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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130698
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】引戸の障子
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/14 20060101AFI20230913BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20230913BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20230913BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
E06B3/14
E06B3/46
E06B3/58 B
E05B1/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035141
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】政田 和慶
(72)【発明者】
【氏名】中村 英孝
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E014BB06
2E014BC06
2E014FB05
2E016AA03
2E016BA08
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2E016DA01
2E016DA06
2E016DC01
(57)【要約】
【課題】有効開口幅を広く確保するとともに意匠性が向上する引戸の障子を提供する。
【解決手段】引戸の障子2は、手動で幅方向にスライド可能な障子2を備え、障子2は、パネル材29の端部が配置されるパネル溝31が形成されたパネル保持部25,41と、パネル保持部25、41の少なくとも一部25に一体に形成されたハンドル部26と、を有する縦材24を備え、ハンドル部26は、パネル保持部25,41から屋外側及び屋内側の少なくともいずれか一方に突出し、利用者が把持可能に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動で幅方向にスライド可能な障子を備え、
前記障子は、
パネル材の端部が配置されるパネル溝が形成されたパネル保持部と、
前記パネル保持部の少なくとも一部に一体に形成されたハンドル部と、を有する縦材を備え、
前記ハンドル部は、前記パネル保持部から屋外側及び屋内側の少なくともいずれか一方に突出し、利用者が把持可能に構成されている引戸の障子。
【請求項2】
前記ハンドル部は、屋外側及び屋内側の両方に突出している請求項1に記載の引戸の障子。
【請求項3】
前記パネル保持部は、
前記パネル溝に設けられたパネル材の端面に沿って配置され、前記パネル溝が形成された縦框部と、
前記縦框部に係止され、シール材を介してパネル材を支持する押縁と、を有し、
前記ハンドル部は、前記縦框部に一体に形成されている請求項1または2に記載の引戸の障子。
【請求項4】
前記パネル保持部は、
前記パネル溝に設けられたパネル材の端面に配置された縦框と、
前記縦框に係止され、シール材を介してパネル材を支持する押縁部と、を有し、
前記縦框及び前記押縁部によって前記パネル溝が形成され、
前記ハンドル部は、前記押縁部に一体に形成されている請求項1または2に記載の引戸の障子。
【請求項5】
前記パネル保持部は、
前記パネル溝に設けられたパネル材の端面に沿って配置された縦框部と、
前記縦框部に係止され、シール材を介してパネル材を支持する押縁部と、を有し、
前記ハンドル部は、前記縦框部及び前記押縁部に一体に形成されている請求項1または2に記載の引戸の障子。
【請求項6】
前記パネル材は、強化ガラスで形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の引戸の障子。
【請求項7】
前記パネル保持部の幅は、10mm~40mmである請求項1から6のいずれか一項に記載の引戸の障子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、引戸の障子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、片引戸や引分け戸等の手動の引戸の障子には、利用者が開閉操作する際に把持するハンドルが設けられている。四方枠状に形成された框体と、框体の内側に納められたガラスパネルと、縦框に取り付けられたハンドルと、を備えた障子が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-85797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、縦框にはハンドルをねじ固定等によって取り付けるために補強等を設ける必要があるため、縦框が大きくなってしまう。このため、障子を開いたときの有効開口幅が狭くなってしまうという問題点がある。縦框が大きくなると、意匠性が低下するという問題点もある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有効開口幅を広く確保するとともに意匠性が向上する引戸の障子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る引戸の障子は、手動で幅方向にスライド可能な障子を備え、前記障子は、パネル材の端部が配置されるパネル溝が形成されたパネル保持部と、前記パネル保持部の少なくとも一部に一体に形成されたハンドル部と、を有する縦材を備え、前記ハンドル部は、前記パネル保持部から屋外側及び屋内側の少なくともいずれか一方に突出し、利用者が把持可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る建具を屋内側から見た正面図である。
図2】第一実施形態に係る建具の縦断面図である。
図3】第一実施形態に係る建具の水平断面図であり、障子が閉じた状態を示す。
図4】建具の水平断面図であり、障子が開いた状態を示す。
図5図4のIV部拡大図である。
図6】第二実施形態に係る建具を屋内側から見た正面図である。
図7】第二実施形態に係る建具の縦断面図である。
図8】第二実施形態に係る建具の水平断面図であり、障子が閉じた状態を示す。
図9】第三実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
図10】第四実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
図11】第五実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
図12】第六実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
図13】第七実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
図14】第八実施形態に係る建具の図4のIV部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る引戸の障子を備えた建具について、図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。以下の説明では、屋外側(図2等に示す+Y側)と屋内側(図2等に示す-Y側)とを結び水平方向に沿う方向を、屋内外方向(図の矢印Yの方向)と称する。屋内外方向と直交し水平方向に沿う方向を、幅方向(図の矢印Xの方向)と称する。屋内外方向及び幅方向と直交する方向を、上下方向(図の矢印Zの方向)と称する。各構成部材において、屋内外方向及び幅方向で中心から離れる側を外側と称し、中心に向かう側を内側という場合がある。
【0009】
図1に示すように、建具100は、手動で、2枚の屋外側障子2A及び屋内側障子2Bを幅方向の一方側に移動させて開閉する片引き戸である。建具100は、枠体1と、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bと、を備えている。屋外側障子2A及び屋内側障子2Bを総称して障子2と称することがある。
【0010】
枠体1は、上枠11と、下枠12と、中間枠13,14と、縦枠16,17と、方立18と、を有している。
【0011】
上枠11、下枠12及び中間枠13,14は、幅方向に延びている。中間枠13,14は、上枠11と下枠12との間に配置されている。縦枠16,17及び方立18は、上下方向に延びている。縦枠16は、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bの戸尻側に配置されている。縦枠17は、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bの戸先側に配置されている。方立18は、縦枠16と縦枠17との間に配置されている。縦枠16,17の上端部及び方立18の上端部は、上枠11に連結されている。縦枠16,17の上下方向の中間及び方立18の上下方向の中間は、中間枠13,14に連結されている。縦枠16,17の下端部及び方立18の下端部は、下枠12に連結されている。
【0012】
屋外側障子2A及び屋内側障子2Bは、閉じた状態で、下枠12、中間枠14、縦枠17及び方立18で形成された開口に配置されている。下枠12、中間枠13、縦枠16及び方立18で形成された空間には、側部ガラスパネル81が設けられている。屋外側障子2A及び屋内側障子2Bは、側部ガラスパネル81側にスライド可能である。図4に示すように、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bは、開いた状態で、側部ガラスパネル81の屋内側に配置されている。下枠12、中間枠13、縦枠16及び方立18で形成された空間には、壁部が設けられていてもよい。
【0013】
図1に示すように、上枠11、中間枠13、縦枠16の上部及び方立18の上部で形成された空間には、第1上部ガラスパネル82が設けられている。上枠11、中間枠14、縦枠17の上部及び方立18の上部で形成された空間には、第2上部ガラスパネル83が設けられている。枠体は、障子2の高さまで形成されていて、第1上部ガラスパネル82及び第2上部ガラスパネル83が設けられていなくてもよい。
【0014】
障子2は、框体20と、ガラスパネル29と、を有している。框体20は、上框21(図2参照)と、下框22(図2参照)と、一対の縦框23,23と、を有している。
【0015】
上框21及び下框22は、幅方向に延びている。縦框23は、上下方向に延びている。一対の縦框23,23の上端部は、上框21に連結されている。一対の縦框23,23の下端部は、下框22に連結されている。
【0016】
ガラスパネル29は、四方枠状に形成された框体20の内側に納められている。ガラスパネル29は、強化ガラスで形成されている。ガラスパネル29は、請求項のパネル材に対応する。パネル材として、普通板ガラスや樹脂製の板材等を採用することができる。
【0017】
図2に示すように、上框21に設けられた戸車21aは、中間枠13,14に取り付けられたレール13aに幅方向にスライド可能に支持されている。障子2は、上吊り式の片引き戸である。
【0018】
屋外側障子2A及び屋内側障子2Bは、連動機構27によって、屋内側障子2Bの動作に屋外側障子2Aが追従するように互いに連動して開閉する。連動機構27は、屋外側障子2Aの下框22に取り付けられた連動部材27Aを有している。下框22の内部には、螺子271によって裏板272が取り付けられている。連動部材27Aの屋内側から凹む凹部から、裏板272に螺子273で裏板272に取り付けられている。図3に示すように、連動部材27Aの屋内側障子2B側を向く面には、緩衝材275が設けられている。屋内側障子2Bが開方向に移動すると、屋内側障子2Bの戸尻側の縦框23が屋外側障子2Aの緩衝材275に当たる。これによって、屋外側障子2Aが屋内側障子2Bに押されて、屋外側障子2Aも開いていく。戸袋部分の下枠12には、連動部材27Aと同様の構成の戸当り部材28が取り付けられている。図4に示すように、屋外側障子2Aの戸尻側の縦框23が戸当り部材28の緩衝材275に当たると、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bの開方向への移動が規制される。
【0019】
図1及び図3に示すように、屋内側障子2Bにおいて、一対の縦框23,23のうち戸先側に配置される戸先側縦框23Aの上下方向の中間には、戸先側縦框23Aに替えてハンドル付き縦框24が設けられている。屋内側障子2Bにおいて、一対の縦框23,23のうち戸先側では、縦框23を設けずに、上下方向の略全長にわたってハンドル付き縦框24を設けてもよい。ハンドル付き縦框24は、請求項の縦材に対応する。
【0020】
図5に示すように、ハンドル付き縦框24は、縦框部25と、屋内外の両側に設けられたハンドル部26,26と、を有している。縦框部25とハンドル部26,26とは、一体に形成されている。縦框部25とハンドル部26とは、アルミ形材で一体に成形されている。
【0021】
縦框部25は、基板部251と、屋内外の両側の凹部壁部252,252と、屋内外の両側の延出壁部253,253と、を有している。基板部251は、ガラスパネル29の端面29aに沿って配置されている。基板部251は、平板状に形成されている。基板部251の板面は、幅方向を向いている。凹部壁部252は、基板部251の屋内外方向の両端部に接続されている、凹部壁部252の幅方向の内側の面は、幅方向の外側に凹む形状をしている。延出壁部253は、凹部壁部252の屋内外方向の外側の端部から幅方向の内側に延びている。
【0022】
基板部251、凹部壁部252及び延出壁部253の内縁である幅方向の内側を向く面には、ガラス溝31が形成されている。ガラス溝31は、請求項のパネル溝に対応する。
【0023】
ガラス溝31の屋内外方向の中央には、ガラスパネル29の端面29aが配置されている。基板部251の屋内外方向の外側の両端部には、屋内外方向の外側に突出する押縁係止片255が設けられている。凹部壁部252及び延出壁部253の幅方向の内側を向く面にそって押縁41が設けられている。押縁41は、水平断面視で環状に形成されている。押縁41の屋内外方向の内側を向く面41bは、シール材30に当たっている。押縁41の係止片41aは、押縁係止片255に係止されている。押縁41は、シール材30を介してガラスパネル29を支持している。縦框部25及び押縁41は、請求項のパネル保持部に対応する。縦框部25は、請求項のパネル保持部の少なくとも一部に対応する。
【0024】
ハンドル部26は、延出壁部253の幅方向の内側の端部から、屋内外方向の外側に突出している。ハンドル部26は、板状に形成されている。ハンドル部26の板面は、幅方向を向いている。利用者は、ハンドル部26を幅方向に把持することができる。ハンドル部26の屋内外方向の外側の端部には、幅方向の外側に突出する突起261が設けられている。
【0025】
ハンドル部26の幅方向の外側を向く面26bは、縦框部25の幅方向の外側を向く面25aよりも幅方向の内側にセットバックしている。
【0026】
縦框部25の面25aからハンドル部26の幅方向の内側を向く面26aまでの幅W1は、10mm~40mmであることが好ましい。
【0027】
縦框部25の面25aには、幅方向の内側に凹む緩衝材凹部257が形成されている。緩衝材凹部257の開口縁部は、緩衝材32の取付部32aに設けられた突起37bが係止されている。緩衝材32は、縦框部25の面25aよりも幅方向の外側に突出している。
【0028】
図4に示すように、屋外側障子2A及び屋内側障子2Bが開いた状態において、ハンドル付き縦框24の緩衝材32から縦枠17に設けられた緩衝材17aまでの距離を、有効開口幅W11とする。縦框部25の幅W1を10mm~40mmと短くしているため、有効開口幅W11を広く確保することがきる。
【0029】
このように構成された建具100では、ハンドル付き縦框24のハンドル部26は、縦框部25に一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框に設ける必要がないため、ハンドル付き縦框24をコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付き縦框24をコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0030】
ハンドル部26は、縦框部25から屋外側及び屋内側の両方に突出している。屋内外の両側でハンドル部26をコンパクトにするとで、屋内外の両側の意匠性が向上する。利用者は、屋内外の両側からハンドル部26を把持して障子2を開閉することができる。
【0031】
ハンドルと縦框とを別体とするよりも、ハンドル部26を縦框部25に一体に形成することで、部品点数を抑制することができる。ハンドルを縦框に取り付けるための取付作業を削減することができる。
【0032】
縦框の幅方向の長さが短いとガラスパネルを保持する強度が低くなるが、建具100ではガラスパネル29は撓んでも割れにくい強化ガラスで形成されているため、ガラスパネル29の破損を抑制することができる。
【0033】
ハンドル付き縦框24の縦框部25の面25aからハンドル部26の面26aまでの幅W1は10mm~40mmであるため、ハンドル付き縦框24がスリムなデザインであり意匠性がさらに向上する。
【0034】
(第二実施形態)
第二実施形態に係る建具について、主に図6から図8を用いて説明する。以下で説明する実施形態及び変形例において、上記に示す実施形態に対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0035】
図6に示すように、建具100Aは、手動で、2枚の障子2Cを幅方向の両側に移動させて開ける引分け戸である。建具100Aは、枠体1Aと、2枚の障子2C,2Cと、を備えている。枠体1Aでは、縦枠16と縦枠17との間に、2本の方立18が配置されている。
【0036】
障子2Cの構成は、建具100の屋内側障子2Bの構成と同じである。屋内側から見て右側の障子2Cは、左側の障子Cを幅方向に反転させた構成である。2枚の障子2Cが閉じた状態で、ハンドル付き縦框24が面26aを対向させて配置されている。
【0037】
このように構成された建具100Aでは、ハンドル付き縦框24のハンドル部26は、縦框部25に一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框に設ける必要がないため、ハンドル付き縦框24をコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付き縦框24をコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0038】
ハンドル部26の幅方向の外側を向く面26bは、縦框部25の面25aよりも幅方向の内側にセットバックしている。障子2Cが閉じた状態で、隣り合う障子2Cのハンドル部26の間には空間S(図8参照)が形成されるため、利用者が空間Sに手をいれてハンドル部26を把持して障子2Cを開くことができる。
【0039】
(第三実施形態)
第三実施形態に係る建具について、主に図9を用いて説明する。図9に示すように、縦框25Bは、ハンドル部26Bと別体で構成されている。ハンドル部26Bは、押縁部41Bと一体に形成されている。ハンドル付き押縁24Bは、押縁部41Bと、ハンドル部26Bと、を有している。ハンドル付き押縁24Bは、屋内外の両側に設けられている。押縁部41Bとハンドル部26Bとは、アルミ形材で一体に成形されている。ハンドル付き押縁24Bは、請求項の縦材に対応する。
【0040】
縦框25Bは、ガラスパネル29の端面29aに沿って配置されている。縦框25Bの屋内外方向の両側には、幅方向の内側を向く面に、幅方向の外側に凹む取付凹部241が形成されている。縦框25Bの屋内外方向の両側には、幅方向の外側を向く面に、幅方向の内側に凹む螺子取付部242が形成されている。
【0041】
押縁部41Bは、水平断面視で環状に形成さ入れている。押縁部41Bの屋内外方向の内側を向く面41bは、シール材30に当たっている。押縁部41Bの係止片41aは、縦框25Bの押縁係止片255に係止されている。ねじ254が螺子取付部242に挿通されて、取付凹部241に配置された押縁部41Bに螺合されている。押縁部41Bは、シール材30を介してガラスパネル29を支持している。縦框25B及び押縁部41Bは、請求項のパネル保持部に対応する。押縁部41Bは、請求項のパネル保持部の少なくとも一部に対応する。
【0042】
縦框25B及びハンドル付き押縁24Bの押縁部41Bの内縁には、ガラス溝31Bが形成されている。ガラス溝31Bは、請求項のパネル溝に対応する。
【0043】
ハンドル部26Bは、押縁部41Bの幅方向の内側の端部から、屋内外方向の外側に突出している。ハンドル部26Bは、板状に形成されている。ハンドル部26Bの板面は、幅方向を向いている。利用者は、ハンドル部26Bを幅方向に握るように把持することができる。ハンドル部26Bの屋内外方向の外側の端部には、幅方向の外側に延出する延出突起262が設けられている。
【0044】
縦框25Bの幅方向の外側を向く面25aからハンドル部26Bの幅方向の内側を向く面26aまでの幅W2は、10mm~40mmであることが好ましい。
【0045】
このように構成された建具では、ハンドル付き押縁24Bのハンドル部26Bは、押縁部41Bに一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を押縁に設ける必要がないため、ハンドル付き押縁24Bをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付き押縁24Bをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0046】
ハンドルと押縁とを別体とするよりも、ハンドル部26Bを押縁部41Bに一体に形成することで、部品点数を抑制することができる。ハンドルを押縁に取り付けるための取付作業を削減することができる。
【0047】
(第四実施形態)
第四実施形態に係る建具について、主に図10を用いて説明する。図10に示すように、縦框25Bには、屋内側にハンドル付き押縁24Bが係止され、屋外側に押縁41が係止されている。このように、ハンドル部26Bは、屋内側のみに設けられている。縦框25Bの屋外側にハンドル付き押縁24Bが係止され、屋内側に押縁41が係止される構成であってもよい。
【0048】
このように構成された建具では、ハンドル付き押縁24Bのハンドル部26Bは、押縁部41Bに一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を押縁に設ける必要がないため、ハンドル付き押縁24Bをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付き押縁24Bをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0049】
手動で障子2を開閉することが屋内側からのみである使用態様であれば、ハンドル部26Bを屋内側にのみに設ける仕様とすることができる。
【0050】
(第五実施形態)
第五実施形態に係る建具について、主に図11を用いて説明する。図11に示すように、ハンドル付きガラス保持部材24Cは、縦框部25Cと、押縁部41C,41Cと、ハンドル部26C,26Cと、を備えている。縦框部25C、押縁部41C,41C及びハンドル部26C,26Cは、一体に形成されている。縦框部25C、押縁部41C,41C及びハンドル部26C,26Cは、アルミ形材で一体に成形されている。ハンドル付きガラス保持部材24Cは、請求項の縦材に対応する。
【0051】
押縁部41Cは、延出壁部253から屋内外方向の内側に延びている。押縁部41Cの屋内外方向の内側の端部には、幅方向の外側に延びる当接壁部411が設けられている。押縁部41Cの屋内外方向の内側を向く面41cは、シール材30に当たっている。押縁部41Cは、シール材30を介してガラスパネル29を支持している。縦框部25Cと押縁部41Cとは、請求項のパネル保持部に対応する。
【0052】
このように構成された建具では、ハンドル付きガラス保持部材24Cのハンドル部26Cは、縦框部25C及び押縁部41Cに一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框や押縁に設ける必要がないため、ハンドル付きガラス保持部材24Cをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付きガラス保持部材24Cをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0053】
ハンドルを縦框及び押縁と別体とするよりも、ハンドル部26Cを縦框部25C及び押縁部41Cに一体に形成することで、部品点数を抑制することができる。ハンドルを縦框や押縁に取り付けるための取付作業を削減することができる。
【0054】
(第六実施形態)
第六実施形態に係る建具について、主に図12を用いて説明する。図12に示すように、ハンドル付きガラス保持部材24Dの押縁部41Dは、第五実施形態に係るハンドル付きガラス保持部材24Cの押縁部41Cよりも幅方向の内側に配置されている。ハンドル付きガラス保持部材24Dは、請求項の縦材に対応する。
【0055】
ハンドル付きガラス保持部材24Dは、縦框部25Dと、押縁部41D,41Dと、ハンドル部26C,26Cと、を備えている。縦框部25Dには、屋内外両側の延出壁部253を連結する連結壁部258が設けられている。連結壁部258は、板状に形成されている。連結壁部258の板面は、幅方向を向いている。連結壁部258は、ガラスパネル29の端面29aに沿って配置されている。
【0056】
押縁部41Dは、内向き壁部413と、折曲壁部414と、当接壁部415と、を有している。内向き壁部413は、ハンドル部26Cの基部26dから幅方向の内側に延びている。折曲壁部414は、内向き壁部413の幅方向の内側の端部から屋内外方向の内側に延びている。当接壁部415は、折曲壁部414の幅方向の内側の端部から幅方向の外側に延びている。当接壁部415の屋内外方向の内側を向く面415aは、シール材30に当たっている。押縁部41Dは、シール材30を介してガラスパネル29を支持している。縦框部25Cと押縁部41Dとは、請求項のパネル保持部に対応する。
【0057】
連結壁部258及び内向き壁部413の内縁である幅方向の内側を向く面には、ガラス溝31Dが形成されている。ガラス溝31Dは、請求項のパネル溝に対応する。
【0058】
このように構成された建具では、ハンドル付きガラス保持部材24Dのハンドル部26Cは、縦框部25D及び押縁部41Dに一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框や押縁に設ける必要がないため、ハンドル付きガラス保持部材24Dをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付きガラス保持部材24Dをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0059】
押縁部41Dの内向き壁部413は、ハンドル部26Cの基部26dから幅方向の内側に延びている。ハンドル付きガラス保持部材24Dの幅方向の長さが長くなるため、ハンドル付きガラス保持部材24Dのガラスパネル29を保持する強度を高めることができる。
【0060】
(第七実施形態)
第七実施形態に係る建具について、主に図13を用いて説明する。図13に示すように、ハンドル付き縦框24Eには、ハンドル部26Eが屋内側にのみ設けられている。ハンドル部26Eは、延出壁部253の幅方向の内側の端部から、屋内側に突出している。ハンドル部26Eの屋内外方向の中間には、幅方向の内側に突出する延出部267が設けられている。延出部267は、板状に形成されている。延出部267の板面は、屋内外方向を向いている。ハンドル付き縦框24Eは、請求項の縦材に対応する。
【0061】
このように構成された建具では、ハンドル付き縦框24Eのハンドル部26Eは、縦框部25に一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框に設ける必要がないため、ハンドル付き縦框24Eをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付き縦框24Eをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0062】
手動で障子2を開閉することが屋内側からのみである使用態様であれば、ハンドル部26Eを屋内側にのみに設ける仕様とすることができる。
【0063】
ハンドル部26Eには、幅方向の内側に突出する延出部267が設けられている。利用者は延出部267を把持して開閉操作をすることもできる。
【0064】
(第八実施形態)
第八実施形態に係る建具について、主に図14を用いて説明する。図14に示すように、ハンドル付きガラス保持部材24Fには、内部に補強部材38が設けられている。ハンドル付きガラス保持部材24Fは、請求項の縦材に対応する。
【0065】
ハンドル付きガラス保持部材24Fでは、凹部壁部252の屋内外方向の外側の端部には、幅方向の内側に延びる延出壁部259が設けられている。延出壁部259の幅方向の長さは、第六実施形態に係るガラス保持部材24Dの延出壁部253よりも長い。
【0066】
屋内外の両側の延出壁部259どうしは、押縁壁部263で連結されている。押縁壁部263は、第1壁部264,264と、第2壁部265,265と、第3壁部266と、を有している。押縁壁部263は、請求項の押縁に対応する。
【0067】
第1壁部264は、延出壁部259から屋内外方向の内側に延びている。第2壁部265は、第1壁部264の屋内外方向の内側の端部から幅方向の外側に延びている。第3壁部266は、屋内外の両側の第2壁部265を連結している。
【0068】
第2壁部265,265及び第3壁部266の内縁である幅方向の内側を向く面には、ガラス溝31Eが形成されている。
【0069】
基板部251、凹部壁部252,252、延出壁部259,259及び押縁壁部263で囲まれた空間には、幅方向の内側に開口する水平断面視C字状の補強部材38が設けられている。
【0070】
このように構成された建具では、ハンドル付きガラス保持部材24Fのハンドル部26Cは、縦框部25及び押縁壁部263に一体に形成されている。ハンドルを取り付けるため補強等を縦框や押縁に設ける必要がないため、ハンドル付きガラス保持部材24Fをコンパクトに構成することができ、障子2を開いたときの有効開口幅W11を広く確保することができる。ハンドル付きガラス保持部材24Fをコンパクトに構成することで、意匠性が向上する。
【0071】
ハンドル付きガラス保持部材24Fの基板部251、凹部壁部252,252、延出壁部259,259及び押縁壁部263で囲まれた空間には、補強部材38が設けられている。補強部材38によって、ハンドル付きガラス保持部材24Fの強度を高めることができる。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0073】
第一実施形態では、建具100は、2枚の屋外側障子2A及び屋内側障子2Bが設けられた片引き戸であるが、これに限られない。建具に障子が1枚設けられた片引き戸であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
2,2C 障子、25,25C,25D 縦框部、26,26B、26C,26E ハンドル部、29 ガラスパネル(パネル材)、30 シール材、31,31B,31D,31E ガラス溝(パネル溝)、41B,41C,41D 押縁部、100…建具
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