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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013084
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】卵製品の情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117008
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】南部 隆彦
【テーマコード(参考)】
3C100
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA34
3C100AA57
3C100AA68
3C100BB04
3C100BB05
3C100BB15
3C100BB34
3C100BB38
3C100BB39
3C100CC02
3C100DD04
3C100DD22
3C100DD32
3C100DD33
3C100EE14
(57)【要約】
【課題】卵製品に関する情報の記録作業を容易にする。
【解決手段】本発明の卵製品の情報管理システム10は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と画像とを表示する表示部13と、表示部13に表示された情報をもとに、卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かを入力する入力部12とを備える。または、受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かを判断する判断部を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵製品に付す前の資材を撮影した画像と、前記卵製品の受注情報と、前記卵製品の生産情報とを紐付けて記録する、卵製品の情報管理システム。
【請求項2】
前記受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と前記画像とを表示する表示部と、
前記表示部に表示された情報をもとに、前記卵製品に関する情報と前記画像とが対応しているか否かを入力する入力部とを備える、請求項1記載の卵製品の情報管理システム。
【請求項3】
前記受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と前記画像とが対応しているか否かを判断する判断部を備える、請求項1記載の卵製品の情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵製品の情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の小売店に流通しているパック詰めの卵製品は、近年、アイテムが非常に増えてきている。それに伴い、GPセンターでは、多品種少量生産へとシフトしており、生産ラインにおけるアイテムの切り替え頻度が増えている(例えば、特許文献1を参照)。その切り替えのつど、情報を記録し管理する必要があるが、その記録は手作業で行われているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-097989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、卵製品に関する情報の記録作業を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の卵製品の情報管理システムは、卵製品に付す前の資材を撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、卵製品に関する情報の記録作業を容易にできる。
【0007】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態にかかる卵製品の情報管理システムを適用可能な装置を示す正面図である。
図2】同実施形態にかかる装置を示す平面図である。
図3】同実施形態にかかる装置を示す正面図である。
図4】同実施形態にかかる卵製品の情報管理システムの構成を示すブロック図である。
図5】同実施形態にかかる卵製品の情報管理システムを用いた卵に関する情報管理方法の一例を示すフローチャートである。
図6】同実施形態の管理部で管理される情報の一例を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態にかかる卵製品の情報管理システムを用いた卵に関する情報管理方法の一例を示すフローチャートである。
図8】さらに他の実施形態にかかる卵製品の情報管理システムを用いた卵に関する情報管理方法の一例を示すフローチャートである。
図9】他の実施形態にかかる装置を示す平面図である。
図10】他の実施形態にかかる装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態にかかる卵製品の情報管理システム10は、卵製品の生産設備3で用いられる。
【0010】
卵製品の生産設備3は、例えば、卵Eを容器Pに詰める装置と、卵製品に資材Sを付与する装置5と、容器Pの蓋を閉じる装置とを少なくとも備える。各装置は、コンベヤ4で接続されており、卵Eが上流側から下流側へと流れて、GPセンターから出荷される状態にされる。本実施形態では、卵製品の情報管理システム10が、容器Pに入った卵Eに豆シール(資材Sの一例)を貼り付ける豆シール機(装置5の一例)で用いられる場合について説明する。
【0011】
容器Pは、複数個の卵Eを収容可能なもので、蓋を備えるパックである。
【0012】
装置5は、供給部6と、搬送部7と、付与部8と、巻取部(図示しない)とを備える。供給部6は、複数枚の資材Sを備えた台紙がロール状に巻かれてセットされる。搬送部7は、供給部6から繰り出された資材Sが搬送される。付与部8は、搬送部7の端部で台紙から資材Sを剥がし、卵Eに貼り付ける。巻取部は、資材Sが剥がされた後の台紙を回収する。
【0013】
切り替え作業は、受注情報に基づいて行われる。受注情報は、発注元からGPセンターに送られる。受注情報には、卵製品名、数量、納品先、賞味期限などが含まれる。GPセンターでは、この受注情報に基づいてパック詰めの卵製品を生産する。GPセンターでは、一日に複数種類の卵製品が生産される。卵製品は、種類ごとに、容器P、卵E、資材Sが異なる。GPセンターでは、受注情報に応じて、容器P、卵E、資材S、資材Sごとの各装置の設定情報などを変更する。
【0014】
卵製品の情報管理システム10は、例えば、容器Pに卵Eが収容された卵製品に付す資材Sの表示内容が同じ一群の卵製品と、これと異なる表示内容の一群の卵製品との間の切り替えタイミングに用いられる。作業者が行う資材Sの切り替え作業が終わった後、製品の生産開始前に作業者が端末1を操作する。卵製品の情報管理システム10は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。
【0015】
卵製品の情報管理システム10は、端末1と、処理装置2とを主体に構成される。本実施形態の端末1は、装置5に関連づけて設けられているが、装置5に固定されているものではなく、作業者が撮影のたびに撮影部11を撮影ポイントに位置付ける。
【0016】
図4に示すように、端末1は、撮影部11と、入力部12と、表示部13と、通信部14とを備える。
【0017】
撮影部11は、卵製品に付す前の資材Sを撮影する。撮影部11は、例えば、卵製品に資材Sを付す付与部8を含むように資材Sを撮影する。次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に、言い換えれば、付与部8に一番近い場所まで到達している状態を撮影する。撮影部11は、資材Sに表示される卵製品名を識別するための特徴部分や、資材Sに印字された賞味期限が含まれるように撮影する。付与部8は、上下方向に移動可能なローラを用いて卵Eに資材Sを貼り付ける。
【0018】
入力部12は、表示部13に表示された情報をもとに、卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かが入力される。入力部12への入力は、例えば、資材Sを撮影した作業者が行う。なお、入力部12への入力は、資材Sを撮影した作業者以外が行ってもよく、GPセンター内の別の作業者や、事務所など別の場所に居る管理者などが行ってもよい。入力部12は、撮影部11と同じ端末1に設けられるものであってもよいし、通信部14を介して情報が送受信される他の端末1に設けられるものであってもよい。
【0019】
具体的には、次に生産する卵製品に関する情報が表示部13に表示されるとともに、撮影部11で撮影された画像が表示部13に表示される。作業者など入力部12への入力を行う人が、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達しているかについて確認するととともに、卵製品に関する情報と撮影された画像とを見比べる。その結果、生産を開始しても問題ない状態であれば、その旨を入力する。卵製品に関する情報は、例えば、卵製品名、賞味期限、装置5の設定情報などである。卵製品に関する情報は、卵製品の受注情報に基づいて特定される。
【0020】
表示部13は、受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報や、撮影部11で撮影した画像や、入力部12の画面を表示する。
【0021】
通信部14は、例えばネットワークを介して処理装置2と通信を行う。具体的には、通信部14は、処理装置2から卵製品に関する情報を受信し、資材Sを撮影した画像を送信する。
【0022】
図4に示すように、処理装置2は、受注情報受付部21と、生産計画立案部22と、送受信部23と、画像処理部24と、管理部25とを備える。
【0023】
受注情報受付部21は、卵製品の受注情報を受け付ける。
【0024】
生産計画立案部22は、卵製品の受注情報に基づいて生産計画を立案する。生産計画立案部22は、例えば、生産順序や、どの生産設備3を用いるかを決定する。具体的には、卵製品の受注情報に基づいて、装置5では、何時から、どの卵製品アイテムについて、どのような印字内容で卵製品を作るか、などの情報を決定する。
【0025】
送受信部23は、例えばネットワークを介して生産設備3に関連して設けられた複数の端末1と通信を行う。
【0026】
画像処理部24は、撮影部11で撮影された後に受信した画像を処理する。画像処理部24は、撮影画像から卵製品名や賞味期限を識別する解析処理を行う。画像処理部24は、画像が撮影された時刻情報(卵製品の生産開始時刻、または、ラベル交換時刻)を当該画像に紐付けてもよい。
【0027】
管理部25は、入力部12へ入力された内容に基づいて、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像を受注情報と紐付けて記録する。また、管理部25は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。卵製品の生産情報は、例えば、卵の産卵日などの原材料の卵に関する情報や、選別や包装に用いられた装置に関する情報、選別日や包装日などの生産日、生産開始時刻や生産終了時刻などである。生産情報は、日付情報や時刻情報を含む日時情報であってもよい。生産情報は、処理装置2で受け付けてもよいし、端末1の入力部12を介して受け付けてもよい。撮影された画像の内容が、卵製品に関する情報と一致すれば、管理部25で記録が行われる。なお、管理部25で記録された内容は、帳票などの形に出力してもよい。
【0028】
図5は、卵製品のアイテム切り替え時に関連するフローチャートである。
【0029】
まず、処理装置2側では、受注情報受付部21が、卵製品の受注情報を受け付けると(ステップS1)、生産計画立案部22が、その受注情報に基づいて生産計画を作成する(ステップS2)。生産計画は、例えば、図6に示すように、装置5では、最初に、「Dスーパー」に納入する「AAエッグ」(オーダー番号「xxxxxx1」)を生産し、次に、「スーパーF」に納入する「BBB卵」(オーダー番号「xxxxxx2」)を生産し、その次に、「Gスーパー」に納入する「CCたまご」(オーダー番号「xxxxxx3」)を生産する、という内容である。このような生産計画に基づいて、卵製品に関する情報が特定され、送受信部23が、端末1に、特定された卵製品に関する情報を送信する(ステップS3)。
【0030】
端末1側では、卵製品に関する情報を受信する(ステップS4)。資材Sの切り替えのタイミングで、作業者が資材Sを交換した後、かつ、交換後の生産を開始する前に、作業者が撮影部11で撮影する(ステップS5)。具体的には、今から卵Eに貼り付けられる資材S、すなわち、付与部8付近の貼り付け手前の資材Sを撮影する。
【0031】
作業者は、資材Sが正しく装置5に設定されているかを確認する(ステップS6)。ステップS6では、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達しているかについて確認する。また、ステップS6では、表示部13に表示された卵製品に関する情報と、表示部13に表示された画像とを比較して、一致するか否かを確認する。ステップS6でOKなら、撮影者が入力部12にその旨入力し(ステップS7)、撮影した画像を処理装置2に送信する(ステップS8)。
【0032】
処理装置2側では、送受信部23で受信した画像を画像処理部24で処理する(ステップS9)。そして、管理部25で、この画像と受注情報と卵製品の生産情報とを紐付けて管理する(ステップS10)。
【0033】
なお、ステップS6よりも後の任意のタイミングで、装置5の稼働を開始すればよい。ステップS6で、資材Sが正しくセットされていないと判断すれば、作業者が確認して適宜修正する。その後、ステップS5に戻って再度、撮影部11を用いて撮影すればよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵製品の情報管理システム10は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。このようなものであるため、卵製品の生産情報の記録作業を容易にすることができる。
【0035】
特に本実施形態の卵製品の情報管理システム10は、表示部13と、入力部12とを備える。表示部13は、受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と画像とを表示する。入力部12は、表示部13に表示された情報をもとに、卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かが入力される。
【0036】
卵製品の情報管理システム10は、容器Pに卵Eが収容された卵製品に付す資材Sの表示内容が同じ一群の卵製品と、これと異なる表示内容の一群の卵製品との間の切り替えタイミングに用いられるもので、撮影部11と、入力部12と、管理部25とを備える。撮影部11は、卵製品に付す前の資材Sを撮影する。入力部12は、撮影部11で撮影された画像が、卵製品の受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と対応しているか否かを資材Sの撮影者または管理者などが入力する。管理部25は、入力部12へ入力された内容に基づいて画像を受注情報及び卵製品の生産情報と紐付けて記録する。
【0037】
撮影部11は、卵製品に資材Sを付す付与部8を含むように資材Sを撮影するため、次に貼られる資材Sが先頭に来ていることを視覚的に確認することができる。
【0038】
<他の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、この実施形態は、撮影部11で撮影された画像が卵製品に関する情報と対応しているか否か、すなわち、撮影された資材Sの画像が、正しい位置で、かつ、正しい内容であるか否かの判断を撮影者または管理者などが行う代わりに、自動で判断する判断部を備える。それ以外の部分は、上述した実施形態と同一、またはこれに準ずる。
【0039】
判断部は、受信した画像に基づいて、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達しているか否かを判断する。具体的には、判断部は、画像内で、付与部8を特定できるか否かを判断する。付与部8が画像内で特定できない場合には、その画像を用いてその後の判断は行えない。一方、付与部8が画像内で特定できる場合には、判断部は、画像内で、付与部8の最も近傍の資材Sを特定できるか否かを判断する。最も近傍の資材Sを特定できない場合には、その画像を用いてその後の判断は行えない。
【0040】
判断部が、画像内で付与部8を特定でき、かつ、付与部8の最も近傍の資材Sを特定できる場合、判断部は、受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かを判断する。卵製品に関する情報と画像とが対応していない場合とは、例えば、卵製品に用いられる資材Sと、撮影された画像中の資材Sとが異なっている場合や、卵製品に印字される賞味期限と、撮影された画像内の賞味期限とが異なっている場合、撮影された画像内の資材Sに賞味期限が印字されていない場合などが挙げられる。
【0041】
画像内で付与部8を特定できない場合、画像内で付与部8の最も近傍の資材Sを特定できない場合、卵製品に関する情報と画像とが対応しないと判断した場合のいずれかであれば、例えば、端末1の表示部13に異常を知らせる表示を行う。また、撮影部11を用いて撮影する際に、予め、画像内で付与部8の位置を合わせるための枠を端末1の表示部13に表示させてもよい。
【0042】
判断部は、判断するためのルールを人が作成したものであってもよいし、機械学習を用いて生成された学習モデルであってもよい。機械学習は、入力層と、一または複数の中間層と、出力層を備えたニューラルネットワークを用いて、学習モードにおいて画像とラベルを含んだ学習データセットを用いて学習を行い、そのパラメータを用いて予測モードにおいて判断を行うものが一例として挙げられる。機械学習にあっては、教師あり学習であってもよいし、教師なし学習であってもよい。判断部は、端末1側に備えていてもよいし、処理装置2側に備えていてもよい。
【0043】
管理部25は、判断部で判断された内容に基づいて画像を受注情報及び卵製品の生産情報と紐付けて記録する。すなわち、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達していると判断され、撮影された画像の内容が、卵製品に関する情報と一致すると判断されれば、管理部25で記録が行われる。なお、管理部25で記録された内容は、帳票などの形に出力してもよい。
【0044】
図7は、一例として、判断部を処理装置2側に備えている場合の、卵製品のアイテム切り替え時に関連するフローチャートである。
【0045】
まず、処理装置2側では、受注情報受付部21が、卵製品の受注情報を受け付けると(ステップS11)、生産計画立案部22が、その受注情報に基づいて生産計画を作成する(ステップS12)。生産計画に基づいて、卵製品に関する情報が特定され、送受信部23が、端末1に、特定された卵製品に関する情報を送信する(ステップS13)。
【0046】
端末1側では、卵製品に関する情報を受信する(ステップS14)。資材Sの切り替えのタイミングで、作業者が資材Sを交換した後、かつ、交換後の生産を開始する前に、作業者が撮影部11で撮影する(ステップS15)。具体的には、今から卵Eに貼り付けられる資材S、すなわち、付与部8付近の貼り付け手前の資材Sを撮影する。ここまでのステップS11~S15は、上述した一実施形態のステップS1~S5と同様である。
【0047】
次に、作業者は、撮影した画像を処理装置2に送信する(ステップS16)。
【0048】
処理装置2側では、送受信部23で受信した画像を画像処理部24で処理する(ステップS17)。判断部は、資材Sが正しく装置5に設定されているかについて、学習モデルを用いて判断する(ステップS18)。ステップS18では、判断部は、受信した画像に基づいて、付与部8を特定できるか否かを判断し、付与部8が特定できる場合に当該付与部8の最も近傍の資材Sを特定できるか否かを判断する。すなわち、判断部は、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達しているか否かを判断する。また、ステップS18では、判断部は、受信した画像が、送信した卵製品に関する情報と対応しているか否かを判断する。ステップS18の結果は、送受信部23が端末1側に送信する(ステップS19)。例えば、ステップS18でOKなら端末1の表示部13でその旨が表示される(ステップS20)ので、装置5の稼働を開始すればよい。ステップS18で、資材Sが正しくセットされていないと判断されれば、作業者が確認して適宜修正する。その後、ステップS15に戻って再度、撮影部11を用いて撮影すればよい。
【0049】
また、ステップS18でOKなら、管理部25で、この画像と受注情報と卵製品の生産情報とを紐付けて管理する(ステップS21)。
【0050】
次に、図8は、他の例として、判断部を端末1側に備えている場合の、卵製品のアイテム切り替え時に関連するフローチャートである。
【0051】
まず、処理装置2側では、受注情報受付部21が、卵製品の受注情報を受け付けると(ステップS31)、生産計画立案部22が、その受注情報に基づいて生産計画を作成する(ステップS32)。生産計画に基づいて、卵製品に関する情報が特定され、送受信部23が、端末1に、特定された卵製品に関する情報を送信する(ステップS33)。
【0052】
端末1側では、卵製品に関する情報を受信する(ステップS34)。資材Sの切り替えのタイミングで、作業者が資材Sを交換した後、かつ、交換後の生産を開始する前に、作業者が撮影部11で撮影する(ステップS35)。具体的には、今から卵Eに貼り付けられる資材S、すなわち、付与部8付近の貼り付け手前の資材Sを撮影する。ここまでのステップS31~S35は、上述した一実施形態のステップS1~S5と同様である。
【0053】
判断部は、資材Sが正しく装置5に設定されているかについて、学習モデルを用いて判断する(ステップS36)。ステップS36では、判断部は、撮影した画像に基づいて、付与部8を特定できるか否かを判断し、付与部8が特定できる場合に当該付与部8の最も近傍の資材Sを特定できるか否かを判断する。すなわち、判断部は、次に卵製品に貼られる資材Sが先頭に到達しているか否かを判断する。また、ステップS36では、判断部は、撮影した画像が、受信した卵製品に関する情報と対応しているか否かを判断する。ステップS36でOKなら端末1の表示部13でその旨が表示され(ステップS37)、撮影した画像を処理装置2に送信する(ステップS38)。
【0054】
処理装置2側では、送受信部23で受信した画像を画像処理部24で処理する(ステップS39)。そして、管理部25で、この画像と受注情報と卵製品の生産情報とを紐付けて管理する(ステップS40)。
【0055】
なお、ステップS37よりも後の任意のタイミングで、装置5の稼働を開始すればよい。ステップS36で、資材Sが正しくセットされていないと判断されれば、作業者が確認して適宜修正する。その後、ステップS35に戻って再度、撮影部11を用いて撮影すればよい。
【0056】
本実施形態にかかる卵製品の情報管理システム10は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。特に、受注情報に基づいて特定された卵製品に関する情報と画像とが対応しているか否かを判断する判断部を備える。このようなものであるため、上述した実施形態と同様に、卵製品の生産情報の記録作業を容易にすることができる。
【0057】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0058】
上述した実施形態では、卵製品の情報管理システム10が、装置5として豆シール機で用いられる場合について説明したが、容器Pにラベルを貼り付ける装置(以下、「上貼り機」と記す。)や、容器Pの内部にラベルを投入する装置(ラベル投入装置)で用いられてもよい。
【0059】
図9及び図10は、上貼り機の一例である。本実施形態では、上述した実施形態と同一(またはこれに準ずる)の部分は同じ符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
【0060】
装置5は、供給部6と、搬送部7と、付与部8と、巻取部(図示しない)とを備える。供給部6は、複数枚の資材Sを備えた台紙がロール状に巻かれてセットされる。搬送部7は、供給部6から繰り出された資材Sが搬送される。付与部8は、搬送部7の端部で台紙から資材Sを剥がし、容器Pの蓋に貼り付ける。巻取部は、資材Sが剥がされた後の台紙を回収する。
【0061】
卵製品の情報管理システム10は、例えば、容器Pに卵Eが収容された卵製品に付す資材Sの表示内容が同じ一群の卵製品と、これと異なる表示内容の一群の卵製品との間の切り替えタイミングに用いられる。作業者が行う資材Sの切り替え作業が終わった後、製品の生産開始前に作業者が端末1を操作する。卵製品の情報管理システム10は、卵製品に付す前の資材Sを撮影した画像と、卵製品の受注情報と、卵製品の生産情報とを紐付けて記録する。卵製品の情報管理システム10は、端末1と、処理装置2とを主体に構成される。
【0062】
このような上貼り機の場合にも、上述したのと同一またはこれに準じた効果が得られる。
【0063】
入力部12は、複数人でそれぞれ確認、入力するものであってもよい。入力部12と判断部とを両方備え、判断部でいったん判断した後、入力部12で再確認、入力するものであってもよい。
【0064】
撮影部11による撮影は、上述したアイテム切り替え時以外であってもよい。例えば、一群の卵製品の生産途中、卵製品のアイテム切り替えを伴わない補充時、複数の装置が並ぶ生産ラインでコンベヤが停止した後などであってもよい。卵製品のアイテム切り替えを伴わない補充とは、ラベル交換(ホルダーにセットされたラベルの用紙切れ)や、インク補充(ラベルへ印字するためのインク切れなど)などが例として挙げられる。
【0065】
生産計画の立案は、人間により行われるものであってもよい。その場合は、受注情報に基づいて立案された内容を入力する入力部を備えることが好ましく、処理装置2が生産計画立案部22を備えなくてもよい。
【0066】
撮影部11が位置付けられる場所は、卵製品に付す前の資材Sを撮影可能であればどのようなものであってもよい。
【0067】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、卵製品の情報管理システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10…卵製品の情報管理システム
1…端末
11…撮影部
12…入力部
13…表示部
14…通信部
2…処理装置
21…受注情報受付部
22…生産計画立案部
23…送受信部
24…画像処理部
25…管理部
3…卵製品の生産設備
4…コンベヤ
5…装置(豆シール機/上貼り機)
6…供給部
7…搬送部
8…付与部
P…容器
S…資材
E…卵
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10