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特開2023-13027視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013027
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20230119BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20230119BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20230119BHJP
   G09B 21/00 20060101ALI20230119BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G06F3/16 660
A47K17/00
E03D9/00 Z
G09B21/00 D
G06F3/16 690
G06F3/16 610
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116911
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】591177015
【氏名又は名称】株式会社エクシオテック
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【弁理士】
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】荒澤 磨紀
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
5E555
【Fターム(参考)】
2D037EB00
2D038KA02
2D038ZA00
5E555AA07
5E555AA64
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555BE08
5E555CA46
5E555CB23
5E555CB66
5E555CB80
5E555DA23
5E555DD02
5E555DD06
5E555DD07
5E555DD08
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】
バリアフリートイレ内の室内配置等の間取りに応じて、視覚障害者の入室時に人感センサ検知をうまく働かせることができ、かつ、入室時の案内案内に加えては出ロの音声案内も可能とする視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムを提供する。
【解決手段】
バリアフリートイレのドア直上に配置される第1の人感センサ及び第1のスピーカーを備える第1のユニットと、 バリアフリートイレの便座脇に配置され、利用者の在室を検知する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えた第二のユニットと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアフリートイレのドア直上に配置される第1の人感センサ及び第1のスピーカーを備える第1のユニットと、
バリアフリートイレの便座脇に配置され、利用者の在室を検知する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えた第二のユニットと、
を有することを特徴とする視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【請求項2】
第1の人感センサは、最大有効検知距離 約5メートルでスポットエリアを有し、第2の人感センサは、最大有効検知距離約5メートルで広角エリアを有する人感センサであることを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【請求項3】
第2のユニットに内蔵される近接センサは、利用者の手が5センチ(cm)程度に接近したときに検知仕様を有する近接センサであることを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【請求項4】
第1のスピーカー及び第2のスピーカーから流れる案内音声は、バリアフリートイレの室内配置位置に対応して第1のユニットに内蔵されるメモリカードに予め記憶された音声データを2つの人感センサ及び/又は近接センサの検知に基づき順次流れる音声であることを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【請求項5】
バリアフリートイレの便座脇に配置され、利用者の在室を検知する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えた第二のユニットに加え、バリアフリートイレの他の室内装備機器の近傍に配置された複数の第2のユニットを有することを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者用のバリアフリートイレ音声案内に関するものとしては、例えば、特開平06-063070号公報や特開2007-141116号公報に開示のものが知られている。特開平06-063070号公報に開示のものは、「送信装置内蔵のカードを携帯する視覚障害者」に限られ、また、特開2007-141116号公報に開示のものは、「トイレルーム内の点字案内路上の各分岐/屈曲点で立ち止まった又は杖を振る視覚障害者」に限られるものであった。
【0003】
しかしながら、昨今はバリアフリーを売りにするトイレが出現するに至り、単に、便座脇等に装置(スピーカー)が付けて便座の位置を案内するだけではトイレのバリアフリー化に十分に対応しているとは言い難く、バリアフリートイレの利用について視覚障害者向けに適切に音声で案内することはできなかった。
すなわち、従来の装置では、トイレ内の間取り等により、入室時の人感センサ検知をうまく働かせることができないこともあり、また、入室時は案内するが、視覚障害者としては出ロの案内も必要であり、必ずしも出口案内等に適切な対応ができない等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06-063070号公報
【特許文献2】特開2007-141116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、バリアフリートイレ内の室内配置等の間取りに応じて、視覚障害者の入室時に人感センサ検知をうまく働かせることができ、かつ、入室時の案内に加えては出ロの音声案内も可能とする視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、バリアフリートイレのドア直上に配置される第1の人感センサ及び第1のスピーカーを備える第1のユニットと、バリアフリートイレの便座脇に配置され、利用者の在室を検知する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えた第二のユニットと、を有することを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、第1の人感センサは、最大有効検知距離 約5メートルでスポットエリアを有し、第2の人感センサは、最大有効検知距離約5メートルで広角エリアを有する人感センサであることを特徴とする。
そして、本願請求項3に係る発明は、請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、第2のユニットに内蔵される近接センサは、利用者の手が5センチ(cm)程度に接近したときに検知仕様を有する近接センサであることを特徴とする。
さらに、本願請求項4に係る発明は、請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、第1のスピーカー及び第2のスピーカーから流れる案内音声は、バリアフリートイレの室内配置位置に対応して第1のユニットに内蔵されるメモリカードに予め記憶された音声データを2つの人感センサ及び/又は近接センサの検知に基づき順次流れる音声であることを特徴とする。
また、本願請求項5に係る発明は、請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、バリアフリートイレの便座脇に配置され、利用者の在室を検知する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えた第二のユニットに加え、バリアフリートイレの他の室内装備機器の近傍に配置された複数の第2のユニットを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
視覚障害者がバリアフリートイレを利用するに当たって、トイレ内がどのような配置の間取りかに関係なく、「便座と出入ロ」の位置を流れる音声の音源を頼りに認識することができ、視覚障害者がトイレ利用に際してストレスを感じることなくトイレ利用ができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムの実施例1を示す図である。
図2図2は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第1のユニット5の概略図である。
図3図3は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第2のユニット6の概略図である。
図4図4は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第1のユニット5、第2のユニット6の構成回路図である。
図5図5は、実施例2に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム10が前提とするトイレ室内配置の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムを実施するための一実施例を示す図面に基づき詳細に説明する。
【実施例0010】
図1は、本発明に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムを実施するための一実施例である視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムの実施例1を示す図である。
図1において、符号1は、実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム、2は、トイレ個室内(間取り)概略、3は、トイレドア、4は、便座、5は、トイレドア3の直上に配置されたトイレ音声案内ユニットA、6は、便座4の横位置に配置されたトイレ音声ユニットBである(以下、単に、ユニットA5を第1のユニット、ユニットB6を第2のユニットとも称する。)。
【0011】
図1に示すように、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1は、第1のユニット5と第2のユニット6の2つの部材から構成される。これは、各第1のユニット5及び第2のユニット6のそれぞれに音声案内用のスピーカーを備えるので(後に詳述する)、視覚障害者が少しでも近くのスピーカーから聞き取れるような配慮からである。
また、視覚障害者のトイレ利用の便宜を考慮して、バリアフリートイレ入ロのトイレドア3の直上に第1の人感センサ(図示外、後に詳述)が内蔵された第1のユニット5を配置し、他方、第2のユニット6は、便座4の脇の壁等に配置する。トイレ個室内2の便座4等の部材配置(間取り)とすることにより、人感センサの非作動(センサ不感)や誤作動を解消するためである。
【0012】
次に、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1を構成する第1のユニット5について説明する。
図2は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第1のユニット5の概略図である。図2において、符号5は、前述の第1のユニット、5aは、最大有効検知距離5メートル(m)程度で、センサ領域として、水平検知範囲38°、垂直検知範囲22°程度のスペックを有する入口用人感センサ、5bは、トイレドア3から入室した視覚障害者に対し,音声で案内するスピーカーA、5cは、障害を持つ人々が利用できる建築物や施設であることを示す世界共通の国際シンボルマーク、5lは、第1及び第2のスピーカーボリウムである。このような比較的狭い角度のセンサ領域とするのは、誤動作を防ぐためである。
【0013】
図3は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第2のユニット6の概略図であり、図3において、符号6は、前述の第2のユニット、6aは、前述した第1の人感センサ5aが、最大有効検知距離 約5メートルでスポットエリアを有するセンサであるのに対し、第2の人感センサは、最大有効検知距離約5メートルで広角エリアを有する人感センサであり、トイレ個室内に利用者がいることを検知するものである。いわば、利用者の在室を検知する広いセンサ領域を持つ人感センサであり、また、6bは、センサ検知距離5cm(cm)程度の便座4脇用近接センサであり、6cは、第2のユニット6の第2のスピーカーである。
【0014】
当該第2のユニット6は、便座4の横位置の壁等に配置されているので、個室内2に入室した利用者を人感センサ6aで認識し、さらに、便座4に座って用を足している視覚障害のある利用者が便座4から延ばした手が第2のユニット6に5cm程度に近づいたときの近接センサ6bが検知する。
第2のユニット6には、第2のスピーカー6cが内蔵されているので、便座4に座った視覚障害の利用者が第2のスピーカー6cから発する音声を頼りに手を近づけるとセンサ6bが検知し、認識するというものである。
【0015】
次に、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第1のユニット5、第2のユニット6を動作させる回路構成について説明する。
図4は、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第1のユニット5、第2のユニット6の構成回路図である。
【0016】
図4において、符号5は、上述の第1のユニット、符号6は、同第2のユニットであり、新たな符号5dは、第1のユニット5の電源部、5eは、第1のユニット基板、5fは、制御部、5gは、メモリカード、5hは、音声データ転送スイッチ、5iは、内蔵メモリ、5jは、MP3デコーダー、5kは、音声増幅部(A/B)、5lは、音量調節ボリウム、5mは、第2のユニット6への接続線である。また、6dは、第2のユニット6のユニット基板であり。6eは、前記接続線5mに連なる第1のユニット5への接続線である。なお、その余の符号5a、5b、5c及び6a、6b、6cは、図2図3で示した前述する第1のユニット5に内蔵される人感センサ、スピーカーA、国際シンボルマーク、第2のユニット6に内蔵される人感センサ、近接センサ、第2のスピーカーである。
【0017】
次に、図4に示される第1のユニット5、第2のユニット6からなる本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の動作概要について説明する。
(1)入室検知
利用者がトイレ個室内に入室し、第1の人感センサ5aがそれを検知すると、第1の人感センサ5aは、その検知情報を制御部5fに送り、制御部5fでは、その検知情報の基づいて内蔵メモリ5i及びMP3デコーダ5j、音声増幅部(A/B)5kを介してスピーカー5bへの予め定められたシーケンスで処理され、所定の音声案内を第1のユニット5のスピーカー5b及び第2のユニット6の第2のスピーカー6cの順で流す。
【0018】
(2)音声案内起動
ついで、利用者が便座4に着席し、近接センサ6bを操作すると、その検知情報は、第1のユニット5の第1の人感センサ5aの制御部5fに送られ、制御部5fでは、その検知情報の基づいて内蔵メモリ5i及びMP3デコーダ5j、音声増幅部(A/B)5kを介してスピーカーA5bへの予め定められたシーケンス処理に基づき、所定の音声案内を第2のユニット6の第2のスピーカー6c及び第1のユニット5のスピーカーA5bの順で流す。
【0019】
(3)音声データ転送
図4に示す音声データ転送スイッチ5hは、予めメモリカード5gに記憶された本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1で使用される所定の音声案内の音声データを内蔵メモリ5iに転送するスイッチである。音声データを内蔵メモリ5iに転送する理由は、メモリカード5gから直接再生するとメモリカード5gの接点不良で再生エラーを起こすことが稀にあるためで、内蔵メモリ5iにデータを転送してから再生を行うと、接点不良による再生エラーが物理的に回避できるので、システム全体の信頼性が上がるからである。
(4)在室検知
視覚障害のあるトイレ利用者がトイレ個室内にいるときには、第2の人感センサ6aが、トイレ個室内に利用者がいることを検知し、接続線6e、5mを介して第1のユニット5に出力する。
【0020】
次に、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1において、視覚障害のある利用者に対する音声案内を説明する。
(1)動作1(入口(トイレドア3)から便座4までの誘導案内)
第1のユニット5(トイレ入口付近上部設置)の第1の人感センサ5aは利用者を検知すると、第1のユニット5の第1のスピーカー5bから次の音声が流れる。
「ポーン♪、だれでも利用できるバリアフリートイレ音声案内です。トイレドアはスライド式です。鍵はドア取っ手の下にあります。レバーを下に下げると鍵がかかります。便座は入口を入って右奥にあります。便座に座って右手に音声操作パネルがあります。詳しい案内の必要な方は音声操作パネルに手をかざしてご利用ください。」の音声案内が第1のユニット5の第1のスピーカー5bから流れる(「ポーン♪」は、所定のチャイム等の注意喚起音である。)
この音声案内に続いて、第2のユニット6(便座4横設置の第2のスピーカー6c)から次の音声案内が流れる。
「便座と音声操作パネルはこちらです。ボーン♪…ボーン♪(3秒空白5回繰り返し)。この音声操作パネルに手をかざしてご利用ください。(空白2分)」。このような音声案内が第2のユニット6の第2のスピーカー6cから流れる(「ポーン♪」は、チャイム等の注意喚起音)。
【0021】
(2)動作2(便座周り、トイレ個室内の設備の配置、出ロへの誘導)
第2のユニット6(便座4横設置)に手をかざすと、近接センサ6bが検知し、次の音声が第2のスピーカー6cから流れる。
「便座まわりのご案内をします。音声操作パネルの少し下におしり洗浄リモコン、おしり洗浄リモコンの左に水洗ボタン、右に非常呼び出しボタン、下にトイレットペーパーがあります。」、「次に、室内全体を便座に座った状態で時計廻りでご案内します。左手に跳ね上げ式手すり、オストメイト設備、正面壁に、ベビーベッド、ベビーチェア、右壁に、自動水洗式手洗台があります。」
【0022】
(3)続いて、第1のユニット5(トイレ入口付近(トイレドア3)上部設置)から、「出口はこちらです。スライド式ドアの鍵は取っ手の下にあります。レバーを上に上げると鍵が開きます。音声操作パネルに手をかざすと案内を繰り返します。(空白5秒)」の音声案内が第1のユニット5の第1のスピーカー5bから流れる。
【0023】
本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1においては、これらの第1のスピーカー5b及び第2のスピーカー6cから流れる案内音声について、設置されるバリアフリートイレの室内配備機器の配置位置に対応して第1のユニット5に内蔵されるメモリカード5gに予め記憶された音声データを2つの人感センサ5a、6a及び/又は近接センサ6bのいずれかの検知に基づき順次音声として流れるようにしたものである。
【0024】
上述してきたように、本実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1は、装置を第1のユニット5と第2のユニット6の2つに分離し、利用者の入室を検知する第1の人感センサ5aを内蔵する第1のユニット5はトイレ入ロを入った直上に、利用者が手をかざすと検知する近接センサ6bを内蔵する第2のユニット6は便座4脇に配置することで、センサ6bが感応しないことがほとんどなくなり、視覚障害者を音源で便座4に誘導することができるので、より確実な案内ができることととなる。
【0025】
また、トイレ入り口直上の第1のユニット5及び便座4脇の第2のユニット6をそれぞれ配置し、それぞれの配置位置で利用者への音声案内を流すことができるようにしたので、利用者はこれらの入室・出ロの音声案内を音源を辿って動くようになるので、トイレ内の視覚障害のある利用者の誘導を速やかに行うことができるようになる。
【0026】
また、第1のユニット5に内蔵する第1の人感センサ5a及び第2のユニット6に内蔵する第2の人感センサ6a、近接センサ6bによる検知により、内蔵マイコンより制御を行い、音声データを半導体メモリ→DAコンバー→増幅アンプ→スピーカーの順に変換され音声として流すことができるので、トイレ個室内の便器等の位置及び水洗方法やレバーの位置、ペーパーホルダーの位置、非常呼出しボタンの位置等を非接触にて知らしめることができることとなる。
【実施例0027】
視覚障害のあるトイレ利用者であっても、必ず便座に座って用を足すばかりとは限らない。ときは、単に手を洗いたい、衣服を整え、おむつを替えるなど便座を使用しない利用も考えられる。
そこで、変形実施例として、上述する第2のユニット6を複数用い、複数の各第2のユニットに固有のIDと第1のユニット5を含む互いのユニット5、6間の位置情報を交換・記憶し、各位置情報に基づき各ユニット5、6間の接地距離・方向を算定の上、各のユニット5、6の位置にて、トイレ室内を音声にて案内するシステムについて検討した。
【0028】
図5は、実施例2に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム10が前提とするトイレ室内配置の概略を示す図であり、図5において、11は、トイレドア、12は、手洗い、13は、おむつ替え、14は、便座、15は、オストメイト(人工肛門、人工膀胱用の処理具)であり、16aは、手洗い12近傍に配置された第2のユニット1、16bは、おむつ替え13近傍に配置された第2のユニット2、16cは、便座14近傍に配置された第2のユニット3、16dは、オストメイト15近傍に配置された第2のユニット4である。なお、符号5は、実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1と同じ第1のユニットである。
【0029】
そして、各第2のユニットB1~B4(16a~16d)の基本構成は,上述する実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム1の第2のユニットと同じであるが、第1ユニット5のメモリカード5gには、各第2のユニットB1~B4(16a~16d)の近傍設置機器の名称及びその使用方法等の音声案内データを予め記憶しておき、各第2のユニットB1~B4(16a~16b)間の設置機器名、使用方法及び他の第2のユニットB1~B4への距離・方向を案内する音声データをメモリカード5gから受け取る機能を保有せしめる。なお、各種設定は第1のユニット5に外部接続するPC(パーソナルコンピュータ)等で行い、各第2のユニットは、それぞれ電源部や人感センサと近接センサ及びスピーカーを内蔵し、ユニット5、6間は無線または有線で接続される。
【0030】
そのような配置構成の本実施例2に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム10においては、トイレ入り口(トイレドア11)から利用者が入室すると、次のような音声案内を流すようにする。
図5の例で説明すれば、「右側におよそ○○mの壁におむつ替え台、左側およそ○○mの壁際に手洗いが、左奥○○m先に便座、右奥○○m先にオストメイトがあります。」などの音声案内が流れ、手洗いのみを行いたい利用者は、案内に従って手洗い12に近づくと、その近傍に設置された第2のユニット16aのスピーカーから、「手洗いの水道蛇口は中央奥にあり、手を差し伸べれば水が出ます」などの手洗い12の操作方法等の概要が音声で流れ、さらに、その第2のユニット16aの音声案内がされた音源に手をかざすことにより、他の部材の配置位置を音声で知らしめる(例えば、「右方向およそ○○mに便座があります。」)(○○は、設置するトイレの諸設備までの距離。)。
【0031】
このように複数の第2のユニットB1~B4(符号16a~16d)をトイレ内の各機器近傍に配置し、各機器の説明と共に、他の機器の配置位置をも案内することができるようにしたので、視覚障害を有する利用者にとって、便座利用だけでなく、他の機器についても適切な利用ができることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムに利用される。
【符号の説明】
【0033】
1 実施例1に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム
2 トイレ個室内
3 トイレドア
4 便座
5 第1のユニット
5a 入口用第1の人感センサ
5b 第1のスピーカー
5c 国際シンボルマーク
5d 電源部
5e ユニット基板A
5f 制御部
5g メモリカード
5h 音声データ転送スイッチ
5i 内蔵メモリ
5j MP3デコーダ
5k 音声増幅部(A/B)
5l 音量調節
5m 接続線
6 第2のユニット
6a 在室用人感センサ
6b 近接センサ
6c 第2のスピーカー
6d 第2のユニット基板
6e 接続線
10 実施例2に係る視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム
11 トイレドア
12 手洗い
13 おむつ替え台
14 便座
15 オストメイト
16a~16d 第2のユニット1~B4
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアフリートイレのドア直上に配置される最大有効検知距離 約5メートルでスポットエリアを有する第1の人感センサ及び第1のスピーカーを備えて一体に構成される第1のユニットと、
バリアフリートイレの便座脇及びトイレ内の配置間取りに関係なく複数配置され、利用者の在室を検知する最大有効検知距離約5メートルで広角エリアを有する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する利用者の手が5センチ(cm)程度に接近したときに検知仕様を有する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えて一体に構成された第のユニットと、
を有することを特徴とする視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【請求項2】
第1のスピーカー及び第2のスピーカーから流れる案内音声は、バリアフリートイレの室内配置位置に対応して第1のユニットに内蔵されるメモリカードに予め記憶された音声データを2つの人感センサ及び/又は近接センサの検知に基づき順次流れる音声であることを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、バリアフリートイレのドア直上に配置される最大有効検知距離 約5メートルでスポットエリアを有する第1の人感センサ及び第1のスピーカーを備えて一体に構成される第1のユニットと、バリアフリートイレの便座脇及びトイレ内の配置間取りに関係なく複数配置され、利用者の在室を検知する最大有効検知距離約5メートルで広角エリアを有する第2の人感センサ及び利用者の手の接近を検知する利用者の手が5センチ(cm)程度に接近したときに検知仕様を有する近接センサ並びに第2のスピーカーを備えて一体に構成された第のユニットと、を有することを特徴とする。
また、本願請求項に関する発明は、請求項1に記載の視覚障害者用バリアフリートイレ音声案内システムにおいて、第1のスピーカー及び第2のスピーカーから流れる案内音声は、バリアフリートイレの室内配置位置に対応して第1のユニットに内蔵されるメモリカードに予め記憶された音声データを2つの人感センサ及び/又は近接センサの検知に基づき順次流れる音声であることを特徴とする。