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特開2023-13066在室人数推定装置、在室人数推定方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013066
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】在室人数推定装置、在室人数推定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/12 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
G01V8/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116978
(22)【出願日】2021-07-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】397065480
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】木崎 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】北山 秀安
(72)【発明者】
【氏名】長森 藤江
(72)【発明者】
【氏名】中里 英則
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105EE02
2G105GG01
2G105HH01
(57)【要約】
【課題】在室人数を高い精度で把握すること。
【解決手段】本発明の一態様は、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、前記第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部と、を備える、在室人数推定装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、
室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、
前記第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部と、
を備える、在室人数推定装置。
【請求項2】
前記第1のセンサの検知結果を補正する補正部を備える、
請求項1に記載の在室人数推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記第1のセンサにより検知された人のうち検知位置が前記出入口の境界と重複した人の数を計数する、請求項1または2に記載の在室人数推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、
前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、
請求項1または2に記載の在室人数推定装置。
【請求項5】
退出する人を検知する第3のセンサを備え、
前記推定部は、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正された在室人数を、前記第3のセンサの検知結果に基づく退室の可能性により減算する、
請求項1から4の何れか1項に記載の在室人数推定装置。
【請求項6】
出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のステップと、
室内に人が存在することを検知する第2のステップと、
前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、
を含む、在室人数推定方法。
【請求項7】
コンピュータに、
出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のステップと、
室内に人が存在することを検知する第2のステップと、
前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在室人数推定装置、在室人数推定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生活者プライバシーを守りながら見守りをしたり、生活者の状況に合わせて機器を制御するために、カメラを使わずに生活者の位置を検出する技術が知られている。生活者の位置を検出するとしては、例えば特許文献1や特許文献2に記載された技術がある。
【0003】
特許文献1には、在室人数を推定するために、CO2センサで測定された対象部屋のCO2濃度データを蓄積し、CO2濃度の傾きと在室人数の相関関係を表す情報を統計的に算出する。そして、特許文献1の技術では、CO2濃度の傾きに基づいて在室人数を推定する。例えば、特許文献1の技術は、最新のCO2濃度と前回のCO2濃度との傾きが負である場合には対象部屋の在室人数が減少していると推定する。
【0004】
特許文献2には、低コストの人体検知センサを使用して在室人数を推定する。特許文献2の技術は、複数のエリアに設けられる複数の人体検知センサの反応有無と隣接エリアの最大人数又は最小人数との関係により、移動・合流計算、分離計算、生成計算、消滅計算のいずれかを実行して在室人数を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-166709号公報
【特許文献2】特許第5002733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ある程度の時間に亘って安定的に人が在室し、かつ閉鎖された空間においてしか在室人数を正確に推定することができない可能性が高い。すなわち、特許文献1に記載された技術では、住宅等の窓やドアの開閉を頻繁に行っていたり、開放している場合には、在室人数を正しく推定できない。さらに、特許文献1に記載された技術は、CO2濃度の傾きと在室人数の相関関係を表す情報を統計的に算出し、且つCO2濃度の傾きと人数の相関関係に幅を持たせているので、高い精度で在室人数の推定をすることが困難である場合がある。さらに、特許文献1に記載された技術は、特定の部屋で利用する場合でも、高い精度で在室人数の推定を行うためには十分なデータ量を集める必要があり、センサ等のシステムを設置した直後に高い精度で在室人数の推定をすることが困難である。さらに、部屋のCO2濃度の変化は生活者の呼吸により変化するが、人の呼吸は体格、年齢、男女で個人差があるため、在室人数の推定精度に個人差が発生する場合がある。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術は、複数の室内にセンサを設置することが前提であり、対象となる部屋の在室か否かを確認する場合でも周辺の部屋にセンサを設置する必要があるため、コストが高くなるという問題がある。例えば、大きな部屋の場合にはセンサが反応する範囲にヒトが存在しない場合があり、また、複数のセンサにより部屋全体をカバーすることができないため、センサ数を少なくすることができない。また、特許文献2の技術は、複数の部屋の間の関係を接続情報として用意し、センサの反応の未検知時間が消滅時間を超えた場合には接続情報に基づいて移動先に移動したと判断している。しかし、この技術では、部屋間の接続情報を予め設定する必要があるため、汎用性に乏しいという問題がある。さらに、特許文献2の技術では、複数の人が同時に存在する場合、センサ反応の未検知時間は、場所や利用者によって異なるため、予め設定した消滅時間に基づいて利用者の移動を判定すると在室人数の推定精度が低下する可能性がある。例えば、洗面所に存在する時間は一般的に女性のほうが長いなど、センサの未検知時間は利用者によって異なる。さらに、人の動きがない場合にはセンサが反応しなくなる場合があり、センサの未検知状態が、実際に人がいないことに起因しているのか、人が動いていないことに起因しているかの判断できない場面もある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、対象者のプライバシーを守りながら在室人数を高い精度で把握することができる在室人数推定装置、在室人数推定方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の一態様は、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、前記第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部と、を備える、在室人数推定装置である。
【0010】
(2)本発明の一態様は、上記の在室人数装置であって、前記第1のセンサの検知結果を補正する補正部を備えてよい。
【0011】
(3)本発明の一態様は、上記の在室人数推定装置であって、前記推定部は、前記第1のセンサにより検知された人のうち検知位置が前記出入口の境界と重複した人の数を計数してよい。
【0012】
(4)本発明の一態様は、上記の在室人数装置であって、前記推定部は、前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消してよい。
【0013】
(5)本発明の一態様は、上記の在室人数推定装置であって、退出する人を検知する第3のセンサを備え、前記推定部は、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正された在室人数を、前記第3のセンサの検知結果に基づく退室の可能性により減算してよい。
【0014】
(6)本発明の一態様は、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のステップと、室内に人が存在することを検知する第2のステップと、前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を含む在室人数推定方法である。
【0015】
(7)本発明の一態様は、コンピュータに、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のステップと、室内に人が存在することを検知する第2のステップと、前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、対象者のプライバシーを守りながら在室人数を高い精度で把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の在室人数推定システム1における赤外線センサの配置例を示す図である。
図2】部屋の他の構成を示す図である。
図3】実施形態の在室人数推定システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態の在室人数推定システムにおける在室人数を推定する処理の一例を示すフローチャートである。
図5】センサ情報を説明する図であり、(A)センサ情報の一例を示し、(B)は検知位置情報の一例を示し、(C)は赤外線画像の一例を示す。
図6】センサ情報を補正する処理を説明する図であり、(A)は補正後のセンサ情報の時間変化、(B)はAIによる検知人数および検知位置の時間変化、(C)は赤外線画像の時間変化を示す。
図7】補正後のセンサ情報の一例を示す図である。
図8】センサ情報を補正する他の処理を説明する図である。
図9】センサ情報を補正する他の処理を示すフローチャートである。
図10】時刻tにおけるセンサ情報を補正する処理の一例を示す図である。
図11】入室イベントの判定処理の一例を示す図である。
図12】入退室イベントを判定するときにおけるセンサ情報のフィルタ処理を示す図であり、(A)、(B)は出入口を正面から見たときの赤外線画像の一例を示す。
図13】在室人数の推定処理の一例を示す図である。
図14】室内赤外線センサの配置の一例を示す図であり、図15は、室内イベントに基づく在室人数の補正の一例を示す図である。
図15】室内イベントに基づく在室人数の補正の一例を示す図である。
図16】在室推定人数を算出する処理の一例を示す図である。
図17】入室イベントの取消処理の一例を説明するための図である。
図18】(A)は退室しない在室者が出入口に近づいたときの図であり、図18(B)は退室する在室者が出入口に近づいたときの図である。
図19】(A)は退室用赤外線センサの配置例を示す図であり、(B)は退室用赤外線センサにより撮像された赤外線画像の一例を示す図である。
図20】減算補正の一例を示すフローチャートである。
図21】在室推定人数を算出する処理の一例を示す図である。
図22】減算補正の一例を示すフローチャートである。
図23】減算補正の一例を示す図である。
図24】実施形態の効果を説明するための図である。
図25】実施形態の在室人数推定システムの第1変形例を示す図である。
図26】実施形態の在室人数推定システムの第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用した在室人数推定装置、在室人数推定方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0019】
<実施形態の概要>
実施形態の在室人数推定システム1は、例えば住宅内の部屋について対象者の在室人数を推定する。在室人数推定システム1は、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部在室人数を推定する推定部とを備える。在室人数推定システム1は、例えば、推定した在室人数に関する情報を見守り情報として外部装置に出力したり、推定した在室人数に関する情報に基づいて住宅内の各種機器を制御することができる。実施形態の在室人数推定システム1は、例えば入退室イベントの判定を誤った場合や、推定した在室人数が誤っている場合に補正することで、対象者のプライバシーを守りながら在室人数の推定精度を高くすることができる。以下、実施形態において詳細に説明する。
【0020】
[在室人数推定システム1の構成]
図1は、実施形態の在室人数推定システム1における赤外線センサの配置例を示す図である。在室人数推定システム1は、例えば住宅の部屋の在室人数を推定する。在室人数推定システム1は、例えば、部屋の出入口の外側に配置された外側赤外線センサ10と、部屋の出入口の内側に配置された内側赤外線センサ12と、部屋の室内に配置された室内赤外線センサ14と、出入口の室内側付近に配置された退室用赤外線センサ16とを備える。外側赤外線センサ10は、室外から出入口を通過する人を撮像するよう撮像範囲が設定される。内側赤外線センサ12は、室内から出入口を通過する人を撮像するよう撮像範囲が設定される。室内赤外線センサ14は、部屋にいる人を撮像するよう撮像範囲が設定される。退室用赤外線センサ16は室内から退室しようとする人を撮像するよう撮像範囲が設定される。なお、実施形態の在室人数推定システム1は、一つの部屋に赤外線カメラ10~16を備える一例を説明するが、住宅の複数の部屋のそれぞれに赤外線カメラ10~16のセットが備えられてよい。実施形態においては、外側赤外線センサ10、内側赤外線センサ12、室内赤外線センサ14、および退室用赤外線センサ16として一つの赤外線センサを記載したが、これに限定されず、複数個の赤外線センサを配置してよい。なお、在室人数推定システム1は、退室用赤外線センサ16を備えるが、在室人数推定システム1に必須の構成でなくてよい。
【0021】
図2は、部屋の他の構成を示す図である。例えば部屋に2つの出入口A,Bがある場合、出入口Aに対応した外側赤外線センサ10Aおよび内側赤外線センサ12Aを備え、出入口Bに対応した外側赤外線センサ10Bおよび内側赤外線センサ12Bを備えてよい。さらに、出入口A,Bそれぞれに対応した2つの退室用赤外線センサ(不図示)を備えてよい。
【0022】
実施形態において、赤外線センサ10~16は、サーモグラフィ画像を撮像するが、これに限定されず、少なくとも対象者の形を含む画像を取得することができるものであればよい。例えば、在室人数推定システム1は、赤外線センサに代えて、ミリ波センサやToFセンサ等の非可視光を発してヒトから反射した波に基づいて画像を取得するセンサや、ヒトから発する波を捕らえて画像を取得するセンサを備えればよい。また、在室人数推定システム1は、利用者の明瞭な画像が保存されないことを考慮し、RGB画像の輪郭(エッジ、境界線)をぼかした画像や、複数の画素で平均した画素値を、当該複数の画素の画素値に変換した画像を取得してもよい。
【0023】
図3は、実施形態の在室人数推定システムの構成の一例を示すブロック図である。在室人数推定システム1は、赤外線センサ10~16と、在室人数推定装置100と、外部装置200とを備える。赤外線センサ10~16および在室人数推定装置100は、例えば、住宅内の通信ネットワークに接続され、在室人数推定装置100と外部装置200とは、例えばインターネット等の通信ネットワークNWを介して接続される。赤外線センサ10~16および在室人数推定装置100は、NIC(Network Interface Card)をはじめとする有線通信モジュールや無線通信モジュールなどの通信インターフェースを備えている(図3では不図示)。通信ネットワークは、例えば、Wifi(登録商標)であるが、これに限らず、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、セルラー網、USB、Bluetooth(登録商標)などを含んでよい。赤外線センサ10~16により撮像された画像を示す信号は、在室人数推定装置100に送信される。なお、在室人数推定システム1において、住宅内の通信ネットワークには、在室人数を推定した結果に基づく情報を表示する表示装置や、在室人数を推定した結果に基づいて制御される制御対象装置が接続されていてよい。
【0024】
在室人数推定装置100は、例えば、画像取得部110、人検知部120、情報蓄積部130、在室推定部140、出力部150、および検知結果記憶部160を備える情報処理装置である。画像取得部110、人検知部120、情報蓄積部130、在室推定部140、および出力部150といった機能部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現してよい。検知結果記憶部160は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現してよい。
【0025】
画像取得部110は、例えば赤外線センサ10~16から出力された信号を入力し、ディジタル信号の赤外線画像(サーモグラフィ画像とも呼ばれる)に変換する通信インターフェース回路である。赤外線センサが画像取得部の機能を備えていてもよい。なお、画像取得部110は、赤外線センサ10~16を定期的または所定の時刻に起動させ、各赤外線センサ10~16から赤外線画像を取得してよい。また、画像取得部110は、赤外線画像と共にセンサID情報や撮像時刻情報を取得してよい。
【0026】
人検知部120は、画像取得部110により取得された赤外線画像に対して所定の画像処理を施し、赤外線画像に含まれる人を検知する。人検知部120は、例えばCNNなどの認識エンジンで構成してもよい。認識エンジンは、例えば、赤外線画像を入力したことに応じて、人物が存在する領域を出力する。情報蓄積部130は、人検知部120により検出された人物が存在する領域情報等を含むセンサ情報を検知結果記憶部160に蓄積する。在室推定部140は、検知結果記憶部160に記憶されたセンサ情報を用いて在室人数を推定する。出力部150は、例えば外部装置200からの問い合わせに応じて在室推定部140により推定された在室人数などの情報を回答する。
【0027】
[在室人数推定処理]
図4は、実施形態の在室人数推定システムにおける在室人数を推定する処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示した処理は、在室人数推定システム1の起動中において繰り返して実行される。先ず在室人数推定装置100は、赤外線センサ10~16から受信した赤外線画像に基づいて人を検知する処理を行うことでセンサ情報を取得する(ステップS100)。センサ情報は、例えば、赤外線センサ10~16のそれぞれについて取得する。
【0028】
図5はセンサ情報を説明する図であり、(A)センサ情報の一例を示し、(B)は検知位置情報の一例を示し、(C)は赤外線画像の一例を示す。センサ情報は、例えば、赤外線センサIDと、撮像時刻と、検知人数と、検知位置とを含む。検知位置情報は、例えば、赤外線画像におけるバウディングボックス(BBox)の左上x座標、左上y座標、右下x座標、および右下y座標を含む。BBoxは、赤外線画像内で検知された人を囲む矩形領域である。
【0029】
次に在室人数推定装置100は、センサ情報を補正する(ステップS102)。在室人数推定装置100は、例えば、連続するセンサ情報の一部が他のセンサ情報と異なる場合、当該一部のセンサ情報を、他のセンサ情報に補正する。次に在室人数推定装置100は、補正したセンサ情報を、検知結果記憶部160に蓄積する(ステップS104)。
【0030】
次に在室人数推定装置100は、補正したセンサ情報に基づいて、入退室イベントが発生したか否か(ステップS106)、室内イベントが発生したか否か(ステップS108)、および退室可能性が発生したか否か(ステップS110)、を判定する。
【0031】
在室人数推定装置100は、入室イベントが発生したと判定した場合(ステップS106)、入室イベントの補正処理(ステップS112)を行って、ステップS120に処理を進める。在室人数推定装置100は、退出イベントが発生したと判定した場合(ステップS106)、ステップS120に処理を進める。
【0032】
在室人数推定装置100は、室内イベントが発生したと判定した場合(ステップS108:YES)、在室人数を室内人数で補正し(ステップS114)、ステップS120に処理を進める。在室人数推定装置100は、室内イベントが発生していないと判定した場合(ステップS108:NO)、ステップS120に処理を進める。
【0033】
在室人数推定装置100は、退室可能性が発生したと判定した場合(ステップS110:YES)、退室補正人数を算出し(ステップS116)、減算補正を行って(ステップS118)、ステップS120に処理を進める。在室人数推定装置100は、退室可能性が発生していないと判定した場合(ステップS110:NO)、ステップS120に処理を進める。
【0034】
[センサ情報の補正処理(ステップS102)]
図6は、センサ情報を補正する処理を説明する図であり、(A)は補正後のセンサ情報の時間変化、(B)はAIによる検知人数および検知位置の時間変化、(C)は赤外線画像の時間変化を示す。在室人数推定装置100は、例えば図6(B)に示すように、時刻t1における検知人数が「1」、時刻t2における検出人数が「0」、時刻t3における検出人数が「1」、時刻t4における検出人数が「1」という検知結果を取得した場合、時刻t2における検知人数を「0」から「1」に補正する。さらに、在室人数推定装置100は、時刻t2における検知位置を、例えば時刻t1における検知位置と時刻t3における検知位置との中間値に補正する。
【0035】
図7は、補正後のセンサ情報の一例を示す図である。在室人数推定装置100は、補正したセンサ情報に、補正後の検知人数および補正後の検知位置を追加してよい。これにより、補正されたセンサ情報には、補正前の検知人数および検知位置と、補正後の検知人数および検知位置とが含まれる。
【0036】
図8は、センサ情報を補正する他の処理を説明する図であり、図9は、センサ情報を補正する他の処理を示すフローチャートである。
例えば、時刻tから時刻t+nまででn個のセンサ情報(時刻t+1,・・・,t+n)において人が検知されている場合、時刻tのセンサ情報を以下のように補正する。なお、在室人数推定装置100は、時刻t-1までのセンサ情報を補正した後、時刻tのセンサ情報に着目して補正を行う。なお、この補正をnフレームによるセンサ情報補正という。
【0037】
在室人数推定装置100は、時刻t-1における補正検知人数が0である場合、または時刻t-1における補正検知人数が時刻tにおける検知人数以下である場合(時刻t-1からtへの検知人数が増加した場合)(ステップS200:YES)、時刻tの検知人数および検知位置を時刻tの補正検知人数および補正検知位置とする(ステップS202)。
【0038】
在室人数推定装置100は、時刻t-1における補正検知人数が時刻tにおける検知人数により多い場合(時刻t-1からtへの検知人数が減少した場合)において(ステップS200:NO)、時刻t-1における補正検知人数が最大値以下である場合(ステップS204:YES)、時刻t-1の補正検知人数を時刻tの補正検知人数として決定する(ステップS206)。最大値は、例えば時刻tからt+nのうちで最も多い検知人数である。nは任意の整数である。この場合、在室人数推定装置100は、時刻t-1の補正検知位置を時刻tの補正検知位置に決定する(ステップS208)。
【0039】
在室人数推定装置100は、時刻t-1における補正検知人数が時刻tにおける検知人数により多い場合(t-1からtへの検知人数が減少した場合)において(ステップS200:NO)、時刻t-1における補正検知人数が最大値よりも多い場合(ステップS204:NO)、最大値を時刻tの補正検知人数として決定する(ステップS210)。この場合、在室人数推定装置100は、時刻t+pの補正検知位置を、時刻tの補正検知位置を、時刻t+pの検知位置に決定する(ステップS212)。pは0~nのうち、時刻tの補正検知人数に採用した検知人数が検知された時刻の最小値とする。
【0040】
これにより、例えば図8の時刻tにおいて人が検知されていなくても、時刻t-1の補正検知人数および補正検知位置を、時刻tの補正検知人数および補正検知位置にすることができる(ステップS206,ステップS208)。
【0041】
図10は、時刻tにおけるセンサ情報を補正する処理の一例を示す図である。
図10(A)に示すように、時刻t-1および時刻tの双方において赤外線画像に一人が含まれているものの、時刻t-1および時刻tにおいて未検知であったとする。この場合、在室人数推定装置100は、時刻t-1において未検知であるので、時刻tにおける検知位置を補正しない。
図10(B)に示すように、時刻t-1において検知人数が一人である場合において、時刻tにおいて未検知であったものとする。この場合、在室人数推定装置100は、時刻tにおける検知人数を「1」に補正し、時刻tにおける検知位置を時刻t-1に対応した位置にする。すなわち在室人数推定装置100は、時刻tにおける赤外線画像に2人が含まれていても、時刻t-1における検知人数の「1」以上には補正しない。
図10(C)に示すように、時刻t-2で一人、時刻t-1で二人を検知し、時刻tおよびt+1において未検知であるが、時刻t+2で一人を検知したものとする。この場合、在室人数推定装置100は、時刻tの検知人数および検知位置を、時刻t+2における検知人数および検知位置に補正する。
図10(D)に示すように、時刻t-2で一人、時刻t-1で二人を検知し、時刻tにおいて二人のうちの一人を検知したものとする。この場合、在室人数推定装置100は、時刻tの検知人数および検知位置を、時刻t-1における検知人数および検知位置に補正する。すなわち、在室人数推定装置100は、時刻tにおける検知人数および検知位置に代えて、時刻t-1の検知人数および検知位置を時刻tの補正検知人数および補正検知位置にする。
【0042】
[入室イベントの判定処理]
図11は、入室イベントの判定処理の一例を示す図である。
在室人数推定装置100は、外側赤外線センサ10による補正検知人数が1以上となってから0になるまでの間に、内側赤外線センサ12による補正検知人数が1以上になった場合、入室イベントが発生したと判定する。例えば、図11(A)に示すように、外側赤外線センサ10により部屋外側に2人が検知されている期間(t1~t3)に、内側赤外線センサ12により部屋内側に人が検知された期間(t2~t4)の開始タイミング(t2)で、在室人数推定装置100は、入室イベントが発生したと判定する。例えば、図11(B)に示すように、外側赤外線センサ10により部屋外側に2人が検知されている期間(t1~t4)に、内側赤外線センサ12により部屋内側に人が検知された期間(t2~t3)の開始タイミング(t2)で、在室人数推定装置100は、入室イベントが発生したと判定する。在室人数推定装置100は、図11(C)に示すように、外側赤外線センサ10による補正検知人数の検知期間(t1~t5)において、2回の期間(t2~t3およびt4~t6)において内側赤外線センサ12により人が検知された場合、2回の入室イベントが発生したと判定する。在室人数推定装置100は、図11(D)に示すように、外側赤外線センサ10による補正検知人数の検知期間(t1~t6)において、2回の期間(t2~t3およびt4~t5)において内側赤外線センサ12により人が検知された場合、2回の入室イベントが発生したと判定する。在室人数推定装置100は、入室イベントが発生したと判定した時の外側赤外線センサ10による補正検知人数と内側赤外線センサ12により補正検知人数とのうち少ない方の人数を、入室イベントにおける入室人数として決定する。
【0043】
在室人数推定装置100は、上述した入室イベントにおける内側と外側とを逆に判定することで、退出イベントの発生を判定する。すなわち、在室人数推定装置100は、内側赤外線センサ12による補正検知人数が1以上となってから0になるまでの間に、外側赤外線センサ10による補正検知人数が1以上になった場合、入室イベントが発生したと判定する。例えば、図11(A)の内側と外側を逆にし、内側赤外線センサ12により部屋外側に2人が検知されている期間(t1~t3)に、外側赤外線センサ10により部屋内側に人が検知された期間(t2~t4)の開始タイミング(t2)で、在室人数推定装置100は、退室イベントが発生したと判定する。在室人数推定装置100は、退室イベントが発生したと判定した時の内側赤外線センサ12による補正検知人数と外側赤外線センサ10により補正検知人数とのうち多い方の人数を、退室イベントにおける退室人数として決定する。
【0044】
[センサ情報のフィルタ処理]
図12は、入退室イベントを判定するときにおけるセンサ情報のフィルタ処理を示す図である。図12(A)および(B)のいずれも室内から出入口を見たときの赤外線画像の一例である。(A)はいずれの人も出入口より遠い位置で検出された様子を示し、(B)はいずれの人も出入口に近い位置で検出された様子を示す。在室人数推定装置100は、入退室イベントを判定するときにセンサ情報をフィルタリングしてよい。在室人数推定装置100は、例えば、入退室の可能性が低い人に関するセンサ情報を除外するようフィルタリングを行う。
【0045】
在室人数推定装置100は、入退室イベントを判定する場合において、外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12により検知したセンサ情報に含まれる検知位置のうち、検知の矩形が出入口下端に交わるものを抽出する。在室人数推定装置100は、抽出した検知位置を持つセンサ情報を用いて入退室イベントの判定を行う。在室人数推定装置100は、内側赤外線センサ12により図12(A)および(B)に示すような赤外線画像を取得した場合、A~Dの検知位置のうちC、およびDに対応した検知位置を抽出する。これにより在室人数推定装置100は、外側から出入口に向かった可能性が高い人を対象として入室イベントを判定する。なお、図12は、内側赤外線センサ12により撮像した赤外線画像を用いて説明したが、外側赤外線センサ10についても同様に処理を行ってよい。
【0046】
在室人数推定装置100は、入室イベントを判定する場合において、外側赤外線センサ10により検知したセンサ情報に含まれる検知位置のうち、検知位置の上端が出入口下端よりも高いものを抽出してよい。在室人数推定装置100は、抽出した検知位置を持つセンサ情報を用いて入室イベントの判定を行う。これにより在室人数推定装置100は、外側から出入口に向かった可能性が高い人を対象として入室イベントを判定する。
【0047】
在室人数推定装置100は、入室イベントを判定する場合において、内側赤外線センサ12により検知したセンサ情報に含まれる検知位置のうち、検知位置の下端が出入口下端よりも低いものを抽出してよい。在室人数推定装置100は、抽出した検知位置を持つセンサ情報を用いて入室イベントの判定を行う。これにより在室人数推定装置100は、出入口から内側に向かった可能性が高い人を対象として入室イベントを判定する。
【0048】
在室人数推定装置100は、退室イベントを判定する場合において、内側赤外線センサ12により検知したセンサ情報に含まれる検知位置のうち、検知位置の上端が出入口下端よりも高いものを抽出してよい。在室人数推定装置100は、抽出した検知位置を持つセンサ情報を用いて退室イベントの判定を行う。これにより在室人数推定装置100は、出入口から内側に向かった可能性が高い人を対象として退室イベントを判定する。
【0049】
在室人数推定装置100は、退室イベントを判定する場合において、外側赤外線センサ10により検知したセンサ情報に含まれる検知位置のうち、検知位置の下端が出入口下端よりも低いものを抽出してよい。在室人数推定装置100は、抽出した検知位置を持つセンサ情報を用いて退室イベントの判定を行う。これにより在室人数推定装置100は、出入口から外側に向かった可能性が高い人を対象として退室イベントを判定する。
【0050】
[在室人数推定処理(ステップS120)]
図13は、在室人数の推定処理の一例を示す図である。在室人数推定装置100は、基準となる時刻tにおける在室推定人数に、基準となる時刻tから任意の時刻t+mまでのすべての入退室イベントにより増減された人数を反映することで、時刻t+mにおける在室推定人数を決定する。在室人数推定装置100は、例えば、基準となる時刻からi回目の入退室イベントが発生する前の在室推定人数をN(i-1)とし、i回目の入退室イベントにおける入室人数または退室人数をniとする。i回目の入退室イベントが入室イベントであった場合、入室人数をniとすると、在室推定人数はN(i-1)+niとなる。i回目の入退室イベントが退室イベントであった場合、「退室人数」をniとすると、在室推定人数はN(i-1)-niとなる。ただし、N(i-1)-ni<0である場合、在室推定人数を0にする。
【0051】
[室内イベントの判定処理(ステップS108)および補正処理(ステップS114)]
図14は、室内赤外線センサの配置の一例を示す図であり、図15は、室内イベントに基づく在室人数の補正の一例を示す図である。
室内赤外線センサ14は、図14に示すように、1つに部屋に配置された1以上の室内赤外線センサ14Aおよび室内赤外線センサ14Bであってよい。在室人数推定装置100は、室内赤外線センサ14Aおよび室内赤外線センサ14Bのそれぞれから赤外線画像を取得し、複数の赤外線画像を用いて室内イベントの発生を判定し、室内イベントの発生に基づいて在室人数を補正する。なお、室内イベントに基づいて在室推定人数を補正する処理を室内補正処理とも記載する。
【0052】
在室人数推定装置100は、少なくとも一つの室内赤外線センサ14によりセンサ情報を取得した場合、室内イベントが発生したと判定する。在室人数推定装置100は、室内イベントの発生時における全ての室内赤外線センサ14により取得した赤外線画像に基づく検知人数の合計を、室内補正人数として算出する。例えば、図15(A)に示すように室内赤外線センサ14Aに基づいて1人、室内赤外線センサ14Bに基づいて1人を検知した場合、室内イベントの発生時における室内補正人数を「2人」と算出する。例えば、図15(B)に示すように室内赤外線センサ14Aに基づいて0人、室内赤外線センサ14Bに基づいて1人を検知した場合、室内イベントの発生時における室内補正人数を「1人」と算出する。なお、室内補正人数は0人であってよい。
【0053】
図16は、在室推定人数を算出する処理の一例を示す図である。在室人数推定装置100は、基準となる時刻の在室推定人数に、基準となる時刻からある時刻までのすべての入退室イベントにより検知された人数および室内イベントにより検知された人数を反映する。基準となる時刻からi回目の入退室イベントまたは室内イベントが発生する前の在室推定人数をN(i-1)とし、i回目の入退室イベントにおける入室人数または退室人数、または、室内イベントにおける室内補正人数をniとする。i回目が入退室イベントであった場合、在室人数推定装置100は、図13を参照して説明したように、室内補正人数niを在室推定人数Niに反映する。在室人数推定装置100は、i回目が室内イベントであった場合において、N(i-1)<niである場合、在室推定人数Niを室内イベントにおける室内補正人数niに補正する。すなわち、在室人数推定装置100は、室内補正人数を優先して、在室推定人数を補正する。
【0054】
[入室イベントの取消処理(ステップS112)]
図17は、入室イベントの取消処理の一例を説明するための図である。在室人数推定装置100は、入室イベントの発生を判定した後(イベント開始時刻後)の一定期間において室内イベントによる室内補正人数が1以上にならなかった場合、在室推定人数から、直前の入室イベントに対応した人数を減らす。これにより、入室後にすぐに退室した場合に、入室イベントを取り消して在室推定人数に反映することができる。なお、一定期間は、例えばデフォルトで2秒とする。入室後の数秒後に室内赤外線センサ14により人を検知する時間は例えば2秒である。
【0055】
部屋への入室後にすぐに退室した場合、外側赤外線センサ10、内側赤外線センサ12の順で人を検知することで入室イベントと判定されるが、人が外側赤外線センサ10により検知され続けていた場合には、退室イベントの発生と判定されない。この場合、在室推定人数に誤りが発生してしまう。通常であれば入室後の数秒後に室内赤外線センサ14により人が検知されるが、在室人数推定装置100は、入室イベントの発生後に室内赤外線センサ14により検知されない場合に、入室イベントを取り消して在室推定人数の誤りを回避することができる。
【0056】
[退室補正人数の算出処理(ステップS116)]
在室人数推定装置100は、退室イベントにおける退室人数を算出する。在室人数推定装置100は、退室イベントの発生時における外側赤外線センサ10による検知人数と内側赤外線センサ12による検知人数と退室補正人数のうち最も多い人数を、退室人数として算出する。在室人数推定装置100は、退室用赤外線センサ16による検知人数が1以上になり、かついずれかの検知位置情報が出入口の近くである場合、退室可能性があると判定し、退室補正人数を記録する。図18(A)は退室しない在室者が出入口に近づいたときの図を示し、図18(B)は退室する在室者が出入口に近づいたときの図を示し、このような場合に在室人数推定装置100は退室可能性があると判定する。
【0057】
図19(A)は退室用赤外線センサの配置例を示し、図19(B)は退室用赤外線センサにより撮像された赤外線画像の一例を示す。在室人数推定装置100は、退室用赤外線センサ16により撮像された赤外線画像のうち出入口の近くの範囲に検知位置の座標が含まれる場合、退室可能性が発生したと判定する。在室人数推定装置100は、退室可能性が発生したと判定した時の検知人数を、退室補正人数とする。例えば図19(B)の場合、出入口の近くで検知された人数は1人であるが、退室補正人数は2人となる。出入口の近くの範囲は、退室用赤外線センサ16について予め設定された範囲であり、例えば退室用赤外線センサ16の設置時に設定可能である。
【0058】
在室人数推定装置100は、入退室イベントまたは室内イベントにより在室推定人数を更新した場合、退室可能性(退室補正人数)の記録を削除する。また、在室人数推定装置100は、室内イベントの検知人数(室内補正人数)と在室推定人数とが一致した場合、退室可能性(退室補正人数)の記録を削除する。
【0059】
[減算補正処理(ステップS118)]
在室人数推定装置100は、基準となる時刻の在室推定人数に、基準となる時刻からある時刻までのすべての入退室イベントにより検知された人数および室内イベントにより検知された人数を反映する。基準となる時刻からi回目の入退室イベントまたは室内イベントが発生する前の在室推定人数をN(i-1)とし、i回目の入退室イベントにおける入室人数または退室人数、または、室内イベントにおける室内補正人数をniとする。i回目が入退室イベントであった場合、在室人数推定装置100は、図13を参照して説明したように、室内補正人数niを在室推定人数Niに反映する。
【0060】
在室人数推定装置100は、i回目が室内イベントであった場合において、N(i-1)≦niである場合、在室推定人数Niを室内イベントにおける室内補正人数niに補正する。すなわち、在室人数推定装置100は、室内補正人数を優先して、在室推定人数を補正する。
【0061】
在室人数推定装置100は、i回目が室内イベントであった場合において在室推定人数N(i-1)>室内補正人数niである場合、退室可能性があると判定する。図20は、減算補正の一例を示すフローチャートである。退室可能性がある場合において、在室人数推定装置100は、退室補正人数をmとし、ni>N(i-1)-mである場合には(ステップS300:YES)、在室推定人数Niをniに補正する(ステップS302)。一方、ni≦N(i-1)-mである場合には(ステップS300:NO)、在室推定人数NiをN(i-1)-mに補正する(ステップS304)。在室人数推定装置100は、在室推定人数N(i-1)-退室可能性人数mが室内補正人数niより少ない場合には、在室推定人数N(i-1)-退室可能性人数mを在室推定人数Niとして更新することができる。在室人数推定装置100は、在室推定人数N(i-1)-退室可能性人数mが室内補正人数ni以上である場合には、在室推定人数N(i-1)-退室可能性人数mを在室推定人数Niとして更新することができる。
【0062】
図21は、在室推定人数を算出する処理の一例を示す図である。在室人数推定装置100は、在室推定人数N(i-1)が2人且つ退室補正人数mが1人である場合において、室内補正人数niが1人であることが検知された場合、在室推定人数Niを1人に補正し、退室補正人数の記録を削除することができる。
【0063】
[減算補正(ステップS118)の遅延]
退室可能性があると判定された対象者がそのまま退室した場合、退室可能性と退室イベントとで重複して在室推定人数を減算することを抑制する必要がある。このため、在室人数推定装置100は、減算補正に一定時間d(d≧0)の遅延を設ける。
【0064】
図22は、減算補正の一例を示すフローチャートである。在室人数推定装置100は、上述したようにi回目が室内イベントであった場合において在室推定人数N(i-1)>室内補正人数niであると判定した場合には退室可能性があると判定し(ステップS400:YES)、そうでない場合には(ステップS400:NO)、退室可能性がなく減算補正はしない。
【0065】
次に在室人数推定装置100は、退室補正人数が0であるか否かを判定し(ステップS402)、退室補正人数が0である場合(ステップS402:YES)、待機開始時刻の記録を削除する(ステップS404)。すなわち退室補正人数が0なので減算補正を実施することがない。
【0066】
在室人数推定装置100は、退室補正人数m>0である場合(ステップS402:NO)、待機開始時刻が記録されているか否かを判定する(ステップS406)。在室人数推定装置100は、待機開始時刻が記録されていない場合(ステップS406:NO)、室内イベントの発生時刻を待機開始時刻として記録し(ステップS408)、減算補正をせずに処理を終了する。
【0067】
在室人数推定装置100は、待機開始時刻が記録されている場合(ステップS406:YES)、室内イベントの発生時刻-待機開始時刻≧dであるか否かを判定する(ステップS410)。室内イベントの発生時刻-待機開始時刻<dである場合(ステップS410:NO)、減算補正をせずに処理を終了する。室内イベントの発生時刻-待機開始時刻≧dである場合(ステップS410:YES)、在室人数推定装置100は、室内補正人数ni>在室推定人数N(i-1)-mであるか否かを判定する(ステップS412)。室内補正人数ni>在室推定人数N(i-1)-mである場合(ステップS412:YES)、在室人数推定装置100は、在室推定人数Niを室内補正人数niに補正する(ステップS414)。在室人数推定装置100は、室内補正人数ni≦在室推定人数N(i-1)-mである場合(ステップS414:NO)、在室推定人数Niを在室推定人数N(i-1)-退室補正人数mに補正する(ステップS416)。
【0068】
図23は、減算補正の一例を示す図である。時刻t0において在室推定人数および室内補正人数が共に「1」であり、時刻t2において退室用赤外線センサ16の検知により退室補正人数が「1」に更新される。時刻t3において在室推定人数および室内補正人数が一致したので退室補正人数は「0」にリセットされる。時刻t4において退室用赤外線センサ16の検知により退室補正人数は「1」に更新される。時刻t5において室内補正人数が在室推定人数よりも少なくなったために、時刻t5,t6において減算補正の待機を行い、時刻t5から一定時間を経過した時刻t7において減算補正を実施する。時刻t8において在室推定人数の更新を行うとともに退室補正人数をリセットする。
【0069】
なお、在室人数推定装置100は、減算補正を行う場合に、退室補正人数と以前に検知された室内補正人数とが整合しているか否かをチェックすることが望ましい。
【0070】
<実施形態の効果>
以上に説明したように、実施形態の在室人数推定システム1によれば、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサ(外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12)と、室内に人が存在することを検知する第2のセンサ(室内赤外線センサ14)と、第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部(在室推定部140)と、を備える、在室人数推定装置100を実現することができる。在室人数推定システム1によれば、外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12により在室人数の誤検知が発生しても、室内赤外線センサ14の検知結果で在室人数を補正することができる。この結果、在室人数推定システム1によれば、在室人数を高い精度で把握することができる。
【0071】
実施形態の在室人数推定システム1によれば、外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12の検知結果を補正する補正部(人検知部120)を備える。これにより、在室人数推定システム1によれば、例えば、ある時刻で人が検知できない場合に、ある時刻の検知結果を、当該時刻に前後する検知結果で補正することができる。
【0072】
実施形態の在室人数推定システム1によれば、在室推定部140により、外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12により検知された人のうち検知位置が出入口の境界と重複した人の数を計数することができる。これにより、在室人数推定システム1によれば、入退室している可能性が低い人について入退室イベントの検知人数から除外することができる。この結果、在室人数推定システム1によれば、在室人数を高い精度で把握することができる。
【0073】
実施形態の在室人数推定システム1によれば、在室推定部140により、外側赤外線センサ10および内側赤外線センサ12の検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、入室イベントが発生した時からの所定期間において室内赤外線センサ14による検知された在室人数が増加しない場合に、入室イベントを取り消すことができる。これにより、在室人数推定システム1によれば、入室イベントの発生後に室内補正人数が1以上にならない場合には、在室推定人数から入室イベントの発生直前の入室イベントで増加した入室人数を減らすことができる。この結果、在室人数推定システム1によれば、例えば入室後に直ぐに退室しても、在室人数を高い精度で把握することができる。
【0074】
実施形態の在室人数推定システム1によれば、退出する人を検知する第3のセンサ(退室用赤外線センサ16)を備え、在室推定部140により、室内赤外線センサ14の検知結果に基づいて補正された在室人数を、退室用赤外線センサ16の検知結果に基づく退室の可能性により減算することができる。在室人数推定システム1によれば、例えば、退室イベントの検知に失敗したことによって在室推定人数と室内補正人数との間に差分が発生しても、退室可能性を検知していれば在室人数を補正することができる。この結果、在室人数推定システム1によれば、在室人数を更に高い精度で把握することができる。
【0075】
図24は、実施形態の効果を説明するための図である。在室人数推定システム1によれば、退室イベントの退室人数を少なく計上しても、退室用赤外線センサ16を導入することで退室人数を補正することができ、さらに、在室推定人数と室内補正人数とに差分がある場合に減算補正することで在室推定人数を補正することができる。在室人数推定システム1によれば、入室イベントの退室人数を多く計上しても、室内赤外線センサ14を用いて入室イベントを取り消し、在室推定人数と室内補正人数とに差分がある場合には減算補正することで在室推定人数を補正することができる。さらに、在室人数推定装置100によれば、図11を参照して説明したように入退室イベントを判定することで、退室時に入室イベントが発生することや入室も退室もしていない時に入室イベントが発生することを抑制することができる。さらに、在室人数推定装置100によれば、退室時に退室イベントが発生しなくても、在室推定人数と室内補正人数とに差分がある場合に減算補正することで在室推定人数を補正することができる。さらに、在室人数推定装置100によれば、在室推定人数が実際の在室人数を超えても、在室推定人数と室内補正人数とに差分がある場合に減算補正することで在室推定人数を補正することができる。
【0076】
<変形例>
図25は、実施形態の在室人数推定システムの第1変形例を示す図である。第1変形例の在室人数推定システム1Aにおいて、住宅内ネットワークは、赤外線センサ10~16、画像取得部210および送信部212を備え、在室人数推定装置100は、画像取得部110、人検知部120、情報蓄積部130、在室推定部140、出力部150、および検知結果記憶部160を備える。在室人数推定システム1Aは、画像取得部210により取得した赤外線画像を、送信部212により通信ネットワークを介して在室人数推定装置100に送信する。在室人数推定装置100は、送信部212から取得した赤外線画像に基づいて在室人数の推定を行い、推定結果に関する情報を住宅内ネットワークの表示装置等に送信する。なお、在室人数推定システム1Aにおいて、在室人数推定装置100は、一つの住宅内ネットワークに限定されず、複数の住宅内ネットワークに接続されてよい。在室人数推定装置100は、住宅内ネットワークごとに学習結果データおよび利用者データを記憶し、住宅内ネットワークごとに在室人数の推定を行う。このような在室人数推定システム1Aは、住宅内ネットワークから在室人数推定装置100への要求に応じて、在室人数推定装置100が在室人数の推定を行い、在室人数の推定結果に基づくサービスを提供することができる。
【0077】
図26は、実施形態の在室人数推定システムの第2変形例を示す図である。第2変形例の在室人数推定システム1Bにおいて、住宅内ネットワークは、赤外線センサ10~16、画像取得部210、人検知部120A、および送信部212を備える。在室人数推定装置100は、画像取得部110、情報蓄積部130、在室推定部140、および出力部150を備える。在室人数推定システム1Bは、人検知部120Aにより推定したセンサ情報を、送信部212により通信ネットワークを介して在室人数推定装置100に送信する。在室人数推定装置100は、送信部212から取得したセンサ情報に基づいて在室人数の推定を行い、在室人数の推定の結果に関する情報を住宅内ネットワークの表示装置等に送信する。なお、在室人数推定システム1Bにおいて、在室人数推定装置100は、一つの住宅内ネットワークに限定されず、複数の住宅内ネットワークに接続されてよい。在室人数推定システム1Bは、赤外線画像を住宅内ネットワークから外部に送信しなくてよいので、赤外線画像が傍受されることを回避することができる。
【0078】
なお、各実施形態および変形例について説明したが、一例であってこれらに限られず、例えば、各実施形態や各変形例のうちのいずれかや、各実施形態の一部や各変形例の一部を、他の1または複数の実施形態や他の1または複数の変形例と組み合わせて本発明の一態様を実現させてもよい。
【0079】
なお、本実施形態における在室人数推定装置100の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、在室人数推定装置100に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0080】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0081】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic
Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0082】
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0083】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1、1A、1B 在室人数推定システム
10 外側赤外線センサ
12 内側赤外線センサ
14 室内赤外線センサ
16 退室用赤外線センサ
110 画像取得部
120 人検知部
130 情報蓄積部
140 在室推定部
150 出力部
200 外部装置
図1
図2
図3
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図5
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図9
図10
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図20
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図22
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図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2022-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、
室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、
前記第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部と、を備え、
前記推定部は、
前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、
前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、
在室人数推定装置。
【請求項2】
前記第1のセンサの検知結果を補正する補正部を備える、
請求項1に記載の在室人数推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記第1のセンサにより検知された人のうち検知位置が前記出入口の境界と重複した人の数を計数する、請求項1または2に記載の在室人数推定装置。
【請求項4】
退出する人を検知する第3のセンサを備え、
前記推定部は、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正された在室人数を、前記第3のセンサの検知結果に基づく退室の可能性により減算する、
請求項1からの何れか1項に記載の在室人数推定装置。
【請求項5】
出入口を含む領域に人が存在することを第1のセンサにより検知する第1のステップと、
室内に人が存在することを第2のセンサにより検知する第2のステップと、
前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を含
前記第3のステップは、
前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、
前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、
在室人数推定方法。
【請求項6】
コンピュータに、
出入口を含む領域に人が存在することを第1のセンサにより検知する第1のステップと、
室内に人が存在することを第2のセンサにより検知する第2のステップと、
前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を実行させ、
前記第3のステップは、
前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、
前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、
プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(1)本発明の一態様は、出入口を含む領域に人が存在することを検知する第1のセンサと、室内に人が存在することを検知する第2のセンサと、前記第1のセンサの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正する推定部と、を備え、前記推定部は、前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、在室人数推定装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
)本発明の一態様は、上記の在室人数推定装置であって、退出する人を検知する第3のセンサを備え、前記推定部は、前記第2のセンサの検知結果に基づいて補正された在室人数を、前記第3のセンサの検知結果に基づく退室の可能性により減算してよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
)本発明の一態様は、出入口を含む領域に人が存在することを第1のセンサにより検知する第1のステップと、室内に人が存在することを第2のセンサにより検知する第2のステップと、前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を含前記第3のステップは、前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、在室人数推定方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
)本発明の一態様は、コンピュータに、出入口を含む領域に人が存在することを第1のセンサにより検知する第1のステップと、室内に人が存在することを第2のセンサにより検知する第2のステップと、前記第1のステップの検知結果に基づいて推定した在室人数を、前記第2のステップの検知結果に基づいて補正する第3のステップと、を実行させ、前記第3のステップは、前記第1のセンサの検知結果に基づく入室イベントの発生に従って在室人数を増加させ、前記入室イベントが発生した時からの所定期間において前記第2のセンサによる検知された在室人数が増加しない場合に、前記入室イベントを取り消す、プログラムである。