(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130835
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/06 20060101AFI20230913BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
B62D25/06 B
B62D25/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035354
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 彰彦
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB55
3D203BB56
3D203BB59
3D203BB62
3D203BB63
3D203BB64
3D203CA52
3D203CA57
3D203CB03
3D203CB07
3D203CB10
3D203CB19
3D203CB24
3D203DA20
3D203DA27
3D203DA35
3D203DA37
(57)【要約】
【課題】ルーフパネルの上下曲げ振動を抑制し得る構造を有した車体構造を提供する。
【解決手段】ルーフパネル1とルーフサイドレール4とクォーターピラー6とを含む車体構造は、ルーフパネル1の下方で車両幅方向に延在し、ルーフパネル1の側縁におけるクォーターピラー上方部分に接合される端部を有する後部ルーフクロスメンバ2dと、後部ルーフクロスメンバ2dに接合される上接合部7aとルーフサイドレール4における車室側部分であるルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー上方部分に接合される下接合部7bとを有する、ブレース7と、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室を上方から覆うルーフパネルと、前記ルーフパネルの側縁に沿って車両前後方向に延びるルーフサイドレールと、前記ルーフサイドレールの車両前後方向における中間部から下方に延びるセンターピラーと、前記ルーフサイドレールの後端部と前記中間部との間の所定の部分から下方に延びるクォーターピラーと、前記ルーフパネルの下方で車両幅方向に延在し前記ルーフパネルの前記側縁におけるセンターピラー上方部分に接合される端部を有するセンタールーフクロスメンバと、を含む、車体構造であって、
前記ルーフパネルの下方で車両幅方向に延在し、前記ルーフパネルの前記側縁におけるクォーターピラー上方部分に接合される端部を有する後部ルーフクロスメンバと、
前記後部ルーフクロスメンバに接合される上接合部と前記ルーフサイドレールにおける車室側部分であるルーフサイドインナパネル部におけるクォーターピラー上方部分に接合される下接合部とを有する、ブレースと、
を含む、車体構造。
【請求項2】
前記ブレースのうちの前記上接合部と前記下接合部とを接続する部分は、断面視で車両幅方向外側に突出する円弧状に曲げられている、請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記ルーフサイドレールにおける前記センターピラーと前記クォーターピラーとの間の部分は、スライドドアをスライド可能に案内するガイドレールを収容するガイドレール収容部を構成し、
前記ガイドレール収容部は、前記ガイドレールを上方から支持する上パネルと、前記上パネルと協働して車両幅方向外側に開放された凹部を形成する下パネルと、を有し、
前記ルーフサイドレールは、前記ガイドレール収容部の後端部と、前記ルーフサイドインナパネル部における前記クォーターピラーよりも後方の部分とを連結するように延びた延出部を有し、
前記延出部における前記ガイドレール収容部の後端部との連結部分が車両幅方向の一方から視た側面視で前記ブレースと重なるように、前記延出部が配置されている、請求項1又は2に記載の車体構造。
【請求項4】
前記ブレースは、薄板材からなり、
前記上接合部は、前記ブレースのうちの前記後部ルーフクロスメンバに相対する部分の車両前後方向の中央部において、上方に膨らむ膨出形状で形成され、
前記下接合部は、前記ブレースのうちの前記ルーフサイドインナパネル部に相対する部分の車両前後方向の両縁部のそれぞれにおいて、車両幅方向外側に膨らむフランジ形状で形成されている、請求項1~3のいずれか一つに記載の車体構造。
【請求項5】
前記クォーターピラーの上端部及び前記ブレースは、側面視で、車両前後方向について、前記後部ルーフクロスメンバの前端を通って上下方向に延びる前側仮想線と前記後部ルーフクロスメンバの後端を通って上下方向に延びる後側仮想線との間に位置している、請求項1~4のいずれか一つに記載の車体構造。
【請求項6】
所定の車載部品を支持すると共に前記ルーフサイドインナパネル部に取り付けられる、一つ又は複数の支持ブラケットを含み、
前記一つ又は複数の支持ブラケットのうちのいずれかである対象支持ブラケットは、前記ブレースに接合されている、請求項1~5のいずれか一つに記載の車体構造。
【請求項7】
前記所定の車載部品は、乗員により把持されるアシスタントグリップである、請求項6に記載の車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室を上方から覆うルーフパネルと当該ルーフパネルの側縁に沿って車両前後方向に延びるルーフサイドレールとを含む車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ルーフサイドレールは、閉断面部を有し車両前後方向に延びている。このようなルーフサイドレール及びルーフパネルを含む車体構造の一例として、特許文献1に開示された車体構造が知られている。特許文献1の車体構造では、ルーフサイドレールの前後方向におけるセンターピラーとクォーターピラーとの間の部分には、車両幅方向外側に開放された凹部が形成され、この凹部内に、スライドドアをスライド可能に支持するアッパガイドレールが配置されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車体構造では、ルーフクロスメンバがルーフパネルの下方で且つセンターピラーに対応する位置において車両幅方向に延びるように設けられることが多い。このルーフクロスメンバによって、ルーフパネルの車両前後方向の概ね中央部分が補強され、ルーフパネル中央を腹とするルーフパネルの一次の上下曲げ振動が抑制される。しかし、この上下曲げ振動の振動モードには、ルーフパネル中央を節とする二次の上下曲げの振動モードもあり得るため、この二次の上下曲げ振動を効果的に抑制するための工夫が求められ得る。特に、特許文献1の車体構造のように、ルーフサイドレールにスライドドア用の凹部が形成される場合には、上述の二次の上下曲げ振動は大きくなり得る。
【0005】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、ルーフパネルの上下曲げ振動を従来よりも抑制し得る構造を有した車体構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明の一態様によると、車両の車室を上方から覆うルーフパネルと、前記ルーフパネルの側縁に沿って車両前後方向に延びるルーフサイドレールと、前記ルーフサイドレールの車両前後方向における中間部から下方に延びるセンターピラーと、前記ルーフサイドレールの後端部と前記中間部との間の所定の部分から下方に延びるクォーターピラーと、前記ルーフパネルの下方で車両幅方向に延在し前記ルーフパネルの前記側縁におけるセンターピラー上方部分に接合される端部を有するセンタールーフクロスメンバと、を含む、車体構造が提供される。この車体構造は、前記ルーフパネルの下方で車両幅方向に延在し、前記ルーフパネルの前記側縁におけるクォーターピラー上方部分に接合される端部を有する後部ルーフクロスメンバと、前記後部ルーフクロスメンバに接合される上接合部と前記ルーフサイドレールにおける車室側部分であるルーフサイドインナパネル部におけるクォーターピラー上方部分に接合される下接合部とを有する、ブレースと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る車体構造によれば、ルーフパネルの上下曲げ振動を従来よりも抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車体構造が適用された車体の概略の斜視図である。
【
図2】前記車体の側部における後側の部分及びその周辺を、車室外から視た拡大斜視図である。
【
図3】前記車体のクォーターピラー及びその周辺を車室内から視た側面図である。
【
図4】
図3に示すA-A線における部分断面図である。
【
図5】前記クォーターピラーの上部及びその周辺を、サイドボディアウタパネルを取り外した状態で車室外から視た部分拡大斜視図である。
【
図6】
図3に示すB-B線における部分断面図である。
【
図7】前記車体のブレース及びその周辺を車室内から視た拡大斜視図である。
【
図8】前記ブレース及び支持ブラケットの組立体を示す組立図である。
【
図9】前記ブレース及び支持ブラケットの組立体を別の方向からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車体構造が適用された車両の車体100の斜視図であり、
図2は車体100の側部における後側の部分及びその周辺を車室外から視た拡大斜視図であり、
図3は車体100の後述するクォーターピラー6及びその周辺を車室内から視た側面図である。なお、図において、矢印Frは車両前後方向における前方を示し、矢印Bは車両前後方向における後方を示す。矢印R及び矢印Lは、乗員が車両前方を見たときの車両幅方向(車幅方向)における右側及び左側を示す。そして、矢印Uは車両上下方向における上方を示し、矢印Dは車両上下方向における下方を示す。
【0010】
図1及び
図2を参照すると、車体100は、ルーフパネル1と、複数のルーフクロスメンバ2と、車体側部3と、を有している。
【0011】
ルーフパネル1は、車両の車室を上方から覆うパネルであり、金属製の薄板材からなる。ルーフパネル1は、上面視で車両前後方向に長い概ね矩形状に形成されている。本実施形態では、ルーフパネル1は、車両前後方向の大半の範囲に亘って概ね平坦な外面を有している。
【0012】
複数のルーフクロスメンバ2は、ルーフパネル1を下方から補強する部材であり、金属製の薄板材からなる。各ルーフクロスメンバ2は、ルーフパネル1の下方(パネル裏面側、車室側)で車両幅方向に延在しており、ルーフパネル1の車両幅方向の側縁に接合される端部を有している。つまり、ルーフクロスメンバ2はルーフパネル1の一方の側縁に接合される一端部とルーフパネル1の他方の側縁に接合される他端部とを有する。特に限定されるものではないが、
図1を参照すると、5つのルーフクロスメンバ2が互いに車両前後方向に離隔して設けられている。以下では、5つのルーフクロスメンバ2を、前側から順に、適宜に、フロントルーフクロスメンバ2a、センタールーフクロスメンバ2b、セカンドルーフクロスメンバ2c、後部ルーフクロスメンバ2d、リアエンドルーフクロスメンバ2eと呼ぶ。フロントルーフクロスメンバ2aはルーフパネル1の前端下部に設けられ、リアエンドルーフクロスメンバ2eはルーフパネル1の後端下部に設けられている。残りのルーフクロスメンバ(2b、2c、2d)の詳しい位置については後述する。
【0013】
車体側部3は、車体100における車両幅方向の外側の部分である。
図1~
図3を参照すると、車体側部3には、ヒンジ開閉式のサイドドア(図示省略)によって開閉される運転席用のドア開口3aと、スライド開閉式のサイドドアであるスライドドア(図示省略)によって開閉される後部座席用のドア開口3bと、クォーターガラス(図示省略)によって塞がれるクォーターガラス開口3cが開口されている。後部座席用のドア開口3bは、車体側部3の車両前後方向における運転席用のドア開口3aとクォーターガラス開口3cとの間の部分に開口されている。クォーターガラス開口3cは、車体側部3における車両上下方向の概ね上半分の領域に開口されている。
【0014】
車体側部3は、ルーフサイドレール4と、センターピラー5と、クォーターピラー6と、を含む。ルーフサイドレール4、センターピラー5及びクォーターピラー6はそれぞれ金属製の薄板材からなる。
【0015】
ルーフサイドレール4は、車体側部3において、ルーフパネル1の側縁に沿って車両前後方向に延びる部分であり、車体側部3の上部を構成している。ルーフサイドレール4は、車両幅方向に離隔した複数のパネル部(又はパネル部材)で構成されている。車体側部3は、左右一対のルーフサイドレール4,4を有している。そして、左右一対のルーフサイドレール4,4(つまり、左側の車体側部3の上部と右側の車体側部3の上部)は、ルーフパネル1及び各ルーフクロスメンバ2を介して互いに接続されている。
【0016】
センターピラー5は、車体側部3において、ルーフサイドレール4の車両前後方向における中間部から下方に延びる柱状の部分である。センターピラー5は、運転席用(前側)のドア開口3aの開口後縁部を構成すると共に後部座席用(後側)のドア開口3bの開口前縁部を構成している。
【0017】
クォーターピラー6は、車体側部3において、ルーフサイドレール4の後端部とルーフサイドレール4の中間部との間の所定の部分から下方に延びる柱状の部分である。換言すると、クォーターピラー6は、ルーフサイドレール4の車両前後方向においてセンターピラー5よりも後方位置から下方に延びている。クォーターピラー6は、後部座席用のドア開口3bの開口後縁部を構成すると共にクォーターガラス開口3cの開口前縁部を構成している。
【0018】
ルーフサイドレール4を構成する複数のパネル部は、ルーフサイドアウタパネル部41と、ルーフサイドレール4における車室側部分であるルーフサイドインナパネル部42と、を含む。ルーフサイドアウタパネル部41は、車体側部3の車体側面(意匠面)を構成するサイドボディアウタパネル3dの一部(上部)である。ルーフサイドアウタパネル部41は、車両幅方向外側に膨らんだ断面形状を有して車両前後方向に延び、車両側面の一部を構成している。ルーフサイドインナパネル部42は、車両幅方向内側に膨らんだ断面形状を有して車両前後方向に延びている。ルーフサイドアウタパネル部41は、ルーフサイドレール4を構成する複数のパネル部のうちの車両幅方向について最も外側に位置し、ルーフサイドインナパネル部42はルーフサイドレール4を構成する複数のパネル部のうちの車両幅方向について最も内側に位置している。
【0019】
ルーフサイドレール4は、運転席用のドア開口3aの上方部分、後部座席用のドア開口3bの上方部分、クォーターガラス開口3cの上方部分、及び、クォーターピラー6の上方部分とで、異なる断面形状を有している。
【0020】
ルーフサイドレール4における運転席用のドア開口3aの上方部分やクォーターガラス開口3cの上方部分は、図示を省略するが、ルーフサイドアウタパネル部41とルーフサイドインナパネル部42とにより構成された閉断面構造を有している。
【0021】
図2を参照すると、ルーフサイドレール4における後部座席用のドア開口3bの上方部分(つまり、ルーフサイドレール4における車両前後方向についてセンターピラー5とクォーターピラー6との間の部分)は、後部座席用のドア開口3bの開口上縁部を構成すると共に、スライドドアをスライド可能に案内するガイドレール(アッパレール)Vを収容するガイドレール収容部40を構成している。なお、
図1では、ガイドレール収容部40は図示を省略されている。
【0022】
図4は、
図3に示すA-A線における部分断面図である。
図5は、車体100のクォーターピラー6の上部及びその周辺を車室外から視た部分拡大斜視図であり、サイドボディアウタパネル3dを取り外した状態で示されている。
図6は、
図3に示すB-B線における部分断面図である。
【0023】
図2、
図4及び
図5を参照すると、ガイドレール収容部40は、車両幅方向外側に開放された凹部40aを有し、この凹部40a内にガイドレールVが配置される。
図2に示されるように、ガイドレールVは、凹部40aの車両前後方向の後端側の部分から前方に直線的に延びた後、凹部40aの前端の手前において車両前後方向の前方に向かうにしたがって車両幅方向内側に湾曲している。
【0024】
ガイドレール収容部40は、ガイドレールVを上方から支持する上パネル43と、上パネル43と協働して車両幅方向外側に開放された凹部40aを形成する下パネル44と、を有する。つまり、ルーフサイドレール4における後部座席用のドア開口3bの上方部分は、ルーフサイドアウタパネル部41及びルーフサイドインナパネル部42に加えて、上パネル43と下パネル44を含む。
【0025】
図4を参照すると、ルーフパネル1の側縁には、ルーフサイドレール4との接合部をなす屈曲したフランジ部が形成されている。ルーフサイドレール4のうちのガイドレール収容部40を有する部分において、ルーフサイドアウタパネル部41、ルーフサイドインナパネル部42、上パネル43及び下パネル44のそれぞれの端部にも、他の部材との接合部をなす屈曲したフランジ部が形成されている。ルーフサイドレール4のうちのガイドレール収容部40を有する部分において、上パネル43はルーフサイドアウタパネル部41の下方に配置され、下パネル44は上パネル43の内側フランジ部とルーフサイドインナパネル部42との間の隙間を通過するように配置されている。この配置関係で、ルーフパネル1の側縁のフランジ部、ルーフサイドアウタパネル部41の内側フランジ部、下パネル44の上側フランジ部、及び、ルーフサイドインナパネル部42の上側フランジ部はこの順番で重ねられて互いに溶接され、上パネル43の外側フランジ部はルーフサイドアウタパネル部41の外側フランジ部に内側から重ねて溶接され、上パネル43の内側フランジ部は下パネル44の上下方向の中間部に重ねて溶接され、下パネル44の下側フランジ部はルーフサイドインナパネル部42の下側フランジ部と重ねて溶接されている。そして、ガイドレール収容部40の凹部40aは、上パネル43と下パネル44における上パネル43との接合部分より下方の部分とによって形成されている。
【0026】
図4及び
図5を参照すると、上パネル43は車両前後方向且つ車両幅方向に延びる上パネル本体部43aを有し、ガイドレールVは上パネル本体部43aの下面に接合される。上パネル43の内側フランジ部及び外側フランジ部は上パネル本体部43aの側縁からそれぞれ延びている。下パネル44は、上パネル本体部43aの下方で上パネル本体部43aに対して略平行に延びる下パネル片44aと、下パネル片44aの内側の側縁から上方に延びる下パネル側壁片44bとを有する。下パネル44の下側フランジ部は下パネル片44aの外側の側縁から下方に延び、下パネル44の上側フランジ部は下パネル側壁片44bの上端から内側に延びている。
【0027】
図5を参照すると、ガイドレール収容部40はその後端が車両前後方向についてクォーターピラー6の前縁よりも後方に張り出し且つクォーターピラー6の後縁よりも前方に位置するように配置されている。つまり、ガイドレール収容部40を構成する上パネル43の後端及び下パネル44の後端は、車両前後方向についてクォーターピラー6の前縁と後縁との間に位置している。
【0028】
上パネル43におけるクォーターピラー6の前縁よりも後方に張り出した上パネル後部43bは全体的に後下がりに滑らかに湾曲している。下パネル44におけるクォーターピラー6の前縁よりも後方に張り出した下パネル後部44cは、下パネル片44a及び下パネル44の下側フランジ部と連続し且つ車両幅方向外側及び車両上下方向上側に膨らむように形成されている。下パネル後部44cの後端部は、断面視で階段状に屈曲している。そして、上パネル後部43bは、下パネル後部44cにおける上方に膨らんだ部分に上方から重ねて溶接されている。また、上パネル後部43bの一部は下パネル後部44cの後端よりも後方に突出すると共に後述する延出部45に重ねて溶接されている。
【0029】
本実施形態では、ルーフサイドレール4は、ガイドレール収容部40の後端部とルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー6よりも後方の部分とを連結するように延びた延出部45を有する。延出部45は、ガイドレール収容部40の後端部に重なってガイドレール収容部40に溶接により接合されるレール側接合部45aと、ルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー6よりも後方の部分に重なってルーフサイドインナパネル部42に溶接により接合されるパネル側接合部45bと、レール側接合部45aとパネル側接合部45bを接続するように滑らかに湾曲した本体片45cとからなる。
【0030】
図5及び
図6を参照すると、具体的には、レール側接合部45aは、階段状に屈曲した下パネル後部44cの後端部の下面に沿うように屈曲しており、下パネル後部44cの後端部に下方から重ねて溶接されている。そして、
図5を参照すると、パネル側接合部45bは、ルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー6よりも後方の部分(換言すると、ルーフサイドインナパネル部42のうちのクォータ―ガラス開口3の開口上縁を構成する部分)の概ね車両幅方向内側に凸形状に湾曲した表面に沿うフランジ状に形成されている。本体片45cは、断面形状が互いに異なるレール側接合部45aとパネル側接合部45bを滑らかに接続する曲面を有している。
【0031】
図6に示されたクォーターピラー6を含む断面位置(詳しくは、ガイドレール収容部40の後端部と延出部45が互いに重なる部分を含む断面位置)において、ルーフサイドレール4のルーフサイドアウタパネル部41はクォーターピラー6の外側パネル(サイドボディアウタパネル3dの一部)と連続するように延び、ルーフサイドインナパネル部42はクォーターピラー6の内側パネルと連続するように延び、下パネル44の上側フランジ部はルーフパネル1の側縁のフランジ部よりも車両幅方向内側に張り出すように延長されている。そして、
図6を参照すると、クォーターピラー6を含む断面位置において、ルーフパネル1の側縁のフランジ部、後部ルーフクロスメンバ2dの端部、ルーフサイドアウタパネル部41の内側フランジ部、及び、下パネル44の上側フランジ部はこの順番で重ねられて互いに溶接され、ルーフサイドインナパネル部42の上側フランジ部は下パネル44の上側フランジ部の延長フランジ部44dに下方から重ねて溶接されている。
【0032】
ここで、ルーフパネル1は上述のように上面視で車両前後方向に長い概ね矩形状に形成されている。そのため、車両の走行時において、主に、車両前後方向の概ね中央であるルーフパネル中央を腹とする一次の上下曲げ振動(一次の上下曲げ振動モードの振動)やルーフパネル中央を節とする二次の上下曲げ振動(二次の上下曲げ振動モードの振動)などが発生するおそれがある。そして、これらの振動によって、車室内には、低周波のこもり音(低周波音)が発生するおそれがある。この点に関し、車体100には、以下の様々な対策がなされている。
【0033】
車体100のルーフパネル1は上述の各ルーフクロスメンバ2によって補強されている。具体的には、センタールーフクロスメンバ2bは、車両前後方向について、センターピラー5に対応する前後方向位置でルーフパネル1の側縁に接合されている。つまり、センタールーフクロスメンバ2bは、ルーフパネル1の側縁におけるセンターピラー5の上方部分であるセンターピラー上方部分に接合される端部を有している。これにより、センタールーフクロスメンバ2bがセンターピラー5によって強固に支持され、その結果、ルーフパネル1のルーフパネル中央(換言するとセンタールーフクロスメンバ2bの上方のパネル部分)を腹とした一次の上下曲げ振動が抑制される。
【0034】
後部ルーフクロスメンバ2dは、車両前後方向について、クォーターピラー6に対応する前後方向位置でルーフパネル1の側縁に接合されている。つまり、後部ルーフクロスメンバ2dは、ルーフパネル1の側縁におけるクォーターピラー6の上方部分であるクォーターピラー上方部分に接合される端部を有している。これにより、後部ルーフクロスメンバ2dがクォーターピラー6によって強固に支持され、その結果、ルーフパネル1における後部ルーフクロスメンバ2dの上方のパネル部分の上下曲げ振動が抑制され、ひいては、ルーフパネル1のルーフパネル中央を節とした二次の上下曲げ振動が抑制される。
【0035】
本実施形態では、センタールーフクロスメンバ2bと後部ルーフクロスメンバ2dとの間に、セカンドルーフクロスメンバ2cが設けられているため、ルーフパネル1の一次及び二次を含む上下曲げ振動がより効果的に抑制される。
【0036】
車体100は、ルーフパネル1の振動抑制などに関し、さらに以下の構造を有している。
【0037】
車体100(車体構造)は、金属製の薄板材からなると共に後部ルーフクロスメンバ2dをより強固に支持する、ブレース7を有する。
図7はブレース7及びその周辺を車室内から視た拡大斜視図である。なお、
図6は
図7に示すB-B線における部分断面図でもある。
【0038】
図6及び
図7を参照すると、ブレース7は、後部ルーフクロスメンバ2dに接合される上接合部7aと、ルーフサイドレール4に接合される下接合部7bとを有する。上接合部7aは、後部ルーフクロスメンバ2dの下面における車両幅方向の端部(フランジ部)の手前の所定部分に接合されている。下接合部7bは、ルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー6の上方部分であるクォーターピラー上方部分に接合されている。つまり、後部ルーフクロスメンバ2d、ブレース7及びクォーターピラー6が車両幅方向の一方から視た側面視において、上下に一列に並ぶように配置されている。なお、ブレース7の形状については後述する。
【0039】
本実施形態では、
図3及び
図6を参照すると、ルーフサイドレール4の延出部45におけるガイドレール収容部40の後端部との連結部分(接合部分)が車両幅方向の一方から視た側面視でブレース7と重なるように、延出部45が配置されている。具体的には、延出部45の前部であるレール側接合部45aの領域とブレース7の領域とが側面視で互いに部分的に重なっている。
【0040】
本実施形態では、車体100は、所定の車載部品P(
図3の太破線参照)を支持すると共にルーフサイドインナパネル部42に取り付けられる、一つ又は複数の支持ブラケット8を含む。そして、一つ又は複数の支持ブラケット8のうちのいずれかである対象支持ブラケット8aは、ブレース7に接合されている。
【0041】
具体的には、車体100は、車両前後方向に互いに離隔する前後一対の支持ブラケット8,8を含む。そして、特に限定されるものではないが、ブレース7に接合される対象支持ブラケット8aは後側の支持ブラケット8であり、後側の支持ブラケット8は主にブレース7に接合されることでルーフサイドインナパネル部42に取り付けられている。そして、前側の支持ブラケット8はルーフサイドインナパネル部42におけるブレース7よりも前方の部分に接合されることでルーフサイドインナパネル部42に直接的に取り付けられている。また、特に限定されるものではないが、本実施形態では、前側の支持ブラケット8の形状は後側の支持ブラケット8(対象支持ブラケット8a)の形状と同じであり、前と後とで同じ部品が用いられている。なお、支持ブラケット8の形状については後述する。
【0042】
本実施形態では、所定の車載部品Pは、乗員により把持されるアシスタントグリップ9(
図3の太破線参照)である。アシスタントグリップ9は乗員が乗降動作を行う際又は走行時の揺れから体を安定させる際に把持する樹脂製部品である。アシスタントグリップ9はアーチ状に形成され、アシスタントグリップ9の両端部が前後一対の支持ブラケット8,8に取り付けられて支持される。図示を省略されているが、ルーフパネル1、ルーフサイドインナパネル部42、センターピラー5、クォーターピラー6、支持ブラケット8等は、トリムなどの内装部材によって車室側から覆われており、アシスタントグリップ9はその基端部が前後一対の支持ブラケット8,8に支持された状態で車室内に位置している。
【0043】
図8はブレース7及び支持ブラケット8(対象支持ブラケット8a)の組立体を示す組立図であり、
図9は前記組立体を別の方向からみた図である。
【0044】
本実施形態では、ブレース7のうちの上接合部7aと下接合部7bとを接続する部分であるブレース本体7cは、断面視で車両幅方向外側に突出する円弧状に曲げられている。
【0045】
本実施形態では、上接合部7aは、ブレース7のうちの後部ルーフクロスメンバ2dに相対する部分の車両前後方向の中央部において、上方に膨らむ膨出形状で形成されている。そして、下接合部7bは、ブレース7のうちのルーフサイドインナパネル部42に相対する部分の車両前後方向の両縁部のそれぞれにおいて、車両幅方向外側に膨らむフランジ形状で形成されている。
【0046】
具体的には、ブレース7は、一枚の金属製の薄板材をプレス成形することにより形成されている。ブレース7は、全体として車両幅方向外側に凸形状に曲がっており、ブレース7の上側の部分が上方に突出したハット形状の断面を有し、ブレース7の下側の部分が車両幅方向内側に突出したハット形状の断面を有している。そして、ブレース7の上側のハット形状部分における突出部分が上接合部7aを構成し、ブレース7の下側のハット形状部分におけるフランジ部が下接合部7bを構成している。そして、ブレース本体7cは、例えば、ブレース7の上側のハット形状部分における前後方向に平坦なフランジ部と、ブレース7の下側のハット形状部分における前後方向に平坦な頂部とからなり、車両幅方向の一方から視た側面視では概ねY字状に形成されている。そして、ブレース本体7cは、上下方向について、上接合部7aと下接合部7bとの間の中間位置において、断面視で円弧状に滑らかに曲がっている。なお、ブレース7の上側のハット形状部分におけるフランジ部には、ハーネスクラップ用のクランプ孔7dが開口されている。
【0047】
上接合部7aには、図示を省略したボルト挿通用の孔が開口されている。そして、後部ルーフクロスメンバ2dにおける上接合部7aに対応する部分は、下方に膨らむ膨出形状で形成され、この膨出部2d1にはボルト挿通用の孔が開口される共にこの膨出部2d1の上面側にはナット(図示省略)が溶接されている。上接合部7aは、後部ルーフクロスメンバ2dの前記ナットにボルトを車室側から締結することで後部ルーフクロスメンバ2dの下面に接合される。
【0048】
下接合部7bであるブレース7の下側のハット形状部分における各フランジ部は、ルーフサイドインナパネル部42に重ねて溶接されることでルーフサイドインナパネル部42に接合される。
【0049】
支持ブラケット8は、一枚の金属製の薄板材をプレス成形することにより形成されている。支持ブラケット8は、アシスタントグリップ9が取り付けられる取付面部81と、ブレース7又はルーフサイドインナパネル部42に接合される脚部82とを有する。取付面部81は、支持ブラケット8がブレース7等に接合された状態で、車室側斜め下方に臨むようになっている。取付面部81は、平面視で四角形状に形成されている。脚部82は、取付面部81の四辺のうちの上辺を除く三辺のそれぞれから取付面部81の面に対して概ね直角に交差する方向に延びている。車両前後方向について、前側の脚部82と後側の脚部82は互いに相対しており、下側の脚部82の車両前後方向の両端部は前側の脚部82の端縁と後側の脚部82の端縁とを取り囲むように折れ曲がっている。また、各脚部82の先端部には、接合用のフランジ部83が設けられている。
【0050】
対象支持ブラケット8aである後側の支持ブラケット8において、前側の脚部82のフランジ部83はブレース7の下接合部7bのうちの前側のフランジ部に内側から重ねて溶接され、後側の脚部82のフランジ部83はブレース7の下接合部7bのうちの後側のフランジ部に内側から重ねて溶接される。一方、下側の脚部82のフランジ部83は、ルーフサイドインナパネル部42に重ねて溶接される。前側の支持ブラケット8において、各脚部82のフランジ部83は、ルーフサイドインナパネル部42に重ねて溶接される。
【0051】
図3に戻って、本実施形態では、クォーターピラー6の上端部(詳しくは、クォーターピラー6のうちのルーフサイドインナパネル部42との接続部分)及びブレース7は、側面視で、車両前後方向について、後部ルーフクロスメンバ2dの前端を通って上下方向に延びる前側仮想線L1と後部ルーフクロスメンバ2dの後端を通って上下方向に延びる後側仮想線L2との間に位置している。また、対象支持ブラケット8aも側面視で車両前後方向について前側仮想線L1と後側仮想線L2との間に位置している。
【0052】
本実施形態に係る車体100に適用した車体構造では、ブレース7の上接合部7aが後部ルーフクロスメンバ2dに接合され、ブレース7の下接合部7bがルーフサイドレール4における車室側部分であるルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー上方部分に接合される。これにより、後部ルーフクロスメンバ2d、ブレース7及びクォーターピラー6が上下に一列に並ぶように配置されることになり、後部ルーフクロスメンバ2dがクォーターピラー6に加えてブレース7によって下方から強固に支持される。その結果、後部ルーフクロスメンバ2dの振動が効果的に抑制され、ルーフパネル1の二次の上下曲げ振動が従来よりも抑制される。
【0053】
このようにして、本実施形態に係る車体100に適用された車体構造によれば、ルーフパネル1の上下曲げ振動を従来よりも抑制することができる。また、ルーフパネル1の振動が抑制されることで、走行時の低周波のこもり音の発生が抑制される。そして、ルーフパネル1の二次の上下曲げ振動の固有振動数がブレース無しの場合の固有振動数よりも高まること、及び、当該振動のゲイン(ピークレベル)がブレース無しの場合のゲインよりも低くなることが確認された。その結果、こもり音の発生がより効果的に抑制されている。
【0054】
また、ブレース7は強固な構造部分を構成することになる。したがって、本実施形態のように、アシスタントグリップ9を支持する支持ブラケット8の対象支持ブラケット8aがブレース7に接合されることで、対象支持ブラケット8a及びアシスタントグリップ9がより強固に車体側に支持される。アシスタントグリップ9の取付部の強度の向上が図られる。また、支持ブラケット8がブレース7に接合されることで、ブレース7を含む部分の剛性が向上する。そして、車体100全体の剛性の向上も図られ、その結果、走行安定性の向上及びノイズ低減が図られる。さらに、各ルーフクロスメンバ2が上下に変位(移動)し難くなるので、製造工程における電着の際のルーフクロスメンバ2の変位が減少し、シーラー剥がれが防止される。
【0055】
本実施形態では、ブレース7のブレース本体7cは断面視で車両幅方向外側に突出する円弧状に曲げられている。これにより、上下方向に延びるクォーターピラー6と後部ルーフクロスメンバ2dが滑らかな曲面を有したブレース本体7cを介してつながることになり、応力の集中が防止され、ブレース7の折れ曲がりが防止されると共にブレース7の上下動も抑制される。その結果、後部ルーフクロスメンバ2dをより強固に支持することができる構造が構築される。
【0056】
本実施形態では、ガイドレール収容部40の後端部とルーフサイドインナパネル部42におけるクォーターピラー6よりも後方の部分(換言すると、ルーフサイドインナパネル部42のうちのクォーターガラス開口3cの上方部分)が延出部45によって連結され、延出部45におけるガイドレール収容部40の後端部との連結部分(レール側接合部45a)が車両幅方向の一方から視た側面視でブレース7と重なるように、延出部45が配置されている。これにより、ルーフサイドレール4のうちのブレース近傍で且つブレース7に対して車両幅方向外側の部分と、強固な構造部分であるルーフサイドインナパネル部42のクォーターピラー6よりも後方の部分が、延出部45を介してつながることになり、ルーフサイドレール4におけるブレース近傍の部分の上下方向についての強度が向上する。その結果、ルーフパネル1の二次の上下曲げ振動がより効果的に抑制される。また、アシスタントグリップ9の支持剛性の向上も図られる。
【0057】
本実施形態では、ブレース7の上接合部7aは上方に膨らむ膨出形状で形成され、ブレース7の下接合部7bは車両幅方向外側に膨らむフランジ形状で形成されている。これにより、薄板材からなるブレース7の剛性が向上し、より強固な構造が構築される。また、ブレース7が滑らかな曲面を有したブレース本体7cを主な構造として有していても、膨出形状及びフランジ形状を有することで、ブレース7が補強され、ブレース7の面剛性の向上も図られる。また、後部ルーフクロスメンバ2dにおける上接合部7aに対応する部分が下方に膨らむ膨出形状で形成されるので、ルーフパネル1の意匠面への影響はない。
【0058】
本実施形態では、クォーターピラー6の上端部(詳しくは、クォーターピラー6のうちのルーフサイドインナパネル部42との接続部分)及びブレース7は、側面視で、車両前後方向について、後部ルーフクロスメンバ2dの前端を通る前側仮想線L1と後部ルーフクロスメンバ2dの後端を通る後側仮想線L2との間に位置している。これにより、後部ルーフクロスメンバ2dがさらに強固に支持され、ルーフパネル1の二次の上下曲げ振動がさらに効果的に抑制される。そして、後部ルーフクロスメンバ2dが振動したとしても、その振動及び当該振動により生じる応力が効率よくクォーターピラー6に伝達され、ルーフパネル1の振動の抑制効果及び減衰性が高まる。
【0059】
なお、本実施形態では、ブレース7に接合される対象支持ブラケット8aは、後側の支持ブラケット8に限らず、前側の支持ブラケット8でもよい。そして、支持ブラケット8に支持される所定の車載部品Pは、アシスタントグリップ9に限らず、カーテンエアバックや釣り竿などを保持するロッドホルダーなどでもよい。支持ブラケット8は2つに限らず、1つでもよく、3つ以上でもよい。また、ブレース7の上接合部7aと後部ルーフクロスメンバ2dはボルト締結により接合されているが、これに限らず、溶接により接合されてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…ルーフパネル、2b…センタールーフクロスメンバ、2d…後部ルーフクロスメンバ、4…ルーフサイドレール、40…ガイドレール収容部、40a…凹部、42…ルーフサイドインナパネル部、43…上パネル、44…下パネル、45…延出部、5…センターピラー、6…クォーターピラー、6a…クォーターピラーの上端部、7…ブレース、7a…上接合部、7b…下接合部、8…支持ブラケット、9…アシスタントグリップ、L1…前側仮想線、L2…後側仮想線、P…所定の車載部品、V…ガイドレール、