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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130377
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】複合機能極低温保存容器
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230912BHJP
【FI】
A61J3/00 301
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101900
(22)【出願日】2023-06-21
(62)【分割の表示】P 2020558538の分割
【原出願日】2019-04-22
(31)【優先権主張番号】62/660,722
(32)【優先日】2018-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519421983
【氏名又は名称】バイオライフ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BioLife Solutions, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・シュライバー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】力学的衝撃への安定性を向上させた極低温保存物質の格納のためのデバイスを提供する。
【解決手段】同程度の容量の円筒形容器と比較した時に容積対表面積比率が増加した容器を備えるデバイスであって、容器内容物を取り囲む単一材料の連続的障壁を提供しながら、極低温においてもショック及び衝撃に対する耐性を維持する材料をさらに含む。本デバイスは、内部化されたセンサと、強化された外部機器とのインターフェースとを含み、最適化された解凍速度及び解凍後のサンプル処理能力を提供するように容易に変更可能な設計をさらに含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシェル部分と、
第2のシェル部分と、
封入容積と、を有する容器であって、
前記第1のシェル部分は、第1の寸法、第2の寸法、及び第3の寸法を有し、前記第1のシェル部分の前記第1及び第2の寸法は第1の主面エリアを画定し、前記第1の主面エリアは丸角を含み、前記第1のシェル部分の周は、第1の掃引リムプロファイルと、前記第1の主面エリアに平行かつ前記第1の掃引リムプロファイルの周から外向きに延在する第1のフランジとを有し、ここで、前記第1のシェルの前記第3の寸法は前記第1の主面から前記第1のフランジまでの距離を画定し、
前記第2のシェル部分は、第1の寸法、第2の寸法、及び第3の寸法を有し、前記第2のシェル部分の前記第1及び第2の寸法は第2の主面エリアを画定し、前記第2の主面エリアは丸角を含み、前記第2のシェル部分の周は、第2の掃引リムプロファイルと、前記第2の主面エリアに平行かつ前記第2の掃引リムプロファイルの周から外向きに延在する第2のフランジとを有し、ここで、前記第2のシェルの前記第3の寸法は前記第2の主面から前記第2のフランジまでの距離を画定し、
前記封入容積は、前記第1のフランジの表表面が前記第2のフランジの表表面と一緒に接合されたときに、前記第1のシェル部分の内側表面と前記第2のシェル部分の内側表面との間の空間により画定され、ここで、前記封入容積は前記容器の外側から隔離される、
容器。
【請求項2】
前記容器は、熱可塑性材料で構成される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジの表表面は熱溶着により接合される、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記熱可塑性材料は、コポリエステルである、
請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コポリエステルは、Eastman Chemical Company社により提供されるTritan(商標) MP100である、
請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2の主面のうち少なくとも一方に形成された窪みをさらに含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記窪みは、放射対称な壁を含む、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記窪みは、少なくとも2つの壁を含む、
請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも2つの壁は、前記少なくとも2つの壁の残りの部分の壁厚さよりも小さい壁厚さを有する部分領域を含む、
請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記窪みは、前記第1及び第2の主面のうちの少なくとも1つの角面上に位置する、
請求項6-9のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項11】
前記封入容積と連絡する貫通孔をさらに含み、熱溶着により個体材料部分と接合され、前記固体材料部分は前記貫通孔を選択的に密封して、前記貫通孔を前記容器の外部から隔離する、
請求項6-10のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項12】
前記窪みは、前記容器の掃引リムに位置する、
請求項6-11のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項13】
前記容器の外部に可逆的に接着されかつ、前記容器の外部から前記窪みの容積を隔離するために前記窪みのトップに配置された気密ラベルをさらに含む、
請求項6-12のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項14】
前記掃引リムプロファイルは、前記掃引リムプロファイルの経路長の拡張及び/又は収縮を可能にするように構成された曲率を含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第1の寸法と、前記第2及び第3の寸法の結合寸法との間の比率は、1:1から4:1である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の寸法と、前記第3の寸法との比率は、1:1から30:1である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の寸法と、前記第3の寸法との比率は、2:1から20:1である、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第2の寸法で乗算した前記第1の寸法は、3cmから300cmである、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2の寸法で乗算した前記第1の寸法は、300cmから1000cmである、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1及び第2のフランジのうち少なくとも1つは、1mmよりも大きい幅を有する、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第1及び第2のフランジの外周エッジと接触する保護バンパをさらに含む、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記保護バンパは、前記第1及び第2のフランジの外周エッジの一部分を包む、
請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記保護バンパは、フェルト材料により構成されている、
請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記フェルト材料はポリプロピレンである、
請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1のシェル部分は成形シェルであり、前記第2のシェル部分は平面シートであり、かつ前記第1及び第2のシェル部分は公称的に長方形である、
請求項1-24のうちいずれかに記載のデバイス。
【請求項26】
前記第1及び第2の掃引リムプロファイルのうち少なくとも1つの一部分を形成する導管をさらに含む、
請求項1-25のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項27】
前記第2のシェル部分の前記第2のフランジの外周エッジは、前記第1のシェル部分の前記第1のフランジの外周エッジを超えて延在する、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1のフランジ及び前記第2のフランジのうちの少なくとも1つに提供されたカットアウト領域をさらに含む、
請求項1-27のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項29】
第1の積層された層及び第2の積層された層の間に介在する電子センサ及び導電性回路のうち少なくとも1つをさらに含む、
請求項1-28のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項30】
前記電子センサは温度センサである、
請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記温度センサは、サーミスタ、RTDセンサ、及び熱電対からなる群から選択される、
請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記導電性回路の接触部分は、前記第1及び第2の積層された層を通って露出され及び/又はアクセス可能である、
請求項29-31のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項33】
前記封入容積内に配置されたドライバ要素をさらに含む、
請求項1-32のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項34】
前記ドライバ要素は、2つの不活性材料のシートの間に積層されたフェライト系シート材料を含む、
請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記不活性材料はポリマーを含む、
請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記封入容積は複数のチャンバを含む、
請求項1-35のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項37】
前記複数のチャンバのうち少なくとも2つは、互いに独立している、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記複数のチャンバのうち少なくとも1つは、溶液、組成物、製剤、微粒子懸濁液、ウイルス懸濁液、細胞懸濁液、及び多細胞生物懸濁液からなる群から選択される液体を含む、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項39】
前記複数のチャンバのうち少なくとも2つのチャンバは互いに接続されている、
請求項36に記載のデバイス。
【請求項40】
前記少なくとも2つのチャンバは、通路、導管、バルブ、ゲート、開口部、管腔、管路、チャネル、及びトンネルからなる群から選択される通路により互いに接続されている、
請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記第1及び第2のシェル部分のうちの少なくとも1つは、真空成形処理を通じて形成されている、
請求項1-40のうちいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項42】
請求項1-41のうちいずれか1つに記載の容器に入った液体を保存するための方法であって、
窪みを有する前記容器の角の位置を取得するステップと、
前記角を前記容器の他のどの角よりも高い位置に上げるステップと、
前記窪みを貫通するステップと、
前記貫通された窪みを通じて前記容器の封入容積にアクセスするステップと、
前記貫通された窪みに充填針を挿入するステップと、
前記充填針の第1の部分を介して封入容積に液体を導入しながら、同時に、充填針の第2の部分を介して封入容積から変位されたガスを除去するステップと、
前記充填針を前記封入容積及び前記貫通された窪みから引き出すステップと、
前記貫通された窪みを閉塞させるステップと、
を含む、
方法。
【請求項43】
前記閉塞された貫通された窪みの上に保護カバーを適用するステップをさらに含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記窪みを貫通するステップに先立って、前記窪みから保護カバーを取り除くステップをさらに含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記貫通された窪みを閉塞するステップは、前記貫通された窪みにプラグを挿入するステップを含む、
請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記プラグを前記窪みに溶着封止するステップをさらに含み、ここで、前記封入容積は、前記容器の外部から孤立している、
請求項45に記載の方法。
【請求項47】
請求項1-41のいずれか1つに記載の容器から液体を引き出すための方法であって、
第1の窪みを有する容器の第1の角の位置を取得するステップと、
前記角を前記容器の残りの角よりも高い位置に上げるステップと、
ベントツールで前記窪みを貫通するステップと、
前記容器の前記第1の角と反対に位置する前記容器の第2の角にある第2の窪みの位置を取得するステップと、
抽出ツールで前記第2の窪みを貫通するステップと、
前記容器から前記液体を引き出すステップと、
を含む、
方法。
【請求項48】
前記貫通するステップに先立って、前記第1及び第2の窪みのうち少なくとも1つから保護カバーを取り除くステップをさらに含む、
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ベントツール及び前記抽出ツールは無菌である、
請求項47に記載の方法。
【請求項50】
請求項33-35のうちいずれか1つに記載の容器の凝固内容物を解凍するための方法であって、
前記ドライバ要素は、前記第1の主面エリアと対応する前記第1のシェル部分の内表面と接触しており、
前記方法は、
第1のヒータブロック及び第2のヒータブロックの間で前記容器をクランプするステップであって、ここで、前記第1のヒータブロックは前記第1の主面エリアと接触しており、かつ前記第2のヒータブロックは前記第2の主面エリアと接触しており、前記第2のヒータブロックは磁気源をさらに含む、ステップと、
前記第1及び第2のヒータブロックの温度を上昇させるステップと、
前記磁気源を起動させるステップと、
前記第2の主面エリアと対応する前記第2のシェル部分の内側表面に前記ドライバ要素を磁気吸引するステップと、
前記ドライバ要素及び前記磁気源を通じて前記第2のシェル部分の内面に対して前記凝固内容物を変位させるステップと、
を含む、
方法。
【請求項51】
前記凝固内容物の液相が前記容器内に現れた時に、前記第1のヒータブロックの温度を下降させるステップをさらに含む、
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記磁気源は、永久磁石及び電磁石からなる群から選択される、
請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記第1及びダニのヒータブロックを前記容器から取り除くステップをさらに含む、
請求項50に記載の方法。
【請求項54】
請求項36-40のうちいずれか1つに記載の容器を用いて凍結保存培地から復元培地へと細胞を移送するための方法であって、
前記容器の第1のチャンバを細胞懸濁液で満たすステップと、
前記容器の第2のチャンバを、復元培地及び注入培地からなる群から選択された培地で満たすステップと、
前記第1及び第2のチャンバを、閉鎖状態及び開放状態を含むゲートを有する第1の通路で相互連結するステップであって、前記閉鎖状態は前記容器に遠心力を加えることにより前記開放状態に変化される、ステップと、
前記第1及び第2のチャンバを、前記遠心力に応答して気体の通過を許可するように構成されたバルブを含む第2の経路で相互連結するステップと、
前記容器に遠心力を加えるステップであって、前記第1のチャンバからの前記細胞懸濁液はゲートを介して前記第2のチャンバに通過し、前記第2のチャンバ内の気体は前記バルブを介して前記第1のチャンバに通過する、ステップと、
を含む、
方法。
【請求項55】
前記第2の導管は、前記容器の遠心力場ベクトルに沿って前記第1のチャンバから離れて配置されている、
請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第2のチャンバの一部分は、前記容器の遠心力場に沿って前記ゲートから離れて配置されている、
請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記第2のチャンバ内の気体を前記第2のチャンバの近傍端部に位置決めするステップであって、前記第2のチャンバは前記第1のチャンバと平行に走り、前記バルブを介して前記第1のチャンバを前記第1のチャンバに連結し、これにより前記第2のチャンバ内の培地のみが前記ゲートに接触する、ステップをさらに含む、
請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記遠心力は、前記ゲートを通って前記細胞懸濁液を前記第2のチャンバに通過させ、かつ同時に、前記バルブを通って空気を前記第1のチャンバに通過させる、
請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記遠心力を減少させることにより、前記ゲートの前記閉鎖状態を復帰し、かつ前記バルブを閉じるステップをさらに含む、
請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記第2のチャンバ内の前記細胞懸濁液及び前記培地を軽度に撹拌するステップをさらに含む、
請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記容器の排出ポートを通じて前記第2のチャンバから前記細胞懸濁液及び前記培地を除去するステップをさらに含む、
請求項60に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃、ショック及び加速度損傷からの改善された保護を提供しながら、極低温における凍結細胞懸濁液を確実に格納する容器装置に関する。本発明はまた、センサ及び通信インターフェースを有する極低温保存容器に関する。さらに、本発明は、保管中、輸送中、解凍処理中、及び解凍処理後において、当該容器と他の装置との間の相互作用を容易にする極低温貯蔵容器に関する。最後に、本発明は、容器内に格納されたコンテナにおいて、解凍後に容器内容物を除去する前に、解凍後に流体手順及び細胞処理を行うように構成された極低温保存容器に関する。
【背景技術】
【0002】
生きた細胞ベースの薬理学の分野は十分に確立されており、今後もさらに拡大進歩を続けていくだろう。細胞ベースの治療薬の多くは、様々な処理ステップを経て、細胞集合をより多くの数に拡大させる必要がある。ひとたび細胞集合が拡大されると、延長された期間の間細胞を保存しておく必要性がしばしば生じる。例えば、細胞を長期間にわたって受容者に投与する必要があり得る。まだ同定されていない個人のグループへの投与を意図されている治療法であるかもしれないし、又は、将来のリソース若しくは基準サンプルとして細胞集合を無期限保存する必要があるかもしれない。別の例示的な理由は、単に受容者が遠隔地にいて、輸送の間隔が大きすぎるという理由であり得る。しかしながら、細胞は生きていて動的である。培養中の細胞は成長し続け、新鮮な栄養源及び廃棄物の除去手段を必要とするため、これらの有機体に対する単純な貯蔵は不可能である。しかしながら、極低温の保存液中に細胞を懸濁させることと、温度損失の定められた速度で細胞を凍結させることとを含む、代謝的に細胞懸濁液の時間を停止させる手段が存在する。懸濁液が凝固し、温度が十分に低下した時、凍結された細胞は、凍結塊の温度が定められた最大値以下に保持させることを条件に、無期限に保存され得る。このようなやり方で極低温保存される細胞懸濁液は、典型的には、液体窒素を冷媒として用いる真空断熱保存容器内に保存され、従って、典型的には、凍結された細胞を-196℃~-150℃の温度範囲に維持する。
【0003】
現在市販されている極低温保存容器は、主に2つのグループに分類される。第1のグループは、典型的には整形樹脂材料から構築された剛体容器を含む。選択された材料特性及び壁の厚さの仕様により、これらの剛体容器は、極低温において力及び衝撃ショックに耐えるのに十分な靭性を有する。剛体容器の幾何学的構成は、アクセスポートで狭くなっている円筒形が優勢である。内容物の充填及び分配手段を提供するために、ポート開口部は、典型的には、皮下注射針又は特別に設計された充填針により容易に貫通され得るゴム等の材料のセプタムプラグで塞がれている。極低温で完全なまま残る接合部でゴム材料を樹脂材料に接合することの難しさに加えて、バイアル(vial)樹脂材料及びセプタム材料の間の膨張率の差のため、ゴムセプタムプラグはしばしば、アルミニウム又はプラスチックの二次保持器により樹脂バイアルのリムに固定される。保持器は分離防止のために有効であり、追加のクランプ力を加えることができるが、-50℃以下の温度におけるゴム材料の硬化及び収縮は、極低温における容器の密封の信頼性を低下させ、それにより汚染、環境への生きた材料の放出、及び液体窒素吸引後のゴムプラグの爆発的な放出に関する懸念を生じる可能性がある。
【0004】
剛体容器によって課せられる追加の課題は、容器の曲率に起因する、固体加熱ブロックとのインターフェースの難しさに由来する。また、円筒容器では、半径方向の寸法が大きくなると体積容量の増加に伴って容積対表面積比が減少し、その結果、融解プロセス中の熱流入率が制限され、融解間隔が長くなってしまう。解凍中の剛体容器では、内壁境界から熱エネルギーが容器内に導入されると、内壁から相変換が始まり、円筒状の凍結塊の軸心へと進行する。このように、解凍プロセスの間、熱勾配が導入され、それによって勾配領域内の細胞を、細胞に損傷を与え得る温度に長時間さらすことになる。
【0005】
保存容器の第2のグループには、可撓性冷凍保存バッグの形式等の可撓性容器が含まれる。これらの種類の保存容器は、剛体壁の容器よりも潜在的な利点を提供する一方で、剛壁容器と比較した場合に運動損傷に対する脆弱性を導入する。冷凍保存バッグは、典型的には、最大容量まで充填されているのではなく、むしろ、約1cmの典型的な厚さの制限を可能にする容量まで充填されている。凍結塊の限られた厚さとバッグの大きな表面積との組み合わせは、凍結プロセス中の冷却速度のより強い制御を可能にするとともに、同等の内容物容積のための剛体容器と比較して解凍プロセス中の間隔を有意に減少させることができる。さらに、バッグ材料の可撓性は、容器の壁の動きと内容物の混合により、解凍プロセス中の熱エネルギーの対流分布を可能にする。
【0006】
凍結保存バッグの主な脆弱性は、低温での破断に対して敏感であることである。凍結保存バッグは、一般的には、2枚のシート状のポリマー材料の積層体で構成されており、その境界端は融着ヒートシールで接合されている。ポリマーシート材料の剛性は、材料の温度が極低温になるにつれて脆くなるように増加する。その結果、冷凍バッグへの衝撃、特に境界エッジに沿った衝撃は、バッグ材料の亀裂形成又は破壊をもたらし得る。凍結保存バッグの内容物は、典型的には、シームエッジに沿って主要な積層された層の間に融着されたポートアセンブリを介して導入及び引き出される。ポートアセンブリの突出は、ポートとバッグの接合部で破損につながる応力を集中させる衝撃力又はねじり力の潜在的な可能性を課す。ポートは、複数の接合材料から構築されたものよりも信頼性の高い連続的な材料シールを提供するが、シールは通常、容器の内容物を除去するためにチューブニードル又はスパイクを使用して貫通されるため、特定の保護設計機能が組み込まれていない限り、誤って袋壁を穿孔する潜在的な危険性が懸念される。
【0007】
凍結保存バッグのさらなる欠点は、液体内容物が引き出されると、バッグの内壁が近接して配置され、その結果、重力の助けを受けても、水溶液の表面張力がバッグ内の液体を保持するように作用するという側面に由来する。その結果、袋を巻き絞る等の特別な方法を適用しない限り、回収不能な死容積のロスが発生する。
【0008】
したがって、現在、敏感な冷凍材料の貯蔵のための様々な方法及び装置が存在するが、複数の課題が残っている。本発明の装置及び方法は、これらのニーズに対処し、これを満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、一般に、その後凍結保存の目的で凍結保存される液体サンプルの格納を提供する装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様において、本発明は、衝撃、ショック、及び印加された機械的力による加速又は損傷からの保護を提供する極低温保存容器に向けられ、ここで、保存容器を充填して密封すると、保存容器は、融着結合によって閉じられた継ぎ目で接合された単一の材料からなる完全かつ連続的な内部表面を構成する。いくつかの実施形態では、容器は、靭性を提供して脆化を低減し、極低温温度での衝撃及び応力破壊に対する柔軟性及び抵抗性を最大化し、一方で、周囲及び水溶液の凍結温度では十分な可撓性及び柔軟性を有し、圧縮機械的な力によって、又は凝固時の水性内容物の膨張圧力によって容積容量を限定的に調整することを可能にする極低温適合性材料から構築される。いくつかの実施形態では、本発明は、容器の寸法が重力場で崩壊しないような半剛性である極低温保存容器を提供し、それにより、空になったときにそこに含まれる液体の保持をもたらす内部表面張力を防止する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態では、容器の体積対表面積比を制御するための変化した寸法が提供される。例えば、いくつかの実施形態では、容器の1つの寸法が最小化される一方で、残りの2つの寸法は、2つの主要な平行平面上の平面の面積を最適化するように調整され、それにより、より大きな平面の表面と外部の平面ヒートシンク又は熱源との接触が、極低温と容器内容物の融解温度との間の迅速な遷移時間を提供するように、体積対表面積比を制御する。凍結中の水性内容物の膨張を可能にし、容器を充填している間に空気の空隙を最小化するオプションを提供するために、本発明のいくつかの実施形態では、主要な容器表面の平行平面の配向を維持しながら、少なくとも2つの主要な容器表面の分離距離の増加を可能にする1つ以上のリム膨張曲率を提供する。いくつかの実施形態では、容器の第1の寸法は、容器の残りの2つの寸法よりも小さくされ、ここで、2つの主要な寸法は、各容器シェル部分の主要な表面の面積を制御し、ここで、第3の寸法は、容器が組み立てられたときに、各シェル部分の主要な表面間の距離を制御する。いくつかの実施形態では、第1の寸法と、第2及び第3の寸法の合計との間の比は、1:1から4:1である。いくつかの実施形態では、第1の寸法と第3の寸法との間の比は、1:1から30:1である。いくつかの実施形態では、第1の寸法と第3の寸法との間の比率は、2:1から20:1である。いくつかの実施形態では、本発明の容器は、第1の寸法及び第2の寸法によって決定される面積を含み、ここで、当該面積は、3cmから300cmまで、又は300cmから1000cmまでである。
【0012】
いくつかの実施形態では、保存容器は、丸みを帯びた角を有する公称長方形の主要表面をそれぞれ含みかつ互いに実質的に鏡写しである2つの半体を含み、各主要表面の周囲は、掃引プロファイルリムと接合され、掃引プロファイルリムの反対側又は接合されていない端部は、外向きフランジと接合され、ここで、2つの容器部分は、融合されたフランジシールで、2つの半体の鏡映面においてシーム接合されるように構成されている。
いくつかの実施形態では、本発明のフランジは、1mmを超える幅を含む。いくつかの実施形態では、容器は、丸みを帯びた角を有する公称長方形の主要表面を有する第1の半体又は部分を含み、主要表面の周囲は、掃引プロファイルリムと接合され、掃引プロファイルリムの反対側の端部又は接合されていない端部は、外向きフランジと接合され、外向きフランジは、第2の半体又は部分の平面と接合され、ここで、フランジ表面で熱溶接された接合部によって第1の部分と第2の部分とを接合することは、容器の内部を閉鎖する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本発明は、容器の1つ以上の半体又は部分が、空洞の内部容積の調整を可能にするために伸縮するように構成された非線形掃引リム壁プロファイルを有する空洞を含む容器を提供し、ここで、非線形掃引リム壁プロファイルは、容器部分の主要表面から空洞のリムフランジに向かって外向きに広げられている。
【0014】
いくつかの実施形態では、容器の溶融フランジ及びリムプロファイルは、充填、凍結、輸送、保管及び解凍手順を含む製品のライフサイクル中に容器を保護するように構成されたバンパフレームと係合してもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、容器は、容器の1つ以上の中間ラインシーム、オフセットシーム若しくは小表面から離れた位置にある、1つ以上のアクセスポートを含み、それにより、アクセスポートを衝撃、ショック、又は意図しない機械的な歪み若しくは応力から保護する。いくつかの実施形態では、アクセスポートは、一体化されたポートを含み、ここで、一体化されたポートは、容器壁材料の途切れない連続体であり、それにより、類似又は非類似の材料の接着された縫い目に依存しないアクセスポートシールを提供する。いくつかの実施形態では、アクセスポートの追加的な構造は、容器表面の特定の窪み又は曲率の成形以上は必要とされず、他の実施形態では、容器の内容物へのアクセスは、容器の壁面を直接貫通することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、容器の表面のアクセスポートとして機能する凹部は、取り外し可能な膜によって閉塞されてもよく、完成した容器の滅菌後、膜は、膜が取り除かれるまでアクセスポートの無菌状態を維持する。
【0016】
第2の態様において、容器は、丸みを帯びた角を有する公称長方形の主要表面を有する第1の半体又は部分を含み、主要表面の周囲は、掃引プロファイルリムと接合され、掃引リムの反対側の端部又は接合されていない端部は、外向きフランジと接合され、第1の部分は、フランジの表面平面で、平面を含む第2の半体又は部分と接合され、第1の部分と第2の部分を熱溶接された接合部によって接合することにより、容器の内部を閉塞する。いくつかの実施形態では、容器は、容器の第1の部分及び第2の部分の材料と同一又は類似の特性を有する材料の2つの層の間に積層されたフェライト材料の平らで薄いシート状の形成体を含むドライバ要素をさらに含み、ドライバ要素が容器の内部に配置されたとき、ドライバ要素は、外部磁場に曝されたときに、容器の固体内容物を容器の内部の特定の領域に偏向させる。いくつかの実施形態では、容器の平面壁は、平面壁の端部の1つ以上の位置で終端する回路リードを有する電子回路を含む。いくつかの実施形態では、容器は、平面壁の外側表面上の1つ以上の位置で終端する回路リードを有する電子回路を含む。いくつかの実施形態では、電子回路の少なくとも1つは、容器の内容物の1つ以上のパラメータ、例えば温度、pH、アルカリ度、又は酸素レベルを測定及び/又は監視するためのセンサを含む。
【0017】
本発明の第3の態様において、中央平面シームにおいて接合された2つの対向する部分から構築された外壁と、容器のシール分割を形成する追加のシームとを含む容器が提供される。ここで、当該容器の1つの寸法は残りの2つの寸法よりも小さいことで、当該容器は熱溶接で接合されたフランジシームで終止する掃引リム壁により接合された2つの大きい平面表面を有する。また、スルーダクトが2つの別々の封じられたコンパートメント又は容積の間の通信を可能にする特定の場所を除いて、当該容器が互いに完全に隔離された2つ以上のコンパートメントに分割されるように、当該追加のシームは、当該容器の内部部分を通って掃引されたリムと結合する。いくつかの実施形態では、1つ以上のスルーダクトは、通常、バルブ機構によって閉塞される。いくつかの実施形態では、バルブは、容器が特定のベクトルに調整された十分な遠心力を受けるときに開く。いくつかの実施形態において、本発明の容器を使用する方法は、容器の第1の空洞に凍結保存液を含む細胞懸濁液を充填するステップと、容器の第2の空洞に交換培地を充填するステップとを含み、凍結保存培地を解凍すると、細胞は第1の空洞から第2の空洞に移動し、これにより凍結保存培地は実質的に希釈されるか、又は存在しなくなる。いくつかの実施形態では、容器の第1の空洞内の細胞は、遠心力によりダクトの1つを通って促進されるが、これは、同じ遠心力によって第1及び第2の空洞と連絡するダクトの開口部を促進し、それにより細胞の第2の空洞への通過を可能にするのと同時である。いくつかの実施形態では、第1の空洞と第2の空洞とを結合する第2の連絡ダクトは、角変位が容器に遠心力を生じさせる回転軸の近傍に位置するバルブによって閉塞されている。相対的な遠心力の十分なレベルでは、第2の連絡ダクトのバルブは開かれ、容器の残りの部分の近傍にあり、容器の液体内容物が容器の遠位部分に変位するため、開かれた第2の連絡ダクトのバルブは、ガス圧が2つの容器チャンバの間で平衡化することを可能にし、それにより、遠心力がないときに2つのチャンバの間の圧力差をなくすことができる。
【0018】
第4の態様において、本発明は、上記の第1~第3の態様に記載の容器を使用するための方法を含む。方法のいくつかの側面は、液体を無菌的な方法で容器内に導入し、その後溶融シールで容器を密閉するために使用され得る注入及びシールシーケンスに適用される。方法の他の態様は、容器から液体内容物を無菌的に抽出するために適用され得るステップのシーケンスに適用される。
【0019】
本発明のこれらの態様、実施形態、及び利点は、添付の図面及び以下の詳細な説明において、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の代表的な実施形態に係る、容器アセンブリの主要要素を示す分解図
図2A図1に示す容器アセンブリの組み立てられた表現の透視図
図2B図2Aに示すアセンブリ実施形態の断面図
図2C図2Aに示すアセンブリ実施形態に詳細断面図
図3】本発明の、図1及び図2A図2Cに示す実施形態の寸法図
図4A】本発明の代表的な実施形態に係る、ポート凹部の詳細透視断面図
図4B】本発明の代表的な実施形態に係る、ポート凹部の詳細透視断面図
図4C】本発明の代表的な実施形態に係る、ポート凹部の詳細透視断面図
図4D】本発明の代表的な実施形態に係る、ポート凹部の詳細透視断面図
図5A】本発明の代表的な実施形態に係る、本発明のシェル保存容器を充填及び密封する方法を実演するシェル保存容器の詳細透視図
図5B】本発明の代表的な実施形態に係る、本発明のシェル保存容器を充填及び密封する方法を実演するシェル保存容器の詳細透視図
図5C】本発明の代表的な実施形態に係る、本発明のシェル保存容器を充填及び密封する方法を実演するシェル保存容器の詳細透視図
図5D】本発明の代表的な実施形態に係る、本発明のシェル保存容器を充填及び密封する方法を実演するシェル保存容器の詳細透視図
図5E】本発明の代表的な実施形態に係る、本発明のシェル保存容器を充填及び密封する方法を実演するシェル保存容器の詳細透視図
図6A】本発明のシェル保存容器と共に使用され得る代表的な容器貫通型無菌フィルタベントツールの透視図及び断面図
図6B】本発明の代表的な実施形態に係る、シェル保存容器が無菌フィルタベントツールにより貫通されたシェル保存容器の部分的な断面側面図、ここで、この図はシェル保存容器がベントされる方法を実演する
図7】本発明の代表的な実施形態に係る、内部に溶接されたエレメント外部付属品を取り付けるためのネジ式インターフェースを有するポート凹部の詳細透視断面図
図8A】本発明の代表的な実施形態に係る、掃引リムプロファイルと、容器を囲む平面壁とを有するシェル保存容器の詳細断面図
図8B】本発明の代表的な実施形態に係る、掃引リムプロファイルと、容器を囲む平面壁とを有するシェル保存容器の詳細断面図
図9A】本発明の代表的な実施形態に係る、掃引リムを通って延在するチャネルを介して容器を充填することを可能にするリム延長部を有するシェル保存容器の透視図
図9B図9Aに示す実施形態の分解図
図9C】本発明の代表的な実施形態に係る、容器充填の第1のステージにおける、図9Aに示す実施形態の透視図
図9D】本発明の代表的な実施形態に係る、充填及び密封ステージのあとの、図9Aに示す実施形態の透視図
図9E】本発明の代表的な実施形態に係る、図9Aに示す実施形態が密封され、充填アクセスポートが切り取られた状態の透視図
図9F図9Aに示す実施形態の寸法図
図10A】本発明の代表的な実施形態に係る、フランジ接合部に隣接する平面容器壁を有し、内部ドライバカード容器個体内容物偏向要素を含む、本発明の実施形態の主要要素を示す分解図
図10B図10Aに示す実施形態の組み立て代表例の透視図
図11A】本発明の代表的な実施形態に係る、使用方法例の初期段階を例示するための、代表的な凍結装置の断面図に接触した状態の、図10Bに示す実施形態の断面図
図11B図11Aに示す使用方法例の後の段階を例示するための、代表的な凍結装置の断面図に接触した状態の、図10Aに示す実施形態の断面図
図11C図11Bに示す使用方法例の後の段階を例示するための、代表的な凍結装置の断面図に接触した状態の、図10Aに示す実施形態の断面図
図11D図11Cに示す使用方法例の後の段階を例示するための、代表的な凍結装置の断面図に接触した状態の、図10Aに示す実施形態の断面図
図12】本発明の代表的な実施形態に係る、凝固容器内容物偏向ドライバカード、及び第2の容器シェル部分に埋め込まれたセンサ回路を含む、本発明の実施形態の主要要素を示す分解図
図13A】本発明の代表的な実施形態に係る、加速力により作動するバルブで接続された2つの特定のチャンバに分割されている容器の実施形態の透視図
図13B】本発明の代表的な実施形態に係る、内部チャンバ及びバルブ構造を明らかにした、図13Aに示す容器の分解図
図14A】本発明の代表的な実施形態に係る、遠心力により作動するガスバルブサブコンポーネントの詳細図
図14B図14Aに示すガスバルブの断面図
図15A】本発明の代表的な実施形態に係る、遠心力により作動するセルゲートバルブの詳細図
図15B図15Aに示すセルゲートバルブの断面図
図16A】本発明の代表的な実施形態及び方法に係る、本実施形態に遠心力を加えるために代表的な遠心機械に結合された部分的に組み立てられたシェル保存容器の透視図
図16B】本発明の代表的な実施形態に係る、完全に組み立てられ設置された図16Aのシェル保存容器の断面図で、本発明の代表的な実施形態に係る遠心分離機械の容器形状制限特徴をさらに示す図
図16C図13A及び図13Bのシェル保存容器の第2の下シェル部分の透視上面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、現在利用可能な容器では提供されない多くの特性及び機能性を満たす、低温保存された細胞懸濁液の保存容器及び保存システムを提供する。いくつかの実施形態では、本発明の容器は、液体及び/又は水溶液、例えば、溶液、組成物、製剤、微粒子懸濁液、ウイルス懸濁液、細胞懸濁液、及び多細胞生物懸濁液を収容するための手段を提供する。いくつかの実施形態では、液体は、容器を含む様々な部分が単一材料の溶融結合によって接合されている当該単一材料のバリアによって容器内に収容され、それ自体低温及び極低温への曝露によって課される応力の下での部分の分離及び結合の破壊に対して脆弱ではない。いくつかの実施形態では、当該単一材料は、常温で自己支持性の幾何学的剛性及び選択的貫通性を提供する一方で、極低温での靭性、柔軟性、及び破壊に対する抵抗性を保持する特性を有する。いくつかの実施形態では、当該単一材料は、シート材料から真空成形され得る熱可塑性ポリマー又はポリマーブレンドであり、それにより、最終組立前に部品内の本質的な局所的な特徴を低コストで熱成形することを可能にすることに加えて、低コストの真空成形及び熱融着によって許容される構造の安価な手段を提供する。他の実施形態では、容器は、射出成形システムを使用して同じ材料から製造されてもよい。いくつかの実施形態では、容器内容物の取り付け及び取り外しは、容器壁の直接貫通によって達成されてもよい。いくつかの実施形態では、充填プロセス中の容器壁の穿孔は、容器壁と同じ材料から構築され、容器壁へのプラグの熱融着によって所定の位置に封止されるプラグによって封止されてもよい。いくつかの実施形態では、容器壁と連続体を形成する特殊充填ポートが提供され、ここで、特殊充填ポートは、容器内容物を導入するために用いることができ、それと同時に又は後続して、熱融着結合又はシールから遠位にあるポート構造の部分の除去とともに、特殊充填ポートがポート容器壁の接合部又はその近傍で熱融着結合により崩壊シールされてもよい。いくつかの実施形態では、特殊ポート構造が容器の表面に成形されており、ここで、これらのポートは、容器壁貫通による容器内容物の導入又は除去を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、特殊ポート構造又はポートベイは、ポート構造の一部が容器の主表面よりも突出しないように、容器の主表面から凹んでいる。いくつかの実施形態では、凹んだポート構造又はベイは、取り外されるまで凹んだポートベイ容積の無菌性を維持する取り外し可能な密閉シールによって閉塞されている。いくつかの実施形態では、保存容器は、容器の内容物と接触するすべての点で連続的な壁障壁を形成する同じ材料のエンクロージャを備える。いくつかの実施形態では、容器は2つの部分から構成され、他の実施形態では、容器は2つ以上の部分から構成される。いくつかの実施形態では、容器の壁は、それぞれがリムフランジを備える2つのシェル部品から構成され、2つのシェル部品は、熱融着結合を介してそれぞれのリムフランジで接合される。いくつかの実施形態では、リムフランジは、全体が平面である1つの表面を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリムフランジは、1つ以上の位置で平面構成から逸脱する。いくつかの実施形態では、容器の2つのシェル部分は、2つのシェル部分の融合結合に沿って配置された平面に関して対称である。いくつかの実施形態では、容器のシェルを形成する2つのシェル部分は、非対称である。いくつかの実施形態では、容器シェル部分又は半体のうちの1つは、平面である。
【0022】
いくつかの実施形態では、熱融着フランジ接合部に垂直な容器の寸法は、容器が公称的に平坦化された長方形の形状であるように、他の2つの寸法よりも短い。いくつかの実施形態では、平坦化された長方形の形状は、フランジ接合部の対向する側の2つの主要な平面及び平行面を含む。いくつかの実施形態では、平面と同一部分上のそれぞれのフランジとの間に介在する容器壁は、掃引リムプロファイルを含む。いくつかの実施形態では、掃引リムプロファイルは、周囲温度及びより低い温度の両方でフランジと平面との間の寸法を減少又は増加させることを可能にする曲率を含み、ここで、容器の水性内容物の相変化は、より低い温度で起こる。
【0023】
いくつかの実施形態では、成形されたポートベイは容器の、ポートベイが熱融着結合のいかなる部分も占有しないような表面、熱融着結合に参加しないような表面、又は容器内容物が取り付けられた後に容器外装の2つのシェル部分を結合する熱融着結合内に介在する構造物ではないような表面の上に配置されている。いくつかの実施形態では、ポートベイは、容器を形成する2つのシェル部分のうちの1つに閉じ込められる。いくつかの実施形態では、ポートベイは、シェル部品のうちの1つ以上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、容器のシェル部品のいずれもポートベイを含まない。いくつかの実施形態では、ポートベイは、容器のリム壁に成形されてもよい。いくつかの実施形態では、ポートベイ壁の選択された領域は、局所的な成形及び/又は熱成形法によって、特定の寸法まで厚さを減少させてもよく、ここで、容器壁の貫通は、容器内容物の設置及び取り外しのために容易にされ得る。いくつかの実施形態では、ポートベイの選択された領域は、ポートベイ壁内に窪み又はウェル形状を形成するように熱的に変更されてもよい。いくつかの実施形態では、窪みは、単一の半径方向に対称な壁を含む。いくつかの実施形態では、窪みは、少なくとも2つの壁を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの壁は、少なくとも2つの壁の残りの部分の壁の厚さよりも小さい厚さを有する部分領域を含む。いくつかの実施形態では、窪みは、本発明の容器の第1のシェル又は第2のシェルの少なくとも1つの第1の主要表面及び第2の主要表面の角面上に位置している。いくつかの実施形態では、窪みは、本発明の容器の掃引リム上に位置する。
【0024】
いくつかの実施形態では、フランジリムは、フランジ上又はフランジに沿った1つ以上の位置に延長部を含み、延長部は、容器アクセスポートで終端する導管を形成する。いくつかの実施形態では、アクセスポートは、ゴム材料のセプタムプラグ又はプラグアセンブリを含み、他の実施形態では、アクセスポートはリム壁に成形され、他の実施形態では、延長部又はリム壁及びフランジと熱融着している第3の容器表面がアクセスポートを形成する。容器内容物の導入の完了時に、リム及びフランジの延長部は折り畳まれて熱融着されて導管をシールしてもよく、その後、シールを越えた延長部の遠位部分は、シール境界での切断によって除去されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、容器のシェル部分のうちの1つは、フランジと、フランジにオフセットされて平行な平面壁と、平面壁とフランジとの間に介在して連続する掃引リムとを含む。ここで、掃引リムは、フランジと平面表面との間の寸法をある程度の量だけ減少又は拡張することを可能にする曲率を含む。また、掃引リムプロファイルが、容器シェル部の内部キャビティ内で成形された固化した内容物が、容器シェル部によって干渉されることなく、平面壁に垂直なベクトルで除去されるように、平面表面接合部からフランジ接合部に向かって連続的に広がっている。いくつかの実施形態では、記載された容器シェル部は、一方の平坦面が他方の平坦面よりも大きい面積を有し、かつシェル部上に閉鎖部を形成する2つの平坦で平行な表面を有する容器を形成する平面部へのフランジリムの熱接着(熱溶着など)によって封止される。
【0026】
いくつかの実施形態では、容器が固化した水溶液を含んでいる時、かつヒーター表面が容器のより大きな面積の平面状容器壁の外側に接触して配置された時に、固化した質量をより大きな面積の平面状容器壁の内側表面に接触するように駆動するための手段が、個体の水性塊の急速な相変化をもたらすように、容器が備える内部容積、形状、及び特徴が構成される。いくつかの実施形態では、平面掃引又はドライバカード部材が、記載された容器の内部に設けられている。いくつかの実施形態では、ドライバカードは、材料が磁場中に置かれたときに変位力が加えられる材料を含む薄いシート構造を含み、当該薄いシート構造は、容器壁が構成されている材料からなる2つの層内に完全に積層されている。いくつかの実施形態では、薄いシート構造の材料は、フェライト系材料である。いくつかの実施形態では、フェライト材料は、ステンレスフェライト鋼である。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つ以上のシェル部品は、1つの材料積層を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のシェル部品は、複数の材料積層を含む。いくつかの実施形態では、電子回路は、層の積層の中に埋め込まれているか、又は層の間に挿入されている。いくつかの実施形態では、シェル積層の間に保持された電子回路は、電子センサ回路をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、容器内容物の物理的性質の状態を代表するデータは、容器シェル部分の積層された層の間に保持された電子回路によって収集されてもよい。いくつかの実施形態では、電子回路は、外部環境に露出したデータ連結構造を含み、これにより、そのような露出した回路に接触することで、外部の計装又は機械が、シェル部分の積層の間に含まれる回路と電子信号を交換できる。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明の容器は、2つ以上の別個のチャンバに細分化される。いくつかの実施形態では、2つ以上の別個のチャンバは相互に連結されている。いくつかの実施形態では、2つ以上の別個のチャンバは、通路、導管、弁、ゲート、開口部、内腔、管、流路、トンネル、貫通孔、又は他の類似した適合性のある構造を含む通路によって相互に接続される。いくつかの実施形態では、分離されたチャンバは、一方の容器シェル部分の平坦な管路と隣接する掃引リム境界によって分離されており、ここで、2つの容器シェル部分の類似の領域又は隣接する領域は、例えば熱融着によって融着されている。いくつかの実施形態では、容器収容容積は、両方のシェル部分上の空洞によって形成される。いくつかの実施形態では、容器収容容積は、単一のシェル部分上に形成された1つ以上の空洞によって形成され、ここで、1つ以上の空洞は、第2のシェル部分又は接合シェル部分上の平面シェル表面によって閉鎖される。いくつかの実施形態では、チャンバの分離は、そうしなければ分離されるチャンバを接続する導管によって中断される。いくつかの実施形態では、導管接続部は、特定の機能を実行するために、ゲート又はバルブ機構によって選択的に開放又は遮断される。いくつかの実施形態では、ゲート又はバルブ機構は、容器の密閉されたシェル壁の外部にある影響によって作動する。いくつかの実施形態では、ゲート又はバルブ作動の影響は、電場、磁場、遠心力を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のチャンバは、異なる流体で満たされる。いくつかの実施形態では、浮遊粒子は、遠心力、磁場、又は電場によって、1つのチャンバから次のチャンバへ移動するように促進され得る。いくつかの方法において、細胞は、容器のチャンバ内の1つの流体中に懸濁状態で存在してもよく、その後、2つの流体の混合を最小限に抑えて、容器の別のチャンバ内の別の流体に移されてもよい。いくつかの方法において、容器の1つのチャンバ内の凍結保護培地中に懸濁している細胞は、遠心力の影響下で、2つの培地の最小の混合で、回復培地又は注入培地を含む容器の別のチャンバに移送されてもよい。いくつかの方法では、細胞は、移送プロセス中に濃縮され、他の方法では、細胞は、移送プロセス中に希釈される。
【0029】
本発明のいくつかの特徴の一部は、概して、本発明のいくつかの実施形態の実施形態を例示する目的で提供される図1図16Cに記載されており、これらはその保護範囲の限定を構成するものではない。
【0030】
次に、図1を参照すると、本発明のシェル保存容器又はシェル格納容器の分解図が示されている。いくつかの実施形態では、格納容器は、第1のシェル部分/上部シェル部分/トップシェル部分135と、第2のシェル部分/下部シェル部分/ボトムシェル部分180とを含み、それぞれの主要な平面137(両方の部分に代表される)とフランジ185とを含み、これらは両方とも掃引リム187によって全周にわたって接続されている。掃引リムプロファイルは、付加的な機能性を提供し、後続の図でさらに詳細に説明される。2つの容器シェル部分135,180は、得られる容器容積の内部がすべての表面及び点で外部から完全に隔離されるように、フランジ付きリム185の面で熱溶接により接合される。
【0031】
いくつかの実施形態では、容器シェル部品は、極低温及び周囲温度での靭性、柔軟性、及び耐破壊性の特性を保つ材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は、コポリエステルポリマーである。いくつかの実施形態では、コポリエステルポリマーは、Tritan(商標)コポリエステルであり、他の実施形態では、コポリエステルポリマーは、Eastman Chemical社から販売されているTritanコポリエステルMP100である。いくつかの実施形態では、シェル部品は、真空成形のプロセスによってシート材料から形成されてもよい。他の実施形態では、シェル部品は、射出成形プロセスによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、熱可塑性シェル部品材料は、熱融着結合によって接合されてもよい。他の実施形態では、溶接工程は超音波溶接であってもよく、他の実施形態では、溶接工程はレーザー溶接であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、容器のフランジリム185は、容器の周囲の一部又は全体を取り囲み得るバンパフレーム部分190内に収容されるスロット凹部195(後続の断面図でより詳細に説明される)内に収容される。いくつかの実施形態では、バンパは、容器のフランジ接合部及びリム周縁部を保護するために、注入前、注入、凍結、保管、輸送、及び解凍の段階を含む、シェル容器の使用サイクルの任意の段階の任意の組み合わせの間に設置される。いくつかの実施形態では、バンパフレームは、フェルト材料の接着ラミネートから構築され、他の実施形態では、バンパは、発泡材料から構築される。いくつかの実施形態では、バンパのフェルト材料はポリプロピレンフェルトである。いくつかの実施形態では、フェルト材料の積層体は、ステッチによって結合され、他の実施形態では、フェルト材料の積層体は、熱溶接によって、又は接着剤結合によって結合される。
【0033】
いくつかの実施形態では、上部シェル135の主要平面は、そこに成形された1つ又は複数の窪んだアクセスポート又はポートベイ145、140、150を含む。ポートベイは、後続の図でより詳細に説明される特徴を有するが、一般に、各ポートベイ又はベイは、主要平面表面135に対して角度を付けられた表面を含み、各角度を付けられた表面は、成形されたターゲット特徴をさらに含む。いくつかの実施形態では、成形されたターゲット特徴は、管状針又はアクセス装置を用いて材料を貫通するのに必要な力を減少させるために、容器壁の厚さが変更されないか、又は厚さが減少される位置を示す。他の実施形態では、成形されたターゲット特徴は、一致したテーパ又はネジ付きアダプタとの係合を容易にするために、窪み又はテーパ付き円錐状の入口を含む。いくつかの実施形態では、ポートベイの角度付き面の方向は、特徴に機能的な方向性を提供するように制御され、特に、本発明の使用のために適用される様々なステップ及び方法の使用を容易にするか、又はその結果を最適化するような重力場における傾斜角度に関して、制御される。このように、いくつかの実施形態では、いくつかのポートベイには、機能性及び命名法が割り当てられている。例えば、ポート150は、ポートが配置されている角が容器の残りの角よりも高くなっているときに、ポートが容器を充填するために最適に使用されてもよく、そのように「充填ポート」と呼ばれてもよいように、角度が付けられ、方向付けられている。同様に、ポート140は、ポートが穿孔されたときに容器の内部容積のガス抜きを提供するために容器の他のすべての角よりも高くなっていてもよく、「ベントポート」と呼ばれてもよく、一方、ポート145は、他のポートよりも低いレベルに保持されているときに、容器の内容物を引き出すために最適に使用されてもよく、そのようなものとして「抽出ポート」と呼ばれてもよい。図1に示された例示的な実施形態は、特定の数の、定義された位置にあるポートベイを示し、特定の機能を有するように記載されているが、例示は、限定を意図せず、実際には、ポートベイの数及び位置、並びに任意のポートベイの意図された機能的使用は、他の実施形態では異なり得るし、記載されたポートアクセスによって提供される無制限の構成オプションは、ポートベイ設計の主要な利点の1つである。いくつかの実施形態では、ポートベイは、2つのシェル部品のうちの1つに排他的に限定されてもよく、他の実施形態では、ポートベイは、両方のシェル部品に存在してもよく、又は2つのシェル部品と結合された追加の部品に取り付けられてもよい。ポートベイがシェル平面の主表面の下に凹んでいる実施形態では、オクルージョンシール160、165、170は、ポートベイの凹部を隔離して密封するために、シェル表面に非永久的に結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、シールは、タブがポートからシールを取り外すために使用されてもよいように、シェルの表面に非永久的に結合されていないか、又は弱く結合されている付属のタブを含む。いくつかの実施形態では、シールは気密性を有し、容器アセンブリ全体の滅菌に続いてポートベイの無菌性を維持することができる。いくつかの実施形態では、シールは、積層ポリマー及び金属箔シールである。
【0034】
極低温保存容器を使用する当業者は、現在利用可能なすべての容器が、容器の内容物全体を引き出すことの難しさと関連しており、しばしば、操作者が容器内の内容物の一部を放棄することを必然的に余儀なくされることを認識するであろう。多くの場合、ベベル針の先端が容器のガス内容物を吸引し始め、それによって内容物を引き出すために使用される真空誘導圧力差を崩すため、容器の内容物を引き出すために使用されるベベル付き皮下注射針の特性によって、部分的にこの困難が課せられることがある。いくつかの実施形態では、本発明は、リム壁上の位置に配置されたポート155を提供し、それにより、針のベベル部分が、針管のベベルの正確な鋭角(例えば典型的には12度)で容器内部の角シームに接触することを可能にし、それにより、容器の内容物全体が真空吸引によって除去されることを容易にする。将来の参照において、このポートは、「最後の滴下ポート」と呼ばれることがある。先に説明したポートと同様に、最後の滴下ポート155は、ポートへの特定のアクセスが必要とされるまで、シール175によって閉塞されてもよい。
【0035】
シール160,165,170,175は、典型的には、いくつかの実施形態では、穿刺に対して脆弱であり得る薄い材料を含むため、保管及び輸送操作の間、いくつかの実施形態では、ポートベイシールを保護するために、シェル容器のいくつかの寸法及び輪郭に一致するように成形された保護カバーオーバーレイ105が、シェル表面の上に配置されてもよい。一実施形態では、保護カバー105は、カバーリム131の端部の一部又は全長に沿ってカバー105に取り付けられるフランジ延長部130によって、容器シェルアセンブリと接触して保持される。いくつかの実施形態では、カバーリムフランジ130は、上部容器シェル135のリムフランジ185と一致するフェルトバンパ190のスロット195内に収容される。いくつかの実施形態では、カバーの角125にカバーフランジ130が存在しないことは、カバーに上向きの力が加えられたときに、フランジ130が撓んでフェルトバンパ190のフェルトを一時的に変位させることによってフェルトバンパスロット195から外れた状態になることを可能にし、この手段によってカバー105が容器及びバンパアセンブリから外れてもよい。いくつかの実施形態では、カバー105は、2つのカバーフランジ130のみによって所定の位置に保持されているが、他の実施形態では、2つ以上のカバーフランジが設けられている。シェル容器及びバンパアセンブリからのカバーの取り外しを容易にするために、いくつかの実施形態では、プルタブ特徴115が、カバー片105の主要平面内の部分的な切り欠きとして提供される。いくつかの実施形態では、スロットカットアウト110が提供され、それによって、タブが引き上げられ、それによって、プルタブ115の引き上げをさらに可能にする材料の中の2本のミシン目ライン120を破壊することができる。プルタブ115を引っ張り続けると、バンパスロット195内に含まれるフランジ130が撓み、それによって容器及びバンパアセンブリからのカバーの離脱を促進することができる。
【0036】
次に、図2A図2B及び図2Cを参照すると、組み立てられた容器アセンブリの様々な視点の図が、図1に以前に記載され、図示された本発明をより詳細に提供するために示されている。図2Aは、後続の図に記載された充填手順を適用する前に完全に組み立てられたように見えるように、本発明の格納容器205、バンパ210、及び無菌ポートベイカバー215を含む容器アセンブリ200を示す。容器アセンブリの特徴のより詳細は、断面側面図が示されている図2Bに観察され得る。示された実施形態では、上部シェル部分220は、リムフランジ235に沿って下部シェル部分225に熱溶接されており、それにより、液体内容物が導入され得る封じ込め容積230を形成している。いくつかの実施形態では、シェル材料は、容器の内部格納容積230を完全に取り囲む容器コンテナを形成する1つの単一材料を含み、熱溶着シームを排他的に含む。他の実施形態では、容器は、異なる材料間のシームが充填及び密封ステップの前に熱溶接されない複数の材料を含み得るが、充填及び密封ステップの後、これらの実施形態は、
(a)容器内側と接触し、
(b)容器230の内部格納容積を完全に取り囲み、かつ
(c)排他的に熱溶接シームを含む、
1つの単一材料を含む。いくつかの実施形態では、容器溶接リムフランジ235は、保護バンパ236のスロット凹部内に捕捉される。いくつかの実施形態では、保護バンパは、衝撃吸収材料の2つ以上の層を含む。示された実施形態では、バンパ236の中間層238は、バンパ236の2つの外側層237及び240の間に挟まれており、ここでは、3つの層が一緒に結合されている。いくつかの実施形態では、層は、適切な接合方法によって接合され、例えば、ステッチボンド、熱融着ボンド、又は接着剤ボンドであるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、バンパはフェルト材料を含む。いくつかの実施形態では、フェルト材料はポリプロピレンフェルトである。
【0037】
図2Cは、バンパ並びに容器とバンパとの間の相互作用をより詳細に示す。ここで、トップシェル部分245とボトムシェル部分250とがフランジリム256で熱溶着接合されており、また、フランジリム256は、上部バンパ層275と下部バンパ層277との間に挟まれた中間バンパラミネート層276と外縁で会合し、従って、バンパの外面に横方向のベクトルを有する衝撃は、荷重が容器フランジリム265の外縁に沿って均等に分散されるようになってバンパ材料によって吸収される。さらに、いくつかの実施形態では、上部ラミネーション275及び下部ラミネーション277上のバンパフレームは、トップシェル部分245及びボトムシェル部分250の掃引リム270と係合し、それにより、圧縮荷重が分散され得る領域に沿って増加し、それにより、バンパの保護特性を増加させる。いくつかの実施形態では、保護カバーが容器及びバンパアセンブリと係合しているときに、バンパと容器フランジ及び掃引リムとの間の体積271は、保護カバー部分(図示せず;図1の105,130参照)の一部によって占められてもよい。いくつかの実施形態では、バンパは、積層体の1つの歪みによってシェル容器が挿入され得る連続したフレームである。他の実施形態では、フェルトバンパフレームは、バンパからの容器の取り付け及び取り外しを容易にするラップ又はスカーフジョイント(図示せず)で中断されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、シェルトップ部分245又はシェルボトム部分250の一方又は両方の掃引容器リムは、リムプロファイル270の曲率の変化を通して表面が平面的なままであることを可能にしながら、上部シェル246と下部シェル247の平面的な表面との間の距離が増加又は減少するような曲率を含む。凝固相変化を受ける水溶液が膨張し、それによって液体を含む任意の容器に実質的な圧力を課すことは、当業者には理解されるであろう。非可撓性である容器壁は、膨張圧力下で破断する可能性が高く、可撓性材料を含む容器壁は膨張圧力に対して膨らんで撓むであろう。図2Cに示された実施形態では、シェル平面表面246,247が容器内容物の相変化の後に平面のままである場合に、明確な性能上の利点が実現される可能性があり、したがって、2つの表面の間の分離距離の増加を可能にする一方で、表面に最終的な平面構成を課すことを可能にする外部形状を容器表面に適用することは、これらの利点の実現を提供するであろう。いくつかの実施形態では、掃引リムプロファイル曲率は、上部シェル表面246と下部シェル表面247との間の距離の変化を可能にする。いくつかの実施形態では、曲率の必要な変化を可能にするのに十分な水溶液相変化温度範囲にわたってある程度の可塑性を保持する材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は、コポリエステルポリマーである。いくつかの実施形態では、コポリエステルは、Tritanコポリエステルであり、いくつかの実施形態では、Tritanコポリエステルは、Eastman Chemical社により提供されるMP100である。
【0039】
次に、図3を参照して、図1及び図2に記載された実施形態の寸法図が示されている。いくつかの実施形態では、容器は約220mlの内部容積を含む。容器設計のすべての寸法が独立して拡張可能であり、したがって、容積容量の大きな範囲を有する容器が構築され得ることは、当業者によって理解され得る。厚さ寸法を図示の近似値以下に保持することは、大きな表面積対体積比の利点を提供し、大きな表面積対体積比は、容器への熱エネルギーの迅速な除去又は導入の特性を可能にすることは認識され得る。いくつかの実施形態では、容器の体積容量は、1ml~1000mlの範囲となる。他の実施形態では、体積容量は、1000mlより大きくも、1mlより小さくもなるだろう。
【0040】
次に、図4Aを参照すると、シェル容器の角部を通る詳細な断面が示されており、ここでは、凹型ポートベイの一実施形態が設置されている。いくつかの実施形態では、上部シェル部分405は、下部シェル部分406と嵌合し、フランジ415の界面で熱溶接410の結合で接合される。上部シェル部分405の上面には、凹型ベイポート特徴420が成形プロセス中に導入される。凹型ポートベイ特徴420は、ポートが取り付けられる容器表面405に対して鋭角に配置された平坦面422を含む。いくつかの実施形態では、容器表面405に対する平坦面422の角度は、図面に示された角度以外であってもよい。いくつかの実施形態では、容器405の上面に垂直な軸に対する平坦面422に対する法線ベクトルの方位は、任意の角度の値を取ってもよい。いくつかの実施形態では、窪み特徴425は、平坦な表面422の中央領域に成形され、下面貫通ターゲット430で終端する。いくつかの実施形態では、窪み特徴は、図示されているように、先細りの円錐形断面である。他の実施形態では、窪み特徴は、代替形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、窪み特徴は、球形断面を含む。いくつかの実施形態では、窪みの深さ寸法は、図面に示されているものよりも短くてもよく、又は長くてもよい。いくつかの実施形態では、窪み特徴は、図示されたものよりも短いか、又は長い半径値を含んでもよい。いくつかの実施形態では、窪み特徴は存在しない。
【0041】
次に、図4Bを参照すると、図4Aで説明した凹型ポートベイの一実施形態では、窪み特徴425の貫通ターゲット440の相対的な厚さが減少していることが示されている。コポリエステル材料のような熱可塑性材料は、市販の周知の針状中隔ストッパーに含まれる材料のようなゴム材料と比較して、より大きな靭性及び穿刺に対する耐性を有することが、当業者によって認識され得る。したがって、いくつかの実施形態では、貫通に必要な力を修正するために、皮下注射針、対称点針、又はバッグポートスパイクのようなアクセス器具によるシェル壁の貫通のための意図された標的領域の厚さを調整することが必要となり得る。このように、いくつかの実施形態では、容器シェル部分の成形に続いて、窪みターゲット440は、局所的な加熱及び成形によって厚さが変更されてもよく、この方法によって、厚さは、適切な寸法に正確に調整されてもよい。いくつかの実施形態では、調整された領域の厚さは均一であるが、他の実施形態では、調整された領域の厚さは、領域440にわたって変化する。
【0042】
次に、図4Cを参照すると、図4Aに記載された凹型ポートベイの別の実施形態では、窪み特徴425が、容器シェルに使用されるものとは別の材料445で満たされていることが示されている。いくつかの実施形態では、材料はゴム材料である。いくつかの実施形態では、充填材料は、材料455の薄いキャップによって窪み特徴に固定される。いくつかの実施形態では、薄いキャップの材料は、容器シェルに使用されるものと同じである。いくつかの実施形態では、薄いキャップは、周囲460の周囲を、凹んだベイポートの角面465に熱溶接される。いくつかの実施形態では、薄いキャップ材料及び充填材料は、貫通工具の端部の正しい配置を容易にするためのディンプルターゲット456を含む。
【0043】
次に、図4Dを参照すると、図4Aで説明した凹型ポートベイの別の実施形態が示されており、ここでは、凹型ポートベイ420が材料475で充填されている。いくつかの実施形態では、充填材料はゴム材料である。いくつかの実施形態では、ターゲットディンプル480が、充填材料の上面に成形されている。いくつかの実施形態では、ゴム材料は、容器の表面と平らであるが、他の実施形態では、材料は、凹んだポートベイを部分的にしか充填しない。
【0044】
次に、図5A図5Eを参照して、前の図に記載された容器コンテナの充填、密封、及び準備のための一例の方法が示され、記載されている。図5Aにおいて、容器の代表的な容器充填ポート角500は、充填ポート角が容器の残りの部分よりも高い高さにあるような向きで示されている。記載された例では、容器コンテナシェル507は、フランジ周囲で保護バンパ505によって囲まれているが、いくつかの容器充填プロトコルでは、バンパ505は不在であってもよく、オプションとして、容器の充填後の操作に設置されてもよい。いくつかの充填プロトコルでは、充填操作は、局所的な充填環境の無菌性を維持するバリアによって隔離されたクリーンルーム又は無菌領域で実施されてもよい。充填ポートを覆うのは、容器シェル507の表面に接着剤で可逆的に接着され、それによって充填ポート凹部を隔離してポート凹部の無菌性を維持するラベルシール510である。ラベルシール510は、除去タブ511上に上向きの張力をかけることによって除去されてもよく、それによって容器シェル507の表面からのラベルの分離を開始する。いくつかの実施形態では、除去タブ511は、コンテナ表面507に接着されておらず、それにより、タブの持ち上げを容易にする。いくつかの実施形態では、除去タブ511は、機械的充填機械による把持を容易にするために、延長部又は貫通穴を含んでもよい。
【0045】
ここで、図5Bを参照して、ラベルシール510が取り外されると、充填ポート凹部515が露出し、アクセスターゲット520が露出する。いくつかの実施形態では、アクセスターゲットは、凹部の壁にある単純なくぼみである。いくつかの実施形態では、アクセスターゲットは、切り捨てられた円錐状のくぼみのような、より複雑なプロファイルをとり、他の実施形態では、アクセスターゲットは、ツイストロック係合構造又は、ねじ結合のような(ただし、これらに限定されない)より複雑な特徴を含む。いくつかの実施形態では、アクセスターゲットは、容器壁507が構成される材料以外の材料をさらに含む。
【0046】
次に、図5Cを参照すると、アクセスターゲットは、いくつかの方法では機械的充填機要素520によって駆動され得る充填ニードル525によって貫通される。いくつかの方法では、充填ニードル525は二重の逆流通路、すなわち、液体が容器内に導入され得る1つの通路と、容器内部からのガスが引き出され得る別の通路とを有し、それによって容器内部と容器が休息している大気環境との間の圧力平衡を維持する。容器が所望の封じ込め容積に充填されたとき、いくつかの方法では、充填針525が引き出される。
【0047】
次に、図5Dを参照して、いくつかの方法では、充填後は、シール要素535を充填ポート凹部515のアクセスターゲット520に適用することにより、アクセスターゲットをシールする。いくつかの実施形態では、シール要素はプラグ形状である。他の実施形態では、シール要素はカバーであり、他の実施形態では、シール要素はカバーとプラグ形状の組み合わせである。他の実施形態では、シール要素は、通気又は容器内容物抽出のような後続の使用方法で機能するようなカップ形状を含み得る。いくつかの実施形態では、シール要素の材料は、容器が構成されたものと同一である。いくつかの方法では、アクセスターゲット520への適用又は挿入に続いて、シール要素は、材料の融合が起こるように、充填ポート凹部520の表面にヒートインパルスシール(シール機構は図示せず)され、それによって容器内部を外部環境から完全にシールする。
【0048】
次に、図5Eを参照して、いくつかの充填方法において、最終ステップは、充填ポート凹部(前の図の515、ここでは閉塞されている)が外部環境から隔離されるように、滅菌シールカバー545を容器シェル表面507に適用することである。いくつかの実施形態では、シールカバー545は、この図に示すように、このポートが容器内容物のベント又は引出しなどのその後の使用操作に参加しないことを使用者に指定するために、リフティングタブ(以前の図の515)を含まない。他の実施形態では、タブ機能(以前の図の515)が存在してもよく、それによって、後続の使用操作のためのシール545の取り外しを容易にする。
【0049】
ここで、図6Aを参照すると、無菌ベントツールの一例が、透視図及び透視断面で示されている。本発明のいくつかの実施形態では、液体内容物の抽出時に変位した液体の体積を置換するために、ガスが外部環境から容器内部にベントされる。いくつかの実施形態では、液体抽出プロセスの間、外部ガスを、病原性生物を留め置いて、容器内部への病原性生物の侵入を防止するのに十分な最大細孔サイズを有するフィルタに通すことによって、容器内部の無菌性が維持される。図示された例600では、内部容積が外部環境と連続しているように上端で開放された円筒状の内部容積を含む円筒状容器収容体610が示されている。円筒状内部容積の空間全体内に収容され、かつその空間全体を占有しているのは、気体が濾過媒体を通過することを可能にしながら、任意の粒子状物質に加えて任意の病原性生物学的物質が濾過材料内に捕捉されるような最大の細孔サイズを有する濾過要素605である。フィルタ605を通過した濾過ガスは、プレナム領域612の下に入り、円筒形ハウジングベース614内に含まれるチューブ615の中空部613内に導かれ、チューブ末端616(ここでは、チューブ615の中で鋭利なベベルとして示されている)から出る。いくつかの実施形態では、(備え付け付属品としての)フィルタは、フィルタハウジングの円筒状延長部617に摩擦によって可逆的に結合し、それによって使用まで針の無菌性を維持する針カバーに取り付けられてもよい。
【0050】
次に、図6Bを参照して、本発明の容器の実施形態のベントのための方法を示す。図示では、容器シェル650及びバンパフェルトバンパフレーム655のベントポート角の断面が提供されている。無菌ベントツール610(図6Aで説明したようなもの)が、容器の上部シェル650と連続しているベントポート640を充填するゴム充填物630とを通って、また、凹部ポート640のアクセスターゲット635を通って挿入されるように示されており、それによって、以前は容器内部645を完全に囲んでいた連続したシェル境界を貫通し、またそれにより、外部環境からのガスが、無菌フィルタ(図6Aの要素605)を通る流れによって容器内部645に通過し得る経路を形成するようになっている。いくつかの実施形態では、濾過ベントニードル615の境界にあるアクセスターゲット材料635は、アクセスターゲット材料635と濾過ベントニードル615との間のガスの流れを防止するのに十分な気密シールを形成する。他の実施形態では、充填材630と濾過通気針615との間に気密シールが形成され、他の実施形態では、濾過通気針とのシールは、例えば図4Cに記載された充填材445及びキャップ構造455などのような(ただしこれらに限定されない)、他の構造によって形成される。
【0051】
次に、図7を参照すると、本発明の実施形態の断面図が示されており、ここで、第1のシェル部分705が、両部分のフランジ境界712において第2のシェル部分710に嵌合されており、ここで、ポート凹部715が第1のシェル部分705の主要表面717に存在している。またここで、ポート凹部715の一方の表面730に貫通孔が導入されており、その中に、インサート720のフランジ725の下面がポート凹部715の表面730に接触して嵌合するように、ネジ付きインサート部分720が挿入されているところで、このインサート720のフランジ725の下面がポート凹部715の表面730に接触して嵌合する。いくつかの実施形態では、ねじ付きインサート720は、容器740の内部が容器の外部環境から隔離されるように、ポート凹部表面730に熱溶接されている。いくつかの実施形態では、インサート720は、第1のシェル部分705及び第2のシェル部分710を形成するのに使用されるのと同じ材料から構成される。いくつかの実施形態では、インサート720は、射出成形プロセスによって作られる。いくつかの実施形態では、インサート720は、外部結合装置が凹部ポートインサートと確実に相互作用し得る内部ネジ745を含む。いくつかの実施形態では、インサート720の一方の下側壁は、インサート720に結合されたときに器具によって壁を貫通するのに必要な力を調整するために、第2の厚さ735を含んでもよい。
【0052】
次に、図8Aを参照すると、本発明の一実施形態が断面で示されている。この実施形態では、上部シェル部分805は、上部シェル部分805の周縁フランジ820の周囲の材料と、第2又は下部シェル部分815の対向する材料との融着結合において、第2又は下部容器平面シェル部分810と接合される。当業者は、水溶液で満たされ、溶液の凝固点以下の温度環境に置かれた場合、内容物の膨張が凝固プロセス中に起こることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、容器の内部表面上で相変化を受けている材料の外向き圧力下での容器の膨張を可能にするために、掃引リム825は、プロファイルの内面に圧力が加えられたときの曲率の変化が、シェル部分平面805,810を歪めることなく、かつ上部シェルリムフランジ820と第2シェル部分810の対向部分815との間の融合結合830に過度の応力を与えることなく、2つのシェル部分表面825、810の間の距離を増加させることを可能にするような曲率835を有するプロファイルを含み得る。いくつかの実施形態では、外部形状は、掃引リム825以外の容器シェル壁への形状の変化を制限するために、凍結プロセスの間に容器に適用されてもよい。
【0053】
次に、図8Bを参照すると、図8Aに示された容器の断面が示され、ここで、掃引リム825が、図8Aに示されたリム対応部分よりもより誇張された二重背曲率835を含む。いくつかの実施形態では、掃引リム825を規定するプロファイル線の長さは、上部シェル部分805と下部平面シェル部分810との間の距離が増加するにつれて、掃引リムのより大きな範囲の延長が可能になるように増加する。
【0054】
次に、図9Aを参照すると、本発明の実施形態は、フランジリム910とさらに接合された拡張可能掃引リム927と接合された丸みを帯びた角を有する主要な平面930を含む第1又は上部シェル部分905のシェルを含み、第1又は上部シェル部分905は、平面的な第2又は下部シェル部分965(上部シェル部分905の背後に閉塞されている)と接合されている。第1のシェル部分905のフランジリムを遮るのは、第2の部分によって形成される側を除いて、導管トンネルのすべての側面を形成する掃引リム927の延長部920であり、導管トンネルは、容器内容積と外部環境との間の通路を形成する。いくつかの実施形態では、導管トンネルは、導管トンネルのすべての側面を形成する材料に熱溶接されたエンドプラグ945で終端し、エンドプラグ945は、材料が容器内部に導入され得る1つ以上の貫通穴、開口部、ルーメン(lumen)、又は通路をさらに含む。いくつかの実施形態では、エンドプラグ945の貫通穴は、取り外されるまで容器の内部を隔離するように構成された可逆的に結合された気密シールラベル950によって閉じられる。いくつかの実施形態では、ベントポート955及び抽出ポート960は、掃引膨張リム927の壁内に配置されている。いくつかの実施形態では、フランジ910は、容器を手動又は機械的に移動させるためのハンドルとして機能し得る延長部935と接合されており、それにより、容器の残りの部分を把持要素からの熱エネルギーの流入から隔離する。いくつかの実施形態では、表面フランジ延長部935は、識別ラベル940が貼付され得る平面を提供する。いくつかの実施形態では、フランジ延長部935及び貼付されたラベル940により、容器900は、類似の容器のコレクションからの選択された容器の迅速な識別及び位置特定を容易にするために、延長部及びラベルを上方に延ばした状態で横方向に積み重ねた構成で保管することが可能となる。いくつかの実施形態では、フランジ延長部935及び貼付ラベル940は、特定の容器の位置を特定するのに必要な時間を短縮するのに役立ち、それによって、そのような検索が行われる間、容器のコレクションを室温で保持することに関連した温度上昇及び含まれる試料への損傷を緩和する。いくつかの実施形態では、第1の又は上部シェル部分905と第2の又は下部シェル部分965は、2つの部分の間に両面容器が形成されるように、フランジ延長部935の位置で部分的に結合されている。いくつかの実施形態では、フランジ延長両面容器は、電子識別装置を囲んでもよい。いくつかの実施形態では、電子識別装置は、RFIDチップである。
【0055】
次に、図9Bを参照すると、図9Aで説明した容器の分解図が、容器の構造をより良く説明するために示されている。いくつかの実施形態では、第1の又は上部容器シェル部分905は、第2の又は下部平面容器シェル部分965と嵌合する。いくつかの実施形態では、第2の容器シェル部分965は、非平面であり、空洞を含む。いくつかの実施形態では、第2の容器シェル部分905は、第1の容器シェル部分のフランジ面結合面における公称鏡像である。いくつかの実施形態では、射出成形されたインサートプラグ945は、第1のシェル部分905の掃引リム延長部920及び第2のシェル部分965の対向領域によって形成される貫通トンネル、貫通孔、開口部、内腔又は他の経路において、第1のシェル部分905及び第2のシェル部分965との完全なシールを形成するように熱溶接される。いくつかの実施形態では、プラグキャップ945は、気密ラベルカバー950の取り付けによって可逆的に密封される。いくつかの実施形態では、識別ラベル940は、第1のシェル部分又は第2のシェル部分のいずれかの外面に貼られてもよい。
【0056】
次に、図9Cを参照すると、図9A及び図9Bで説明した容器900を充填する方法の第1段階が示されている。いくつかの方法では、無菌ラベルシール(図9A、950)が取り除かれることにより、貫通トンネル920のエンドキャップ945の上面外面から容器内部に延びる貫通通路922が露出し、容器900は、エンドキャップ945が最も高い位置にある直立した姿勢で位置決めされる。いくつかの実施形態では、容器の液体内容物は、管状充填針によって容器内部に導入されてもよい。いくつかの方法では、容器内の液体が貫通トンネル通路920を占有しないように、容器内容物の導入後に空気空間が残る。
【0057】
ここで、図9Dを参照すると、図9Cで説明した方法の第2段階が示されている。いくつかの方法では、図9Cのように容器を直立姿勢に保持した状態で、充填された容器貫通管920は、加熱装置(図示せず)で通路920をクランプし、通路材料の温度をガラス及び材料の融着温度まで上昇させ、それによって通路を隣接するフランジの厚さまで平らにすることによって崩壊される。いくつかの方法では、クランプ及び加熱装置は、トリム機能を含み、それにより、エンドキャップ945及び隣接する容器材料は、トリムラインが924におけるリムフランジの外縁と一致するように、示されたライン924で容器の残りの部分から取り除かれてもよい。いくつかの方法では、熱圧縮及び加熱装置は、フランジシールが容器の周囲に連続しているように、容器フランジの経路に沿って容器をシールし、それによって容器の内容物を外部環境から隔離する。
【0058】
次に、図9Eを参照すると、図9C及び図9Bで説明した方法の第3段階が示されている。いくつかの方法では、フランジ周縁932に沿って密封されトリミングされた容器が冷却されると、容器の密封が完了し、容器及び内容物は、凍結、貯蔵、輸送、解凍方法などの後続の方法によってさらに処理されてもよい。
【0059】
次に、図9Fを参照すると、図9A~9Eに示された実施形態の寸法図が示されている。示された容器の実施形態は、2mlの公称容積容量を有する。いくつかの貯蔵方法では、示された寸法図は、ボックスごとに合計81個の容器を収容するために、3列27行の一般的な5インチ×5インチの低温貯蔵ボックス内に貯蔵されてもよい。いくつかの方法では、容器の位置に関する事前の知識がなくても、特定の容器の同一性は、ラベルが側面に貼付された円筒形の筒状バイアルの同様の配列に必要とされるように、容器を取り扱い、容器を持ち上げることなく、リム延長ラベルをスキャンすることによって視覚的に評価されてもよい。
【0060】
次に、図10Aを参照すると、本発明の別の実施形態の分解図が示されており、複雑なプロファイルの掃引リム1016及びリム1016の下端から延びる周縁フランジ1022によって囲まれた平坦な平面1015からなる内部容積境界を有する第1の又は上部シェル容器部分1005が示されており、その中に1つ以上の凹んだポート構造1017が収容されている。いくつかの実施形態では、容器の第2の又は下部シェル容器部分は、フランジリム1022が周縁1020と出会うところで上部シェル容器部分1005と嵌合し、熱溶接又は他の適切な接合部で接合される平坦な平面部分1010であり、それにより、2つの平行で対向する平坦な平面を有する容器シェル本体が形成される。いくつかの実施形態では、掃引リム1016は、上部シェル内面からの離脱時に容器と共に固化した内容物が、上部シェル容器部分1005によって干渉されることなく、容器の上部平面に垂直な方向ベクトルで移動することが許容されるように、アンダーカット面がない状態で上部表面1015から外向きに広がっている。いくつかの実施形態では、ドライバカード要素、コンポーネント又は部品1025は、容器内容積内に収容される。いくつかの実施形態では、ドライバカード1025は、フェライト平板部1035が積層材料1030によって完全に取り囲まれるように、熱溶着又は他の適切な結合で縁に接合された材料1030の2つの層の間に積層されたフェライト平板部1035を含む。いくつかの実施形態では、積層材料1030は、容器シェル部品に使用される材料と同一である。
【0061】
次に、図10Bを参照すると、上部シェル1015は、完全な容器構造を形成するために、熱溶着ボンド1040で下側平坦面1010に接合されていることが示されている。いくつかの実施形態では、下側平坦面1010は、平面ヒーター表面が下側表面に接触することを可能にし、それにより、内包された内容物の温度を上昇させる。
【0062】
次に、図11Aを参照して、容器内容物の凍結融解が実施され得る方法を説明するために、融解シーケンス進行の第1段階が示されている。図11Aでは、図10で説明した容器の上部シェル1105と容器の平面的な底部1110とが周縁フランジ1112の周囲で熱溶着接合されている断面図が示されている。なお、処理方法の説明のための容器1115の内部容積は、水性液体で満たされているものとする。容器内部はまた、容器壁に使用される同じ材料の2枚のシートの間に積層されたフェライト板1135を含むドライバカード1140を保持し(積層されたシートは透明に示されている)、ドライバカード1140のフェライト板1135は、熱伝導性材料1125のブロックに埋め込まれた磁石1130の引力を介して、上部シェル部分1105の上面内面と接触して保持又は選択的に懸垂される。熱伝導性材料から構成された追加のブロック1120は、容器1110の下面と直接接触している。方法のこの段階では、液体内容物に相変化が生じるまで、熱エネルギーが容器及び容器内容物から離れて伝導されるように、ブロック1125及び1120の両方が温度を低下させる。凝固すると、上部ブロック1125及び磁石1130及び下部ブロック1120が除去され、ドライバプレート1140は、凝固した内容物によって静止した位置に捕捉されたままとなる。
【0063】
次に、図11Bを参照すると、図11Aで説明した容器及び内容物1105が凝固状態にある容器及び内容物が示されている。方法のこのステップでは、上部シェル1105及び完全な容器を形成する下部平面シェル部分1110は今、容器1105の上部平面に直接接触しているヒータブロック1150と、容器1110の下部平面に直接接触している第2のヒータブロック1155との間でクランプされている。下部ヒータブロック1155には磁石1160が埋め込まれている。容器部1105の凝固内容物が上殻の内面から分離するのに十分な値まで温度が上昇すると、ドライバカード1040上の磁石1160の磁気吸引力により、凝固内容物が下側平坦容器部1110の内面にバイアスをかける。方法のこの時点で、上部ヒータブロックは、もはや加熱モードではないように、脱通電されてもよく、又は代替的に、上部容器シェル部分1105の外表面との接触から引き離されてもよい。固体容器内容物1105の相変化が平面容器シェル部分1110の内面で起こると、ドライバカード1140のバイアス圧力は、部分1110の内面で形成された液体を外周に強制的に押し出し、その後、ドライバカード1040と上部シェル部分1150の内面との間に蓄積させる。このプロセスが進行するにつれて、凝固した容器内容物1115のみが、平坦な容器部分1110の内面と接触することになり、したがって、下部ヒータブロック1155によって提供される熱エネルギーのための効率的なヒートシンクとして作用し、固体材料1155における温度は、固体材料1115の相変化温度に近い温度で残存し、したがって、熱エネルギーの高ワット数の流入は、温度上昇による液体内容物の損傷の危険性なしに、相変化間隔の減少をもたらす解凍プロセスに適用されてもよい。
【0064】
次に、図11Cを参照すると、図11Bよりも後の時間の解凍プロセスが示されている。解凍プロセスのこの段階では、上部ヒータブロック1150は、上部シェル部分1105の上部平坦面と接触したまま示されているが、非通電状態になっている。解凍プロセスがこの段階で進行しているので、容器内の固体材料内容物1105は減少し、ドライバカード1140は容器内の低い位置にある。同様に、ドライバカード1140の上の空間1175に蓄積された液体内容物の体積が増加している。解凍プロセスのこの段階の間、ヒータブロック1105は、いくつかの実施形態では、まだ熱エネルギーのための高ワット数出力を生成していてもよい。いくつかの実施形態では、上部ヒータブロック1010は、その下の空間の液体内容物の温度を制御するために積極的に冷却されてもよい。いくつかの実施形態では、ドライバカードの近接は、解凍プロセスの状態を決定し、解凍プロセスの最終的な完了を決定するために、ヒータブロック1105内又はその近傍に埋め込まれたホールセンサ、又は誘導センサ(図示せず)によって監視されてもよい。
【0065】
次に、図11Dを参照すると、図11A図11Cを参照して説明した解凍プロセスの結果が示されている。解凍プロセスのこの段階では、上部ヒータブロック1150は非通電状態のままであり、上部シェル部分1105の上面平坦面と接触している。容器内部の固体内容物1115は、相変化を完了した結果としての液相となり、磁石1160によって下側平坦容器部分1110の内面に偏っている現在のドライバカード1040の上の空間1175に変位している。解凍プロセスのこの時点又はその前に、ヒータブロック11055は非通電状態になっており、もはや容器内部に熱を伝達しない。いくつかの実施形態では、ヒータブロック1155及び/又はヒータブロック1150は、解凍プロセスに続く容器の液体内容物のための所望の作動温度を維持するために積極的に冷却されてもよい。
【0066】
次に、図12を参照すると、本発明の実施形態の分解図が示されており、第1又は上部容器シェル部分1204は、周囲の端部で掃引リム1210に接合された平面1205を含み、前記掃引リム1210は、さらに、平面1205に平行な平面を占め、平面1205からオフセットされたフランジ1215で反対側の端部で接合されている。組み立てられると、フランジ1215は、第2又は下側の平面シェルピース1235の適合領域と嵌合し、熱溶接されて、内部容積を環境から完全に隔離する格納容器を形成する。いくつかの実施形態では、フェライト系シート材料1230が材料1225によって完全に取り囲まれ、それによって水密性の封じ込め容器内に隔離されるように、材料1225の2層の間に積層されたフェライト系シート材料1230を含むドライバカード1220は、上部シェル部分1204が下部シェル部分1235に接合されるときに形成される封じ込め容器内に封入される。いくつかの実施形態では、上部シェル部分1204が縁1206,1236を一致させて下部シェル部分1235に結合されるときに、容器シェル部分1245の反対側の端部がオーバーハングし、上部容器シェル縁1216を越えて延在するように、下部シェル部分1235は上部シェル部分1204よりも長い。いくつかの実施形態では、下部シェル部分1235は、2つの熱溶着された材料の積層体を含む。いくつかの実施形態では、2つの積層体1235は、積層体の間に介在するとともに下部シェル部分1235の延在縁1240上で終端する導電性材料トレース1255によって接続されたセンサ1250を含む。いくつかの実施形態では、センサ1250は温度センサである。いくつかの実施形態では、センサ1250は、サーミスタ、RTDセンサ、又は熱電対センサである。いくつかの実施形態では、センサは、内部積層が存在しない領域を介して容器内部又は容器内容物と直接通信し、他の実施形態では、容器シェル材料以外の材料がセンサと容器内部又は容器内容物との間に介在する。いくつかの実施形態では、トップ積層層1238の一部が切り取られて、導電性センサトレース1240の終端部を露出させる1239が形成される。いくつかの実施形態では、導電性センサ痕跡は、センサ1250からの電子データ信号がデータ処理回路に伝達されるように、相補的な電気ソケットとインターフェースすることができる。いくつかの実施形態では、下部シェル部分1235の上部層1238は、センサ1250によって登録された温度が上部層1238の上面と密接に相関し、これにより容器内に含まれる液体内容物の温度と相関するように、第2の層よりも薄い。
【0067】
次に、図13Aを参照すると、本発明の一実施形態が示されている。ここで、容器1300は、上部シェル部分を含み、上部シェル部分はさらに2つの平面、即ち、上部シェル部分の第1チャンバ1311の側面を形成する掃引リム構造1335と連続する第1の平面1310と、上部シェル部分の第2チャンバ1316の側面を形成する掃引リム構造1340と連続する第2の平面1315とを含む。両方の掃引リム構造1335,1340は、両方のチャンバ1311及び1316の周囲を取り囲み、2つのチャンバを部分的に分割するフランジ1306と連続するリムフランジ1305と連続しており、両方の掃引リム構造1335及び1340は、2つのチャンバ1311及び1316をさらに分割するリムフランジ1307と連続している。いくつかの実施形態では、2つのチャンバ1311,1316は、ガスバルブ1355及びバルブゲート1350によって接合されており、これらの両方は、通常は閉じており、フランジリム1305の近位端1312からフランジリム1305の遠位端1313に垂直に走る特定の遠心力場ベクトルに整列された遠心力を受けると、これらの両方が開くようになっている。いくつかの実施形態は、第1のチャンバ1311の平坦面1310内に配置されたローディングポート1320を含む。いくつかの実施形態は、第2のチャンバ1316の平坦面1315内に位置するローディングポート1325を含む。いくつかの実施形態では、及び抽出ポート1330は、第2のチャンバ1316の平坦面1315内に配置されている。いくつかの実施形態では、追加のベントポートが、第2のチャンバ1316の平面表面1315内に配置され得る。いくつかの実施形態では、フランジリム1305は、2つ以上の貫通孔又は鍵孔切り出し領域1345を含み得る。
【0068】
次に、図13Bを参照すると、図13Aで説明した容器の実施形態の分解図が示されている。いくつかの実施形態では、平面1368と連続する周囲フランジ1364を含む上部シェル部分1310と、平面1369と連続する周囲フランジ1365を含む第2の下部シェル部分1312とが、容器の周囲をシールし、第1のシェル部分1310の第1のチャンバ容積1370と第2の下部シェル部分1312の第1のチャンバ容積1371とによって形成される2つのチャンバを部分的に分割する熱溶着で嵌合する。また、第1のシェル部分1310の第2のチャンバ容積1373と、第2の下部シェル部分1312の第2のチャンバ容積1375とが結合されている。いくつかの実施形態では、第1の上部シェル部分1310の第2の表面1366及び第2の下部シェル部分1312の第2の表面1367は、ガスバルブ1385及びゲートバルブ1380によって接続される場所を除いて、結果として得られる容器の第1及び第2のチャンバが分離されるように、第1のチャンバ容積1371,1370を第2のチャンバ容積1375,1373から追加的に及び部分的に分割するために熱溶着で接合される。
【0069】
次に、図14Aを参照すると、図13A及び図13Bを参照して説明したいくつかの実施形態と一緒に使用され得るガスバルブの例示的な実施形態が示されている。いくつかの実施形態では、ガスバルブ1400のバルブハウジング1405は、いくつかの実施形態では、ガスバルブが取り付けられてもよい容器内の対向する内面に熱溶接されている6つの外部平面1407を構成している。いくつかの実施形態では、バルブハウジング1405は、表面1407と、ガスバルブが設置されてもよい容器の対向する内面との間の溶接部を埋めるための追加材料を提供してもよい隆起リブ構造1410を含む。いくつかの実施形態では、セプタム構造1415がバルブハウジング1405内に保持される。いくつかの実施形態では、セプタム構造1415は、モノリシック成形品である。いくつかの実施形態では、セプタム部分1415は、ゴム材料を含む。いくつかの実施形態では、セプタム構造部1415は、シリコンゴム材料を含む。いくつかの実施形態では、セプタム構造体1415は、バルブハウジング1405へのセプタム構造体の挿入を容易にするための組立ハンドル1420を含む。いくつかの実施形態では、セプタム構造は、圧力等化ポート1450及びガス通過ポート1431を含み、これらはいずれも後続の図でより詳細に説明される。
【0070】
次に、図14Bを参照すると、図14Aで説明したガスバルブが断面で示されている。いくつかの実施形態では、六角形の外表面を有するバルブハウジング1430は、可撓性ゴム製のセプタム構造1452を含む。セプタム構造1452は、容器の第1のチャンバ(図13Bの1371及び1370)と連絡する第1の壁1455と、容器の第2のチャンバ(図13Bの1375及び1373)と連絡する第2の壁1453とを含む。第1の壁1455は、いくつかの実施形態では、弁の非密封室1451内の圧力を容器の第1のチャンバの圧力と同じ圧力に保持する圧力等化ポート1450を含む。いくつかの実施形態では、第1の壁1455はまた、バルブチャンバ1432と連続する通路ポート1431を含む。いくつかの実施形態では、第1の壁1455は、バルブハウジング内に着座し、界面1440において環状シールを形成する。いくつかの実施形態では、第2の壁1453は、バルブチャンバ1432と連続する通路ポート1460を含む。いくつかの実施形態では、第2の壁1453は、バルブハウジング内に着座し、界面1445において環状シールを形成する。いくつかの実施形態では、バルブチャンバ1432は、バルブゲート1470によって二分され、遮断されている。いくつかの実施形態では、遠心力がベクトル1465に沿って印加されると、バルブゲート1470は、同じベクトル1465に沿って変位し、接合部1433においてバルブゲート1470とバルブハウジング1430との間に隙間が形成されるように、隣接するチャンバ膜1480を撓ませる。いくつかの実施形態では、遠心力の値に対するバルブの応答を調整するために、緻密な材料1485がバルブゲート1470に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、バルブゲート遠位面1472とバルブハウジング内部面1475との間の距離1454は、遠心力負荷の下で変位したときにバルブゲート1470の移動を制限するように調整されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム構造1452は、ゴム材料を含む。いくつかの実施形態では、ゴム材料はシリコンゴムである。いくつかの実施形態では、バルブハウジング1430内へのセプタム構造の挿入及び着座を容易にするために、組立ハンドル1420がセプタム構造1452に成形されている。
【0071】
次に、図15Aを参照すると、図13A及び図13Bを参照して説明したいくつかの実施形態で使用され得るゲートバルブの例示的な実施形態が示されている。いくつかの実施形態では、ゲートバルブ1500のバルブハウジング1505は、いくつかの実施形態では、ガスバルブが設置され得る容器内の対向する内面に熱溶着される6つの外部平面1507を構成している。いくつかの実施形態では、ゲートバルブハウジング1505は、表面1507とガスバルブが設置され得る容器の対向する内面との間の溶接部を埋めるために追加の材料を提供し得る隆起リブ構造1510を含む。いくつかの実施形態では、ゲートバルブは、ゲートハウジング弁座1515を含み、これは、いくつかの実施形態では、2つのコネクタプレート1517,1518を介してVブロック構造1520に接合される。いくつかの実施形態では、可撓性ゲート1530は、弁座1515、コネクタプレート1517,1518、並びにVブロック構造1520によって形成された構造内に保持される。いくつかの実施形態では、上部コネクタプレート1517は、可撓性ゲート1530がバルブ構造内に挿入され得る開口部1525を含む。
【0072】
次に、図15Bを参照すると、図15Aで説明したゲートバルブ1500の断面図が示されている。ここで、第1のチャンバ開口部1540と弁座1560における第2のチャンバ開口部とをいくつかの実施形態において接続する通信トンネル1545が断面で見えている。いくつかの実施形態では、通信トンネル1545の両側に隣接する永久磁石1550が、バルブハウジング1535に埋め込まれてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性ゲート1530が、バルブシート1560とVブロック構造1520のリーディングエッジ1580との間に介在している。いくつかの実施形態では、可撓性ゲート1530は、永久磁石1550によって引き寄せられる可能性のある2つのフェライト片1555を含み、それによって可撓性ゲート1530の閉鎖側面1538をバルブシート1560と接触して保持し、それによって通信トンネル1545を閉鎖する。いくつかの実施形態では、ベクトル1570に整列した遠心力がフレキシブルゲート1530に加えられると、閉鎖側面1538は、Vブロックに向かって変位し、バルブシート1560から外れ、それにより、通信トンネル1545の第1チャンバ側1540から通信トンネルのバルブシート1560側への通路を通過することができるようになる。いくつかの実施形態では、ベクトル1570に整列した遠心力の値がゼロに戻されると、フェライト片1555上の磁石1550の磁気吸引力は、バルブゲート1530の閉鎖側面1538を再びバルブシート1560上に沈降させ、通信トンネル1545を閉鎖するように戻す。いくつかの実施形態では、すべての金属材料及び磁性材料は、ゲートバルブ1530の任意の部分を通って流れるか、又はゲートバルブ1530の周囲に蓄積し得る流体との直接接触から隔離されている。記載された実施形態は、ガスバルブ及びゲートバルブの詳細かつ具体的な例を含むものとして説明されてきたが、多数のバルブ設計が同じ機能を果たす可能性があり、したがって、提供された例は、示されたバルブ設計又はバルブが作動する手段に限定的又は排他的であることを意図したものではないことが、当業者によって理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のバルブは磁界によって作動してもよく、他の実施形態では、1つ以上のバルブは電界によって作動してもよい。
【0073】
次に、図16Aを参照すると、容器実施形態1608(図13A及び図13Bに容器1300として示され、説明されている)が、主要平面表面(閉塞されている)及び容器リム1609に沿って、容器1608の外部を受けて接触するように構成された空洞(以下の図16Bに示す)を含む保持器1610の後半部に取り付けられていることが示されている。容器1608の4つの鍵穴スロット1614は、保持器1610内に貼付された4つのピン対物1615の上に適合し、それによって、半径方向力ベクトル1640に沿った容器実施形態の変位を防止する。いくつかの実施形態では、下部リテーナ部分1610は、ねじ付きボルト又はねじ等の1つ以上の留め具1611によって遠心分離アーム1625に固定される。容器は、対応するピン1615の上に上部リテーナ1605の4つの穴(不図示)を貼着することによって、さらに完全に封入されてもよく、これは、その後、2つの側方凹部表面1620において遠心分離アーム1625にクランプされてもよい。車軸1630上で遠心分離アーム1625が回転すると、容器1608及びその中の内容物に遠心力が加えられる。
【0074】
次に、図16Bを参照すると、図16Aのアセンブリの断面が示されている。いくつかの実施形態では、上部容器シェル部分1660の外表面及び下部容器シェル部分1655の外表面において、容器1645は、上部リテーナ1605及び下部リテーナ1610の内部キャビティ表面の対応する部分と密接に嵌合する。いくつかの実施形態では、容器1645は遠心力を加えられ、容器流体内容物は上部容器シェル部分1660及び下部容器シェル部分1655に外向きの静水圧を加え、上部リテーナ1605及び下部リテーナ1610の効果抑制のためではあるが、容器を歪曲させ、及び応力を加え得る。
【0075】
次に、図16Cを参照すると、図16A及び図16Bに記載された容器の実施形態が、上部シェル部分が取り外された状態で示されている。いくつかの実施形態では、下部容器シェル部分1655は、経路に沿って2つのチャンバを分離する中間壁1685によって部分的に隔離された第1のチャンバ1665及び第2のチャンバ1666を含む。分離壁1685は、遠心力作動バルブゲート1675及び遠心力作動ガスバルブ1656によって遮断される。いくつかの方法では、第1のチャンバ1665内に多数の細胞が懸濁して収容されている流体の交換が、容器からの細胞の回収に先立って行われてもよい。いくつかの方法では、容器の第1のチャンバ1665は、凍結保護流体及び気体の小体積割合を含む細胞懸濁液によって占有され、第2のチャンバ1666は、交換流体及び気体の小体積割合によって占有される。いくつかの実施形態では、2つのチャンバ内の流体の比例容積は、容器がベクトル1640に沿って遠心力を受け、両チャンバ1665,1666の内容物が容器の遠位側1691に偏ったときに、バルブゲート1675の両端の静水圧差が最小化されるように調整される。いくつかの方法では、第2のチャンバ1666内の流体の密度は、第1のチャンバ1665内の流体の密度と等しいか、又はやや大きい。いくつかの方法では、容器1600がベクトル1640に沿って遠心力を受けると、第1のチャンバ1665内の細胞は、ゲートバルブ1675の通過トンネル(不図示)を介して第2のチャンバ1666へと移動する。いくつかの方法では、十分な遠心力が加えられると、ガスバルブ1656が開き、2つのチャンバ1665,1666間のガス圧力の平衡化を可能にする。いくつかの方法では、十分な遠心力が加えられると、バルブゲート1675が開き、第1チャンバ1665内の細胞がバルブゲート1675を通って第2チャンバ1666内に移動することを可能にする。いくつかの方法では、2つのチャンバ1665,1666内の流体の間の静水圧平衡が達成され、それにより、2つの流体の間の境界のいかなる静水圧誘発性の変位も否定される。いくつかの方法では、所定時間が経過したとき、及び/又は第1のチャンバ1665内の細胞が第2のチャンバ1666内に完全に移行したと別の方法で判断されたとき、遠心分離器の角速度はゼロに減少し、その間、ガスバルブ1656及びゲートバルブ1675は閉位置に復帰し、それによって2つのチャンバを再び隔離する。容器1600の遠心分離に続いて、いくつかの実施形態では、容器1600は遠心分離機から取り外され、チャンバ1666は充填ポート(図示せず)で通気され、それにより、第2チャンバ1666内の細胞懸濁液は抽出ポート(図示せず)を介して回収される。
【0076】
本発明の上述の考察は、図示及び説明を目的として提示された。前述は、本発明を本明細書に開示された一形態又は複数の形態に限定することを意図したものではない。本発明の説明には、一実施形態並びに特定の変形及び修正の記述が含まれているが、他の変形及び修正は、例えば、本開示を理解した上で、当業者の技術及び知識の範囲内であり得るように、本発明の範囲内である。本明細書に開示されたものと代替的、交換可能及び/又は同等の構造、機能、範囲又はステップを含む、許容される範囲内で代替的な実施形態を含む権利を取得することが意図されており、いかなる特許可能な主題を公に献呈することを意図することなく、本明細書に開示されたものと同様の権利を取得することが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシェル部分と、
第2のシェル部分と、
封入容積と、を有する容器であって、
前記第1のシェル部分は、第1の寸法、第2の寸法、及び第3の寸法を有し、前記第1のシェル部分の前記第1及び第2の寸法は第1の主面エリアを画定し、前記第1の主面エリアは丸角を含み、前記第1のシェル部分の周は、第1の掃引リムプロファイルと、前記第1の主面エリアに平行かつ前記第1の掃引リムプロファイルの周から外向きに延在する第1のフランジとを有し、ここで、前記第1のシェルの前記第3の寸法は前記第1の主面から前記第1のフランジまでの距離を画定し、
前記第2のシェル部分は、第1の寸法、第2の寸法、及び第3の寸法を有し、前記第2のシェル部分の前記第1及び第2の寸法は第2の主面エリアを画定し、前記第2の主面エリアは丸角を含み、前記第2のシェル部分の周は、第2の掃引リムプロファイルと、前記第2の主面エリアに平行かつ前記第2の掃引リムプロファイルの周から外向きに延在する第2のフランジとを有し、ここで、前記第2のシェルの前記第3の寸法は前記第2の主面から前記第2のフランジまでの距離を画定し、
前記封入容積は、前記第1のフランジの表表面が前記第2のフランジの表表面と一緒に接合されたときに、前記第1のシェル部分の内側表面と前記第2のシェル部分の内側表面との間の空間により画定され、ここで、前記封入容積は前記容器の外側から隔離される、
容器。
【外国語明細書】