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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130317
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】勝負結果を予測する仮想ゴルフ装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230912BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
A63B69/36 541W
A63B71/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031475
(22)【出願日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0028754
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(57)【要約】
【課題】本発明は、勝負結果を予測する仮想ゴルフ装置を提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフ装置、仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると、打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、複数のユーザがプレイしている中に、プレイが進行された時点までのプレイ結果を反映して複数のユーザ間の勝負結果を予測する予測部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部と、
ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると、打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、
複数のユーザがプレイしている中に、プレイが進行された時点までのプレイ結果を反映して複数のユーザ間の勝負結果を予測する予測部とを、
含む
仮想ゴルフ装置。
【請求項2】
前記予測部は、プレイが進行された時点までのプレイ結果に追加して残りのプレイに対する予想プレイ結果を用いて前記勝負結果を予測する、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項3】
前記予測部は、全体プレイの中に少なくとも一部のプレイが進行された後から前記勝負結果を予測する、請求項1に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項4】
前記勝負結果は確率値として予測され、
ユーザが前記確率値に関連する所定の条件を満たす場合、該当ユーザに補償又はペナルティを付与する、請求項1から3の何れか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【請求項5】
音声でプレイ情報を提供するサウンド部をさらに含み、
前記表示部または前記サウンド部は前記予測部によって予測された勝負結果をユーザに提供する、請求項1から3の何れか1項に記載の仮想ゴルフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想ゴルフ装置に関するものであり、より具体的には、勝負結果を予測してユーザに提供する仮想ゴルフ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ゴルフ人口が増加しつつ、仮想ゴルフシミュレーション装置などを利用してゴルフを楽しめるスクリーンゴルフが広く普及されている。スクリーンゴルフではスクリーンを介してゴルフ場の映像が表示されるので、屋外で実際の競技をしているような感じを与えることができる。また、屋外のフィールドで試合することに比べて時間とコストがセーブされるので、スクリーンゴルフは時間や経済的な理由などで実際の競技をプレイし難い現代人に人気が高い。
【0003】
しかし、スクリーンゴルフを利用する人々がますます増えながら、スクリーンゴルフに対するユーザの期待が高まっている。スクリーンゴルフと実際のゴルフとを比較すると、スクリーンゴルフは密閉された屋内空間でサービスされる特性上、オープンな屋外空間で行われる実際のゴルフで提供するのが難しい技術的サービスをユーザに提供することができるという利点がある。したがって、この利点を活用することで、スクリーンゴルフは様々な技術を通じてスクリーンゴルフプレイに対するユーザの興味を高める必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、プレイの終了前に勝負結果を予め予測することができる仮想ゴルフ装置を提供することをその目的とする。
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するのために、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部と、ユーザが実際のゴルフボールを打撃すると、打撃された前記実際のゴルフボールの状態に基づいて前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールの動きを算出する算出部と、複数のユーザがプレイしている中に、プレイが進行された時点までのプレイ結果を反映して複数のユーザ間の勝負結果を予測する予測部とを含む。
上記仮想ゴルフ装置において、前記予測部はプレイが進行された時点までのプレイ結果に追加して残りのプレイに対する予想プレイ結果を用いて前記勝負結果を予測する。
【0006】
上記仮想ゴルフ装置において、前記予測部は全体プレイの中に少なくとも一部のプレイが進行された後から前記勝負結果を予測する。
上記仮想ゴルフ装置において、前記勝負結果は確率値として予測され、ユーザが前記確率値に関連する所定の条件を満たす場合、該当ユーザに補償又はペナルティを付与する。
上記仮想ゴルフ装置は音声でプレイ情報を提供するサウンド部をさらに含み、前記表示部または前記サウンド部は前記予測部によって予測された勝負結果をユーザに提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の仮想ゴルフ装置によれば、プレイの終了前に勝負結果を予め予測してユーザに提供することでユーザの興味を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図2図1の仮想ゴルフ装置における勝負結果を予測する過程の一例を示すフローチャートである。
図3】人工知能を用いて勝負結果を予測する方法を説明するための図である。
図4】勝負結果の予測を表示するスクリーン画面の一例を示す図である。
図5】勝負結果の予測を表示するスクリーン画面の一例を示す図である。
図6】勝負予測の結果を活用することができる方法における過程を示すフローチャートである。
図7】ユーザに補償したりペナルティを与える例を説明するための図である。
図8】ユーザに補償したりペナルティを与える例を説明するための図である。
図9】本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図10】複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0010】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0011】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0012】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図1を参照すると、仮想ゴルフ装置は、打撃プレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、サウンド部(50)、表示部(60)を含む。
打撃プレート(10)はユーザがゴルフボールを打撃するために位置する領域である。 打撃プレート(10)には上下に移動可能なオートティーが設けられており、オートティーを通じてユーザに打撃用ゴルフボールが自動的に提供されることができる。
【0013】
制御部(20)は仮想ゴルフ装置の構成要素の間の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は打撃プレート(10)に設けられたオートティーを制御して、ユーザが打撃する時点に合わせてオートティーが打撃用ゴルフボールを提供するように動作する。またユーザが特定のゴルフコースを選択した場合、制御部(20)は該当ゴルフコースでプレイすることができるように関連動作を行う。すなわち、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を具備してユーザが選択した特定のゴルフコースの映像を形成した後、これを表示部(60)に伝達して表示させるように動作する。また制御部(20)は算出部(21)と予測部(22)と貯蔵部(23)とを備えている。算出部(21)はユーザが打撃したゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定するときにどのような軌跡を有するかを算出する算出過程を行う。予測部(22)はプレイが終了する前にユーザ間の勝負結果を予測する。この勝負予測の詳細内容は後述する。貯蔵部(23)はメモリやハードディスクなどのような記憶装置を含み、制御部(20)の動作に必要な各種データを貯蔵している。
【0014】
感知部(30)はゴルフクラブの動きやユーザが打撃したゴルフボールの動きなどを感知して打撃されたゴルフボールに関する物理的状態情報を把握するためのものであり、感知部(30)としてゴルフクラブやゴルフボールの動きを撮影することができるカメラや感知センサーなどのような感知手段を使用することができる。前記感知手段には、イメージセンシング、発光/受光センシング、レーザセンシングなど様々なセンシング方式を適用することができ、このようなセンシング方式でゴルフクラブやユーザが打撃したゴルフボールの状態情報を把握することができる。前記カメラや感知センサーなどは、単独に使用されたり又は一緒に使用されたりすることができ、一つのみが使用されたり又は複数個が使用されたりすることができる。感知部(30)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)は感知部(30)からの情報に基づいて算出過程を行う。
【0015】
入力部(40)はユーザから各種情報を受けるためのものであり、キーボード、マウス、タッチスクリーンなどを使用することができる。スクリーンゴルフでは、ユーザがログインのために自分のIDやパスワードを入力する場合、ユーザがプレイしたいゴルフコースやプレイ難易度を選択する場合などのように、ユーザから情報の入力が必要な場合があり得、このような場合のために入力部(40)が具備される。
サウンド部(50)はスピーカなどの音響機器を含み、この音響機器を通じてユーザにゲームの進行状況を案内しゲームの進行に応じた各種効果音を再生する。
【0016】
表示部(60)はプロジェクターとスクリーンなどのような機器を含む。プロジェクターはゴルフコースとゴルフボールなどがスクリーンに表示されるように関連映像をスクリーンに投射し、スクリーンは投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザに提供する。以下では、スクリーンに表示される一部の対象に対して「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは現実の世界に存在するものではなくスクリーンの中の映像に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とはスクリーンに表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とはスクリーンに表示されるゴルフボールという意味である。
【0017】
仮想ゴルフ装置は、スクリーンゴルフ場に設置されてスクリーンゴルフをプレイすることができるようにする装置であり、ユーザがスクリーンゴルフをプレイする際の仮想ゴルフ装置の動作過程は次の通りである。ユーザがゴルフボールを打撃すると、感知部(30)はゴルフクラブの動き及び/又はユーザが打撃したゴルフボールの移動速度や移動方向などのような物理的状態を感知する。感知部(30)によって感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)における算出部(21)は伝達された情報に基づいてゴルフボールの軌跡を算出する算出過程を行う。表示部(60)では算出過程によって算出された軌跡の通り仮想ゴルフボールが動く映像を表示し、このときに仮想ゴルフボールは算出された軌跡により移動した後にスクリーン中の仮想ゴルフコースの特定地点に着地し、ユーザは仮想のゴルフボールが着地した地点からネクスト打撃をする。
【0018】
上記のスクリーンゴルフのプレイ過程において、予測部(22)はユーザ間の勝負結果をあらかじめ予測する動作を行い、上記した動作による勝負結果の予測はサウンド部(50)や表示部(60)等を通じて試合中にユーザに提供される。以下では、勝負予測の動作について図面を参照して説明する。
【0019】
図2図1の仮想ゴルフ装置における勝負結果を予測する過程の一例を示すフローチャートであり、図3は人工知能を用いて勝負結果を予測する方法を説明するための図であり、図4及び図5は勝負結果の予測を表示するスクリーン画面の一例を示す図である。
図2を参照すると、勝負結果を予測する動作過程は第1乃至第5ステップ(S1、S2、S3、S4、S5)を含む。第1ステップ(S1)では特定時点までユーザ間スクリーンゴルフのプレイが進行され、第2ステップ(S2)では前記特定時点まで進行されたプレイの結果が記録され、第3ステップ(S3)では前記特定時点以降の残りのプレイに対する結果が予測され、第4ステップ(S4)では第2及び第3ステップ(S2、S3)で得られた結果物を通じて最終勝負の結果が予測され、第5ステップ(S5)では予測結果がユーザに提供される。
【0020】
第1ステップ(S1)では、ユーザのスクリーンゴルフのプレイが所定の時点まで進行される。勝負結果はプレイが始まる前にユーザの過去記録だけを根拠にして予測することも可能である。しかし、プレイが進行される当日の成績によって勝負結果が変わるので、ユーザの過去記録とともに当日の成績を反映して勝負を予測することが好ましい。したがって、当日の成績を反映するためにプレイがある程度進行された後に勝負予測を実行するのが良い。例えば、全プレイの少なくとも20%以上進行した後に勝負予測を実行することが好ましい。プレイがある程度進行した後、第2乃至第5ステップ(S2~S5)に従って勝負予測の過程を実行し、勝負予測は単数または複数回実行さる。例えば、18ホールプレイをする場合、9ホール(全プレイの50%)まで進行した後に1回だけ勝負予測を実行したり、または9ホールプレイをする場合、3ホール(全体プレイの33%)まで進行した後に4ホールから毎ホールプレイが終わるたびに勝負予測を実行したりすることができる。あるいは、特定のホールプレイが終わるたびに勝負予測をする代わりに、ユーザがゴルフボールを打撃してその結果を把握すると上記打撃結果を反映して勝負予測を実行することにより、ゴルフボールを打撃するたびに随時勝負予測を実行することも可能である。
【0021】
勝負予測の実際過程は第2乃至第4ステップ(S2~S4)で実行される。第2ステップ(S2)では勝負予測をする現在の時点までユーザのプレイ結果を記録し、第3ステップ(S3)では現在時点以降の残りのプレイに対する結果を予測し、第4ステップ(S4)では第2および第3ステップ(S2、S3)で得られた結果物を通じて最終勝負の結果を予測する。
例えば、ユーザAとユーザBが共に全9ホールプレイをしており、現在4ホールまでプレイをして5ホールから9ホールまで5ホールプレイが残っている場合を想定する。4ホールまで、ユーザAは「-1打」を記録中でありユーザBは「+1打」を記録中であれば、第2ステップ(S2)では「ユーザA:-1/ユーザB:+1」の記録が貯蔵される。第3ステップ(S3)では、5ホールから9ホールまでのプレイにおいてユーザAとユーザBがそれぞれどのような成績を出すかについての結果が算出される。
【0022】
残りのホールでのプレイ結果は人工知能などを用いて算出されるようにすることができる。人工知能を使用する場合、図3に図示されたように、人工知能に入力データを入力して人工知能によって出力データを得ることができる。人工知能は人間の知的能力を人工的に具現したプログラムであり、人工知能にはマシンラーニング技術などが適用される。マシンラーニング技術などを適用することにより、規則によって定められた結果値を導出する従来のプログラムとは異なる動作をすることができる。すなわち、人工知能が多い数の入力データを分析して自ら結果値を導出することができる。マシンラーニングなどの人工知能モデルは複数の層と各層を構成する複数のノードとからなる人工神経網を含み、前記複数の層は入力層、隠匿層、出力層を含むことができる。入力層は分析対象データの入力を受ける層であり、出力層は結果値が出力される層であり、隠匿層は入力層と出力層との間の中間層を意味する。
【0023】
人工知能を適用する際に、入力データは残りのプレイに対する予測結果を得るために使用することができる根拠資料である。入力データは一種類ではなく様々な種類の複数のデータである。例えば、残っているコースの特徴(コース難易度、コース構成など)、ユーザのプレイタイプ(例えば、ユーザがパッティングに長所があるタイプであり、残っているコースのパッティング難易度が高い方であれば、該当ユーザは残っているコースで良い成績を出す可能性が高い。このようにユーザのプレイタイプや残っているコースの特徴などは残っているプレイ結果を予測することができる重要な資料である)、ユーザの過去のプレイ記録、ユーザが当日現在までプレイした記録などを入力データとして使用することができる。出力データは人工知能によって算出される残りのプレイに対する予測結果となる。
【0024】
人工知能がプレイ結果を予測する前に、まず学習データを使用して人工知能が学習するようにすることができる。学習データは学習用入力データと学習用出力データとからなる。又は学習データは学習用入力データのみからなる。学習用入力データをID(Input Data)、学習用出力データをOD(Output Data)とすると、複数の学習用入力データに対して実際の勝負結果がどうなったかを示す学習用出力データを入手した後、これから[(ID1、OD1), (ID2、OD2)、(ID3、OD3)....]のようなデータのセットを作って人工知能に提供して学習させると、学習を完了した人工知能を得ることができ、学習を完了した人工知能に結果を知らない入力データを入力すると、学習した内容に基づいて出力データを導出することができる。
【0025】
第4ステップ(S4)では勝負予測の結果が算出される。例えば、9ホールプレイ中に4ホールまでプレイして「ユーザA:-1/ユーザB:+1」の結果となり、残りの5ホールから9ホールまでの予想プレイ結果が「ユーザA:+1/ユーザB:-2」と算出される場合、最終的に「ユーザA:0/ユーザB:-1」の結果となり、1打差でユーザBが勝利する勝負結果を予測することができる。ここで、第3ステップ(S3)を通じて得られる残りのプレイに対する結果予測は様々な形態に得ることができる。例えば、第3ステップ(S3)において得られた残りのプレイに対する予測は、1つの結果として予測されず、複数の場合及び各場合となる確率の形態として予測されることができる。具体的に、ユーザAに対して残っているプレイ結果が「+2打:20%、+1打:50%、0打:15%、-1打:10%、-2打:5%」と予測され、ユーザBに対して「+2打 :10%、+1打 :15%、0打 :20%、-1打 :25%、-2打 :30%」と予測されることができる。この時に、第3ステップ(S3)の結果が確率によって算出されるため、第4ステップ(S4)での最終勝負結果も、ユーザA、Bのうちに勝利者と敗北者を知らせる方法ではなく、ユーザAがいくらの確率で敗北しユーザBがいくらの確率で勝利するという方法のように勝率を用いて知らせることができる。
【0026】
第5ステップ(S5)では第4ステップ(S4)において得られた勝負予測の結果をユーザに伝達する。勝負予測の結果はサウンド部(50)を用いて音声でユーザに提供したり、表示部(60)を用いて視覚的にユーザに提供したりすることができる。視覚的に勝負予測情報を提供する場合には、スクリーン画面の一部に勝負予測の結果が表示されるようにする。例えば、図4に図示されたように、3人のユーザが一緒にプレイしているときに、スクリーンの一方のコーナー部分に現在進行中のホールと現在までのユーザの成績が表示され、これとともに3人のユーザに対する最終勝負予測の結果を勝率を用いて表示することができる。あるいは、図5に図示されたように、複数のユーザが2つのチームを構成して一緒にプレイしているときに、スクリーンのコーナー部分に現在進行中のホールと現在までの各チームの成績が表示され、これとともに各チームの最終勝負予測の結果を棒グラフを用いて表示することができる。
【0027】
以上、特定時点以降からプレイが終了するまでの残りのプレイに対する予想結果を算出し、上記算出結果を特定時点までのプレイ結果に加えて最終勝負結果を予測する方法を説明したが、このような方法は勝負予測のための様々な方法の一つの例であり、ここで説明しない他の方法を用いて勝負予測を実行することも可能である。
【0028】
勝負予測の結果はユーザの興味を高めることができるプレイ情報としてユーザに提供することができる。また、単純な情報伝達の範疇から逸脱して勝負予測結果を様々な方法に活用することができる。以下では勝負予測の結果を活用する例について図面を参照して説明する。
【0029】
図6は勝負予測の結果を活用することができる方法における過程を示すフローチャートであり、図7及び図8はユーザに補償したりペナルティを与える例を説明するための図である。
図6を参照すると、勝負予測の結果を活用する過程において、第1ステップ(S10)では勝負結果が予測される。第2ステップ(S20)では勝負予測の結果がユーザに提供される。第3ステップ(S30)では勝負予測の結果に関連して特定の条件を満たしているかをチェックする。第4ステップ(S40)では上記条件を満たしているかの可否により補償やペナルティを与える。
【0030】
第1及び第2ステップ(S10、S20)には前述の実施例における勝負予測過程で説明した内容を適用することができる。第3ステップ(S30)における勝負予測結果に関連する特定条件としては次のような種々の例があり得る。
(1)特定時点での勝負予測の結果、特定のユーザ(ユーザは一人でプレイするケースとチームを構成してプレイするケースを含み、以下の他の例でもユーザは個人ユーザとチームを構成する複数ユーザを含む)の勝利確率が非常に低い場合
(2)特定時点での勝負予測の結果、勝利確率が非常に低かったユーザがこれを克服して勝利する場合
(3)第1時点での勝負予測の結果、勝利確率が非常に低かったユーザが第2時点で勝利確率が高くなった場合
(4)特定時点での勝負予測の結果、特定ユーザの勝利確率が非常に高い場合
(5)特定時点での勝負予測の結果、勝利確率が非常に高かったユーザが敗北する場合
(6)第1時点での勝負予測の結果、勝利確率が非常に高かったユーザが第2時点で勝利確率が低くなった場合
【0031】
勝負予測に関して所定の要件を満たした場合、第4ステップ(S40)において要件を満たしたユーザに報酬またはペナルティを与えることができる。例えば、前述の(1)の場合には、特定ユーザの敗北可能性が高すぎて(例:勝利確率10%以下)試合自体の面白みが低下すると判断されると、当該ユーザの成績を上げることができる補償やアドバンテージが付与されるようにすることができる。前述の(2)の場合には、ユーザが低い勝利確率(例:勝利確率20%以下)を克服して逆転勝をしたという点を高く評価して、当該ユーザの詐欺を高めるための補償やアドバンテージが付与されるようにすることができる。(3)は(2)と類似なタイプであるが、(2)は逆転勝をした場合に補償が付与されるものであり、(3)は困難な状況でこれを克服して勝利することができる雰囲気を形成した点を勘案して該当ユーザを応援するために補償が付与される。例えば、全18ホールのプレイにおいて5番ホールまで進行したときに勝利確率が10%以下であるユーザが10番ホールまで進行したときに勝利確率が50%まで上昇した場合、40%の勝利確率を高めるために努力したユーザの詐欺を高めるために補償やアドバンテージが付与されるようにすることができる。
【0032】
アドバンテージが付与される状況と反対の状況ではペナルティが付与されるようにすることができる。例えば、前述の(4)の場合には、特定ユーザの勝利可能性が高すぎて(例:勝利確率90%以上)試合自体の面白みが低下すると判断されると、当該ユーザの成績を下げることができるペナルティが付与されるようにすることができる。前述の(5)の場合には、ユーザが高い勝利確率(例:勝利確率80%以上)にもかかわらず逆転敗したという点を勘案して、後に該当ユーザが有利な状況で油断しないように警告の意味としてペナルティが付与されるようにすることができる。(6)は(5)と類似なタイプであるが、(5)は逆転敗をした場合にペナルティが付与されるものであり、(6)は有利な状況から勝利を保障することができない雰囲気を形成した点を勘案して該当ユーザにこれ以上油断しないように警告するためにペナルティが付与される。例えば、全18ホールのプレイにおいて5番ホールまで進行したときに勝利確率が90%以上であるユーザが10番ホールまで進行したときに勝利確率が50%まで下降した場合、40%の勝利確率が下がるように誠意がないプレイをしたユーザに奮起を促すためにペナルティが付与されるようにすることができる。
【0033】
ユーザに付与される補償やペナルティはいろいろのものがあり得る。例えば、ユーザに提供されるプレイ情報に違いを与えることができる。図7を参照すると、スクリーンゴルフにおけるパッティング段階ではユーザに様々なプレイ情報を提供し、このときアドバンテージを与えるためにさらに多くの情報を提供したり、ペナルティを与えるためにさらに少ない情報を提供したりすることができる。図7に図示されたように、パッティング段階でスクリーンにゴルフボールと最終目標地点であるホールカップと間の距離情報(I1)、パッティングが行われるグリーン領域の地形情報(I2、I3)、仮想ゴルフボールと最終目標地点であるホールカップと間の高低差情報(I4)を提供することができる。グリーン領域の地形情報(I2、I3)としては複数の横線と縦線からなるグリッド(I2)が表示され、また横線と縦線に沿って移動するインジケータ(I3)が表示される。インジケータ(I3)はグリッド(I2)を構成する横線と縦線において所定の速度で移動する。インジケータ(I3)の移動方向はグリーン領域の傾斜方向を示し、移動速度は傾斜度を示す。すなわち、インジケータ(I3)は高傾斜地点から低傾斜地点に移動し、傾斜が大きければ大きいほどその移動速度が増加する。したがって、グリッド(I2)とインジケータ(I3)とを提供する場合、ユーザはインジケータ(I3)の移動方向と移動速度を介してグリーン領域における傾斜方向と傾斜度を把握することができる。
【0034】
ユーザにペナルティを付与する場合、ゴルフボールと最終目標地点であるホールカップとの間の距離情報(I1)、パッティングが行われるグリーン領域の地形情報(I2、I3)、仮想ゴルフボールと最終目標地点であるホールカップとの間の高低差情報(I4)の中に少なくともいずれかが提供されないようにすることができる。逆に、ユーザにアドバンテージを付与する場合、上記の情報に加えて追加情報を提供することができる。追加情報としてグリーン領域のパッティングライ情報(I5)、キャディの推薦距離情報(I6)などがあり得る。グリーン領域におけるパッティングライ情報(I5)は、現在のゴルフボールの位置からホールカップまでのグリーン領域の地形特性(例:傾斜)を考慮する際に、パッティング時にホールカップから水平にどの程度離隔されている地点をターゲットとするべきかに関する情報を示す。キャディの推薦距離情報(I6)はホールインに成功するためにゴルフボールが転がるべき距離の情報を示す。図7においてゴルフボールとホールカップとの間の距離は8.87mであるが、ホールカップがゴルフボールより0.26mほど高いところに位置しであるため上り坂になる。この場合、8.87mの距離をターゲットとしてパッティングすると、ゴルフボールが上り坂を上がりながら動力が落ちてホールカップに到達しない可能性がある。このような場合にはホールカップの位置よりも遠い位置をターゲットにしてパッティングする必要があり、追加情報によりターゲットとすべき距離を11.6mという具体的な数値として提供することができ、その結果、ユーザはパッティングに対する正確な戦略を立ててパッティングの成功可能性を高めることができる。
【0035】
上記のように情報量に差を与えることに加えて、他の方法でユーザにアドバンテージやペナルティを与えることができる。例えば、パッティングにおいてコンシードの範囲が異なるようにすることができる。コンシード(concede)とは、パッティングしたゴルフボールがホールカップから一定距離以内にあればホールイン(hole in)と認めることを意味する。例えば、コンシードを1mに設定した場合、ホールカップから半径1m以内に位置するゴルフボールはホールインとみなす。もしコンシードの範囲が広くなると、その分ホールカップから離れた地点までゴルフボールを転がしてもホールインが認められるのでユーザに有利である。逆にコンシードの範囲が減ると、ホールインと認められる範囲が減少してユーザに不利である。したがって、コンシードの範囲を増加させてユーザにアドバンテージを付与したり、コンシードの範囲を減少させてペナルティを付与したりすることができる。
【0036】
ユーザのプレイ結果に影響を与える可能性があるアドバンテージやペナルティの例について説明したが、ユーザのプレイ結果に直接的に影響を与えないアドバンテージやペナルティもある。例えば、スクリーンゴルフのサービスを利用するのにかかるサービスコストを減らすか増やすことで、ユーザにアドバンテージやペナルティを与えることができる。あるいは、スクリーンに表示される映像に特別なグラフィック効果を付与することで、ユーザにアドバンテージを与えることができる。ユーザが「Eagle(ゴルフボールをホールカップに入れるまでの打数が基準打数より2打少ないことを意味)」を達成したときに、図8に図示されたように、Eagleの辞書的な意味である「イーグル」の鳥イメージに強烈な印象を与えることができる炎イメージを追加した火鳥のイメージを表示することで、ユーザが「Eagle」を達成したことに対して強いインパクトを与えて士気を高めることができる。
【0037】
図9は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構造を示す図である。
図9を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は複数のブース(101、102、103)を含む。各ブース(101、102、103)はすべて同一に構成されている。例えば、最初のブース(101)は、打撃プレート(101a)、キオスク画面が具備されているシミュレータ機器(101b)、スクリーン(101c)などを備えており、他のブース(102、103)も同一のコンポーネントを持っている。図面に図示されていないが、各ブース(101、102、103)には打撃時にゴルフクラブ/ゴルフボールの動きを感知するためのカメラなどのような他の機器がさらに具備されている。各ブース(101、102、103)では多数のユーザが交互にゴルフをプレイすることができる。あるいは、各ブース(101、102、103)ではユーザ一人で他のブースのユーザと離隔している状態でソロでプレイすることができる。本実施例による仮想ゴルフ装置のシミュレータ機器(101b)は、前述の勝負結果予測の機能を有する予測部を備えることができ、これによりユーザ間のプレイが終了する前に勝負結果を予測した後に予測された結果をユーザに提供することができる。
【0038】
図10は複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムの概略的な構造を示す図である。
図10を参照すると、複数の仮想ゴルフ装置がネットワークに連結されているシステムは複数のスクリーンゴルフ場(1)とサーバユニット(2)とを含む。スクリーンゴルフ場(1)にはスクリーンゴルフをプレイすることができるように、図1乃至図9に図示されたような仮想ゴルフ装置が具備されている。スクリーンゴルフ場(1)に具備された仮想ゴルフ装置は、サーバユニット(2)と有無線通信網などを介して連結されている。各スクリーンゴルフ場(1)はログインが行われるとユーザにスクリーンゴルフのサービスを提供するサービス提供部の役割をする。サーバユニット(2)は複数のスクリーンゴルフ場(1)を運営するサービス業者が、複数のスクリーンゴルフ場(1)に具備されている仮想ゴルフ装置を管理するために使用する中央サーバを含む。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザは、上記サービスの提供を受けるためにまずログインを実行し、サーバーユニット(2)はログインをする際にユーザの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(2)にはユーザの身元を確認するための情報を貯蔵する貯蔵部(3)が具備されている。貯蔵部(3)には複数のユーザに関する情報が各ユーザごとに区分されて貯蔵されている。各ユーザの情報を貯蔵する貯蔵領域には、身元情報、プレイ情報、設定情報などが貯蔵されている。上記身元情報はユーザの身元を確認するためのものであり、ログイン過程などに使用されることができる。上記プレイ情報はユーザが過去プレイした結果及び/又は過去のプレイ結果から把握することができるユーザの個人記録(クラブ別平均飛距離、平均打数等)等を含む。上記設定情報はユーザが設定した事項に関する情報などを含む。例えば、ユーザが過去にプレイしたゴルフ場、プレイ難易度、プレイ方式、好みの動作条件などを設定情報として貯蔵することができる。ユーザは毎回プレイするたびに様々な選択事項を入力することを面倒に考えることができるが、ユーザが前記選択事項を入力しなかった場合には、前記設定情報に基づいて選択事項を自動的に設定することができる。このように貯蔵部(3)に様々なユーザ情報が貯蔵されることにより、サーバユニット(2)に有線及び/又は無線で連結されている複数のスクリーンゴルフ場(1)の各仮想ゴルフ装置は貯蔵部(3)に貯蔵されている情報を利用することができ、各仮想ゴルフ装置はユーザの情報を別途貯蔵する必要がない。
【0039】
スクリーンゴルフ場(1)の仮想ゴルフ装置は前述の勝負結果予測の機能を有する予測部を備えることができる。あるいは、予測部はスクリーンゴルフ場(1)の各仮想ゴルフ装置ごとに具備されるのではなく、サーバユニット(2)に具備されるように構成してもよい。上記予測部を通じてユーザ間のプレイが終了する前に勝負結果を予測した後に予測された結果をユーザに提供することができる。
【0040】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1:スクリーンゴルフ場
2:サーバユニット
10:打撃プレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:サウンド部
60:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10