合部
30,30a:管部
31,31a:センサ装着部
32,32a:第1管部
33,33a:第2管部
34,34a:第1アダプタ側係合部
35,35a:第2アダプタ側係合部
36:第1収容部
37:第2収容部
40,40a:呼吸ガス通気路
41:受光部
42:発光部
45,45a:第1フランジ部
46,46a:第2フランジ部
142:第1干渉突出部
143:第2干渉突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7