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特開2023-130890情報制御装置、情報制御プログラム及び情報制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130890
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】情報制御装置、情報制御プログラム及び情報制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035456
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】打越 元信
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA24
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC01
5E555BE17
5E555DA08
5E555DC11
5E555DC32
5E555DC35
5E555DD07
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】作業者に必要な情報を基準として、必要ない情報を削除又は視認性を低くして表示する情報制御装置等を提供すること。
【解決手段】情報制御装置は、XR空間の一部分を構成する複数の表示情報、及び、ユーザが行う作業の情報を取得する取得部と、前記表示情報と前記作業との関連度合いが所定の条件を満たした場合、当該表示情報を通常とは異なる表示態様で出力する出力部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
XR空間の一部分を構成する複数の表示情報、及び、ユーザが行う作業の情報を取得する取得部と、
前記表示情報と前記作業との関連度合いが所定の条件を満たした場合、当該表示情報を通常とは異なる表示態様で出力する出力部と
を備えることを特徴とする情報制御装置。
【請求項2】
前記表示情報の前記関連度合いがノイズ、無関係な項目、又は、前記作業とは無関連であると判定された場合、前記出力部は当該表示情報を通常とは異なる表示態様で出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報制御装置。
【請求項3】
前記関連度合いは、前記表示情報に含まれる文言と、前記作業に対応付けられた文言との類似度により求める
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報制御装置。
【請求項4】
前記関連度合いは、前記表示情報に含まれる文言と、前記作業に対応付けられた文言との一致度により求める
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報制御装置。
【請求項5】
前記通常と異なる表示態様とはコントラストを低く表示することである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報制御装置。
【請求項6】
前記通常と異なる表示態様とは表示出力しないことである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報制御装置。
【請求項7】
XR空間を構成する複数の表示情報、及び、ユーザが行う作業の情報を取得し、
前記表示情報と前記作業との関連度合いが所定の条件を満たした場合、当該表示情報を通常とは異なる表示態様で前記XR空間へ出力する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報制御プログラム。
【請求項8】
XR空間を構成する複数の表示情報、及び、ユーザが行う作業の情報を取得し、
前記表示情報と前記作業との関連度合いが所定の条件を満たした場合、当該表示情報を通常とは異なる表示態様で前記XR空間へ出力する
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示する情報を制御する情報制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
XR(Extended Reality)技術が普及している。XR技術は、VR(Virtual Reality)技術、AR(Augmented Reality)技術、MR(Mixed Reality)技術等を総称する技術である。XRに関して、有益な情報を付加する技術が研究され、各種サービスが検討されている。
【0003】
AR技術を利用した作業支援を行う際に、実際の作業環境に存在するすべての機器の画像とARコンテンツとを、画面上に同時に表示すると、作業者の認知負荷が増大して、作業効率が低下することがある。この点に着目して、作業環境に合わせて、作業者の作業を支援する情報を提示する作業支援装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-181456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術はサーバルームなどの作業空間において、作業員が、作業対象とする機器に容易に辿り着けるよう支援するものであり、作業を支援するものではない。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。その目的は、作業者に必要な情報を基準として、必要ない情報を削除又は視認性を低くして表示する情報制御装置等を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の一態様に係る情報制御装置は、XR空間の一部分を構成する複数の表示情報、及び、ユーザが行う作業の情報を取得する取得部と、前記表示情報と前記作業との関連度合いが所定の条件を満たした場合、当該表示情報を通常とは異なる表示態様で出力する出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一観点によれば、作業者に必要ない情報を削除又は視認性を低くして表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業支援システムの構成例を示す説明図である。
図2】情報制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】表示装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4】画面DBの例を示す説明図である。
図5】部品DBの例を示す説明図である。
図6】分類マスタDBの例を示す説明図である。
図7】分類DBの例を示す説明図である。
図8】設定DBの例を示す説明図である。
図9】作業手順DBの例を示す説明図である。
図10】表示処理の手順例を示すフローチャートである。
図11】表示画面の例を示す説明図である。
図12】表示画面の例を示す説明図である。
図13】表示設定画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は作業支援システムの構成例を示す説明図である。作業支援システム100は情報制御装置1及び表示装置2を含む。情報制御装置1と表示装置2とは、近距離無線通信により、通信可能に接続されている。情報制御装置1と表示装置2とは必ず別体である必要はなく、情報制御装置1の構成、機能を、表示装置2へ組み込んだ一体の装置であってよい。
【0011】
情報制御装置1はタブレットコンピュータ、PC(Personal Computer)、スマートフォン等で構成する。情報制御装置1を、サーバコンピュータ、ワークステーション、等で構成してもよい。また、情報制御装置1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。さらに、情報制御装置1の機能をクラウドサービスで実現してもよい。
【0012】
表示装置2は、顔、頭等に装着して使用する表示装置である。表示装置2は、ヘッドマウントディスプレイ、VRゴーグル、ARゴーグル、MRゴーグル、SRゴーグル、スマートグラス等で構成する。表示装置2は、XR空間におけるユーザ視点からの画像を表示する。表示装置2はスマートフォンをゴーグル用の筐体に固定した構成でよい。表示装置2は情報制御装置1を操作するために使用する操作デバイスを含んでもよい。
【0013】
図2は情報制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報制御装置1は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15を含む。制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15はバスBにより接続されている。
【0014】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。制御部11は、補助記憶部13に記憶された制御プログラム1P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、情報制御装置1に係る種々の情報処理、制御処理等を行い、取得部、出力部等の機能部を実現する。
【0015】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は主として制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0016】
補助記憶部13はハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等であり、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pや各種DB(Database)を記憶する。補助記憶部13は、画面DB131、部品DB132、分類マスタDB133、分類DB134、設定DB135及び作業手順DB136を記憶する。補助記憶部13は情報制御装置1と別体の外部記憶装置であってもよい。補助記憶部13に記憶する各種DB等を、情報制御装置1とは異なるデータベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0017】
通信部14は複数の異なる通信規格での通信を同時並行に行う。例えば、通信部14はBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の近距離無線通信により、表示装置2との通信を行う。通信部14はUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して表示装置2と通信してもよい。一方、通信部14は無線LANルータを介して、表示装置2と通信を行う。また、制御部11が通信部14を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。
【0018】
読み取り部15はCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部15を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、補助記憶部13に記憶してもよい。また、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
【0019】
図3は表示装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。表示装置2は制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、入力部25、出力部26及び姿勢検知部27を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0020】
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部21は、補助記憶部23に記憶された制御プログラム2P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、種々の機能を提供する。
【0021】
主記憶部22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部22は主として制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0022】
補助記憶部23はハードディスク又はSSD等であり、制御部21が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。補助記憶部23に記憶する各種DB等を、データベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0023】
通信部24は近距離無線通信、又は、有線のシリアル通信(例えばUSB通信)若しくはパラレル通信により、情報制御装置1と通信を行う。また、通信部24は、ネットワークNを介して、外部のコンピュータと通信を行う。また、制御部21が通信部24を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム2Pをダウンロードし、補助記憶部23に記憶してもよい。
【0024】
入力部25はキーボードやマウスである。また、入力部25として、手に持って使用するコントローラを採用してもよい。当該コントローラには、操作スイッチ、小型のジョイスティック等が搭載されている。出力部26は液晶表示パネル等を含む。出力部26は情報制御装置1が出力したXR画像などを表示する。また、入力部25と出力部26とを一体化し、タッチパネルディスプレイを構成してもよい。なお、情報制御装置1が出力したXR画像などを、主としてPCと接続して使用される所謂通常のPCモニタや液晶ディスプレイに表示してもよい。
【0025】
姿勢検知部27は、表示装置2の姿勢を検知し、検知結果を制御部21へ通知する。姿勢検知部27は、加速度センサ又はジャイロセンサ、磁気センサ等を用いて構成されている。姿勢検知部27は、例えば3軸方向の加速度を検知する加速度センサを用い、表示装置2の静止状態において重力加速度を検知する。これにより制御部21は、表示装置2が鉛直方向に対してどの程度傾いているかを加速度センサの検知結果(重力加速度の向き等)から算出することができる。また表示装置2が移動中の場合には、加速度センサは動きに応じた加速度を検知するため、姿勢検知部27は表示装置2の移動速度、移動方向及び位置等を算出することができる。また例えば姿勢検知部27がジャイロセンサを有する場合、ジャイロセンサが検知した角速度の時間積分値(即ち、回転角)を算出することによって、表示装置2の傾き及び位置等を算出することができる。ただし表示装置2の姿勢の検知方法はこれに限るものではなく、その他種々の方法で行ってよい。姿勢検知部27の検知結果から得られる表示装置2の傾き、位置及び向き等を、姿勢という。
【0026】
次に作業支援システム100が使用するデータベースについて説明する。図4は画面DBの例を示す説明図である。画面DB131は表示装置2に表示させる画面、特に作業画面のデサインを記憶する。画面DB131は画面ID列、タイトル列、部品ID列、及び位置列を含む。画面ID列は画面を一意に特定する画面IDを記憶する。タイトル列は画面のタイトルを記憶する。部品ID列は画面を構成する部品(表示情報)を特定する部品IDを記憶する。部品はコントロールとも呼ばれ、例えば、テキストボックス、プルダウンメニュー、チェックボックス等である。部品に画面を指定することで、複数の画面を入れ子構造にすることも可能である。位置列は画面において部品を配置する位置の座標を記憶する。
【0027】
図5は部品DBの例を示す説明図である。部品DB132は部品についての情報を記憶する。部品DB132は部品ID列、種別列及びプロパティ列を含む。部品ID列は部品を一意に特定する部品IDを記憶する。種別列は部品の種別を記憶する。種別は前述したようにテキストボックス、プルダウンメニュー、チェックボックス等である。プロパティ列は部品に関する属性を記憶する。属性は部品の種別により異なる。例えば、テキストボックスであれば、大きさ、初期表示の際に表示するテキストの内容、ユーザにテキストの編集を許可するか否かの設定等である。プルダウンメニューであれば、メニューとして表示される内容、初期表示で表示されるメニューの指定情報、各メニューについて選択された場合に返却される値等である。チェックボックスであれば、チェックボックスと共に表示されるラベルの値、初期表示にチェックを付けるか否かの設定等である。
【0028】
図6は分類マスタDBの例を示す説明図である。分類マスタDB133は分類の定義を記憶する。分類は、表示装置2に表示する要素が持つ情報に基づき各要素に付される。要素は例えば、画面や部品である。情報制御装置1は分類に基づき、各要素を表示装置2にどのような態様で表示させるかを制御する。分類マスタDB133は分類ID列、大分類列、及び分類列を含む。分類ID列は分類を一意に特定する分類IDを記憶する。大分類列は分類の大分類を記憶する。分類列は分類を記憶する。大分類は複数の分類をグループにしたものである。大分類を定義することより、複数の分類をまとめて表示制御可能となる。
【0029】
図7は分類DBの例を示す説明図である。分類DB134は部品の分類を記憶する。分類DB134は部品ID列及び分類ID列を含む。部品ID列は部品IDを記憶する。分類ID列は部品に対応する分類の分類IDを記憶する。
【0030】
図8は設定DBの例を示す説明図である。設定DB135はユーザ毎の表示設定を記憶する。設定DB135はユーザID列、ノイズ削除列、無関係項目列、及び非関連項目列を含む。ユーザID列はユーザを特定するユーザIDを記憶する。ノイズ削除列は背景列、人物列、及び資料列を含む。背景列は背景の表示設定を記憶する。人物列は人物の表示設定を記憶する。なお、VR表示の場合、人物にはアバターを含む。資料列は資料の表示設定を記憶する。無関係項目列は履歴列、リンク列、及びポップアップ列を含む。履歴列は作業履歴の表示設定を記憶する。リンク列はハイパーリンクの表示設定を記憶する。ポップアップ列はポップアップウィンドウの表示設定を記憶する。非関連項目列は参考列、及び過去非参照列を含む。参考列は参考情報の表示設定を記憶する。過去非参照列は過去に参照されなかった参考情報の表示設定を記憶する。表示設定は1が表示、0が非表示を表している。表示設定として、表示、非表示以外の設定を含めてもよい。例えば、表示設定として、コントラストを低く表示、縮小して表示等である。
【0031】
図9は作業手順DBの例を示す説明図である。作業手順DB136は作業手順についての情報を記憶する。作業手順は一連で行う複数の作業をグループ化したものである。作業手順DB136は作業ID列、番号列、内容列、画面ID列を含む。作業ID列は作業手順を特定する作業IDを記憶する。番号列は作業の順番号を記憶する。内容列は作業内容を記憶する。画面ID列は作業の際に表示する画面の画面IDを記憶する。
【0032】
続いて、作業支援システム100で行われる情報処理について説明する。図10は表示処理の手順例を示すフローチャートである。情報制御装置1の制御部11は設定DB135から表示設定を取得する(ステップS1)。制御部11はユーザが行う作業の情報を作業手順DB136から取得する(ステップS2)。制御部11は作業の情報に含まれる画面IDを検索キーとして、画面DB131を検索し、画面情報を取得する(ステップS3)。制御部11は画面情報に含まれる部品を選択する(ステップS4)。制御部11は選択した部品の分類を判定する(ステップS5)。本実施の形態では、制御部11は、部品の分類を分類DB134により判定する。制御部11は選択した部品の部品IDを検索キーとして、分類DB134を検索し、部品の分類を判定する。制御部11は取得した分類と、表示設定とを対照して、部品の表示態様を変更するか否かを判定する(ステップS6)。制御部11は部品の表示態様を変更しないと判定した場合(ステップS6でNO)、処理をステップS8へ移す。制御部11は部品の表示態様を変更すると判定した場合(ステップS6でYES)、部品の表示態様を変更する(ステップS7)。制御部11は未処理の部品があるか否かを判定する(ステップS8)。制御部11は未処理の部品があると判定した場合(ステップS8でYES)、処理をステップS4へ戻し、未処理の部品についての処理を行う。制御部11は未処理の部品がないと判定した場合(ステップS8でNO)、表示画面を表示装置2へ出力し(ステップS9)、処理を終了する。なお、部品の表示態様の変更とは、例えば、テキストを薄く表示する、テキストの文字を小さくして表示する、テキストを表示しないようにすることである。一方、通常の表示態様は、画面に含まれる全ての部品を表示する態様である。但し、本実施の形態における表示制御とは、別の表示制御を行なっている場合、表示されない部品が存在しうる。ステップS9で出力される表示画面が表示装置2で表示され、それをユーザが見ることにより、当該ユーザはXR空間を認識する。また、当該表示画面に、表示態様を変更した部品が含まれている場合、表示態様を変更した部品を出力しているといえる。したがって、表示態様を変更した部品を含む表示画面の出力は、「表示情報を通常とは異なる表示態様で出力する」ことの一例である。
【0033】
上述の説明では、部品の分類が予め指定した分類に一致した場合、作業内容とは無関連であると判定して、部品の表示態様を変更したが、それに限らない。以下ように、一致度や類似度等の関連度合いにより、部品の表示態様を変更するか否かを決定してもよい。例えば、部品の内容がテキストである場合、言語解析を行う。制御部11は、形態素解析により、テキストを単語ごとに切り分ける。切り分けた各単語が、作業内容を示す説明文に含まれている否かを判定する。制御部11は、一致する単語の割合(一致度)が所定の閾値以上であれば、部品の表示態様を変更し、一致度が閾値未満であれば、表示態様を変更しない。
【0034】
表示態様の変更は、どのようなXR空間に出力するかで異なるようにしてもよい。例えば、VR空間で表示する場合、上述したように関連度合いが低いときは、ユーザが本来の作業への集中を発散しないような態様で出力してもよい。
【0035】
一方、AR空間で表示する場合、重畳的に表示する情報が、作業との関連度度合いが低いときは、ユーザが本来の作業への集中を発散しないような態様で出力してもよい。また、実世界で被重畳される情報と、本来の作業との関連度合いが低い場合は、その情報を遮蔽するような態様(例えばマスキング)で出力してもよい。例えば、仕事中はパソコンの画面以外はマスキングする。講演を聴講しているときは講演のプレゼンや講演者以外の情報はマスキングする。監視しているときは監視対象に関連ない情報はマスキングする。マスキングにより、仕事、講演聴講、監視により集中、より没頭することが期待できる。
【0036】
また、制御部11は、単語が説明文に含まれていないが、単語の意味が類似するものが、説明文に含まれているか否かを判定する。制御部11は一致度、及び、類似する単語の割合から、テキストと作業内容を示す説明文との類似度を判定する。制御部11は、類似度が所定の閾値以上であれば、部品の表示態様を変更し、類似度が閾値未満であれば、表示態様を変更しない。
【0037】
類似度の算出は、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)などの自然言語モデルを利用してもよい。また、画面の内容にテキストが含まれるものの、画面の情報にテキストデータが含まれていない場合、制御部11は、画面の内容を画像として取得する。制御部11は、公知の文字認識技術を用いて、取得した画像から文字認識を行い、表示しているテキストを取得する。
【0038】
図11及び図12は表示画面の例を示す説明図である。図11及び図12はフロー図のバッチ0002についての作業を行う際の画面である。図11は通常の表示画面であり、表示すべき部品(要素)を全て表示している。図12は表示する部品を絞り込んで表示している。図12では、フロー図において、作業の対象でないバッチは名称が表示されず、枠が点線表示になっている。また、詳細情報は表示されていない。
【0039】
図13は表示設定画面の例を示す説明図である。図13に示す例では、表示制御が可能な大分類として、ノイズ削除、無関係な項目の削除、作業関連以外の削除が定義されている。そして、ノイズ削除には、背景、人物、資料の小分類が定義されている。無関係な項目の削除には、履歴、リンク、ボップの小分類が定義されている。作業関連以外の削除には、参考、過去非参照の小分類が定義されている。各小分類にスライドスイッチが表示されている。つまみknを右にすると削除ONとなり、小分類に対応する部品は画面に表示されない。つまみknを左にすると削除OFFとなり、小分類に対応する部品は画面に表示される。PTはポインタである。表示装置2が視線追跡(アイトラッキング)により、ポインタPTの位置を制御する。表示装置2に姿勢により、ポインタPTの位置を制御してもよい。ポインタPTを所定の位置に、所定時間以上、停留することで、入力が可能である。例えば、つまみknにポインタPTを停留すると、ONがOFFに、OFFがONに切り替わる。視線追跡による操作により、ユーザは手が離せない作業を行なっている場合でも、表示設定が可能となる。なお、図13に示す表示設定画面は、図11図12に示す表示設定画面の上に重ねて表示(オーバレイ表示)してもよい。
【0040】
表示設定画面の説明において、表示制御として「削除ON」又は「削除OFF」の2つの選択肢のいずれかのみを選択可能としたが、それに限らない。通常表示するか、表示態様を変更するかを決定する閾値を、ユーザがつまみknにより変更可能としてもよい。例えば、資料をノイズと判定するに処理においては、資料の内容と作業内容との関連度合いを示す数値を求め、当該数値が閾値以上か、閾値未満であるかを決定する。当該閾値をユーザが変更可能とすることで、初期設定でノイズと判定された資料をノイズとは判定せず、通常の表示態様で表示させることが可能となる。閾値を用いて判定を行う他の項目も同様である。例えば、過去非参照の資料は表示しないとの設定において、過去の範囲をユーザが設定することにより、直近1ヶ月以内には参照されなかったが、直近3ヶ月以内には参照された資料が表示される。
【0041】
本実施の形態では、作業に必要ない情報を表示しないので、作業者は作業対象を容易に識別することが可能となる。それによって、作業の効率アップが期待できる。
【0042】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
100 作業支援システム
1 情報制御装置
11 制御部
12 主記憶部
13 補助記憶部
131 画面DB
132 部品DB
133 分類マスタDB
134 分類DB
135 設定DB
136 作業手順DB
14 通信部
15 読み取り部
1P 制御プログラム
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
2 表示装置
21 制御部
22 主記憶部
23 補助記憶部
24 通信部
25 入力部
26 出力部
27 姿勢検知部
2P 制御プログラム
B バス
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13