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特開2023-130560チェックアウト装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130560
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】チェックアウト装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20230913BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230913BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/12 301G
G06K7/10 128
G06K7/10 240
G06K7/10 264
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034903
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩由
(72)【発明者】
【氏名】大石 禎利
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142CA20
3E142DA04
3E142FA03
3E142FA06
3E142FA13
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA04
3E142GA35
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、顧客一人に要するレジ処理の時間を短くすることが可能なチェックアウト装置およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態のセルフチェックアウト装置は、所定距離内を移動可能であり、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る第1アンテナと、トリガ信号を受信すると、前記第1アンテナを移動させるとともに、読み取った前記タグ情報に基づいて当該商品の商品登録処理を行う第1処理手段と、前記第1処理手段が行う商品登録処理と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離内を移動可能であり、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る第1アンテナと、
トリガ信号を受信すると、前記第1アンテナを移動させるとともに、読み取った前記タグ情報に基づいて当該商品の商品登録処理を行う第1処理手段と、
前記第1処理手段が行う商品登録処理と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段と、
を備えるチェックアウト装置。
【請求項2】
商品を載置する載置台付近に第2アンテナをさらに備え、
前記トリガ信号は、前記第2アンテナが前記タグ情報を読み取ったことを示す信号である、
請求項1に記載のチェックアウト装置。
【請求項3】
前記トリガ信号は、前記チェックアウト装置の操作を開始する開始キーが操作されたことを示す信号である、
請求項1に記載のチェックアウト装置。
【請求項4】
前記チェックアウト装置は、顧客自身で操作を行うセルフチェックアウト装置であり、前記第2処理手段は、前記顧客の操作に基づいて前記他の処理を行う、
請求項1乃至3のいずれか一に記載のチェックアウト装置。
【請求項5】
前記第2処理手段は、操作に係る他の処理として、入力された顧客特定情報の記憶、入力された袋の情報の記憶、選択された支払方法の記憶の少なくとも一つの処理を行う、
請求項1乃至4のいずれか一に記載のチェックアウト装置。
【請求項6】
所定距離内を移動可能であり、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る第1アンテナを備えたチェックアウト装置としてのコンピュータを、
トリガ信号を受信すると、前記第1アンテナを移動させるとともに、読み取った前記タグ情報に基づいて当該商品の商品登録処理を行う第1処理手段と、
前記第1処理手段が行う商品登録処理と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウト装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店舗では、店員または客自身が商品の販売登録操作および会計操作を行うチェックアウト装置が用いられている。例えば顧客が自身で販売登録操作および会計操作を行うセルフチェックアウト装置において、顧客は、載置台に商品または商品が入ったカゴ等を載置する。そして顧客は、当該商品に係る操作を行う。例えば、顧客は、セルフチェックアウト装置のスタートの操作、買い物袋の要否の操作、支払方法の選択の操作、等を行う。セルフチェックアウト装置は、これらの操作が行われると、対応した処理を行う。また、セルフチェックアウト装置は、これらの処理の前後に、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取って商品登録処理を行う。なお、店員が操作するチェックアウト装置においても同様の操作と処理が行われる。そしてチェックアウト装置は、商品登録した商品について最後に会計処理を行う。
【0003】
このようにチェックアウト装置は、操作の開始から会計処理を行うまでに様々な処理を行い、かつ商品登録処理を行う(これらを総称して「レジ処理」という)ため、一人の顧客に対して要するレジ処理の時間が長くなることがある。特にセルフチェックアウト装置の場合、開始から最後までを顧客が操作を行うため、一人の顧客に対して要するレジ処理の時間が長くなる傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、顧客一人に要するレジ処理の時間を短くすることが可能なチェックアウト装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のセルフチェックアウト装置は、所定距離内を移動可能であり、商品に付された無線タグからタグ情報を読み取る第1アンテナと、トリガ信号を受信すると、前記第1アンテナを移動させるとともに、読み取った前記タグ情報に基づいて当該商品の商品登録処理を行う第1処理手段と、前記第1処理手段が行う商品登録処理と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係るセルフチェックアウト装置の外観斜視図である。
図2図2は、読取装置の構成を示す説明図である。
図3図3は、第1実施形態におけるセルフチェックアウト装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、セルフチェックアウト装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、読取装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、セルフチェックアウト装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、セルフチェックアウト装置における商品登録処理の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、セルフチェックアウト装置における商品登録処理と他の処理の並列処理を示す図である。
図10図10は、第2実施形態におけるセルフチェックアウト装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図11図11は、読取装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、セルフチェックアウト装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、第3実施形態における読取装置の構成を示す説明図である。
図14図14は、セルフチェックアウト装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図15図15は、セルフチェックアウト装置の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1実施形態)
以下第1実施形態について説明する。第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置は、例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店等の店舗に設置されるチェックアウト装置(POS(Point of Sales)端末)の一例である。セルフチェックアウト装置は、店舗で販売される商品の商品登録処理および会計処理に使用される。セルフチェックアウト装置は、顧客自身が商品登録操作、および会計操作を行う。顧客が商品登録操作を行うと、セルフチェックアウト装置は、商品登録処理を行う。顧客が会計操作を行うと、セルフチェックアウト装置は、会計処理を行う。
【0008】
商品登録処理とは、販売される商品に係る商品特定情報を取得し、取得した商品特定情報に基づいて取得した、当該商品の商品名や価格(商品情報)を表示部に表示するとともに、当該商品情報を商品情報部431(図3を参照)に記憶する処理をいう。会計処理とは、商品登録処理に伴い商品情報部431に記憶された商品情報に基づいて、当該取引に係る合計金額の表示、現金やクレジットカード等のメディアによる決済処理、現金決済の場合に預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や会計情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを印字部から発行する処理等をいう。
【0009】
図1は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の外観斜視図である。セルフチェックアウト装置1の本体2は、上部に表示部3b、スキャナ4およびハンドスキャナ5を備えている。スキャナ4およびハンドスキャナ5は、後述する無線タグが貼付できない商品に付されているバーコードや二次元コード等の商品特定情報を含むコードシンボルを、光学的または撮像して読み取る装置である。表示部3bの表面には、タッチパネルで構成される操作部3aが配設されている。
【0010】
表示部3bは、例えば液晶表示器が用いられる。表示部3bは、顧客にセルフチェックアウト装置1の操作方法を知らせるための案内画面を表示する。また、表示部3bは、商品登録処理した商品の商品情報を表示する。操作部3aは、表示部3bに表示された各種キーの画像に対応した位置をタッチ(操作)することで、当該キーとして機能するキーボードである。
【0011】
また、セルフチェックアウト装置1の本体2には、精算時に客のポイントカードやクレジットカード等のカードを挿入するためのカード挿入口10が設けられている。クレジットカードは、顧客特定情報を記憶しており、決済の種類としてカード決済を選択した場合に挿入する。また、本体2にはレシートを発行するレシート発行口19が設けられている。さらに本体2には、精算用の紙幣の入金や釣り紙幣の受け取りを行うための紙幣入出金口120が設けられている。加えて本体2には、精算時に硬貨を投入するための硬貨投入口130、釣り硬貨を受け取るための硬貨取出口140等が設けられている。さらに、本体2の上面にはポールが備えられている。ポールの上部には、セルフチェックアウト装置1での操作に異常があった場合や店員を呼び出す場合等に点灯する警告灯15が設けられている。
【0012】
本体2の右側にはかごに入った未清算の商品(商品を収納したカゴであってもよい)を載置するための商品載置台6が設けられている。商品載置台6には、読取装置30が設けられている。読取装置30は、商品載置台6の上面6aに載置された商品(例えば上面6aに載置されたカゴ(図示せず)に収納された商品)に付された無線タグT(図2を参照)から発信されたタグ情報(電波)を受信する装置である。タグ情報には、当該無線タグTが貼付された商品を個品単位で特定する商品特定情報が含まれる。以降、読取装置30がタグ情報をアンテナで受信することを、読取装置30がタグ情報を読み取るという。表示部3bは、読み取ったタグ情報に基づいて特定された商品の商品登録処理された商品情報を表示する。
【0013】
次に、セルフチェックアウト装置1の一部である読取装置30の構成について説明する。図2は、読取装置30の概略構成を示す説明図である。読取装置30は、商品載置台6の内部に設置される。読取装置30は、上面6aに載置された商品Mの載置位置と対向する位置に設置される。読取装置30は、上面6aに載置された商品Mに付された無線タグTが発信するタグ情報を読み取る。なお、図2では、商品Mが直に上面6aに載置されているが、商品Mが収納されたカゴが上面6aに載置されるようにしてもよい。
【0014】
読取装置30は、商品Mに付された無線タグT、実施形態では、特にUHF帯で動作する無線タグTに記憶されたタグ情報を読み取る。読取装置30は、第1アンテナ22および第2アンテナ23を備える。第1アンテナ22は、図2に示すように、商品載置台6に埋設されている。第1アンテナ22は、例えば、上面6aに向けた面に平面パッチアンテナである。また、第2アンテナ23は、商品載置台6に埋設されている。第2アンテナ23は、例えば、上面6aに向けた面に平面パッチアンテナである。第2アンテナ23は、例えば商品載置台6の上面6aの裏側の位置であって、商品Mの載置位置付近に固定的に設けられる。
【0015】
読取装置30は、第1アンテナ22および第2アンテナ23から電波を放射する。また読取装置30は、第1アンテナ22および第2アンテナ23で、無線タグTから発信されたタグ情報を受信する。
【0016】
具体的には、読取装置30は、第1アンテナ22および第2アンテナ23を介して、タグ情報の送信を指示する情報を含む電波を放射する。この電波を受信した無線タグTは、自身が予め記憶しているタグ情報(タグを特定するタグIDと無線タグTが付された商品Mを個品で特定する商品特定情報を含む情報)を読取装置30に向けて発信する。読取装置30は、無線タグTからタグ情報を第1アンテナ22および第2アンテナ23で受信して、第1アンテナ22で受信したタグ情報を記憶する。読取装置30は、第2アンテナ23がタグ情報を受信したタイミングで、タグ情報を受信したことを示す信号を出力する。また、読取装置30は、第1アンテナ22が読み取り、記憶したタグ情報を出力する。なお、第2アンテナ23は第1アンテナ22よりも送信電力が弱く、連続的にまたは間欠的に送信を行う。
【0017】
第1アンテナ22は、商品載置台6の内部に配設された移動機構24(可動部)により、商品載置台6内を上面6aに沿って並行に移動可能となるように設置されている。
【0018】
移動機構24は、ねじ軸18と、ねじ軸18の軸受16と、ステッピングモータ12と、カップリング14と、移動ステージ20とからなる直線運動機構により構成されている。ステッピングモータ12は、回転動力源である。カップリング14は、ステッピングモータ12の回転動力をねじ軸18に伝達する。移動ステージ20は、ねじ軸18に螺合したボールねじナットと一体的に構成されている。第1アンテナ22は、移動ステージ20に固定的に設けられている。
【0019】
ねじ軸18は、一端が軸受16により他端がカップリング14により軸回転自在に水平に支持されている。また、ステッピングモータ12の出力軸12aが、カップリング14においてねじ軸18と接続されている。この構成により、ステッピングモータ12の回転動力が出力軸12aからカップリング14を介してねじ軸18に伝達される。
【0020】
移動ステージ20は、本体に貫通孔を有し、貫通孔にねじ軸18のボールねじナットが埋め込まれた構成のものである。移動ステージ20は、上記ボールねじナットをねじ軸18に螺合することにより、ねじ軸18の回転と共にねじ軸18の軸心方向に沿って移動可能、すなわち、図2の矢印R1および矢印R2の方向に移動可能である。なお、移動ステージ20は、図2に示すx軸に沿って、x=0からx=Wの間(所定距離内)を移動可能とするものとする。すなわち、移動ステージ20は、最右方位置20aと最左方位置20bとの間で移動可能である。
【0021】
このように、移動機構24は、前述したボールねじの機構によりステッピングモータ12の回転運動を直線運動に変え、移動ステージ20の移動を可能にしている。なお、移動ステージ20は、その本体自体がねじ軸18の回転に伴って回動しないように、支持板11に本体の一部を接触させながら摺動する。これにより、移動ステージ20は姿勢を一定に保ちながら矢印R1および矢印R2の方向に移動する。
【0022】
移動ステージ20の本体上面には、第1アンテナ22がその読取面を上面6aに向けて固定されている。読取面は、ここでは、平面パッチアンテナが電波を放射する放射面のことを指している。この配置により、第1アンテナ22は、読取面の前方つまり上面6aから商品載置台6に載置された商品に付された無線タグTに向けて電波を放射させる。そして、第1アンテナ22は、移動ステージ20と一体的に、ねじ軸18に沿って、x軸に沿って、略x=0からx=Wの間を矢印R1および矢印R2の方向に移動する。
【0023】
また、読取装置30は、移動ステージ20の移動経路に、ポジションセンサ58(例えばマイクロスイッチや光学センサなど)およびポジションセンサ59(例えばマイクロスイッチや光学センサなど)を備えている。ポジションセンサ58は、移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)がホームポジション(x=0の位置)に位置していることを検知する。ポジションセンサ58は、移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)がホームポジションに位置している場合に信号を出力する。ホームポジションは、移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)が移動を開始する位置である。また、ポジションセンサ59は、移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)が(x=Wの位置)に位置していることを検知する。ポジションセンサ59は、移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)がx=Wの位置に位置している場合に信号を出力する。移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)は、ホームポジションからR1方向への移動を開始し、ポジションセンサ59が移動ステージ20を検知すると移動ステージ20のR1方向への移動を停止し、移動ステージ20をR2方向へ移動する。そしてポジションセンサ58が移動ステージ20を検知すると移動ステージ20のR2方向への移動を停止し、移動ステージ20はホームポジションに位置する。読取装置30は、第1アンテナ22を移動させながらタグ情報を読み取る処理を行う。なお、実施形態では、移動ステージ20の移動範囲を、ポジションセンサ58とポジションセンサ59によって規定しているが、例えば直線軸移動を計測して位置情報を出力するリニアエンコーダを用いて移動ステージ20の移動範囲を規定するようにしてもよい。
【0024】
このように、第1アンテナ22を移動させながらタグ情報を読み取ることで、例えば他の商品Mによって隠れていて電波が届きにくくなっている無線タグTのタグ情報を読み取り易くなる。また、第1アンテナ22を移動させながらタグ情報を読み取ることで、本来読み取るべきではない(例えば遠くに位置している)無線タグTのタグ情報を読み取っても記憶せず、自身のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTのタグ情報のみを記憶することができる。
【0025】
ここでは、自身のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTのタグ情報のみを記憶するやり方について説明する。第1アンテナ22が移動することで、商品Mに付された無線タグTとの距離が変わる。第1アンテナ22と無線タグTとの距離が変わると、第1アンテナ22で読み取ったタグ情報の位相が変化する。この特性を利用して、第1アンテナ22の移動によるタグ情報の位相の変化量を求める。第1アンテナ22が同じ距離だけ移動した場合に、近くに位置する無線タグとの距離は大きく変わり、遠くに位置する無線タグとの距離はそれほど変わらない。そのため近くに位置している無線タグから受信したタグ情報の位相の変化量は、遠くに位置している無線タグから受信したタグ情報の位相の変化量より大きい。換言すると、第1アンテナ22が同じ距離だけ移動した場合に、位相の変化量が大きい無線タグTほど第1アンテナ22に近い位置にあり、位相の変化量が小さい無線タグTほど第1アンテナ22から遠い位置に位置している。
【0026】
そして、自身のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTのタグ情報の位相の変化量と、他のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTのタグ情報の位相の変化量との境界値を閾値として予め閾値情報部542(図4を参照)に記憶し、受信したタグ情報の位相の変化量が当該閾値より大きい場合は自身のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTから受信したタグ情報であるとして、当該タグ情報を記憶する。一方、受信したタグ情報の位相の変化量が当該閾値より小さい場合は自身以外のセルフチェックアウト装置1の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTから受信したタグ情報であるとして、当該タグ情報を記憶しない。このようにして、セルフチェックアウト装置1は、読み取ったタグ情報から自装置の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTを抽出する。
【0027】
なお、以下のように機械学習技術を用いて、セルフチェックアウト装置1は、読み取ったタグ情報から自装置の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTを抽出するようにしてもよい。すなわち、第1アンテナ22が移動した距離と読み取った無線タグTのタグ情報の位相の変化量に係るデータを収集することで、読み取ったタグ情報の位相の変化量によって当該無線タグTが自身の商品載置台6に載置された商品Mに係る無線タグTであるか否かを機械学習する。データを多数収集するほど精度が正しい機械学習をすることができ、自身の商品載置台6に載置された商品Mに係る無線タグTであるか否かを判定するための学習モデルを生成する。そして、生成した学習モデルを閾値情報部542に記憶する。この学習モデルを用いることで、セルフチェックアウト装置1は、読み取ったタグ情報から自装置の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTを抽出する。
【0028】
ここからは、セルフチェックアウト装置1のハードウェア構成について説明する。図3は、セルフチェックアウト装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示すように、セルフチェックアウト装置1は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、メモリ部44等を備えている。CPU41はセルフチェックアウト装置1の制御主体となる。ROM42は各種プログラムを記憶する。RAM43はプログラムや各種データを展開する。メモリ部44は各種プログラムを記憶する。CPU41、ROM42、RAM43、メモリ部44は、互いにバス45を介して接続されている。CPU41とROM42とRAM43が、制御部400を構成する。すなわち、制御部400は、CPU41がROM42やメモリ部44に記憶されRAM43に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するセルフチェックアウト装置1の制御処理を実行する。
【0029】
RAM43は、商品情報部431、会員情報部432、袋情報部433、支払情報部434を備えている。商品情報部431は、読み取ったタグ情報に記憶された商品特定情報等に基づいて商品マスタ442から取得した、商品登録処理された商品Mの商品情報(商品名、商品の価格、等)を記憶する。会員情報部432は、後述するカードリーダ70で読み取られた顧客特定情報を記憶する。袋情報部433は、後述する袋キー3a2が操作された場合に、商品Mを入れる袋の袋情報(袋の大きさや枚数を示す情報)を記憶する。支払情報部434は、選択された支払方法を示す支払情報(例えば、現金支払い、クレジットカード支払い、プリペイドカード支払い、等の情報)を記憶する。
【0030】
メモリ部44は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部441、商品マスタ442を備える。商品マスタ442は、各商品Mの商品情報を、商品を特定する商品特定情報に対応して記憶する。
【0031】
また、制御部400は、バス45およびコントローラ46を介して、操作部3a、表示部3b、印字部110、スキャナ4、ハンドスキャナ5、カードリーダ70、読取装置30と接続している。
【0032】
操作部3aは、会計キー3a1、袋キー3a2、支払選択キー3a3を有する。会計キー3a1は、セルフチェックアウト装置1において会計処理へ処理を進める際に顧客が操作するキーである。袋キー3a2は、購入した商品Mを入れる袋を購入する際に顧客が操作するキーである。袋キー3a2を操作すると、購入する袋のサイズと枚数を選択する画面が表示されるので、顧客は必要な袋のサイズを選択し、枚数を示す数値を入力する。支払選択キー3a3は、会計処理を行う手段(現金、クレジットカード、プリペイドカード、等)を選択するキーである。支払選択キー3a3が操作されると、会計処理を行うためのメディア(現金、クレジットカード、プリペイドカード、等)の選択画面が表示される。顧客は表示されたメディアから会計を行うメディアを選択して操作する。
【0033】
表示部3bは、操作する各種キーの画像、商品登録処理された商品Mの商品情報、会計処理された会計情報、等を表示する。印字部110は、商品情報、会計情報等を印字したレシートをレシート発行口19から発行する。スキャナ4およびハンドスキャナ5は、無線タグTが貼付されていない商品(例えば重い商品や物理的に無線タグTが貼付困難な商品)に付されたコードシンボルを読み取る。カードリーダ70は、カード挿入口10から挿入された各種カードの情報を、磁気的または電気的に読み取る。コントローラ46は、制御部400からの指示を受けて、操作部3a、表示部3b、印字部110、スキャナ4、ハンドスキャナ5、カードリーダ70、読取装置30を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ46が行う制御を制御部400が行うとして説明する。
【0034】
また、制御部400は、バス45を介して、通信部47と接続している。通信部47は、通信回線を介して、他のセルフチェックアウト装置1と電気的に接続している。
【0035】
図4は、読取装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、読取装置30は、CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54等を備えている。CPU51は読取装置30の制御主体となる。ROM52は各種プログラムを記憶する。RAM53はプログラムや各種データを展開する。メモリ部54は各種プログラムを記憶する。CPU51、ROM52、RAM53、メモリ部54は、互いにバス55を介して接続されている。CPU51とROM52とRAM53が、制御部500を構成する。すなわち、制御部500は、CPU51がROM52やメモリ部54に記憶されRAM53に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述する読取装置30の制御処理を実行する。
【0036】
RAM53は、タグ情報部531を備えている。タグ情報部531は、第1アンテナ22が無線タグTから読み取ったタグ情報を記憶する。
【0037】
メモリ部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDDやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラムを記憶する制御プログラム部541、閾値情報部542を備える。閾値情報部542は、自装置の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTであるか、自装置以外の装置の商品載置台6以外に位置する商品Mに付された無線タグTであるか、を識別するための、タグ情報の位相の変化量の閾値を記憶する。読み取ったタグ情報の位相の変化量が閾値情報部542に記憶された位相の変化量より大きい場合、制御部500は、当該タグ情報の無線タグTが自装置の商品載置台6に載置された商品Mに付された無線タグTであると判断する。読み取ったタグ情報の位相の変化量が閾値情報部542に記憶された位相の変化量より小さい場合、制御部500は、当該タグ情報の無線タグTが自装置の商品載置台6以外の位置に位置する商品Mに付された無線タグTであると判断する。
【0038】
また、制御部500は、バス55およびコントローラ56を介して、第1アンテナ22、第2アンテナ23、ステッピングモータ12、ポジションセンサ58、ポジションセンサ59と接続している。
【0039】
また、制御部500は、バス55を介して、通信部60と接続している。通信部60は、通信回線を介して、コントローラ46と電気的に接続している。
【0040】
ここからは、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の機能構成について説明する。図5は、セルフチェックアウト装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部400は、ROM42やメモリ部44の制御プログラム部441に記憶された制御プログラムに従うことで、第1処理手段401、第2処理手段402として機能する。
【0041】
第1処理手段401は、トリガ信号を受信すると、第1アンテナ22を移動させるとともに、読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う。具体的には、第1処理手段401は、トリガ信号を受信すると、読取装置30に第1アンテナ22を搭載した移動ステージ20を最右方位置20aと最左方位置20bとの間で移動させるとともに、第1アンテナ22が読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う。第1処理手段401は、第1アンテナ22が読み取ったタグ情報のうち、位相の変化量が閾値情報部542に記憶された閾値より大きいタグ情報の無線タグTが貼付された商品Mについて商品登録処理を行う。
【0042】
第1処理手段401は、第2アンテナ23がタグ情報を受信したことを示す情報をトリガ信号として、第1アンテナ22を移動させるとともに、読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う。商品Mが自装置の商品載置台6に載置されると、第2アンテナ23はタグ情報を読み取るため、第1処理手段401は、第2アンテナ23が読み取ったタグ情報をトリガ信号として扱う。
【0043】
第2処理手段402は、第1処理手段401が行う商品登録処理と並行して操作に係る他の処理を行う。具体的には、第2処理手段402は、第1処理手段401が行う第1アンテナ22を移動させる処理および読み取った無線タグTに基づいた商品登録処理と並行して、操作に係る他の処理を行う。第1実施形態では、第1処理手段401が行う第1アンテナ22を移動させる処理および読み取った無線タグTに基づいた商品登録処理と並行して、会員カードを読み取って顧客特定情報を記憶する会員処理、入力された袋要の情報に基づいて、購入する袋のサイズと枚数を記憶する処理、選択された支払方法を記憶する処理を、操作に係る他の処理として記憶する。
【0044】
ここからは、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置1の制御について説明する。図6は、読取装置30の制御処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、読取装置30の制御部500は、第2アンテナ23が無線タグTから発信されたタグ情報を読み取ったかを判断する(S11)。タグ情報を読み取るまで待機し(S11のNo)、タグ情報を読み取ったと判断した場合には(S11のYes)、制御部500は、タグ情報を読み取ったことを示すトリガ信号を、通信部60を介してコントローラ46に送信する(S12)。
【0045】
次に制御部500は、後述のS32の処理による駆動信号を受信したかを判断する(S13)。駆動信号を受信するまで待機し(S13のNo)、駆動信号を受信したと判断した場合には(S13のYes)、第1処理手段401は、ステッピングモータ12を駆動させて移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)をホームポジション(すなわちx=0)から矢印R1方向への移動を開始する(S14)。同時に第1処理手段401は、第1アンテナ22から電波を放射して、第1アンテナ22による無線タグTから発信されたタグ情報の読取を開始する(S14)。
【0046】
次に制御部500は、第1アンテナ22がタグ情報を読み取ったかを判断する(S15)。タグ情報を読み取るまで待機し(S15のNo)、第1アンテナ22がタグ情報を読み取ったと判断した場合には(S15のYes)、制御部500は、読み取ったタグ情報をタグ情報部531に記憶する(S16)。そして制御部500は、タグ情報部531にすでに記憶当該タグ情報を記憶している場合には、当該タグ情報と記憶したタグ情報との位相の変化量を算出し、当該変化量が閾値情報部542に記憶されている閾値より大きいかを判断する(S17)。当該変化量が閾値情報部542に記憶されている閾値より大きいと判断した場合には(S17のYes)、制御部500は、記憶したタグ情報を、通信部60を介してコントローラ46に送信する(S18)。また、当該変化量が閾値情報部542に記憶されている閾値より小さいと判断した場合には(S17のNo)、制御部500は、記憶したタグ情報を、コントローラ46に送信しない(S18の処理を実行しない)。なお、当該変化量が閾値情報部542に記憶されている閾値と等しい場合は、制御部500は、当該変化量が閾値情報部542に記憶されている閾値より大きいと判断する。
【0047】
次に制御部500は、第1アンテナ22がホームポジション(x=0の位置)に移動したかを判断する(S19)。まだホームポジションに移動していないと判断した場合には(S19のNo)、制御部500は、S15に戻り、S15~S19の処理を繰り返す。一方、第1アンテナ22がホームポジションに移動したと判断した場合には(S19のYes)、第1処理手段401は、ステッピングモータ12の駆動を停止させて移動ステージ20(すなわち第1アンテナ22)の移動を終了する(S20)。同時に第1処理手段401は、第1アンテナ22から電波の放射を停止して、第1アンテナ22による無線タグTから発信されたタグ情報の読み取りを終了する(S20)。そして制御部500は、タグ情報の読み取りが終了したことを示す終了信号を、通信部60を介してコントローラ46に送信する(S21)。そして制御部500は、処理を終了する。
【0048】
ここからは、セルフチェックアウト装置1の制御について説明する。図7は、セルフチェックアウト装置1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図8は、セルフチェックアウト装置1における商品登録処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、セルフチェックアウト装置1の制御部400は、読取装置30のS12の処理によるトリガ信号を受信したかを判断する(S31)。トリガ信号を受信するまで待機し(S31のNo)、トリガ信号を受信したと判断した場合には(S31のYes)、制御部400は、読取装置30に対して駆動信号を送信する(S32)。そして制御部400は、図8に示す商品登録処理をサブルーチンとして実行する(S33)。
【0049】
図8において、制御部400は、読取装置30からS18の処理で送信されたタグ情報を受信したかを判断する(S331)。タグ情報を受信するまで待機し(S331のNo)、読取装置30からタグ情報を受信したと判断した場合には(S331のYes)、第1処理手段401は、受信したタグ情報に含まれる商品特定情報に基づいて、当該商品Mに係る商品登録処理を実行する(S332)。そして制御部400は、商品登録処理した商品Mの商品情報(当該商品Mの商品名、価格、等)を表示部3bに表示する(S333)。
【0050】
次に制御部400は、読取装置30から、S21の処理に伴う終了信号を受信したかを判断する(S334)。受信してないと判断した場合には(S334のNo)、制御部400はS331に戻り、S331~S334の判断や処理を繰り返す。すなわち、制御部400は、その後に受信したタグ情報に基づいて商品登録処理を繰り返す。一方、読取装置30から終了信号を受信したと判断した場合には(S334のYes)、制御部400は、サブルーチンとしての商品登録処理を終了する。
【0051】
図7の説明に戻る。次に制御部400は、カード挿入口10から挿入されたクレジットカードやポイントカード等からカードリーダ70が会員カードのデータを読み取ることで、顧客特定情報を含む会員情報を取得したかを判断する(S34)。会員情報を取得したと判断した場合には(S34のYes)、第2処理手段402は、取得した会員情報を会員情報部432に記憶する(S35)。なお、S35の処理において、制御部400は、記憶した会員情報を表示部3bに表示する。
【0052】
また、顧客特定情報の取得ではないと判断した場合(S34のNo)、およびS35の処理の終了後に、制御部400は、袋キー3a2が操作されたかを判断する(S36)。袋キー3a2が操作されたと判断した場合には(S36のYes)、第2処理手段402は、袋キー3a2の操作に伴い入力された袋のサイズと枚数の情報を袋情報部433に記憶する(S37)。なお、S37の処理において、制御部400は、記憶した袋のサイズと枚数の情報を表示部3bに表示する。
【0053】
また、袋キー3a2の操作ではないと判断した場合(S36のNo)、およびS37の処理の終了後に、制御部400は、支払選択キー3a3が操作されたかを判断する(S38)。支払選択キー3a3が操作されたと判断した場合には(S38のYes)、第2処理手段402は、支払選択キー3a3の操作に伴い選択された支払方法(現金での支払い、クレジットカードでの支払い、プリペイドカードでの支払い、等の情報)の情報を支払情報部434に記憶する(S39)。なお、S39の処理において、制御部400は、記憶した支払情報を表示部3bに表示する。
【0054】
S39の処理の後、および支払選択キー3a3の操作ではないと判断した場合には(S38のNo)、制御部400は、読取装置30から、S21の処理に伴う終了信号を受信したかを判断する(S40)。受信してないと判断した場合には(S40のNo)、制御部400はS34に戻り、S34~S40の判断や処理を繰り返す。
【0055】
一方、読取装置30から終了信号を受信したと判断した場合には(S40のYes)、制御部400は、会計キー3a1が操作されたかを判断する(S41)。会計キー3a1が操作されるまで待機し(S41のNo)、会計キー3a1が操作されたと判断した場合には(S41のYes)、制御部400は、商品情報部431に記憶されている商品情報に基づいて会計処理を実行する(S42)。そして制御部400は当該顧客への処理を終了する。
【0056】
このような第1実施形態のセルフチェックアウト装置1は、図9に示すように、商品登録処理と、セルフチェックアウト装置1の操作に係る処理とを並列的に行う。すなわち、商品Mまたは商品Mが収納されたカゴを商品載置台6に載置する(図9の(1)の処理)と、セルフチェックアウト装置1は、商品Mに付された無線タグTが発信するタグ情報を第2アンテナ23が受信する。すると第1アンテナ22が読み取ったタグ情報に基づいて商品登録処理を開始する(図9の(2)の処理)。そして、セルフチェックアウト装置1は、商品登録処理中であっても、カード挿入口10にカード(クレジットカード、ポイントカード、会員カード、等)が挿入された場合には、当該カードから顧客特定情報を読み取って記憶する会員処理を行う(図9の(3)の処理)。また、セルフチェックアウト装置1は、商品登録処理中であっても、袋キー3a2が操作された場合には、入力された袋のサイズと枚数の情報に基づいて、購入する袋のサイズと枚数を記憶する処理を行う(図9の(4)の処理)。また、セルフチェックアウト装置1は、商品登録処理中であっても、支払選択キー3a3が操作された場合には、選択された支払方法を記憶する処理を行う(図9の(5)の処理)。すなわち、(3)の処理、(4)の処理および(5)の処理を、(2)の処理と並列的に行う。なお、(2)の処理と並列的に行う処理は、(3)の処理、(4)の処理、(5)の処理のうちの少なくとも一つであればよい。その後に、セルフチェックアウト装置1は、支払処理を行う(図9の(6)の処理)。
【0057】
このように、第1実施形態のセルフチェックアウト装置1は、所定距離内を移動可能であり、商品Mに付された無線タグTからタグ情報を読み取る第1アンテナ22と、第2アンテナ23がタグ情報を読み取ったことによるトリガ信号を受信すると、第1アンテナ22を移動させるとともに、読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う第1処理手段401と、第1処理手段401と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段402と、を備える。
【0058】
このような第1実施形態のセルフチェックアウト装置1は、商品Mまたは商品Mが収納されたカゴが商品載置台6に載置されると、第2アンテナ23がタグ情報を読み取った情報をトリガ信号として、(2)商品登録処理と、(3)の処理および(4)の処理および(5)の処理のうちの少なくとも一つの処理と、を並列的に行う。そのため、顧客一人に要するレジ処理の時間を短くすることが可能となる。
【0059】
(第2実施形態)
ここからは、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成については同一の参照符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0060】
第2実施形態は、図2における第2アンテナ23を有しない。また、図10に示すように、操作部3aは開始キー3a4を備える。開始キー3a4は、セルフチェックアウト装置1での操作を開始する際に顧客が操作する。開始キー3a4が操作されると、開始キー3a4が操作されことを示すトリガ信号が発生する。また、図11に示すように、読取装置30の制御部500は、図6に示したS11の処理とS12の処理を実行しない。また、図12に示すように、セルフチェックアウト装置1の制御部400は、S51の処理として開始キー3a4が操作されたかを判断する(S51)。操作されるまで待機し(S51のNo)、開始キー3a4が操作されたと判断した場合(すなわち、トリガ信号を受信したと判断した場合)には(S51のYes)、制御部400は、読取装置30に対して駆動信号を送信する(S32)。
【0061】
このように、第2実施形態のセルフチェックアウト装置1は、所定距離内を移動可能であり、商品Mに付された無線タグTからタグ情報を読み取る第1アンテナ22と、開始キー3a4が操作されたことによるトリガ信号を受信すると、第1アンテナ22を移動させるとともに、読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う第1処理手段401と、第1処理手段401と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段402と、を備える。
【0062】
このような第2実施形態のセルフチェックアウト装置1は、開始キー3a4が操作されると、制御部400は、図9に示す(2)商品登録処理と、(3)の処理および(4)の処理および(5)の処理のうちの少なくとも一つの処理と、を並列的に行う。そのため、顧客一人に要するレジ処理の時間を短くすることが可能となる。
【0063】
(第3実施形態)
ここからは、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、第1実施形態と同じ構成については同一の参照符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0064】
第3実施形態は、図2における第2アンテナ23を有しない。また、図13および図14に示すように、重量センサ31を備える。重量センサ31は、商品載置台6に載置された商品Mの重量を検知する。また、重量センサ31は、商品載置台6に商品Mまたは商品Mが収納されたカゴの重量を検知して、商品載置台6に商品Mまたは商品Mが収納されたカゴが載置されたことを示すトリガ信号を出力する。また、第3実施形態において、読取装置30は、第2実施形態と同様に図11の処理を実行する。また、セルフチェックアウト装置1の制御部400は、図15に示すように、S53の処理として、商品載置台6に商品Mまたは商品Mが収納され重量センサ31が重量を検知したことを示す信号を受信したかを判断する(S53)。受信するまで待機し(S53のNo)、重量センサ31が重量を検知したことを示す信号を受信したと判断した場合(すなわち、トリガ信号を受信したと判断した場合)には(S53のYes)、制御部400は、読取装置30に対して駆動信号を送信する(S32)。
【0065】
このように、第3実施形態のセルフチェックアウト装置1は、所定距離内を移動可能であり、商品Mに付された無線タグTからタグ情報を読み取る第1アンテナ22と、重量センサ31が重量を検知したことによるトリガ信号を受信すると、第1アンテナ22を移動させるとともに、読み取ったタグ情報に基づいて当該商品Mの商品登録処理を行う第1処理手段401と、第1処理手段401と並行して操作に係る他の処理を行う第2処理手段402と、を備える。
【0066】
このような第3実施形態のセルフチェックアウト装置1は、商品Mまたは商品Mが収納されたカゴの重量を重量センサ31が検知したトリガ信号を受信すると、制御部400は、図9に示す(2)商品登録処理と、(3)の処理および(4)の処理および(5)の処理のうちの少なくとも一つの処理を並列的に行う。そのため、顧客一人に要するレジ処理の時間を短くすることが可能となる。
【0067】
なお、第3実施形態の変形例として、重量センサ31の代わりに、例えば光学センサを設け、光学センサが、商品載置台6に商品Mまたは商品Mが収納されたカゴが載置されたことを検知して、トリガ信号を出力するようにしてもよい。この場合、制御部400は、S53の判断において、光学センサから商品Mやカゴを検知したことにより出力されるトリガ信号を受信したかを判断する。
【0068】
また、第3実施形態の別の変形例として、重量センサ31や光学センサの代わりに、商品載置台6を上方から撮像するカメラを備え、当該カメラが商品載置台6に商品Mまたは商品Mが収納されたカゴが載置されことを撮像した場合にトリガ信号を出力するようにしてもよい。この場合、制御部400は、S53の判断において、カメラが商品Mやカゴを撮像したことにより出力されるトリガ信号を受信したかを判断する。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0070】
例えば、第1実施形態では、第2アンテナ23がタグ情報を読み取った場合にトリガ信号を出力するようにした。しかしながらこれに限らず、第2アンテナ23の代わりに第1アンテナ22がタグ情報を読み取った場合にトリガ信号を出力するようにしてもよい。この場合、第2アンテナ23は不要となる。
【0071】
また、各実施形態では、S35の処理、S37の処理、S39の処理、S333の処理において、それぞれ表示を行うようにした。しかしながらこれに限らず、例えば、S35の処理、S37の処理、S39の処理、S333の処理の際には表示を行わず、S41においてYesの判断がされた場合に、S42の処理の前にS35の処理、S37の処理、S39の処理、S333の処理における表示を一括して行うようにしてもよい。この場合、会計処理を行う前に、操作の状態(例えば袋の有無やサイズ、枚数)を確認することができる。
【0072】
また、各第1実施形態では、セルフチェックアウト装置1をチェックアウト装置の一例として説明した。しかしながらこれに限らず、チェックアウト装置は、店員が操作を行う通常のPOS端末であってもよい。
【0073】
また、各実施形態では、第1アンテナ22をx=0の位置とx=Wの位置との間で往復動をするようにした。しかしながらこれに限らず、第1アンテナ22を、例えばx=0の位置からx=Wの位置まで、またはx=Wの位置からx=0の位置まで移動するようにしてもよい。
【0074】
また、各実施形態では、第2処理手段が行う操作に係る他の処理として、会員カードを読み取って顧客特定情報を記憶する会員処理、入力された袋要の情報に基づいて、購入する袋のサイズと枚数を記憶する処理、選択された支払方法を記憶する処理を行うようにした。しかしながらこれらの処理は操作に係る他の処理の一例であり、操作に係る他の処理であればこれらの処理以外の処理であってもよい。
【0075】
また、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の変形例の場合、商品載置台6に商品または商品Mが収納されたカゴを載置するようにした。しかしながらこれに限らず、商品載置台6を設けず、商品載置台6の位置に商品が収納されたショッピングカートを位置させるようにしてもよい。この場合、読取装置30はショッピングカートに収納された商品に付された無線タグが発信するタグ情報を読み取れる位置(例えば、位置しているショッピングカートに隣接した位置)に設ける。
【0076】
なお、各実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0077】
また、各実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、各実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0078】
また、各実施形態のセルフチェックアウト装置1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 セルフチェックアウト装置
3a 操作部
3b 表示部
6 商品載置台
6a 上面
10 カード挿入口
19 レシート発行口
20 移動ステージ
22 第1アンテナ
23 第2アンテナ
30 読取装置
31 重量センサ
3a1 会計キー
3a2 袋キー
3a3 支払選択キー
3a4 開始キー
58 ポジションセンサ
59 ポジションセンサ
70 カードリーダ
400 制御部
401 第1処理手段
402 第2処理手段
431 商品情報部
432 会員情報部
433 袋情報部
434 支払情報部
441 制御プログラム部
442 商品マスタ
500 制御部
531 タグ情報部
541 制御プログラム部
542 閾値情報部
M 商品
T 無線タグ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2016-053802号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15