(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013037
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びゲーム用プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20230119BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230119BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230119BHJP
A63F 13/25 20140101ALI20230119BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20230119BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20230119BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230119BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230119BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/79
A63F13/45
A63F13/25
A63F13/428
A63F13/216
A63F13/30
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116928
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】518376015
【氏名又は名称】株式会社LATEGRA
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 直人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】効果的にユーザのログインを促す、ゲームシステム、制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】
ゲームシステム1は、ゲーム実行制御部C(7および17)と、表示部9と、操作部11と、ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部19と、情報記憶手段21と、連絡先情報を用いてユーザ通信端末YTに対してメッセージを送信するメッセージ送信部23を備えている。ゲーム実行制御部Cは、ユーザのゲーム内評価を行い、ゲーム内評価をパラメータの一つとしてゲームを進行する。本発明では、メッセージ送信部23は、ユーザがゲームにログインした後、ユーザ通信端末に対して、ユーザが次回ログインを行うべき実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信する。そして、ゲーム実行制御部Cは、メッセージで指定したログイン日時と、ユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にしてユーザのゲーム内評価を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲーム実行制御部と、
前記ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、
ユーザが操作する操作部と、
前記ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、
前記操作部からの前記ユーザの前記ゲームへのログイン日時を前記実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、前記ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、前記ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、
前記連絡先情報を用いて前記ユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備え、
前記ゲーム実行制御部が、前記ゲームをする前記ユーザの前記ゲーム内評価を行う機能と、前記評価情報記憶部に記憶されている前記ユーザの前記ゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとして前記ゲームを進行する機能を有するゲームシステムであって、
前記メッセージ送信部は、前記ユーザが前記ゲームにログインした後、前記連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの前記連絡先情報に基づいて、前記ユーザ通信端末に対して、前記ユーザが次回ログインを行うべき前記実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信し、
前記ゲーム実行制御部は、前記メッセージで指定した前記ログイン日時と、前記実時間計数部が計数した前記ユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にして前記ユーザのゲーム内評価を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記メッセージ送信部は、一度前記ログインがなされると、前記ユーザが前記ゲームにログインしていない時間帯に前記メッセージを送信する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム実行制御部は、前記ユーザ評価に応じて、前記ユーザのゲーム進行ストーリを変化させる請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記表示部は、前記ユーザに対して仮想現実空間を表示することができるVRヘッドセットである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記VRヘッドセットは、前記ゲームにログインしてゲームをプレイしている間の前記ユーザの頭の向きに関する情報を取得可能であり、
前記ゲーム実行制御部は、前記ユーザの頭の向きに関する情報にも応じて、前記ユーザ評価を行う請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
位置情報を取得し、前記位置情報を前記ユーザの現在位置として記憶する位置測位部をさらに備えており、
前記メッセージ送信部が送信する前記メッセージには、次回ログインを行うべき場所も指定されており、
前記ゲーム実行制御部は、さらに、前記メッセージで指定したログイン場所と、前記ユーザが実際にログインしたログイン場所との一致度に応じて前記ユーザのゲーム内評価を行う請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ユーザは、前記メッセージに対して返信をすることで、前記メッセージで指定されたログイン日時を変更することが可能な請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
ゲームを実行するゲーム実行制御部と、
前記ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、
ユーザが操作する操作部と、
前記ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、
前記操作部からの前記ユーザの前記ゲームへのログイン日時を前記実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、前記ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、前記ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、
前記連絡先情報を用いて前記ユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備え、
前記ゲーム実行制御部が、前記ゲームをする前記ユーザの前記ゲーム内評価を行う機能と、前記評価情報記憶部に記憶されている前記ユーザの前記ゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとして前記ゲームを進行する機能を有するゲームシステムの制御方法であって、
前記ユーザが前記ゲームにログインした後、前記連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの前記連絡先情報に基づいて、前記ユーザ通信端末に対して、前記ユーザが次回ログインを行うべき前記実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信するステップと、
前記メッセージで指定した前記ログイン日時と、前記実時間計数部が計数した前記ユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にして前記ユーザのゲーム内評価を行うステップとを有することを特徴とするゲームシステムの制御方法。
【請求項9】
ゲームを実行するゲーム実行制御部と、
前記ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、
ユーザが操作する操作部と、
前記ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、
前記操作部からの前記ユーザの前記ゲームへのログイン日時を前記実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、前記ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、前記ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、
前記連絡先情報を用いて前記ユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備え、
前記ゲーム実行制御部が、前記ゲームをする前記ユーザの前記ゲーム内評価を行う機能と、前記評価情報記憶部に記憶されている前記ユーザの前記ゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとして前記ゲームを進行する機能を有するゲームシステムで実行されるゲーム用プログラムであって、
前記ユーザが前記ゲームにログインした後、前記連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの前記連絡先情報に基づいて、前記ユーザ通信端末に対して、前記ユーザが次回ログインを行うべき前記実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信するステップと、
前記メッセージで指定した前記ログイン日時と、前記実時間計数部が計数した前記ユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にして前記ユーザのゲーム内評価を行うステップとを有することを特徴とするゲーム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びゲーム用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、仮想世界(ゲーム内)の仮想キャラクタから現実世界のユーザに対してメッセージを送信してユーザのアクセスを促すゲームシステムが知られている(特許第3799134号(特許文献1))。このゲームシステムでは、ユーザのアクセス履歴に基づいて、メッセージが変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近のゲームは、ゲームに実際にログインする「アクティブユーザー数」が重要な指標の1つとなっている。そのため、ゲームへのログインを促す施策が重要になっている。
【0005】
特許文献1に記載のようなゲームでは、ゲーム内のキャラクタからの通知を受けて、ゲームにログインすれば、ユーザの都合に合わせて、いつでもキャラクタと会うことが可能であり、意外性がなく、ユーザのログインを促す効果が弱い。
【0006】
本発明の目的は、効果的にユーザのログインを促すことができる、ゲームシステム、制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲームシステムは、ゲームを実行するゲーム実行制御部と、ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、ユーザが操作する操作部と、ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、操作部からのユーザのゲームへのログイン日時を実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、連絡先情報を用いてユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備えており、ゲーム実行制御部が、ゲームをするユーザのゲーム内評価を行う機能と、評価情報記憶部に記憶されているユーザのゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとしてゲームを進行する機能を有する。
【0008】
本発明のゲームシステムのハードウェア構成は任意である。例えば、ユーザが直接操作するゲーム端末が、上記ゲーム実行制御部と、表示部と、操作部を備えていて、ゲームシステムを管理する管理サーバが、実時間計数部と、情報記憶手段と、メッセージ送信部を備えていてもよい。この場合、ゲーム端末は、携帯電話、スマートフォン、パソコン、据置型ゲーム専用機、携帯型ゲーム専用機が想定されるが、これらに限られるものではない。また、表示部として(ゲーム端末一体型含む)、ユーザに対して仮想現実空間を表示することができるVR(Virtual Reality)ヘッドセット等も用いることができる。
【0009】
本発明のメッセージ送信部は、ユーザがゲームにログインした後、連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの連絡先情報に基づいて、ユーザ通信端末に対して、ユーザが次回ログインを行うべき実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信する。また、ゲーム実行制御部は、メッセージで指定したログイン日時と、実時間計数部が計数したユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にしてユーザのゲーム内評価を行う。
【0010】
本発明では、ゲームシステムではない、ユーザ通信端末に対して、ユーザが次回ログインを行うべきログイン日時を実時間で指定するメッセージを送信することで、実時間、すなわち、現実の時間でユーザにゲームへのログインを促す。したがってユーザは、ユーザの現実の生活の一部としてゲームを行うことが必要になり、ゲームをより身近なものとして楽しむことができる。しかも、メッセージで指定したログイン日時とユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度に基づいてユーザのゲーム内評価を行うことで、指定の実時間にログインすることが、ゲームの進行に大きく影響を与えることをユーザは実感し、さらに現実の生活の中の一部としてゲームをするとことの必要性をユーザに実感させることができ、結果として、ゲームへのログイン数を増やす効果を得ることができる。これに対して、従来のゲームでは、実時間でゲームへの参加を促すことは行われておらず、ゲーム内に設定された大まかな仮想の時間軸でゲームが進行するので、ゲームの進行を現実の生活の一部として実感することはない。
【0011】
例えば、ゲーム内に登場する仮想キャラクタからメッセージを送信したと演出すれば、ユーザはゲーム内に登場する仮想キャラクタと実時間で待ち合わせるという感覚を体験することができる。
【0012】
メッセージ送信部は、一度ログインがなされた後、どのような実時間の時間帯にメッセージを送信するようにしてもよい。ゲームにログイン中にメッセージを送信してもよいし、ログインを促すため、ユーザがゲームにログインしていない時間帯に、任意の実時間にメッセージを送信してもよい。さらにゲーム内評価によって、メッセージを送信する実時間における時間を変えるようにしてもよい。
【0013】
ユーザ評価はどのように利用してもよい。例えば、ゲーム実行制御部は、ユーザ評価に応じて、ユーザのゲーム進行ストーリを実時間に基づいて変化させるようにしてもよいのはもちろんである。例えば、時間厳守率が高いユーザには、実時間での時間厳守をしなければ体験できないさらに時間厳守を高める方向のストーリへ進み、実時間での時間厳守ができないユーザには、時間厳守をしないことにより、予想外の展開になるストーリへと進むようにすることができる。このようにするとユーザの現実の生活行動が、ゲームの進行(ストーリ)に影響を与えることをユーザが実感することになり、ユーザは実時間での行動を、ゲームの進行を意識して変えることになり、実生活とゲームとが同じ空間内で進んでいることを実感することになって、ゲームへの参加をさらに促すことになる。
【0014】
VRヘッドセットを用いる場合、多くのVRヘッドセットは、ゲームにログインしてゲームをプレイしている間のユーザの頭の向きに関する情報を取得可能である。そこで、ゲーム実行制御部は、ユーザの頭の向きに関する情報にも応じて、ユーザ評価を行うようにしてもよい。このようにすれば、表示されている仮想キャラクタの方を向いていたか否か等によって、ユーザ評価を行うことができるようになる。
【0015】
ゲームシステム(特にゲーム端末)が、位置情報を取得し、位置情報をユーザの現在位置として記憶する位置測位部をさらに備えている場合、ログインを行う際の場所を指定したゲームを展開することも可能である。この場合、メッセージ送信部が送信するメッセージには、次回ログインを行うべき場所も指定されており、ゲーム実行制御部は、さらに、メッセージで指定したログイン場所と、ユーザが実際にログインしたログイン場所との一致度に応じてユーザのゲーム内評価を行うことができる。このようにすると実際にログインを行うべき場所にユーザが行かなければならず、ユーザの現実の生活の中で、ゲームの進行のために必要な行動をしなければならなくなるので、さらに現実の生活とゲームの進行とが、実時間で進行していることをユーザに実感させることができる。
【0016】
ゲームシステムの方から決められた実時間でのログイン日時は、ユーザによって変更できなくてもよいが、ユーザの実時間における都合に合わないことも想定される。そこで、ログイン日時を変更する手段を備えていてもよい。例えば、ユーザは、メッセージに対して返信をすることで、メッセージで指定された実時間のログイン日時を変更することが可能であってもよい。このようにするとユーザの実際の予定を考慮してゲームの進行予定を変更することができるので、さらにゲームの進行とユーザの現実の生活との一体感をユーザが感じることになり、ユーザの現実の生活の中で、ゲームの継続性を高めることができる。
【0017】
本発明はゲームシステムの制御方法としても把握する(または表現する)ことができる。すなわち、ゲームを実行するゲーム実行制御部と、ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、ユーザが操作する操作部と、ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、操作部からのユーザのゲームへのログイン日時を実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、連絡先情報を用いてユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備え、ゲーム実行制御部が、ゲームをするユーザのゲーム内評価を行う機能と、評価情報記憶部に記憶されているユーザのゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとしてゲームを進行する機能を有するゲームシステムの制御方法に関するものである。
【0018】
本発明のゲームシステムの制御方法では、ユーザがゲームにログインした後、連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの連絡先情報に基づいて、ユーザ通信端末に対して、ユーザが次回ログインを行うべき実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信するステップと、メッセージで指定したログイン日時と、実時間計数部が計数したユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にしてユーザのゲーム内評価を行うステップとを有する。
【0019】
本発明はゲーム用プログラムとしても把握する(または表現する)ことができる。すなわち、ゲームを実行するゲーム実行制御部と、ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有する表示部と、ユーザが操作する操作部と、ゲーム進行中の実時間を計数する実時間計数部と、操作部からのユーザのゲームへのログイン日時を実時間計数部により検知して記憶するログイン日時情報記憶部と、ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部と、ユーザのユーザ通信端末の連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部とを少なくとも含む情報記憶手段と、連絡先情報を用いてユーザ通信端末に対してメッセージを送信するメッセージ送信部を備え、ゲーム実行制御部が、ゲームをするユーザのゲーム内評価を行う機能と、評価情報記憶部に記憶されているユーザのゲーム内評価を、ゲームを進行するパラメータの一つとしてゲームを進行する機能を有するゲームシステムで実行されるゲーム用プログラムに関するものである。
【0020】
本発明のゲーム用プログラムでは、ユーザがゲームにログインした後、連絡先情報記憶部に記憶されている該ユーザの連絡先情報に基づいて、ユーザ通信端末に対して、ユーザが次回ログインを行うべき実時間におけるログイン日時を指定するメッセージを送信するステップと、メッセージで指定したログイン日時と、実時間計数部が計数したユーザが実際にログインしたログイン日時との一致度を基準にしてユーザのゲーム内評価を行うステップとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のゲームシステムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【
図2】ゲーム用プログラムのアルゴリズムの一例を示すシーケンス図である。
【
図3】本実施の形態のゲームのサンプルシナリオを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、ゲームシステム、ゲームシステムの制御方法及びゲーム用プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明のゲームシステムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態のゲームシステム1は、ゲーム端末3と、ゲーム端末3と電気通信回線NWを介して接続された管理サーバ5とから構成されている。
【0024】
ゲーム端末3は、携帯電話、スマートフォン、パソコン、据置型ゲーム専用機、携帯型ゲーム専用機が想定されるが、これらに限られるものではない。本実施の形態では、ゲーム装置3は、ゲームを内容とするコンピュータプログラム(以下、「ゲーム用プログラム」)がインストールされた携帯型ゲーム専用機である。ゲーム用プログラムを実行することで、ゲーム端末3内には、
図1に示した機能ブロックが実現されている。ゲーム用プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等の媒体を介して導入されるものでもよく、また、電気通信回線NWを介して提供サーバからダウンロードして入手するものであってもよい。
【0025】
ゲーム端末3は、端末側制御部7と、表示部9と、操作部11と、データ記憶部13と、通信部15とを備えている。
【0026】
端末側制御部7は、ゲーム用プログラムを読み込んで、管理サーバ5(特に、サーバ側制御部17)と協働してゲームを実行する。表示部9は、ゲームのゲーム画面を表示する表示画面を有するものである。本実施の形態では、表示部9は、ユーザに対して仮想現実空間を表示することができるVR(Virtual Reality)ヘッドセットである。VRヘッドセットは、ゲームにログインしてゲームをプレイしている間のユーザの頭の向きに関する情報を取得可能である。操作部11は、ユーザが操作し、ゲーム内のログイン・ログオフ処理、キャラクタの移動、選択肢の選択、文字の入力等に用いるものであり、本実施の形態では、ゲーム端末3の電源ボタンやコントローラである。データ記憶部13は、ゲーム用プログラムの他、ゲーム用プログラムのプレイデータ、ユーザが設定した設定条件等の情報を記憶している。
【0027】
本実施の形態では、後述の通り、管理サーバ5からのメッセージを受信するため、ゲーム端末3以外のユーザ所持のユーザ通信端末YTが、ゲームシステム1の一部として組み込まれている。本実施の形態では、ユーザ通信端末YTは、電子メールを受信可能な、ユーザ所持のスマートフォンである。なお、ユーザ通信端末YTは、管理サーバ5からのメッセージを受信できればよく、携帯電話やパソコン等でもよく、また、メッセージの受信手段も、電子メールに限らず、メッセージの受信が可能なFacebook(登録商標)メッセンジャーや、LINE(登録商標)のような通信アプリケーションでもよい。なお、ゲーム端末3とユーザ通信端末YTが完全に別の端末であることまでを要求するものではなく、例えば、ゲーム端末3としてスマートフォンを利用する場合、ユーザ通信端末YTが同じスマートフォンであってもよい。
【0028】
管理サーバ5は、サーバ側制御部17と、実時間計数部19と、情報記憶手段21と、メッセージ送信部23と、通信部25とを備えている。
【0029】
サーバ側制御部17は、ゲーム端末3(特に端末側制御部7)と協働してゲームを実行する。実時間計数部19は、ゲーム進行中の実時間(年月日及び時間)を計数する。ここで「実時間」は、例えば、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が「NICT インターネット時刻供給サービス」により提供する日本標準時に基づいて管理サーバ5の実時間計数部19に設定されるものであるが、完全に一致している必要はなく、インストールする機器の性能等による実用上の誤差は許容される。また本発明が日本以外で実施される場合には、その国の標準時を用いることになる。
【0030】
情報記憶手段21は、操作部11からのユーザのゲームへのログイン日時を実時間計数部19により検知して記憶するログイン日時情報記憶部21Aと、ユーザのゲーム内評価の情報を記憶する評価情報記憶部21Bと、ユーザのユーザ通信端末YTの連絡先情報を記憶する連絡先情報記憶部21Cとを少なくとも含む。メッセージ送信部23は、連絡先情報記憶部21Cに記憶されている連絡先情報を用いてユーザ通信端末に対してメッセージを送信する。
【0031】
<ゲーム進行>
図2は、ゲーム用プログラムのアルゴリズムの一例を示すシーケンス図であり、
図3は、本実施の形態のゲームのサンプルシナリオを示すフローチャートである。本実施の形態では、端末側制御部7及びサーバ側制御部17が協働して、
図2に示したシーケンス図に沿って、ユーザのゲーム内評価を行い、ゲームを進行する。以下では、端末側制御部7及びサーバ側制御部17を区別せず、ゲーム実行制御部Cとする。以下、
図3に示したサンプルシナリオに沿って、ゲームの進行を説明する。
【0032】
本サンプルシナリオは、ユーザが男性キャラクタとなり、ゲーム内の仮想キャラクタである女性と出会い、デート等を楽しむものである。ゲームをプレイ中は、ユーザはVRヘッドセットを装着し、操作部11を用いて操作を行う。下記の通り、ユーザの行動により、ゲーム内評価を示す「好」の値、及び、「嫌」の値が上下し、その値に応じて、ゲーム進行ストーリが変化するようになっている。
【0033】
初めて本ゲームをプレイする場合、ユーザは、ゲーム端末3を用いてゲームを起動し、アカウントの登録や、メッセージの送信先となる電子メールアドレスの登録等の初期設定を行う(ステップST1)。これにより、連絡先情報記憶部21Cにユーザ通信端末YTの連絡先情報が記憶される。その後、ユーザは、初回ログインを行う(ステップST2)。この時点では、ユーザのゲーム内評価は、「好=0,嫌=0」として、評価情報記憶部21Bに記憶される。管理サーバ5の方では、ログイン日時を記憶し(ステップST3)、初回ログイン用の動画を再生する(ステップST4)。ユーザは、VRヘッドセットを用いて再生されている動画を視聴するが、その間、VRヘッドセットは、ユーザの頭の向きに関する情報に基づいて、ユーザが仮想キャラクタである女性の方を1分以上向いていたか否かを判別し、ユーザのゲーム内評価を行う(ステップST5)。この例では、仮想キャラクタである女性の方を1分間以上向いていた場合(分岐B1-1)には、「好」の評価が+3され、向いていなかった場合(分岐B1-2)には、「好」の評価が+2される。以上で初回のプレイが終了するため、ユーザはゲームからログオフし、VRヘッドセットを外す(ステップST6)。
【0034】
その後、本シナリオでは、管理サーバ5のメッセージ送信部23からユーザ通信端末YT宛てにメッセージを送信する(ステップST7)。本実施の形態では、メッセージは、ユーザがゲームにログインしていない時間帯に送信されるようになっており、上記分岐B1-1及び分岐B1-2の場合には、ユーザがログオフしてから2時間後に、
図3に示すような好意的な内容、及び、次回ログインを行うべき待ち合わせ時間(この例では、翌日の12:00頃)を示すメッセージ(メッセージM1-1)がユーザ通信端末YTに届くようになっている。ユーザは、ユーザ通信端末YTを用いて届いたメッセージ内容を確認し、指定された日時にログインを行うことを検討することになる。
【0035】
なお、本例では、動画再生中にユーザがゲームを離脱してしまった場合(分岐B1-3)には、「好」の評価が+1され、且つ、「嫌」の評価が+1される。その後、10分後に、はぐれてしまった旨を伝えるメッセージ(メッセージM1-2)が届き、再度のログインを促すようになっている。
【0036】
本実施の形態では、次に、ゲーム実行制御部Cが、メッセージで指定したログイン時間と、実時間計数部19が計数したユーザが実際にログインしたログイン時間との一致度を基準にしてユーザのゲーム内評価を行う。本例では、指定されたログイン日時である「翌日12:00頃」を中心にして、次のように場合分けをしている:
(1)翌日11:40よりも前にログインをしても、仮想キャラクタはゲーム内に登場せず(すなわち、仮想キャラクタに会うことができず)、また、ユーザのゲーム内評価には影響がないようになっている
(2)翌日11:40~11:55の間(すなわち、指定された日時より少し早い時間)にログインを行うと(ステップST8・分岐B2-1)、ログイン日時を記憶し(ステップST9)、「好」の評価が+3され、且つ、「嫌」の評価が-2される(ステップST10)
(3)同様に、翌日11:55~12:10の間(すなわち、指定された日時ちょうど)にログインを行うと(分岐B2-2)、「好」の評価が+2され、且つ、「嫌」の評価が-1される
(4)翌日12:10~12:30の間(すなわち、指定された日時より少し遅れた時間)にログインを行うと(分岐B2-3)、「好」の評価が+1され、且つ、「嫌」の評価が+1される。
【0037】
ログインに続いて、得られたゲーム内評価に応じた動画が再生される(ステップST11)。本例では、本動画再生中はユーザのゲーム内評価を行っていないが、上記同様に行うようにしてもよいのはもちろんである(ステップST12)。以上で2回目のプレイが終了するため、ユーザはゲームからログオフし、VRヘッドセットを外す(ステップST13)。
【0038】
その後、ユーザのゲーム内評価に基づいて、管理サーバ5のメッセージ送信部23からユーザ通信端末YT宛てにメッセージ(メッセージM2-2~M2-4)を送信し、上記ステップST7乃至ステップST13が繰り返され、ストーリがさらに分岐していく。
【0039】
なお、上記例で、(5)翌日12:30を過ぎてもユーザがログインしない場合(分岐B2-4)には、管理サーバ5側のみで評価が行われ、この例では、「嫌」の評価が+2され、次に届くメッセージ(メッセージM2-1)では、次回ログインを行うべき待ち合わせ時間の指示がなく、ゲーム終了となる。ユーザはゲーム端末3を用いてゲームは行っていないが、ユーザの行動により、ゲームが進行するようになっている。
【0040】
上記実施の形態は、一例として記載したものであり、その要旨を逸脱しない限り、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0041】
例えば、ゲーム端末3は、ゲーム装置3の位置情報を取得し、位置情報をユーザの現在位置として記憶する位置測位部(GPS)を備えていてもよい。この場合、メッセージないに、次回ログインを行うべき日時以外に、場所も指定することができる。そして、ゲーム実行制御部Cは、メッセージで指定したログイン場所と、ユーザが実際にログインしたログイン場所との一致度に応じてユーザのゲーム内評価を行うことが可能である。
【0042】
また、上記実施の形態では、メッセージにて一方的にログイン日時を決められたが、ユーザがログイン日時を変更する手段を備えていてもよい。例えば、届いたメッセージに対して、ユーザの希望する日時を記入して電子メールにて返信を行い、ゲーム実行制御部Cでそれを承認すれば、新たなログイン日時を指定したメッセージを送信するようにしてもよい。また、管理サーバ5にAI(人工知能)からなるチャットボットを用意しておき、ユーザがアクセスして次のログイン日時の変更ができるようになっていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、効果的にユーザのログインを促すことができる、ゲームシステム、制御方法及びプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ゲームシステム
3 ゲーム端末
5 管理サーバ
7 端末側制御部
9 表示部
11 操作部
13 データ記憶部
15 通信部
17 サーバ側制御部
19 実時間計数部
21 情報記憶手段
21A ログイン日時情報記憶部
21B 評価情報記憶部
21C 連絡先情報記憶部
23 メッセージ送信部
25 通信部
NW 電気通信回線
YT ユーザ通信端末