(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130919
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】加工データ生成装置、シート加工システムおよび加工データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
B26D 5/00 20060101AFI20230913BHJP
B26D 11/00 20060101ALI20230913BHJP
B26D 7/24 20060101ALI20230913BHJP
B65H 37/04 20060101ALN20230913BHJP
B65H 37/06 20060101ALN20230913BHJP
【FI】
B26D5/00 B
B26D11/00
B26D7/24
B26D5/00 F
B65H37/04 Z
B65H37/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035510
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】金岡 弘道
【テーマコード(参考)】
3C021
3C024
3F108
【Fターム(参考)】
3C021HA08
3C024AA06
3F108GB03
3F108GB06
(57)【要約】
【課題】シートの加工機が加工ジョブを実行可能である場合にレイアウトデータを保存する、加工データ生成装置を提供する。
【解決手段】シートSにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機10;20;30によるシートに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成部42と、レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断部43と、加工データ生成部およびデータ保存判断部と少なくとも一つの加工機との間でデータおよび情報を送受信する送受信部48とを備え、データ保存判断部は、前記送受信部を通じて受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、レイアウトデータの保存を指示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機による前記シートに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成部と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断部と、
前記加工データ生成部および前記データ保存判断部と前記少なくとも一つの前記加工機との間でデータおよび情報を送受信する送受信部とを備え、
前記データ保存判断部は、前記送受信部を通じて受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする、加工データ生成装置。
【請求項2】
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記データ保存判断部は、前記送受信部を通じて受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする、請求項1に記載の加工データ生成装置。
【請求項3】
前記送受信部は、前記加工データ生成部から前記少なくとも一つの前記加工機に前記加工データを送信し、前記少なくとも一つの前記加工機から前記データ保存判断部に前記実行可能情報または前記実行不可情報を送信することを特徴とする、請求項2に記載の加工データ生成装置。
【請求項4】
前記加工データ生成装置に対して前記少なくとも一つの前記加工機が接続され、
前記データ保存判断部は、前記送受信部を通じて前記少なくとも一つの前記加工機から前記実行可能情報を受信すると、いずれの前記加工機に加工ジョブを実行させるかについて判断する判断処理を実行することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の加工データ生成装置。
【請求項5】
前記加工データ生成装置に対して複数の前記加工機が接続され、
前記データ保存判断部の前記判断に基づいて、前記複数の前記加工機のうちのいずれの前記加工機が前記加工ジョブを実行するかを振り分ける加工ジョブ振り分け部をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の加工データ生成装置。
【請求項6】
保存される前記レイアウトデータは、前記加工機による前記加工ジョブの前記実行可能情報と紐付けられるか、または、前記実行可能情報を送信した前記加工機に関する識別データと紐付けられることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の加工データ生成装置。
【請求項7】
前記レイアウトデータを変更するレイアウトデータ変更部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の加工データ生成装置。
【請求項8】
前記加工データを変更する加工データ変更部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の加工データ生成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の前記加工データ生成装置と、少なくとも一つの前記加工機とを備えることを特徴とする、シート加工システム。
【請求項10】
コンピュータに、
シートにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機による前記シートに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断処理と、
前記加工データ生成処理および前記データ保存判断処理においてデータおよび情報を送受信する送受信処理と、
受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する保存指示処理とを実行させることを特徴とする、加工データ生成プログラム。
【請求項11】
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記保存指示処理では、受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする、請求項10に記載の加工データ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加工データ生成装置、シート加工システムおよび加工データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、シートの加工条件に基づいて、シートの加工内容および加工順序を考慮した加工手段設定情報を表示するシートの加工機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、シートの加工機は、予め作成された加工データに従って、成果物が印刷されたシートに対する加工ジョブを実行する。加工データは、例えば、シートにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて作成される。従来、加工データの元になるレイアウトデータが保存され、保存されたレイアウトデータを利用することによって、成果物がシートに印刷されていた。
【0005】
作成された加工データが加工機の仕様などに対応しないことにより、加工ジョブが実行不可になることが起こり得るが、従来は、加工ジョブの実行可否に関係なく、全てのレイアウトデータが保存されていた。
【0006】
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、シートの加工機が加工ジョブを実行可能である場合にレイアウトデータを保存する、加工データ生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下の加工データ生成装置が提供される。
【0008】
すなわち、この発明に係る加工データ生成装置は、
シートにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機による前記シートに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成部と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断部と、
前記加工データ生成部および前記データ保存判断部と前記少なくとも一つの前記加工機との間でデータおよび情報を送受信する送受信部とを備え、
前記データ保存判断部は、前記送受信部を通じて受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートが作成され、また、無駄なシートに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明の一実施形態に係るシート加工システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】
図1に示したシート加工システムにおける加工データ生成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】加工データ生成装置と複数の加工機との間でのデータや情報のやりとりを説明する図である。
【
図6】シート加工システムにおいて実行される第1例に係る制御を説明するフローチャートである。
【
図7】シート加工システムにおいて実行される第2例に係る制御を説明するフローチャートである。
【
図8】加工データ生成装置の表示手段に表示される、折り畳加工および筋付け加工に関する入力画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一例を添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致するものではない。
【0012】
(シート加工システム)
図1を参照してシート加工システム1を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るシート加工システム1の構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示すように、シート加工システム1は、加工データ生成装置2と、複数の加工機10,20,30とを備える。加工データ生成装置2は、制御部3と、送受信部48とを有する。加工データ生成装置2には、少なくとも一つの加工機10;20;30が、直接的に、または、ネットワーク等を通じて間接的に接続され、例えば複数の加工機10,20,30が接続される。なお、加工データ生成装置2には、図示しない印刷装置が接続されて、図示しない印刷装置は、レイアウトデータに基づいて、シートSへの成果物の印刷処理を実行する。
【0013】
レイアウトデータおよび加工データの詳細については後述するが、レイアウトデータはシートSにおける成果物の配置に関するデータを少なくとも含み、加工データはシートSに対する加工の位置や種類に関するデータを含む。なお、成果物は、少なくとも一つの加工機10;20;30がシートSを加工した結果、成果として得られる物であり、例えば、パンフレット、グリーティングカード、往復はがき、半券付きチケットおよび半券付きチラシなどである。
【0014】
図1に示すように、シート加工システム1は、例えば、複数の加工機10,20,30として、第1加工機10と、第2加工機20と、第3加工機30とを有する。複数の加工機10,20,30は、それぞれ、シートSに対して所定の加工処理を実行するための加工手段(図示せず)を少なくとも一つ有する。加工手段は、例えば、裁断加工、ミシン目や折り型やハーフカットなどの形成、折り畳み加工などを、シートSに対して実行する。
【0015】
第1加工機10は、第1制御部11と、いずれも図示しない入力部、表示部およびデータ保存部とを有する。第2加工機20は、第2制御部21と、いずれも図示しない入力部、表示部およびデータ保存部とを有する。第3加工機30は、第3制御部31と、いずれも図示しない入力部、表示部およびデータ保存部とを有する。第1制御部11、第2制御部21および第3制御部31は、それぞれ、例えば、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを有して、複数の加工機10,20,30のそれぞれにおける各種動作の制御処理や演算処理や判断処理を実行する。第1制御部11、第2制御部21および第3制御部31のそれぞれは、加工ジョブの実行可否を判断して、加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報を生成する。また、加工機10,20,30におけるそれぞれの図示しないデータ保存部は、加工ジョブに関するデータを保存できる。
【0016】
図2を参照して加工データ生成装置2を説明する。
図2は、
図1に示したシート加工システム1における加工データ生成装置2の電気的構成を示すブロック図である。加工データ生成装置2は、制御部3と、バス4と、入出力インターフェース5と、入力部6と、出力部7と、通信部8と、図示しないデータ保存部とを備える。加工データ生成装置2は、プロセッサおよびメモリを有するコンピュータであり、例えば、ノート型やデスクトップ型やタブレット型のコンピュータ、スマートフォン、その他の情報端末などである。
【0017】
制御部3は、CPU(中央演算処理装置)3aおよびメモリ3bを有する。CPU3aは、バス4を介してメモリ3bに接続される。CPU3aは、加工データ生成装置2における制御処理や演算処理や判断処理や各種データの入出力制御処理などを実行する。メモリ3bは、ROMおよびRAMで構成され、加工データの生成やレイアウトデータの保存可否の判断などに関係するプログラムあるいはデータなどを一時的に格納する。なお、CPU3aの機能の一部を電子回路で実現することもできる。
【0018】
入力部6、出力部7および通信部8は、入出力インターフェース5を介してバス4に接続される。入力部6は、加工データを生成するために元になるレイアウトデータ(判断対象のレイアウトデータ)の入力処理を実行するための手段であり、例えば、キーボードやタッチパネルやマウスやポインティングデバイスやスキャナなどである。出力部7は、生成した加工データを例えば複数の加工機10,20,30に出力したり、レイアウトデータを図示しない印刷装置に出力したりする出力処理を実行する。通信部8は、複数の加工機10,20,30や図示しない印刷装置に対して各種のデータや情報の送受信処理を有線または無線で実行する。通信部8は、
図1の送受信部48に対応する。
【0019】
図1に示すように、制御部3を機能的にみると、制御部3は、レイアウトデータ読込部41、加工データ生成部42、データ保存判断部43、加工ジョブ振り分け部44、レイアウトデータ変更部45および加工データ変更部46として働く。
【0020】
レイアウトデータ読込部41は、図示しないデータ保存部に保存したレイアウトデータを既存のレイアウトデータとして読み込むレイアウトデータ読込処理を実行する。また、レイアウトデータ読込部41は、図示しないレイアウトデータ作成部で新規に作成した新規のレイアウトデータ、または、既存のレイアウトデータをレイアウトデータ変更部45で変更した変更のレイアウトデータを判断対象のレイアウトデータとして読み込むレイアウトデータ読込処理を実行する。このように、レイアウトデータは、既存のレイアウトデータとして読込処理の実行に供されたり、判断対象のレイアウトデータとして働く新規のレイアウトデータおよび変更のレイアウトデータとして読込処理の実行に供されたりする。加工データ生成部42は、読み込まれた判断対象のレイアウトデータに基づいて、複数の加工機10,20,30によるシートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理を実行する。
【0021】
データ保存判断部43は、加工データ生成装置2における各種の判断処理を実行する。データ保存判断部43は、加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報に基づいて、判断対象のレイアウトデータを有用なレイアウトデータとして保存するか否かを判断するデータ保存判断処理を実行する。また、データ保存判断部43は、保存される有用なレイアウトデータを、複数の加工機10,20,30から送信される加工ジョブの実行可能情報と紐付けるか、または、保存される有用なレイアウトデータを、実行可能情報を送信した或る加工機に関する識別データと紐付けるデータ紐付け処理を実行する。これにより、保存される有用なレイアウトデータが実行可能情報または識別データと紐付けられるので、加工ジョブが実行可能である加工機の特定が容易になる。また、データ保存判断部43は、実行可能情報に基づいて、複数の加工機10,20,30のうちのいずれの加工機に加工ジョブを実行させるかについて判断する判断処理を実行する。
【0022】
加工ジョブ振り分け部44は、データ保存判断部43の判断に基づいて、複数の加工機10,20,30のうちのいずれかの加工機に対して、送受信部48を通じて加工ジョブの実行指示情報を送信する。言い換えると、加工ジョブ振り分け部44は、複数の加工機10,20,30のうちのいずれの加工機が加工ジョブを実行するかを振り分ける振り分け処理を実行する。これにより、複数の加工機10,20,30のうちのいずれの加工機が加工ジョブを実行するかを適切に指示できる。加工ジョブ振り分け部44は、例えば、加工ジョブが実行可能である加工機のうち、当該加工ジョブ以外の他の加工ジョブを実行することなく且つ待機状態にある加工機に対して、加工ジョブの実行を指示するジョブ実行指示処理を実行する。また、加工ジョブ振り分け部44は、例えば、加工ジョブが実行可能であり且つ待機状態にある加工機が複数存在する場合、最短時間で加工ジョブを完了させることができる加工機に対して、加工ジョブの実行を指示するジョブ実行指示処理を実行する。
【0023】
レイアウトデータ変更部45は、レイアウトデータ読込部41によって読み込まれた既存のレイアウトデータを変更のレイアウトデータに変更するレイアウトデータ変更処理を実行する。これにより、レイアウトデータの変更にフレキシブルに対応できる。加工データ変更部46は、加工データ生成部42によって生成された加工データを変更の加工データに変更する加工データ変更処理を実行する。これにより、加工データの変更にフレキシブルに対応できる。レイアウトデータ変更処理および加工データ変更処理は、例えば入力部6を介して実行される。また、レイアウトデータ変更部45によるレイアウトデータの変更に伴い、加工データ生成部42に加工データ生成処理を実行させること、および/または、加工データ変更部46に加工データ変更処理を実行させることも可能である。また、加工データ変更部46による加工データの変更に伴い、レイアウトデータ変更部45にレイアウトデータ変更処理を実行させることもできる。送受信部48は、加工データ生成処理およびデータ保存判断処理において各種のデータ(例えば、加工データ)や情報(例えば、実行可能情報または実行不可情報)を送信するとともに受信する送受信処理を実行する。これにより、加工データおよび実行可能情報または実行不可情報のやりとりをスムーズに実行できる。
【0024】
この開示において、情報は、上記の実行可能情報または実行不可情報に加えて、加工機10,20,30と、加工機10,20,30における加工ツール(例えば、ミシン目ツール、筋付けツール、折り畳みツール、スリッタツール、カッタツール)のステータス情報を含む。
【0025】
ステータス情報は、「ツールの装着情報」と「加工機の稼働状態情報」とを含む。「ツールの装着情報」は、例えば、加工機10,20,30に装着されているツールの種類(例えば、ミシン目ツール、筋付けツール、折り畳みツール、スリッタツール、カッタツール)に関する情報を含む。また、「加工機の稼働状態情報」は、例えば、加工機10,20,30の稼働状況(例えば、稼働中、待機中または休止中)に関する情報を含む。
【0026】
図3は、レイアウトデータを説明する図である。レイアウトデータは、シートSにおける成果物の配置に関するデータを含む。レイアウトデータは、例えば、
図3において、一列目に第1成果物から第5成果物を配置し、二列目に第6成果物から第10成果物を配置して合計10個の成果物をシートSに配置するためのデータを含む。配置の基点は、シートSにおける左下コーナー端である。シートSは、例えば、X方向の幅が595.276point、Y方向の長さが841.890pointである。なお、pointは、DTP(DeskTop Publishing)の分野において、パーソナルコンピュータ上で印刷物のデータを制作するときに一般的に用いられる単位である。
【0027】
例えば、第1成果物は、矩形形状を有し、位置X28.346pointおよび位置Y42.520pointを始点にして、255.118pointの幅でX方向に延在するとともに、141.732pointの長さでY方向に延在する。同様に、第10成果物は、矩形形状を有し、位置X311.811pointおよび位置Y666.142pointを始点にして、255.118pointの幅でX方向に延在するとともに、141.732pointの長さでY方向に延在する。
【0028】
レイアウトデータは、「成果物の配置データ」を少なくとも含む。レイアウトデータは、例えば、「シートに対する裁断加工データ」をさらに含み、「シートに対する裁断加工以外の加工データ」をさらに含むことができる。なお、「シートに対する裁断加工データ」および「シートに対する裁断加工以外の加工データ」の詳細は後述する。
【0029】
「成果物の配置データ」は、例えば、加工されるシートSのサイズデータと、成果物の位置データおよびサイズデータとを含む。なお、成果物の位置データおよびサイズデータに基づいてシートSにおける成果物の外形線の配置が規定される。
図3におけるレイアウトデータは、成果物の外形線の配置のみを規定しているが、レイアウトデータ変更部45は、例えば、成果物がミシン目を含むように、ミシン目加工に関するレイアウトデータを追加し、成果物の外形線およびミシン目の配置を規定する変更のレイアウトデータに変更する、レイアウトデータ変更処理を実行できる。
【0030】
図4は、加工データを説明する図である。加工データは、シートSに対する加工の位置や種類に関するデータを含む。加工データは、例えば
図4において、二本線で表されるようにX方向において4個の搬送方向での裁断加工(スリット加工)を実行し、一本線で表されるようにY方向において10個の搬送直交方向での裁断加工(カット加工)を実行するためのデータを有する。加工の基点は、シートSにおける右上コーナー端である。シートSは、例えば、X方向の幅が210.0mm、Y方向の長さが297.0mmである。なお、mm(ミリメータ)は、シートSの加工の分野において一般的に用いられる単位であり、上述した1pointは、0.3528mmに対応する関係にある。
【0031】
例えば、第1スリットは、X位置10.0mmにおいてY方向(シートSの搬送方向)に沿って裁断加工を実行し、第4スリットは、X位置200.0mmにおいてY方向(シートSの搬送方向)に沿って裁断加工を実行することを意味する。第1カットは、Y位置12.0mmにおいてX方向(シートSの搬送直交方向)に沿って裁断加工を実行し、第10カットは、Y位置282.0mmにおいてX方向(シートSの搬送直交方向)に沿って裁断加工を実行することを意味する。
【0032】
加工データは、「シートに対する裁断加工データ」や「シートに対する裁断加工以外の加工データ」を含む。
【0033】
「シートに対する裁断加工データ」は、例えば、裁断加工位置に関するデータを含む。裁断加工位置は、成果物の外形線の位置に一致するため、「成果物の配置データ」に基づいて決定される。例えば、第1成果物の外形線に一致するように、「成果物の配置データ」に基づいて、第3スリット、第4スリット、第9カットおよび第10カットの裁断加工位置が決定される。
【0034】
「シートに対する裁断加工以外の加工データ」は、例えば、加工位置(例えば、ミシン目の位置、折り筋の位置、折り畳みの位置)に関するデータ、加工種類(例えば、ミシン目、筋付け、折り畳み)に関するデータ、位置合わせのために設けられるレジストレーションマーク(図示せず)の種類(例えば、形状、太さ)や位置に関するデータを含む。
【0035】
筋付け加工に関する加工データにおいて、折り畳みパターンおよび/または該折り畳みパターンに対応する筋付けパターンを選択することにより、筋付けの向き(下向きに凸または上向きに凸)および順序を決定できる。
【0036】
折り畳み加工に関する加工データにおいて、折り畳みパターン(例えば、V折り、Z折り、C折り、ダブルパラレル折りなど)を選択することにより、折り畳みの向き(山折りまたは谷折り)および順序を決定できる。
【0037】
ミシン目加工に関する加工データにおいて、ミシン目の加工パターン(例えば、縦、横、十字)を選択することにより、ミシン目の方向(搬送方向に沿う方向および/または搬送方向に対して直交する方向)を決定できる。
図8は、加工データ生成装置2の図示しない表示手段に表示される、折り畳み加工および筋付け加工に関する入力画面である。
図8では、折り畳みパターンとしてZ折りが選択され、筋付けパターンとして二箇所の筋付けの向きがいずれも下向きに凸となるパターンが選択され、折り畳みの向きおよび順序が、シートSの前端側から順に山折り、谷折りとなる設定状態を示す。入力部6を操作することにより、
図8に示されるような設定を行うことができる。なお、
図8においては、筋付けパターンの選択に係る表示は、常時表示するようになっているが、プルダウンメニューにより、表示状態と非表示状態とに切替可能にしてもよい。
【0038】
このように、レイアウトデータがシートSにおける成果物の配置に関するデータであるのに対して、加工データがシートSに対する加工に関するデータである。そのため、レイアウトデータと加工データとの間では、データの内容や形式が相違している。そこで、加工データ生成部42は、複数の加工機10,20,30が加工ジョブを実行できるように、レイアウトデータを加工データに変換する機能を有する。
【0039】
(シート加工システムにおける制御)
図5および
図6を参照してシート加工システム1における制御を説明する。
図5は、加工データ生成装置2と複数の加工機10,20,30との間でのデータや情報のやりとりを説明する図である。
図6は、シート加工システム1において実行される第1例に係る制御を説明するフローチャートである。当該制御は、加工データ生成装置2が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0040】
図6に示すように、ステップS1において、第1例に係る制御が開始する。
図5に示すように、レイアウトデータ読込部41は、図示しないレイアウトデータ作成部で新規に作成された新規のレイアウトデータ、または、レイアウトデータ変更部45で変更された変更のレイアウトデータを判断対象のレイアウトデータとして読み込む。加工データ生成装置2は、読み込まれた判断対象のレイアウトデータに基づいて、複数の加工機10,20,30によるシートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理を実行する。
【0041】
図5および
図6に示すように、加工データ生成装置2は、生成された加工データを複数の加工機10,20,30に一斉に送信する(ステップS10,ステップS20,ステップS30)。
【0042】
図6に示すように、第1加工機10の第1制御部11は、送信された加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS11)。第1制御部11は、第1加工機10において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS12)。第1制御部11は、第1加工機10において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS13)。
【0043】
それとともに、
図6に示すように、第2加工機20の第2制御部21は、送信された加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS21)。第2制御部21は、第2加工機20において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS22)。第2制御部21は、第2加工機20において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS23)。
【0044】
また、
図6に示すように、第3加工機30の第3制御部31は、送信された加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS31)。第3制御部31は、第3加工機30において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS32)。第3制御部31は、第3加工機30において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS33)。
【0045】
データ保存判断部43は、複数の加工機10,20,30のうちのいずれかの加工機からか、実行可能情報を受信したか否かを判断する(ステップS40)。データ保存判断部43は、いずれかの加工機からか実行可能情報を受信する(例えば
図5において第2加工機20および第3加工機30から受信する)と、実行可能情報を送信してきた加工機のうちのいずれの加工機(例えば
図5において第2加工機20または第3加工機30)に対して加工ジョブを実行させるについて判断し、加工ジョブ振り分け部44は、加工ジョブの振り分け処理として加工ジョブの実行を指示する(ステップS41)。すなわち、加工ジョブ振り分け部44は、加工ジョブの実行指示情報を加工機(例えば
図5において第2加工機20)に送信する。そして、加工ジョブの実行指示情報を受けた加工機(例えば
図5において第2加工機20)は、加工ジョブを実行する。
【0046】
データ保存判断部43は、判断対象のレイアウトデータの保存を指示する保存指示処理を実行して、当該判断対象のレイアウトデータを、加工ジョブの実行に供された有用なレイアウトデータとして、図示しないデータ保存部(例えば、実行可能情報を送信してきた加工機におけるデータ保存部)に保存するデータ保存処理を実行する(ステップS42)。これにより、複数の加工機10,20,30が加工データ生成装置2に接続される場合でも、有用なレイアウトデータの保存が実行される。また、データ保存判断部43は、保存される有用なレイアウトデータを、複数の加工機10,20,30から送信される加工ジョブの実行可能情報と紐付けるか、または、保存される有用なレイアウトデータを、実行可能情報を送信した或る加工機に関する識別データと紐付けるデータ紐付け処理を実行する。そして、ステップS50において、第1例に係る制御が終了する。
【0047】
したがって、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0048】
図7を参照してシート加工システム1において実行される第2例に係る制御を説明する。
図7は、シート加工システム1において実行される第2例に係る制御を説明するフローチャートである。当該制御は、加工データ生成装置2が所定のプログラムを実行することで実施される。
【0049】
図7に示すように、ステップS101において、第2例に係る制御が開始する。そして、レイアウトデータ読込部41は、図示しないレイアウトデータ作成部で新規に作成された新規のレイアウトデータ、または、レイアウトデータ変更部45で変更された変更のレイアウトデータを判断対象のレイアウトデータとして読み込む。加工データ生成装置2は、読み込まれた判断対象のレイアウトデータに基づいて、複数の加工機10,20,30によるシートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する。
【0050】
図7に示すように、加工データ生成装置2は、生成された加工データを例えば第1加工機10に送信する(ステップS110)。
【0051】
図7に示すように、第1加工機10の第1制御部11は、送信された加工データに基づいて、加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS111)。第1制御部11は、第1加工機10において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS112)。第1制御部11は、第1加工機10において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS113)。
【0052】
加工データ生成装置2は、第1加工機10から実行不可情報を受信すると、生成された加工データを例えば第2加工機20に送信する(ステップS120)。
【0053】
第2加工機20の第2制御部21は、送信された加工データに基づいて、加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS121)。第2制御部21は、第2加工機20において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS122)。第2制御部21は、第2加工機20において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS123)。
【0054】
加工データ生成装置2は、第2加工機20から実行不可情報を受信すると、生成された加工データを例えば第3加工機30に送信する(ステップS130)。
【0055】
第3加工機30の第3制御部31は、送信された加工データに基づいて。加工ジョブの実行可否を判断する(ステップS131)。第3制御部31は、第3加工機30において加工ジョブが適合して実行可能であると判断すると、実行可能情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS132)。第3制御部31は、第3加工機30において加工ジョブが不適合であり実行不可であると判断すると、実行不可情報をデータ保存判断部43(制御部3)に送信する(ステップS133)。そして、ステップS150において、第2例に係る制御が終了する。
【0056】
上記のステップS112において、実行可能情報が送信されると、データ保存判断部43は、第1加工機10が加工ジョブを実行するかについて判断し、加工ジョブ振り分け部44は、加工ジョブの振り分け処理として加工ジョブの実行を第1加工機10に指示する(ステップS141)。そして、加工ジョブの実行指示情報を受けた第1加工機10は、加工ジョブを実行する。また、上記のステップS122において、実行可能情報が送信されると、データ保存判断部43は、第2加工機20が加工ジョブを実行するかについて判断し、加工ジョブ振り分け部44は、加工ジョブの振り分け処理として加工ジョブの実行を第2加工機20に指示する(ステップS141)。そして、加工ジョブの実行指示情報を受けた第2加工機20は、加工ジョブを実行する。また、上記のステップS132において、実行可能情報が送信されると、データ保存判断部43は、第3加工機30が加工ジョブを実行するかについて判断し、加工ジョブ振り分け部44は、加工ジョブの振り分け処理として加工ジョブの実行を第3加工機30に指示する(ステップS141)。そして、加工ジョブの実行指示情報を受けた第3加工機30は、加工ジョブを実行する。
【0057】
データ保存判断部43は、判断対象のレイアウトデータの保存を指示する保存指示処理を実行して、当該判断対象のレイアウトデータを、加工ジョブの実行に供された有用なレイアウトデータとして、図示しないデータ保存部(例えば、実行可能情報を送信してきた加工機におけるデータ保存部)に保存するデータ保存処理を実行する(ステップS142)。これにより、複数の加工機10,20,30が加工データ生成装置2に接続される場合でも、有用なレイアウトデータの保存が実行される。また、データ保存判断部43は、保存される有用なレイアウトデータを、複数の加工機10,20,30から送信される加工ジョブの実行可能情報と紐付けるか、または、保存される有用なレイアウトデータを、実行可能情報を送信した或る加工機に関する識別データと紐付けるデータ紐付け処理を実行する。そして、ステップS150において、第2例に係る制御が終了する。
【0058】
したがって、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0059】
この発明は、
コンピュータ2に、
シートSにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機10;20;30による前記シートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断処理と、
前記加工データ生成処理および前記データ保存判断処理においてデータおよび情報を送受信する送受信処理と、
受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する保存指示処理とを実行させる加工データ生成プログラムを提供する。
【0060】
したがって、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0061】
加工データ生成プログラムにおいて、
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記保存指示処理では、受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する。
【0062】
したがって、実行可能情報に基づいて判断されるので、保存指示処理を迅速に実行できる。
【0063】
また、この発明は、
シートSにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機10;20;30による前記シートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断処理と、
前記加工データ生成処理および前記データ保存判断処理においてデータおよび情報を送受信する送受信処理と、
受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する保存指示処理とを実行させる加工データ生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0064】
したがって、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0065】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記保存指示処理では、受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する。
【0066】
したがって、実行可能情報に基づいて判断されるので、保存指示処理を迅速に実行できる。
【0067】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態で記載した内容を適切に組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。また、上記実施形態に示した具体的な数字は、この発明の理解を容易にするための単なる例示であって、この発明を限定するものではない。
【0068】
なお、上記実施形態では、実行可能情報または実行不可情報に基づいて、レイアウトデータの保存の可否を判断することによって、保存指示処理を迅速に実行できる。しかしながら、ステータス情報をベースにしてレイアウトデータの保存の可否を判断することによって追加の判断処理を必要とするが、上述したステータス情報に基づいて、レイアウトデータの保存の可否を判断することもできる。
【0069】
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
【0070】
この発明の一態様に係る加工データ生成装置2は、
シートSにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機10;20;30による前記シートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成部42と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断部43と、
前記加工データ生成部42および前記データ保存判断部43と前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30との間でデータおよび情報を送受信する送受信部48とを備え、
前記データ保存判断部43は、前記送受信部48を通じて受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする。
【0071】
上記構成によれば、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0072】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記データ保存判断部43は、前記送受信部48を通じて受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する。
【0073】
上記構成によれば、実行可能情報に基づくので、保存指示を迅速に実行できる。
【0074】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記送受信部48は、前記加工データ生成部42から前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30に前記加工データを送信し、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30から前記データ保存判断部43に前記実行可能情報または前記実行不可情報を送信することを特徴とする。
【0075】
上記構成によれば、加工データおよび実行可能情報または実行不可情報のやりとりをスムーズに実行できる。
【0076】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記加工データ生成装置2に対して前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30が接続され、
前記データ保存判断部43は、前記送受信部48を通じて前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30から前記実行可能情報を受信すると、いずれの前記加工機10;20;30に加工ジョブを実行させるかについて判断する判断処理を実行することを特徴とする。
【0077】
上記構成によれば、少なくとも一つの加工機10;20;30が加工データ生成装置2に接続される場合に、いずれかの加工機が加工ジョブを実行できる。
【0078】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記加工データ生成装置2に対して複数の前記加工機10,20,30が接続され、
前記データ保存判断部43の前記判断に基づいて、前記複数の前記加工機10,20,30のうちのいずれの前記加工機が前記加工ジョブを実行するかを振り分ける加工ジョブ振り分け部44をさらに備えることを特徴とする。
【0079】
上記構成によれば、複数の加工機10,20,30のうちのいずれの加工機が加工ジョブを実行するかを適切に指示できる。
【0080】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
保存される前記レイアウトデータは、前記加工機による前記加工ジョブの前記実行可能情報と紐付けられるか、または、前記実行可能情報を送信した前記加工機に関する識別データと紐付けられることを特徴とする。
【0081】
上記構成によれば、保存されるレイアウトデータが実行可能情報または識別データと紐付けられるので、加工ジョブが実行可能である加工機の特定が容易になる。
【0082】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記レイアウトデータを変更するレイアウトデータ変更部45をさらに備えることを特徴とする。
【0083】
上記構成によれば、レイアウトデータの変更にフレキシブルに対応できる。
【0084】
また、一実施形態の加工データ生成装置2では、
前記加工データを変更する加工データ変更部46をさらに備えることを特徴とする。
【0085】
上記構成によれば、加工データの変更にフレキシブルに対応できる。
【0086】
別の局面に係るシート加工システム1では、
上記に記載の前記加工データ生成装置2と、少なくとも一つの前記加工機10;20;30とを備えることを特徴とする。
【0087】
上記構成によれば、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0088】
別の局面に係る加工データ生成プログラムでは、
コンピュータ2に、
シートSにおける成果物の配置に関する配置データを含むレイアウトデータに基づいて、少なくとも一つの加工機10;20;30による前記シートSに対する加工ジョブの実行に関する加工データを生成する加工データ生成処理と、
前記レイアウトデータの保存の可否を判断するデータ保存判断処理と、
前記加工データ生成処理および前記データ保存判断処理においてデータおよび情報を送受信する送受信処理と、
受信した前記情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示する保存指示処理とを実行させることを特徴とする。
【0089】
上記プログラムによれば、加工ジョブが実行可能と判断された有用なレイアウトデータの保存が判断されるので、シートSの加工処理を新たに実行する場合に、当該有用なレイアウトデータを活用できる。これにより、加工ジョブが不適合であるにもかかわらず該加工ジョブに対応する不要なレイアウトデータに基づいてシートSに対する印刷処理が実行されることによって無駄なシートSが作成され、また、無駄なシートSに対する無駄な加工処理が実行されてしまうことを防止できる。
【0090】
また、一実施形態の加工データ生成プログラムでは、
前記情報は、前記加工ジョブの実行可能に関する実行可能情報または実行不可に関する実行不可情報であり、
前記保存指示処理では、受信した前記実行可能情報に基づいて、前記少なくとも一つの前記加工機10;20;30によって前記加工ジョブが実行可能であると判断すると、前記レイアウトデータの保存を指示することを特徴とする。
【0091】
上記プログラムによれば、実行可能情報に基づいて判断されるので、保存指示処理を迅速に実行できる。
【符号の説明】
【0092】
1:シート加工システム
2:加工データ生成装置(コンピュータ)
3:制御部
3a:CPU
3b:メモリ
4:バス
5:入出力インターフェース
6:入力部
7:出力部
8:通信部
10:第1加工機(加工機)
11:第1制御部
20:第2加工機(加工機)
21:第2制御部
30:第3加工機(加工機)
31:第3制御部
41:レイアウトデータ読込部
42:加工データ生成部
43:データ保存判断部
44:加工ジョブ振り分け部
45:レイアウトデータ変更部
46:加工データ変更部
48:送受信部
S:シート