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特開2023-130205消費材終了時間予測装置及び包装関連装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130205
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】消費材終了時間予測装置及び包装関連装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20230912BHJP
   B65B 41/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
B65B57/00 H
B65B41/00 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034741
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浩之
(57)【要約】      (修正有)
【課題】包装関連装置が、設定された生産速度・生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、包材等の消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるようにする。
【解決手段】縦ピロー包装機1が包装体を生産している途中において、巻取りフィルムの残量を算出するフィルム残量算出部31cと、縦ピロー包装機1による包装体の生産状況に対応して、巻取りフィルムの単位時間当りの消費量である単位消費量を見積るフィルム消費量見積部31dと、フィルム残量算出部31cが算出した巻取りフィルムの残量とフィルム消費量見積部が見積った単位消費量に基づいて、巻取りフィルムがなくなるまでの終了時間を予測する終了時間予測部31eと、終了時間予測部31eが予測した終了時間を表示する入力表示部34とを備えた消費材終了時間予測装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費材を消費して、設定された生産能力の範囲内において、供給品の単位時間当たりの供給量に対応した生産速度で該供給品から製品を生産する包装関連装置において、 前記包装関連装置が前記製品を生産している途中において、前記消費材の残量を算出する消費材残量算出手段と、
前記包装関連装置による前記製品の生産状況に対応して、前記消費材の単位時間当りの消費量である単位消費量を見積る消費材消費量見積手段と、
前記消費材残量算出手段が算出した前記消費材の残量と前記消費材消費量見積手段が見積った単位消費量に基づいて、前記消費材がなくなるまでの終了時間を予測する終了時間予測手段と、
前記終了時間予測手段が予測した終了時間を出力する終了時間出力手段と
を備えたことを特徴とする消費材終了時間予測装置。
【請求項2】
一定時間毎に前記消費材残量算出手段が前記消費材の残量を算出し、前記消費材消費量見積手段が単位消費量を見積り、前記終了時間予測手段が前記終了時間を予測し、前記終了時間出力手段が前記終了時間を出力することを特徴とする請求項1記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項3】
前記消費材終了時間予測装置は、前記包装関連装置が生産した前記製品の数量である生産数量を取得する生産数量取得手段を備え、
前記消費材消費量見積手段は、設定された時間内に前記生産数量取得手段が取得した前記生産数量に基づいて前記単位消費量を見積ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項4】
前記設定された時間内は、前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出した算出時の一定時間前から該算出時までの間であることを特徴とする請求項3記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項5】
前記消費材終了時間予測装置は、
前記包装関連装置が単位時間当たりに前記製品を生産する生産能力を設定する生産能力設定手段と、
前記包装関連装置の生産速度が前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出したときから変化する場合に、該生産速度を変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する速度変化要因情報取得手段と
を備え、
前記消費材消費量見積手段は、前記生産能力設定手段が設定した前記生産能力と前記速度変化要因情報取得手段が取得した前記速度変化要因情報に基づいて前記単位消費量を見積ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項6】
前記速度変化要因情報取得手段は、前記包装関連装置と連動する機械・装置からの信号あるいは前記包装関連装置とは別の包装関連装置からの信号に基づいて前記速度変化要因情報を取得することを特徴とする請求項5記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項7】
前記速度変化要因情報取得手段が取得する前記速度変化要因情報は、前記包装関連装置の生産速度をどの程度変化させるかを示す速度変化指標を含むことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の消費材終了時間予測装置。
【請求項8】
前記包装関連装置は包装機械であり、
前記供給品は前記包装機械に供給される被包装品であり、
前記製品は前記被包装品を包装した包装体であり、
前記消費材は前記被包装品を包装するために使用するフィルムであり、
前記消費材残量算出手段は前記フィルムを繰り出す巻取りフィルムの残量を算出するフィルム残量算出手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載した消費材終了時間予測装置。
【請求項9】
消費材を供給する消費材供給手段と、
供給品を供給する供給品供給手段と、
設定された生産能力の範囲内において、前記供給品供給手段から供給される供給品の単位時間当たりの供給量に対応した生産速度で製品を生産する製品生産手段
を備えた包装関連装置であって、
前記製品生産手段が前記製品を生産している途中において、前記消費材供給手段が供給する前記消費材の残量を算出する消費材残量算出手段と、
前記製品生産手段による前記製品の生産状況に対応して、前記消費材の単位時間当りの消費量である単位消費量を見積る消費材消費量見積手段と、
前記残量計測算出手段が算出した前記消費材の残量と前記消費材消費量見積手段が見積った単位消費量に基づいて、前記消費材がなくなるまでの終了時間を予測する終了時間予測手段と、
前記終了時間予測手段が予測した終了時間を出力する終了時間出力手段と
を備えたことを特徴とする包装関連装置。
【請求項10】
前記包装関連装置は、設定された時間内に前記製品生産手段が生産した前記製品の数量である生産数量を取得する生産数量取得手段を備え、
前記消費材消費量見積手段は、前記生産数量取得手段が取得した前記生産数量に基づいて前記単位消費量を見積ることを特徴とする請求項9記載の包装関連装置。
【請求項11】
前記包装関連装置は、
前記製品生産手段が単位時間当たりに前記製品を生産する生産能力を設定する生産能力設定手段と、
前記製品生産手段の生産速度が前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出したときから変化する場合に、該生産速度を変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する速度変化要因情報取得手段と
を備え、
前記消費財消費量見積手段は、前記生産能力設定手段が設定した前記生産能力と前記速度変化要因情報取得手段が取得した前記速度変化要因情報に基づいて前記単位消費量を見積ることを特徴とする請求項9記載の包装関連装置。
【請求項12】
前記包装関連装置は包装機械であり、
前記供給品供給手段は、包装品を供給する被包装品供給手段であり、
前記消費材供給手段は前記被包装品を包装するために使用するフィルムを供給するフィルム供給手段であり、
前記製品生産手段は前記被包装品を前記フィルムで包装した包装体を生産するシール・切断手段であり、
前記消費材残量算出手段は前記フィルム供給手段が供給する前記フィルムの残量を算出するフィルム残量算出手段であることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載した包装関連装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、製函機、箱詰め装置、封緘機等の包装関連装置における包材等の消費材の終了時間を予想する装置及び包装関連装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装関連装置には、筒状に成形された包材の中に被包装品を順次充填し、シールや切断等を施して包装体を製造するピロー包装機、被包装品を裁断された包装材で包むようにして包装するラッピング包装機、包装材料で1個または複数個の被包装品をおおう上包み包装機、製品を収納する箱を作る製函機、製品を箱詰め等する箱詰め装置、製品を収納した箱の封緘を行う封緘機等があり、ピロー包装機には、包材を上下方向(縦方向)に送って被包装品を充填する縦ピロー包装機と、包材を左右方向(横方向)に送って被包装品を充填する横ピロー包装機等がある。
このような種々の包装関連装置においては、被包装品を包装する包材(フィルム)、製品を箱詰めした箱を封緘する封緘テープ、日付印字用のインクリボン等の各種消費材が使用され、消費材がなくなると新しい消費材に交換される。
この場合、消費材の交換には労力と時間を要することから、消費材がなくなる時間(時刻)を予測し、予測した時間に間に合うように新しい消費材を準備し、消費材の交換が短時間で行えるようにし、消費材の交換による生産阻害を最小限に抑えることが行われている。
特に、消費材が被包装品を包装する包材(フィルム)の場合、包材は巻取り状態の巻取りフィルムで包装機械に取り付けられるが、巻取りフィルムの包装機械への取付けにはその準備に多大の労力と時間を要し、新しい巻取りフィルムを包装機械への取付けるには、包装機械による包装体(被包装品を包材で包装した包装体)の生産を停止させる必要があることから、巻取りフィルムがなくなる時間をできるだけ正確に予測し、新しい巻取りフィルムの包装機械への取付けをできるだけ短時間で行うことが要求される。
このため、包装機に取り付けられている巻取りフィムの残量を測定して、巻取りフィルムがなくなる時間(時刻)等を予測する種々の装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平9-295618号公報)には、原反ロールのロール径を検出するロール径検出手段と、前記ロール径検出手段により検出されたロール径に基づいて前記原反ロールに巻き取られた帯状フィルムの残り量を求める残り量算出手段と、前記残り量算出手段による算出結果を出力する出力装置とを備え、前記残り量が、フィルム長、残り時間、残り製造個数であり、前記ロール径検出手段が、前記原反ロールの回転により送出される帯状フィルムの移動距離を直接または間接的に計測する第1距離計測装置と、前記原反ロールと同期して回転する回転体の弧の長さを直接または間接的に計測する第2距離計測装置と、前記第1,第2距離計測装置でそれぞれ計測された移動距離データと弧の長さデータを受け取るとともに、その出力に基づいて原反ロール径を算出するロール径算出部とを備えた包装機が開示されている。
この特許文献1の包装機では、速度制御装置が、原反ロールから引き出された帯状フィルムの移動速度が目標移動速度Vになるように各モータを制御することから、上記目標移動速度Vで帯状フィルム16が引き出されると仮定し、残り量算出手段が求めた帯状フィルムの残り量を上記目標移動速度Vで割って、残り時間を求めている。
また、特許文献2(特開2019-156591号公報)には、フィルムを巻いたフィルムロールから前記フィルムを繰り出すフィルム繰り出し装置において、前記フィルムロールの外径を取得する外径取得部と、 前記外径取得部が取得した外径に対して、前記フィルムロールに残るフィルム量であるフィルム残量を計算する残量計算部とを備え、前記残量計算部は、前記フィルムロールの外径に対応するフィルム残量の実測データを記憶し、この実測データに基づいてフィルム残量(残り製袋可能回数、残り時間)を求めるフィルム繰り出し装置が開示されている。
この特許文献2のフィルム繰り出し装置の残量計算部では、求めたフィルムFの残り長さlと、入力部から入力したフィルムFの単位長さLと、単位時間当りの包装物成形数量Nの各データをもとに、残りのフィルムFが無くなるまでの時間を演算している。
【0004】
ところで、包装機械が、被包装品(食品等)を生産する食品機械等や箱詰め装置等と連動して稼働し、食品機械等による被包装品の生産から、包装機械による包装体の生産、包装体の箱詰めまでが連続して行われる場合がある。
この場合、通常、1台の食品機械等で生産される被包装品が複数台の包装機械に振り分けられ、各包装機で包装品の生産が行われるが、各包装機械が食品機械等から受け取る単位時間当たりの被包装品の数量は均一ではなく、中には設定された生産能力(単位時間当りに生産する包装体の個数)以下で生産する包装機械もあり、また、食品機械等の生産状況(被包装品の生産速度の変化等)や各包装機械の生産状況等(特定の包装機の故障等)によって、各包装機械が受け取る単位時間当りの被包装品の数量が変化し、各包装機械の生産速度も変化することがある。
このため、包装体を生産している包装機械が生産能力以下で包装体を生産しており、食品機械等から供給される単位時間当りの被包装品の数量が一定せず、包装体の生産速度が一定しない場合、特許文献1における速度制御装置の目標移動速度V(設定された生産速度)や特許文献2における入力部から入力された単位時間当りの包装物成形数量(設定された生産能力)から残り時間を求めたのでは、実際に巻取りフィルム(フィルムロール)がなくなる時間(時刻)が、求めた残り時間から遅くなり、待ち時間が生ずるという問題が生ずる。
特に、一人の作業者が複数の包装機を同時に運転している場合、的確な時間に新しい巻取りフィルムへの交換の準備作業を行い、準備から交換までの作業を無駄なく短時間で行う必要あるところ、上記のように巻取りフィルムがなくなる時間(時刻)が、求めた残り時間から遅くなると、上記のような問題が生じ大きな生産阻害になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-295618号公報
【特許文献2】特開2019-156591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、包装関連装置が、設定された生産速度・生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、包材等の消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、消費材を消費して、設定された生産能力の範囲内において、供給品の単位時間当たりの供給量に対応した生産速度で該供給品から製品を生産する包装関連装置において、前記包装関連装置が前記製品を生産している途中において、前記消費材の残量を算出する消費材残量算出手段と、前記包装関連装置による前記製品の生産状況に対応して、前記消費材の単位時間当りの消費量である単位消費量を見積る消費材消費量見積手段と、前記消費材残量算出手段が算出した前記消費材の残量と前記消費材消費量見積手段が見積った単位消費量に基づいて、前記消費材がなくなるまでの終了時間を予測する終了時間予測手段と、前記終了時間予測手段が予測した終了時間を出力する終了時間出力手段とを備えた消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0008】
請求項2の発明は、一定時間毎に前記消費材残量算出手段が前記消費材の残量を算出し、前記消費材消費量見積手段が単位消費量を見積り、前記終了時間予測手段が前記終了時間を予測し、前記終了時間出力手段が前記終了時間を出力する消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項3の発明は、前記消費材終了時間予測装置は、前記包装関連装置が生産した前記製品の数量である生産数量を取得する生産数量取得手段を備え、前記消費材消費量見積手段は、設定された時間内に前記生産数量取得手段が取得した前記生産数量に基づいて前記単位消費量を見積る消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記設定された時間内は、前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出した算出時の一定時間前から該算出時までの間である消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記消費材終了時間予測装置は、前記包装関連装置が単位時間当たりに前記製品を生産する生産能力を設定する生産能力設定手段と、前記包装関連装置の生産速度が前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出したときから変化する場合に、該生産速度を変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する速度変化要因情報取得手段とを備え、前記消費材消費量見積手段は、前記生産能力設定手段が設定した前記生産能力と前記速度変化要因情報取得手段が取得した前記速度変化要因情報に基づいて前記単位消費量を見積る消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項6の発明は、前記速度変化要因情報取得手段は、前記包装関連装置と連動する機械・装置からの信号あるいは前記包装関連装置とは別の包装関連装置からの信号に基づいて前記速度変化要因情報を取得する消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項7の発明は、前記速度変化要因情報取得手段が取得する前記速度変化要因情報は、前記包装関連装置の生産速度をどの程度変化させるかを示す速度変化指標を含む消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項8の発明は、前記包装関連装置は包装機械であり、前記供給品は前記包装機械に供給される被包装品であり、前記製品は前記被包装品を包装した包装体であり、前記消費材は、前記被包装品を包装するために使用するフィルムであり、前記消費材残量算出手段は、前記フィルムを繰り出す巻取りフィルムの残量を算出するフィルム残量算出手段である消費材終了時間予測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0015】
請求項9の発明は、消費材を供給する消費材供給手段と、供給品を供給する供給品供給手段と、設定された生産能力の範囲内において、前記供給品供給手段から供給される供給品の単位時間当たりの供給量に対応した生産速度で製品を生産する製品生産手段を備えた包装関連装置であって、前記製品生産手段が前記製品を生産している途中において、前記消費材供給手段が供給する前記消費材の残量を算出する消費材残量算出手段と、前記製品生産手段による前記製品の生産状況に対応して、前記消費材の単位時間当りの消費量である単位消費量を見積る消費材消費量見積手段と、前記残量計測算出手段が算出した前記消費材の残量と前記消費材消費量見積手段が見積った単位消費量に基づいて、前記消費材がなくなるまでの終了時間を予測する終了時間予測手段と、前記終了時間予測手段が予測した終了時間を出力する終了時間出力手段とを備えた包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0016】
請求項10の発明は、前記包装関連装置は、設定された時間内に前記製品生産手段が生産した前記製品の数量である生産数量を取得する生産数量取得手段を備え、前記消費材消費量見積手段は、前記生産数量取得手段が取得した前記生産数量に基づいて前記単位消費量を見積る包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0017】
請求項11の発明は、前記包装関連装置は、前記製品生産手段が単位時間当たりに前記製品を生産する生産能力を設定する生産能力設定手段と、前記製品生産手段の生産速度が前記残量算出手段が前記消費材の残量を算出したときから変化する場合に、該生産速度を変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する速度変化要因情報取得手段とを備え、前記消費材消費量見積手段は、前記生産能力設定手段が設定した前記生産能力と前記速度変化要因情報取得手段が取得した前記速度変化要因情報に基づいて前記単位消費量を見積る包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0018】
請求項12の発明は、前記包装関連装置は包装機械であり、前記供給品供給手段は、包装品を供給する被包装品供給手段であり、前記消費材供給手段は前記被包装品を包装するために使用するフィルムを供給するフィルム供給手段であり、前記製品生産手段は前記被包装品を前記フィルムで包装した包装体を生産するシール・切断手段であり、前記消費材残量算出手段は前記フィルム供給手段が供給する前記フィルムの残量を算出するフィルム残量算出手段である包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、設定された生産速度・生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、消費材の残量算出時の直近の包装関連装置の生産実績に基づいて、消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0020】
請求項2に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、一定時間毎に終了時間の予測がなされ、消費材の終了が近づくにつれてより精度の高い終了時間が予測され、よりタイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0021】
請求項3に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、包装関連装置の生産実績に基づいて消費材終了時間が予測され、消費材がなくなるまでの時間をより的確に予測できるという効果を奏する。
【0022】
請求項4に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、消費材の残量算出時の直近の包装関連装置の生産実績に基づいて消費材終了時間が予測され、より精度の高い終了時間が予測できるという効果を奏する。
【0023】
請求項5に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、生産速度が消費材の残量を算出したときの生産速度から変化する事態が生じた場合であっても、消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0024】
請求項6に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、包装関連装置と連動する機械・装置や前記包装関連装置とは別の包装関連装置に起因して、包装関連装置の生産速度が消費材の残量を算出したときの生産速度から変化する事態が生じた場合であっても、消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0025】
請求項7に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、速度変化要因情報が速度変化指標を含み、消費材がなくなるまでの時間をより的確に予測できるという効果を奏する。
【0026】
請求項8に記載の発明の消費材終了時間予測装置においては、さらに、包装機械のフィルムがなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく巻取りフィルムの交換が行えるという効果を奏する。
【0027】
請求項9に記載の発明の包装関連装置においては、包装関連装置が設定された生産速度・生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0028】
請求項10に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、包装関連装置の生産実績に基づいて消費材終了時間が予測され、消費材がなくなるまでの時間をより的確に予測できるという効果を奏する。
【0029】
請求項11に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、生産速度が消費材の残量を算出したときの生産速度から変化する事態が生じた場合であっても、消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行えるという効果を奏する。
【0030】
請求項12に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、包装機械のフィルムがなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく巻取りフィルムの交換が行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の消費材終了時間予測装置を備えた縦ピロー包装機の構成を表した構成図である。
図2図1に示す縦ピロー包装機本体の全体構成を表した斜視図である。
図3】縦ピロー包装機制御部20と操作パネル30の構成を示すブロック図である。
図4】製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図である。
図5】縦ピロー包装機1が組み込まれた食品工場の包装体生産ラインを模式的に表した説明図である。
図6図5に示す包装体生産ラインの平面図である。
図7】縦ピロー包装機1の操作パネル30のコンピュータ31が巻取りフィルムMの終了時間の予測を行う動作を示したフローチャートである。
図8】フィルム残量算出部31cによる巻取りフィルムMFの残量の算出を説明する説明図である。
図9】縦ピロー包装機1と操作パネルの構成が異なる他の縦ピロー包装機における縦ピロー包装機制御部と操作パネルの構成を示すブロック図である。
図10】縦ピロー包装機1Aの操作パネル80のコンピュータ81が、巻取りフィルムMの終了時間の予測を行う動作を示したフローチャートである。
図11】消費材終了時間予測装置を備えた製函機50の制御部分の構成を示すブロック図である。
図12】消費材終了時間予測装置を備えた封緘機70の制御部分の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[縦ピロー包装機の構成]
図1は、本発明の消費材終了時間予測装置を備えた縦ピロー包装機の構成を表した構成図であって、縦ピロー包装機本体の概略正面図に制御部分のブロックを組み合わせた図であり、図2は、図1に示す縦ピロー包装機本体の全体構成を表した斜視図である。
図中、1は縦ピロー包装機、10は縦ピロー包装機本体、11はフィルム(包材)供給部、11Mはサーボモータ、12は張力調整部、12aは回動アーム、12b、12cはダンサローラ、12dは固定ローラ、12eは回転ロッド、12REはロータリーエンコーダ、13は日付印字部、13aは日付印字装置、13bは昇降ローラ、14は被包装品供給部、14aはホッパー、14bは充填筒、15は製筒部、15aは製筒器(フォーマ)、15bは押さえ部材、15cはスライドローラ、16はフィルム送り部、16aはプーリー、16bは送りベルト、16cは測長器、16c1は測長コロ、16c2は測長器ロータリーエンコーダ、16Mはサーボモータ、16Maは回転軸、17は縦シール部、17a、17bは縦シールブロック、18は横シール・切断部、18a、18bは横シールブロック、19は包装体排出部、19aはベルトコンベア、20は縦ピロー包装機制御部、30は操作パネル、CLは通信回線、Fiはフィルム(包材)、gr1~gr4はガイドローラ、MFは巻取りフィルム、SKは紙管、Pcは包装体、tsは縦シール部分、ysは横シール部分であり、図1においては、フィルム部分を二点鎖線で表す。
縦ピロー包装機1は、巻取りフィルムMFからフィルムFiを繰り出して被包装品を包装した包装体Pcを生産する縦ピロー包装機本体10と、縦ピロー包装機本体10の動作を制御する縦ピロー包装機制御部20と、縦ピロー包装機本体10を操作する操作パネル30から構成される。
【0033】
縦ピロー包装機本体10は、フィルム(包材)供給部11、張力調整部12、印字部13、被包装品供給部14、製筒部15、包材送り部16、縦シール部17、横シール・切断部18、包装体排出部19等から構成される。
フィルム(包材)供給部11は、巻取りフィルム支持装置と紙継ぎ台(図示せず)等を備えている。
巻取りフィルム支持装置は、シャフト(図示せず)、サーボモータ11Mを備え、サーボモータ11Mは、シャフトを回転させ、シャフトに装着された巻取りフィルムMF(紙管SK)を回転させる。
巻取りフィルム支持装置においては、紙管SKに巻き付けられた巻取りフィルムMFがシャフトに装着され、シャフトがサーボモータ11Mによって回転し、巻取りフィルムMFから包材となるフィルムFiが繰り出だされ、巻取りフィルムMFがなくなると、新しい巻取りフィルムMFが装着され、紙継ぎ台上で旧巻取りフィルムから繰り出されていたフィルムと新巻取りフィルムから繰り出すフィルムを接合して繋ぐ紙継ぎが行われる。
張力調整部12は、一対の回動アーム12a、回動アーム12aに回転自在に保持されたダンサローラ12b、12c、固定ローラ12d、回転ロッド12e、回動アーム12aの回動機構(図示せず)等から構成され、回転ロッド12eにはロータリーエンコーダ12REが取り付けられている。
回動アーム12aの回動機構は、回動アーム12aを回動させダンサローラ12b、12cを上限位置まで持ち上げる機構であり、例えば、エアシリンダとストッパー等から構成され、エアシリンダのピストンロッドの伸縮により回動アーム12aを回動させ、回動アーム12aをストパーに当てて停止させる。
張力調整部12においては、ダンサローラ12b、12cと固定ローラ12dにかけ渡されたフィルムFiの張力が増加するとアーム12aの先端側が持ち上げられ、フィルムFiの張力が低下するとアーム12aの先端側が下がり、フィルムFiの張力の変化に対応してアーム12aが回転ロッド12eを中心に回動して、アーム12aの傾き角が変化する。このアーム12aの傾き角の変化(変位)をダンサローラ12b、12cの変位としてロータリエンコーダ12REで検出し、フィルムFiの張力制御が行われる(詳細は後述する。)。
日付印字部13は、日付印字装置13a、昇降ローラ13b等を備え、フィルムFiに日付印字を行う。
【0034】
被包装品供給部14は、上部がホッパー14aとなっている充填筒14b、被包装品検知センサー(図示せず)等を備え、ホッパー14aの上方に設置された計量機より投入されるスナック菓子等の被包装品をホッパー14aで受けて充填筒14bに充填する。
製筒部15は、製筒器15a、押さえ部材15b、スライドローラ15c等を備え、フィルム供給部11より繰り出されて日付印字部13で日付が印字されたフィルムFiを、スライドローラ15cで案内し、製筒器15aで筒状に成形して押さえ部材15bにより充填筒14b外周面に押し付ける。
フィルム送り部16は、プーリー16a、送りベルト16b、測長器16c、フィルム送り用サーボモータ16M等を備えている、
プーリー16aと送りベルト16b等は、一対のフィルム送り機構を形成して、充填筒14bの両側に配置され、被包装品供給部14の被包装品検知センサーが充填筒14bに被包装品が投入されたことを検知すると、フィルム送り用サーボモータ16Mがプーリー16aを回転させて送りベルト16bを移動させ、充填筒14bの外周面を包んでいるフィルムFiを、一定の長さだけ下方に送る。
測長器16cは、測長コロ16c1と測長器ロータリーエンコーダ16c2を備え、測長コロ16c1は、フィルムFiを介して充填筒14bに押し付けられるように取り付けられ、フィルムFiが下方に送られると測長コロ16c1が回転し、その回転数を測長器ロータリーエンコーダ16c2で検出してフィルムFiの送り量を測定する。
縦シール部17は、縦シールブロック17a、17b、ヒータ(図示せず)等を備え、充填筒14bの外周面包んで重ね合わされたフィルムFiの両端部分に縦シールを施して縦シール部分tsを形成する。
横シール・切断部18は、横シールブロック18a、18b、ヒータ(図示せず)、切断装置(図示せず)等を備え、被包装品が充填された縦シール済フィルムに対して、横シールを施して横シール部分ysを形成し、横シール部分ysの中央部を切断し、被包装品が詰め込まれた包装体Pcを生成する。
包装体排出部19は、ベルトコンベア19a等を備え、包装体Pcをベルトコンベア19aにより排出する。
【0035】
[縦ピロー包装機制御部20、操作パネル30の構成]
図3は、縦ピロー包装機制御部20と操作パネル30の構成を示すブロック図であり、図中、21は演算制御部、21aは駆動機器動作制御部、21a1はフィルム送り量検出部、21a2は包装体数カウント部、21bはフィルム張力制御部、21b1は回動アーム回転角検出部、21b2は巻取回転数検出部、22は記憶部、22aは製品パラメータテーブル、23は送受信部、31はコンピュータ、31aは生産能力設定部、31bは生産数量取得部、31cはフィルム残量算出部、31dはフィルム消費量見積部、31eは終了時間予測部、33は送受信部、34は入力表示部である。
縦ピロー包装機制御部20は、演算制御部21、記憶部22及び送受信部23を備え、演算制御部21は、駆動機器動作制御部21aとフィルム張力制御部21bを備えると共に、縦ピロー包装機制御部20を統括的に制御し、駆動機器動作制御部21aは、フィルム送り量検出部21a1と包装体数カウント部21a2を備え、フィルム張力制御部21bは、回動アーム回転角検出部21b1と巻取回転数検出部21b2を備えている。
駆動機器動作制御部21aは、操作パネル30で設定された製品について、記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録されたパラメータ(縦ピロー包装機本体10が生産する製品毎に設定された生産能力、袋長さ、製品長さ、ヒータ温度等を表す数値)に基づいて、縦ピロー包装機本体10の駆動機器、例えば、フィルム送り部16のサーボモータ16M、縦シール部17やエンドシール・切断部18の各種ヒータの動作を制御する。
この場合、充填筒14bに被包装品が投入されたことを検知する被包装品検知センサーからの検知信号に基づいて、サーボモータ16Mの回転によるフィルムFiの送りが開始され、フィルム送り量検出部21a1が測長器ロータリーエンコーダ16c2からの信号に基づいてフィルムFiの送り量を検出し、フィルムFiの送り量が製品パラメータテーブル22aのパラメータである袋長さとなるようにサーボモータ16Mの動作が制御される。
また、包装体数カウント部21a2は、横シール・切断部18の動作回数をカウントし、このカウント数は、生産される包装体Pcの個数(包装体数)として、送受信部23に送られる。
フィルム張力制御部21bにおいては、回動アーム回転角検出部21b1がロータリエンコーダ12REからの信号に基づいて張力調整部12の回動アーム12aの傾き角変位(ダンサローラ12b、12cの変位)を検出し、巻取回転数検出部21b2がサーボモータ11Mからの信号に基づいて巻取りフィルムMFの回転数を検出し、回動アーム12aの傾き角変位(ダンサローラ12b、12cの変位)が一定範囲内に収まるようにサーボモータ11M(巻取りフィルムMF)の回転数が制御され、フィルムFiの張力が制御される。
【0036】
記憶部22は、製品パラメータテーブル22a、生産情報テーブル(図示せず)等を記憶し、生産情報テーブルには、実際に生産された製品について、出来高、空袋、ロス袋、稼動率、運転時間、停止時間、待機時間等の生産実績が登録されている。
図4は、製品パラメータテーブル22aの構成を説明する説明図である。
製品パラメータテーブル22aには、No.(登録番号)、製品名、生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)等が登録されている。但し、「No.(登録番号)」、「製品名」、「生産能力」、「袋長さ」、「折り径」、「ヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)」といった項目名自体は登録されておらず、登録されているのは項目名を除いた部分である。
No.(登録番号)は、縦ピロー包装機1(縦ピロー包装機本体10)が生産を行う製品を特定する番号であり、01~99まで用意されている。
No.と製品名は、操作パネル30の入力表示部34に表示される製品名登録画面(図示せず)から入力され、送受信部33から通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信され、送受信部23で受信されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)等の数値は、縦ピロー包装機本体10の駆動機器(モータ、ヒータ等)や調整機器を動作させるための条件を示す値となるパラメータである。
例えば、「生産能力」のパラメータ「80」は「80bpm」(bpmは1分間に生産される袋の個数である)、すなわち、1分間に80個(袋)生産されることを意味し、「袋長さ」のパラメータ「250」は「250mm」、すなわち、包装体Pc1袋の長さが250mmであることを意味し、「ヒータ温度・縦」に対応するパラメータ「160」は「160℃」、すなわち、縦ヒータの温度が「160℃」であることを意味している。
パラメータは、操作パネル30の入力表示部34に表示される各種パラメータ設定画面から入力され、送受信部33から通信回線CLにより縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信され、送受信部23で受信されて記憶部22の製品パラメータテーブル22aに登録される。
送受信部23は、通信回線CLを介して操作パネル30の送受信部33と通信を行い、演算制御部21から各種データを操作パネル30の送受信部33に送信し、また、送受信部33から送信される各種データを受信して演算制御部21に送る。
【0037】
操作パネル30は、コンピュータ31、送受信部33及び入力表示部34を備えている。
コンピュータ31は、演算処理部や記憶部を備え、縦ピロー包装機本体10に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に操作パネル30を統括的に制御する。
コンピュータ31の演算処理部は、生産能力設定部31a、生産数量取得部31b、フィルム残量算出部31c、フィルム消費量見積部31d及び終了時間予測部31eを備えている。
生産能力設定部31aは、入力表示部34に生産能力設定画面を表示し、この画面から入力される数値を、製品パラメータテーブル22aに登録する生産能力のパラメータとして設定し、送受信部33に送る。
生産数量取得部31bは、縦ピロー包装機制御部20の包装体数カウント部21a2がカウントして送受信部23から送信されて送受信部33が受信する包装体数を、縦ピロー包装機1(縦ピロー包装機本体10)の生産数量として取得する。
フィルム残量算出部31cは、縦ピロー包装機制御部20の巻取回転数検出部21b2が検出する巻取りフィルムMFの回転数(回転角)、回動アーム回転角検出部21b1が検出する張力調整部12の回動アーム12aの傾き角変位、フィルム送り量検出部21a1が検出するフィルムFiの送り量に基づいて、巻取りフィルムMFの残量を算出する。
フィルム消費量見積部31dは、設定された時間内(フィルム残量算出部31cによる巻取りフィルムMFの残量算出時の一定時間前から巻取りフィルムMFの残量算出時までの間)に生産数量取得部31bが取得した生産数量から、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る。
終了時間予測部31eは、フィルム残量算出部31cが算出する巻取りフィルムMFの残量と、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間を予測する。
送受信部33は、コンピュータ31から送られてくる各種データを通信回線CLを介して縦ピロー包装機制御部20の送受信部23に送信し、縦ピロー包装機制御部20の送受信部23から通信回線CLを介して送信される各種データを受信してコンピュータ31に送る。
入力表示部34は、タッチパネル式の表示画面を有し、コンピュータ31に組み込まれた専用プログラムによって作成された各種画面、例えば、各種パラメータの設定画面、終了時間予測部31dが予測した終了時間を表示するための操作画面を表示する。
【0038】
[包装体生産ライン]
図5は、縦ピロー包装機1が組み込まれた食品工場の包装体生産ラインを模式的に表した説明図、図6は、図5に示す包装体生産ラインの平面図である。 図中、1、1’、1”は縦ピロー包装機、10、10’、10”は縦ピロー包装機本体、14a、14a’、14a”はホッパー、30、30’、30”は操作パネル、40は包装体生産ライン、41はスナック菓子搬送コンベア、42、42’、42”は振り分けコンベア、43、43’、43”は計量機、44、44’、44”は包装体コンベア、45、45’、45”は梱包箱コンベア、50、50’、50”は製函機、60、60’、60”は箱詰め装置、70、70’、70”は封緘機、Snはスナック菓子、Pc、Pc’、Pc”は包装体、D1、D1’、D1”はダンボール箱、D2、D2’、D2”は包装体入りダンボール箱、 D3、D3’、D3”は封緘ダンボール箱(梱包箱)、Ta、Ta’、Ta”は封緘テープである。
図に示すように包装体生産ライン40は、食品機械であるスナック菓子製造機(図示せず)、スナック菓子搬送コンベア41、振り分けコンベア42、42’、42”、3台の計量機43、43’、43”、3台の縦ピロー包装機1、1’、1”、包装体コンベア44、44’、44”、3台の製函機50、50’、50”、3台の箱詰め装置60、60’、60”、3台の封緘機70、70’、70”、梱包箱コンベア45、45’、45”等から構成される。
縦ピロー包装機1’、1”は、縦ピロー包装機1と同じ構成であり、縦ピロー包装機本体10と同じ構成の縦ピロー包装機本体10’、10”、縦ピロー包装機制御部20と同じ構成の縦ピロー包装機制御部(図示せず)、操作パネル30と同じ構成の操作パネル30’、30”を備えている。
3台の計量機43、43’、43”は同じ構成であり、3台の製函機50、50’、50” は同じ構成であり、3台の箱詰め装置60、60’、60”は同じ構成であり、3台の封緘機70、70’、70”も同じ構成である。
よって、3台の縦ピロー包装機1、1’、1”で生産される包装体Pc、Pc’、Pc”は同じものであり、3台の封緘機70、70’、70”から排出される封緘ダンボール箱(梱包箱)D3、D3’、D3”も同じものとなる。
【0039】
包装体生産ライン40においては、スナック菓子製造機で製造されたポテトチップス等のスナック菓子Snがスナック菓子搬送コンベア41で搬送され、搬送されるスナック菓子Snは、振り分け装置(図示せず)で菓子搬送コンベア41から分岐する振り分けコンベア42、42’、42”に振り分けられ、計量機43、43’、43”に供給される。
各計量機43、43’、43”は、供給されるスナック菓子Snを計量し、一定のタイミングで所定重量のスナック菓子Snを、ホッパー14a、14a’、14a”に投入する。
各縦ピロー包装機本体10、10’、10”は、各計量機43、43’、43”から投入されるスナック菓子Snをフィルムで包装した包装体Pc、Pc’、Pc”を生産し、生産した包装体Pc、Pc’、Pc”を各々包装体コンベア44、44’、44”に載置する。
各製函機50、50’、50”は、マガジン(図示せず)から折り畳まれた段ボールを1枚ずつ抜き出し、製函(箱状にすること)、底面へのテープ貼りを行い、上面が開いたダンボール箱D1、D1’、D1”を排出する。
各箱詰め装置60、60’、60”は、包装体コンベア44、44’、44”で搬送される包装体Pc、Pc’、Pc”を、製函機50、50’、50”が排出するダンボール箱D1、D1’、D1”に詰める箱詰めを行い、包装体入りダンボール箱D2、D2’、D2”を排出する。
各封緘機70、70’、70”は、箱詰め装置60、60’、60”から排出される包装体入りダンボール箱D2、D2’、D2”に対して、上面を形成する前後左右のフラップを折り込み、封緘テープTa、Ta’、Ta”を貼り付け、テープ貼りした封緘ダンボール箱(梱包箱)D3、D3’、D3”を梱包箱コンベア45、45’、45”に載せて排出する。
この場合、スナック菓子搬送コンベア41から振り分けコンベア42、42’、42”に振り分けられスナック菓子Snの量は同一ではなく、コンベア42に振り分けられるスナック菓子Snの量は、他の振り分けコンベア42’、42”に振り分けられるスナック菓子Snの量より少なくなっている。
このため、計量機43に供給される単位時間あたりのスナック菓子Snの重量は、計量機43’、43”に供給される単位時間あたりのスナック菓子Snの重量より少なく、縦ピロー包装機1が生産する包装体Pcの単位時間当たりの数量は、縦ピロー包装機1’、1”が生産する包装体Pc’、Pc”の単位時間当たりの数量より少なくなっている。
具体的には、縦ピロー包装機1’、1”は、設定された生産能力(例えば80bpm)どおりの生産速度で包装体Pc’、Pc”を生産し、縦ピロー包装機1は、設定された生産能力(例えば80bpm)の60%程度の生産速度(例えば50bpm)で包装体Pcを生産する。
【0040】
[巻取りフィルム終了時間の予測]
包装体生産ライン40の縦ピロー包装機1における巻取りフィルムMの終了時間の予測について説明する。
図7は、縦ピロー包装機1の操作パネル30のコンピュータ31が、巻取りフィルムMの終了時間の予測を行う動作を示したフローチャートである。
まず、縦ピロー包装機1が包装体Pcの生産を開始する前に、操作パネル30の入力表示部34から、No.(登録番号)、製品名と生産能力、袋長さ、折り径、ヒータ温度(縦、縦予熱、横前、横後)等の各種パラメータが入力され、あるいは、No.(登録番号)が入力されることにより、No.(登録番号)に紐づけられた製品名と各種パラメータが自動的に入力され、製品パラメータテーブル22aにこれから生産する包装体PcのNo.(登録番号)、製品名と各種パラメータが設定される。
この各種パラメータの設定において、生産能力設定部31aが縦ピロー包装機1(縦ピロー包装機本体10)の生産能力(例えば80bpm)の設定(製品パラメータテーブル22aへの登録)を行う(S1)。
このとき、他の縦ピロー包装機1’、1”についても同様に生産能力を始めとする各種パラメータの設定が行われ、生産能力は縦ピロー包装機1と同じ生産能力(例えば80bpm)が設定される。
3台の縦ピロー包装機1、1’、1”について、各種パラメータの設定を始めとする各種準備作業・操作が終了すると、スナック菓子製造機がスナック菓子Snの製造を開始し、製造されたスナック菓子Snが、スナック菓子搬送コンベア41、振り分けコンベア42、42’、42”、計量機43、43’、43”へと供給され、計量機43からホッパー14aにスナック菓子Snが投入されて、縦ピロー包装機1による包装体Pcの生産が開始され、同時に、計量機43’、43”からホッパー14a’、14a”にスナック菓子Snが投入されて、縦ピロー包装機1’、1”による包装体Pc’、Pc”の生産が開始される。
【0041】
縦ピロー包装機1による包装体Pcの生産が開始されると、充填筒14bにスナック菓子Snが投入されたことを被包装品検知センサーが検知し、サーボモータ16Mが回転してフィルムFiが製品パラメータテーブル22aに設定された袋長さ分だけ送られ、縦シール部17と横シール・切断部18が動作して包装体Pcが生成される。
このサーボモータ16M、縦シール部17及び横シール・切断部18の動作(1個の包装体Pcの生成)は間欠的に繰り返され、包装体数カウント部21a2が、横シール・切断部18が動作する回数をカウントし、縦ピロー包装機1の生産数量(生産される包装体Pcの個数)として、送受信部23から通信回線CLを介して、操作パネル30に送信され、生産数量取得部31bが、送受信部33が受信した縦ピロー包装機1の生産数量を取得する(S2)。
このとき、計量機43に供給される単位時間あたりのスナック菓子Snの重量は、計量機43’、43”に供給される単位時間あたりのスナック菓子Snの重量より少ないことから、縦ピロー包装機1の生産速度(単位時間当たりに生産する包装体Pcの個数)は、縦ピロー包装機1’、1”の生産速度(設定された生産能力、例えば80bpmとほぼ同じ速度)より遅く、縦ピロー包装機1は、設定された生産能力(例えば80bpm)の60%程度の生産速度(例えば50bpm)で包装体Pcを生産する。
よって、生産数量取得部31bは、単位時間あたり生産能力設定部31aが設定した生産能力より低い生産数量を取得することとなる。
【0042】
次いで、フィルム残量算出部31cが、巻取りフィルムMFの残量を算出する(S3)。
図8は、フィルム残量算出部31cによる巻取りフィルムMFの残量の算出を説明する説明図であり、図8では、サーボモータ16Mが回転して送りベルト16bを移動させ、フィルムFi(筒状フィルムTFi)が位置P1から位置P2まで移動し(送られ)、回動アーム12aが反時計回りに回転し、巻取りフィルムMFの外周が位置Q1から位置Q2まで回転した状態を表わし、回転前の回動アーム12aを二点鎖線で表し、フィルムFiを実線で表す。
今、フィルム送り量検出部21a1が測長器ロータリーエンコーダ16c2からの信号に基づいて検出するフィルムFiの送り量(位置P1から位置P2までの距離)がLであり、回動アーム回転角検出部21b1がロータリエンコーダ12REからの信号に基づいて検出する回動アーム12aの傾き角変位(回転角)がθであり、巻取回転数検出部21b2がサーボモータ11Mからの信号に基づいて検出する巻取りフィルムMFの回転角がφであるとする。
回動アーム12aの傾き角変位(回転角)θにより、フィルムFiのガイドロールgr2、gr3間のパス長さの減少量をΔL、巻取りフィルムMFの半径をRとすると、フィルムFiの送り量Lと巻取りフィルムMFの回転角φの関係は、
R・φ=L-ΔL
となり、
R=(L-ΔL)/φ
となる。
ΔLとθの関係は定まっていることから、予めフィルム残量算出部31cにΔLとθの関係が記憶されて、その記憶されている値をΔL(θ)とすると、
R=(L-ΔL(θ))/φ
となる。
そして、巻取りフィルムMFの半径Rと巻取りフィルムMFの残量(半径Rの巻取りフィルムMFから繰り出されるフィルムFiの長さ、あるいは、半径Rの巻取りフィルムMFから生産される包装体Pcの個数)の関係は定まっており、この関係は予めフィルム残量算出部31cに記憶されている。
よって、フィルム残量算出部31cは、フィルム送り量検出部21a1が検出するフィルムFiの送り量L、巻取回転数検出部21b2が検出する巻取りフィルムMFの回転角φ、回動アーム回転角検出部21b1が検出する回動アーム12aの傾き角変位θから、巻取りフィルムMFの半径Rを算出し、算出した半径Rから巻取りフィルムMFの残量を求める。
【0043】
次いで、フィルム消費量見積部31dが、設定された時間内(フィルム残量算出部31cによる巻取りフィルムMFの残量算出時の一定時間前から巻取りフィルムMFの残量算出時までの間)に生産数量取得部31bが取得した生産数量から、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る(S4)。
この場合、設定された時間内とは、フィルム残量算出部31cによる巻取りフィルムMFの残量算出時の一定時間(例えば5分間)前から巻取りフィルムMFの残量算出時までの間、すなわち、巻取りフィルムMFの残量算出時までの一定時間(例えば5分間)をいう。
具体的には、巻取りフィルムMFの残量算出時までの一定時間t(分)に生産数量取得部31bが取得した生産数量をN個、製品パラメータテーブル22aに登録された袋長さをXmmとすると、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量(単位時間当りのフィルムの消費量)f(mm/分)は、以下のようになる。
f=X×(N/t)
例えば、巻取りフィルムMFの残量算出時までの5分間に生産数量取得部31bが取得した生産数量を250個、製品パラメータテーブル22aに登録された袋長さを250mmとすると、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量fは、以下のようになる。
f=250×(250/5)=1250(mm/分)
このように、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量は、巻取りフィルムMFの残量算出時までの一定時間の縦ピロー包装機1の生産速度の平均値基づく単位時間当りのフィルムの消費量、すなわち、直近の縦ピロー包装機1の生産実績に基づく単位時間当りのフィルムの消費量となり、フィルム消費量見積部31dは、縦ピロー包装機1の包装体Pcの生産状況に対応して、単位消費量を見積ることとなる。
【0044】
次いで、終了時間予測部31eが、フィルム残量算出部31cが算出する巻取りフィルムMFの残量と、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)を予測する(S5)。
具体的には、フィルム残量算出部31cが算出する巻取りフィルムMFの残量をZ(mm)、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量をf(mm/分)とすると、巻取りフィルムMFがなくなるまでの残り時間ntは、以下のようになる。
nt=Z/f
例えば、フィルム残量算出部31cが算出する巻取りフィルムMFの残量を10000(mm)、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量1250(mm/分)とすると、巻取りフィルムMFがなくなるまでの残り時間ntは、以下のようになる。
nt=10000/1250=8(分)
この終了時間予測部31eが予測した巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)は、入力表示部34に送られて、その操作画面に表示される(S6)。
この後、処理を続けるか否かが判断され(S7)、続ける場合はステップS2に戻り、続けない場合は、処理を終了する。
具体的には、操作画面に終了ボタンを設け、この終了ボタンにタッチしない限り処理を続け、終了ボタンにタッチすると処理を終了する。
この場合、処理を続けるときは、一定時間経過後(例えば、1分経過後)に、ステップS2以降の処理を行うようにし、一定時間経過すると入力表示部34の操作画面に表示される終了時間(残り時間)が更新されるようにしてもよい。
また、入力表示部34の操作画面に継続ボタンと終了ボタンを設け、継続ボタンにタッチすると処理を続け、終了ボタンにタッチすると処理を終了するようにしてもよい。
なお、ステップS6の終了時間(残り時間)の表示を、操作パネル30の入力表示部34の操作画面ではなく、操作パネルとは別に設けられた各種の表示を行うモニター画面(例えば、タブレットの表示画面)に行ってもよい。
【0045】
以上のように包装体生産ライン40の縦ピロー包装機1においては、生産能力設定部31aが縦ピロー包装機1の生産能力の設定を行い、生産数量取得部31bが縦ピロー包装機1の生産数量を取得し、フィルム残量算出部31cが巻取りフィルムMFの残量を算出し、フィルム消費量見積部31dが、設定された時間内に生産数量取得部31bが取得した生産数量から単位消費量を見積り、終了時間予測部31eが、フィルム残量算出部31cが算出する巻取りフィルムMFの残量と、フィルム消費量見積部31dが見積る単位消費量に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)を予測することから、縦ピロー包装機1が設定された生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、巻取りフィルムMFの残量算出時の直近の縦ピロー包装機1の生産実績に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)が的確に予測され、タイミングよく巻取りフィルムMFの交換を行うことができる。
【0046】
[縦ピロー包装機の他の例]
図9は、縦ピロー包装機1と操作パネルの構成が異なる他の縦ピロー包装機における縦ピロー包装機制御部と操作パネルの構成を示すブロック図であり、図中、1Aは縦ピロー包装機、80は操作パネル、81はコンピュータ、81aは生産能力設定部、81bは生産数量取得部、81cはフィルム残量算出部、81dはフィルム消費量見積部、81eは終了時間予測部、81fは速度変化要因情報取得部、83は送受信部、84は入力表示部であり、図1図3に示す縦ピロー包装機1の構成と同じ構成のものには同一の符号を付す。
縦ピロー包装機1Aは、縦ピロー包装機本体10、縦ピロー包装機制御部20及び操作パネル80から構成され、縦ピロー包装機本体10と縦ピロー包装機制御部20は、縦ピロー包装機1のものと同じである。
操作パネル80は、コンピュータ81、送受信部83及び入力表示部84を備え、送受信部83と入力表示部84は、操作パネル30の送受信部33と入力表示部34と同じものである。
コンピュータ81は、操作パネル30のコンピュータ31と同様に、演算処理部や記憶部を備え、縦ピロー包装機本体10に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に操作パネル80を統括的に制御する。
コンピュータ81の演算処理部は、生産能力設定部81a、生産数量取得部81b、フィルム残量算出部81c、フィルム消費量見積部81d、終了時間予測部81e及び速度変化要因情報取得部81fを備え、このうち、生産能力設定部81a、生産数量取得部81b、フィルム残量算出部81c及び終了時間予測部81eは、コンピュータ31の生産能力設定部31a、生産数量取得部31b、フィルム残量算出部31c及び終了時間予測部31eと同じものである。
【0047】
速度変化要因情報取得部81fは、縦ピロー包装機1と連動して稼働する機械・装置あるいは別の包装関連装置からの信号、例えば、被包装品供給部14に供給するスナック菓子等の被包装品を搬送する搬送コンベアからの信号や被包装品を生産する食品機械からの信号あるいは他の縦ピロー包装機からの信号に基づいて、縦ピロー包装機1A生産速度を、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出したときから変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する。
この速度変化要因情報は、縦ピロー包装機1Aの生産速度をどの程度変化させるかを示す速度変化指標を含む。
フィルム消費量見積部81dは、速度変化要因情報取得部81fが速度変化要因情報を取得した場合、生産能力設定部81aが設定する生産能力と速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報に基づいて、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る。
また、フィルム消費量見積部81dは、速度変化要因情報取得部81fが速度変化要因情報を取得しない場合、設定された時間内(フィルム残量算出部81cによる巻取りフィルムMFの残量算出時の一定時間前から巻取りフィルムMFの残量算出時までの間)に生産数量取得部81bが取得した生産数量から、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る。
【0048】
[縦ピロー包装機1Aにおける巻取りフィルム終了時間の予測]
図5に示す包装体生産ライン40において、縦ピロー包装機1を縦ピロー包装機1Aに置き換えた場合の縦ピロー包装機1Aの巻取りフィルムMの終了時間の予測について説明する。
図10は、縦ピロー包装機1Aの操作パネル80のコンピュータ81が、巻取りフィルムMの終了時間の予測を行う動作を示したフローチャートである。
まず、縦ピロー包装機1の場合と同様に、包装体Pcの生産を開始する前の各種パラメータの入力・設定において、生産能力設定部81aが縦ピロー包装機1Aの生産能力(例えば80bpm)の設定を行う(S11)。
このとき、他の縦ピロー包装機1’、1”についても同様に生産能力を始めとする各種パラメータの設定が行われ、生産能力は縦ピロー包装機1と同じ生産能力(例えば80bpm)が設定される。
3台の縦ピロー包装機1A、1’、1”について、各種パラメータの設定を始めとする各種準備作業・操作が終了すると、スナック菓子製造機がスナック菓子Snの製造を開始し、縦ピロー包装機1A、1’、1”による包装体Pc、Pc’、Pc”の生産が開始される。
縦ピロー包装機1Aによる包装体Pcの生産が開始されると、縦ピロー包装機1の場合と同様に、包装体数カウント部21a2が、横シール・切断部18が動作する回数をカウントし、縦ピロー包装機1Aの生産数量(生産される包装体Pcの個数)として、送受信部23から通信回線CLを介して、操作パネル80に送信され、生産数量取得部81bが、送受信部83が受信した縦ピロー包装機1Aの生産数量を取得する(S12)。
そして、フィルム残量算出部81cが、巻取りフィルムMFの残量を算出する(S13)。
フィルム残量算出部81cが、巻取りフィルムMFの残量を算出する動作は、前記ステップS3のフィルム残量算出部31cが、巻取りフィルムMFの残量を算出する動作と同じである。
【0049】
次いで、速度変化要因情報取得部81fが、縦ピロー包装機1Aの生産速度を、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出したときから変化させる要因となる速度変化要因情報を取得したか否かが判断される(S14)。
例えば、縦ピロー包装機1”が故障等により、包装体Pc”が生産されない事態が生じた場合、スナック菓子搬送コンベア41から振り分けコンベア42”には、スナック菓子Snが振り分けられず、振り分けコンベア42に振り分けられるスナック菓子Snの重量が縦ピロー包装機1Aの生産能力分まで増加する。
このような場合、速度変化要因情報取得部81fは、スナック菓子搬送コンベア41から振り分けコンベア42、42’、42”に振り分けるスナック菓子Snの量を制御する振り分け量制御装置(図示せず)からの信号(振り分けコンベア42に振り分けられるスナック菓子Snの重量が増加することを示す信号)に基づいて、縦ピロー包装機1A(縦ピロー包装機本体10)の生産速度を、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出したときから変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する。
そして、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報は、一律ではなく、縦ピロー包装機1Aの生産速度をどの程度変化させるかを示す速度変化指標を含むものとする。
例えば、縦ピロー包装機1Aの生産速度を設定された生産能力まで引き上げることを示す速度変化指標は「10」、設定された生産能力の90%まで引き上げることを示す速度変化指標は「09」、設定された生産能力の70%まで引き上げることを示す速度変化指標は「07」となる。
上記のように振り分けコンベア42に振り分けられるスナック菓子Snの重量が縦ピロー包装機1Aの生産能力分まで増加する場合、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報には、縦ピロー包装機1の生産速度を設定された生産能力まで引き上げることを示す速度変化指標「10」が含まれる。
【0050】
また、上記のように縦ピロー包装機1”が故障等により、包装体Pc”が生産されない事態が生じ、縦ピロー包装機1の生産速度が設定された生産能力まで引き上られた後、縦ピロー包装機1”の故障等が解消されて再び包装体Pc”が生産されるようになると、計量機43に供給される単位時間あたりのスナック菓子Snの重量は減少して元の重量に戻ることとなる。
このとき、速度変化要因情報取得部81fは、振り分け量制御装置からの信号(振り分けコンベア42に振り分けられるスナック菓子Snの重量が減少することを示す信号)に基づいて、縦ピロー包装機1Aの生産速度を、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出したときから変化させる要因となる速度変化要因情報を取得する。
そして、この速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報には、縦ピロー包装機1の生産速度を生産能力の100%から60%に引き下げることを示す速度変化指標(例えば「06」)が含まれる。
なお、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報は、上記のような振り分け量制御装置からの信号に基づくものに限定されず、食品機械(スナック菓子製造機)が製造する単位時間当たりの被包装品(スナック菓子Sn)の量が変化することを示す食品機械(スナック菓子製造機)から信号に基づくもの、計量機43がポッパー14aに供給する単位時間あたりのスナック菓子Snの重量が変化することを示す計量機43からの信号に基づくもの、あるいは、縦ピロー包装機1’、1”や箱詰め装置60’、60”が故障したことを示す縦ピロー包装機1’、1”や箱詰め装置60’、60”からの信号に基づくものであってもよい。
【0051】
上記ステップS14で速度変化要因情報取得部81fが速度変化要因情報を取得した場合、フィルム消費量見積部81dが、生産能力設定部81aが設定する生産能力と速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報に基づいて、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る(S15)。
具体的には、縦ピロー包装機1”が故障等により、包装体Pc”が生産されない事態が生じ、生産能力設定部81aが設定する生産能力が80bpm、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報の速度変化指標「10」である場合、フィルム消費量見積部81dは、生産能力80bpmに製品パラメータテーブル22aに登録された袋長さ(例えば250mm)を掛けた値の80×250=20000(mm/分)を単位消費量(単位時間当りのフィルムの消費量)として見積る。
また、縦ピロー包装機1”の故障等が解消されて再び包装体Pc”が生産されるようになったとき、生産能力設定部81aが設定する生産能力が80bpm、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報の速度変化指標「06」である場合、フィルム消費量見積部81dは、生産速度48bpm(生産能力80bpmの60%)に製品パラメータテーブル22aに登録された袋長さ(例えば250mm)を掛けた値の48×250=12000(mm/分)を単位消費量(単位時間当りのフィルムの消費量)として見積る。
このようにフィルム消費量見積部81dが見積る単位消費量は、生産能力設定部81aが設定する生産能力と速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報に基づくものであり、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報は、縦ピロー包装機1の包装体Pcの生産状況に対応しており、フィルム消費量見積部81dは、縦ピロー包装機1Aの包装体Pcの生産状況に対応して、単位消費量を見積ることとなる。
【0052】
上記ステップS14で速度変化要因情報取得部81fが速度変化要因情報を取得しない場合、フィルム消費量見積部81dが、設定された時間内(フィルム残量算出部81cによる巻取りフィルムMFの残量算出時の一定時間前から巻取りフィルムMFの残量算出時までの間)に生産数量取得部81bが取得する縦ピロー包装機1Aの生産数量に基づいて、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積る(S16)。
このフィルム消費量見積部81dが、単位消費量を見積る動作は、前記ステップS4のフィルム消費量見積部31dが単位消費量を見積る動作と同じである。
次いで、終了時間予測部81eが、フィルム残量算出部81cが算出する巻取りフィルムMFの残量と、フィルム消費量見積部81dがステップS15又はS16で見積る単位消費量に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)を予測する(S17)。
この終了時間予測部81eが終了時間(残り時間)を予測する動作は、前記ステップS5の終了時間予測部31eが終了時間(残り時間)を予測する動作と同じである。
そして、終了時間予測部81eが予測した巻取りフィルムMFの終了時間(残り時間)は、入力表示部84に送られてその操作画面に表示される(S18)。
この後、処理を続けるか否かが判断され(S19)、続ける場合はステップS12に戻り、続けない場合は、処理を終了する。
具体的には、操作画面に終了ボタンを設け、この終了ボタンにタッチしない限り処理を続け、終了ボタンにタッチすると処理を終了する。
この場合、処理を続けるときは、一定時間経過後(例えば、1分経過後)に、ステップS12以降の処理を行うようにし、一定時間経過すると入力表示部84の操作画面に表示される終了時間(残り時間)が更新されるようにしてもよい。
また、入力表示部84の操作画面に継続ボタンと終了ボタンを設け、継続ボタンにタッチすると処理を続け、終了ボタンにタッチすると処理を終了するようにしてもよい。
なお、縦ピロー包装機1の場合と同様に、ステップS18の終了時間(残り時間)の表示を、操作パネル80の入力表示部84の操作画面ではなく、操作パネルとは別に設けられた各種の表示を行うモニター画面(例えば、タブレットの表示画面)に行ってもよい。
【0053】
以上のように包装体生産ライン40の縦ピロー包装機1Aにおいては、生産能力設定部81aが縦ピロー包装機1Aの生産能力の設定を行い、生産数量取得部81bが縦ピロー包装機1Aの生産数量を取得し、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出し、速度変化要因情報取得部81fが縦ピロー包装機1Aの生産速度を、フィルム残量算出部81cが巻取りフィルムMFの残量を算出したときから変化させる要因となる速度変化要因情報を取得した場合、この速度変化要因情報は縦ピロー包装機1Aの生産速度をどの程度変化させるかを示す速度変化指標を含み、フィルム消費量見積部81dが、生産能力設定部81aが設定する生産能力と、速度変化要因情報取得部81fが取得する速度変化要因情報に基づいて、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積り、速度変化要因情報取得部81fが速度変化要因情報を取得しない場合、フィルム消費量見積部81dが、設定された時間内に生産数量取得部81bが取得した生産数量から、単位時間当りのフィルムの消費量である単位消費量を見積り、終了時間予測部81eが、フィルム残量算出部81cが算出する巻取りフィルムMFの残量と、フィルム消費量見積部81dが見積る単位消費量に基づいて、巻取りフィルムMFがなくなるまでの終了時間(残り時間)を予測することから、他の縦ピロー包装機1”等が故障したり、故障していた縦ピロー包装機1”等が復旧して、縦ピロー包装機1Aの生産速度が変化する場合であっても、巻取りフィルムMFがなくなるまで時間を的確に予測し、タイミングよく巻取りフィルムMFの交換を行うことができる。
【0054】
[製函機50、封緘機70における消費材終了時間予測装置]
本発明の消費材終了時間予測装置を備えた包装関連装置は、縦ピロー包装機等の包装機械に限定されるものではなく、製函機や封緘機等の包装機械周辺装置であってもよい。
図11は、消費材終了時間予測装置を備えた製函機50の制御部分の構成を示すブロック図であり、図中、51は製函機本体、52は製函機制御部、53は製函機操作パネル、531はコンピュータ、531aは生産能力設定部、531bは生産数量取得部、531cは折り畳み段ボール残量算出部、531dは折り畳み段ボール消費量見積部、531eは終了時間予測部、533は送受信部、534は入力表示部、CL1は通信回線である。
図11に示すように製函機50は、製函機本体51、製函機制御部52及び製函機操作パネル53を備えている。
製函機本体51は、マガジン(図示せず)にストックされた消費材となる折り畳み段ボール(折り畳まれた段ボール)の束から折り畳み段ボール(折り畳まれた段ボール)を1枚ずつ抜き出し、折り畳み段ボールを開いて箱状にして底面にテープを貼る製函を行い、上面が開いたダンボール箱D1を排出する。
製函機制御部52は、演算制御部、記憶部、送受信部を備え、演算制御部は、製函機本体51の動作を制御する動作制御部や、製函機本体51が製函したダンボール箱D1の数をカウントするダンボール箱数カウント部等を備え、記憶部は、動作制御部が製函機本体51の動作を制御するためのパラメータ等を記憶する。
製函機操作パネル53は、コンピュータ531、送受信部533、入力表示部534を備えている。
コンピュータ531は、演算処理部や記憶部を備え、製函機本体51に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に製函機操作パネル53を統括的に制御する。
コンピュータ531の演算処理部は、生産能力設定部531a、生産数量取得部531b、折り畳み段ボール残量算出部531c、折り畳み段ボール消費量見積部531d、終了時間予測部531eを備えている。
【0055】
生産能力設定部531aは、入力表示部534に生産能力設定画面を表示し、この画面から入力される数値を、製函機本体51の生産能力(単位時間当りに製函する段ボール箱D1の数)のパラメータとして設定し、送受信部533に送る。
この送受信部533に送られた生産能力(パラメータ)は、通信回線CL1を介して製函機制御部52に送られてその記憶部に記憶される。
生産数量取得部531bは、通信回線CL1や送受信部533を介して、製函機制御部52のダンボール箱数カウント部がカウントしたダンボール箱数(製函されたダンボール箱D1の数)を、製函機50(製函機本体51)の生産数量として取得する。
折り畳み段ボール残量算出部531cは、製函機本体51のマガジンに設置された折り畳み段ボール量検知機(マガジンにストックされている折り畳み段ボールの束の厚み又は高さを検知する検知機)からの信号等から、折り畳み段ボール残量(マガジンに残っている折り畳み段ボールの枚数)を算出する。
折り畳み段ボール消費量見積部531dは、設定された時間内(折り畳み段ボール残量算出部531cによる折り畳み段ボール残量算出時の一定時間前から折り畳み段ボール残量算出時までの間)に生産数量取得部531bが取得した生産数量から、単位時間当りの折り畳み段ボールの消費量である単位消費量を見積る。
例えば、折り畳み段ボール残量算出部531cによる折り畳み段ボール残量算出時前10分間に生産数量取得部531bが取得した生産数量(製函されたダンボール箱D1の数)が30箱であるとすると、折り畳み段ボール消費量見積部531dは、以下の単位消費量(1分間当り消費する折り畳み段ボールの枚数)を見積る。
30/10=3(枚/分)
【0056】
終了時間予測部531eは、折り畳み段ボール残量算出部531cが算出する折り畳み段ボール残量と、折り畳み段ボール消費量見積部531dが見積る単位消費量に基づいて、マガジンにストックされている折り畳み段ボールがなくなるまでの終了時間を予測する。
例えば、折り畳み段ボール残量算出部531cが算出する折り畳み段ボール残量が60枚で、折り畳み段ボール消費量見積部531dが見積る単位消費量が3(箱/分)であるとすると、終了時間予測部531eは、以下の終了時間を予測する。
60/3=20(分)
送受信部533は、コンピュータ531から送られてくる各種データを通信回線CL1を介して製函機制御部52に送信し、製函機制御部52から通信回線CL1を介して送信される各種データを受信してコンピュータ531に送る。
入力表示部534は、タッチパネル式の表示画面を有し、コンピュータ531に組み込まれた専用プログラムによって作成された各種画面、例えば、各種パラメータの設定画面、終了時間予測部531eが予測した終了時間を表示するための操作画面を表示する。
【0057】
図12は、消費材終了時間予測装置を備えた封緘機70の制御部分の構成を示すブロック図であり、図中、71は封緘機本体、72は封緘機制御部、73は封緘機操作パネル、731はコンピュータ、731aは生産能力設定部、731bは生産数量取得部、731cは封緘テープ残量算出部、731dは封緘テープ消費量見積部、731eは終了時間予測部、733は送受信部、734は入力表示部、CL2は通信回線である。
図12に示すように封緘機70は、封緘機本体71、封緘機制御部72及び封緘機操作パネル73を備えている。
封緘機本体71は、箱詰め装置60から排出される包装体入りダンボー箱D2に対して、上面を形成する前後左右のフラップを折り込み、消費材となる封緘テープTaを封緘テープ供給部(図示せず)に取り付けられた巻取り封緘テープ(巻取り状態の封緘テープ)から繰り出して貼り付け、テープ貼りした封緘ダンボール箱(梱包箱)D3を梱包箱コンベア45に載せて排出する。
封緘機制御部72は、演算制御部、記憶部、送受信部を備え、演算制御部は、封緘機本体71の動作を制御する動作制御部や、封緘機本体71が封緘した封緘ダンボール箱D3の数をカウントする封緘ダンボール箱数カウント部等を備え、記憶部は、動作制御部が封緘機本体71の動作を制御するためのパラメータ等を記憶する。
封緘機操作パネル73は、コンピュータ731、送受信部733、入力表示部734を備えている。
コンピュータ731は、演算処理部や記憶部を備え、封緘機本体71に対応した専用のプログラムが組み込まれ、各種処理を行うと共に封緘機操作パネル73を統括的に制御する。
コンピュータ731の演算処理部は、生産能力設定部731a、生産数量取得部731b、封緘テープ残量算出部731c、封緘テープ消費量見積部731d、終了時間予測部731eを備えている。
【0058】
生産能力設定部731aは、入力表示部734に生産能力設定画面を表示し、この画面から入力される数値を、封緘機本体71の生産能力(単位時間当りに封緘する封緘段ボール箱D3の数)のパラメータとして設定し、送受信部733に送る。
この送受信部733に送られた生産能力(パラメータ)は、通信回線CL2を介して封緘機制御部72に送られてその記憶部に記憶される。
生産数量取得部731bは、通信回線CL2や送受信部733を介して、封緘機制御部72の封緘ダンボール箱数カウント部がカウントした封緘ダンボール箱数(封緘されたダンボール箱D3の数)を、封緘機70(封緘機本体71)の生産数量として取得する。
封緘テープ残量算出部731cは、封緘機本体71の封緘テープ供給部に取り付けられた巻取り封緘テープの半径を検知する巻取り封緘テープ径検知機等からの信号等に基づき、封緘テープ残量(巻取り封緘テープのテープ長さ)を算出する。
封緘テープ消費量見積部731dは、設定された時間内(封緘テープ残量算出部731cによる封緘テープ残量算出時の一定時間前から封緘テープ残量算出時までの間)に生産数量取得部731bが取得した生産数量と1個の封緘ダンボール箱に使用する封緘テープ量(長さ)から、単位時間当りの封緘テープの消費量である単位消費量を見積る。
例えば、封緘テープ残量算出部731cによる封緘テープ残量算出時前10分間に生産数量取得部731bが取得した生産数量(封緘されたダンボール箱D3の数)が25箱で、1個の封緘ダンボール箱に使用する封緘テープ量(長さ)が800mmであるとすると、封緘テープ消費量見積部731dは、以下の単位消費量(1分間当り消費する封緘テープの長さ)を見積る。
(25/10)×800=2000(mm/分)
【0059】
終了時間予測部731eは、封緘テープ残量算出部731cが算出する封緘テープ残量と、封緘テープ消費量見積部731dが見積る単位消費量に基づいて、封緘テープ供給部に取り付けられた巻取り封緘テープがなくなるまでの終了時間を予測する。
例えば、封緘テープ残量算出部731cが算出する封緘テープ残量が30000mmで、封緘テープ消費量見積部731dが見積る単位消費量が2000(mm/分)であるとすると、終了時間予測部731eは、以下の終了時間を予測する。
30000/2000=15(分)
送受信部733は、コンピュータ731から送られてくる各種データを通信回線CL2を介して封緘機制御部72に送信し、封緘機制御部72から通信回線CL2を介して送信される各種データを受信してコンピュータ731に送る。
入力表示部734は、タッチパネル式の表示画面を有し、コンピュータ731に組み込まれた専用プログラムによって作成された各種画面、例えば、各種パラメータの設定画面、終了時間予測部731eが予測した終了時間を表示するための操作画面を表示する。
【0060】
以上のように包装体生産ライン40の製函機50・封緘機70においては、生産能力設定部531a・731aが製函機50・封緘機70の生産能力の設定を行い、生産数量取得部531b・731bが製函機50・封緘機70の生産数量を取得し、折り畳み段ボール残量算出部531c・封緘テープ残量算出部731cが折り畳み段ボール残量・封緘テープ残量を算出し、折り畳み段ボール消費量見積部531d・封緘テープ消費量見積部731dが、設定された時間内に生産数量取得部531b・731bが取得した生産数量から単位消費量を見積り、終了時間予測部531e・731eが、折り畳み段ボール残量算出部531c・封緘テープ残量算出部731cが算出する折り畳み段ボール残量・封緘テープ残量と、折り畳み段ボール消費量見積部531d・封緘テープ消費量見積部731dが見積る単位消費量に基づいて、折り畳み段ボール・巻取り封緘テープがなくなるまでの終了時間(残り時間)を予測することから、製函機50・封緘機70が設定された生産能力に満たない速度で製品(製函されたダンボール箱D1・封緘ダンボール箱D3)を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、折り畳み段ボール残量・封緘テープ残量算出時の直近の製函機50・封緘機70の生産実績に基づいて、折り畳み段ボール・巻取り封緘テープがなくなるまでの終了時間(残り時間)が的確に予測され、タイミングよく折り畳み段ボールの補給や巻取り封緘テープの交換を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の消費材終了時間予測装置及び包装体生産ラインは、設定された生産速度・生産能力に満たない速度で製品を生産し、実際の生産速度が一定しない場合であっても、包材等の消費材がなくなるまでの時間を的確に予測し、タイミングよく消費材の交換が行え、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、製函機、箱詰め装置、封緘機等の包装関連装置やこれらの包装関連装置を組み込んだ包装体生産ラインに利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1、1’、1” 縦ピロー包装機
10、10’、10” 縦ピロー包装機本体
11 フィルム(包材)供給部
11M サーボモータ
12 張力調整部
12a 回動アーム
12b、12c ダンサローラ
12d 固定ローラ
12e 回転ロッド
12RE ロータリーエンコーダ
13 日付印字部
13a 日付印字装置
13b 昇降ローラ
14 被包装品供給部
14a、14a’、14a” ホッパー
14b 充填筒
15 製筒部
15a 製筒器(フォーマ)
15b 押さえ部材
15c スライドローラ
16 フィルム送り部
16a プーリー
16b 送りベルト
16c 測長器
16c1 測長コロ
16c2 測長器ロータリーエンコーダ
16M サーボモータ
16Ma 回転軸
17 縦シール部
17a、17b 縦シールブロック
18 横シール・切断部
18a、18b 横シールブロック
19 包装体排出部
19a ベルトコンベア
20 縦ピロー包装機制御部
21 演算制御部
21a 動作制御部
21a1 フィルム送り量検出部
21a2 包装体数カウント部
21b フィルム張力制御部
21b1 回動アーム回転角検出部
21b2 巻取回転数検出部
22 記憶部、
22a 製品パラメータテーブル
23 送受信部
30、30’、30” 操作パネル
31 コンピュータ
31a 生産能力設定部
31b 生産数量取得部
31c フィルム残量算出部
31d フィルム消費量見積部
31e 終了時間予測部
33 送受信部
34 入力表示部
40 包装体生産ライン
41 スナック菓子搬送コンベア
42、42’、42” 振り分けコンベア
43、43’、43” 計量機、
44、44’、44” 包装体コンベア
45、45’、45” 梱包箱コンベア
50、50’、50” 製函機
51 製函機本体
52 製函機制御部
53 製函機操作パネル
531 コンピュータ
531a 生産能力設定部
531b 生産数量取得部
531c 折り畳み段ボール残量算出部
531d 折り畳み段ボール消費量見積部
531e 終了時間予測部
533 送受信部
534 入力表示部
60、60’、60” 箱詰め装置
70、70’、70” 封緘機
71 封緘機本体
72 封緘機制御部
73 封緘機操作パネル
731 コンピュータ
731a 生産能力設定部
731b 生産数量取得部
731c 封緘テープ残量算出部
731d 封緘テープ消費量見積部
731e 終了時間予測部
733 送受信部
734 入力表示部
CL CL1 CL2 通信回線
Fi フィルム(包材)
gr1~gr4 ガイドローラ
MF 巻取りフィルム
D1、D1’、D1” ダンボール箱
D2、D2’、D2” 包装体入りダンボール箱
D3、D3’、D3” 封緘ダンボール箱(梱包箱)
Pc、Pc’、Pc” 包装体
SK 紙管
Sn スナック菓子
ts 縦シール部分
ys 横シール部分
Ta、Ta’、Ta” 封緘テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12