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特開2023-130552制御装置、制御方法、プログラム、及び物品搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130552
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、プログラム、及び物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230913BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
B65G1/137 G
B65G1/00 501H
B65G1/00 511F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034884
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100200218
【弁理士】
【氏名又は名称】沼尾 吉照
(72)【発明者】
【氏名】山本 彩代
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF24
3F022LL07
3F022MM52
3F022NN57
3F022QQ17
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB25
3F522BB35
3F522CC01
3F522CC10
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD32
3F522DD33
3F522EE15
3F522GG05
3F522GG09
3F522GG22
3F522GG46
3F522HH02
3F522HH22
3F522JJ02
3F522JJ04
3F522LL33
3F522LL51
(57)【要約】
【課題】より安全に移動棚を搬送するようAGVを制御することが可能な制御装置、制御方法、プログラム、及び物品搬送システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部と、を備える。通信部は、物品を収容する移動棚を搬送する自律搬送車及び上位サーバと通信する。記憶部は、移動棚が収容する物品に基づいて決定される移動棚の優先度を記憶する。制御部は、上位サーバから通信部を介して、移動棚から物品をピッキングするピッキング作業のリストを取得し、リストに含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚と、記憶部に記憶される優先度と、移動棚を搬送するための自律搬送車を決定するとともに、物品を移動棚から取り出す取出位置へ自律搬送車が移動棚を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する移動棚を搬送する自律搬送車及び上位サーバと通信する通信部と、
前記移動棚が収容する前記物品に基づいて決定される前記移動棚の優先度を記憶する記憶部と、
前記上位サーバから前記通信部を介して前記移動棚から前記物品をピッキングするピッキング作業のリストを取得し、前記リストに含まれる前記ピッキング作業でピッキングする前記移動棚と、前記記憶部に記憶される前記優先度と、に基づいて、前記物品を前記移動棚から取り出す取出位置へ前記自律搬送車が前記移動棚を搬送するための経路を前記ピッキング作業ごとに設定する、制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記優先度に基づいて、前記優先度が高い前記移動棚を搬送する前記自律搬送車から順に前記経路を設定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、既に設定された前記経路を走行する前記自律搬送車の走行を妨げないように、前記優先度が高い前記移動棚を搬送する前記自律搬送車から順に前記経路を設定する、
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、搬送開始位置から前記取出位置へ前記移動棚を搬送するまでに前記自律搬送車が一時停止する回数が最小となるよう前記経路を設定する、
請求項2又は請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記優先度に基づいて、前記優先度が高い前記移動棚を搬送する前記自律搬送車は所定の優先エリアを含む走行エリアに基づいて前記経路を設定し、前記優先度が低い前記移動棚を搬送する前記自律搬送車は前記優先エリアを含まない走行エリアに基づいて前記経路を設定する、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記自律搬送車ごとに前記経路を設定する度に前記優先エリアを変更し、前記優先度が高い前記移動棚を搬送する前記自律搬送車が前記優先エリアの走行を完了した走行済エリアは、前記優先エリアから除くよう変更する、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ピッキング作業において搬送される頻度が低い棚が配置されたエリアの周辺を前記優先エリアとして設定する、
請求項5又は請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記自律搬送車に設定した前記経路を、設定した前記自律搬送車それぞれに前記通信部を介して送信する、
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記優先度は、前記移動棚に収容された前記物品の総重量に基づいて決定する、
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
物品を収容する移動棚から前記物品をピッキングするピッキング作業のリストを上位サーバから取得するリスト取得ステップと、
前記リスト取得ステップで取得した前記リストに含まれる前記ピッキング作業でピッキングする前記移動棚と、前記移動棚が収容する前記物品に基づいて決定される優先度と、に基づいて、前記移動棚を搬送するための自律搬送車を決定するとともに、前記物品を前記移動棚から取り出す取出位置へ前記自律搬送車が前記移動棚を搬送するための経路を前記ピッキング作業ごとに設定する経路設定ステップと、
を有する制御方法。
【請求項11】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
物品を収容する移動棚から前記物品をピッキングするピッキング作業のリストを上位サーバから取得するリスト取得機能と、
前記リスト取得機能で取得した前記リストに含まれる前記ピッキング作業でピッキングする前記移動棚と、前記移動棚が収容する前記物品に基づいて決定される優先度と、に基づいて、前記移動棚を搬送するための自律搬送車を決定するとともに、前記物品を前記移動棚から取り出す取出位置へ前記自律搬送車が前記移動棚を搬送するための経路を前記ピッキング作業ごとに設定する経路設定機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項12】
物品を収容する移動棚を搬送する自律搬送車と、
前記移動棚から前記物品をピッキングするピッキング作業のリストを上位サーバから取得し、取得した前記リストに含まれる前記ピッキング作業でピッキングする前記移動棚と、前記移動棚が収容する前記物品に基づいて決定される優先度と、に基づいて、前記移動棚を搬送するための前記自律搬送車を決定するとともに、前記物品を前記移動棚から取り出す取出位置へ前記自律搬送車が前記移動棚を搬送するための経路を前記ピッキング作業ごとに設定する制御装置と、
を備える物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置、制御方法、プログラム、及び物品搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AGV(Automated Guided Vehicle、自律搬送車)を用いて物品を格納する移動棚をピッキングステーションに搬送するシステムが提供されている。ピッキングステーションでは、オペレータ又はロボットがAGVによって搬送された移動棚から物品をピッキングする。また、システムは、入庫した物品を移動棚に格納する。
【0003】
AGVは、物品を格納した移動棚を積載した状態で旋回(方向変換)や一時停止等のために加減速を行う。そのため、移動棚の重心が高い場合には、棚が揺れてAGVから落下するおそれがある。また、移動棚の重心が高いと、地震などの災害時に移動棚が倒れやすい。
【0004】
また、複数のAGVが遭遇する走行経路の交差点では、AGVの走行が遅延した場合やAGVの通信の送受信がずれた場合には、AGV同士が衝突を回避するために急停止して移動棚が倒れる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-166737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、より安全に移動棚を搬送するよう自律搬送車(AGV)を制御することが可能な制御装置、制御方法、プログラム、及び物品搬送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の制御装置は、通信部と、記憶部と、制御部と、を備える。通信部は、物品を収容する移動棚を搬送する自律搬送車及び上位サーバと通信する。記憶部は、移動棚が収容する物品に基づいて決定される移動棚の優先度を記憶する。制御部は、上位サーバから通信部を介して移動棚から物品をピッキングするピッキング作業のリストを取得し、リストに含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚と、記憶部に記憶される優先度と、移動棚を搬送するための自律搬送車を決定するとともに、物品を移動棚から取り出す取出位置へ自律搬送車が移動棚を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る物品搬送システムの構成の一例を示す模式図。
図2】実施形態に係る物品搬送システム及び上位サーバのシステム構成の一例を示すブロック図。
図3】実施形態に係る制御装置の構成の一例を示すブロック図。
図4】実施形態に係る制御装置が備えるNVMに記憶されるピッキング作業のオーダー情報(リスト)の一例を示す表。
図5】実施形態に係る制御装置が備えるNVMに記憶される移動棚情報の一例を示す表。
図6】実施形態に係る制御装置が備えるNVMに記憶される物品情報の一例を示す表。
図7】実施形態に係る制御装置が備えるNVMに記憶されるAGVのステータス情報の一例を示す表。
図8】実施形態に係る制御装置が備えるNVMに記憶される走行計画予定の一例を示す表。
図9】実施形態に係る制御装置が備えるプロセッサが設定するAGVの経路の一例を示す模式図。
図10】実施形態に係る制御装置が備えるプロセッサが設定するAGVの経路の別形態の一例を示す模式図。
図11】実施形態に係る制御装置が備えるプロセッサの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0010】
実施形態に係る物品搬送システムは、物流センタ又は倉庫などにおいて棚から物品をピッキングする。物品搬送システムは、自律搬送車(automated guided vehicle(AGV))を用いて棚をピッキングステーションに搬送する。物品搬送システムは、ピッキングステーションにおいて棚から物品をピッキングする。物品搬送システムは、オペレータ又はロボットに棚から物品をピッキングさせる。
【0011】
また、物品搬送システムは、入庫される物品を棚に格納する。物品搬送システムは、入庫される物品の特性に基づいて、物品を格納する棚、及び、棚の配置などを決定する。物品搬送システムは、AGVを用いて、物品を格納する棚をピッキングステーションに搬送する。物品搬送システムは、ピッキングステーションにおいて、物品を棚に格納する。物品搬送システムは、オペレータ又はロボットに棚に物品を格納させる。物品搬送システムは、AGVを用いて、物品を格納した棚を所定の位置に配置する。
【0012】
図1は、実施形態に係る物品搬送システム100の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、物品搬送システム100は、ピッキングステーションP(P1乃至P4)、AGV7、移動棚8、ピッキングロボット111、及び表示装置112などを備える。
【0013】
ピッキングステーションP1乃至P4には、ピッキングロボット111及び表示装置112がそれぞれ設置される。物品搬送システム100は、各ピッキングステーションP1乃至P4において、ピッキングロボット111を稼働し、ピッキングロボット111により移動棚8から物品をピッキングすることができる。また、物品搬送システム100は、ピッキングロボット111の稼働を停止して係員113を配置し、係員113に物品をピッキングさせることもできる。係員113は、表示装置112に表示される物品処理スケジュール等を目視確認して物品を処理することができる。なお、表示装置112は、係員113に割り当てられた無線通信端末であってもよい。
【0014】
また、ピッキングステーションP1乃至P4に表示装置112を設置し、一部のピッキングステーションにピッキングロボット111を設置するようにしてもよい。この場合、ピッキングロボット111が設置されていないピッキングステーションは、係員113用のピッキングステーションとして利用される。なお、ピッキングロボット111が設置されているピッキングステーションは、ピッキングロボット111用及び係員113用の何れのピッキングステーションとしても利用可能である。
【0015】
なお、物品搬送システム100は、複数のカメラを備えてもよい。また、複数のカメラのうちの1又は数台を固定式カメラとし、残りを移動式カメラとしてもよい。固定式カメラは、例えば天井、壁面、及びピッキングステーションP1乃至P4に対する上面と側面等に固定されたカメラであり、倉庫全体及び倉庫内で処理される物品を撮影し、撮影データをリアルタイムに出力する。撮影データは、撮影日時データ(撮影時刻含む)及び撮影画像データを含む。撮影画像データは、静止画データ及び動画データである。また、固定式カメラは、後述する上位サーバ1からの撮影制御信号に基づき上下左右に回動してもよい。固定式カメラが、上下左右に回動することにより、広範囲に倉庫内を監視することができる。
【0016】
AGV7は、後術するAGVコントローラ4からの制御信号に基づき動作する。例えば、AGV7は、指定された積み込み位置へ向かって走行し、指定された積み込み位置の移動棚8を持ち上げる。移動棚8は、指定されたピッキングステーション位置へ向かって走行し、指定されたピッキングステーション位置で移動棚8を降ろす。
【0017】
移動棚8は、物品を格納する棚である。移動棚8は、高さが異なる2つ以上の区画を備える。たとえば、移動棚8は、複数の棚段から構成される。
【0018】
また、移動棚8は、四本の支柱で直立する。移動棚8の棚下の高さは(床面から棚底までの高さ)、AGV7の高さよりも高い。これにより、AGV7は、移動棚8の棚下に潜り込むことができる。棚下に潜り込んだAGV7は、プッシャーにより床面から支柱の先端(下端)が数センチ離れる程度に移動棚8を持ち上げて、移動棚8を持ち上げた状態で走行する。このようにしてAGV7は、移動棚8を搬送する。
【0019】
また、移動棚8には、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な棚識別情報が貼り付けられていてもよい。物品にも、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な物品識別情報が貼り付けられていてもよい。例えば、棚識別情報及び物品識別情報は、バーコードや二次元コードである。なお、物品搬送システム100は、固定式カメラ又は移動式カメラとは別に、これら棚識別情報及び物品識別情報を読み取る複数のリーダを備えてもよい。
【0020】
ピッキングステーションP1乃至P4は、AGV7により搬送された移動棚8を受け入れる。ピッキングステーションP1乃至P4で受け入れられた移動棚8には、物品が格納されている。ピッキングロボット111による物品処理が指定されている場合には、ピッキングロボット111は、移動棚8に収容された物品を把持(グリップ)してピッキングする。係員113による物品処理が指定されている場合には、配置された係員113は、手作業により、移動棚8に収容された物品を把持してピッキングする。また、ピッキングステーションP1乃至P4に対応して設けられる表示装置112は、物品処理スケジュールに加えて、係員113のピッキング作業を支援する情報、例えば処理対象となる物品の画像及び物品識別情報を表示する。係員113は、表示装置112の表示内容を目視確認して、物品をピッキングする。また、ピッキングステーションP1乃至P4は、ピッキングロボット111又は係員113を用いて移動棚8に物品を格納するものであってもよい。
【0021】
図2は、実施形態に係る物品搬送システム100及び上位サーバ1のシステム構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、物品搬送システム100は、制御装置2と、AGVコントローラ4と、AGV7と、ロボットコントローラ5と、ピッキングロボット111と、表示装置112と、を備える。
【0022】
上位サーバ1は、倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)と呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。物品に関する物品識別情報やオーダー情報などを記憶する。物品識別情報は、各移動棚8が格納する物品を示す。オーダー情報は、各移動棚8から物品をピッキングするピッキング作業を示す。上位サーバ1は、制御装置2に物品識別情報及びオーダー情報を送信する。
【0023】
制御装置2は、AGVコントローラ4と、ロボットコントローラ5と、にピッキング作業を行うための指示を示す制御情報を送信する。制御装置2については、後に詳述する。
【0024】
AGVコントローラ4は、倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)と呼ばれ、少なくとも一つのAGV7を制御する。例えば、AGVコントローラ4は、制御装置2からAGV7の走行経路を取得する。AGVコントローラ4は、取得したAGV7の走行経路に基づいて、AGV7に搬送を行う搬送制御信号を送信する。また、AGVコントローラ4は、AGV7から搬送が完了したことを示す信号を受信し、取得したオーダー情報に関する物品の搬送が完了したことを示す信号を制御装置2へ送信する。
【0025】
ロボットコントローラ5は、少なくとも一つのピッキングロボット111を制御する。例えば、制御装置2は、上位サーバ1からオーダー情報を取得し、オーダー情報に基づいて、ピッキング作業を行うピッキングロボット111を決定する。制御装置2は、ロボットコントローラ5を介して決定したピッキングロボット111にピッキング作業を行う搬送制御信号を送信する。また、ロボットコントローラ5は、ピッキングロボット111からピッキング作業が完了したことを示す信号を受信し、取得したオーダー情報に関する物品の搬送が完了したことを示す信号を制御装置2へ送信する。
【0026】
次に、制御装置2について説明する。図3は、実施形態に係る制御装置2の構成の一例を示すブロック図である。制御装置2は、プロセッサ21(制御部)と、ROM22と、RAM23と、NVM24(不揮発性メモリ/記憶部)と、通信インターフェース25(通信部)と、を備える。
【0027】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、通信インターフェース25と、は、データバスなどを介して互いに接続する。なお、制御装置2は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、制御装置2から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0028】
プロセッサ21は、制御装置2の処理に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当し、制御装置2全体を統合的に制御する。プロセッサ21は、ROM22又はNVM24などに記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、制御装置2の各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ21は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0029】
ROM22は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM22は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM22は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM22は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0030】
RAM23は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM23は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0031】
NVM24(Non-volatile memory)は、プロセッサ21を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。NVM24は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。NVM24は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、NVM24は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0032】
図4は、実施形態に係る制御装置2が備えるNVM24に記憶されるピッキング作業のオーダー情報の一例を示す表である。図4が示すように、オーダー情報は、オーダーリストTA1として記憶され、「オーダー番号」と、「棚ID」と、「物品ID」とその個数、「ピッキングステーション」と、「ピッキングフラグ」と、を対応付けて格納する。「オーダー番号」は、各オーダーを識別するための番号である。「棚ID」は、各オーダーでピッキングする棚を示す番号である。「棚ID」は、移動棚8を識別するための棚識別情報である。「物品ID」は、各オーダーでピッキングする物品を示す番号である。「物品ID」は、移動棚8に収容される物品を識別するための物品識別情報である。「ピッキングステーション」は、各オーダーで物品を移動棚8から取り出す取出位置であるピッキングステーションPを示す番号である。「ピッキングフラグ」は、各オーダーが既にピッキング作業が完了しているか否かを示す値である。
【0033】
図5は、実施形態に係る制御装置2が備えるNVM24に記憶される移動棚情報の一例を示す表である。図5に示すように、移動棚情報は、移動棚管理リストTA2として記憶され、「棚ID」と、「物品ID」と、「配置」と、「優先棚」と、「優先度」と、「総重量」と、「搬送状態」と、「AGV」と、を対応付けて記憶する。「棚ID」は、移動棚8を識別するための番号である。「物品ID」は、移動棚8に収容された物品を示す番号である。「配置」は、図1において移動棚8が配置されている場所を示す番号である。「優先棚」は、移動棚8を搬送する経路を設定する際に優先する移動棚8であるか否かを示す値である。「優先度」は、移動棚8を搬送する経路を設定する際に優先する順番を示す値である。「総重量」は、移動棚8に収容される物品の重量を合計した値である。「搬送状態」は、移動棚8がAGV7によって搬送されている状態か否かを示す値である。「AGV」は、「搬送状態」が「搬送中」であるとき、移動棚を搬送しているAGV7を識別する番号である。
【0034】
「優先棚」及び「優先度」の値は、移動棚8に収容された物品の総重量に基づいて決定する。例えば、「優先棚」か否かは、「総重量」の値が所定の閾値を超えるか否かによって決定する。本実施形態では、「総重量」が10.0kg以上である移動棚8は、「優先棚」の値に「○」を格納する。また、「優先度」の値は、「総重量」の値と複数の閾値によって決定する。本実施形態では、「総重量」が10.0kgより小さい移動棚8は、優先棚ではないとして、「優先度」の値に「0」を格納する。「総重量」が10.0kg以上であって15.0kgより小さい移動棚8は、「優先度」の値に「1」を格納する。「総重量」が15.0kg以上であって17.5kgより小さい移動棚8は、「優先度」の値に「2」を格納する。「総重量」が17.5kg以上である移動棚8は、「優先度」の値に「3」を格納する。
【0035】
なお、「優先棚」及び「優先度」の値は、移動棚8に収容された物品の価格の合計や、後述する「取り扱いレベル」に基づいて設定されてもよい。すなわち、「優先棚」及び「優先度」は、移動棚8ごとに定められる値であれば、どのような値に基づいて設定されてもよい。
【0036】
図6は、実施形態に係る制御装置2が備えるNVM24に記憶される物品情報の一例を示す表である。図6に示すように、物品情報は、物品管理リストTA3として記憶され、「物品ID」と、「在庫数」と、「単位質量」と、「単位価格」と、「取り扱いレベル」と、を対応付けて記憶する。「物品ID」は、物品を識別するための番号(物品識別情報)である。「在庫数」は、物品の数量を示す値である。「単位質量」は、物品の一つ当たりの質量を示す値である。「単位価格」は、物品の一つ当たりの価格を示す値である。「取り扱いレベル」は、単位物品の取り扱いに関する指標である。たとえば、「取り扱いレベル」は、単位物品の壊れやすさなどを示す指標である。ここでは、「取り扱いレベル」は、高いほど、丁寧な取り扱いが要求される単位物品(たとえば、壊れやすい単位物品)であることを示す。
【0037】
図7は、実施形態に係る制御装置2が備えるNVM24に記憶されるAGV7のステータス情報の一例を示す表である。図7に示すように、ステータス情報は、AGV管理リストTA4として記憶され、「AGV」と、「ステート」と、「オーダー番号」と、「棚ID」と、「現在位置」と、を対応付けて記憶する。「AGV」は、AGV7を識別するための番号である。「ステート」は、AGV7の現在の状態を示す。「オーダー番号」は、AGV7が対応付けられたオーダー情報を示す番号である。「棚ID」は、AGV7が搬送する移動棚8を示す番号である。「現在位置」は、AGV7の倉庫内の位置を二次元座標で示す値である。
【0038】
図8は、実施形態に係る制御装置2が備えるNVM24に記憶される走行計画予定の一例を示す表である。図8に示すように、走行計画予定は、走行計画リストTA5として記憶され、「AGV」と、「オーダー番号」と、「棚ID」と、「行先」と、「現在位置」と、「優先棚」と、「優先度」と、を記憶する。「AGV」は、プロセッサ21が経路を設定するAGV7を識別する番号である。「オーダー番号」は、プロセッサ21が経路を設定するピッキング作業を示す番号である。「棚ID」は、経路を設定するピッキング作業のためにピッキングステーションPに搬送が必要な移動棚8を示す番号である。「行先」は、ピッキング作業が完了した移動棚を保管場所である倉庫内の位置、又は、ピッキング作業のために移動棚を搬送するピッキングステーションPの位置を示す。「現在位置」は、プロセッサ21が経路を設定するAGV7の倉庫内の現在の位置を二次元座標で示す値である。「優先棚」は、移動棚管理リストTA2を参照して、搬送する移動棚8が優先棚であるか否かを示す値である。「優先度」は、移動棚管理リストTA2を参照して、搬送する移動棚の経路を設定する際に優先する順番を示す値である。
【0039】
次に、制御装置2が実現する機能について説明する。制御装置2が実現する機能は、プロセッサ21がROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0040】
プロセッサ21は、AGV7から通信インターフェース25を介してAGV7の状態を示すステータス情報を取得する。例えば、プロセッサ21は、通信インターフェース25を介して、AGV7が搬送中か否かのステータス情報と、現在位置を示す二次元座標と、を取得する。プロセッサ21は、取得したAGVのステータス情報及び現在位置に基づいて、NVM24に記憶するAGV管理リストTA4の「ステート」と「現在位置」の情報を更新する。なお、ステータス情報の取得は、AGV7がステータス情報を更新したタイミングで取得してもよいし、所定の時間ごとに定期的に取得してもよい。
【0041】
プロセッサ21は、上位サーバ1から通信インターフェース25を介して物品を移動棚8からピッキングするピッキング作業のリストを取得する。例えば、プロセッサ21は、上位サーバ1から通信インターフェース25を介してピッキング作業が必要なオーダーリストTA1を取得し、NVM24に記憶する。プロセッサ21は、既にオーダーリストTA1を取得したことがある場合は、上位サーバ1からオーダーリストTA1を再度取得し、NVM24に記憶されているオーダーリストTA1を更新する。また、プロセッサ21は、上位サーバ1から取得したオーダーリストTA1に基づいて、AGV管理リストTA4の「オーダー番号」と「棚ID」の列を更新する。なお、リストの取得は、上位サーバ1がリストの情報を更新したタイミングで取得してもよいし、所定の時間ごとに定期的に取得してもよい。
【0042】
プロセッサ21は、オーダーリストTA1に含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚8と、NVM24に記憶される優先度と、ステータス情報とに基づいて、移動棚8を搬送するためのAGV7を決定する。例えば、プロセッサ21は、移動棚8を搬送するためのAGV7と、AGV7がピッキング作業を行うために移動棚8の搬送が必要なオーダー及び搬送する移動棚8と、が対応付けられる走行計画リストTA5を生成する。
【0043】
まず、プロセッサ21は、AGV管理リストTA4の「ステート」の値に基づいて、移動棚を搬送するために経路を設定するAGV7を決定する。プロセッサ21は、AGV管理リストTA4の「ステート」の値が「ピック完了アイドル」又は「アイドル」となっているAGV7を抽出し、走行計画リストの「AGV」と「現在位置」の列に追加する。
【0044】
次に、プロセッサ21は、オーダーリストの「ピッキングフラグ」の列に基づいて、搬送する移動棚8が割り当てられていないAGV7の台数と同じ数だけ、「ピッキングフラグ」が「未」であるオーダーを「オーダー番号」が小さい順に抽出する。プロセッサ21は、抽出したオーダーを、走行計画リストTA5の「AGV」に対応付けて追加する。もし、AGV管理リストTA4の「ステート」が「ピック完了アイドル」であるAGV7が搬送している移動棚8を、別のオーダーによって別のピッキングステーションPでピッキング作業を行う場合、同じAGV7が移動棚8を搬送するように対応付ける。そのほかのオーダーは、AGV管理リストTA4の「ステート」が「アイドル」であるAGV7を、移動棚8に近い順に対応付けられる。プロセッサ21は、走行計画リストTA5の「オーダー番号」とオーダーリストTA1に基づいて、走行計画リストTA5の「棚ID」、「行先」、「優先棚」、及び「優先度」の列に値を追加する。
【0045】
プロセッサ21は、物品を移動棚8から取り出す取出位置へAGV7が移動棚を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する。例えば、プロセッサ21は、NVM24が記憶する移動棚毎の優先度に基づいて、既に設定された経路を走行するAGV7の走行を妨げないように、優先度が高い移動棚を搬送するAGV7から順に経路を設定する。またプロセッサ21は、搬送開始位置からピッキングステーションPへ移動棚8を搬送するまでにAGV7が一時停止する回数が最小となるよう経路を設定する。なお、AGV7が旋回(方向変換)する回数も加味して経路を設定してもよい。
【0046】
プロセッサ21は、AGV7に設定した経路を走行するようにAGVコントローラ4に制御を送信し、設定したAGV7それぞれに通信インターフェース25を介して送信する。例えば、プロセッサ21は、走行計画リストTA5に基づいて設定した経路を、通信インターフェース25をAGVコントローラ4へ送信する。AGVコントローラ4は、受信した経路に基づいてAGV7の搬送制御信号をAGV7へ送信する。
【0047】
ここで図9を用いて、プロセッサ21がAGV7の経路を設定する例について説明する。図9は、実施形態に係る制御装置2が備えるプロセッサ21が設定するAGV7の経路の一例を示す模式図である。プロセッサ21は、走行エリア121の中から、いずれかの経路を通ってピッキングステーションPへ移動棚8を搬送するように、AGV7の経路を設定する。図9の例では、AGV7aは、優先棚である移動棚(不図示)を経路120aに沿ってピッキングステーションP1へ搬送させ、AGV7bは優先棚でない移動棚(不図示)を経路120bに沿ってピッキングステーションP2へ搬送させる。
【0048】
まず、図9(a)に示すように、プロセッサ21は、取得した走行計画リストTA5に含まれる優先棚である移動棚8を搬送するAGV7aの経路を設定する。経路を設定する優先棚である移動棚8が複数ある場合、プロセッサ21は、走行計画リストTA5の「優先度」の値が高い移動棚8から順に経路を設定する。プロセッサ21は、優先棚である移動棚8をピッキングステーションP1へ搬送するまでにAGV7aが旋回や他のAGVの横断などによって一時停止する回数が最小となるよう経路を設定する。
【0049】
次に、プロセッサ21は、取得した走行計画リストTA5に含まれる優先棚でない移動棚8を搬送するAGV7bの経路を設定する。プロセッサ21は、既に設定されたAGV7aが走行する予定の経路を妨げないよう、AGV7aが走行する予定の無い経路の中からAGV7bの経路を設定する。プロセッサ21は、AGV7bと同様に、優先棚でない移動棚8をピッキングステーションP2へ搬送するまでにAGV7bが旋回や他のAGVの横断などによって一時停止する回数が最小となるよう経路を設定する。これにより、プロセッサ21は、優先度が高い移動棚8の搬送を行う際に、優先度の低い移動棚8の搬送によって遅れたりする可能性を低減し、効率的な経路設定が可能である。
【0050】
また、AGV7bの走行経路は、AGV7aの走行する時間経過を考慮し、AGV7aが走行済の経路を含めて、経路を設定してもよい。例えば、プロセッサ21は、図9(b)に示すように、AGV7aが図9(a)で設定した経路を走行し、AGV7bの前の経路を通過するまでAGV7bを待機させる。プロセッサ21は、AGV7aが走行済の経路を経路設定の対象に含めて、AGV7bの経路を設定する。これにより、プロセッサ21は、図9(a)のようにAGV7bが搬送先であるピッキングステーションP2とは反対の方向に走行する経路を走行することを回避し、効率的な経路設定が可能となる。
【0051】
ここで経路設定の別の形態について説明する。図10を用いて、プロセッサ21がAGV7の経路を設定する例について説明する。図10は、実施形態に係る制御装置2が備えるプロセッサ21が設定するAGV7の経路の別形態の一例を示す模式図である。図10の例では、プロセッサ21は、図9と同様に、走行エリア121の中から、いずれかの経路を通ってピッキングステーションPへ移動棚8を搬送するように、AGV7の経路を設定する。AGV7cは、優先棚である移動棚(不図示)を経路120cに沿ってピッキングステーションP3へ搬送させる。AGV7dは、優先棚でない移動棚(不図示)を経路120dに沿ってピッキングステーションP4へ搬送させる。
【0052】
図10(a)に示すように、プロセッサ21は、取得した走行計画リストTA5に含まれる優先棚である移動棚8を搬送するAGV7cの経路を設定する。経路を設定する優先棚である移動棚8が複数ある場合、プロセッサ21は、走行計画リストTA5の「優先度」の値が高い移動棚8から順に経路を設定する。プロセッサ21は、優先度に基づいて、優先度が高い移動棚8を搬送するAGV7cは、所定の優先エリア122を含む走行エリア121に基づいて経路を設定する。例えば、プロセッサ21は、オーダーリストTA1に基づいて、ピッキング作業において搬送される頻度が低い移動棚8が配置された近傍の走行エリア121の一部を優先エリア122として設定する。図10(a)の例では、プロセッサ21は、走行エリア121のうち、最も上部の経路を優先エリア122に設定する。プロセッサ21は、優先棚である移動棚8が優先エリア122を走行するようにAGV7cの経路を設定する。これにより、プロセッサ21は、優先度が高い移動棚8の搬送が、優先度の低い移動棚8の搬送によって遅れたりする可能性を低減し、効率的な経路設定が可能である。
【0053】
次に、プロセッサ21は、取得した走行計画リストTA5に含まれる優先棚でない移動棚8を搬送するAGV7dの経路を設定する。プロセッサ21は、優先度が低い移動棚8を搬送するAGV7は優先エリア122を含まない走行エリア121に基づいて経路を設定する。例えば、プロセッサ21は、優先棚でない移動棚8を搬送するAGV7dの走行経路を、前述の優先エリアを含まないように経路を設定する。
【0054】
また、プロセッサ21は、AGV7ごとに経路を設定する度に優先エリア122を変更してもよい。プロセッサ21は、優先度が高い移動棚8を搬送するAVG7が優先エリア122の走行を完了した走行済エリア123は、優先エリア122から除くよう変更してもよい。例えば、図10(b)に示すように、プロセッサ21は、図10(a)で設定した優先エリア122を走行するように経路を設定したAGV7cが、走行を終えたエリアから順に走行済エリア123に設定する。プロセッサ21は、AGV7cが優先エリア122の走行を終えるまで待機させ、AGV7cが走行を完了したエリアを優先エリア122から走行済エリア123に設定し、走行済エリア123を含めた走行エリア121に基づいて、AGV7dが走行する経路120dを設定する。これにより、プロセッサ21は、図10(b)のように経路を設定することが可能な走行エリア121が制限されることを回避し、効率的な経路設定が可能となる。
【0055】
図11は、実施形態に係る制御装置2が備えるプロセッサ21の処理の流れを示すフローチャートである。まず、プロセッサ21は、AGV7から通信インターフェース25を介してAGV7の状態を示すステータス情報を取得する(ST1)。プロセッサ21は、上位サーバ1から通信インターフェース25を介して物品を移動棚からピッキングするピッキング作業のリストを取得し、オーダー情報を取得する(ST2)。プロセッサ21は、取得したステータス情報及びオーダー情報に基づいて、走行計画リストTA5を更新する(ST3)。プロセッサ21は、走行計画リストTA5に「優先棚」の値が「○」であるオーダーがあるか否かを判定する(ST4)。走行計画リストTA5に「優先棚」の値が「○」であるオーダーがある場合(ST4、YES)、プロセッサ21は、「優先棚」の値が「○」であるオーダーの移動棚8を搬送するAGV7の経路を設定する(ST5)。次に、プロセッサ21は、「優先棚」の値が「○」でないオーダーの移動棚8を搬送するAGV7の経路を設定する(ST6)。プロセッサ21は、設定した経路を通信インターフェース25を介してAGVコントローラ4へ送信する。
【0056】
上記したように、実施形態の制御装置2は、物品を移動棚8からピッキングするピッキング作業のリストであるオーダーリストTA1を上位サーバ1から取得するリスト取得ステップを実施し、リスト取得ステップで取得したオーダーリストTA1に含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚8と、移動棚8が収容する物品に基づいて決定される優先度と、に基づいて、移動棚を搬送するためのAGV7を決定するとともに、物品を移動棚8から取り出す取出位置へAGV7が移動棚8を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する経路設定ステップを実施する制御方法で制御を実施する。
【0057】
また、上記したように、実施形態の制御装置2は、プロセッサ21によって実行されるプログラムは、プロセッサ21に、物品を移動棚8からピッキングするピッキング作業のリストを上位サーバ1から取得するリスト取得機能と、取得したリストに含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚8と、移動棚8が収容する物品に基づいて決定される優先度と、に基づいて、移動棚8を搬送するためのAGV7を決定するとともに、物品を移動棚8から取り出す取出位置へAGV7が移動棚8を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する経路設定機能と、を実現するプログラムを実行することで、制御を実施する。
【0058】
また、上記したように、実施形態の物品搬送システム100は、物品を収容する移動棚8を搬送するAGV7と、AGV7からAGV7の状態を示すステータス情報を取得し、上位サーバ1から物品を移動棚8からピッキングするピッキング作業のリストを取得し、取得したリストに含まれるピッキング作業でピッキングする移動棚8と、移動棚8が収容する物品に基づいて決定される優先度と、ステータス情報と、に基づいて、移動棚8を搬送するためのAGV7を決定するとともに、物品を移動棚8から取り出す取出位置へAGV7が移動棚8を搬送するための経路をピッキング作業ごとに設定する制御装置2と、を少なくとも備えることによって物品搬送システム100を構成し、物品搬送を実施する。
【0059】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウェアを用いて構成するに留まらず、ソフトウェアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウェア、ハードウェアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 上位サーバ
2 制御装置
4 AGVコントローラ
5 ロボットコントローラ
7 AGV(自律搬送車)
8 移動棚
21 プロセッサ
22 ROM
23 RAM
24 NVM
25 通信インターフェース
100 物品搬送システム
111 ピッキングロボット
112 表示装置
113 係員
120 経路
121 走行エリア
122 優先エリア
123 走行済エリア
P ピッキングステーション
TA1 オーダーリスト
TA2 移動棚管理リスト
TA3 物品管理リスト
TA4 AGV管理リスト
TA5 走行計画リスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11