(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130330
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】乾燥眼用レンズについてIR波長を使用して欠陥を検出するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02C 13/00 20060101AFI20230912BHJP
G02C 7/04 20060101ALI20230912BHJP
G01N 21/95 20060101ALI20230912BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20230912BHJP
G01N 21/958 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
G02C13/00
G02C7/04
G01N21/95 Z
G01M11/00 L
G01N21/958
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023035065
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10202202261T
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(71)【出願人】
【識別番号】521082569
【氏名又は名称】イメージ エーアイ プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Emage AI Pte Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダウ シー ヒエウ
(72)【発明者】
【氏名】グェン ホアン バオ
(72)【発明者】
【氏名】タン ジア ヤウ
【テーマコード(参考)】
2G051
2G086
2H006
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051AB01
2G051AB02
2G051AB11
2G051BA06
2G051BA20
2G051BB02
2G051BB03
2G051BB05
2G051CA04
2G051CB02
2G051CB05
2G086FF05
2G086FF06
2H006DA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】乾燥美容用コンタクトレンズを、不完全な構造、不適切なパターン印刷、印刷の汚れ、誤った色、埋め込まれた異物または汚染物質、などの欠陥に関して検査する。
【解決手段】美容用レンズの画像を取り込むための上部カメラ10と、垂直軸に対して鋭角に配置され、平行かつ一直線な照明場を生成するようにレンズシステムと一体化された上部照明15と、レンズ後部を照明するように設計された下部照明と、レンズを所定の位置に正確に位置させるとともに、照明を拡散させるための光学的に透明なガラスプレート30上に、検査対象のコンタクトレンズ40を前面をカメラおよび上部照明に向けた状態で配置する。上部および下部照明は、セグメント化されたLED配置を使用して、強度および動作時間に関してLEDセグメントのプログラム可能な作動を動的にもたらす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの着色剤および結合ポリマーを使用して前面に多層のインクが印刷された乾燥美容用コンタクトレンズを、不完全な構造、不適切なパターン印刷、印刷の汚れ、誤った色、埋め込まれた異物または汚染物質、などの欠陥に関して検査するためのシステムであって、
a)前記美容用レンズの画像を取り込むための上部カメラと、
b)垂直軸に対して鋭角に配置され、平行かつ一直線な照明場を生成するようにレンズシステムと一体化されたIR波長LEDを使用して設計された上部照明と、
c)レンズ後部を照明するようにIR波長LEDを使用して設計された下部照明と、
d)前記レンズを所定の位置に正確に位置させるとともに、前記照明を拡散させるための光学的に透明なガラスプレートと、
e)前面を前記カメラおよび上部照明に向けた状態で前記透明なガラスプレート上に配置された検査対象のコンタクトレンズと
を含んでおり、
f)前記上部および下部照明は、セグメント化されたLED配置を使用して、強度および動作時間に関してLEDセグメントのプログラム可能な作動を動的にもたらすように設計されている、システム。
【請求項2】
少なくとも1つの着色剤および結合ポリマーを使用して前面に多層のインクが印刷された乾燥美容用コンタクトレンズを、不完全な構造、不適切なパターン印刷、印刷の汚れ、誤った色、埋め込まれた異物または汚染物質、などの欠陥に関して検査するための方法であって、
a)乾燥美容用レンズを、前面を上部カメラおよび上部照明に向けた状態で、透明なガラス表面上に配置するステップと、
b)IR LEDに基づく前記上部照明をオンにし、下部照明をオフにした状態で前記カメラを使用して取り込まれた乾燥美容用レンズ画像の明視野像を分析するステップと、
c)前記像の増強が必要であるかどうかを識別し、前記レンズの特定の領域を強調するように前記上部照明モジュールの複数のセグメントを適切に選択するステップと、
d)新たな上部照明設定にて前記明視野像を再び取り込み、異なる屈折率の材料によって引き起こされる散乱に起因する照明の逸脱の小さな変化を、たとえ前記材料がインクの層間に存在する場合であっても検出することにより、欠陥を識別するステップと
を含む方法。
【請求項3】
前記像は、前記レンズ内の埋め込まれた欠陥および汚染物質を識別するために、屈折率の変化に起因する照明の偏向の小さな逸脱を検査するためのシュリーレンシステムを使用して分析される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの着色剤および結合ポリマーを使用して前面に多層のインクが印刷された乾燥美容用コンタクトレンズを、不完全な構造、不適切なパターン印刷、印刷の汚れ、誤った色、埋め込まれた異物または汚染物質、などの欠陥に関して検査するための方法であって、
a)乾燥美容用レンズを、前面を上部カメラおよび上部照明に向けた状態で、透明なガラス表面上に配置するステップと、
b)IR LEDに基づく下部照明をオンにし、前記上部照明をオフにした状態で前記カメラを使用して取り込まれた乾燥美容用レンズ画像の暗視野像を分析するステップと、
c)前記像の増強が必要であるかどうかを識別し、前記レンズの特定の領域を強調するように前記下部照明モジュールの複数のセグメントを適切に選択するステップと、
d)新たな下部照明設定にて明視野像を再び取り込み、異なる屈折率の材料によって引き起こされる散乱に起因する照明の逸脱の小さな変化を、たとえ前記材料がインクの層間に存在する場合であっても検出することにより、欠陥を識別するステップと
を含む方法。
【請求項5】
前記像は、前記レンズ内の埋め込まれた欠陥および汚染物質を識別するために、屈折率の変化に起因する照明の偏向の小さな逸脱を検査するためのシュリーレンシステムを使用して分析される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの着色剤および結合ポリマーを使用して前面に多層のインクが印刷された乾燥美容用コンタクトレンズを、不完全な構造、不適切なパターン印刷、印刷の汚れ、誤った色、埋め込まれた異物または汚染物質、などの欠陥に関して検査するための方法であって、
e)乾燥美容用レンズを、前面を上部カメラおよび上部照明に向けた状態で、透明なガラス表面上に配置するステップと、
f)両方のIR LEDに基づく照明モジュールをオンにした状態で前記カメラを使用して取り込まれた乾燥美容用レンズ画像の像を分析するステップと、
g)前記像の増強が必要であるかどうかを識別し、前記レンズの特定の領域を強調するように前記両方の照明モジュールの複数のセグメントを適切に選択するステップと、
h)新たな照明設定にて像を再び取り込み、異なる屈折率の材料によって引き起こされる散乱に起因する照明の逸脱の小さな変化を、たとえ前記材料がインクの層間に存在する場合であっても検出することにより、欠陥を識別するステップと
を含む方法。
【請求項7】
前記像は、前記レンズ内の埋め込まれた欠陥および汚染物質を識別するために、屈折率の変化に起因する照明の偏向の小さな逸脱を検査するためのシュリーレンシステムを使用して分析される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容用の眼用レンズにおける欠陥を検出するための装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、乾燥美容用レンズにおける欠陥および異物汚染物質を、自動眼用レンズ製造機におけるインライン検査システムとしての統合に適したIR波長照明コンタクトレンズを使用して検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
眼用レンズ、とくには使い捨てのソフトコンタクトレンズの製造は、再使用可能な金型の助けにより、完全に自動化された製造ラインで製造することができる。製造プロセスは、エンドユーザに魅力的なパターンが印刷された美容用レンズを装着する選択肢を提供するように前進している。パターンは、典型的には、少なくとも1つの着色剤および少なくとも1つの結合ポリマーを他の溶媒の中に含んでいるインクを使用して、眼用レンズの前面に印刷され、レンズ表面に薄膜を形成する。また、インクパターンは、さまざまなユーザの好みに対応すべく必要なパターンを達成するために、多色インクのいくつかの層を備えることができる。レンズ鋳型からコンタクトレンズの前面へのインク転写のプロセスにおいて、異物または汚染物質がインクパターンの層内に埋め込まれる可能性がある。不完全な構造、あるいはインクの層間またはレンズ表面に埋め込まれた不確かな材料の繊維または小片などの異物、などの欠陥を有する眼用レンズを、検出して排除しなければならない。そのような欠陥の検査の際に、検査システムは、高品質の製品を顧客へと出荷できるように、欠陥を抽出し、製造要件に従って欠陥を識別し、分類し、処理する必要がある。人力による方法は低速であり、レンズの選択的なサンプル検査は、そのような方法に一般的に関連する不充分な品質チェックという問題を引き起こす。したがって、製造された製品の100%が検査され、それらの特性に従って分離されることを保証することが、コンタクトレンズ製造業者にとって必須かつ重要な要件である。信頼できる製品品質を保証するために、高速であり、正確であり、信頼でき、一貫性がある検査方法を展開する必要がある。
【0003】
コンタクトレンズ用のいくつかの種類の手動検査システムが存在するが、最も一般的なシステムの1つは、光学系を介して眼用レンズの拡大画像を観察し、欠陥レンズを手動で抽出することができるオペレータを必要とする。このようなシステムは、サンプル検査に適するが、高速自動製造システムへの統合が不可能であり、なぜならば、各々のレンズの検査に必要な時間ゆえに、そのような目的に適さないからである。
【0004】
眼用レンズ用のいくつかの先行技術の自動検査システムは、いかなる印刷またはパターンも重ねられていない透明なレンズ上の切れ目、裂け目、気泡、および異物などの欠陥を検出することができる可視範囲の波長の照明光モジュールを利用する。しかしながら、美容用の眼用レンズ上の印刷の層の間に繊維および異物が埋め込まれた場合、従来の検査システムは、そのような欠陥が可視範囲の波長のLEDを使用して設計された照明光モジュールの下では増強または強調されないため、それらを識別することができない。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、赤外(IR)波長に基づく照明モジュール、すなわちレンズの上部に配置された一次照明手段、およびレンズの底部を照明するための二次照明手段の形態の解決策を提供する。それらは、欠陥が美容用インク層の間に存在する場合であっても、欠陥を強調することができ、これは、可視波長の照明モジュールでは達成することができない。IRに基づく照明モジュールは、ソフトウェアアルゴリズムを使用して欠陥の識別を支援しつつ、欠陥の外形を強調することができる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、先行技術の前述の欠点を克服し、美容用の眼用レンズを製造するために典型的に使用されるプロセスにおいてインクの層の間に存在する欠陥を検査するために適したIR LEDに基づく照明モジュールの使用の効率を大幅に高める方法を提案することである。
【0007】
本発明は、従来の検査システムの少なくとも1つ以上の欠点に対処する。
【0008】
一態様において、本発明は、眼用レンズを凸側をカメラの方へと上方に向けた状態で所定の位置に位置させるために、好ましくは中央に凹部を有する光学的に透明なプレートを備える検査システムを提供する。美容用レンズは、レンズの凸面に層状に印刷されるシリコーン系インクの複数の層を使用して製造される。各層の印刷時に、インクの2つの層の間または印刷パターンの最上層にインクの汚れ、ほこり、または他の異物が埋め込まれる可能性がある。インクによって生じたものか、あるいは異物によって生じたものかにかかわらず、欠陥のサイズによっては、従来の照明下では欠陥を検出することが困難になる。したがって、特定の領域または眼用レンズの全体を照明するように設計されたIR LEDに基づく照明光源が、検査対象の眼用レンズを備える光学的に透明なプレートの底部に配置される。眼用レンズに欠陥が存在せず、レンズ内に異物が付着していない場合、IR照明は、逸脱または散乱を伴うことなくレンズを透過し、鮮明かつ透明な画像を取り込むことができる。しかしながら、眼用レンズに欠陥または異物が生じている場合、照明のIR光線は散乱させられ、その通常の経路から逸脱し、検査対象のレンズ内の欠陥を強調する画像の取り込みを可能にし、欠陥の分類およびその後のそれぞれのカテゴリへの仕分けに適したものにする。
【0009】
本発明の一態様によれば、シュリーレン法と美容用の眼用レンズの撮影画像とを組み合わせ、きわめて微細な欠陥を効果的に抽出することができる複雑な画像処理アルゴリズムを適用することによって提供される方法が存在する。シュリーレンシステムは、屈折率の小さな変化を見て取ることができる検査にきわめて有用である。光ビームの方向は、屈折率の小さな変化によって容易に変化し得る。IR波長における光線のこの逸脱は顕著であり、撮影画像において高い明瞭性および一貫性で小さな欠陥を強調することを可能にする。
【0010】
本発明の別の態様によれば、平行かつ一直線な照明場を生成するようにレンズシステムと一体化された垂直軸に対して鋭角に配置されたIR LEDを使用して照明システムを設計するための方法が存在する。IR LEDの波長の透過性および異なる屈折率の材料を通過するときに通常の経路から逸脱する特性と組み合わせて、美容用の眼用レンズにおいて、インクの層の間に存在する欠陥を含む欠陥が、レンズ内の欠陥およびその周囲における光散乱によって容易に強調される。
【0011】
別の態様において、本発明は、好ましくは、美容用および/または透明な眼用レンズにおける欠陥を強調するために、トリガパルスの強度およびタイミングについて制御される照明の特定のセグメントの選択的使用を可能にする方法を提供する。
【0012】
本発明のさらなる詳細および利点を、以下の説明および図面から理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の完全な理解を、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて検討することによって得ることができる。
【0014】
【
図1】本発明の好ましい実施形態を示している。装置100は、高解像度カメラ10と、ガラスプラットフォーム30上に配置されたレンズ40を眺めるための光学レンズ20と、照明50をコンタクトレンズ40へと導くためのLEDに基づく照明モジュール50とを備え、上記のすべてが装置の光軸25に適切に整列させられる。照明モジュール50は、カメラおよび/またはLEDセグメントの照明トリガパルス幅および強度を制御するために、プログラム可能な発光コントローラ(図示せず)によって制御される。
【
図2】上部LED照明モジュール(
図1の15)によって照明された眼用の美容用レンズの画像を示している。
【
図3】バックライトIR LED照明モジュール(
図1の50)を使用して照明された眼用の美容用レンズおよびレンズの表面上のさまざまな種類の異物汚染物質の画像を示している。
【
図4】バックライトIR LED照明モジュール(
図1の50)を使用して照明された眼用の美容用レンズおよびレンズの表面上のさまざまな種類の異物汚染物質の画像を示している。
【
図5】バックライトIR LED照明モジュール(
図1の50)を使用して照明された眼用の美容用レンズおよびレンズの表面上のさまざまな種類の異物汚染物質の画像を示している。
【
図6】バックライトIR LED照明モジュール(
図1の50)を使用して照明された眼用の美容用レンズおよびレンズの表面上のさまざまな種類の異物汚染物質の画像を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「コンタクトレンズまたは眼用レンズ」は、着用者の眼の上または眼の中に配置することができる可撓性レンズを指す。コンタクトレンズは、ユーザの視力を矯正、改善、または変更することができるが、そのようである必要はない。さらに、コンタクトレンズは、レンズの前側(レンズの凸側とも呼ばれる)に印刷された色およびデザインの種類に基づく美容用の特徴を追加することもできる。美容用の特徴は、多数の形態で適用可能である。1つの一般的に使用される方法は、ソフトレンズ、ハードレンズ、またはハイブリッドレンズ上に承認された適切な材料を使用してそのような設計を印刷することである。コンタクトレンズは、乾燥状態または湿潤状態であってよい。「乾燥状態」は、水和前の状態のソフトレンズ、あるいは保管または使用条件下でのハードレンズの状態を指す。「湿潤状態」は、水和状態のソフトレンズを指す。本明細書で使用されるとき、コンタクトレンズの「フロント面または前面」は、適用時に眼とは反対側を向くレンズの表面を指し、典型的には実質的に凸状である前面を、レンズの前側曲面と呼ぶこともできる。本明細書において使用されるとき、コンタクトレンズの「リア面または後面」は、眼の表面と接触するレンズの表面を指す。典型的には実質的に凹状であるリア面を、レンズのベース曲面と呼ぶこともできる。「有色コンタクトレンズ」は、前面にカラー画像が印刷されたコンタクトレンズ(ハードまたはソフト)を指す。カラー画像は、例えば、虹彩状パターン、オーダーメイド(MTO)パターン、などの美容用パターンであってよい。カラー画像は、単色画像または多色画像であってよい。カラー画像は、好ましくはデジタル画像であるが、アナログ画像であってもよい。有色コンタクトレンズを、高品質のカラー画像を1層ずつ、あるいは1回で、コンタクトレンズ上に直接印刷することによって製造することができる。最初に、コンタクトレンズは、印刷前に透明であってよく、あるいはコンタクトレンズは、印刷前に着色されてもよい。コンタクトレンズにおける美容用の特徴が、IRISの周囲に適用されることに留意することが重要である。IRISと呼ばれる中央領域は、通常は透明である。印刷の方法は、本発明の範囲を超えるため、説明しない。
【0016】
印刷プロセスにおいて、さまざまな形態の塵埃粒子などの汚染物質、印刷材料の汚れ、などがコンタクトレンズ上に生じる可能性がある。そのような製品は、感染および他の関連する問題の可能性ゆえに、眼における使用に関して医学的に不適合なレンズをもたらす。
【0017】
コンタクトレンズの前面にパターンを印刷するプロセスにおいて、配合物は、さまざまなパターンを達成するために、例えば、UV吸収剤、視認性着色剤(例えば、染料、顔料、またはそれらの混合物)、抗菌剤(例えば、好ましくは銀ナノ粒子)、生物活性剤、浸出性潤滑剤、浸出性涙安定化剤、およびこれらの混合物などの当業者に知られた他の必要な成分をさらに含むことができ、そのプロセスの最中に、染料の層および他の層の間に複数の種類の汚染物質が導入される可能性がある。製造プロセスの最中にそのような層内に埋め込まれた欠陥は、完全にカモフラージュされる可能性があり、従来の検査システムによるそれらの検出および排除を妨げる。
図2の画像に、印刷されたレンズパターンが、明視野照明の構成で示されている。照明モジュール15は、ガラスプレート30上に位置するコンタクトレンズ40の凸面または前面を増強するようにトリガされ、あるいは通電される。
図2の画像を分析して、パターンの欠陥、コントラスト、色、汚れ、および他の寸法関連の問題を抽出することができる。しかしながら、異物汚染物質がレンズ表面の美容用パターンに埋め込まれている場合、それはきわめて困難であり、あるいは多くの場合に不可能である。
【0018】
図3は、IR LEDに基づくモジュールで照射されたコンタクトレンズの画像を示しており、前面に印刷された美容用パターンは見えず、不透明領域30が、レンズ上で識別された汚染物質または異物を示している。汚染物質のコントラストが、バックライト照明において増強されており、IR LEDに基づく照明を使用するとき、その波長ゆえにさらに増強される。
【0019】
別の異物35が強調された別の例が、
図4に示されており、さらに別の例において、異物40および45がそれぞれ
図5および
図6に示されている。
【0020】
図4~
図6に示した画像から明らかなように、IR光線は、不透明な異物に遭遇したときに通過することができず、したがって通常の経路から逸脱し、この光線散乱の一部が光学レンズに進入して、欠陥の画像を生じさせる。この現象は、IR LEDに基づく照明を使用する場合にとくに顕著であり、コンタクトレンズの品質に影響を及ぼしかねないきわめて微細な粒子の検出を助ける。異物または汚染物質を画像処理によって容易に検出することができ、先行技術と比べて検査精度を向上させることができる。その後、不良レンズを選別して除去することにより、製造プロセスの生産性および効率が向上し、結果として、顧客に良好な品質の製品が届けられる。
【外国語明細書】