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特開2023-130847遠赤外線放射体及びそれを使用した活水器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130847
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】遠赤外線放射体及びそれを使用した活水器
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20230101AFI20230913BHJP
【FI】
C02F1/68 520B
C02F1/68 510B
C02F1/68 520C
C02F1/68 520D
C02F1/68 520K
C02F1/68 520L
C02F1/68 520M
C02F1/68 520N
C02F1/68 520V
C02F1/68 530E
C02F1/68 530F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035376
(22)【出願日】2022-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイト(https://emmajapan.jp/)に公開(令和3年11月22日) 2.株式会社慎研工業(新潟県燕市下粟生津3061)に卸売(令和3年12月9日) 3.株式会社JPL(神奈川県横浜市南区日枝町103)に卸売(令和3年11月30日)
(71)【出願人】
【識別番号】522091737
【氏名又は名称】日比 知江
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】日比 知江
(57)【要約】
【課題】衛生を維持しやすく、また、持続的な遠赤外線放射を可能とすること。
【解決手段】遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10をアルミニウムやステンレス等の所定形状の金属体20に封入してなるものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線放射材を金属体に封入してなることを特徴とする遠赤外線放射体。
【請求項2】
前記遠赤外線放射材は、粉粒状であることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線放射体。
【請求項3】
前記遠赤外線放射材は、カーボンと、砂及び/または鉱石とを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠赤外線放射体。
【請求項4】
前記金属体は、アルミニウム製またはステンレス製であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の遠赤外線放射体。
【請求項5】
遠赤外線放射材を金属体に封入してなる遠赤外線放射体と、
前記遠赤外線放射体を収容する金属製容器と
を具備することを特徴とする活水器。
【請求項6】
前記金属製容器は、アルミニウム製またはステンレス製であることを特徴とする請求項5に記載の活水器。
【請求項7】
前記金属製容器は、その底部及び/または胴部の外面にアルミニウムを配設したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の活水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外線放射により水の状態を変化させる活水化が可能な遠赤外線放射体及びそれを使用した活水器であって、特に、持続的な遠赤外線放射効果を得ることができる遠赤外線放射体及び活水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックス、鉱石等は遠赤外線放射材料として、水の状態を変化させることが知られており、具体的には、遠赤外線放射により水分子の集合体であるクラスタを細分化して水の状態を変化させる、即ち、水を活性化させる作用を有し、その活性化された水には、例えば、切り花の保存、植物の発芽、生育の促進等の効果があるとされている。
【0003】
そこで、この種の活性水を生成する装置として、例えば、特許文献1等において、容器にセラミックス、鉱石等の遠赤外線放射材料を充填し、そこに通水してセラミックス、鉱石等の遠赤外線放射材料と流動接触させることにより活性水を生成することの開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2007/023516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のこの種の活水装置においては、容器にセラミックス等を充填し、そこに通水させるものであるから、水との衝突、摩擦によってセラミックス等が磨耗することで活水効果が低下するため、活水効果を維持するためには、セラミックス等の補充、交換(メンテンナンス)の手間が必要であった。また、セラミックス等は損傷や欠損の心配からその洗浄、メンテナンスに気を遣う必要があり、更に、活水装置ではセラミックス等を容器内に充填していることによりその容器内の清掃も不便で手間を要するから、衛生面が気掛かりであった。一方で、単純に、セラミックボール等をコップ等の容器内に収容された水の中に直接入れることで活水を作製することも考えられるが、セラミックス等は水より比重が大きく沈むため、効果的な活水効果を得るためには、水を攪拌させる必要があるところ、その攪拌手段によってセラミックス等が損傷、欠損、磨耗するからそのような使用態様にも不向きであった。更に、こうした活水の作製では、飲用する場合、セラミックス、鉱石等の一部や不純物が水へ溶解したり混入したりすることを気にする人もいる。
また、セラミックス、鉱石等の遠赤外線放射材料が充填された容器から排出された後は、水の活性状態が長時間維持されないことから、その活性化された水を切り花の保存、植物の発芽、生育の促進等に使用する場合には、活水による効果の有効性に乏しいものである。
【0006】
そこで、本発明は、衛生を維持しやすく、また、持続的な遠赤外線放射を可能とする遠赤外線放射体及びそれを使用した活水器の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明の遠赤外線放射体は、遠赤外線放射材を金属体に封入してなるものである。
ここで、上記遠赤外線放射材は、4μm~1mmの遠赤外域内、好ましくは、7.5μm~14μmの遠赤外域内で分光放射率が50%以上、好ましくは、60%以上を有するものであればよく、例えば、有機物であれば、カーボン(すす、グラファイト、炭等)が使用でき、無機物であれば、セラミックス(酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化タリウム、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の酸化物、ホウ化アルミニウム、ホウ化バリウム、ホウ化カルシウム、ホウ化セリウム、ホウ化ハフニウム、ホウ化ランタン、ホウ化ストロンチウム、ホウ化イットリウム等のホウ化物、窒化アルミニウム、窒化クロム、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化ハフニウム、炭化モリブデン、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化タリウム、炭化タングステン、炭化イットリウム、炭化ジルコニウム等の炭化物等を含む)、陶器、レンガ、ガラス、粘土・土・砂・砂利・鉱石、貝殻等の天然物または人工の材料(珪石、白土、軽石、珪藻土、シリカブラック、パーライト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、水酸化マグネシウム、マグネサイト、マグネシア、石灰石、水酸化カルシウム、石膏、アパタイト、タルク、珪酸ジルコン、珪灰石等を含む)、金属・半金属・半導体等の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、水酸化物、炭酸塩等の塩等が使用できる。
なお、上記遠赤外線についての明確な定義はないが、ここでは、当分野において一般的であるように、4μm~1000μmの波長の電磁波を遠赤外線という。
【0008】
上記金属体は、所定形状に成形されてなる金属成形体であり、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、真鍮、金、銀、銅、鉄アルミニウム合金、鉄チタン合金、鉄亜鉛合金、鉄クロム、鉄マンガン、鉄モリブデン、鉄ニッケル、鉄ボロン、鉄シリコン、鉄チタン、ニッケルクロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼等の鋼合金等の金属からなるものである。
【0009】
請求項2の発明の遠赤外線放射体の前記遠赤外線放射材は、粉粒状であるものであり、粉体や粒体の集合体である粉粒体の形態で金属体に封入されてなるものである。
【0010】
請求項3の発明の遠赤外線放射体の前記遠赤外線放射材は、カーボンと、砂及び/または鉱石とを含有するものである。
上記カーボンとしては、例えば、グラファイト、すす等が使用できる。
上記砂や鉱石は、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、水酸化マグネシウムMg(OH)2、マグネサイト(MgCO3)、ジルコニア(ZrO2)、ジルコン(ZrO2・SiO2)、チタニア(TiO2)、水酸化カルシウム(CaOH2)、ジルコン(ZrSiO4)、イットリア(Y23)、コージライト(2MgO・2Al23・5SiO2)、βスポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2)、ムライト(3Al23・2SiO2)、チタン酸アルミニウム(Al23・TiO2)、酸化銅(Cu2O、CuO)、酸化コバルト(CoO、Co34)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化クロム(Cr23)、酸化錫(SnO2)等の遷移金属の酸化物、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(TaC)等の炭化物等が含まれるものである。
【0011】
請求項4の発明の遠赤外線放射体の前記金属体は、アルミニウムまたはステンレスからなるものである。
上記アルミニウムは、純アルミ(アルミ100%)であってもよいし、マンガン、銅、ケイ素、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等を含んだアルミニウム合金であってもよい。
上記ステンレスは、鉄を主成分としクロムやニッケルを含んだ合金であるステンレス鋼を意味するものである。
【0012】
請求項5の発明の活水器は、遠赤外線放射材を金属体に封入してなる遠赤外線放射体と、
前記遠赤外線放射体を収容する金属製容器とを具備するものである。
上記遠赤外線放射材は、4μm~1mmの遠赤外域内、好ましくは、7.5μm~14μmの遠赤外域内で分光放射率が50%以上、好ましくは、60%以上を有するものであればよく、例えば、有機物であれば、カーボン(すす、グラファイト、炭等)が使用でき、無機物であれば、セラミックス(酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化タリウム、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の酸化物、ホウ化アルミニウム、ホウ化バリウム、ホウ化カルシウム、ホウ化セリウム、ホウ化ハフニウム、ホウ化ランタン、ホウ化ストロンチウム、ホウ化イットリウム等のホウ化物、窒化アルミニウム、窒化クロム、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ホウ素、炭化クロム、炭化ハフニウム、炭化モリブデン、炭化ケイ素、炭化タンタル、炭化タリウム、炭化タングステン、炭化イットリウム、炭化ジルコニウム等の炭化物等を含む)、陶器、レンガ、ガラス、粘土・土・砂・砂利・鉱石、貝殻等の天然物または人工の材料(珪石、白土、軽石、珪藻土、シリカブラック、パーライト、ゼオライト、カオリン、ベントナイト、水酸化マグネシウム、マグネサイト、マグネシア、石灰石、水酸化カルシウム、石膏、アパタイト、タルク、珪酸ジルコン、珪灰石等を含む)、金属・半金属・半導体等の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、水酸化物、炭酸塩等の塩等が使用できる。
【0013】
上記金属体は、所定形状に成形されてなる金属成形体であり、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、真鍮、金、銀、銅、鉄アルミニウム合金、鉄チタン合金、鉄亜鉛合金、鉄クロム、鉄マンガン、鉄モリブデン、鉄ニッケル、鉄ボロン、鉄シリコン、鉄チタン、ニッケルクロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼等の鋼合金等の金属が使用できる。
【0014】
上記金属製容器の金属としても、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、真鍮、金、銀、銅、鉄アルミニウム合金、鉄チタン合金、鉄亜鉛合金、鉄クロム、鉄マンガン、鉄モリブデン、鉄ニッケル、鉄ボロン、鉄シリコン、鉄チタン、ニッケルクロム鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼等の鋼合金等が使用できる。
【0015】
請求項6の発明の活水器の前記金属製容器は、アルミニウムまたはステンレスからなるものである。
上記アルミニウムは、純アルミ(アルミ100%)であってもよいし、マンガン、銅、ケイ素、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等を含んだアルミニウム合金であってもよい。
上記ステンレスは、鉄を主成分としクロムやニッケルを含んだ合金であるステンレス鋼を意味するものである。
【0016】
請求項7の発明の活水器の前記金属製容器は、有底であり、その底部及び/または胴部の外面にアルミニウムが配設しているものである。
上記アルミニウムは、純アルミ(アルミ100%)であってもよいし、マンガン、銅、ケイ素、亜鉛、マグネシウム、ニッケル等を含んだアルミニウム合金であってもよい。
上記アルミニウムの配設は、金属製の容器の底部及び/または胴部(側面部)を主に構成する金属とは別にアルミニウムが付加されている構成であり、板状に成形されたアルミニウム板を接合する形態としてもよいし、シート状に成形されたアルミニウムシートを接合、被服する形態としてもよいし、アルミニウム塗料を塗布する形態であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明に係る遠赤外線放射体によれば、遠赤外線放射材が金属体に封入されているから、遠赤外線放射材が磨耗する恐れがなく、また、水等に入れたときでも、遠赤外線放射材の水等への溶出もない。よって、持続的な遠赤外線放射を可能とする。また、遠赤外線放射材が金属体に封入されていることで、洗浄の取扱いも容易であり、衛生を維持しやすい。更に、金属であれば所望形状に成形できるから、使途に応じた形状設計が可能であることで多用途に展開できる。
【0018】
請求項2の発明に係る遠赤外線放射体によれば、前記遠赤外線放射材は粉粒状であり、粉粒状のものであれば比表面積を大きくできるから、請求項1に記載の効果に加えて、遠赤外線放射の効果を高めることが可能である。
【0019】
請求項3の発明に係る遠赤外線放射体によれば、前記遠赤外線放射材は、カーボンと、砂及び/または鉱石とを含有するものである。
ここで、本発明者らの実験研究によれば、遠赤外線放射材料としてカーボンと砂・鉱石とを混合したものでは、それら単独で使用した場合よりも遠赤外線放射効果の増大が見られた。この理由については必ずしも明らかでないが、カーボンと砂・鉱石との併用により互いの共振・共鳴作用により遠赤外線放射のエネルギ量が増大したことが考えられる。
したがって、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、遠赤外線放射効果をより高めることが可能となる。
【0020】
請求項4の発明に係る遠赤外線放射体によれば、前記金属体は、アルミニウム製またはステンレス製であるから、成形加工が容易で、耐食性が高く、また、安価に入手できる。よって、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、低コストで所望形状の成形が容易で多用途に使用できるものとなり、また、耐久性も高いものとなる。更に、アルミニウム製のものでは軽量で取扱いが容易であり、ステンレス製のものでは耐食性、耐久性がより高いものとなる。
【0021】
請求項5の発明に係る活水器によれば、金属製の容器に収容する遠赤外線放射体が遠赤外線放射材を金属体に封入してなるものであり、遠赤外線放射材が磨耗する恐れがなく、また、金属製の容器に入れた水等に入れても、遠赤外線放射材の水等への溶出もない。よって、持続的な遠赤外線放射効果を可能とすることにより、その遠赤外線放射効果による持続的な水の活性化を可能とする。また、遠赤外線放射材が金属体に封入されていることで、洗浄の取扱いも容易であり、衛生を維持しやすい。更に、金属であれば所望形状に成形でき、金属製容器の形態、使途に応じて任意形状に設計できる。
【0022】
請求項6の発明に係る活水器によれば、前記金属製の容器は、アルミニウム製またはステンレス製であることから、成形加工が容易で、耐食性が高く、また、安価に入手できる。よって、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、低コストで所望形状の成形が容易で多用途に使用できるものとなり、また、耐久性も高いものとなる。更に、アルミニウム製のものでは軽量で取扱いが容易であり、ステンレス製のものでは耐食性、耐久性がより高いものとなる。
【0023】
請求項7の発明に係る活水器によれば、前記金属製の容器は、その底部及び/または胴部の外面にアルミニウムを配設したものである。
ここで、本発明者らの実験研究によれば、ステンレス製の容器の外側にアルミニウム板を接合したものでは、活水効果の増大が見られたことから、アルミニウムの使用により水分子を共鳴・共振させる振動の増幅効果が得られたものと考えられる。
したがって、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、活水効果をより高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の実施の形態に係る遠赤外線放射体の適用例を説明する概念図である。
図2図2(a)は本発明の実施の形態に係る遠赤外線放射体の一例を説明するための説明図、図2(b)は本発明の実施の形態に係る遠赤外線放射体の他の一例を説明するための説明図、図2(b)は本発明の実施の形態に係る図2(b)の遠赤外線放射体の構成を示す説明図である。
図3図3は本発明の実施の形態に係る遠赤外線放射体の別の一例及びそれを使用した活水器の構成を示す説明図である。
図4図4は本発明の実施の形態に係る図3の遠赤外線放射体の構成を示す説明図である。
図5図5(a)は本発明の実施の形態に係る図3の遠赤外線放射体を遠赤外線サーモグラフィカメラで撮影した写真画像(サーモグラフィ)であり、図5(b)は図5(a)の写真画像を模式的に示した模式図である。
図6図6(a)は本発明の実施の形態に係る実施例の活水器に入れた飲料(お茶)の酸化還元電位及びpHの経時変化を示す特性図であり、図6(b)は本発明の実施の形態に係る実施例の活水器に入れた飲料(ミネラルウォータ)の酸化還元電位及びpHの経時変化を示す特性図である。
図7図7(a)は本発明の実施の形態に係る実施例の一例の棒状の遠赤外線放射体を容器に入れた飲料(お茶)に入れたときの飲料の酸化還元電位及びpHの経時変化を示す特性図であり、図7(b)は本発明の実施の形態に係る実施例の他の一例の平板状の遠赤外線放射体を飲料(お茶)が入った容器の下に敷いたときの飲料(お茶)の酸化還元電位及びpHの経時変化を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本実施の形態において、同一の記号及び同一の符号は、同一または相当する部分及び機能を意味するものであるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0026】
[実施の形態]
まず、本発明の実施の形態に係る遠赤外線放射体1について、図1乃至図5を参照して説明する。
本実施の形態に係る遠赤外線放射体1は、粉粒状のカーボンと、粉粒状の砂及び/または鉱石とからなる遠赤外線放射材10を、所定形状に成形してなる金属体20に封入してなるものである。
【0027】
本実施の形態の遠赤外線放射体1は、その全体形状は使途に応じて設計され、例えば、平板状、棒状、球状、立方体状、直方体状、円柱状、多角柱状等の所望形状に成形される。金属体20の中に遠赤外線放射材10を内蔵させて密封できれば、その製造方法は特に問われない。例えば、中空状或いは容器状に成形した金属体の中に遠赤外線放射材10を充填して開口を金属材料で塞ぐことにより、或いは、1対の金属体の一方または両方を容器状に成形し、その容器状の金属体の中に遠赤外線放射材10を充填し、1対の金属同士を接合することにより、金属体20の中に遠赤外線放射材10を封入することができる。金属体20で形成され空洞部の収容部分に対し遠赤外線放射材10を充填する場合には、例えば、50%以上、好ましくは、60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは、90%以上の容積で充填される。または、所定形状の1対の金属体同士の接合で金属体20を構成し、その1対の金属体同士を樹脂系(例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)やゴム系等の接着剤等を使用して接合するときの接合部位に遠赤外線放射材10を入れて(置いて)金属体同士を接合することで、或いは接着剤等に遠赤外線放射材10を混ぜてそれを使用して1対の金属同士を接合することで、金属体20の中に遠赤外線放射材10を封入してもよい。
【0028】
例えば、棒状の場合には、金属を筒状に成形し、その筒内に遠赤外線放射材10を入れ、溶融金属で端部を閉じて(溶接等して)、或いは、別途所定形状に成形した金属製の蓋体を接着剤等で端部に接合してその端部を閉じて一体にすることにより、金属体20の中に遠赤外線放射材10を封入することができる。
【0029】
平板状の場合には、断面凹状に成形した平板状の金属体の凹部に遠赤外線放射材10を入れ、断面凹状に成形した平板状の金属体または単に平板状に成形した金属体と接着剤等を介して接合して一体にすることで、金属体20の中に遠赤外線放射材10を封入することができる。或いは、平板状に成形した1対の金属体同士を接着剤で面接合する際にその接着剤に遠赤外線放射材10を混ぜて平板状に成形した1対の金属体同士を面接合することで、1対の金属体同士の面接合で形成される金属体20に遠赤外線放射材10を封入することもできる。
【0030】
球体の場合には、断面を容器状とした半球状の金属体の中に遠赤外線放射材10を入れ、別の半球状の金属体と接着剤等を介して接合して一体にすることで、金属体20の中に遠赤外線放射材10を封入することができる。或いは、半球状に成形した1対の金属体同士を接着剤で面接合する際にその接着剤に遠赤外線放射材10を混ぜて半球状に成形した1対の金属体同士を面接合することで、1対の金属体同士の面接合で形成される金属体20に遠赤外線放射材10を封入することが可能である。
【0031】
なお、遠赤外線放射材10を充填する場合には樹脂製、金属製(例えば、アルミニウム等)のバインダに遠赤外線放射材10を混ぜ込んでその状態で所定空間に充填してもよいし、バインダに遠赤外線放射材10を混ぜ込んでそれを使用して金属体同士を接合することにより金属体20に遠赤外線放射材10を封入してもよい。また、遠赤外線放射材10を金属体20の中に密封状態とできれば、接着剤を用いない接合手段で1対の金属体同士を接合自在な構成としてもよい。
【0032】
ここで、本実施の形態の遠赤外線放射材10としてのカーボン、砂、鉱石は、分光放射率(JIS R 1801に準拠)が50%以上となる波長を3μm~1mmの遠赤外域に有するものである。
カーボンの材料としては、例えば、グラファイト、グラフェン、すす、ケイ素入りカーボン、活性炭等が使用できる。好ましくは、バイオマスカーボン(バイオマスナノカーボンを含む)である。
天然物である砂または鉱石には、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、水酸化マグネシウムMg(OH)2、マグネサイト(MgCO3)、ジルコニア(ZrO2)、ジルコン(ZrO2・SiO2)、チタニア(TiO2)、水酸化カルシウム(CaOH2)、ジルコン(ZrSiO4)、イットリア(Y23)、コージライト(2MgO・2Al23・5SiO2)、βスポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2)、ムライト(3Al23・2SiO2)、チタン酸アルミニウム(Al23・TiO2)、酸化銅(Cu2O、CuO)、酸化コバルト(CoO、Co34)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄(Fe23)、酸化クロム(Cr23)、酸化錫(SnO2)等の遷移金属の酸化物、炭化ケイ素(SiC)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化タンタル(TaC)等の炭化物等が含まれるものである。鉱石であれば、例えば、シリカブラック、貢石、石英斑岩、花崗岩、珪石、白土、珪藻土、ゼオライト、パーライト、粘土、カオリン、ベントナイト、タルク、長石、水酸化マグネシウム、マグネサイト、マグネシア、水酸化カルシウム、石灰石、セッコウ、アパタイト、かんらん岩、コージェライト、セビオライト、ドロマイト、珪灰石、珪酸ジルコン、赤泥、レンガ等が使用できる。
【0033】
砂・鉱石とカーボンとは、任意の混合割合で使用することができるが、カーボンの配合量が多い方が黒体に近づくことから、本発明者らの実験研究によれば、カーボンの配合量は55質量%以上が好ましく、より好ましくは、80質量%以上、更に好ましくは、90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上で、99質量%以下の範囲内である。
【0034】
特に、本実施の形態においては、カーボンと砂・鉱石との粉粒体を均一に混合し、金属体20の中に封入している。このとき、カーボン及び砂・鉱石が粉粒状であることで、充填率を高めることができ、また、比表面積を大きくできることで、遠赤外線等の電磁波の放射率(吸収率)を高めることができる。更に、粉粒状のカーボンと、粉粒状の砂・鉱石とを均一に混合することにより、相互の遠赤外線放射の共鳴・共振を生じやすくできる。
例えば、砂は、粒径が0.02nm~2mmの範囲内、鉱石は、粒径が0.02nm~5mmの範囲内、カーボンは、粒径が1~150μmの範囲内のものが使用される。
【0035】
また、こうした遠赤外線放射材10の粉粒体を被覆する金属体20を構成する金属としては、コストや入手しやすさ、強度、耐久性等から、好ましくは、アルミニウムまたはステンレス等が使用される。
金属体20の厚みは、使途に応じて適宜設計されるが、例えば、0.5mm~10mm、好ましくは、1mm~8mmの範囲内である。金属層の厚みが少ないと、強度、耐食性の面で十分なものにならず、厚みが多いと、重量増による使い勝手の低下や、コスト増を招き、また、遠赤外線放射材10による赤外線放射効果が得られ難いものとなる。
【0036】
なお、金属材料は、可視域から近赤外域にかけて放射率が大きいがそれに比して遠赤外域の放射率は小さいものである。
一方、砂または鉱石は、可視域(1μm)から近赤外域での放射率は低いが、波長3μm付近からの遠赤外域の放射率が高いものである。
また、カーボンは、可視域(1μm)から遠赤外域にかけて幅広い波長域で放射率が高いものである。
【0037】
こうして、カーボン及び砂・鉱石からなる遠赤外線放射材10を所定形状に成形された金属体20の中に入れて密閉してなる遠赤外線放射体1であれば、遠赤外線放射材10の全体が金属で包囲されていることにより、水流を受けたときでも磨耗の心配がなく、また、遠赤外線放射材10の成分が水等に溶出する心配もない。よって、遠赤外線放射材10による持続的な遠赤外線放射効果が得られる。
【0038】
そして、本実施の形態の遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなるものであり、金属は所望形状の成形が容易であり、かつ、破損や損傷し難くて強度に優れるものであるから耐久性が高く、多様な用途に使用できるものである。
【0039】
例えば、図1及び図2に示すように、本実施の形態の遠赤外線放射体1を棒状に成形し攪拌手段のマドラ1Aとして用いることが可能である。マドラ1Aとしての遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、飲料、水等の液体・液状物Wを収容したガラス製、金属製または陶器製のコップや花瓶等の容器Cに入れて攪拌に使用しても、繰り返しの攪拌による水流で遠赤外線放射材10が磨耗する恐れがなく、また、遠赤外線放射材10の成分が飲料、水等の液体・液状物Wに溶出する恐れもなく、容器Cに入れた飲料、水等の液体・液状物Wに対して遠赤外線放射体1の持続的な遠赤外線放射効果による活水効果を得ることができる。そこに植物を入れた場合には、活水効果による切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の効果が期待できる。特に、従来の活水器等で活性化した水は、その活水器から排出された後は、水の活性状態が長時間維持されないことから、それを植物に給水しても活水効果による有効性が乏しいが、本実施の形態のマドラ1Aとしての遠赤外線放射体1であれば、容器C内で植物に給水する水W等にマドラ1Aとしての遠赤外線放射体1を入れておけば、その遠赤外線放射体1による活水効果を持続的に得ることができるため、持続的な活水効果による切花等の植物の保存(日持ち)・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の高い効果が期待できる。更に、マドラ1Aとしての遠赤外線放射体1であれば、洗浄の扱いも容易であり、衛生さを維持しやすく、衛生さを維持できることで植物の日持ちや成長に影響を与える細菌の繁殖も防止できる。
【0040】
また、図1及び図2に示すように、本実施の形態の遠赤外線放射体1を平板状に成形し容器受けのコースタ1Bとして用いることも可能である。コースタ1Bとしての遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、損傷し難くて耐久性が良く、繰り返しの使用で遠赤外線放射材10が磨耗する恐れもなく、飲料、水等の液体・液状物Wを入れた容器Cの下に敷くことで、容器Cに入れた飲料、水等の液体・液状物Wに対して遠赤外線放射体1の持続的な遠赤外線放射効果による活水効果を得ることができる。そこに植物を入れた場合には、活水効果による切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の効果が期待できる。特に、従来の活水器等で活性化した水は、その活水器から排出された後は、水の活性状態が長時間維持されないことから、それを植物に給水しても活水効果による有効性が乏しいが、本実施の形態のコースタ1Bとしての遠赤外線放射体1であれば、植物に給水する飲料、水等の液体・液状物Wを収容した容器Cの下にコースタ1Bとしての遠赤外線放射体1を敷いておけば、その遠赤外線放射体1による活水効果を持続的に得ることができるため、持続的な活水効果による切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の高い効果が期待できる。更に、コースタ1Bとしての遠赤外線放射体1であれば、洗浄の扱いも容易であり、衛生さを維持しやすい。また、容器C内の飲料、水等の液体・液状物Wに直接触れないものとするため、錆や傷の発生を気にせず、金属の溶出の心配もなく活性化させる対象物を問わずして使用できる。
【0041】
更に、図1及び図2に示すように、本実施の形態の遠赤外線放射体1を球状に成形し攪拌手段の球体1Cとして用いることも可能である。球体1Cとしての遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、飲料、水等の液体・液状物Wを収容したガラス製、金属製または陶器製のコップや花瓶等の容器Cに入れて攪拌に使用しても、繰り返しの攪拌による水流で遠赤外線放射材10が磨耗する恐れがなく、また、遠赤外線放射材10の成分が飲料、水等の液体・液状物Wに溶出する恐れもなく、容器Cに入れた飲料、水等の液体・液状物Wに対して遠赤外線放射体1の持続的な遠赤外線放射効果による活水効果を得ることができる。そこに植物を入れた場合には、活水効果による切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の効果が期待できる。特に、従来の活水器等で活性化した水は、その活水器から排出された後は、水の活性状態が長時間維持されないことから、それを植物に給水しても活水効果による有効性が乏しいが、本実施の形態の球体1Cとしての遠赤外線放射体1であれば、容器C内で植物に給水する水W等に球体1Cとしての遠赤外線放射体1を入れておけば、その遠赤外線放射体1による活水効果を持続的に得ることができるため、持続的な活水効果による切花等の植物の保存(日持ち)・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の高い効果が期待できる。更に、球体1Cとしての遠赤外線放射体1であれば、洗浄の扱いも容易であり、衛生さを維持しやすく、衛生さを維持できることで植物の日持ちや成長に影響を与える細菌の繁殖も防止できる。
【0042】
また、遠赤外線放射体1を容器状に成形すれば、その容器内に飲料、水等の液体・液状物Wを入れた場合には、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、飲料、水等の液体・液状物Wを収容し攪拌等による水流を受けても遠赤外線放射材10が磨耗する恐れがなく、また、遠赤外線放射材10の成分が飲料、水等の液体・液状物Wに溶出する恐れもなく、容器内に入れた水W等に対して遠赤外線放射体1の持続的な遠赤外線放射効果による活水効果を得ることができる。そこに植物を入れた場合には、活水効果による切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の効果が期待できる。特に、従来の活水器等で活性化した水は、その活水器から排出された後は、水の活性状態が長時間維持されないことから、それを植物に給水しても活水効果による有効性が乏しいが、本実施の形態の容器としての遠赤外線放射体1であれば、そこに飲料、水等の液体・液状物Wが入れられることで、その遠赤外線放射体1による活水効果を持続的に得ることができるため、更に、金属体20に対しては活水化で生じた小さい分子が透過し難いから、持続的な高い活水効果による切花等の植物の保存(日持ち)・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の高い効果が期待できる。更に、容器としての遠赤外線放射体1であれば、洗浄の扱いも容易であり、衛生さを維持しやすく、衛生さを維持できることで植物の日持ちや成長に影響を与える細菌の繁殖も防止できる。
【0043】
なお、これらは単独での使用でも遠赤外線放射効果を得られるが、併用することでより高い活水効果が期待できる。
また、遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなる遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10の摩耗の恐れがなく、また遠赤外線放射材10を金属で包囲していることにより強度が高く耐久性が良いから持ち運びにも適する。例えば、遠赤外線放射体1が棒状のマドラ1A、平板状のコースタ1B、球体1C等の形態であれば、携帯にも便利であり、飲料等を入れたペットボトルやコップ等に入れて或いはペットボトルやコップ等の底に敷いて使用することができ、このとき遠赤外線放射材10が磨耗する恐れがなく、また、遠赤外線放射材10の成分が水等Wに溶出する恐れもないから、繰り返しの使用でも遠赤外線放射効果が低下せず、長持ちする。
【0044】
そして、本実施の形態の遠赤外線放射体1によれば、遠赤外線放射材10が金属で包囲されていることにより、金属であれば熱伝導性が良いことで、その周囲の温度が高い場合には、遠赤外線放射材10の温度を高くでき、遠赤外線放射材10の遠赤外線放射のエネルギ量を高めることもできる。
【0045】
次に、本実施の形態の遠赤外線放射体1を用いてなる活水器100について、主に、図3及び図4を参照して説明する。ここでは、携帯型(可搬型)の活水器100に適用した例で説明する。
本発明の実施の形態に係る活水器100は、内部に収容空間Sを形成した有底筒状の金属製容器40と、その金属製容器40内に収容される遠赤外線放射体1とを有するものである。
本実施の形態の金属製容器40は、内部の収容空間Sに飲料、水等の液体・液状物Wを収容可能に形成した有底筒状の容器本体41と、その容器本体41の開口を密閉自在とする蓋体42とから構成されている。即ち、本実施の形態の金属製容器40は、容器本体41がその収容空間Sに飲料、水等の液体・液状物Wを入れ、また、それを排出できるように形成され、容器本体41において飲料、水等の液体・液状物Wの流入口及び排出口となる開口を蓋体42によって開放及び密閉自在に構成したものである。なお、容器本体41と蓋体42の関係は、密閉自在とする構造であれば特に問われず、例えば、容器本体41の開口部の内側または外側に螺子溝を形成し、また、蓋体42にも螺子溝を形成し、両者をパッキンを介して螺合させることにより容器本体41に蓋体42を螺着して密閉する構造が採用できる。
【0046】
金属製容器40を構成する容器本体41は、成形加工性、耐食性、コスト、耐久性等の観点から、好ましくは、ステンレス(ステンレススチール)またはアルミニウムが使用される。なお、主に金属から構成されていれば、液体・液状物Wの流入口及び排出口となる開口部側等で部分的に樹脂部品を使用してもよい。
取り扱い性、コスト、耐久性、傷付き難さや変形し難さ等の強度、耐腐食性等からすれば、ステンレス製のものが好ましく、水筒・タンブラー・ボトル等の用途では、通常、鉄、クロム、ニッケル等を含むオーステナイト系のステンレスが使用される。
【0047】
なお、容器本体41の開口を閉じる蓋体42は、金属製のものに限定されず、樹脂製であってもよく、部分的に金属部品と樹脂製部品の併用であってもよい。金属を使用する場合には、通常、容器本体41と同一の金属材料が使用されるが、異なる金属を用いてもよい。
【0048】
そして、本実施の形態の活水器100は、図3に示すように、この金属製容器40の収容空間S内に遠赤外線放射体1を収容することにより構成される。
ここで、本実施の形態の遠赤外線放射体1は、上述したように、遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなるものであるため、有形の成形体として成形自在であり、所望形状に成形できるものである。棒状、球状、立方体状、直方体状等の所望形状に成形された遠赤外線放射体1を金属製容器40に収容し、そこに飲料、水等の液体・液状物Wを入れることで、遠赤外線放射体1における遠赤外線放射材10の遠赤外線放射効果により飲料、水等の液体・液状物Wの活水化を可能とする。
【0049】
金属製容器40の収容空間Sに収容する遠赤外線放射体1は、所望形状とすることができるが、例えば、棒状であれば把持して収容空間Sに収容されている飲料、水等の液体・液状物Wの攪拌を容易にできる。また、球状であれば、収容空間S内で回転によって飲料、水等の液体・液状物Wの攪拌を容易にできる。こうした棒状や球状であれば、収容空間S内に収容された液体・液状物Wと流動接触が容易な形状となるから、活水化効果を高めることが可能である。
【0050】
特に、本実施の形態の活水器100は、金属製容器40の収容空間S内に収容する遠赤外線放射体1が遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなるものであり、遠赤外線放射材10が金属で包囲されていることにより遠赤外線放射体1が金属製容器内40で水流を受けても、また、容器40の内壁面と衝突しても、遠赤外線放射材10が磨耗することはなく、また、遠赤外線放射材10の成分が飲料、水等の液体・液状物Wに溶出する恐れもない。このため、繰り返し使用しても、遠赤外線放射材10による持続的な遠赤外線放射効果が得られる。
【0051】
そして、本実施の形態の活水器100は、遠赤外線放射体1を所望形状に設計して金属製容器40に出し入れ自在として有底筒状の金属製容器40内に収容し、また、その有底筒状の金属製容器40内に飲料、水等の液体・液状物Wを収容するものであり、金属製容器40内に遠赤外線放射材10を敷き詰めてそこに通水させるものでもないので、簡易な構造であり、有底筒状の金属製容器40から遠赤外線放射体1を取り出して遠赤外線放射体1及び金属製容器40内を洗浄するのも容易である。このとき、遠赤外線放射体1の外面が金属であることで磨耗や傷付き難い強度を有し、耐久性があるから、洗浄等のために金属製容器40から遠赤外線放射体1を出し入れする作業でも遠赤外線放射材10が磨耗することはないので取り出しや取り扱いもしやすい。
また、遠赤外線放射体1の遠赤外線放射材10が金属体20で封入されていることにより、更に、その遠赤外線放射体1が金属製容器40に収容されていることにより、金属の熱伝導性が良いことで、金属製容器40内に入れた飲料、水等の液体・液状物Wの温度が高い場合には、遠赤外線放射材10の温度を高くでき、遠赤外線放射材10の遠赤外線放射のエネルギ量を高めることも可能である。
【0052】
ここで、本実施の形態に係る遠赤外線放射体1及び活水器100について実施例によって更に具体的に説明する。
遠赤外線放射体1の実施例として、図1及び図2に示すようなマドラとしての棒1Aやコースタとしての平板1Bを作製した。
【0053】
実施例に係る遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aは、長さ15cm程度で、遠赤外線放射材10としての粉粒状のバイオマスカーボン(椰子の木由来、植物性グラフェン)と粉粒状の砂(古代海泥の海洋深層砂)とを2g、ステンレス製(ステンレスSUS)の棒状の金属体20に封入してなるものである。
この実施例においては、ステンレス製の金属を有底筒状に成形し、その筒の中に遠赤外線放射材10としての粉粒状のバイオマスカーボン及び砂を充填し、端部をステンレスの金属溶融で閉じることにより作製した。
【0054】
また、別の実施例に係る遠赤外線放射体1としての平板(コースタ)1Bも、遠赤外線放射材10としての粉粒状のバイオマスカーボン(椰子の木由来、植物性グラフェン)と粉粒状の砂(古代海泥の海洋深層砂)とを、アルミニウム製の平板状の金属体20に封入してなるものである。
この実施例においては、アルミニウム製の金属を2枚の約1mm厚の平板状に成形し(20A,20B)、遠赤外線放射材10としての粉粒状のカーボン及び砂を入れた接着剤31を用いて2枚の平板20A,20B同士を面接着することにより作製した。
【0055】
これら実施例に係る遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1A及び平板(コースタ)1Bは、7.5μm~14μmの遠赤外線領域に感度を有する遠赤外線サーモグラフィカメラで撮影した撮影画像の遠赤外線サーモグラフィから、波長7.5μm~14μmの遠赤外線が放射されていることを確認している。
【0056】
この遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aによれば、ガラス製等のコップである容器C内に収容された飲料、水等Wに入れることにより、飲料、水等Wの酸還元電位が低下する。好ましくは、更に棒(マドラ)1Aで飲料、水等Wを攪拌することにより、或いは、飲料、水等Wに振動を与えることにより、飲料、水等の酸還元電位がより低下する。
また、遠赤外線放射体1としての平板(コースタ)1Bによれば、飲料、水等Wを入れたガラス製等のコップの容器Cの下に敷くことより、容器C内の飲料、水等Wの酸還元電位が低下する。好ましくは、飲料、水等Wを攪拌、或いは、飲料、水等Wに振動を与えることにより飲料、水等Wの酸還元電位がより低下する。
【0057】
これは、遠赤外線放射体1から放射された波長(振動)に水分子が共振・共鳴して、その共振・共鳴により増大された振動エネルギで水分子の水素結合が切れて水分子のクラスタ(水素結合集団)が細分化され、水分子のマイナスイオン(水素イオン)が形成されためと考えられる。また、水Wを攪拌したり水Wに振動を与えたりすることでも、遠赤外線放射体10や容器Cの内面と水流・乱流との衝突・摩擦によって、水分子同士の衝突、振動、摩擦で電子が放出し、水分子のクラスタ(水素結合集団)が細分化され、酸化還元電位を低下させることになると考えられる。それ故、容器C内に入れた水Wはまろやかな味わいに変化した。また、水道水を入れた場合ではそのカルキ臭が除去された。
【0058】
更に、本発明者らの実験研究によれば、水Wを入れたガラス製コップの容器C内に遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aを入れたものと、水Wを入れたガラス製コップの容器Cの下に遠赤外線放射体1としての平板(コースタ)1Bを敷いたものと、ブランクとして水Wを入れたガラス製コップの容器Cとを用意し、それら容器C内にそれぞれ生花を入れて放置し経時変化をみたところ、ブランクでは8日後に生花が枯れて水が濁って茶色に変化したのに対し、遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aを水Wに浸漬させていたものや、水Wを入れたガラス製コップの容器Cの下に遠赤外線放射体1としてのコースタ1Bを敷いたものでは、生花が枯れることなく日持ちし、またブランクのように水Wが変色することはなく、水の汚れや濁りが防止されていた。また、生花に替えてイチゴ苗を入れて同様に実験をしたときには、ブランクのものよりも、遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aを水Wに浸漬させていたものや、水Wを入れたガラス製コップの容器Cの下に遠赤外線放射体1としての平板(コースタ)1Bを敷いたものでは、苗の根の伸び(張り)が良く、植物の生長促進効果が確認された。
【0059】
なお、こうした植物の長持ち効果、成長促進効果や水の汚れ・濁り防止効果は、遠赤外線放射体1の常温遠赤外線放射により活性化された活水の吸水(高い吸水性、給水の肥料の吸収性を含む)や、遠赤外線放射体1の育成光線(遠赤外線領域における4μm~14μmの電磁波)放射の作用によるものと考えられる。即ち、遠赤外線放射体1から放射される遠赤外線が水に作用し、水分子クラスタの分割、イオン化を促進し、活性的な水が生成されたことによるもの、また、遠赤外線放射体1の育成光線が植物の生体を形成する成分の分子運動を高め、生体反応を高めたことによるものと考えられる。
【0060】
また、本発明者らの実験研究によれば、ステンレス製やガラス製のグラスの容器Cに市販のお茶Wを入れ、更にその中に遠赤外線放射体1としての棒(マドラ)1Aを入れて攪拌し、容器C内のお茶Wの酸化還元電位(ORP)を測定(室温20~22℃の常温状態)したところ(測定器:株式会社アプリクス社製:デュアル電極システム(デュアル電極:EL9003B,ORP計変換器:ORA-100、pH計変換器:PHA-100))、図7(a)に示したように、酸化還元電位が低下することを確認した。なお、参考のため、pHについての測定結果も図7(a)に示している。
更に、ステンレス製やガラス製のグラスの容器Cに市販のお茶Wを入れ、そのお茶Wを入れた容器Cの下に遠赤外線放射体1としての平板(コースタ)1Bを敷き、容器C内のお茶Wの酸化還元電位(ORP)を測定(室温20~22℃の常温状態)したところ(測定器:株式会社アプリクス社製:デュアル電極システム(デュアル電極:EL9003B,ORP計変換器:ORA-100、pH計変換器:PHA-100))、図7(b)に示したように、これについても酸化還元電位が低下することを確認している。なお、参考のため、pHについての測定結果も図7(b)に示している。
【0061】
こうした遠赤外線放射材10としての粉粒状のカーボン及び砂をステンレス製やアルミニウム製の金属体20に封入してなる遠赤外線放射体1(棒(マドラ)1Aや平板(コースタ)1B)によれば、遠赤外線放射材10が金属体20で包囲されていることにより、磨耗や傷付き難い強度を有して耐久性が高く、また、遠赤外線放射材10が水に溶出することなく、持続的な遠赤外線放射効果が得られる。
【0062】
そして、従来、活水器で作製した活水を植物の給水に使用する場合には活水器から排出された後にはその活水効果に乏しくなるも、粉粒状のカーボン及び砂をステンレス製やアルミニウム製の金属体20に封入してなる遠赤外線放射体1であれば、棒(マドラ)1Aや平板(コースタ)1B等の形態として水Wを入れた容器Cや水Wに接触させておくことができるから、遠赤外線放射材10による持続的な遠赤外線放射効果によって上述したような植物の日持ちや成長等にも有効な活水化効果を得ることが可能である。
【0063】
次に、更に別の実施例に係る遠赤外線放射体1を用いた活水器100の実施例として、図3及び図4に示すように、2本の棒1Dをその長さ方向の一端部側を接続部32で連結してトング状に形成してなる遠赤外線放射体1を携帯型の小型ボトル(水筒、タンブラ)40に収容する活水器100を作製した。
本実施例に係る活水器100は、有底筒状のステンレス製の容器本体41と蓋体42を有する金属製容器40と、その金属製容器40の容器本体41内に収容されるトング状の遠赤外線放射体1とを有するものである。
【0064】
ここで、本実施例の金属製容器40は、収容空間Sに収容される遠赤外線放射体1や水等の液体・液状物Wを出し入れするための開口部を上端部に有する容器本体41と、容器本体41の開口部に着脱自在に被さる蓋体21とを有する。
本実施例の容器本体41としては、小型で携帯に便利なステンレスボトル(水筒、タンブラー)の魔法瓶を使用し、外側に金属箔を配設した内瓶と、その外側の外瓶からなる二重構造でその間を真空にすることにより熱の移動を防ぐように構成されている。
なお、本実施例の金属製容器40を構成するステンレス製の容器本体41は、収容空間Sを形成する内瓶、その外側に配設する外瓶(胴部)、並びに、飲み口や注ぎ口となる口金がステンレス鋼で形成されたものである。使途、デザイン等に応じ、外瓶のステンレス鋼は、その外面にアクリル樹脂等の樹脂塗装がされたものが使用される。なお、容器本体41は、トング状に形成された遠赤外線放射体1が出し入れ可能な口金サイズに設定され、その内部の収容空間Sは、トング状の遠赤外線放射体1の少なくとも2本の棒1Dの部分を収容可能な大きさに形成されている。
更に、本実施例に係るステンレス製の容器本体41の底部外面には、厚み1mm~2mmのアルミニウム板45を接着剤(カーボン入り)によって接合している。
【0065】
また、実施例において、容器本体41を密閉自在とする蓋体42は、蓋栓の構造であり、容器本体41と螺合により嵌合するものである。即ち、容器本体41の開口部側の雌ねじに対応する雄ねじが設けられており、それら雄ねじと雌ねじの組み合わせによって蓋体42は容器本体41に着脱自在となっている。実施例の蓋体42は、内側がポリプロピレン等の樹脂で外側及びハンドル部42aがステンレス鋼を使用したもので、シリコーンゴム等からなるパッキンを介して容器本体41への螺着により容器本体41の開口部を密閉できるものとなっている。即ち、容器本体41の開口部にパッキンを介して蓋体21がねじ込まれると容器40が密閉されることにより、容器40内部に収容された水W等が外に漏れることはない。
【0066】
容器本体41の収容空間Sに収容される実施例に係る遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10としての粉粒状のバイオマスカーボン(椰子の木由来、植物性グラフェン)と粉粒状の砂(古代海泥の海洋深層砂)とをステンレス製(ステンレスSUS)の金属体20に封入してなる棒1Dの2本をその長さ方向の端部で接続部32により接続してなるものである。
この実施例においては、ステンレス製の金属を有底筒状に成形し、その筒の中に遠赤外線放射材10としての粉粒状のバイオマスカーボン及び砂を5g充填し、端部をステンレスの金属溶融で閉じることにより棒1Dを2本作製し、更に、それらの長さ方向の端部をステンレス製の棒を略くの字状に曲げ形成された接続部32により溶接接続することで、容器本体41からの出し入れしやすいトング状に形成した。
【0067】
即ち、砂及びカーボン10を金属体20に封入してなる2本の棒1Dを掛け渡す接続部32で接続することにより、接続部32を把持してまたは指にかけて容器本体41から取り出しやすくした。
なお、実施例では、図3に示したように、接続部32において2本の棒1Dとの接続部分で略くの字状に折曲げ形成した折曲部32aを有することにより、遠赤外線放射体1の2本の棒1Dを容器本体10の上方開口側から挿入していった際に、接続部32の折曲部32aが容器本体10の上方開口側に形成した段差部33に引っ掛かることで、接続部32が段差部33より下に進入することなく、接続部32の中央の略くの字状に折曲げた頂部32bが容器本体41の上端の開口から食み出る構成となっている。よって、容器本体41の開口から食み出た接続部32の中央の略くの字状に折曲げた頂部32bを把持してまたは指にかけて容器本体41から取り出しやすくしている。
また、トング状であれば接続部32で接続した2本の棒1D同士の間隔を変化できるから、2本の棒1D同士がハの字状に広がっていても、接続部32で接続した2本の棒1Dを把持しその間隔を狭めることで容器本体41の開口部を通過させて容器本体41内に収容することができる。
そして、本実施例では、2本の棒1Dを接続する接続部32において、ステンレス製の棒をその中央で略くの字状に曲げ形成した頂部32bを有することにより、接続部32の折曲げた頂部32bを壁面からの突起物に引っ掛けて保管することもでき、紛失し難い保管を可能とする。
【0068】
なお、本発明を実施する場合には、容器本体41内に2本の棒1Dの長さを収容し、接続部32が容器本体41の開口から食み出る長さに遠赤外線放射体1の長さを設定することにより、容器本体41の開口から食み出た接続部32を把持してまたは指にかけて容器本体41から取り出しやすくしてもよい。
また、トング状であれば接続部32で接続した2本の棒1D同士の間隔を変化できるから、容器本体41の開口部及び収容空間Sとトング状の遠赤外線放射体1との関係において、接続部32で接続した2本の棒1Dの間隔を狭めることで容器本体41の開口部を通過させることができる一方、容器本体41の収容空間S内では、2本の棒1Dの間隔が広がることで容器本体41から容易に抜け出ない構成とすることもできる。なお、接続部32の形状は、その中央部を略くの字状に折曲形成されたものに限定されず、略環状等に形成することも可能である。
【0069】
このトング状の遠赤外線放射体1についても、7.5μm~14μmの遠赤外線領域に感度を有する遠赤外線サーモグラフィカメラで撮影した撮影画像の遠赤外線サーモグラフィから、7.5μm~14μmの波長(遠赤外線)が放射されていることを確認している(図5参照)。
【0070】
そして、トング状の遠赤外線放射体1を金属製容器40の容器本体41の収容空間Sに収容した活水器100によれば、その容器本体41の収容空間Sに水等Wを入れることにより、そこに入れた水等Wの酸化還元電位が低下する。好ましくは、更に、トング状の遠赤外線放射体1で水Wを攪拌することにより、或いは、容器本体41を振って水Wに振動を与えることにより、金属製容器40に入れた水のW酸化還元電位がより低下する。
【0071】
これは、金属製容器40内に収容した遠赤外線放射体10から放射された波長(振動)に水分子が共振・共鳴し、即ち、遠赤外線放射体10からの遠赤外線の振動数(1/波長)が水の分子を構成している原子間の伸縮運動や変角運動等の振動運動に固有な振動数に一致していることにより水分子が遠赤外線の振動に共振・共鳴し、水分子において共振・共鳴して吸収され、増幅された振動エネルギで水分子のクラスタ(水素結合集団)が細分化され、水分子のマイナスイオン(水素イオン)が形成されることで、酸還元電位が低下したものと考えられる。また、水Wを攪拌したり水Wに振動を与えたりすることでも、遠赤外線放射体10や容器本体41の内面と水流・乱流との衝突・摩擦によって、水分子同士の衝突、振動、摩擦で電子が放出し、水分子のクラスタ(水素結合集団)が細分化され、酸化還元電位を低下させることになると考えられる。
なお、一般的に、遠赤外線放射材10からは、非加熱下においても、遠赤外線が放射され、それによって、水分子のクラスタ(集合体)が微細化され、また、ラジカルが生成し、生理的にも活性な水に改質されるといわれている。
【0072】
特に、本発明者らの実験研究によれば、ステンレス製の容器本体41の底部にアルミニウム板45を接着剤で接合したものと、アルミニウム板を接合してないものとの比較実験を行ったところ、ステンレス製の容器本体45の底部にアルミニウム板45を接合したものでは、極めて低い酸化還元電位が得られることを確認している。具体的には、ステンレス製の容器本体41の底部にアルミニウム板45を接合した活水器100によれば、その容器本体41内の収容空間Sに市販のお茶(緑茶)Wを入れ、また、そこにトング状の遠赤外線放射体1を入れたのち、その容器本体41内のお茶Wの酸化還元電位(ORP)を測定(室温20~22℃の常温状態)したところ(測定器:株式会社アプリクス社製:デュアル電極システム(デュアル電極:EL9003B,ORP計変換器:ORA-100、pH計変換器:PHA-100))、図6(a)に示したように、測定開始から、1時間で酸化還元電位が約-520mVまで低下し、約-500mVの酸化還元電位が長時間持続したことを確認している。なお、この測定実験は、容器本体41内にお茶W及び遠赤外線放射体1を収容し、蓋体42で蓋をしない開放状態で行ったものである。なお、参考のため、pHについての測定結果も図6(a)に示している。
また、本実施例の活水器100に市販のミネラルウォータ(硬水)Wを入れて同様に測定実験を行った結果についても、図6(b)に示す。市販のミネラルウォータ(硬水)Wを入れたときでも、その酸還元電位の顕著な低下が確認された。
【0073】
この理由については必ずしも明らかでないが、本実施例に係る遠赤外線放射体1においては、粉粒状のカーボンと砂とを混合して遠赤外線放射材10として金属体20に封入していることで、カーボンと砂とが遠赤外線放射により共振・共鳴して遠赤外線放射エネルギを増幅し、或いは、放射エネルギを減衰し難い持続性が得られ、それぞれ単独で使用する場合よりも遠赤外線放射エネルギが増大したことが考えられる。特に、カーボンは黒色であることから、遠赤外線放射率・吸収率が高いと考えられ、砂からの遠赤外線放射の波長に共鳴・共振することで放射エネルギを増幅させる効果が高いことが考えられる。また、遠赤外線放射材10としてのカーボンは黒体に近い遠赤外線の放射特性が得られ、更に、それと白色系の砂を組み合わせていることで、その材料では遠赤外線放射の波長が常温下でも水に対する吸収特性が高いことにより、常温下(非加熱)の遠赤外線放射の効果が得られるものと考えられる。また、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、金属の反射による遠赤外線放射の増幅も考えられる。
【0074】
更に、容器本体41の底部にアルミニウム板45を接合することで、ステンレス製の容器40よりもカーボンと砂を封入した遠赤外線放射体10からの遠赤外性放射をより反射して増幅させ、お茶Wに対してカーボンと砂を封入した遠赤外線放射体10の遠赤外線放射を効果的に伝播しやすいことが考えられる。或いは、アルミニウムでは、水の固有振動数(分子を構成している原子間の伸縮運動や変角運動等の振動運動に固有な振動数)と重なる振動数(1/波長)の所定の電磁波放射率を有することにより、それによっても水分子が共振して水分子が細分化されることで、水分子クラスタの分解、イオン化によって水分子のマイナスイオンが多く形成され、極めて低い酸化還元電位が得られたものとも考えられる。或いは、アルミニウム板45とステンレス製の容器本体41を接着剤で接着させていることでその接着剤によって電気的に絶縁されることで、更には、容器本体41も瓶と外瓶からなる二重構造でその間を真空にすることにより電気的に絶縁されていることで、容器本体41の外部からの正電荷を引き寄せ難くして活水化を受けやすい環境が形成されていることも考えられる。
【0075】
そして、本実施例の活水器100によれば、遠赤外線放射体10の遠赤外線放射等による水分子の共振・共鳴が持続的に生じていることにより、更には、水Wを収容している容器本体41がステンレス製でありステンレス製の容器40では、水分子の細分化によって形成された水分子のマイナスイオンを外部に透過させ難いことにより、水流が生じない状態でも所定波長の電磁波による水分子の共振・共鳴の持続で容器40内の水Wの低い酸還元電位が維持されるものと考えられる。なお、本発明者らは、抗酸化能(PAO)測定キットを使用し、本実施例の活水器100によって酸化還元電位が低下したお茶Wの抗酸化能を測定したところ、処理前のお茶Wよりも抗酸化能が増大したことも確認している。
【0076】
したがって、本実施例の活水器100によれば、内部に収容した清涼飲料等の酸還元電位を下げることができ酸化の防止を可能とする。即ち、遠赤外線放射体1を収容した容器40に飲料を入れるだけでその飲料を活性化し、酸化還元電位を下げて酸化を遅らせることができる。そして、本実施例の金属製容器40においては、容器本体41の開口を密閉可能な蓋体42を具備することにより、容器本体41内に収容した酸化還元電位の低下した飲料を別容器に移動させることなく、容器本体41の開口部を蓋体42で密閉することで、そのまま携帯して持ち運びすることができるが、本実施例の活水器100によって酸化還元電位を低下させた飲料は酸化し難いものであることで、飲料の風味を向上させることや、飲料の本来の風味を維持、長持ちさせることができる。
【0077】
特に、遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなる遠赤外線放射体1であれば、金属製容器40内で水等を攪拌する操作をしても、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されていることで、遠赤外線放射材10が水流により磨耗する心配がないから、更に、遠赤外線放射材10が飲料に溶出しないから飲料の味や風味を損ねる恐れもなく、繰り返しの使用でも遠赤外線放射体10による持続的な遠赤外線放射効果が得られる。
【0078】
したがって、繰り返しの使用でも遠赤外線放射材10が磨耗しないことで、遠赤外線放射材10を交換するメンテンナンスを行う手間や、ランニングコストが掛からず、長期間安定して遠赤外線放射体1による持続的な遠赤外線放射が得られ、長期の使用でも安定した活水化効果が得られる。更に、金属製容器40内に遠赤外線放射材10を敷き詰めてそこに通水させるものでなく、所望形状に成形した遠赤外線放射体1を金属製容器40に収容し、そこに水を入れるのみで活水効果を得るものであり、簡易な構造であるから、遠赤外線放射体1を取り出して赤外線放射体1及び金属製容器40を洗浄するのも容易である。よって、衛生さを維持することができ清潔な使用ができる。遠赤外線放射材10の周囲に水垢や汚れが付着した場合には、水に対する遠赤外線放射効果が小さくなる恐れがあるが、洗浄によって常に清潔にできることで繰り返しの使用でも活水効果の低下が抑制される。
【0079】
なお、容器本体41内に入れた活性化された水等Wを外部に排出する場合には、容器本体41の開口部(口金)から流出させるが、このとき遠赤外線放射体1を取り出してもよいし入れたままでもよい。遠赤外線放射体1を出し入れする場合でも遠赤外線放射材10が金属体20に被覆されていることにより遠赤外線放射体1の破損や損傷の恐れもなく、また、繰り返しの出し入れでも金属であれば破損し難いから、取扱いが容易である。
そして、本実施例の金属製容器40においては、容器本体41の開口を密閉可能な蓋体42を具備することにより、容器本体41内で活性化した活水を移動させることなく、活水が入った容器本体41の開口部を蓋体42で密閉することで、保存にも便利であるし、携帯自在であり携帯にも便利である。なお、本実施例では、容器本体41内に遠赤外線放射体1を収容した際に、接続部32の一部が容器本体41の開口から食み出すことから、本実施例のねじ込み式の蓋体42によって容器本体41の蓋をする場合には、遠赤外線放射体1を容器本体41から取り出して蓋体21を容器本体41の開口部にねじ込んで閉じるものである。
【0080】
しかし、本発明を実施する場合には、トング式の遠赤外線放射体1の全体を容器本体41に入れた状態で容器本体41の開口部を蓋体42で密閉可能な構成としてもよい。遠赤外線放射体1がトング状であれば、その全体のサイズを容器本体41の開口の口径未満となるようにし、2本の棒1Dの間隔を狭めることで開口を通過させ、全体を容器本体41内に入れる一方で、容器本体41内に入った際には、容器本体41の開口の口径より2本の棒1Dの間隔が広がることで容器本体41の開口をトング状の遠赤外線放射体1の全体が通過し難いものとし容易に抜きでないようにしてもよい。これより、容器本体41内に遠赤外線放射体1の全体を入れたままで、水Wを外部に排出させる場合でも、容器本体41の開口を遠赤外線放射体1が塞いでしまうことにより水Wの流れが止まることはなく、水Wをスムーズに外に流出でき、遠赤外線放射体1が水Wと共に外に出ることのないようにできる。
【0081】
なお、本実施例のトング状の遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10を封入した2本の棒1Dの長さ方向の一端部側を、くの字状に折曲した接続部32と接合して、全体形状をくの字形状とした事例で説明したが、本発明を実施する場合には、平板状の金属をくの字に折り曲げてその長さ全体に分布して遠赤外線放射材10を入れてもよいし、部分的に分布させてもよい。また、活水器100の金属製容器40内に入れる遠赤外線放射体1の形状もトング状に限定されず、球状、棒状、円柱状等のその他の形状であってもよい。また、携帯の用途等からすれば、容器本体41を蓋体42によって密閉構造とするのが好ましいが、本発明を実施する場合には、容器本体41を開放系の構造としてもよい。
【0082】
そして、本実施例の活水器100では、金属製容器40を容器本体41と容器本体41を密閉自在な蓋体42とからなる小型で軽量の持ち運び自在なステンレスボトル(水筒、タンブラー)の魔法瓶で形成していることにより、生成した活水の保存にも便利であるし、持ち歩き、即ち、破損や損傷し難いので水筒、タンブラ等の用途として携帯にも便利である。磨耗瓶であるから保温・保冷効果も高いものである。また、遠赤外線放射体1の遠赤外線放射材10が金属体20で封入されていることにより、更に、その遠赤外線放射体1が金属製容器40としての魔法瓶に収容されていることにより、金属製容器40内に入れた水W等の温度が高い場合にはそれが維持しやすく、遠赤外線放射材10の温度を高くできるから、遠赤外線放射材10から放射される遠赤外線のエネルギ量を高めることも可能である。
【0083】
こうして本実施例の活水器100は、容器本体41の底部にアルミニウム板45を接合した有底筒状のステンレス製の容器40内に、粉粒状のカーボンと砂とを遠赤外線放射材10として金属体20に封入してなるトング状の遠赤外線放射体1を収容してなるものである。この本実施例の活水器100によれば、遠赤外線放射体1を収容したステンレス製の容器40内に水等の液体・液状物Wを入れることで、遠赤外線放射材10の少ない使用量でも水等の液体・液状物Wを活性化させ、酸化還元電位を効果的に下げ、大きな負のORP値にすることもできる。また、活水効果を高くできるので、小型化、軽量化が可能である。
【0084】
なお、このように活水化され酸化還元電位の低い水は、クラスタ構造が小さいことによって、水の粘度が低下し飲料水としても飲みやすく美味しく感じられる。飲用によって健康増進の効果も期待できる。また、表面張力が低下して小さくなり、水の浸透性が高まるから、例えば、野菜等の植物栽培用の給水として使用した場合にも植物に吸収されやすく、切花等の植物の保存・鮮度維持、植物の発芽、成長の促進等の効果が期待できる。更に、食物やその料理・調理に使用した場合にも、鮮度維持・保存性や味質等の向上効果が期待できる。また、人の肌等に付与した場合の浸透性も期待できる。表面張力が小さいことで、蒸発し難く、また、洗浄の促進、界面活性効果も高くなることも期待できる。このため、例えば、油脂の溶解力を高め、例えば、頭皮等に付与した場合には、その皮脂の洗浄効果を高めることも期待できる。そして容器40に保存した場合でも、水垢が生じ難く、また、容器40の内面に水垢が付着し難く、衛生を維持しやすい。更に、容器40内の腐食防止効果も期待できる。また、入浴としての水に使用した場合には、浴槽に汚れが生じ難いものとなることが期待できる。また、クラスタが細分化された水によれば目詰まりもし難いものとなる。そして、飲料用に限らず、家庭及び工業用の洗濯水、金属やガラスの食器等の洗浄水、ガーデニング用の水、野菜及び果樹園、花等の園芸、水耕栽培、温室栽培等の栽培用水等、観賞用、養魚等の魚類の水槽の水に活用、適用することもできる。
【0085】
特に、本実施の形態においては、遠赤外線放射材10として粉粒状のカーボン及び砂・鉱石を併用するものであり、それらの併用では、共鳴・共振による遠赤外線放射エネルギの増幅或いは放射エネルギを減衰し難い持続性が得られ、それらn単独の場合よりも遠赤外線放射効果を高めることができる。また、砂や鉱石では、セラミックス等とは異なり高温で長時間の焼成工程は不要であることから、地球温暖化を招く二酸化炭素の排出を抑えることができるものであり、環境にも優しい材料である。殊に、セラミックス等ではそれら高温に焼成したのちその焼成物を粉砕等して粉粒状にするものであるのに対し、砂であればそのような工程を不要にでき、省エネな材料となる。
なお、上記実施例では、カーボンと砂との併用であるが、カーボンと鉱石、カーボンと砂及び鉱石との組み合わせであってもよいし、本発明を実施する場合には、更にそれ以外の遠赤外線放射材10を入れてもよいし、別の材料を使用してもよい。
【0086】
また、上記実施例では、活水器100で水や飲料を活性化させ飲用することを想定し、容器40として水筒、タンブラ等の用途としての魔法瓶を使用したが、本発明を実施する場合は、活水器100で活水化させる液体・液状物Wは、水や飲料に限定されず、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナーや化粧液等であってもよく、この場合には、容器40はシャンプー、リンス、コンディショナーや化粧液を収容する化粧容器として機能する。
また、上記実施例の活水器100では、自由に持ち運びができる小型で軽量のものとしたが、本発明を実施する場合には、据え置き型の大型のものとしてもよい。即ち、容器40は、携帯型の水筒、ボトル、タンブラに限定されず、化粧ボトル、桶、シンク等、その形態は問わない。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態の遠赤外線放射体1は、遠赤外線放射材10を所定形状の金属体20に封入してなるものである。
したがって、本実施の形態の遠赤外線放射体1によれば、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されてなるものであるから、遠赤外線放射材10が磨耗する心配がなく、また、遠赤外線放射材10の水等への溶出もない。よって、繰り返しの使用によっても遠赤外線放射効果が低下することなく持続的な遠赤外線放射を可能とする。また、遠赤外線放射材10が所定形状の金属体20に封入されていることで、洗浄による遠赤外線放射材10の消耗、磨耗、流出もないことから、洗浄の取扱いも容易であり、衛生さを維持できる。また、金属であれば任意の形状に成形でき成形性がよく、所望形状に成形できるから、使途に応じた形状設計が可能であることで多用途に展開できる。
【0088】
また、本実施の形態の遠赤外線放射体1によれば、遠赤外線放射材10が粉粒状であることから、比表面積が大きいことにより、また、金属体20に封入する充填率を高めることができることにより、遠赤外線放射材10の遠赤外線放射のエネルギ量を高めることができる。特に、遠赤外線放射材10を金属体20に封入するものであり、遠赤外線放射材10の強度を必要としないから、遠赤外線放射材10を細かい粉粒体にできる。
即ち、本実施の形態の遠赤外線放射体1によれば、遠赤外線放射材10を金属体20に封入されてなるものであることから、粉粒状の遠赤外線放射材10を使用することができ、こうした粉粒状の遠赤外線放射材10では、比表面積が大きいことにより、また、金属体20に封入する充填率を高めることができることにより、遠赤外線放射のエネルギ量を高くできる。そして、こうした遠赤外線放射エネルギ量を高くできる粉粒状の遠赤外線放射材10を使用しても、それが金属体20に封入されてなるものであるから、遠赤外線放射材10の磨耗、流出の恐れはなく、また、金属体20であれば所望形状に成形でき、粉粒状でないから洗浄が容易で、清潔に使用できる。
【0089】
更に、本実施の形態の遠赤外線放射体1によれば、遠赤外線放射材10は、カーボンと、砂及び/または鉱石とを併用したものであり、カーボンと砂・鉱石とを混合したものでは、共振・共鳴作用により遠赤外線放射のエネルギ量を増大できる。
【0090】
加えて、本実施の形態の遠赤外線放射体1において、金属体20がアルミニウム製またはステンレス製であれば、成形加工が容易で、耐食性が高く、また、安価に入手できる。よって、低コストで所望形状の成形が容易で多用途に使用できるものとなり、また、耐久性も高いものとなる。更に、アルミニウム製のものでは軽量で取扱いが容易で持ち運びにも便利で錆難いものであり、ステンレス製のものでは耐食性、耐久性がより高いものとなる。
【0091】
また、本実施の形態の活水器100は、遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなる遠赤外線放射体1と、遠赤外線放射体1を収容する金属製の有底筒状の容器40とを具備する。
本実施の形態の活水器100によれば、金属製の容器40に収容する遠赤外線放射体1が遠赤外線放射材10を金属体20に封入してなるものであり、遠赤外線放射材10が金属体20に封入されているから、遠赤外線放射材10が磨耗する恐れがなく、また、遠赤外線放射材10の水等への溶出もない。よって、繰り返しの使用によっても遠赤外線放射が低下することなく持続的な遠赤外線放射を可能とする。これより、遠赤外線放射体10の遠赤外線放射による持続的な活水効果を可能とする。また、遠赤外線放射材10が所定形状の金属体20に封入されていることで、洗浄による遠赤外線放射材10の消耗、磨耗、流出もないことから、遠赤外線放射体1の洗浄の取扱いも容易であり、衛生さを維持できる。即ち、遠赤外線放射材10を容器40に充填し通水するものでなく、遠赤外線放射材10を金属体20に封入して金属製の有底筒状の容器40に収容する簡易な構造とするものであり、金属体20であれば容器40から取出し自在な所望形状に成形でき、容器40及び遠赤外線放射体1の洗浄を容易にできるものになるため、清潔に使用できる。更に、遠赤外線放射材10が磨耗することもないため、それを交換するランニングコストも抑えられ、使用者の負担が少ないものである。また、金属であれば所望形状に成形できるから、使途に応じた形状設計が可能であることで多用途に使用できる。
なお、遠赤外線放射体1はその全体形状が必ずしも容器40内に収容されることまでは要求されず、部分的な収容であってもよい。
【0092】
更に、本実施の形態の活水器100において、遠赤外線放射体1の金属体20や金属製の容器41が、アルミニウム製またはステンレス製であれば、成形加工が容易で、耐食性が高く、また、安価に入手できる。よって、低コストで所望形状の成形が容易で多用途に使用できるものとなり、また、耐久性も高いものとなる。加えて、アルミニウム製ものでは軽量で取扱いが容易であり、ステンレス製のものでは、耐食性、耐久性がより高いものとなる。
【0093】
また、上記実施例においてはステンレス製の有底筒状の容器41の底部外面にアルミニウムを接合したものであるが、このように金属製の容器の外面、例えば、底部及び/または胴部の外面にアルミニウムを配設したものでは、活水効果をより高めることが可能である。
【0094】
なお、本発明を実施するに際しては、遠赤外線放射体1や活水器100のその他の部分の組成、成分、配合、材質、材料、大きさ、接続関係等について、本実施の形態に限定されるものではない。
更に、上述した数値範囲は、厳格なものでなく、当然、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。また、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な適正値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
【符号の説明】
【0095】
1 遠赤外線放射体
10 遠赤外線放射材
20 金属体
40 金属製容器
100 活水器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線放射材を金属体に封入してなる1対の棒をそれらの一端部で接続してトング状に形成してなることを特徴とする遠赤外線放射体。
【請求項2】
前記遠赤外線放射材は、粉粒状であることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線放射体。
【請求項3】
前記遠赤外線放射材は、カーボンと、砂及び/または鉱石とを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遠赤外線放射体。
【請求項4】
前記金属体は、アルミニウム製またはステンレス製であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の遠赤外線放射体。
【請求項5】
遠赤外線放射材を金属体に封入してなる1対の棒をそれらの一端部で接続してトング状に形成してなる遠赤外線放射体と、
前記遠赤外線放射体を収容する金属製容器と
を具備することを特徴とする活水器。
【請求項6】
前記金属製容器は、アルミニウム製またはステンレス製であることを特徴とする請求項5に記載の活水器。
【請求項7】
前記金属製容器は、その底部及び/または胴部の外面にアルミニウムを配設したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の活水器。