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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130184
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】車両用検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20230912BHJP
   B60B 35/02 20060101ALI20230912BHJP
   F16C 41/00 20060101ALI20230912BHJP
   F16C 19/18 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G01L5/00 K
B60B35/02 L
F16C41/00
F16C19/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034711
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207859
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 尚人
(72)【発明者】
【氏名】木田 喜啓
(72)【発明者】
【氏名】河野 隆修
(72)【発明者】
【氏名】木村 優介
(72)【発明者】
【氏名】赤間 貞洋
(72)【発明者】
【氏名】堀畑 晴美
(72)【発明者】
【氏名】近江 徹哉
(72)【発明者】
【氏名】北浦 靖寛
(72)【発明者】
【氏名】小林 篤史
(72)【発明者】
【氏名】森川 鉄平
【テーマコード(参考)】
2F051
3J217
3J701
【Fターム(参考)】
2F051AA01
2F051AB05
2F051BA07
3J217JA02
3J217JA12
3J217JA24
3J217JA33
3J217JA38
3J217JB23
3J217JB25
3J217JB52
3J217JB55
3J217JB64
3J217JB70
3J217JB84
3J701AA02
3J701AA43
3J701AA54
3J701AA62
3J701AA72
3J701BA77
3J701FA25
3J701FA41
3J701GA03
3J701GA24
(57)【要約】
【課題】変位の検出精度を高めることができる車両用検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置は、車両の車体に対して固定される固定子ベース部42と、軸受50とを備えている。軸受50は、外輪51、内輪52、及び外輪51と内輪52との間に設けられる転動体53を有し、車輪を固定子ベース部42に対して回転可能に支持する。内輪52が車輪に対して固定され、外輪51が固定子ベース部42に対して固定されている。検出装置は、内輪52に対して固定され、軸受50の径方向外側に延びる円盤状のレース部80と、検出ユニット90とを備えている。検出ユニット90は、固定子ベース部42のうち、径方向において軸受50から離れた位置であって、軸受50の軸方向においてレース部80と対向する位置に設けられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体に対して固定されるベース部(42)と、
外輪部材(51)、内輪部材(52)、及び前記外輪部材と前記内輪部材との間に設けられる転動体(53)を有し、前記車両の車輪を前記ベース部に対して回転可能に支持する軸受(50)と、を備え、
前記外輪部材及び前記内輪部材のうち、一方である第1軸受部材(52)が前記車輪に対して固定され、他方である第2軸受部材(51)が前記ベース部に対して固定され、
前記第1軸受部材と一体回転するように設けられ、前記第1軸受部材に対して前記軸受の径方向外側に延びる円盤状の検出用回転部(80,83,86)と、
前記ベース部のうち、前記径方向において前記軸受から離れた位置であって、前記軸受の軸方向において前記検出用回転部と対向する位置に前記検出用回転部と非接触の状態で設けられ、前記検出用回転部の前記軸方向の変位に応じた信号を出力する変位検出部(90,90A,90B)と、
を備える、車両用検出装置。
【請求項2】
前記検出用回転部のうち前記径方向において前記軸受から離れた位置には、前記軸受の周方向に延びる円環状の検出対象部(81,82,84,85,87,88)が形成されており、
前記変位検出部は、
前記ベース部に対して固定されるとともに前記軸方向において前記検出対象部と対向する位置に設けられ、前記軸方向と交差する方向に延びる平面状の受信コイル(110,120)と、
交流の励磁電圧が供給される励磁コイル(100)と、
を有し、
前記受信コイルは、前記励磁コイルに前記励磁電圧が供給されている場合に電圧が誘起され、
前記受信コイルの出力電圧信号に基づいて、前記検出用回転部の前記軸方向の変位を算出する処理部(70)を備える、請求項1に記載の車両用検出装置。
【請求項3】
前記検出対象部は、
金属部分(81)と、前記軸方向において貫かれた部分(82)とが前記周方向において交互に設けられた構成、
前記軸方向に凹む凹部(88)と、前記凹部に対して前記軸方向に突出する凸部(87)とが前記周方向において交互に設けられた構成、又は
金属部分と非金属部分とが前記周方向において交互に設けられた構成
になっており、
前記処理部は、前記受信コイルの出力電圧信号に基づいて、前記検出用回転部の回転角を更に算出する、請求項2に記載の車両用検出装置。
【請求項4】
前記受信コイルは、
前記励磁コイルに前記励磁電圧が供給されている場合に電圧が誘起される第1受信コイル(110)と、
前記励磁コイルに前記励磁電圧が供給されている場合に、前記第1受信コイルの誘起電圧に対して位相がずれた電圧が誘起される第2受信コイル(120)と、を含み、
前記処理部は、前記第1受信コイル及び前記第2受信コイルの出力電圧信号に基づいて、前記回転角を算出する、請求項3に記載の車両用検出装置。
【請求項5】
前記変位検出部として、第1変位検出部(90A)及び第2変位検出部(90B)を備え、
前記第1変位検出部が備える前記受信コイルは、前記軸方向において前記検出用回転部の上端部と対向する位置に設けられ、
前記第2変位検出部が備える前記受信コイルは、前記軸方向において前記検出用回転部の下端部と対向する位置に設けられている、請求項2~4のいずれか1項に記載の車両用検出装置。
【請求項6】
前記変位検出部として、第1変位検出部(90A)及び第2変位検出部(90B)を備え、
前記第1変位検出部が備える前記受信コイルは、前記軸方向において前記検出用回転部の上端部又は下端部と対向する位置に設けられ、
前記第2変位検出部が備える前記受信コイルは、前記軸方向において前記検出用回転部を挟んで前記第1変位検出部が備える前記受信コイル側とは反対側に設けられている、請求項2~4のいずれか1項に記載の車両用検出装置。
【請求項7】
前記第1変位検出部が備える前記受信コイルの出力電圧信号の位相と、前記第2変位検出部が備える前記受信コイルの出力電圧信号の位相とが同じになるように、前記第1変位検出部及び前記第2変位検出部が構成され、
前記第1変位検出部が備える前記受信コイルの出力電圧信号と、前記第2変位検出部が備える前記受信コイルの出力電圧信号との差を増幅して出力する増幅部(AP)を備え、
前記処理部は、前記増幅部の出力電圧信号に基づいて前記変位を算出する、請求項5又は6に記載の車両用検出装置。
【請求項8】
前記受信コイルは、
前記励磁コイルに前記励磁電圧が供給されている場合に前記受信コイルの両端に第1極性の電圧を発生させる第1部分(110A,120A)と、
前記励磁コイルに前記励磁電圧が供給されている場合に前記受信コイルの両端に前記第1極性とは逆極性の第2極性の電圧を発生する第2部分(110B,120B)と、
を有し、
前記受信コイルは、
前記受信コイルの平面視において、前記受信コイルの前記周方向の中央に対して一方側に前記第1部分(120A)が設けられるとともに他方側に前記第2部分(120B)が設けられて、かつ、前記第1部分と前記第2部分とが前記周方向に並んだ構成、又は
前記受信コイルの平面視において、前記受信コイルの前記周方向の中央に対して一方側の前記第1部分(110A)及び前記第2部分(110B)と他方側の前記第1部分及び前記第2部分とが、前記中央に対して対称の構成
になっており、
前記受信コイルは、前記検出用回転部の回転中心軸線を通る水平軸線を跨いた状態で設けられ、
前記受信コイルの前記周方向の中央が前記水平軸線に対して上下方向にずれた位置になっている、請求項2~4のいずれか1項に記載の車両用検出装置。
【請求項9】
前記処理部は、算出した前記変位に基づいて、前記車輪に作用する横力を算出する、請求項2~8のいずれか1項に記載の車両用検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、車輪に固定されたハブを車体に対して回転可能に支持する軸受ユニットが知られている。軸受ユニットは、車体に対して固定された外輪と、ハブに対して固定された内輪と、外輪及び内輪の間の転動体とを備えている。ここで、車両の走行を安定させるためには、車輪に作用する力(例えば横力)に基づいて、車両の走行制御が行われることが望まれる。
【0003】
車輪に作用する力を検出するための構成として、特許文献1には、内輪の内周側に設けられ、ハブに対して固定された被検出リングと、変位センサユニットとが記載されている。被検出リングは、円筒部と、円筒部の軸方向端部から径方向外側に屈曲した折れ曲がり部とを備えている。変位センサユニットの先端部は、内輪の内周側に配置されている。変位センサユニットの先端部には、軸受ユニットの軸方向において折れ曲がりと対向する変位測定素子が設けられている。
【0004】
車輪に力が作用すると、外輪の中心軸線に対する内輪の中心軸線の傾きが増加する。この場合、変位測定素子と折れ曲がり部との軸方向における距離が変化する。この距離の変化が、折れ曲がり部の軸方向の変位として検出される。そして、検出された変位が車輪に作用する力に換算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3900031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
折れ曲がり部は、軸受ユニット内部に設けられているため、車輪に力が作用する場合における折れ曲がり部の軸方向の変位は小さい。この場合、変位の検出精度が悪化することが懸念される。
【0007】
本発明は、変位の検出精度を高めることができる車両用検出装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の車体に対して固定されるベース部と、
外輪部材、内輪部材、及び前記外輪部材と前記内輪部材との間に設けられる転動体を有し、前記車両の車輪を前記ベース部に対して回転可能に支持する軸受と、を備え、
前記外輪部材及び前記内輪部材のうち、一方である第1軸受部材が前記車輪に対して固定され、他方である第2軸受部材が前記ベース部に対して固定され、
前記第1軸受部材と一体回転するように設けられ、前記第1軸受部材に対して前記軸受の径方向外側に延びる円盤状の検出用回転部と、
前記ベース部のうち、前記径方向において前記軸受から離れた位置であって、前記軸受の軸方向において前記検出用回転部と対向する位置に前記検出用回転部と非接触の状態で設けられ、前記検出用回転部の前記軸方向の変位に応じた信号を出力する変位検出部と、を備える。
【0009】
本発明では、軸受を構成する第1軸受部材と一体回転するように検出用回転部が設けられている。このため、検出用回転部は、第1軸受部材に対して固定された車輪と一体回転する。
【0010】
ここで、車輪に横力が作用する場合における検出用回転部の軸方向の変位は、第1軸受部材から径方向外側に離れるほど大きくなる。変位が大きくなる位置に変位検出部が設けられることにより、変位の検出精度を高めることができる。そこで、本発明では、ベース部のうち、径方向において軸受から離れた位置であって、軸方向において検出用回転部と対向する位置に変位検出部が設けられている。このため、例えば軸受内に変位検出部が設けられる構成と比較して、検出用回転部の軸方向の変位の変化に対する変位検出部の出力信号(例えば出力信号の振幅)の変化を大きくすることができる。これにより、変位検出部による変位の検出精度を高めることができ、例えば、検出された変位に基づく横力の算出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る車輪の縦断面図。
図2】レース部の平面図。
図3】タイヤに横力が作用した場合に外輪に対して内輪が傾斜した状態を示す図。
図4】検出ユニットを示す図。
図5】検出ユニット及び処理部の電気的構成を示す図。
図6】多層基板の平面視における励磁コイル及び第1,第2受信コイルの投影図。
図7】多層基板の1層目に形成された配線パターン及びビアを示す図。
図8】多層基板の2層目に形成された配線パターン及びビアを示す図。
図9】多層基板の3層目に形成された配線パターン及びビアを示す図。
図10】多層基板の4層目に形成された配線パターン及びビアを示す図。
図11】変位及び回転角の検出原理を説明するための図。
図12】変位及び回転角の検出原理を説明するための図。
図13】簡略化した第2受信コイルの平面図。
図14】受信コイルの出力電圧信号及びこの信号の包絡線の推移を示す図。
図15】第1,第2受信コイルの出力電圧信号の包絡線の推移を示す図。
図16】出力電圧信号の振幅最大値、変位及び横力の関係を示す特性図。
図17】第1実施形態の変形例に係るレース部の平面図。
図18】第1実施形態の変形例に係るレース部の斜視図。
図19】第1実施形態の変形例に係るレース部の平面図。
図20】第2実施形態に係るレース部、検出ユニット及び処理部を示す図。
図21】各検出ユニットの出力電圧の包絡線等の推移を示す図。
図22】第3実施形態に係るレース部、検出ユニット及び処理部を示す図。
図23】第4実施形態に係るレース部及び検出ユニットを示す図。
図24】第5実施形態に係る車輪の縦断面図。
図25】第6実施形態に係る車輪の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明に係る車両用検出装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の検出装置は、インホイールモータを備える車輪(駆動輪)に作用する横力を算出可能に構成されている。車両は、例えば、2つの前輪及び2つの後輪を有する乗用の4輪車両である。ただし、車両としては、これに限らず、2輪車両等、4輪以外の車両であってもよい。また、車両の用途としては、乗用に限らない。
【0013】
図1に示すように、車輪は、ホイール10及びインホイールモータ20を備えている。ホイール10は、円筒状のリム部11と、リム部11のうち車幅方向外側の端部に設けられた円板上のディスク部12とを備えている。リム部11の外周には、タイヤ13が取り付けられている。
【0014】
インホイールモータ20は、リム部11及びディスク部12により囲まれたホイール10の内側空間に収容されており、ホイール10に回転動力を付与する。インホイールモータ20は、回転子30と、回転子30の径方向内側に配置された固定子40とを備えるアウタロータ型のモータである。
【0015】
回転子30は、円筒状の磁石保持部31と、磁石保持部31の内周面に設けられた磁石ユニット32とを備えている。磁石保持部31においてインホイールモータ20の軸方向(車両の車幅方向)の外側端から内側端までにわたって、リム部11の内周面と対向している。磁石ユニット32は、回転子30の回転中心軸線と同心の円筒状をなしており、磁石保持部31の内周面に固定された複数の磁石を有している。つまり、本実施形態のインホイールモータ20は表面磁石型の同期機(SPMSM)である。磁石ユニット32において、磁石は、回転子30の周方向に沿って極性が交互に変わるように並べられている。これにより、磁石ユニット32には、周方向に複数の磁極が形成されている。磁石は、例えば焼結ネオジム磁石である。ちなみに、インホイールモータ20としては、埋込磁石型の同期機(IPMSM)であってもよい。
【0016】
回転子30は、磁石保持部31のうち車幅方向外側端部に設けられ、磁石保持部31とディスク部12とを接続する円盤状の平板部33を備えている。平板部33には、ディスク部12がボルトにより固定されている。これにより、回転子30とホイール10とが一体回転する。
【0017】
固定子40は、径方向において磁石ユニット32と対向する位置に配置された円筒状の固定子巻線41と、固定子巻線41の径方向内側に設けられた円筒状の固定子ベース部42とを備えている。固定子巻線41は、径方向において磁石ユニット32と対向する位置に設けられたコイルサイド部と、コイルサイド部の軸方向両端に設けられたコイルエンド部とを備えている。
【0018】
固定子ベース部42は、例えばナックル等を介して車体に固定され、固定子巻線41等を保持する。固定子ベース部42は、車体に対して固定された円筒部43を備えている。円筒部43のうち径方向において固定子巻線41と隣り合う部分が固定子コア43aとされている。
【0019】
固定子ベース部42は、円筒部43の軸方向一端から径方向内側に延びる固定部44を備えている。固定部44及び軸受50により、固定子ベース部42に対して回転子30が回転可能に支持されている。固定部44のうち径方向外側端部は、平板部33側に突出する円環状の突出部45とされている。突出部45のうち平板部33に対向する部分は平坦面とされている。
【0020】
軸受50は、転がり軸受(例えばラジアル玉軸受)であり、「第1軸受部材」に相当する外輪51と、「第2軸受部材」に相当する内輪52と、外輪51及び内輪52の間に配置された複数の転動体53(例えば玉)とを備えている。外輪51は、ボルトにより固定部44に固定されている。内輪52は、径方向において外輪51と対向する円柱部52aと、円柱部52aの軸方向一端部から径方向外側に延びるフランジ部52bとを備えている。フランジ部52bは、ボルトにより平板部33及びディスク部12に固定されている。なお、図1には、内輪52と外輪51とが同軸になっている状態を示す。
【0021】
車両には、固定子巻線41に電気的に接続されたインバータと、インバータに電気的に接続された蓄電部とが備えられている。蓄電部は、車体に設けられ、例えばリチウムイオン蓄電池等の蓄電池である。インバータを構成する上,下アームスイッチのスイッチング制御は、制御装置により行われる。これにより、回転子30が回転し、車輪が回転する。なお、インバータ及び制御装置は、車体に設けられていてもよいし、インホイールモータ20に内蔵されていてもよい。
【0022】
ホイール10の内側空間には、「検出用回転部」に相当する円盤状のレース部80と、「変位検出部」に相当する検出ユニット90とが設けられている。レース部80及び検出ユニット90は、インホイールモータ20の回転子30の回転角(具体的には、電気角又は機械角)、車輪の回転速度、及び接地面(地面)GLと車輪(タイヤ13)との間に作用する横力Fyを算出するために用いられる。例えば、算出された回転角(電気角)は、制御装置においてインバータのスイッチング制御に用いられ、車輪の回転速度及び横力は、制御装置において車両の走行制御に用いられる。
【0023】
図1及び図2に示すように、レース部80は、円盤状をなし、金属材料(例えば、鉄又はアルミニウム)で構成されている。レース部80の中央部には、貫通孔が形成されている。レース部80のうち貫通孔の周縁部は、ディスク部12方向に屈曲する屈曲部80aとされている。屈曲部80aは、回転子30の平板部33の中央部に形成された貫通孔に嵌め込まれている。レース部80は、回転子30の平板部33から離間して、かつ、内輪52のフランジ部52bに面接触した状態で、ボルトにより固定されている。これにより、レース部80と内輪52とが同軸にされている。レース部80、回転子30及びホイール10は一体回転する。
【0024】
レース部80のうち径方向外側端部は、固定子ベース部42の突出部45と対向している。図2に示すように、レース部80の径方向外側端部には、金属部分である遮蔽部81と、レース部80の板厚方向に貫かれた切欠82とが周方向において交互に形成されている。遮蔽部81及び切欠82により、円環状の「検出対象部」が形成されている。本実施形態では、遮蔽部81の周方向長さL1と、切欠82の周方向長さL2とが等しくなっている。また、図2に示す例では、遮蔽部81及び切欠82が8組設けられている。なお、図2に示すLCiは、内輪52の中心軸線を示す。
【0025】
検出ユニット90は、いわゆる渦電流式のインダクティブセンサである。検出ユニット90は、図2図4及び図5に示すように、基板91と、基板91に設けられたコイル部92と、回路部93とを備えている。図2は、ホイール10側から見たレース部80を示す図である。図4は、ホイール10側から見た基板91を示す図である。基板91は、突出部45の平坦面に固定されている。これにより、基板91は、外輪51の軸方向と直交する方向に延びている。本実施形態では、基板91は、円環状の突出部45のうち上端部の平坦面に固定されている。
【0026】
図1及び図5に示すように、回路部93は、処理部70と電気的に接続されている。詳しくは、突出部45に挿通孔46が形成され、挿通孔46に挿通された配線を介して処理部70と回路部93とが電気的に接続されている。なお、処理部70は、車体に設けられていてもよいし、インホイールモータ20に内蔵されていてもよい。
【0027】
コイル部92は、励磁コイル100、第1受信コイル110及び第2受信コイル120を備えている。各コイル100,110,120は平面コイルである。回路部93は、集積回路で構成されている。回路部93は、図5に示すように、励磁コイル100に高周波の励磁電圧を供給する励磁回路94と、受信回路95とを備えている。励磁コイル100に励磁電圧が供給されると、励磁電圧と同じ又は同等の周波数の電圧が第1受信コイル110及び第2受信コイル120に誘起される。受信回路95は、各受信コイル110,120の両端の電圧を出力電圧信号として検出する。
【0028】
図1に示すように車輪に横力Fyが作用すると、図3に示すように、外輪51の中心軸線LCoに対する内輪52の中心軸線LCiの傾きθが大きくなる。この場合、各受信コイル110,120と、レース部80との軸方向距離が変化し、各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅が変化する。検出ユニット90は、この振幅変化に基づいて、レース部80の軸方向における変位ΔLを算出し、算出した変位ΔLに基づいて、横力Fyを算出する。
【0029】
続いて、図6図10を用いて、コイル部92について説明する。本実施形態において、基板91は多層基板(具体的には4層の基板)であり、コイル部92を構成する励磁コイル100及び各受信コイル110,120は、多層基板上の配線パターンにより構成されている。図7図10には、レース部80側から基板91を見た場合における各層に形成された配線パターンを示す。図6(a)は、1層目の配線パターンに2~4層目の配線パターンを投影した図である。
【0030】
まず、励磁コイル100について説明する。励磁コイル100は、図7及び図8に示すように、基板91の板厚方向に隣接する1層目及び2層目に形成されている。各層の配線パターンは、励磁側ビアVIに充填された導体により電気的に接続されている。1層目には、配線パターンとして、励磁回路94に電気的に接続された第1励磁端部101と、第1励磁端部101から励磁側ビアVIまで時計回りに複数回(3回)周回して形成された第1励磁パターン102とが形成されている。2層目には、励磁回路94に電気的に接続された第2励磁端部103と、第2励磁端部103から励磁側ビアVIまで反時計回りに複数回(3回)周回して形成された第2励磁パターン104とが形成されている。これにより、6ターンの平面コイルの励磁コイル100が基板91に形成されている。励磁コイル100は、外輪51の周方向に延びる円弧状をなしている。
【0031】
続いて、第1受信コイル110について説明する。第1受信コイル110は、図7図10に示すように、1~4層目に形成されている。図9に示すように、3層目には、受信回路95に電気的に接続された第1受信端部111が形成されている。第1受信端部111には、第1AビアVA1を介して、1層目のパターン112の第1端が接続されている。パターン112の第2端には、第2AビアVA2を介して、2層目のパターン113の第1端が接続されている。パターン113の第2端には、第3AビアVA3、パターン114及び第4AビアVA4を介して、1層目のパターン115の第1端が接続されている。パターン115の第2端には、第5AビアVA5を介して、2層目のパターン116の第1端が接続されている。パターン116の第2端には、第6AビアVA6、パターン117及び第7AビアVA7を介して、4層目の第2受信端部118が接続されている。第2受信端部118は、受信回路95に接続されている。受信回路95は、第1受信端部111及び第2受信端部118の電位差を第1出力電圧信号v1として検出する。
【0032】
第1受信コイル110は、図6(a)に示すように、基板91の平面視において励磁コイル100に囲まれた領域に設けられている。また、第1受信コイル110は、励磁コイル100に励磁電圧が供給されている場合、第1受信コイル110の第1受信端部111及び第2受信端部118の間に第1極性の電圧を発生させる第1部分と、第1極性とは逆極性の第2極性の電圧を発生する第2部分とから構成されることとなる。詳しくは、図6(b)に示すように、基板91の平面視において、第1受信コイル110の周方向の中央部が1ターンの第1部分110Aとされ、第1受信コイル110のうち第1部分110Aの両端部が、第1部分110Aと同じターン数(1ターン)の第2部分110Bとされている。これにより、第1受信コイル110の周方向の中央軸線Ltに対して一方側の第1,第2部分110A,110Bのパターン形状と他方側の第1,第2部分110A,110Bのパターン形状とが上記中央軸線Ltに対して対称になっている。
【0033】
続いて、第2受信コイル120について説明する。第2受信コイル120は、図7図10に示すように、1~4層目に形成されている。図9に示すように、3層目には、受信回路95に電気的に接続された第3受信端部121が形成されている。第3受信端部121には、第1BビアVB1を介して、2層目のパターン122の第1端が接続されている。パターン122の第2端には、第2BビアVB2を介して、1層目のパターン123の第1端が接続されている。パターン123の第2端には、第3AビアVA3、パターン124及び第4BビアVB4を介して、1層目のパターン125の第1端が接続されている。パターン125の第2端には、第5BビアVB5を介して、2層目のパターン126の第1端が接続されている。パターン126の第2端には、第6BビアVB6、パターン127及び第7BビアVB7を介して、4層目の第4受信端部128が接続されている。第4受信端部128は、受信回路95に接続されている。受信回路95は、第3受信端部121及び第4受信端部128の電位差を第2出力電圧信号v2として検出する。
【0034】
第2受信コイル120は、図6(a)に示すように、基板91の平面視において励磁コイル100に囲まれた領域に設けられている。第2受信コイル120の周方向長さは、第1受信コイル110の周方向長さと同じである。第2受信コイル120の径方向長さは、第1受信コイル110の径方向長さと同じである。
【0035】
基板91の平面視において、第2受信コイル120の周方向両端位置は、第1受信コイル110の周方向両端位置と同じである。また、基板91の平面視において、第2受信コイル120の径方向外側端の位置と、第1受信コイル110の径方向外側端の位置とは、外輪51の中心軸線LCoを中心とする同心円上に存在する。また、基板91の平面視において、第2受信コイル120の径方向内側端の位置と、第1受信コイル110の径方向内側端の位置とは、中心軸線LCoを中心とする同心円上に存在する。
【0036】
図6(c)に示すように、第2受信コイル120は、第1受信コイル110と同様に、第1部分120A及び第2部分120Bから構成されている。基板91の平面視において、第2受信コイル120の周方向の中央軸線Ltに対して一方側が第1部分120Aとされ、他方側が第2部分120Bとされている。
【0037】
第1受信コイル110及び第2受信コイル120において、中央軸線Ltから周方向端までの周方向長さは、遮蔽部81及び切欠82の周方向長さL1と同じである。
【0038】
続いて、図11図16を用いて、検出ユニット90によって変位及び回転角を検出できる原理について説明する。
【0039】
まず、図11及び図12を用いて、この原理の概要について説明する。図11に示すように、励磁コイルに高周波の励磁電圧vr(t)が供給されると、励磁コイルに高周波電流が流れる。その電流により磁束φ(t)が発生し、磁束φ(t)が受信コイルを鎖交する。受信コイルの両端には、鎖交磁束の時間変化率に比例した電圧ve(t)が誘起される。
【0040】
図12には、金属部分である遮蔽部により受信コイルの一部が覆われた状態を示す。遮蔽部のうち受信コイルと対向する部分には、励磁コイルの通電に伴う鎖交磁束により渦電流が流れる。この渦電流により、受信コイルに誘起電圧を発生させる磁束を弱める向きに磁束が発生し、受信コイルの誘起電圧の振幅が小さくなる。つまり、受信コイルの両端の電位差の振幅は、受信コイルのうち遮蔽部に覆われていない面積に比例する。
【0041】
図11及び図12の説明事項を踏まえ、図13及び図14を用いて、第2受信コイル120を例にして検出原理について説明する。図13及び図14は、図6等に示した第2受信コイル120及び遮蔽部81を、周方向を直線状にして示した図である。図14は、第2受信コイル120及び遮蔽部81の相対的な位置関係と、第2受信コイル120の第2出力電圧信号v2の推移とを示す図である。
【0042】
図13及び図14において、第2受信端部118から第1受信端部111へと電流が流れる方向(I+)を正方向と称し、第1受信端部111から第2受信端部118へと電流が流れる方向(I-)を負方向と称すこととする。また、図13及び図14では、紙面手前側から奥側に、励磁コイル100からの磁束が通過する。
【0043】
図14の時刻t1において、第1部分120Aの中央側の半分と、第2部分120Bの中央側の半分とが遮蔽部81により覆われている。第1部分120Aには正方向に電流を流そうとする電圧が誘起され、第2部分120Bには負方向に電流を流そうとする電圧が誘起される。その結果、第1部分120Aで発生する誘起電圧と第2部分120Bで発生する誘起電圧とが打ち消し合い、第2出力電圧信号v2の振幅が0となる。
【0044】
時刻t2において、第1部分120A及び第2部分120Bのうち第2部分120Bが遮蔽部81により覆われる。この場合、第1部分120Aには正方向に電流を流そうとする電圧が誘起され、第2部分120Bの誘起電圧が0となる。その結果、第2出力電圧信号v2の振幅が第1極性(正極性)側の最大値となる。この最大値は、レース部80が第2受信コイル120に近づくほど大きくなる。
【0045】
時刻t3において、第1部分120Aの端部側の半分と、第2部分120Bの端部側の半分とが遮蔽部81により覆われている。第1部分120Aには正方向に電流を流そうとする電圧が誘起され、第2部分120Bには負方向に電流を流そうとする電圧が誘起される。その結果、第1部分120Aで発生する誘起電圧と第2部分120Bで発生する誘起電圧とが打ち消し合い、第2出力電圧信号v2の振幅が0となる。
【0046】
時刻t4において、第1部分120A及び第2部分120Bのうち第1部分120Aが遮蔽部81により覆われる。この場合、第2部分120Bには負方向に電流を流そうとする電圧が誘起され、第1部分120Aの誘起電圧が0となる。その結果、第2出力電圧信号v2の振幅が、第1極性とは逆極性の第2極性(負極性)側の最大値となる。この最大値は、レース部80が第2受信コイル120に近づくほど大きくなる。
【0047】
本実施形態では、レース部80の径方向外側端部に遮蔽部81及び切欠82が交互に形成されている。このため、回転子30の回転中において、第2受信コイル120の第2出力電圧信号v2の振幅は周期的に変化し、図14及び図15に破線にて示すように、第2出力電圧信号v2の包絡線(以下、第2包絡線ENV2)は、正弦波状になる。例えば、磁石ユニット32の磁極位置の周方向間隔と、遮蔽部81及び切欠82の周方向長さとを関係付けて設定することにより、振幅又は包絡線と電気角θeとを対応付けることができる。
【0048】
本実施形態では、励磁コイル100に励磁電圧が供給されている場合において、第2受信コイル120の第2出力電圧信号v2に対する第1受信コイル110の第1出力電圧信号v1の位相差が90度である。このため、図15に一点鎖線にて示すように、第2包絡線ENV2に対する第1出力電圧信号v1の包絡線(以下、第1包絡線ENV1)の位相差も90度である。
【0049】
図16に示すように、第1,第2包絡線ENV1,ENV2の振幅は、レース部80が第1,第2受信コイル110,120に近づくほど大きくなる。第1包絡線ENV1を例にして説明すると、受信回路95は、基準状態における第1包絡線ES1の振幅に対する実際の第1包絡線ENV1の振幅のずれ量を第1変位信号として処理部70に出力する。基準状態は、任意に設定することができる。基準状態とは、例えば車両の停車状態であり、具体的には例えば水平な路面に車両が停車している状態である。本実施形態では、基準状態における第1変位信号が0となるように受信回路95が構成されている。第1変位信号は、レース部80の上端部が基準状態における位置から第1,第2受信コイル110,120に近づく場合に正極性となる。第1変位信号は、レース部80が基準状態における位置から第1,第2受信コイル110,120に近づくほど正方向に大きくなる。一方、第1変位信号は、レース部80の上端部が基準状態における位置に対して第1,第2受信コイル110,120から離れる場合に負極性となる。第1変位信号は、レース部80の上端部が基準状態における位置に対して第1,第2受信コイル110,120から離れるほど負方向に大きくなる。第1変位信号は、第1包絡線ENV1の正極性側の振幅最大値及び負極性側の振幅最大値が出現するたびに更新される。なお、受信回路95は、基準状態における第2包絡線ES2の振幅に対する実際の第2包絡線ENV2の振幅のずれ量を第2変位信号として処理部70に出力する。本実施形態では、基準状態における第2変位信号が0となるように受信回路95が構成されている。以上説明した関係を利用して、処理部70を構成する変位算出部71は、第1変位信号又は第2変位信号に基づいて、レース部80の軸方向における変位ΔLを算出する。詳しくは、変位算出部71は、変位信号及び変位ΔLが関係付けられたマップ情報又は数式情報に基づいて、変位ΔLを算出する。
【0050】
図16に示すように、変位ΔLが大きくなるほど、横力Fyが大きくなる。この関係を利用して、処理部70を構成する横力算出部72は、算出された変位ΔLと、変位ΔL及び横力Fyが関係付けられたマップ情報又は数式情報とに基づいて、横力Fyを算出する。横力Fyが正の値になる場合、車幅方向外側に向かう方向の横力が車輪に作用し、横力Fyが負の値になる場合、車幅方向内側に向かう方向の横力が車輪に作用する。なお、第1変位信号を例にして説明すると、横力算出部72は、第1変位信号と、第1変位信号及び横力Fyが関係付けられたマップ情報又は数式情報とに基づいて、横力Fyを算出してもよい。変位信号と、マップ情報又は数式情報とに基づく横力Fyの算出は、以下の各実施形態においても同様に適用できる。
【0051】
処理部70を構成する角度算出部73は、第1出力電圧信号v1及び第2出力電圧信号v2の少なくとも一方に基づいて、回転子30の回転角(例えば電気角θe)を算出する。
【0052】
具体的には例えば、角度算出部73は、第1包絡線ENV1又は第2包絡線ENV2に基づいて、電気角θeを算出すればよい。これは、包絡線が出力電圧信号の振幅の推移を示す情報であること、及び出力電圧信号の振幅が回転角に依存することに基づく算出方法である。
【0053】
また、例えば、角度算出部73は、第1出力電圧信号v1、第2出力電圧信号v2及び励磁電圧vrを入力として、同期検波及びローパスフィルタを用いることにより、電気角θeを算出すればよい。この算出方法は、デジタルトラッキング方式のものであり、例えば、特開2015-073407の明細書の段落0028~0030に記載されている。
【0054】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0055】
固定子ベース部42のうち、径方向において軸受50から離れた位置であって、軸方向においてレース部80の径方向端部と対向する位置に、検出ユニット90が設けられている。レース部80のうち軸方向において検出ユニット90と対向する部分は、軸受50から径方向外側に離れた部分である。このため、車輪に横力が作用する場合において、レース部80のうち軸方向において検出ユニット90と対向する部分の軸方向の変位を大きくすることができる。その結果、変位ΔLの検出精度を高めることができ、ひいては車両のばね下を構成する車輪の横力Fyの算出精度を高めることができる。
【0056】
インホイールモータ20をアウタロータ型の構成としたため、レース部80の径方向端部を、軸受50から径方向に大きく離れた位置に配置することができる。これにより、変位ΔLの検出精度を高めることができる。
【0057】
第1受信コイル110及び第2受信コイル120が、固定子巻線41を構成するコイルエンド部よりも軸方向においてホイール10側に設けられている。これにより、固定子巻線41への通電に伴うノイズ等が第1受信コイル110及び第2受信コイル120の誘起電圧に及ぼす影響を抑制できる。その結果、変位ΔL及び回転角の検出精度を高めることができる。
【0058】
<第1実施形態の変形例>
・レース部は、図1等に示した構成に限らず、例えば、以下(A),(B)の構成であってもよい。
【0059】
(A)図17に示すように、レース部83には、遮蔽部85と、レース部を貫く開口84とが周方向において交互に設けられている。なお、図17の83aは、図1及び図2に示す屈曲部80aに相当する。また、開口84の周方向長さが図2の切欠82の周方向長さに対応する。
【0060】
(B)図18及び図19に示すように、レース部83には、レース部83の平坦面から内輪52の軸方向に突出する凸部87と、レース部83の平坦面から軸方向に突出するとともに凸部87に対して内輪52の軸方向に凹む凹部88とが周方向において交互に設けられている。なお、凸部87の周方向長さが図2の遮蔽部81の周方向長さに対応し、凹部88の周方向長さが図2の切欠82の周方向長さに対応する。凹部88及び凸部87が設けられていることにより、回転子30の回転中において、各受信コイル110,120とレース部83との軸方向距離が変化する。この変化を利用して、第1実施形態と同様に、変位ΔLを検出することができる。
・検出ユニット90がレース部80の下端部と対向する位置に設けられていてもよい。また、検出ユニット90が、レース部80に対してディスク部12側に配置されていてもよい。
【0061】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図20に示すように、検出ユニットとして、第1検出ユニット90A及び第2検出ユニット90Bが設けられている。第1検出ユニット90Aが備えるコイル部92(第1,第2受信コイル110,120)は、固定子ベース部42の突出部45のうち、内輪52の軸方向においてレース部80の上端部と対向する位置に設けられている。第2検出ユニット90Bが備えるコイル部92(第1,第2受信コイル110,120)は、突出部45のうち、内輪52の軸方向においてレース部80の下端部と対向する位置に設けられている。第1,第2検出ユニット90A,90Bの基板91は、レース部80に対して軸方向で同じ側に配置されている。なお、図20において、HLは、内輪52の中心軸線LCiを通る水平軸線を示す。
【0062】
回転子30の回転中において、第1検出ユニット90Aが備える第1,第2受信コイル110,120の第1,第2出力電圧信号v1A,v2Aに対する、第2検出ユニット90Bが備える第1,第2受信コイル110,120の第1,第2出力電圧信号v1B,v2Bの位相差が0となるように、各検出ユニット90A,90Bが構成及び配置されている。
【0063】
処理部70は、差動増幅回路APを備えている。差動増幅回路APは、第1検出ユニット90Aの第1出力電圧信号v1Aと第2検出ユニット90Bの第1出力電圧信号v1Bとの差を増幅し、第1増幅信号vt1として出力する。また、差動増幅回路APは、第1検出ユニット90Aの第2出力電圧信号v2Aと第2検出ユニット90Bの第2出力電圧信号v2Bとの差を増幅し、第2増幅信号vt2として出力する。角度算出部73において、第1,第2出力電圧信号v1,v2に代えて、第1,第2増幅信号vt1,vt2が回転角の算出に用いられる。なお、第1検出ユニット90Aの第1,第2出力電圧信号v1A,v2A、又は第2検出ユニット90Bの第1,第2出力電圧信号v1B,v2Bに基づいて回転角が算出されてもよい。また、変位算出部71は、第1増幅信号vt1の包絡線の振幅を第1変位信号として算出し、第2増幅信号vt2の包絡線の振幅を第2変位信号として算出する。差動増幅されているため、コイル部92とレース部80との軸方向変位の変化量に対する各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅変化量を大きくできる。つまり、インダクティブセンサの感度を高めることができる。これにより、変位ΔLの検出精度を高めることができる。
【0064】
以下、図21を用いて、差動増幅回路AP等の出力信号について説明する。図21(a)は、第1検出ユニット90Aにおける第1出力電圧信号v1Aの包絡線ENV1Aの推移を示し、図21(b)は、第2検出ユニット90Bにおける第1出力電圧信号v1Bの包絡線ENV1Bの推移を示す。図21(c)は、第1増幅信号vt1(=v1A-v1B)の包絡線ENV1tの推移を示す。
【0065】
第1検出ユニット90Aの第1出力電圧信号v1Aと第2検出ユニット90Bの第1出力電圧信号v1Bとの位相差は0である。また、車輪に横力が作用していない場合、第1検出ユニット90Aの第1出力電圧信号v1Aの振幅と、第2検出ユニット90Bの第1出力電圧信号v1Bの振幅とが同じになる。その結果、図中破線にて示すように、各包絡線ENV1A,ENV1Bの振幅が同じになり、第1増幅信号vt1及び第1変位信号が0となる。
【0066】
一方、車幅方向外側を向く横力が車輪に作用する場合、レース部80の上端部が固定子ベース部42側に近づき、下端部がホイール10側に近づくように外輪51に対して内輪52が傾く。これにより、第1検出ユニット90Aの第1出力電圧信号v1Aの振幅が増加し、第2検出ユニット90Bの第1出力電圧信号v1Bの振幅が減少する。その結果、図中実線にて示すように、第1検出ユニット90Aにおける第1出力電圧信号v1Aの包絡線ENV1Aの振幅が増加し、第2検出ユニット90Bにおける第1出力電圧信号v1Bの包絡線ENV1Bの振幅が減少する。したがって、第1増幅信号vt1の包絡線ENV1tの振幅が増加する。以上から、処理部70を構成する変位算出部71は、第1,第2増幅信号vt1,vt2の包絡線の振幅を第1,第2変位信号として算出し、算出した第1,第2変位信号のいずれかに基づいて、レース部80の軸方向における変位ΔLを算出する。
【0067】
レース部80の上端部に対向する位置に第1検出ユニット90Aのコイル部92が配置され、レース部80の下端部に対向する位置に第2検出ユニット90Bのコイル部92が配置されている。車輪に横力が作用する場合、レース部80のうち上端部及び下端部の軸方向変位が大きくなる。このため、このような配置により、各検出ユニット90A,90Bの各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅を大きくでき、変位ΔLの検出精度を高めることができる。
【0068】
レース部80に対して軸方向で同じ側に第1,第2検出ユニット90A,90Bの基板91が配置されている。車輪に作用する横力の方向が車幅方向外側を向いている場合、レース部80の上端部が固定子ベース部42側に近づき、下端部がホイール10側に近づくように外輪51に対して内輪52が傾く。この場合、第1検出ユニット90Aの各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅が増加し、第2検出ユニット90Bの各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅が減少する。つまり、第2検出ユニット90B側の出力電圧信号の振幅の減少を、第1検出ユニット90A側の出力電圧信号の振幅の増加で補償できる。
【0069】
一方、車輪に作用する横力の方向が車幅方向内側を向いている場合、レース部80の上端部がホイール10側に近づき、下端部が固定子ベース部42側に近づくように外輪51に対して内輪52が傾く。この場合、第1検出ユニット90Aの各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅が減少し、第2検出ユニット90Bの各受信コイル110,120の出力電圧信号の振幅が増加する。つまり、第1検出ユニット90A側の出力電圧信号の振幅の減少を、第2検出ユニット90B側の出力電圧信号の振幅の増加で補償できる。
【0070】
このように、レース部80に対して同じ側に第1,第2検出ユニット90A,90Bの基板91が配置される構成によれば、車輪に作用する横力の方向が車幅方向内側及び外側のどちらになるかに依らず、出力電圧信号の振幅を極力維持できる。その結果、変位ΔLの検出精度を維持することができる。
【0071】
<第2実施形態の変形例>
第2検出ユニット90Bが、レース部80に対して第1検出ユニット90Aとは反対側に配置されていてもよい。
【0072】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図22に示すように、第2検出ユニット90Bが備える基板91及びコイル部92は、外輪51の中心軸線LCoの方向において、レース部80を挟んで第1検出ユニット90Aが備える基板91及びコイル部92側とは反対側に設けられている。つまり、第1検出ユニット90A及び第2検出ユニット90Bがレース部80の上端部と対向する位置に設けられている。図22は、レース部80及び各検出ユニット90A,90Bをレース部80の上方から見た図である。本実施形態においても、回転子30の回転中において、第1検出ユニット90Aが備える第1,第2受信コイル110,120の第1,第2出力電圧信号v1A,v2Aに対する、第2検出ユニット90Bが備える第1,第2受信コイル110,120の第1,第2出力電圧信号v1B,v2Bの位相差が0となるように、各検出ユニット90A,90Bが構成及び配置されている。角度算出部73は、第2実施形態と同様に回転角を算出し、変位算出部71は、第2実施形態と同様に第1,第2変位信号を算出する。
【0073】
以上説明した本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0074】
<第3実施形態の変形例>
第1検出ユニット90A及び第2検出ユニット90Bがレース部80の下端部と対向する位置に設けられていてもよい。
【0075】
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図23に示すように、コイル部92(第1,第2受信コイル110,120)が、レース部80の回転中心(内輪52の中心軸線LCi)を通る水平軸線HLを跨いた状態で設けられている。これにより、第1,第2受信コイル110,120の周方向の中央が水平軸線HLに対して上方向にずれた位置になっている。以下、この配置方法について、第2受信コイル120を例にして説明する。
【0076】
上述したように、第2受信コイル120と遮蔽部81との相対的な位置関係により、第2受信コイル120の第1部分120Aで発生する誘起電圧と、第2部分120Bで発生する誘起電圧とが打ち消し合う状態となる。この場合、第2受信コイル120の第2出力電圧信号v2が0となる。打ち消し合う状態が解消されるにつれて、第2出力電圧信号v2の振幅が大きくなっていく。ただし、レース部80のうち水平軸線HL付近における軸方向変位は、レース部80の径方向端部よりも小さい。このため、水平軸線HLを跨いた状態で検出ユニット90が設けられる構成では、第2受信コイル120の第2出力電圧信号v2の振幅が小さくなりやすい。
【0077】
そこで、本実施形態では、第1,第2受信コイル110,120の周方向の中央が水平軸線HLに対して上方向にずれた位置になっている。これにより、外輪51に対して内輪52が傾斜した状態における、第2受信コイル120とレース部80との軸方向変位を極力大きくできる。その結果、変位ΔLの検出精度を高めることができる。
【0078】
<第5実施形態>
以下、第5実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図24に示すように、回転子30、レース部80及び軸受50の同軸度を小さくできる構成が採用されている。なお、図24において、先の図1等に示した構成と同一の構成又は対応する構成については、便宜上、同一の符号を付している。また、本実施形態のレース部80には屈曲部80aが形成されていない。
【0079】
回転子30を構成する平板部33の径方向中央部には、貫通孔33aが形成されている。平板部33のうち車幅方向内側の面には、径方向内側端部から径方向外側に向かって延びる円環状の段差部33bが形成されている。段差部33bのうち車幅方向内側の面は平坦面とされている。段差部33bのうち径方向内側端部には、車幅方向内側に突出する円環状の位置決め部33cが形成されている。
【0080】
レース部80の径方向中央部には、貫通孔80bが形成されている。段差部33bの平坦面にレース部80の平坦面が当接した状態で、レース部80の貫通孔80bに位置決め部33cが嵌め合わされる。これにより、回転子30の回転中心軸線とレース部80の回転中心軸線とが同軸にされている。
【0081】
内輪52のフランジ部52bのうち径方向内側端部には、車幅方向外側に突出する円環状の軸受側段差部52cが形成されている。平板部33のうち位置決め部33cよりも径方向内側部分は、車幅方向外側に凹む円環状の凹部33dが形成されている。軸受側段差部52cが凹部33dに嵌め合わされることにより、内輪52の中心軸線、回転子30の回転中心軸線及びレース部80の回転中心軸線が同軸にされている。特に本実施形態では、フランジ部52bの車幅方向外側の平坦面と、レース部80及び位置決め部33cの平坦面とが当接している。これにより、回転子30の回転中心軸線、レース部80の回転中心軸線及び内輪52の中心軸線の同軸度を好適に小さくできる。
【0082】
平板部33、レース部80及びフランジ部52bには、軸方向に貫通する第1貫通孔が形成されている。第1貫通孔は、周方向に並んで(例えば、周方向に等間隔に並んで)複数形成されている。各第1貫通孔には、ボルト200が挿通されている。ボルト200の頭部を車幅方向外側に向けるとともにボルト200の軸部を車幅方向内側に向けた状態で、ボルト200が第1貫通孔に挿通されている。この挿通状態において、軸部の先端部の雄ネジがナット201の雌ネジにねじ込まれている。これにより、重ね合わされた状態の平板部33、レース部80及びフランジ部52bがボルト200の頭部とナット201とにより挟み込まれる。その結果、回転子30、レース部80及び軸受50が一体化されている。
【0083】
平板部33、レース部80、フランジ部52b及びディスク部12には、軸方向に貫通する第2貫通孔が形成されている。第2貫通孔は、第1貫通孔の形成位置からずれた位置に、周方向に並んで(例えば、周方向に等間隔に並んで)複数形成されている。各第2貫通孔には、ボルト210が挿通されている。ボルト210の頭部を車幅方向内側に向けるとともにボルト210の軸部を車幅方向外側に向けた状態で、ボルト210が第2貫通孔に挿通されている。この挿通状態において、ボルト210の雄ネジがナット211の雌ネジにねじ込まれている。これにより、重ね合わされた状態の平板部33、フランジ部52b、レース部80及びディスク部12がボルト210の頭部とナット211とにより挟み込まれる。その結果、回転子30、軸受50、レース部80及びホイール10が一体化されている。
【0084】
続いて、駆動輪の製造方法について説明する。この製造方法では、レース部80を備えるモータASSYを組み立てた後、モータASSYをホイール10に組み付ける。
【0085】
段差部33bの平坦面にレース部80の平坦面を当接させた状態で、レース部80の貫通孔80bに位置決め部33cを嵌め合わせる。その後、レース部80を段差部33b及びフランジ部52bで挟みつつ、軸受側段差部52cを凹部33dに嵌め合わせる。
【0086】
平板部33、レース部80及びフランジ部52bを重ねた状態で、ボルト200の頭部を回転子30の外側に向けてボルト200を各第1貫通孔に挿通する。そして、ボルト200の雄ネジにナット201の雌ネジをねじ込む。これにより、重ね合わされた状態の平板部33、レース部80及びフランジ部52bがボルト200の頭部とナット201とにより挟み込まれる。これにより、回転子30、レース部80及び軸受50が一体化されたモータASSYとなる。ここで、段差部33bの平坦面にレース部80の平坦面を当接させているため、ボルト200にナット201がねじ込まれる場合におけるレース部80の反りを抑制することができる。
【0087】
モータASSYとディスク部12とを重ねた状態で、ボルト210の頭部を固定子ベース部42側に向けてボルト210を各第2貫通孔に挿通する。そして、ボルト210の雄ネジにナット211の雌ネジをねじ込む。これにより、モータASSY及びホイール10が一体化される。
【0088】
以上説明した本実施形態によれば、回転子30、レース部80及び軸受50の同軸度を小さくした駆動輪を提供することができる。これにより、検出ユニット90による検出精度を高めることができる。
【0089】
<第6実施形態>
以下、第6実施形態について、第5実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図25に示すように、レース部80が、内輪52ではなく、回転子30に固定されている。なお、図25において、先の図24等に示した構成と同一の構成又は対応する構成については、便宜上、同一の符号を付している。
【0090】
段差部33bの平坦面にレース部80の平坦面が当接した状態で、レース部80の貫通孔80bに位置決め部33cが嵌め合わされている。この状態で、ボルト220によりレース部80と段差部33bとが固定されている。
【0091】
平板部33及びフランジ部52bには、軸方向に貫通する第1貫通孔が形成されている。第1貫通孔は、周方向に並んで(例えば、周方向に等間隔に並んで)複数形成されている。各第1貫通孔には、ボルト230が挿通されている。ボルト230の頭部を車幅方向内側に向けるとともにボルト230の軸部を車幅方向外側に向けた状態で、ボルト230が第1貫通孔に挿通されている。この挿通状態において、ボルト230の雄ネジがナット231の雌ネジにねじ込まれている。これにより、重ね合わされた状態の平板部33及びフランジ部52bがボルト230の頭部とナット231とにより挟み込まれる。その結果、回転子30、レース部80及び軸受50が一体化されている。
【0092】
平板部33、フランジ部52b及びディスク部12には、軸方向に貫通する第2貫通孔が形成されている。第2貫通孔は、径方向において第1貫通孔の形成位置からずれた位置に、周方向に並んで(例えば、周方向に等間隔に並んで)複数形成されている。各第2貫通孔には、ボルト240が挿通されている。ボルト240の頭部を車幅方向内側に向けるとともにボルト240の軸部を車幅方向外側に向けた状態で、ボルト240が第2貫通孔に挿通されている。この挿通状態において、ボルト240の雄ネジがナット241の雌ネジにねじ込まれている。これにより、重ね合わされた状態の平板部33、フランジ部52b及びディスク部12がボルト240の頭部とナット241とにより挟み込まれる。その結果、回転子30及びホイール10が一体化されている。
【0093】
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0094】
・第4実施形態において、第1,第2受信コイル110,120の周方向の中央が水平軸線HLに対して下方向にずれた位置になっていてもよい。
【0095】
図2の切欠82又は図17の開口84に、合成樹脂等の非金属部が設けられていてもよい。この場合、レース部において、金属部分と非金属部分とが周方向において交互に設けられた構成を実現でき、第1実施形態等の同様に回転角を検出することができる。
【0096】
図1に示すインホイールモータ20がレース部80を備えていなくてもよい。この場合、例えば、インホイールモータ20の平板部33のうち、軸方向においてコイル部92と対向する部分に、遮蔽部と開口とが周方向に交互に形成されたり、凹部と凸部とが周方向に交互に形成されたりしてもよい。なお、この場合、平板部33が「検出用回転部」に相当する。
【0097】
・基板91に形成される受信コイルは、第1受信コイル110及び第2受信コイル120のいずれかであってもよい。
【0098】
・変位を検出するセンサとしては、渦電流式のセンサに限らず、例えばレーザ光で変位を検出するセンサであってもよい。
【0099】
・軸受としては、外輪51が固定子ベース部42に固定され、内輪52がホイール10に固定されているものに限らず、外輪がホイール10に固定され、内輪が固定子ベース部42に固定されているものであってもよい。この場合、内輪が「第1軸受部材」に相当し、外輪が「第2軸受部材」に相当する。
【0100】
・モータとしては、車輪に収容されるものに限らず、例えば、車体に設けられたオンボードモータであってもよい。また、モータとしては、アウタロータ型のものに限らず、インナロータ型のものであってもよい。
【0101】
・本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0102】
20…インホイールモータ、30…回転子、40…固定子、50…軸受、80…レース部、90…検出ユニット。
図1
図2
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