(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130467
(43)【公開日】2023-09-20
(54)【発明の名称】認知障害の治療のためのsGC活性化薬及びsGC刺激薬の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20230912BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20230912BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230912BHJP
A61K 31/27 20060101ALI20230912BHJP
A61K 31/13 20060101ALI20230912BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
A61K31/506
A61K31/445
A61K31/55
A61K31/27
A61K31/13
A61P25/28
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023113932
(22)【出願日】2023-07-11
(62)【分割の表示】P 2020560750の分割
【原出願日】2019-04-12
(31)【優先権主張番号】18170049.3
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】591063187
【氏名又は名称】バイエル アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Bayer Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・サントナー
(72)【発明者】
【氏名】ヨス・プリカールツ
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、中枢神経系の疾患を制御するのに効果的であり、最新技術と比較して予想外の有益な特性を有する化合物を提供することである。
【解決手段】本発明は、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の「活性化薬」に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療における使用のための、sGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であって、前記sGC活性化薬が、0.2~25mgの一日量で経口投与される、sGC活性化薬又はその製薬上許容される塩。
【請求項2】
前記sGC活性化薬が、式(1)
【化1】
の3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸である、請求項1に記載の使用のためのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩。
【請求項3】
前記経口投与される一日量が、1~10mgである、請求項1又は2に記載の使用のためのsGC活性化薬。
【請求項4】
前記経口投与される一日量が、血圧を大幅に低下させない、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のためのsGC活性化薬。
【請求項5】
認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療における使用のための、式(5)
【化2】
のメチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート又はその製薬上許容される塩であって、前記治療が、認知障害に罹患している哺乳動物に、式(5)の前記化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含み、前記式(5)の前記化合物又はその製薬上許容される塩が、1~6mgの一日量で経口投与される、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項6】
式(5)の前記化合物又はその製薬上許容される塩が、1~3mgの一日量で経口投与される、請求項5に記載の使用のための式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項7】
認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療における使用のための、式(6)
【化3】
のent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)又はその製薬上許容される塩であって、前記治療が、認知障害に罹患している哺乳動物に、式(6)の前記化合物又はその製薬上許容される塩を投与することを含み、式(6)の前記化合物が、0.2~6mgの一日量で経口投与される、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項8】
式(6)の前記化合物又はその製薬上許容される塩が、0.3~3mgの一日量で経口投与される、請求項7に記載の使用のための式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項9】
前記経口投与される一日量が、血圧を大幅に低下させない、請求項5から8のいずれか一項に記載の使用のための式(5)若しくは式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項10】
認知障害が、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症、並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のための式(1)、(5)及び(6)のいずれかの化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項11】
認知障害が、血管性認知症である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のための式(1)、(5)及び(6)のいずれかの化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のための、式(1)、(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩、並びに、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物、及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む、組合せ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の使用のための、式(1)、(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩、並びに、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む、組合せ。
【請求項14】
認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療における使用のための、式(1)、(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩を、請求項1から9のいずれか一項に記載の用量又は請求項12及び13に記載の組合せで含む薬物であって、認知障害が、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症、並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される、薬物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物において認知障害の治療に使用するための、特に血管性認知症の治療に使用するための、sGC活性化薬及びsGC刺激薬に関する。
【背景技術】
【0002】
環状ヌクレオチド、環状アデノシン一リン酸AMP(cAMP)及び環状グアノシン一リン酸(cGMP)は数十年前に発見された、細胞内で最も重要なセカンドメッセンジャー経路の1つである。細胞内cGMPプールの調節が、生理学及び病態生理学に大きな影響を有し、薬理学的介入の1つの基本原則であることは十分に確立されている(Evgenovら、2006;Staschら、2009)。したがって、細胞内cGMPレベルを上昇させ得るニトレート及びPDE5阻害剤(PDE5i)は、それぞれ狭心症及び肺高血圧症(PAH)又は勃起不全(ED)の治療法としてすでに承認されている。sGC刺激薬は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を直接刺激することによって、ニトレート及びPDE5iの重大な制限を克服できる。リオシグアトのようなsGC刺激薬は、肺高血圧症(PAH)及び慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)の治療に承認されており、心不全(HFrEF)の治療のための後期第III相臨床開発段階にある。さらに、例えば高血圧症(HTN)、慢性腎臓病(CKD)、全身性硬化症(SSc)、嚢胞性線維症(CF)、鎌状赤血球症(SCD)など、さらなるsGC刺激薬が臨床開発及び前臨床調査の初期段階にある。sGC刺激薬のこの非常に幅広い治療の可能性は、様々な疾患に対するこの非常に効果的かつ幅広い薬理学的介入戦略を支えている。そのため、sGC刺激薬の様々な作用様式を理解して、患者の利益のために治療の可能性を十分に活用するための集中的な研究努力が今もなお進行中である。
【0003】
sGC刺激薬が、NOを必要としないsGCの直接刺激を介して作用することは広く認められている。sGC刺激薬は、酸化されていないヘム含有sGCに結合し、細胞内cGMPのNOに依存しない形成及び増加をもたらす(Stasch&Hobbs 2009)。その上、sGC刺激薬は、NOがsGCに結合している場合にcGMPへのNOの効果を高める。そのため、sGC刺激薬は、cGMP産生へのNOとの相互作用も示す。インダゾール誘導体YC-1は、最初に記載されたNO非依存性であるがヘム依存性のsGC刺激薬であった(Evgenovら、2006)。YC-1に基づいて、YC-1よりも強力で、ホスホジエステラーゼ(PDE)の関連する阻害を示さない、さらなる物質が発見された。これにより、ピラゾロピリジン誘導体BAY 41-2272、BAY 41-8543、及びBAY 63-2521(リコシグアト)が識別された。構造的に異なる物質CFM-1571及びA-350619とともに、これらの化合物はsGC刺激薬のクラスを形成する(Evgenovら、2006;Stasch及びHobbs、2009)。最近になって、異なる薬物動態プロファイルを示し、治療の将来性に影響を与える可能性のある、異なる臓器分布も示す、さらなる化合物クラスが発見された(Follmannら、J.Med Chem 2017)。
【0004】
酸化ストレス条件下では、sGCのヘム基のFe2+鉄原子はFe3+に酸化される。このヘム基とsGCのベータサブユニットとの結合が不安定になり、この酵素はヘム欠失型(heme-free)になる。BAY 58-2667(シナシグアト)の発見により、ヘム欠失型sGCを活性化することができる新しい化学物質が見出された。そのため、BAY 58-2667は、このクラスのsGC活性化薬の原型である。これらの物質の共通の特徴は、NOと組み合わせると酵素活性化に相加効果しか持たないこと、そして酸化又はヘム欠失型酵素の活性化がヘム含有酵素の活性化よりも著しく高いことである(Schmidtら、2009)。分光学研究は、BAY 58-2667が、鉄-ヒスチジン結合が弱まった結果として、sGCに弱くしか結合していない酸化ヘム基を置換することを示す。また、特徴的なsGCヘム結合モチーフTyr-x-Ser-x-Argが、ヘム基の負に帯電したプロピオン酸の相互作用とBAY58-2667の作用の両方に絶対に不可欠であることも示されている。そのため、sGCでのBAY 58-2667の結合部位は、ヘム基の結合部位と同一であると想定される(Schmidtら、2009)。最近になって、異なる薬物動態プロファイルと、治療の可能性に影響を与える可能性のある異なる臓器分布も示す、他のクラスのsGC活性化薬が発見された。
【0005】
sGC刺激薬及びsGC活性化薬が血管平滑筋細胞の弛緩と血圧低下をもたらすことは十分に確立されている。これは、心血管疾患においてsGC刺激薬を使用するための基本原則の1つである。ただし、血管拡張を超える、及び血管平滑筋細胞を標的とする他の作用機序は部分的にしか理解されておらず、現在調査が行われている。さらに、どの疾患、どの条件下、及びどの組織又は細胞において、酸化ストレスの増加がヘム欠失型sGCの形成をもたらすかも、当技術分野で十分に説明されていない。しかし、低酸素刺激は、特に脳において、中枢神経系でヘム欠失型sGCの形成を引き起こす可能性がある。sGC刺激薬及びsGC活性化薬の細胞効果及び治療効果を予測することは困難である。それは、cGMPが複数の下流標的、例えば、プロテインキナーゼ、ホスホジエステラーゼ、イオンチャネル、構造タンパク質を有し、潜在的に未知の標的も有し、これらは細胞ごとに、そして組織ごとに異なり、疾患状態で実質的にダウンレギュレート又はアップレギュレートされる可能性もあるためである。これに一致して、近年、cGMPの増加が神経機能に影響を及ぼし、神経保護作用を示したり、認識及び記憶に影響を及ぼしたりする可能性があることも明らかになった。国際公開第2003/095451号は、リコシグアトをはじめとするsGC刺激薬が、NO/cGMP系の障害を特徴とする中枢神経系疾患の制御に適し、特に、軽度認知障害、加齢性学習及び記憶障害、加齢性記憶喪失、血管性認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症を伴う統合失調症、及びその他の疾患などの状況/疾患/症候群に関連して特に発生するような認知障害後の知覚、集中力、学習又は記憶の改善にも適していることをすでに言及している。Heckmanら(2016&2018)は、前頭線条体回路に関連する認知、情動、及び運動機能への、異なるホスホジエステラーゼ阻害剤の効果に関する臨床研究を概説し、PDE5阻害剤が線条体機能に影響を及ぼすと結論付けた。しかし、Heckmanらは、神経精神障害におけるPDE阻害剤の効果を調査する臨床試験は全体的に非常に少ないので、陽性の臨床データの財産は、まだ臨床有効性に変換することができなかったとも指摘している。結果として、これらの少ない臨床試験の結果だけに基づいて確定的な結論を出すことはできない。K.Celikyurtら(2014)は、sGC刺激薬YC-1の慢性投与は老齢ラットにおいて加齢性の学習及び記憶機能障害に影響を及ぼし得ると報告した。国際公開第2017/108441号は、マウス動物モデルにおける、認知障害、特に加齢、アルツハイマー病又は統合失調症に関連する認知障害のsGC刺激薬リコシグアト(BAY 63-2521)又はその活性代謝物ネロシグアト(Nelociguat)(BAY 60-4552)による治療に関する。特に、国際公開第2017/108441号は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤に加えて、リコシグアト又はネロシグアト(Neliciguat)を投与することによる認知障害の治療に関する。国際公開第2017/108441号では、リコシグアトは、0.03mg/kgの単回投与で、健康なマウスの空間記憶を強化できると結論付けられている。高用量(0.1~0.3mg/kg)又は低用量(0.01mg/kg)のリコシグアトは、健康なマウスで有意な効果を示さなかった。健康なマウスでの、一回のみの有効量のリオシグアトのこの単回投与から、慢性治療計画を推定することは不可能であり、認知障害を持つ患者に効果的であり得る用量範囲を推定することはさらに困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2003/095451号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2017/108441号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、sGC活性化薬又はその製薬上許容される塩、並びに、メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)又はその製薬上許容される塩、及びent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)(式(6)の化合物)から選択される特定のsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩は、
・血圧をあまり低下させない投薬量で
・最新技術(国際公開第2017/108441号)と比較して驚くほど広い治療用量範囲で
・最新技術(国際公開第2017/108441号)によれば効果的であると予測できなかったsGC活性化薬又はsGC刺激薬の全体的な曝露をもたらす用量で
認知機能を改善する。
【0008】
驚くべきことに、式(1)及び(2)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩、並びに式(5)及び(6)のsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩は、認知機能を直接改善することができた。これは血圧低下とは無関係であった。驚くほど広い治療域は、より良好な安全域及び用量調節を可能にする。
【0009】
そのため、本発明に記載の化合物は、中枢神経系の疾患を制御するのに効果的であり、最新技術と比較して予想外の有益な特性を有する。
【0010】
本発明の一実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩である。
【0011】
本明細書において使用される、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の「活性化薬」という用語は、酸化型又はヘム欠失型のsGCと相互作用して、酸化型又はヘム欠失型のsGCを活性化し、cGMPの形成を触媒する活性化合物に関する(Schmidtら、2009)。
【0012】
本明細書において使用される、「活性化」という用語は、対照、例えば未処置対照と比較して、測定されたcGMPの産生を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%の増加させることと理解される。適した対照は、本開示の教示を考慮すれば当業者に明白である。活性化を決定するために適したアッセイは、関連文献から当業者に容易に利用可能である。本発明の一実施形態では、アッセイA-3が活性化を決定するために使用されている。
【0013】
本明細書において使用される、「血圧を大幅に低下させない用量」という用語は、本発明によるsGC活性化薬又はsGC刺激薬化合物の、血圧をベースラインから20%を超えて低下させない用量として理解され、好ましくは血圧をベースラインから15%を超えて低下させない用量、より好ましくは血圧をベースラインから10%を超えて低下させない用量として理解される。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、脳梗塞、卒中、脳虚血、虚血性脳卒中、頭部外傷、脳卒中後認知症、外傷後頭部損傷、一般的な集中力障害、学習を伴う小児の集中力障害、記憶障害、レビー小体型認知症、ピック症候群をはじめとする前頭葉変性症を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、脱髄、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ病認知症、HIV認知症、統合失調症又はコルサコフ精神病に関連する認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩である。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC活性化薬は、
・4-({(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[4-(2-フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸
・4-({(4-カルボキシブチル)[2-(5-フルオロ-2-{[4’-(トリフルオロメチル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(式(2)の化合物、BAY 60-2770)
・ナトリウム塩としての5-クロロ-2-(5-クロロチオフェン-2-スルホニルアミノ-N-(4-(モルホリン-4-スルホニル)フェニル)ベンズアミド
・2-(4-クロロフェニルスルホニルアミノ)-4,5-ジメトキシ-N-(4-(チオモルホリン-4-スルホニル)フェニル)ベンズアミド
・1-{6-[5-クロロ-2-({4-トランス-4-}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
・1-[6-(2-(2-メチル-4-(4-トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)フェニル)ピリジン-2-イル]-5-トリフルオロメチルピラゾール-4-カルボン酸
・1[6-(3,4-ジクロロフェニル)-2-ピリジニル-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
・1-({2-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
・4-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)安息香酸
・1-({2-[2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-5-メチル-1,3-チアゾール-4-イル}メチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
・国際公開第2012/139888号、実施例22より公知の、3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸(式(1)の化合物)
・国際公開第2014/012934号、実施例23より公知の、5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(4)の化合物)
・国際公開第2014/012934号、実施例7より公知の、5-{(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(3)の化合物)
・(1R,5S)-3-[4-(5-メチル-2-{[2-メチル-4-(ピペリジン-1-イルカルボニル)ベンジル]オキシ}フェニル)-1,3-チアゾール-2-イル]-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸及び
・1-[6-(5-メチル-2-{[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-yl)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル]メトキシ}フェニル)ピリジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC活性化薬は、
・3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸(式(1)の化合物)
・4-({(4-カルボキシブチル)[2-(5-フルオロ-2-{[4’-(トリフルオロメチル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(式(2)の化合物)
・5-{(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(3)の化合物)及び
・5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(4)の化合物)、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC活性化薬は、
・3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸(式(1)の化合物)
【化1】
又はその製薬上許容される塩である。
【0020】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC活性化薬は、
・4-({(4-カルボキシブチル)[2-(5-フルオロ-2-{[4’-(トリフルオロメチル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(式(2)の化合物)
【化2】
又はその製薬上許容される塩である。
【0021】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.2~25mgの一日量(daily dose)で投与される。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.5~25mgの一日量で投与される。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.5~10mgの一日量で投与される。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、1~10mgの一日量で投与される。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の化合物からなる群から選択される少なくとも1つのsGC活性化薬
・式(1)の3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸、
・式(2)の4-({(4-カルボキシブチル)[2-(5-フルオロ-2-{[4’-(トリフルオロメチル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸、
・式(3)の5-{(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸、及び
・式(4)の5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸
【化3】
又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0026】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.5~25mgの一日量で投与される。
【0027】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.5~10mgの一日量で投与される。
【0028】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、1~10mgの一日量で投与される。
【0029】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0030】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.2~25mgの一日量で経口投与される。
【0031】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.3~10mgの一日量で投与される。
【0032】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、1~10mgの一日量で経口投与される。
【0033】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(2)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0034】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(2)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC活性化薬は、0.5~10mgの一日量で投与される。
【0035】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0036】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0037】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、式(1)のsGC活性化薬は、0.2~25mg又は0.3~10mg又は1~10mgの一日量で経口投与され、この用量は血圧を大幅に低下させない。
【0038】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(2)のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0039】
本発明の状況におけるさらなるsGC活性化薬は、以下の刊行物から公知である:国際公開第2013/157528号、国際公開第2015/056663号、国際公開第2009/123316号、国際公開第2016/001875号、国際公開第2016/001876号、国際公開第2016/001878号、国際公開第2000/02851号、国際公開第2012/122340号、国際公開第2013/025425号、国際公開第2014/039434号、国際公開第2016/014463号、国際公開第2009/068652号、国際公開第2009/071504号、国際公開第2010/015652号、国際公開第2010/015653号、国際公開第2015/033307号、国際公開第2016/042536号、国際公開第2009/032249号、国際公開第2010/099054号、国際公開第2012/058132号、米国特許出願公開第2010/0216764号、国際公開第2001/19776号、国際公開第2001/19780号、国際公開第2001/19778号、国際公開第2002/070459号、国際公開第2002/070460号、国際公開第2002/070510号、国際公開第2002/070462号、国際公開第2007/045366号、国際公開第2007/045369号、国際公開第2007/045433号、国際公開第2007/045370号、国際公開第2007/045367号、国際公開第2014/012935号、国際公開第2014/012934号、国際公開第2011/141409号、国際公開第2008/119457号、国際公開第2008/119458号、国際公開第2009/127338号、国際公開第2010/102717号、国際公開第2011/051165号、国際公開第2012/076466号、国際公開第2012/139888号、国際公開第2013/157528号、国際公開第2013/174736号、国際公開第2014/012934号、国際公開第2015/056663号、国際公開第2017103888号、国際公開第2017112617号、国際公開第2016042536号、国際公開第2016081668号、国際公開第2016191335号、国際公開第2016191334号、国際公開第2016001875号、国際公開第2016001876号、国際公開第2016001878号、国際公開第2016014463号、国際公開第2016044447号、国際公開第2016044445号、国際公開第2016044446号、国際公開第2015056663号、国際公開第2015033307号、国際公開第2015187470号、国際公開第2015088885号、国際公開第2015088886号、国際公開第2015089182号、国際公開第2014084312号、国際公開第2014039434号、国際公開第2014144100号、国際公開第2014047111号、国際公開第2014047325号、国際公開第2013025425号、国際公開第2013101830号、国際公開第2012165399号、国際公開第2012058132号、国際公開第2012122340号、国際公開第2012003405号、国際公開第2012064559号、国際公開第2011149921号、国際公開第2011119518号、国際公開第2011115804号、国際公開第2011056511号、中国特許101670106号、台湾特許201028152号、国際公開第2010015653号、国際公開第2010015652号、国際公開第2010099054号、国際公開第2010065275号、国際公開第2009123316号、国際公開第2009068652号、国際公開第2009071504号、国際公開第2009032249号、米国特許出願公開第2009209556号。
【0040】
本発明の一実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC刺激薬であり、少なくとも1つの(at least on)sGC刺激薬は、・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン
・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン
・国際公開第2011/147809号、実施例1より公知の、メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}メチルカルバメート
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}(2,2,2-トリフルオロエニル)カルバメート
・4-アミノ-2-[5-クロロ-3(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-インダゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2[5-クロロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-1H-インダゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)1H-チエノ[3,4-c]ピラゾール-1-イル]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-1H-チエノ[2,3-d]ピラゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[7-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-5-イル]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-クロロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-フルオロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-フルオロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)6-フルオロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,4,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[3-(2-シクロペンチルエニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
・2-{5-フルオロ-1-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル}-5-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・国際公開第2014/068099号、実施例200より公知の、ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA、式(6)の化合物)
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-5,5,5-トリフルオロ-2-メチルペンチル)-2,6-ジメチル-8-[(2,3,6-トリフルオロベンジル)オキシ]イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-5,5,5-トリフルオロ-2-メチルペンチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-5,5,5-トリフルオロ-2-メチルペンチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-2,6-ジメチル-8-[(2,3,6-トリフルオロベンジル)オキシ]イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)
・rac-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミドホルマート
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-2,6-ジメチル-8-[(2,3,6-トリフルオロベンジル)オキシ]イミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-6-(ジフルオロメチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-6-(ジフルオロメチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)
・ent-N-(2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロピル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-6-(フルオロメチル)-2-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)
・5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]ピリミジン-4-オール(IWP-051)
・IWP-121、IWP-427、IWP-953、IW-1701、及びIW-6463、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0041】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン
・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA、式(6)の化合物)
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}メチルカルバメート
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}(2,2,2-トリフルオロエニル)カルバメート
・4-アミノ-2-[5-クロロ-3(3,3,3-トリフルオロプロピル)-1H-インダゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2[5-クロロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-1H-インダゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)1H-チエノ[3,4-c]ピラゾール-1-イル]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)-1H-チエノ[2,3-d]ピラゾール-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[7-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-5-イル]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-クロロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-フルオロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[6-フルオロ-3-(2,3,6-トリフルオロベンジル)6-フルオロイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-5,5-ジメチル-2-[3-(2,4,6-トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・4-アミノ-2-[3-(2-シクロペンチルエニル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]-5,5-ジメチル-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン
・3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
・2-{5-フルオロ-1-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル}-5-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン及び
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0042】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-モルホリニル)-4,6-ピリミジンジアミン
・2-[1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]-5-(4-ピリジニル)-4-ピリミジンアミン
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA、式(6)の化合物)
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}メチルカルバメート
・3-(4-アミノ-5-シクロプロピルピリミジン-2-イル)-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
・2-{5-フルオロ-1-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル}-5-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン及び
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0043】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA、式(6)の化合物).
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}メチルカルバメート
・2-{5-フルオロ-1-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル}-5-メチル-5-(トリフルオロメチル)-4-[(3,3,3-トリフルオロプロピル)アミノ]-5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-オン及び
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0044】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA、式(6)の化合物)
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)及び
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)、
又はその製薬上許容される塩からなる群から選択される。
【0045】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト、式(5)の化合物)
【化4】
又はその製薬上許容される塩である。
【0046】
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明による使用のためのsGC刺激薬は、
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)(式(6)の化合物)
【化5】
又はその製薬上許容される塩である。
【0047】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記に指定される群の1つから選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩であり、少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩は、上記に指定される群の1つから選択され、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0048】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)及び(6)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩であり、式(5)及び(6)の少なくとも1つの化合物又はその製薬上許容される塩は、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0049】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)及び(6)の化合物から選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0050】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩は、0.5~25mgの一日量で投与される。
【0051】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩は、1~10mgの一日量で投与される。
【0052】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩は、1~6mgの一日量で経口投与される。
【0053】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩は、1~3mgの一日量で経口投与される。
【0054】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0055】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(1)のsGC活性化薬は、1~6mg又は1~3mgの一日量で経口投与され、この用量は血圧を大幅に低下させない。
【0056】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩は、0.2~25mgの一日量で投与される。
【0057】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩は、0.3~10mgの一日量で投与される。
【0058】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩は、0.2~6mgの一日量で経口投与される。
【0059】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩は、0.3~3mgの一日量で経口投与される。
【0060】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、経口投与される一日量は、血圧を大幅に低下させない。
【0061】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、式(6)のsGC活性化薬は、0.2~6mg又は0.3~3mgの一日量で経口投与され、この用量は血圧を大幅に低下させない。
【0062】
本明細書において使用される、可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)の「刺激薬」という用語は、sGCを含む天然のヘムと相互作用して後者を活性化してcGMPの形成を触媒する活性化合物に関する(Stasch及びHobbs 2009)。
【0063】
本明細書において使用される、「刺激」という用語は、対照、例えば未処置対照と比較して、測定されたcGMPの産生を、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも20%、さらにより好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも30%又は少なくとも40%又は少なくとも50%の増加させることと理解される。適した対照は、本開示の教示を考慮すれば当業者に明白である。刺激を決定するために適したアッセイは、関連文献から当業者に容易に利用可能である。本発明の一実施形態では、本明細書下文で言及されるアッセイA-3が、刺激を決定するために使用されている。
【0064】
「認知障害」という用語は、記憶機能、意思決定、実行機能、言語スキル、視空間スキル、又は注意制御の1つ又は複数の低下を指す。
【0065】
本発明で使用される「治療する」又は「治療」という用語は、障害又は疾患の原因及び/又は影響又は症状又は臨床症状を軽減又は抑止することを指す。より具体的には、本明細書において使用される、「治療する」又は「治療」という用語は、認知障害の進行、重症度及び/又は持続時間の低下又は寛解又は原則を指す。一部の実施形態では、「治療する」又は「治療」という用語は、1つ又は複数の治療法(例えば、単独又は併用療法での、上記で指定された群の1つから選択されるsGC活性化薬又はsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩)の投与の結果として、状態の1つ又は複数の身体的症状又は臨床症状(好ましくは、1つ又は複数の測定可能な身体的症状又は臨床症状)の進行、重症度及び/又は持続時間の低下、寛解又は減速を指す。一部の実施形態では、「治療する」又は「治療」は、疾患の全体的又は部分的な逆転をもたらす場合がある(すなわち、疾患に関連する臨床パラメーター、所見又は症状の正常化によって決定される)。他の実施形態では、「治療する」又は「治療」は、認知障害の進行を減速又は停止させることがある。例えば、これには:a)記憶(短期及び/又は長期)、b)意思決定、c)実行機能(例えば、推理、問題解決、計画)、d)言語スキル(例えば、故障、流暢さ、表現力のあるスピーチ、及び理解)、e)視空間スキル、及びf)注意制御の阻止又は衰退の遅延又は改善の提供が含まれ得る。
【0066】
一部の実施形態では、「治療する」又は「治療」という用語は、治療を必要とする患者において認知障害の発症を遅らせることを指す。一部の実施形態では、「治療する」又は「治療」という用語は、身体的症状又は一連の身体的症状若しくは臨床症状の発症又は認知障害に関連する所見を遅らせることを指す。
【0067】
治療は、本明細書に記載の化合物、組合せ、組成物又は薬物を、認知障害と診断された患者に投与することを含み得、化合物を活発な症状のない患者に投与することを含むことがある。逆に、たとえこの疾患の診断はなされていなくとも、治療は、化合物、組合せ、組成物又は薬物を、認知障害を発症するリスクのある患者、又は疾患の1つ又は複数の生理学的症状を報告している患者に投与することを含むことがある。
【0068】
そのため、本発明に記載の化合物は、例えば、認知障害後の知覚、集中力、学習能力又は記憶力を改善することによる、軽度認知障害などの認知障害、血管性認知症及びアルツハイマー型認知症などの認知症の治療に特に適している。
【0069】
さらに、本発明による化合物は、脳灌流を制御するのに適しており、偏頭痛対策用の有効な薬剤である。そのため、化合物は、卒中、脳虚血、虚血性脳卒中及び頭部外傷などの脳梗塞に関連する認知障害を治療するのにも適している。
【0070】
そのため、本発明に記載の化合物は、頭部外傷、卒中、脳卒中後認知症、外傷後頭部損傷、一般的な集中力障害、学習を伴う小児の集中力障害及び記憶障害、レビー小体型認知症、ピック症候群をはじめとする前頭葉変性症を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、脱髄、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ病認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症又はコルサコフ精神病に関連する認知障害の改善にも適している。
【0071】
本発明の一実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩である。
【0072】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0073】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0074】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0075】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0076】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0077】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0078】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0079】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0080】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(6)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0081】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(6)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0082】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(6)のいずれか1つの化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0083】
本発明のさらなる実施形態は、脳梗塞、卒中、脳虚血、虚血性脳卒中、頭部外傷、脳卒中後認知症、外傷後頭部損傷、一般的な集中力障害、学習を伴う小児の集中力障害、記憶障害、レビー小体型認知症、ピック症候群をはじめとする前頭葉変性症を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、脱髄、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ病認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症又はコルサコフ精神病に関連する認知障害の治療に使用するための、上記に指定される群の1つから選択される少なくとも1つのsGC刺激薬である。
【0084】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記に指定される群の1つから選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩である。
【0085】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記に指定される群の1つから選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0086】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記に指定される群の1つから選択される少なくとも1つのsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0087】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)又は(6)の化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0088】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)又は(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0089】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)又は(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0090】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0091】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0092】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0093】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩である。
【0094】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0095】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩であり、認知障害は血管性認知症である。
【0096】
本発明による化合物は、単独で、又は必要に応じて他の活性物質と組み合わせて使用することができる。本発明はさらに、特に上記疾患の治療のための、本発明による少なくとも1の化合物と、1つ又は複数のさらなる活性物質とを含む医薬品に関する。組合せに特に適した活性物質は、例えば、そして好ましくは、以下の活性物質である。
・有機ニトレート及びNOドナー、例えばニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、硝酸イソソルビド、モルシドミン又はSIN-1、及び吸入NO;
・サイクリックGMP(cGMP)及び/又はサイクリックAMP(cAMP)の分解を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4及び/又は5の阻害剤、特にロフルミラスト又はレバミラストなどのPDE4阻害剤、及びシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、ウデナフィル、ダサンタフィル、アバナフィル、ミロデナフィル又はロデナフィルなどのPDE5阻害剤;
・抗炎症性及び/又は免疫抑制化合物、例えば、そして好ましくは、全身投与又は吸入投与された副腎皮質ステロイド類、フルティフォーム、ピルフェニドン、アセチルシステイン、アザチオプリン又はBIBF-1120;
・以下から選択されるsGC刺激薬
・メチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート(ベリシグアト)式(5)の化合物
・ent-N-[(2S)-アミノ-2-メチルブチル]-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーA)式(6)の化合物
・ent-N-(2-アミノ-2-メチルブチル)-8-[(2,6-ジフルオロベンジル)オキシ]-2,6-ジメチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-3-カルボキサミド(エナンチオマーB)
・1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[({5-フルオロ-2-[1-(2-フルオロベンジル)-5-(1,2-オキサゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-3-イル]-4-ピリミジニル}アミノ)メチル]-2-プロパノール(プラリシグアト)
・以下から選択されるsGC活性化薬
・3-(4-クロロ-3-{[(2S,3R)-2-(4-クロロフェニル)-4,4,4-トリフルオロ-3-メチルブタノイル]アミノ}フェニル)-3-シクロプロピルプロパン酸(式(1)の化合物)
・4-({(4-カルボキシブチル)[2-(5-フルオロ-2-{[4’-(トリフルオロメチル)[1,1’-ビフェニル]-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)安息香酸(式(2)の化合物)
・5-{[2-(4-カルボキシフェニル)エチル][2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(4)の化合物)及び
・5-{(4-カルボキシブチル)[2-(2-{[3-クロロ-4’-(トリフルオロメチル)ビフェニル-4-イル]メトキシ}フェニル)エチル]アミノ}-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸(式(3)の化合物)
・sGCモジュレーターIW6463
・ドネペジル、リバスチグミン及びガランタミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤
・メマンチンなどのNMDA受容体拮抗薬
・ヒデルギン及びニセルゴリンなどの麦角誘導体
・血圧を下げるための化合物、例えば、そして好ましくは、カルシウム拮抗薬類、例えば、そして好ましくは、ニフェジピン、アムロジピン、ニモジピン、ベラパミル又はジルチアゼム、アンジオテンシンAII拮抗薬類、例えば、そして好ましくは、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン又はエンブルサタン、ACE阻害剤類、例えば、そして好ましくは、エナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル、ペリンドプリル又はトランドプリル、エンドセリン拮抗薬類、レニン阻害剤類、例えば、そして好ましくは、アリスキレン、SPP-600又はSPP-800、α遮断薬類、例えば、そして好ましくは、プラゾシン、β遮断薬類、例えば、そして好ましくは、プロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラゾロール、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール、ランジオロール、ネビボロール、エパノロール又はブシンドロール、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬類、例えば、そして好ましくは、スピロノラクトン、エプレレノン又はフィネレノン、及び利尿薬類、例えば、そして好ましくは、フロセミド、ブメタニド、トルセミド、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロフェナミド、メタゾラミド、グリセロール、イソソルビド、マンニトール、アミロライド又はトリアムテレンの群の化合物。
・抗血栓化合物、例えば、そして好ましくは、血小板凝集抑制剤、抗凝固薬又は線維素溶解促進物質の群の抗血栓化合物;抗血栓化合物は、例えば、そして好ましくは、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、ジピリダモール、キシメラガトラン、メラガトラン、ダビガトラン、ビバリルジン、クレキサン、チロフィバン、アブシキマブ、リバーロキサバン、アピキサバン、フィデキサバン、ラザキサバン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、ヘパリン又はビタミンK拮抗薬である。
・脂肪代謝を変える化合物、例えば、そして好ましくは、甲状腺受容体作動薬、コレステロール合成阻害剤、例えば、そして好ましくは、HMG-CoA-レダクターゼ又はスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR-α、PPAR-γ及び/又はPPAR-δアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、ポリマー胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤及びリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの化合物;脂肪代謝を変える化合物は、例えば、そして好ましくは、トルセトラピブ、(CP-5294/4)、JJT-705、CETP-ワクチン(Avant)、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、アバシミブ、メリナミド、パクチミベ、エフルシミベ、SMP-797、インプリタピド、BMS-201038、R-103757、JTT-130、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、エゼチミブ、チクエシド、パマクエシド、オルリスタット、コレスチラミン、コレスチポール、コレソルバム、CholestaGel、コレスチミド、ゲムカベンカルシウム(CI-1027)又はニコチン酸である。
・抗酸化剤及びフリーラジカルスカベンジャー;
・抗糖尿病化合物、例として、好ましくは、インスリン及びインスリン誘導体、スルホニル尿素、ビグアナイド薬、メグリチニド誘導体、グルコシダーゼ 阻害剤、PPAR-γアゴニスト、GLP1受容体作動薬、グルカゴン拮抗薬、インスリン感受性改善薬、CCK1受容体作動薬、レプチン受容体作動薬、カリウムチャネル拮抗薬、及び糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤の群からの抗糖尿病化合物;
・ビタミンE
・ω3脂肪酸
・イチョウ、特にイチョウエキス
である。
【0097】
そのため、本発明に記載の組合せは、中枢神経系において疾患を制御するのに効果的であり、最新技術と比較して予想外の有益な特性を有する。
【0098】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬若しくはその製薬上許容される塩又は上記に指定される群の1つから選択されるsGC刺激薬若しくはその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物との組合せである。
【0099】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物との組合せである。
【0100】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(6)の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物との組合せである。
【0101】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0102】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0103】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0104】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0105】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩と、有機ニトレート及びNOドナー、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4又は5の阻害剤、抗炎症化合物、免疫抑制化合物、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体拮抗薬、血圧を下げるのに適した化合物、抗血栓化合物、脂肪代謝を変えるのに適した化合物及び抗糖尿病化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0106】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩又は上記に指定される群の1つから選択されるsGC刺激薬又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の組合せである。
【0107】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、少なくとも1つのsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の組合せである。
【0108】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(6)の化合物又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物の組合せである。
【0109】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)~(4)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩と、及びドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0110】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0111】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0112】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0113】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む組合せである。
【0114】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の1つ又は複数のsGC活性化薬若しくはその製薬上許容される塩又は上記に指定される群の1つから選択されるsGC刺激薬若しくはその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の1つ又は複数のsGC活性化薬又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0116】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(1)~(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0117】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(1)~(4)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0118】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(1)の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0119】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(5)及び(6)の1つ若しくは複数の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0120】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(5)の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【0121】
本発明のさらなる実施形態は、認知障害の治療を必要とする哺乳動物における認知障害の治療に使用するための、上記の用量の式(6)の化合物又はその製薬上許容される塩、あるいは上記の組合せを含む薬物であり、認知障害は、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【
図1】24時間の間隔を使用する物体位置認識タスク(object location task)における、T1の30分前に注射した、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kgの用量の式(5)の化合物(sGC刺激薬)、又は1.0mg/kgのドネペジル又はビヒクルのいずれかの、識別指数(d2)への効果を示す図である(平均値+SEM)。 チャンスレベル(すなわち、ゼロ;d2=0)と比較すると、T1の30分前に注射した式(5)の化合物(sGC刺激薬)は、0.1、0.3及び1.0mg/kgの用量で記憶力を改善した。一元配置分散分析及びその後の事後のLSDのt検定により、ビヒクル条件と比較して、0.3及び1.0mg/kgの式(5)の化合物(sGC刺激薬)で有意に高い記憶力が明らかになった。基準化合物ドネペジルもT1の30分前に注射され、1標本t検定と一元配置分散分析とその後の事後のLSDのt検定(ビヒクルとの比較)の両方で示されるように、1.0mg/kgで記憶を改善した。ゼロとの差はハッシュで示され(1標本t検定、#:P<0.05;##:P<0.01;###:P<0.001)、ビヒクル条件との差はアスタリスクで示される(一元配置分散分析、LSDのt検定、*:P<0.05;**:P<0.01;***:P<0.001)。
【
図2】24時間の間隔を使用する物体位置認識タスクにおける、T1の30分前に注射した、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kgの用量の式(6)の化合物(sGC刺激薬)、又は1.0mg/kgのドネペジル又はビヒクルの、識別指数(d2)への効果を示す図である(平均値+SEM)。 ビヒクル条件と比較して、T1の30分前に注射した式(6)の化合物(sGC刺激薬)は、0.03、0.1、0.3及び1.0mg/kgの用量で記憶力を改善した。基準化合物ドネペジルもT1の30分前に注射され、1標本t検定及び一元配置分散分析の両方で示されるように、1.0mg/kgで記憶を改善した。ゼロとの差はハッシュで示される(1標本t検定、##:P<0.01;###:P<0.001)。ビヒクル条件との差はアスタリスクで示される(一元配置分散分析、LSDのt検定、**:P<0.01;***:P<0.001)。
【
図3】24時間の間隔を使用する物体位置認識タスクにおける、T1の30分前に注射した、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kgの用量の式(1)の化合物、又は1.0mg/kgのドネペジル又はビヒクルのいずれかの、識別指数(d2)への効果を示す図である(平均値+SEM)。 チャンスレベル(すなわち、ゼロ;d2=0)と比較すると、T1の30分前に注射した式(1)の化合物は、0.03、0.1、0.3及び1.0mg/kgの用量で記憶力を改善した。一元配置分散分析及びその後の事後LSDのt検定により、ビヒクル条件と比較して、0.1、0.3及び1.0mg/kgの式(1)の化合物で有意に高い記憶力が明らかになった。基準化合物ドネペジルもT1の30分前に注射され、1標本t検定と一元配置分散分析とその後の事後のLSDのt検定(ビヒクルとの比較)の両方で示されるように、1.0mg/kgで記憶を改善した。ゼロとの差はハッシュで示される(1標本t検定、##:P<0.05;###:P<0.001)。ビヒクル条件との差はアスタリスクで示される(一元配置分散分析、LSDのt検定、*:P<0.05;**:P<0.01;***:P<0.001)。
【
図4】24時間の間隔を使用する物体位置認識タスクにおける、T1の30分前に注射した、0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3.0mg/kgの用量の式(2)の化合物、又は1.0mg/kgのドネペジル又はビヒクルのいずれかの、識別指数(d2)への効果を示す図である(平均値+SEM)。 チャンスレベル(すなわち、ゼロ;d2=0)と比較すると、T1の30分前に注射した式(2)の化合物は、0.1、0.3及び1.0mg/kgの用量で記憶力を改善した。一元配置分散分析及びその後の事後LSDのt検定により、ビヒクル条件と比較して、0.3及び1.0mg/kgの式(2)の化合物で有意に高い記憶力が明らかになった。基準化合物ドネペジルもT1の30分前に注射され、1標本t検定と一元配置分散分析とその後の事後のLSDのt検定(ビヒクルとの比較)の両方で示されるように、1.0mg/kgで記憶を改善した。ゼロとの差はハッシュで示され(1標本t検定、##:P<0.01;###:P<0.001)、ビヒクル条件との差はアスタリスクで示される(一元配置分散分析、LSDのt検定、*:P<0.05;**:P<0.01;***:P<0.001)。
【
図5】(比較例):国際公開第2017/108441号の
図1に例示されるsGC刺激薬リコシグアトの効果を示す図である。
【
図6】T=0時間に注射された、0.3mg/kg、1.0mg/kg、又は3.0mg/kgの用量の式(5)の化合物(sGC刺激薬)の、24時間にわたる平均動脈圧への効果を示す図である(平均値+SEM)。 ビヒクルの注射と比較すると、式(5)の化合物は、平均動脈圧(MAP)に対して用量依存効果を引き起こした。MAPは1.0及び3.0mg/kgの用量で有意に低下した。しかし、式(5)の化合物は、0.3mg/kgの用量でMAPの有意な低下をもたらさなかった。 これらのデータは、式(5)の化合物が、血圧を低下させない用量で、0.3mg/kg(
図1)の適用後に見られた記憶試験において最も顕著な効果を有することを示唆する。
【
図7】T=0時間に注射された、0.3mg/kg、1.0mg/kg、又は3.0mg/kgの用量の式(6)の化合物(sGC刺激薬)の、24時間にわたる平均動脈圧への効果を示す図である(平均値+SEM)。 ビヒクルの注射と比較すると、式(6)の化合物は、平均動脈圧(MAP)に対して用量依存効果を引き起こした。MAPは1.0及び3.0mg/kgの用量で有意に低下した。しかし、式(6)の化合物は、0.3mg/kgの用量でMAPの有意な低下をもたらさなかった。 これらのデータは、式(6)の化合物が、血圧を低下させない用量で、0.1及び0.3mg/kg(
図2)の適用後に見られた記憶試験において最も顕著な効果を有することを示唆する。
【
図8】T=0時間に注射された、1.0mg/kg、3.0mg/kg、又は10mg/kgの用量の式(1)の化合物の、24時間にわたる平均動脈圧への効果を示す図である(平均値+SEM)。 ビヒクルの注射と比較すると、式(1)の化合物は、平均動脈圧(MAP)に対して用量依存効果を引き起こした。MAPは10.0mg/kgの用量で有意に低下した。しかし、式(1)の化合物は、1.0及び3.0mg/kgの用量でMAPの有意な低下をもたらさなかった。 これらのデータは、式(1)の化合物が、血圧を低下させない用量で、0.3(
図3)の適用後に見られた記憶試験において最も顕著な効果を有することを示唆する。
【発明を実施するための形態】
【0123】
A)生理学的有効性の評価
A-1)インビボでの学習及び記憶の改善のための試験
非臨床試験の目的は、式(5)及び(6)の化合物(sGC刺激薬)及びsGC活性化薬(式(1)及び(2)の化合物)の学習及び記憶の改善に及ぼす効果を試験することであった。そのため、ラットで広く認められている物体位置認識タスク(Object Location Task、OLT)を使用した。このタスクは、(空間的)情報の取得、記憶への固定及び想起を評価することを可能にするものであり、物体認識タスク(Object Recognition Task、ORT)から派生している(例えば、Ennaceur及びDelacour、1988;Prickaertsら、1997)。
【0124】
詳細:
動物
すべての実験手順は、マーストリヒト大学の地元の倫理委員会によって動物実験のために承認され、政府のガイドラインを満たしていた。24匹の3~4月齢の雄ウィスターラット(Charles River、Sulzfeld、ドイツ)を使用した(実験開始時の平均体重:コホート1(式(5)及び(6)の化合物):292g;コホート2(式(1)及び(2)の化合物):334g)。動物は、標準的なIVCケージシステムの空調管理された部屋(約20℃)のおがくずの寝床の上に個別に収容された。動物は逆転した12/12時間の明/暗サイクル(19:00から07:00まで点灯)下で維持され、餌と水を自由に摂取できた。ラットらは同じ部屋に収容され、試験された。静かに流れるラジオが部屋の暗雑音であった。すべての試験は09:00から17:00の間に行われた。
【0125】
処置
試験化合物は、実験日ごとに新しく調製し、2%Tween 80を含む0.5%タイロース溶液(最終体積の98%に溶解した。ドネペジルも実験日ごとに新しく調製し、生理食塩水に溶解した。
【0126】
式(5)の化合物を、時間依存性記憶欠損モデル、すなわち24時間の試行間隔で、0、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kgの用量で試験し、式(6)の化合物を0、0.01、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kgの用量で試験し、式(2)の化合物を0、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kgの用量で試験し、式(1)の化合物を0、0.01、0.03、0.1、0.3、1.0及び3.0mg/kgの用量で試験し、ドネペジルを1.0mg/kgの用量で試験した。両方のコホートにおいて、式(5)及び(6)の化合物(コホート1)と、式(1)及び(2)の化合物(コホート2)は同じビヒクルに溶解されていたため、ビヒクル条件はコホートあたり1回だけ試験した。AChEIドネペジルは参照薬物として作用した。式(5)及び(6)の化合物、及び式(2)及び(1)の化合物、及びドネペジルは、記憶獲得プロセスへの効果を調査するためにT1の30分前に経口投与された(注入量2ml/kg)。処置の順序は、動物の潜在的な物体及び左右の好みによってデータが歪められないようするために均衡が取れていた。
【0127】
物体位置認識タスク
物体位置認識タスク(Object Location Task、OLT)は、物体認識試験(Object Recognition Test、ORT)から派生した(Ennaceur及びDelacour、1988)。OLTは、空間記憶の評価を可能にする1回試行学習タスクであり、他所で記載されるように実施された(Brunoら、2011、Vanmierloら、2011)。1回目の(学習)試行では、ラットは2つの同一の物体が置かれているアリーナに入れられる。一定の遅延の後、ラットに2回目の試行が行われる。この2回目の試行ではラットは再び同じアリーナに入れられるが、今回は物体の1つがエリア内の別の位置に移動している。言い換えれば、新しい空間配置が用いられている。
【0128】
装置は、直径83cmの円形のアリーナで構成されていた。高さ40cmのアリーナの壁の後方の半分は、灰色のポリ塩化ビニルでできており、前方の半分は透明なポリ塩化ビニルでできていた。赤色蛍光管が装置の床に約20ルクスの一定の照明をもたらしたので、光強度は装置の異なる部分において等しかった。1回目の(学習)試行(T1)では、2つの物体がアリーナの左側と右側の壁から約10cmの距離で対称の位置に置かれた。2回目の(試験)試行(T2)では、1つの物体が、元の位置よりも約20cm高いか又は低い新しい場所に動かされる。4つの異なる物体のセットが使用された。異なる物体は:1)アルミニウム製カラーを上部に備えた灰色のポリ塩化ビニル製ベース(最大直径18cm)で構成されるコーン(全高16cm)、2)水を満たした、標準的な1Lの茶色のガラス瓶(直径10cm、高さ22cm)、3)2つの穴(直径1.9cm)を備えたどっしりした金属製立方体(10.0×5.0×7.5cm)、そして4)上部が先細になっている中実のアルミニウム製立方体(13.0×8.0×8.0cm)であった。ラットは物体を移動させることができなかった。
【0129】
試験セッションは2回の試行からなった。各試行の持続時間は3分であった。1回目の試行(T1)の間、装置には2つの同一の物体が含まれていた。ラットは、前面の(透明)部分の中央の壁に面して装置に入れられた。1回目の探索期間の後、ラットはホームケージに戻された。続いて、24時間の遅延間隔の後、2回目の試行(T2)のためにラットを装置に入れた。T1及びT2の間に動物が各物体を探索するために費やした合計時間をパーソナルコンピューターを用いて手作業で記録した。
【0130】
探索は、次のように定義された:2cm以下の距離で物体に鼻を向けること、及び/又は鼻で物体に触れること。物体の上に座ることは、探索行動とは見なされなかった。信頼できる物体の識別を実現するためには、物体の相互作用が最少限であることが必要である。そのため、T1で7秒未満及び/又はT2で9秒未満探索するラットは、分析から除外するべきである(Akkermanら、2012)。嗅覚が手がかりとなることを避けるために、物体は、各試行後に70%エタノール溶液で常に徹底的に洗浄された。すべての物体並びに物体の位置(左又は右)は、特定の位置又は物体の好みに起因する潜在的なバイアスを回避するために、均衡の取れた方法で使用された。
【0131】
いくつかの研究において、ウィスターラットは、1回目の試行と2回目の試行の間を1時間遅らせると、良好な物体位置記憶力を示すことが示された。しかし、24時間遅らせても、ラットは2回目の試行で新規の物体位置と見慣れた物体位置を識別しない。このことは、ラットが1回目の試行で提示された物体位置を記憶していないことを示している。6時間遅らせると、識別成績は、1時間と24時間の遅延の中間であり、このタスクでの遅延依存性の忘却を示唆している。
【0132】
ラットのコホートごとの手順
最初の1週間、動物を毎日扱い、2日間で試験の設定に慣れさせた。すなわち、動物に毎日5分間、2回、装置(物体は無し)を探索させた。次に、ラットを、安定した識別成績を示すまで試験ルーチンに適合させた。この後、式(5)の化合物(コホート1)又は式(2)の化合物(コホート2)を試験する実験を行った。この実験の後、基準化合物ドネペジル、その後に式(6)の化合物(コホート1)又は式(1)の化合物(コホート2)を試験した。すべての条件は、16匹の動物で試験した(24匹の動物で試験したビヒクル条件を除く)。式(5)及び(6)の化合物、式(2)の化合物、及び式(1)の化合物及びドネペジルを、T1の30分前に注射して、これらの化合物の記憶獲得プロセスへの効果を調べた。T1とT2の間に24時間の試行間隔が使用された。最初に、3つの用量(0.1、0.3及び1.0mg/kg)の式(5)の化合物(コホート1)又は式(2)の化合物(コホート2)を調べた。実験中、用量反応曲線をさらに詳しく説明するために追加の用量を試験することが決定された。ドネペジルは、両方のコホートで1.0mg/kgの用量で試験した。これは、本発明者らの研究所での以前の研究で、この用量が、ドネペジルがラットの経口投与で効果的であるための最適な用量であることが示されているためである。注目すべきは、実験者は試験されている条件を常に意識してはいなかった。試験の間、ラットには均衡の取れた形で処置条件が割り当てられ、それによって確実にすべての物体の組合せが処置条件全体に等しく分散された。
【0133】
統計解析
基本的な評価尺度は、T1とT2の間にラットが物体を探索するために費やした時間であった。T1で対称に配置された2つの物体の探索に費やされた時間は、「a1」及び「a2」で表されることになる。T2において見慣れた物体と新規な物体位置を探索するために費やした時間は、それぞれ「a3」及び「b」で表されることになる。以下の変数が計算された:e1=a1+a2、e2=a3+b、及びd2=(b-a3)/e2(表1参照)。e1及びe2は、それぞれ、T1及びT2の間の両方の物体の総探索時間の測定値である。d2は、テスト試行(e2)での探索活動を補正した識別の相対尺度である。したがって、処置が探索行動に影響を及ぼす場合でも、d2の指数は条件間で比較可能となる。d2がゼロと異なるかどうかを処置条件ごとに評価するために、1標本t統計量を実行した。しかし、平均d2値の値ゼロとの比較は、認識を分析するのに最も適した方法でないことがある(第I種の過誤が生じる可能性が増加する)。そのため、結果も一元配置分散分析を使用して評価した。処置条件間に有意差がある場合には、LSDのt検定を使用してペアワイズ事後比較を行った。
【0134】
【0135】
e1は、1回目の試行中に対称に設置された物体(a1及びa2)の探索に費やされた時間の尺度であり、e2は、2回目の試行中に見慣れた位置(a3)と新しい物体位置(b)の両方を探索するために費やされた時間の尺度であり;d2は、2回目の試行中の見慣れた物体の位置と新規な物体位置を識別する能力に対応し、その試行中の探索時間に対して補正される。
【0136】
ヒトの用量は、Reagan-Shawと同僚らによって記載されるように(Reagan-Shawら、2007)、動物からヒトへの用量変換用の式に基づいて、ラットに投与された用量から計算した。
【0137】
A-2)インビトロでの血液及び脳における化合物曝露量の測定
さらに、プラセボによる処置の30分後、式(5)の化合物、式(6)の化合物、式(2)の化合物、又は式(1)の化合物、血液及び脳のサンプルを、血液及び脳での化合物曝露量の測定のために回収した。式(5)の化合物の場合、以下の用量が測定された:0.03mg/kg;0.3mg/kg;3mg/kg。式(6)の化合物の場合、以下の用量が測定された:0.1mg/kg;3mg/kg。式(1)の化合物の場合、以下の用量が測定された:0.3mg/kg;3mg/kg。式(2)の化合物の場合、以下の用量が測定された:0.03mg/kg;0.3mg/kg、3mg/kg。
【0138】
A-3)インビトロでの組換え可溶性グアニル酸シクラーゼ(soluble guanylate cyclase)(sGC)の刺激
ニトロプルシドナトリウムの有無、及びヘム依存性sGC阻害剤1H-1,2,4-オキサジアゾロ[4,3a]キノキサリン-1-オン(ODQ)の有無による、本発明による化合物による組換え可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)の調節に関する調査が、以下の参照文献に記載の方法によって実施された:M.Hoenicka,E.M.Becker,H.Apeler,T.Sirichoke,H.Schroeder,R.Gerzer及びJ.-P.Stasch,「Purified soluble guanylyl cyclase expressed in a baculovirus/Sf9 system:Stimulation by YC-1,nitric oxide,and carbon oxide」、J.Mol.Med.77(1999),14-23。ヘム欠失型グアニル酸シクラーゼは、Tween 20をサンプル緩衝液に添加することによって得られる(最終濃度中0.5%)。
【0139】
国際公開第2012/139888号に記載されるように、sGC活性化薬とNOドナーである2-(N,N-ジエニルアミノ)-ジアゼノレート2-オキシド(DEA/NO)との組合せは、相乗作用を示さない、すなわち、DEA/NOの効果は、ヘム依存性の機構を介して作用するsGCモジュレーターで期待されるように増強されない。その上、本発明によるsGC活性化薬の効果は、可溶性グアニル酸シクラーゼのヘム依存性阻害剤である1H-1,2,4-オキサジアゾロ[4,3a]キノキサリン-1-オン(ODQ)によって遮断されないが、実際には増加している。
【0140】
したがって、この試験は、ヘム依存性sGC刺激薬とヘム非依存性sGC活性化薬を区別するのに適している。
【0141】
A-4)インビボでの動脈血圧の測定。
動物
体重250~350gの成体正常血圧ウィスターラット(Wistar HSD CPB:WU)をこれらの実験的研究に使用した。すべての動物を22~24℃の周囲温度で個々のケージに収容し、標準的な実験用ラットの餌及び水を自由に摂取できる状態で、12時間の明/暗サイクルで維持した。すべての動物実験は、現在の国内法(ドイツ動物保護法及び科学目的で使用される動物の保護に関するEU指令)に従って行われた。実施したすべての研究は、地域の規制当局(ドイツのLANUV NRW)及びバイエルAGの動物実験委員会に承認された。
【0142】
試験の原理
血圧は、自由に動いている意識のあるラットで、遠隔測定システム(DSI Data Science International、ミネソタ州、米国)によるラジオテレメトリーによってモニターされる。送信器(TA11PA-C40)が深麻酔中のラットの腹部に埋め込まれる。ラットが回復した後、受信器プレート(RA1010)によって遠隔測定信号が登録され、コンピューターベースの取得ソフトウェア(Dataquest A.R.T 4.1 for Windows)によってコンパイルされる。
【0143】
送信器の埋め込み
ラットの腹壁を剃毛した後、正中線腹部切開を行い、液体を満たしたセンサーカテーテルを、腸骨分岐部と腎動脈との間の露出した下行大動脈の上流に挿入した。DSIガイドラインに従って、遠隔測定カテーテルの先端が腎動脈のすぐ尾側に配置され、組織接着剤で固定された。腹部を閉じる前に、送信器本体を腹膜内壁に固定した。腹部切開の2層縫合を使用し、腹膜及び筋肉壁を個別に縫合した後に外皮を縫合した。手術は無菌条件下で行われた。感染症及び疼痛に対する術後保護のために、単回投与の抗生物質(オキシテトラサイクリン(登録商標)10%、60mg/kg皮下注射、0.06ml/100g体重、Beta-Pharma GmbH&Co、ドイツ)と、鎮痛剤が注射された(リマダイル(登録商標)、4mg/kg皮下注射、Pfizer、ドイツ)。
【0144】
測定
埋め込まれた送信器を起動した後、オンラインデータ収集システムであるA.R.T.が、データをサンプリングし、遠隔測定の圧力信号をmmHgに変換する。気圧基準により、(真空に対する)絶対圧と周囲気圧との関係を考慮に入れる。データ収集ソフトウェアは、5分ごとに10秒間隔で血行動態データをサンプリングするように事前に定義されている。ファイルへのデータ収集は、薬物投与(T=0時間)の2時間前(T=-2時間)に開始され、24時間の完了後に終了した(T=24時間)。
【0145】
統計
データは、ベースライン値の%として表される。ベースライン値を各動物について計算した。ベースライン値は、薬物又はビヒクルの投与前の2時間(T=-2時間からT=0時間)の平均血圧を表す。さらに分析するために、データをグループ化して、0.5時間ごとの平均を得た。示された期間中に各個体について得られたすべての値の平均は、毎日平均された。グループは、一元配置分散分析とダネットの検定によって比較した。
【0146】
実験プロトコル
すべての動物は、経口単一用量のビヒクル又は異なる投与量(例えば、0.3、1.0、3.0、又は10.0mg/kg)の化合物で処置した。適用量は2ml/kg体重であった。実験は午前7:00に開始し(T=-2時間)、ビヒクル又は薬物の投与は午前9.00(=0時間)に行われ、登録期間は24時間であった。分析のために、データをグループ化して、半時間ごとの平均を得た。
【0147】
参考文献
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【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(5)
【化1】
のメチル{4,6-ジアミノ-2-[5-フルオロ-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル]ピリミジン-5-イル}カルバメート又はその製薬上許容される塩を含む、認知障害の治療
用組成物であって、
式(5)の前記化合物が、
1~
10mgの一日量で経口投与される
組成物であり、
血圧をベースラインから20%を超えて低下させない、組成物。
【請求項2】
認知障害が、軽度認知障害、認知症、血管性認知症、アルツハイマー型認知症、並びに脳梗塞、脳虚血及び虚血性脳卒中に関連する認知障害からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
認知障害が、血管性認知症である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物と、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン及びメマンチンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む、組合せ物。
【外国語明細書】