(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130219
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】室、建築物及び室の構築方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/348 20060101AFI20230912BHJP
E04H 1/02 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
E04B1/348 C
E04H1/02
E04B1/348 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034766
(22)【出願日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】辻 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】榎本 浩之
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 秀仁
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA02
2E025AA12
(57)【要約】
【課題】建築現場における作業を少なくして工期を短縮可能な、室、建築物及び室の構築方法を提供する。
【解決手段】床部10、天井部11及び壁部12、13で形成されている室1であって、床部10又は天井部11を構成する分割水平壁部10A、10B、10C、11A、11B、11Cと、それぞれ壁部12、13を構成する一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13CとからなるU字形状部分2A、2B、2C、3A、3B、3Cを備えた複数の分割ユニット1A、1B、1Cが、U字形状部分2A、2B、2C、3A、3B、3Cの軸線方向に連結されるとともに上下に重ねられて構成されていることを特徴とする、室1、室1が互いに前記軸線方向を平行として複数個組み合わされて構成されている建築物100及び室の構築方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部、天井部及び壁部で形成されている室であって、
前記床部又は前記天井部を構成する分割水平壁部と、それぞれ前記壁部を構成する一対の分割壁部とからなるU字形状部分を備えた複数の分割ユニットが、前記U字形状部分の軸線方向に連結されるとともに上下に重ねられて構成されていることを特徴とする、室。
【請求項2】
前記分割水平壁部が、一対の前記分割壁部の上端に連結されて前記天井部を構成する分割天井部を形成している、請求項1に記載の室。
【請求項3】
前記分割水平壁部が、一対の前記分割壁部の下端に連結されて前記床部を構成する分割床部を形成している、請求項1に記載の室。
【請求項4】
上下に重なる一方の前記分割ユニットの一対の前記分割壁部と、上下に重なる他方の前記分割ユニットの前記分割水平壁部との間に、それぞれ大引きが配置されている、請求項1~3の何れか1項に記載の室。
【請求項5】
前記分割ユニットが、一対の前記分割壁部の間に前記分割壁部と平行な分割隔壁を備えることで、一対の前記壁部の間に隔壁により分割された複数の住戸を備えている、請求項1~4の何れか1項に記載の室。
【請求項6】
前記分割ユニットが、一対の前記分割壁部の間に前記分割水平壁部と平行な分割区画壁を備えることで、複層に形成されている、請求項1~4の何れか1項に記載の室。
【請求項7】
それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が2.8m以下であり、前記軸線方向の長さが2.2m以下であり、高さが12m以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の室。
【請求項8】
それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が2.2m以下であり、前記軸線方向の長さが2.8m以下であり、高さが12m以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の室。
【請求項9】
それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が12m以下であり、前記軸線方向の長さが2.2m以下であり、高さが2.8m以下である請求項1~6の何れか1項に記載の室。
【請求項10】
請求項1~9の何れか1項に記載の前記室が、互いに前記軸線方向を平行として複数個組み合わされて構成されていることを特徴とする建築物。
【請求項11】
床部、天井部及び壁部で形成されている室の構築方法であって、
前記床部又は前記天井部を構成する分割水平壁部と、前記壁部を構成する一対の分割壁部とからなるU字形状部分を備えた分割ユニットを、工場で製作する製作工程と、
前記工場で製作した前記分割ユニットを、建築現場に搬送する搬送工程と、
前記建築現場に搬送した複数の前記分割ユニットを、前記U字形状部分の軸線方向に連結するとともに上下に重ねて配置する組立工程と、を有することを特徴とする、室の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室、建築物及び室の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば戸建て住宅、病院、ホテル、宿泊施設、老人介護施設、共同住宅、仮設住宅、寄宿舎などの、居室等の室を有する建築物は、建築現場において各種の建築資材を用いて構築されるのが一般的である。
【0003】
例えば特許文献1には、床部、天井部及び壁部が、複数枚の木質の板材を繊維方向が互いに直交するように積層して接着した構成のCLT(Cross Laminated Timber)などの、木質の積層板材で形成された木質住宅を、CLTで形成された床面にCLTを用いて壁部を構築した後、壁部の上にCLTで形成された天井部を載せて住戸を構成し、以降、同様な工程で複数の住戸を左右及び複数層に構築することで、共同住宅に構成するようにした技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の室ないし建築物は、CLTなどの建築資材を用いて建築現場において構築される構成であるので、その構築に時間がかかることに加え、構築後に、内装工事、キッチン、浴室、トイレ等の水回り装備の設置工事、窓の取り付け工事等の後工事を行う必要があり、建築現場での作業が多くなって工期が長くなるという問題点があった。
【0006】
本発明は、建築現場における作業を少なくして工期を短縮可能な、室、建築物及び室の構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様としての室は、床部、天井部及び壁部で形成されている室であって、前記床部又は前記天井部を構成する分割水平壁部と、それぞれ前記壁部を構成する一対の分割壁部とからなるU字形状部分を備えた複数の分割ユニットが、前記U字形状部分の軸線方向に連結されるとともに上下に重ねられて構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の室は、前記分割水平壁部が、一対の前記分割壁部の上端に連結されて前記天井部を構成する分割天井部を形成している構成とすることができる。
【0009】
本発明の室は、前記分割水平壁部が、一対の前記分割壁部の下端に連結されて前記床部を構成する分割床部を形成している構成とすることができる。
【0010】
本発明の室は、上下に重なる一方の前記分割ユニットの一対の前記分割壁部と、上下に重なる他方の前記分割ユニットの前記分割水平壁部との間に、それぞれ大引きが配置されている構成とすることができる。
【0011】
本発明の室は、前記分割ユニットが、一対の前記分割壁部の間に前記分割壁部と平行な分割隔壁を備えることで、一対の前記壁部の間に隔壁により分割された複数の住戸を備えている構成とすることができる。
【0012】
本発明の室は、前記分割ユニットが、一対の前記分割壁部の間に前記分割水平壁部と平行な分割区画壁を備えることで、複層に形成されている構成とすることができる。
【0013】
本発明の室は、それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が2.8m以下であり、前記軸線方向の長さが2.2m以下であり、高さが12m以下である構成とすることができる。
【0014】
本発明の室は、それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が2.2m以下であり、前記軸線方向の長さが2.8m以下であり、高さが12m以下である構成とすることができる。
【0015】
本発明の室は、それぞれの前記分割ユニットが、間口幅が12m以下であり、前記軸線方向の長さが2.2m以下であり、高さが2.8m以下である構成とすることができる。
【0016】
本発明の第2態様としての建築物は、上記室が、互いに前記軸線方向を平行として複数個組み合わされて構成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3態様としての室の構築方法は、床部、天井部及び壁部で形成されている室の構築方法であって、前記床部又は前記天井部を構成する分割水平壁部と、前記壁部を構成する一対の分割壁部とからなるU字形状部分を備えた分割ユニットを、工場で製作する製作工程と、前記工場で製作した前記分割ユニットを、建築現場に搬送する搬送工程と、前記建築現場に搬送した複数の前記分割ユニットを、前記U字形状部分の軸線方向に連結するとともに上下に重ねて配置する組立工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、建築現場における作業を少なくして工期を短縮可能な、室、建築物及び室の構築方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態としての木質住宅の斜視図である。
【
図2】
図1に示す木質住宅を複数個用いて構築された共同住宅の斜視図である。
【
図6】分割ユニットを、トラックで搬送する様子を示す説明図である。
【
図8】さらに他の変形例に係る木質住宅の断面図である。
【
図9】さらに他の変形例に係る木質住宅の断面図である。
【
図10】さらに他の変形例に係る木質住宅の断面図である。
【
図11】さらに他の変形例に係る木質住宅の断面図である。
【
図12】さらに他の変形例に係る木質住宅の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る、室としての木質住宅、建築物としての共同住宅及び室の構築方法としての木質住宅の構築方法について、図面を参照しつつ例示説明する。各図面においては、共通する部材、部位に同一の符号を付している。
【0021】
本発明の一実施形態に係る室としての木質住宅1は、3個の分割ユニット1A、1B、1Cが、軸線方向に連結されるとともに上下に重ねられることで構成されている。
図2に示すように、木質住宅1は、互いに軸線方向を平行として複数個が組み合わされることで、複数の住戸を有する建築物としての共同住宅100を構築することができる。
【0022】
図1、
図3及び
図4に示すように、木質住宅1は、床部10、天井部11及び一対の壁部12、13を備えている。本実施形態では、床部10は、下の階の天井部11によって構成されている。すなわち、下の階の木質住宅1の天井部11は、上の階の木質住宅1の床部10と共用されている。
【0023】
床部10、天井部11及び一対の壁部12、13は、それぞれ木質の積層板材で形成されている。本実施の形態では、木質の積層板材は、複数枚の木質の板材を繊維方向が互いに直交するように積層して接着した構成のCLT(Cross Laminated Timber)であるが、他の構造の木質の積層板材であってもよい。
【0024】
床部10と天井部11は、それぞれ平らで矩形の板状であり、互いに平行に配置されている。一対の壁部12、13は、それぞれ平らで矩形の板状であり、床部10と天井部11の縁部分に、床部10及び天井部11に対して垂直、且つ、互いに平行に配置されている。なお、一対の壁部12、13は、互いに平行に限らず、軸線方向の一方側から他方側に向けて互いの間隔が広がる(外に開く)ように一方に対して他方が傾斜して配置されてもよい。
【0025】
床部10、天井部11及び一対の壁部12、13は、この木質住宅1が構成する住戸を他の住戸と区画するものであり、住人が通過可能な通路や窓などの開口は設けられていない。なお、床部10、天井部11及び一対の壁部12、13は、上下水道用の配管、ガスの配管、電気配線等を通すための孔、換気用の開口を備えていてもよい。
【0026】
木質住宅1の両端には、それぞれ端壁14、15が設けられている。端壁14、15は、それぞれ平らで矩形の板状であり、床部10、天井部11及び一対の壁部12、13の端縁部分に、これらに対して垂直、且つ、互いに平行な姿勢で配置されている。木質住宅1は、これらの端壁14、15により、内部空間の両端が外部から隔離されている。なお、一対の壁部12、13が、軸線方向の一方側から他方側に向けて互いの間隔が広がるように外に開いて配置される場合には、端壁14、15は、一対の壁部12、13の端縁部分に、これらに対して適宜の角度で連結される。また、一対の壁部12、13も、互いに平行に限らず、一方に対して他方が傾斜して配置されてもよい。
【0027】
一方の端壁14は、窓20や引き戸が設けられた構成とすることができる。端壁14に設けられる窓20の種類や大きさ、個数等は、種々変更可能である。他方の端壁15は、住戸への出入り口となる玄関ドア(不図示)が設けられた構成とすることができる。他方の端壁15は、給湯器や電気メーター等の機器を収納可能な収納スペース等を備えた構成とすることもできる。
【0028】
木質住宅1の住戸の間取りは、例えば、居間、廊下、キッチン、浴室、トイレ、棚、収納スペース等が適宜設けられたものとするなど、適宜設定することができる。上記間取りを構成するために住戸の内部に設けられる壁部材は、何れも木質の積層板材(CLT)で形成されたものとすることができる。
【0029】
図1、
図3に示すように、本実施形態の木質住宅1は、端壁14、15の幅(一方の壁部12の外面と他方の壁部13の外面との間の幅)を間口幅W、壁部12、13の高さを高さH、一方の端壁14の外側面から他方の端壁15の外側面までの長さ(壁部12、13の幅)を長さLとしたときに、複数の分割ユニット1A、1B、1Cが、長さLの方向に連結されるとともに高さHの方向に重ねられることで構成されている。上記の通り、本実施形態では、木質住宅1は、3個の分割ユニット1A、1B、1Cが、長さLの方向に連結されるとともに高さHの方向に重ねられることで構成されている。
【0030】
なお、本実施形態では、3個の分割ユニット1A、1B、1Cを長さLの方向に連結する構成としているが、長さLの方向に連結する分割ユニットの個数は種々変更可能である。また、本実施形態では、3個の分割ユニット1A、1B、1Cを、それぞれ高さHの方向に3個ずつ重ねることで3階建ての共同住宅(建築物)100を構築するようにしているが、高さHの方向に重ねる分割ユニットの個数は種々変更可能である。
【0031】
分割ユニット1Aは、木質住宅1の端壁14を含む一端側を構成し、分割ユニット1Bは木質住宅1の中間部分を構成し、分割ユニット1Cは木質住宅1の端壁15を含む他端側を構成している。
【0032】
3個の分割ユニット1A、1B、1Cの長さLA、LB、LCは、それぞれ同一であり、木質住宅1の長さLの1/3の長さである。すなわち、3個の分割ユニット1A、1B、1Cは、互いに、幅、長さ及び高さが同一となっている。なお、3個の分割ユニット1A、1B、1Cの長さは、互いに相違してもよい。
【0033】
分割ユニット1Aは、天井部11を構成する分割水平壁部としての分割天井部11Aと、一対の壁部12、13を構成する一対の分割壁部12A、13Aとを備えている。分割天井部11Aは、一対の分割壁部12A、13Aの上端に連結されており、これにより分割ユニット1Aは、分割天井部11Aと一対の分割壁部12A、13Aからなる上下逆向きのU字形状部分(コの字形状部分)2Aを備えた構成となっている。U字形状部分2Aの軸線方向の一端には端壁14が設けられ、端壁14には窓20ないし引き戸が予め取り付けられている。分割ユニット1Aは、例えば内側に居間を構成する部分とすることができ、内装、電気的な配線等が予め施されてた構成とすることができる。
【0034】
分割ユニット1Bは、天井部11を構成する分割水平壁部としての分割天井部11Bと、一対の壁部12、13を構成する一対の分割壁部12B、13Bとを備えている。分割天井部11Bは、一対の分割壁部12B、13Bの上端に連結されており、これにより分割ユニット1Bは、分割天井部11Bと一対の分割壁部12B、13Bからなる上下逆向きのU字形状部分(コの字形状部分)2Bを備えた構成となっている。U字形状部分2Bは、例えば内側にキッチンや浴室が設けられる部分とすることができ、電気配線や各種の配管等が予め施されてた構成とすることができる。
【0035】
分割ユニット1Cは、天井部11を構成する分割水平壁部としての分割天井部11Cと、一対の壁部12、13を構成する一対の分割壁部12C、13Cとを備えている。分割天井部11Cは、一対の分割壁部12C、13Cの上端に連結されており、これにより分割ユニット1Cは、分割天井部11Cと一対の分割壁部12C、13Cからなる上下逆向きのU字形状部分(コの字形状部分)2Cを備えた構成となっている。U字形状部分2Cの軸線方向の一端には端壁15が設けられ、端壁15には玄関ドア(不図示)が予め取り付けられている。分割ユニット1Cは、例えば内側にトイレ、収納スペースが設けられる部分とすることができ、電気配線や各種の配管等が予め施されてた構成とすることができる。
【0036】
木質住宅1は、上記構成の3個の分割ユニット1A、1B、1Cが、それぞれ上下逆向きのU字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結されるとともに上下に重ねられることで構成される。分割ユニット1A、1B、1Cを互いに連結する構成としては、例えば、プレート等の金物とねじ等の締結手段を用いた構成、太径の木ダボを用いた構成、木ダボと金物とを用いた構成など、種々の構成を採用することができる。
【0037】
なお、U字形状部分2Aの軸線方向は、U字形状部分2Aを構成する分割床部10A、分割天井部11A及び一対の分割壁部12A、13Aの何れにも平行な直線に沿う方向である。同様に、U字形状部分2Bの軸線方向は、U字形状部分2Bを構成する分割床部10B、分割天井部11B及び一対の分割壁部12B、13Bの何れにも平行な直線に沿う方向であり、U字形状部分2Cの軸線方向は、U字形状部分2Bを構成する分割床部10C、分割天井部11C及び一対の分割壁部12C、13Cの何れにも平行な直線に沿う方向である。また、これらU字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向は、木質住宅1の長さLの方向と同一方向である。
【0038】
上記構成を有する木質住宅1は、それぞれ天井部11を構成する分割天井部11A、11B、11Cと、それぞれ壁部12、13を構成する一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13CとからなるU字形状部分2A、2B、2Cを備えた複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、U字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねて構成されているので、上の階の床部10は、下の階の天井部11によって構成されることになる。
【0039】
なお、最も下の階の床部10は、分割ユニット1A、1B、1Cによらず、別途、板状部材21を用いて構成すればよい。
【0040】
ここで、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cを、それぞれ天井部11を構成する分割天井部11A、11B、11C、壁部12、13を構成する一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cに加えて、床部10を構成する分割床部を備えた角筒形状部分を備えた構成とすることが考えられる。しかし、このような構成では、複数の階層を有する建築物を形成するために、角筒形状部分を有する分割ユニットを上下に重ねて配置すると、上の階の角筒形状部分の床部10と下の階の角筒形状部分の天井部11とが重ねて配置される構成となり、床部10ないし天井部11を構成する板状部材の使用量が増加してしまうという問題があった。特に、分割ユニットを木質の積層板材で形成した構成の場合には、木材の使用量が増加することになる。
【0041】
これに対し、本実施形態の木質住宅1では、複数の分割ユニット1A、1B、1Cは、それぞれ天井部11を構成する分割天井部11A、11B、11Cとそれぞれ壁部12、13を構成する一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cとを備えるが、床部10を構成する分割床部を備えていない、U字形状部分2A、2B、2Cを有する構成とされているので、複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、U字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねて配置した構成としても、上の階の床部10は、下の階の天井部11によって構成されることになり、床部10ないし天井部11において2枚の板状部材が重ねて配置されることはない。したがって、本実施形態の木質住宅1によれば、分割ユニットが角筒形状部分を有する構成の場合に比べて、板状部材の使用量を削減することができる。特に、分割ユニット1A、1B、1Cを木質の積層板材で形成した構成の場合には、木材の使用量を削減することができる。
【0042】
本実施形態の木質住宅1では、複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、U字形状部分2A、2B、2Cを有する構成としたので、木質住宅1の天井高さを容易に高くすることができる。すなわち、
図5に示すように、上下に重なる一方(
図5に示す場合では上側)の分割ユニット1A、1B、1Cの一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cと、上下に重なる他方(
図5に示す場合では下側)の分割ユニット1A、1B、1Cの天井部(分割水平壁部)11との間に、それぞれ大引き30を配置することで、一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cの高さを大引き30により嵩上げして木質住宅1の天井高を高くすることができる。
【0043】
大引き30としては、分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cと同一の厚みの木質の積層板材を、木質住宅1の長さLと同一の長さ且つ所定の高さに切断したものを用いることができる。この場合、3つの分割ユニット1A、1B、1Cを連結して一体化させた後、これら分割ユニット1A、1B、1Cにより形成された天井部11の両側部に一対の大引き30を配置し、その上にさらに3つの分割ユニット1A、1B、1Cを載せればよい。
【0044】
このような構成により、本実施形態の木質住宅1の天井高さを、任意の高さに容易に設定することができる。
【0045】
上記構成を有する木質住宅1は、本発明の一実施形態に係る室の構築方法としての木質住宅の構築方法により構築することができる。
【0046】
本発明の一実施形態に係る木質住宅の構築方法は、上記構成を有する分割ユニット1A、1B、1Cを、木質住宅1乃至共同住宅100を構築する建築現場とは異なる場所にある工場で製作する製作工程と、製作工程において工場で製作した分割ユニット1A、1B、1Cを、それぞれ個別に建築現場に搬送する搬送工程と、建築現場に搬送した複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、U字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねて配置する組立工程と、を有している。
【0047】
上記の製作工程においては、例えば分割ユニット1Aは、それぞれ木質の積層板材(CLT)により形成された一対の分割壁部12A、13Aの上端に積層板材(CLT)により形成された分割天井部11Aを連結してU字形状部分2Aを形成した後、さらにU字形状部分2Aの端部に端壁14を連結して製作される。また、製作工程においては、分割ユニット1Aの内部に、内装工事、窓ないし引き戸の設置工事、電気的な配線工事等を行って、分割ユニット1Aの内部に仕上げを施すことができる。
【0048】
同様に、上記の製作工程において、分割ユニット1Bは、それぞれ木質の積層板材(CLT)により形成された一対の分割壁部12B、13Bの上端に積層板材(CLT)により形成された分割天井部11Bを連結してU字形状部分2Bを有する形態に製作される。また、製作工程のおいては、分割ユニット1Bの内部に、内装工事、収納スペースの設置工事、電気的な配線工事、上下水道の配管工事等を行って、分割ユニット1Bの内部に仕上げを施すことができる。
【0049】
同様に、上記の製作工程において、分割ユニット1Cは、それぞれ木質の積層板材(CLT)により形成された一対の分割壁部12C、13Cの上端に積層板材(CLT)により形成された分割天井部11Cを連結してU字形状部分2Cを形成した後、さらにU字形状部分Cの端部に端壁15を連結して製作される。また、製作工程においては、分割ユニット1Cの内部に、内装工事、玄関ドア、収納スペースの設置工事、電気的な配線工事、上下水道の配管工事等を行って、分割ユニット1Cの内部に仕上げを施すことができる。
【0050】
上記搬送工程においては、製作工程において製作された分割ユニット1A、1B、1Cを、それぞれ個別に、例えばトラックを用いて建築現場に搬送することができる。トラックによる搬送の際には、必要に応じて、分割ユニット1A、1B、1Cの内外装、設置した設備等を養生しておくのが好ましい。
【0051】
上記組立工程においては、搬送工程において建築現場に搬送された複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、U字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねて配置する。当該連結には、上記の通り、例えば、プレート等の金物とねじ等の締結手段を用いた構成、太径の木ダボを用いた構成、木ダボと金物とを用いた構成など、種々の構成を採用することができる。組立工程において、複数の分割ユニット1A、1B、1Cを連結するとともに上下に重ねることで、建築現場において上記構成の木質住宅1を構築することができる。
【0052】
このとき、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cは、床部10を構成する分割床部を有さない上下逆向きのU字形状部分2A、2B、2Cを有する構成となっているので、下の階の分割ユニット1A、1B、1Cにより構成された天井部11の上に、上の階の分割ユニット1A、1B、1Cを重ねて配置するだけの簡単な作業で、上の階の床部10と下の階の天井部11とが共用された構成の木質住宅1を構築することができる。
【0053】
また、上記組立工程において構築した木質住宅1を、互いにU字形状部分2A、2B、2Cを平行として、上下及び左右に複数個組み合わせて連結することで、複数の住戸を備えた共同住宅100を構築することができる。
【0054】
このように、本実施形態の木質住宅1、共同住宅100及び木質住宅の構築方法では、複数の分割ユニット1A、1B、1CをU字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねることで木質住宅1を構築するようにしているので、建築現場において木質住宅1を構築する前に、予め工場において製作した分割ユニット1A、1B、1Cを、建築現場において連結するとともに重ねるだけの簡単な作業で、上の階の床部10と下の階の天井部11とが共用された構成の木質住宅1を容易に構築することができる。
【0055】
また、このような木質住宅1を、互いに軸線方向を平行として複数個組み合わせることで、建築現場において、共同住宅100を容易に構築することができる。
【0056】
さらに、木質住宅1を、上の階の床部10と下の階の天井部11とが共用される構成とすることができるので、板状部材(本実施の形態では、木質の積層板材)の使用量を削減して、木質住宅1ないし共同住宅100の製造コストを低減することができる。
【0057】
さらに、本実施形態の木質住宅1、共同住宅100及び木質住宅の構築方法では、複数の分割ユニット1A、1B、1CをU字形状部分2A、2B、2Cの軸線方向に連結して木質住宅1を構築するようにしているので、建築現場において木質住宅1を構築する前に、予め工場において、分割ユニット1A、1B、1Cに、内装工事、収納スペースの設置工事、電気的な配線工事、上下水道の配管工事等を行って仕上げを施すことができる。したがって、建築現場において、複数の分割ユニット1A、1B、1Cを連結した後に、後工程として行う仕上げ作業を少なくすることができる。
【0058】
以上の通り、本実施形態の木質住宅1、共同住宅100及び木質住宅の構築方法によれば、木質住宅1乃至共同住宅100を構築する際の、建築現場における作業を少なくして、当該構築に係る工期を短縮することができる。また、当該工期を短縮することで、木質住宅1乃至共同住宅100の構築に係るコストを低減することができる。
【0059】
また、本実施形態の木質住宅1、共同住宅100及び木質住宅の構築方法では、工場において、分割ユニット1A、1B、1Cの構築及び仕上げの工事を行うことができるので、当該構築及び工事を、建築現場で行う場合よりも、精度よく且つ容易に行うことができる。
【0060】
さらに、本実施形態の木質住宅1、共同住宅100及び木質住宅の構築方法では、工場で製作した複数の分割ユニット1A、1B、1Cを、建築現場において連結するとともに上下に重ねることで木質住宅1を構築するようにしているので、工場で製作した分割ユニット1A、1B、1Cを、互い連結することなく、個別にトラックを用いて建築現場にまで搬送することができる。これにより、木質住宅1をそのまま搬送する場合に比べて、トラックに搭載する積荷の大きさを小さくして、搬送作業を容易にすることができる。
【0061】
工場から建築現場までの分割ユニット1A、1B、1Cの搬送を容易に行い得るようにするために、分割ユニット1A、1B、1Cは、日本国の道路において、道路交通法上における制限外積載許可を得ずにトラックによる搬送が可能な限界サイズ(幅2.2m、高さ2.8m、長さ約12m)以下の外形サイズであるのが好ましい。
【0062】
例えば、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cは、間口幅Wが2.8m以下であり、軸線方向の長さLが2.2m以下であり、高さHが12m以下となる外形サイズとすることができる。
【0063】
また、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cは、間口幅Wが2.2m以下であり、軸線方向の長さLが2.8m以下であり、高さHが12m以下である外形サイズとすることができる。
【0064】
さらに、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cは、間口幅Wが12m以下であり、軸線方向の長さLが2.2m以下であり、高さHが2.8m以下である外形サイズとすることができる。
【0065】
ここで、木質住宅が複数の分割ユニットに分割できない一体型の構成である場合には、間口幅が2.2m以下、高さが2.8m以下、長さが12m以下であれば限界サイズ以下の外形サイズとなり、制限外積載許可なしでトラックにより搬送することができるが、間口幅が2.2mを超えた場合、又は、高さが2.8mを超えた場合には、外形サイズが限界サイズを超えてしまい、制限外積載許可なしでのトラックによる搬送ができなくなる。そのため、一体型の構成の木質住宅では、間口幅が2.2m以下に制限されるとともに、高さが2.8m以下に制限され、ロフトやメゾネットなどの複層の構成とすることができず、これらの点で住戸の内部空間ないし床面積が制限されることになる。
【0066】
これに対し、本実施形態の木質住宅1は、木質住宅1を構成する3つの分割ユニット1A、1B、1Cを、上記何れかの外形サイズとすることにより、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cを、
図6に示すように、トラック40の荷台41に搭載して運搬可能なものとしつつ、分割ユニット1A、1B、1Cを連結及び重ねて形成される木質住宅1を、トラック40の搬送限界サイズを超えた外形サイズの大きく広いものとすることができる。
【0067】
このように、本実施の形態の木質住宅1では、これを構成する3つの分割ユニット1A、1B、1Cを上記何れかの外形サイズとすることにより、制限外積載許可なしでトラック40により工場から建築現場にまで搬送することができる。したがって、トラック40による分割ユニット1A、1B、1Cの搬送をさらに容易に行い得るようにすることができる。
【0068】
図7に変形例として示すように、木質住宅1は、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cが、一方の分割壁部12A、12B、12Cと他方の分割壁部13A、13B、13Cとの間に、これらの分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cと平行な分割隔壁16A、16B、16Cを備えることで、一対の壁部12、13の間に隔壁22により分割された複数の住戸を備えた構成とすることもできる。
【0069】
このような構成により、3つの分割ユニット1A、1B、1Cを軸線方向に連結するとともに上下に重ねることで、複数の住戸を有する木質住宅1を容易に構築することができるので、建築現場における作業をさらに少なくして工期をさらに短縮することができる。
【0070】
図7に示す変形例の木質住宅1では、これを構成する3つの分割ユニット4A、4B、4Cは、間口幅Wが12m以下であり、軸線方向の長さLが2.2m以下であり、高さが2.8m以下である寸法とするのが好ましい。これにより、複数の住戸を、間口幅が十分に確保されたものとしつつ、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cを、トラック40の荷台41に限界サイズの範囲内で搭載することが可能なものとすることができる。
【0071】
なお、木質住宅4は、一対の壁部12、13の間に2つ以上の隔壁22を備えることで、これらの隔壁22により分割された3つ以上の住戸が設けられた構成とするなど、隔壁22ないし住戸の数を種々変更することもできる。
【0072】
図8に変形例として示すように、木質住宅1は、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cが、一方の分割壁部12A、12B、12Cと他方の分割壁部13A、13B、13Cとの間に、分割天井部(分割水平壁部)11A、11B、11Cと平行な分割区画壁17A、17B、17Cを備えることで、区画壁23で区画されて複層に形成された構成とすることもできる。
図8に示す場合では、木質住宅1は間取りがメゾネットに構成されている。すなわち、木質住宅1は、区画壁23により内部空間が上下2層に区画されるとともに区画壁23が2階部分の床を構成している。
【0073】
このような構成により、3つの分割ユニット1A、1B、1Cを軸線方向に連結するとともに上下に重ねることで、木質住宅1を容易に複層に構築することができるので、建築現場における作業をさらに少なくして工期をさらに短縮することができる。
【0074】
図8に示す変形例の木質住宅1では、これを構成する3つの分割ユニット4A、4B、4Cは、間口幅Wが2.2m以下であり、軸線方向の長さLA、LBが2.8m以下であり、高さが12m以下となる寸法とするのが好ましい。これにより、各層の天井高を十分に確保しつつ、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cを、トラック40の荷台41に限界サイズの範囲内で搭載することが可能なものとすることができる。
【0075】
図9に変形例として示すように、木質住宅1は、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cが、床部10を構成する分割水平壁部としての分割床部10A、10B、10Cと、一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cとを備え、分割床部10A、10B、10Cが一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cの下端に連結されることでU字形状部分3A、3B、3Cを備える構成とされ、このような構成の分割ユニット1A、1B、1CをU字形状部分3A、3B、3Cの軸線方向に連結するとともに上下に重ねて形成される構成とすることもできる。
【0076】
なお、最も上の階の天井部11は、分割ユニット1A、1B、1Cによらず、別途、板状部材24を上にのせて天井部11として構成すればよい。
【0077】
このような変形例の構成においても、下の階の天井部11は、上の階の床部10によって構成されることになるので、
図4に示す場合と同様に、床部10ないし天井部11において2枚の板状部材が重ねて配置されることはない。したがって、
図9に示す変形例の構成によっても、分割ユニットが角筒形状部分を有する構成の場合に比べて、板状部材の使用量を削減することができる。特に、分割ユニット1A、1B、1Cを木質の積層板材で形成した構成の場合には、木材の使用量を削減することができる。
【0078】
図9に示すように、木質住宅1を、U字形状部分3A、3B、3Cを有する分割ユニット1A、1B、1Cを、軸線方向に連結するとともに上下に重ねて形成される構成とした場合においても、
図10にさらなる変形例として示すように、下の階の分割ユニット1A、1B、1Cの一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cと上の階の分割ユニット1A、1B、1Cの分割床部10A、10B、10Cとの間に大引き30を配置することで、一対の分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cの高さを大引き30により嵩上げして木質住宅1の天井高を高くすることができる。
【0079】
また、
図9に示すように、木質住宅1を、U字形状部分3A、3B、3Cを有する分割ユニット1A、1B、1Cを、軸線方向に連結するとともに上下に重ねて形成される構成とした場合においても、
図11にさらなる変形例として示すように、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cが、一方の分割壁部12A、12B、12Cと他方の分割壁部13A、13B、13Cとの間に、これらの分割壁部12A、12B、12C、13A、13B、13Cと平行な分割隔壁16A、16B、16Cを備えることで、一対の壁部12、13の間に隔壁22により分割された複数の住戸を備えた構成とすることもできる。
【0080】
さらに、
図9に示すように、木質住宅1を、U字形状部分3A、3B、3Cを有する分割ユニット1A、1B、1Cを、軸線方向に連結するとともに上下に重ねて形成される構成とした場合においても、
図12にさらなる変形例として示すように、それぞれの分割ユニット1A、1B、1Cが、一方の分割壁部12A、12B、12Cと他方の分割壁部13A、13B、13Cとの間に、分割天井部(分割水平壁部)11A、11B、11Cと平行な分割区画壁17A、17B、17Cを備えることで、区画壁23で区画されて複層に形成された構成とすることもできる。
【0081】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0082】
例えば、前記実施の形態では、木質住宅を2つないし3つの分割ユニットを連結して構成するものとしたが、これに限らず、複数の分割ユニットを連結して構成されるものであれば、その分割ユニットの個数は種々変更可能である。
【0083】
また、木質住宅を構成する分割ユニットのサイズは上記に限らず種々変更可能であり、特に、制限外積載許可なしでトラックにより工場から建築現場にまで搬送可能な構成とする場合には、間口幅、長さ及び高さのうち、何れか1つを2.2m以下、その他の何れか1つを2.8m以下、残りの1つを12m以下とすればよい。なお、制限外積載許可等の所定の手続きを行う場合には、分割ユニットの、間口幅、長さ及び高さのうちトラックに積載した状態において高さ方向となる寸法は、3.55mまで可能である。
【0084】
さらに、前記実施の形態では、室を形成する床部10、天井部11及び壁部12として、それぞれ木質の積層板材を用いた場合を示しているが、床部10、天井部11及び壁部12としては、それぞれ木質の積層板材に限らず、例えば、PC板(プレキャストコンクリート板)、テント素材、石膏ボード、プラスチック製板材、金属製板材などの、種々の部材を用いることができる。この場合、床部10、天井部11及び壁部12として、互いに別の種類の部材を用いることもできる。
【0085】
さらに、室である木質住宅の間取りは、上記に限らず種々変更可能である。
【0086】
さらに、前記実施の形態では、室ないし建築物を共同住宅100とした場合を示したが、建築物は共同住宅100に限らず、例えば、戸建て住宅、病院、ホテル、宿泊施設、老人介護施設、寄宿舎などであってもよい。また、建築物は、所定の場所に常設される恒久的なものに限らず、例えば災害時などに仮設される仮設住宅などの、一時的に設置されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 木質住宅(室)
1A 分割ユニット
1B 分割ユニット
1C 分割ユニット
2A U字形状部分
2B U字形状部分
2C U字形状部分
3A U字形状部分
3B U字形状部分
3C U字形状部分
10 床部
10A 分割床部
10B 分割床部
10C 分割床部
11 天井部
11A 分割天井部(分割水平壁部)
11B 分割天井部(分割水平壁部)
11C 分割天井部(分割水平壁部)
12 壁部
12A 分割壁部
12B 分割壁部
12C 分割壁部
13 壁部
13A 分割壁部
13B 分割壁部
13C 分割壁部
14 端壁
15 端壁
16A 分割隔壁
16B 分割隔壁
16C 分割隔壁
17A 分割区画壁
17B 分割区画壁
17C 分割区画壁
20 窓
21 板状部材
22 隔壁
23 区画壁
24 板状部材
30 大引き
40 トラック
41 荷台
100 共同住宅(建築物)