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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130730
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】アシストスーツ
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20230913BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
A41D13/00 102
A41D13/05 125
A41D13/05 112
A41D13/05 131
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035182
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000210986
【氏名又は名称】中央発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】服部 篤彦
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC17
(57)【要約】
【課題】 被着者を有効的に補助可能なアシストスーツの一例を開示する。
【解決手段】 アシストスーツ1は、2本の弾性体6、7が被着者の背部から離間することを規制する規制ベルト8と、2本の弾性体6、7の上端側に直接的又は間接的に連結された肩ベルト4、5とを備え、当該肩ベルト4、5は、被着者の胸部側にて規制ベルト8と連結可能である。これにより、これにより、2本の弾性体6、7と被着者との密着性が高まるので、当該アシストスーツ1では、被着者を有効的に補助可能となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着者の作業負荷を軽減するためのアシストスーツにおいて、
被着者の腰部に巻かれて当該腰部に装着される腰ベルトと、
一端側が前記腰ベルトの背面側に連結されて他端側が被着者の肩側に向けて延びる弾性体と、
前記腰ベルトより前記他端側の位置に設けられ、被着者の背面側を横断する規制ベルトであって、前記弾性体が被着者の背部から離間することを規制する規制ベルトと
を備えるアシストスーツ。
【請求項2】
前記弾性体の他端側に直接的又は間接的に連結された肩ベルトを備え、
前記肩ベルトは、被着者の胸部側にて前記規制ベルトと連結可能である請求項1に記載のアシストスーツ。
【請求項3】
前記規制ベルトと前記弾性体とを被着者の背面側にて連結する連結部を備える請求項1又は2に記載のアシストスーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被着者の作業負荷を軽減するためのアシストスーツに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のアシストスーツでは、帯板状の2本のバネ板が、被着者の背骨を避けるようにV字状に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6503115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、被着者を有効的に補助可能なアシストスーツの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
被着者の作業負荷を軽減するためのアシストスーツは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0006】
すなわち、当該構成要件は、被着者の腰部に巻かれて当該腰部に装着される腰ベルト(9)と、一端側が腰ベルト(9)の背面側に連結されて他端側が被着者の肩側に向けて延びる弾性体(6、7)と、腰ベルト(9)より他端側の位置に設けられ、被着者の背面側を横断する規制ベルト(8)であって、弾性体(6、7)が被着者の背部から離間することを規制する規制ベルト(8)とを備えることが望ましい。これにより、弾性体(6、7)と被着者との密着性が高まるので、当該アシストスーツでは、被着者を有効的に補助可能となる。
【0007】
そして、当該アシストスーツにおいては、弾性体(6、7)の他端側に直接的又は間接的に連結された肩ベルト(4、5)を備え、肩ベルト(4、5)は、被着者の胸部側にて規制ベルト(8)と連結可能であることが望ましい。これにより、被着者をより有効的に補助可能となる。
【0008】
また、規制ベルト(8)と弾性体(6、7)とを被着者の背面側にて連結する連結部(J4)を備えることが望ましい。これにより、弾性体(6、7)と被着者との密着性が高まるので、当該アシストスーツでは、被着者を有効的に補助可能となる。
【0009】
また、他のアシストスーツにおいては、被着者の腰部に巻かれて当該腰部に装着される腰ベルト(9)と、一端側が腰ベルト(9)の背面側に連結されて他端側が被着者の肩側に向けて延びる弾性体(6、7)と、被着者の臀溝に巻かれて臀部に装着される臀ベルト(10)であって、腰ベルト(9)の背面側に連結された臀ベルト(10)とを備えることが望ましい。これにより、弾性体(6、7)の下端側、つまり弾性体(6、7)及び腰ベルト(9)と身体との密着性が高まるので、当該アシストスーツでは、被着者を有効的に補助可能となる。
【0010】
そして、当該アシストスーツに係る弾性体(6、7)及び臀ベルト(10)は、腰ベルト(9)の背面側に設けられた樹脂製のバックプレート(9D)に連結されていることが望ましい。これにより、確実に密着性を高めることが可能となるので、被着者を有効的に補助可能となる。
【0011】
また、他のアシストスーツにおいては、被着者の腰部に巻かれて当該腰部に装着される腰ベルト(9)と、帯板バネ状の第1弾性体(6)であって、一端側が腰ベルト(9)の背面側に連結されて他端側が被着者の肩側に向けて延びる第1弾性体(6)と、帯板バネ状の第2弾性体(7)であって、一端側が腰ベルト(9)の背面側に連結されて他端側が被着者の肩側に向けて延びる第2弾性体(7)とを備え、腰ベルト(9)の背面側中央部を通り、かつ、腰ベルト(9)の長手方向と直交する仮想線を中央線(Lo)とし、第1弾性体(6)と腰ベルト(9)との連結部を第1腰連結部(J1)とし、第2弾性体(7)と腰ベルト(9)との連結部を第2腰連結部(J2)としたとき、第1腰連結部(J1)は、中央線(Lo)を挟んで第2腰連結部(J2)と反対側に位置し、さらに、第1弾性体(6)と第2弾性体(7)とは、腰ベルト(9)より他端側の位置にて交差して被着者の肩側に向けて延びて略X字状となっていることである。
【0012】
そして、当該アシストスーツでは、2本の弾性体(6、7)が腰ベルト(9)より他端側の位置にて交差して被着者の肩側に向けて延びて略X字状となっているので、被着者が前屈姿勢又は座位姿勢から立位姿勢に回復する際に捻りが加わった場合においても、被着者を有効的に補助可能である。
【0013】
また、当該アシストスーツは、第1弾性体(6)と第2弾性体(7)とが交差する部位にて連結されていることが望ましい。これにより、当該アシストスーツでは、被着者に対して大きな補助力を付与することが可能となる。
【0014】
また、当該アシストスーツは、第1弾性体(6)の他端から交差部までの寸法(L11)は、第1弾性体(6)の一端から交差部までの寸法(L21)より大きく、かつ、第2弾性体(7)の他端から交差部までの寸法(L12)は、第2弾性体(7)の一端から交差部までの寸法(L22)より大きいことが望ましい。なお、交差部とは、第1弾性体(6)と第2弾性体(7)とが交差する部位をいう。
【0015】
これにより、当該アシストスーツでは、被着者に対して大きな補助力を付与することが可能となる。
【0016】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係るアシストスーツの正面図である。
図2】第1実施形態に係るアシストスーツの背面図である。
図3】第1実施形態に係るアシストスーツの後身頃の正面図である。
図4】第1実施形態に係るアシストスーツの後身頃の背面図である。
図5】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
図7】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
図8】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
図9】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
図10】第1実施形態に係るアシストスーツの装着状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0019】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0020】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたアシストスーツは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0021】
(第1実施形態)
<1.アシストスーツの概要>
本実施形態は、ベスト(「チョッキ」、「ジレ」又は「ウェストコート」等ともいう。)形状のアシストスーツに本開示の一例が適用されたものである。なお、図1は、本実施形態に係るアシストスーツ1の前面図である。図2は、当該アシストスーツ1の背面図である。
【0022】
<1.1 アシストスーツの構成要素>
アシストスーツ1は、図1及び図2に示されるように、前身頃2、後身頃3、右肩ベルト4、左肩ベルト5、第1弾性体6、第2弾性体7、規制ベルト8、腰ベルト9、臀ベルト10及び背面パッド11等を少なくとも備える。
【0023】
<1.2 着衣部>
着衣部12は、ベスト状の着衣である。当該着衣部12は、前身頃2及び後身頃3により構成されている。つまり、前身頃2及び後身頃3は、着衣部12を構成する生地である。
【0024】
具体的には、前身頃2は、被着者の肩~胸部~脇下を覆う生地である。当該前身頃2は、右肩側の前身頃2及び左肩側の前身頃2にて構成されている。後身頃3は、被着者の背部、つまり肩から腰に至る背面を覆う生地である。なお、右肩側の前身頃2と左肩側の前身頃2とは、連結帯2Eにて連結可能である。
【0025】
<1.3 腰ベルト>
腰ベルト9は、被着者の腰部に巻かれて当該腰部に装着される部位である(図5参照)。当該腰ベルト9は、第1腰ベルト9A及び第2腰ベルト9B等を有している。第2腰ベルト9Bは、第1腰ベルト9Aの外周に巻かれるベルトである。
【0026】
第1腰ベルト9Aは、図3に示されるように、後身頃3と共に1枚の生地にて構成されている。なお、第1腰ベルト9Aのうち腰部に対応する部位(図3の斜線部分)は、摩擦係数が大きく滑り難い生地(いわゆる、グリップ生地)にて構成されている。
【0027】
そして、第1腰ベルト9Aの延び方向一端側及び他端側(図3では、第1腰ベルト9Aの右端側及び左端側)には、面線ファスナー(図示せず。)が設けられている。第1腰ベルト9Aの背面には、図4に示されるように、トンネル部9Cが設けられている。
【0028】
トンネル部9Cは、第2腰ベルト9Bが貫通挿入される左右方向に延びる扁平状の貫通穴である。第2腰ベルト9Bは、外側から第1腰ベルト9Aに重ねるように巻かれる平ベルトである。
【0029】
なお、第2腰ベルト9Bは、第1腰ベルト9Aより幅寸法が小さいベルトである。そして、第1腰ベルト9Aは、腰部全体及び下腹部を覆うように巻かれることが想定されたベルトである。第2腰ベルト9Bは、腸骨稜より下側に巻かれることが想定されたベルトである。
【0030】
<1.4 第1弾性体、第2弾性体>
第1弾性体6及び第2弾性体7は、図4に示されるように、一端側が腰ベルト9の背面側に連結され、かつ、他端側が被着者の肩側に向けて延びる帯板状のバネである。因み、本実施形態に係る第1弾性体6及び第2弾性体7は、炭素繊維強化プラスチック製である。
【0031】
第1弾性体6及び第2弾性体7の一端側(図4では、下端側)は、樹脂製のバックプレート9Dと共に腰ベルト9に連結固定されている。バックプレート9Dは、腰ベルト9より剛性が高い部材であって、腰ベルト9(本実施形態では、第1腰ベルト9A)の背面側略中央部に配置されたプレートである。
【0032】
具体的には、第1腰ベルト9Aには、バックプレート9Dが挿入された袋部(図示せず。)が設けられている。そして、第1弾性体6及び第2弾性体7の下端側は、バックプレート9Dと共に連結具Cにより第1腰ベルト9Aに連結固定されている。なお、連結具Cとは、例えば、ハトメやボルト等である。
【0033】
そして、腰ベルト9の背面側中央部を通り、かつ、腰ベルト9の長手方向と直交する仮想線を中央線Loとしたとき、図4に示されるように、第1腰連結部J1は、中央線Loを挟んで第2腰連結部J2と反対側に位置している。
【0034】
具体的には、第1腰連結部J1は中央線Loの左側に位置し、第2腰連結部J2は中央線Loの右側に位置する。なお、第1腰連結部J1とは、第1弾性体6と腰ベルト9との連結部をいう。第2腰連結部J2とは、第2弾性体7と腰ベルト9との連結部をいう。
【0035】
さらに、第1弾性体6と第2弾性体7とは、腰ベルト9より他端側(図4では、腰ベルト9より上方側)の位置にて交差して被着者の肩側に向けて延びて略X字状に配置されている。具体的には、第1弾性体6は右肩上がりに傾いており、第2弾性体7は左肩上がりに傾いている。
【0036】
そして、第1弾性体6の上端は、連結具Cにより右肩付近にて後身頃3に連結されている。同様に、第2弾性体7の上端は、連結具Cにより左肩付近にて後身頃3に連結されている。
【0037】
第1弾性体6と第2弾性体7とが交差する部位には、連結部J3が設けられている。連結部J3は、第1弾性体6と第2弾性体7とが連結具Cにて連結された部位である。なお、第1弾性体6及び第2弾性体7は、後身頃3に設けられた袋部3A内に収納されている。
【0038】
また、第1弾性体6と第2弾性体7とが交差する部位を交差部としたとき、図2に示されるように、第1弾性体6の上端から交差部までの寸法L11は、第1弾性体6の下端から交差部までの寸法L21より大きい。
【0039】
同様に、第2弾性体7の上端から交差部までの寸法L12は、第2弾性体7の下端から交差部までの寸法L22より大きい。なお、交差部の位置とは、第1弾性体6の中心線と第2弾性体7の中心線との交点である。
【0040】
<1.5 肩ベルト、規制ベルト>
肩ベルト4、5は、図1に示されるように、2本の弾性体6、7それぞれの上端側に直接的又は間接的に連結されたベルトである。具体的には、図2に示されるように、右肩ベルト4は、第1弾性体6の上端側にて後身頃3と共に連結具Cにて連結されている。
【0041】
左肩ベルト5は、第2弾性体7の上端側にて後身頃3と共に連結具Cにて連結されている。なお、肩ベルト4、5の位置は、ループ2A~2D(図1及び図2参照)により保持される。ループ2A~2Dは、前身頃2と協働して肩ベルト4、5が貫通する扁平環を構成する。
【0042】
規制ベルト8は、図2に示されるように、腰ベルト9より上方側の位置に設けられ、被着者の背面側を横断するベルトであって、2本の弾性体6、7が被着者の背部から離間することを規制するためのベルトである。
【0043】
具体的には、規制ベルト8は、被着者の背面のうち脇下に対応する位置又は胸部に対応する位置にて被着者の背面側を横断するように配置されているとともに、当該位置にて2本の弾性体6、7に連結されている。
【0044】
つまり、規制ベルト8は、連結部J4にて、後身頃3と共に2本の弾性体6、7と連結されている。具体的には、規制ベルト8、後身頃3及び2本の弾性体6、7は、連結部J4にて連結具Cで連結されている。
【0045】
規制ベルト8の長手方向一端側(右端側)8Aは、図1に示されるように、胸部側に回り込んでいる。同様に、規制ベルト8の長手方向他端側(左端側)8Bは、胸部側に回り込んでいる。そして、右肩ベルト4は、被着者の胸部側にて規制ベルト8の右端側8Aと連結可能である。左肩ベルト5は、被着者の胸部側にて規制ベルト8の左端側8Bと連結可能である。
【0046】
<1.6 臀ベルト>
臀ベルト10は、図5図8に示されるように、被着者の臀溝に巻かれて臀部に装着されるベルトである。当該臀ベルト10は、図2に示されるように、腰ベルト9の背面側に連結されている。
【0047】
具体的には、臀ベルト10は、連結ベルト10Aを介してバックプレート9Dに連結されている。連結ベルト10Aは、バックプレート9Dに設けられた貫通穴(図示せず。)に挿入された平ベルトである。
【0048】
なお、腰ベルト9には、少なくとも1つ(本実施形態では、2つ)の吊り輪10Bが設けられている。2つの吊り輪10Bは、臀ベルト10が挿入可能な環状部10Cを有する。なお、各吊り輪10Bは、連結ベルト10Aに対して左右対称の位置に設けられている。
【0049】
<1.7 背面パッド>
背面パッド11は、図9に示されるように、後身頃3と被着者の背面との間に発生する隙間を埋めるためのものである。当該背面パッド11は、図1に示されるように、パッドベルト11Aに固定されている。
【0050】
パッドベルト11Aは、後身頃3に巻き付け可能である。このため、被着者は、背面パッド11が適切な位置となるように、パッドベルト11Aを後身頃3に対して移動させることができる。
【0051】
因みに、人間の背骨はS字を描くように湾曲している。これに対して、第1弾性体6及び第2弾性体7は、S字状に湾曲していない。因みに、本実施形態に係る第1弾性体6及び第2弾性体7は、未変形状態では略真っ直ぐな帯板状である。
【0052】
このため、被着者がアシストスーツを装着した状態では、後身頃3と被着者の背面との間に大きな隙間が発生する(図9参照)。そして、背面パッド11は、当該隙間を埋めることを目的としたパッドである。
【0053】
<2.本実施形態に係るアシストスーツの使用方法>
被着者は、着衣部12を装着した後、肩ベルト4、5、腰ベルト9、規制ベルト8及び臀ベルト10が身体に密着するように状態とする。このとき、規制ベルト8と肩ベルト4、5とは、規制ベルト8が脇下に位置するように連結されることが望ましい(図10参照)。
【0054】
臀ベルト10は、被着者の臀溝から股間下に位置するように装着されることが望ましい(図5図7参照)。背面パッド11は、後身頃3と被着者の背面との間の隙間に位置するようにパッドベルト11Aの位置を調節することが望ましい(図9参照)。
【0055】
<3.本実施形態に係るアシストスーツの特徴>
本実施形態に係るアシストスーツ1では、2本の弾性体6、7が腰ベルト9より上端側の位置にて交差して被着者の肩側に向けて延びて略X字状に配置されているので、被着者が前屈姿勢又は座位姿勢から立位姿勢に回復する際に捻りが加わった場合においても、被着者を有効的に補助可能である。
【0056】
当該アシストスーツ1は、第1弾性体6と第2弾性体7とが交差する部位にて連結されている。これにより、当該アシストスーツ1では、被着者に対して大きな補助力を付与することが可能となる。
【0057】
第1弾性体6の上端から交差部までの寸法L11は、第1弾性体6の下端から交差部までの寸法L21より大きく、かつ、第2弾性体7の上端から交差部までの寸法L12は、第2弾性体7の下端から交差部までの寸法L22より大きい。これにより、当該アシストスーツ1では、被着者に対して大きな補助力を付与することが可能となる。
【0058】
当該アシストスーツ1は、2本の弾性体6、7が被着者の背部から離間することを規制する規制ベルト8を備える。これにより、2本の弾性体6、7と被着者との密着性が高まるので、当該アシストスーツ1では、被着者を有効的に補助可能となる。
【0059】
当該アシストスーツ1は、2本の弾性体6、7の上端側に直接的又は間接的に連結された肩ベルト4、5を備え、当該肩ベルト4、5は、被着者の胸部側にて規制ベルト8と連結可能である。これにより、被着者をより有効的に補助可能となる。
【0060】
そして、規制ベルト8は、2本の弾性体6、7と被着者の背面側にて連結されている。これにより、2本の弾性体6、7と被着者との密着性が高まるので、当該アシストスーツ1では、被着者を有効的に補助可能となる。
【0061】
また、当該アシストスーツ1は、被着者の臀溝に巻かれて臀部に装着され、腰ベルト9の背面側に連結された臀ベルト10を備える。これにより、2本の弾性体6、7の下端側、つまり弾性体6、7及び腰ベルト9と身体との密着性が高まるので、当該アシストスーツ1では、被着者を有効的に補助可能となる。
【0062】
そして、2本の弾性体6、7及び臀ベルト10は、腰ベルト9の背面側に設けられた樹脂製のバックプレート9Dに連結されている。これにより、確実に密着性を高めることが可能となるので、被着者を有効的に補助可能となる。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、2本の弾性体6、7がX字状に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、2本の弾性体6、7が平行又はV字状に配置された構成、又は1本の帯板状の弾性体が背骨(仮想線Lo)に沿って配置された構成であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、第1弾性体6と第2弾性体7とが交差部で連結されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1弾性体6と第2弾性体7とが交差部で連結されていない構成であってもよい。
【0065】
上述の実施形態では、寸法L11>寸法L21、かつ、寸法L12>寸法L22となる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、寸法L11=寸法L21、かつ、寸法L12=寸法L22となる構成であってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、規制ベルト8、臀ベルト10及び背面パッド11が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、規制ベルト8、臀ベルト10及び背面パッド11のうち少なくとも1つが廃止された構成であってよい。
【0067】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1… アシストスーツ
2… 前身頃
3… 後身頃
4… 右肩ベルト
5… 左肩ベルト
6… 第1弾性体
7… 第2弾性体
8… 規制ベルト
9… 腰ベルト
10… 臀ベルト
11… 背面パッド
12… 着衣部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10