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特開2023-130989半導体発光装置、その製造方法、および、車両用乗員検知システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130989
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】半導体発光装置、その製造方法、および、車両用乗員検知システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/54 20100101AFI20230913BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230913BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035618
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】弁理士法人山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁平 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝明
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA86
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA03
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD44
5F142CD47
5F142CD49
5F142CF03
5F142CG03
5F142CG23
5F142CG32
5F142CG45
5F142DB24
5F142FA12
(57)【要約】
【課題】発光素子の周囲にポッティングにより凸レンズ形状の封止部材を成形する。
【解決手段】基板上に搭載された発光素子を取り囲むように、環状金属パターン3を配置する。環状金属パターン3は、環状部30と、所定の大きさの1以上の延在部31~34と、環状部30の内周と延在部31~34とを接続するネック形状部31a~34aを含む。ネック形状部31a~34aは、環状部30の周方向の幅が、延在部31~34の幅よりも狭められている。これにより、樹脂を塗布すると、延在部31~34を覆い、樹脂の外周の縁は、環状部30の内周に沿った形状または、または、環状部の外周に沿った形状になる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に搭載された発光素子と、前記発光素子を取り囲むように前記基板上に配置された環状金属パターンと、前記発光素子の周囲の空間に充填する樹脂製の封止部材とを有し、
前記環状金属パターンは、内周と外周とを有する環状部と、所定の大きさの1以上の延在部と、前記環状部の内周と前記延在部とを接続するネック形状部とを含み、
前記ネック形状部は、前記環状部の周方向の幅が、前記延在部の幅よりも狭められており、
前記封止部材の表面は、凸レンズ形状であり、前記封止部材の前記基板に接触する基底面は、前記延在部を覆い、前記基底面の外周の縁は、前記環状部の内周に沿っているか、または、前記環状部の外周に沿っていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体発光装置であって、前記延在部は、複数個設けられ、前記環状部を所定の角度で等分した領域ごとに一つの前記延在部が配置されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体発光装置であって、前記領域の前記所定の角度は、120°以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記延在部は複数であり、隣り合う前記延在部のそれぞれと、前記環状部の中心とを結ぶ線がなす角度は、20°以上であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記ネック形状部の前記環状部の周方向の両端のそれぞれと、前記環状部の中心とを結ぶ線がなす角度θnは、3°以上24°以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体発光装置であって、前記延在部の前記環状部の周方向の幅が最大の部分の両端のそれぞれと、前記環状部の中心とを結ぶ線がなす角度θeは、前記角度θnより大きく40°以下であることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、
前記環状金属パターンの1以上の前記延在部と前記発光素子とは、ボンディングワイヤで接続され、
前記環状金属パターンの少なくとも前記延在部は、前記発光素子に電力を供給する配線を兼用していることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記基板の前記発光素子が搭載されている領域には、前記発光素子に電力を供給する金属製の載置部が配置され、前記載置部は、前記環状金属パターンとは離間していることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体発光装置であって、前記載置部の直下の前記基板には、前記基板を貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔内には、金属コアが配置され、前記基板の下面には、前記金属コアに接触するように配線パターンが設けられていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記延在部は複数であり、そのうちの一つの延在部の直下の前記基板には、金属で充填されたビアが設けられ、前記基板の下面には、前記ビアに接触するように配線パターンが設けられ、前記環状金属パターンは、前記ビアおよび前記延在部を介して、前記配線パターンと電気的に接続されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項11】
請求項8に記載の半導体発光装置であって、前記延在部は複数であり、そのうちの一つの延在部には、保護用電気回路素子が搭載され、前記保護用電気回路素子は、ボンディングワイヤにより、前記載置部に接続されていることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記発光素子の光軸は、前記封止部材の中心軸と一致していることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の半導体発光装置であって、前記封止部材は、前記発光素子の発する光を透過することを特徴とする半導体発光装置。
【請求項14】
環状部と、所定の大きさの1以上の延在部と、前記環状部の内周と前記延在部とを接続するネック形状部とを含む環状金属パターンが備えられた基板の、前記環状金属パターンの内側に、発光素子を搭載する工程と、
前記発光素子の上から前記発光素子の周囲の空間に未硬化の樹脂を注入する工程と、
前記注入した樹脂を硬化させる工程とを有し、
前記注入する工程では、前記注入する樹脂の量を、予め求めておいた第一適正量、および、前記第一適正量よりも多い第二適正量、のうちいずれかを選択し、
前記第一適正量は、前記樹脂が外側に濡れ広がって、前記樹脂の縁が前記環状部の内周に到達して表面張力により濡れ広がりが止まるとともに、前記樹脂が、前記延在部を取り囲み、前記延在部の上に這い上がって濡れ広がって前記ネック形状部と前記環状部の間で濡れ広がりが停止する量であり、
前記第二適正量は、前記樹脂が前記延在部の上に這い上がって濡れ広がった後、前記樹脂が前記延在部の上から前記ネック形状部を通って、前記環状部の上の全体に濡れ広がり、前記環状部の外周において表面張力により濡れ広がりが止まる量である
ことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
【請求項15】
車両内の1以上の乗員に向かって光を照射する光源と、前記乗員からの反射光を検出するセンサーまたはカメラと、前記センサーまたはカメラの検出結果から前記乗員の状態を判定する判定部とを備えた車両用乗員検知システムであって、
前記光源は、請求項1ないし13のいずれか1項の半導体発光装置であることを特徴とする車両用乗員検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子の周囲を樹脂で充填した半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子の周囲を樹脂で充填し、樹脂の表面形状をレンズ形状に成形した半導体パッケージが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、リードフレーム13に搭載されたLEDの周囲に、内周に階段状のリング状の枠体14を固定し、枠体14内に凸レンズ形状の透光性樹脂(透光性部材16)を配置した光半導体パッケージが開示されている(特許文献1の図1参照)。この凸レンズ形状の透光性部材16は、鋳型を枠体14の上に配置して、鋳型内に透光性樹脂を流し込むことにより成形されている。または、透光性部材16は、予め凸レンズ形状に成形しておいた透光性樹脂の成形体を枠体14に配置し、LEDとの間を透光性樹脂で充填することにより形成されている。
【0004】
また、特許文献2の図5図10には、基板31の上に固定した反射枠21の中に発光ダイオード素子15を実装し、反射枠21内を第1の樹脂25で充填した後、基板31の縁に金型36を配置して第2の樹脂27を平坦に流し込んで硬化させ、さらに、表面に凹面が形成された金型37を用いて、第2の樹脂27の上に、表面が凸レンズ形状の第3の樹脂29の層を形成した発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-185763号公報
【特許文献2】特開2000-261041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1の半導体パッケージは、専用の立体構造の樹脂製の枠体14を設けることによって透光性部材16のレンズ高さを高くする構造であるため、部品点数が多い。また、特許文献2の発光装置は、第2の樹脂27に加えて、表面が凸レンズ形状の第3の樹脂28を配置する必要があり、発光装置を構成する部材が多い。さらに、特許文献1,2の技術はいずれも、樹脂を凸レンズ形状に形成するために、鋳型や金型を用いているため、予め鋳型や金型を製造しておく必要があり、コストがかかる。また、製品の仕様変更にともない凸レンズ形状が変わるたびに、鋳型や金型を作り直す必要がある。
【0007】
近年、少量多品種の半導体発光装置を低コストで製造することが望まれている。金型を用いず、樹脂を盛り上げて塗布するポッティング技術により、所望のレンズ形状に樹脂を成形することができれば、少量で多品種の半導体発光装置を低コストで製造することが可能になる。
【0008】
しかしながら、ポッティング技術において、基板上での樹脂の濡れ広がりの範囲を制御し、しかも、360度均等な形状に濡れ広がらせて、表面が所望の曲面の凸レンズを形成することは容易ではない。
【0009】
本発明の目的は、発光素子の周囲にポッティングにより成形した凸レンズ形状の封止部材を備えた半導体発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の半導体発光装置は、基板と、基板上に搭載された発光素子と、発光素子を取り囲むように基板上に配置された環状金属パターンと、発光素子の周囲の空間に充填する樹脂製の封止部材とを有する。環状金属パターンは、内周と外周とを有する環状部と、所定の大きさの1以上の延在部と、環状部の内周と延在部とを接続するネック形状部とを含む。ネック形状部は、環状部の周方向の幅が、延在部の幅よりも狭められている。封止部材の表面は、凸レンズ形状である。封止部材の基板に接触する基底面は、延在部を覆い、基底面の外周の縁は、環状部の内周に沿っているか、または、環状部の外周に沿っている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発光素子の周囲にポッティングにより成形した凸レンズ形状の封止部材を備えた半導体発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の半導体発光装置の(a)封止部材を取り外した状態の上面図、(b)封止部材を備えた状態のA-A断面図。
図2】(a)~(e)実施形態の半導体発光装置の製造工程において、ポッティング技術により塗布した樹脂が濡れ広がる過程を示す上面図。
図3】(a)封止部材(樹脂4)をポッティングする前の実施形態の半導体発光装置の上面図、(b)実施形態の半導体発光装置の下面図。
図4】環状部30の内周に外縁が沿った封止部材4aを備えた実施形態の半導体発光装置の(a)上面図、(b)B-B断面図、(c)C-C断面図。
図5】環状部30の外周に外縁が沿った封止部材4bを備えた実施形態の半導体発光装置の(a)上面図、(b)D-D断面図、(c)E-E断面図。
図6】実施形態の半導体発光装置のネック形状部31aの周方向の幅と、隣合う延在部の間隔を示す説明図。
図7】実施形態の半導体発光装置の発光素子の(a)上面図、(b)F-F断面図。
図8】(a)~(g)実施形態の半導体発光装置の製造工程を説明する図。
図9】(a)~(c)実施形態の半導体発光装置の製造工程を説明する図。
図10】実施形態の半導体発光装置の製造工程の一部を説明するフロー。
図11】(a)~(c)実施形態の半導体発光装置の製造工程を説明する図。
図12】比較例1の半導体発光装置の(a)封止部材を取り外した状態の上面図、(b)延在部と環状部の接続部の周方向の幅を示す説明図。
図13】比較例2の半導体発光装置の封止部材を取り外した状態の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態の半導体発光装置について以下に説明する。
【0014】
<<実施形態>>
実施形態の半導体発光装置の構成について図1から図11を用いて説明する。なお、本実施形態の図面においては、断面図ではない図面においても、部材の違いを明確にするため、ハッチングを付している。
【0015】
<概要>
図1(a),(b)に実施形態の半導体発光装置の封止部材を取り外した状態の上面図と、封止部材を備えた状態の断面図を示す。実施形態の半導体発光装置は、図1(a)に示すように、発光素子1を搭載する基板2の発光素子1の周囲に環状金属パターン3を備える。この環状金属パターン3の形状の作用により、ポッティングにより発光素子1の周囲に注入(塗布)された未硬化の樹脂の濡れ広がりを制御する。
【0016】
具体的には、環状金属パターン3は、環状部30を含み、環状部30の内側に1以上の延在部31~34が配置されている。延在部31~34は、環状部30の内周に対して、ネック形状部31a~34aにより接続されている。ネック形状部31a~34aは、環状部30の周方向の幅が延在部31~34の幅よりも狭められ、ネック形状部31a~34aを形成している。注入された樹脂4は外側に濡れ広がって、樹脂4の縁が環状部30の内周30-1に到達すると表面張力により濡れ広がりが止まるとともに、ネック形状部31a~34aに周囲にも到達し、樹脂4は延在部31~34と環状部30との間にも入り込んだ状態となる(図2(a)参照)。よって、延在部31~34は、細いネック形状部31a~34aとの接続部を除き、樹脂4によって周囲を取り囲まれた状態となり、樹脂4が、表面張力の均衡を破って、基板2と環状部30の段差を這い上がって環状部30の上に濡れ広がろうとする圧力よりも、基板2と延在部31~34の段差を這い上がって、延在部31~34の上に濡れ広がろうとする圧力の方が大きくなる。このため、環状部30の上よりも先に、延在部31~34上に樹脂4が濡れ広がり、環状部30の内周の内側と延在部31~34上が一様に樹脂4で覆われた状態となり、環状部30の内周で生じる表面張力の作用により、ネック形状部31a~34aと環状部30との境界で濡れ広がりが一旦停止する(図2(b)および図1(b)の封止部材4a参照)。
【0017】
塗布された樹脂4の量が多い場合には、延在部31~34はネック形状部31a~34aにより環状部30に直接つながっているため、延在部31~34の上の樹脂4がネック形状部31a~34aを通って環状部30の上に流れ込み濡れ広がる。これにより、環状部30の上に樹脂4が一様に濡れ広がる(図2(c)~(d))。環状部30の外周30-2に樹脂4が到達すると、環状部30の外周と基板2の段差において生じる表面張力の作用により、濡れ広がりが停止する(図2(e)および図1(b)の封止部材4b参照)。
【0018】
このように、本実施形態では、環状金属パターン3の形状を工夫したことにより、樹脂4が基板2上で濡れ広がる領域の順番を制御することができる。これにより、樹脂4を発光素子の周囲に360°均一に濡れ広がらせて盛り上げることができ、歪みのない凸レンズ形状の封止部材(樹脂4)を形成することができる。
【0019】
しかも、供給する樹脂4の量を調整することにより、樹脂4を濡れ広がらせる範囲を、環状金属パターンの内周までにとどめるか、または、外周まで濡れ広がらせるか選択することができる。よって、樹脂4の量を予め定めおいた第1適正量または第2適正量のいずれかを選択することにより、ポッティング技術により、2種類の異なる径の凸レンズ形状の封止部材4aまたは4bを選択的に精度よく成形することができる。
【0020】
また、本実施形態の環状金属パターン3を用いることにより、封止部材(樹脂4)の高さHを、レンズ半径Rより大きくすることが可能である。すなわち、第1適正量または第2適正量にはそれぞれの値に幅があるので、それを予め求めておき、各適正量の範囲内で樹脂4の量を制御することで封止部材(樹脂4)の凸レンズ形状の高さを制御できる。これにより、焦点距離の異なる凸レンズ形状の封止部材をポッティング技術により成形できる。詳細な高さ制御方法につては製造方法で述べる。
【0021】
さらに、本実施形態では、環状金属パターン3の形状の作用により、樹脂4の濡れ広がりの範囲と順番を制御できるため、塗布した樹脂4が、一部の領域には濡れ広がらなかったり、逆に、意図しない領域まで濡れ広がることを防止でき、封止部材の形状がいびつになる現象を防ぐことができる。よって、凸レンズ形状の封止部材(樹脂4)を精度よく、しかも、製造歩留まりよく製造することができる。
【0022】
<構成>
以下、実施形態の半導体発光装置の構成について図面を用いてさらに詳しく説明する。
【0023】
図3(a)は、封止部材(樹脂4)をポッティングする前の半導体発光装置の上面図であり、図3(b)は、半導体発光装置の下面図である。図4(a)~(c)は、外周の縁が、環状部30の内周と一致した封止部材4aを備えた半導体発光装置の上面図と断面図である。図5(a)~(c)は、外周の縁が、環状部30の外周と一致した封止部材4bを備えた半導体発光装置の上面図と断面図である。
【0024】
実施形態の半導体発光装置は、図3(a)のように、基板2と、発光素子1と、発光素子1を取り囲むように基板2上に配置された環状金属パターン3を備えている。発光素子1の周囲の空間には樹脂4が充填され、樹脂製の封止部材4aまたは4bが配置されている(図4(a)~(c)、図5(a)~(c)参照)。すなわち、本実施形態の半導体発光装置は、直径が小さい封止部材4aを備えたものと、直径が大きい封止部材4bを備えたものの2パターンがある。
【0025】
環状金属パターン3は、環状部30と、延在部31~34と、延在部31~34を環状部30の内周に接続するネック形状部31a~34aを含む。これにより、延在部31~34は、環状部30の内側に突出した形状となっている。
【0026】
ネック形状部31a~34aの周方向の幅Wnは、延在部31~34の周方向の幅Weよりも狭められた形状である(図3(a)参照)。
【0027】
封止部材4a,4bの上面は、凸レンズ形状、すなわちドーム形状である。封止部材4a,4bの基板2に接触する基底面は、延在部31~34を覆っている。封止部材4aの基底面の外周の縁は、環状部30の内周30-1に沿っている。一方、封止部材4bの基底面の外周の縁は、環状部30の外周30-2に沿っている。
【0028】
延在部31~34は、複数個(図1および図3では4個)設けられている。延在部31~34は、環状部30を所定の角度で等分した領域ごとに一つずつ配置されている。この所定の角度は、120°以下であることが好ましく、90°以下であることがさらに好ましい。図1および図3の例では、環状部30を4等分した90°の角度範囲の領域ごとに、延在部31~34が一つずつ配置されている。
【0029】
また、隣り合う延在部31~34が接近しすぎると、樹脂4の濡れ広がりに偏りが生じて、封止部材4a,4bの外形に歪みが生じやすくなる。その結果、封止部材4aまたは4bの光軸が、環状部30の中心からずれたり、発光素子1の光軸に対して傾斜することが生じ得る。そのため、隣り合う延在部31~34は接近しすぎないことが望ましい。例えば、図6のように、延在部31~34のうち隣り合う延在部と、環状部30の中心Oとを結ぶ線がなす角θdは、20°以上であることが望ましく、30°以上であるとさらに望ましい。
【0030】
ネック形状部31a~34aは、周方向の両端のそれぞれと環状部30の中心Oとを結ぶ線のなす角θnが、3°以上24°以下であることが望ましく、10°以上18°以下であることがさらに望ましい。θnが24°を超えると、ネック形状部31a~34aが太すぎ、ネック形状部31a~34aの上面と封止樹脂4aまたは4bの円弧状でない境界線がレンズ形状を歪ませることがある。また、延在部31~34に樹脂4が這い上がろうとする圧力と、環状部30の内周から環状部30に這い上がろうとする圧力差が小さくなるため、封止部材4aまたは4bが円環部30の内周30-1を越境したり(内周基準レンズ)、円環部30の外周30-2を越境する(外周基準レンズ)ことがありレンズ形状を歪ませることがある。この結果、光軸がズレることがある。逆に、ネック形状部31a~34aの角θnが、3°未満では、ネック形状部31a~34bが細すぎ、封止部材4aまたは4bが、ネック形状部31a~34bを断線させることがある。後述するように、延在部31~34は、電極パッドや配線としての機能も有するため、環状部30と延在部31~34との間のネック形状部31a~34aに断線を生じると、電気的に不良品となる。よって、ネック形状部31a~34aの角θnが、3°以上であることが好ましい。角θnは、10°以上18°以下の場合、ネック形状部31a~34aが断線することもなく、また封止部材4a,4bの光軸がズレることを抑制できるため好ましい。
【0031】
また、延在部31~34の周方向の幅Weが最大部の両端と、環状部30の中心Oと結ぶ線がなす角θeはθnより大きく且つ40°以下であることが望ましい。例えば、図6のように、角θeを36°に設定することができる。
【0032】
環状金属パターン3の延在部31、33は、ボンディング用の電極パッドである。発光素子1は、図7(a)に示したように、上面に2つの電極(いずれもn側電極パッド79,80)を備えており、n側電極パッド79,80は、ボンディングワイヤ6,7により、延在部31、33と接続されている。これにより、環状金属パターン3の延在部31、33から、ボンディングワイヤ6、7を介して、発光素子1に電力を供給することができる。すなわち、発光素子1の電極パッドが多数ある場合には、延在部のボンディング用の電極パッドを増やす、又は1箇所のボンディング用の電極に複数のボンディングワイを接続するようにすることもできる。
【0033】
また、基板2の発光素子1が搭載されている領域には、発光素子1に電力を供給する金属製の載置部5が配置されている。発光素子1は、図7(a),(b)に構造を示したように、基板2側の面(下面)に支持基板電極(アノード)71を備えている。支持基板電極(アノード)71は、共晶はんだ等の導電性接続部材(図示せず)により載置部5と電気的に接続されている。載置部5は、環状金属パターン3とは離間している。図4(b)、(c)および図5(b)、(c)に示したように、載置部5の直下の基板2には、基板2を厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、貫通孔内には、熱伝導率の高い、例えば例えば熱伝導率が(100W/m・K)以上の金属コア21が配置されている。基板2の下面には、金属コア21に接触する配線パターン22と、配線パターン22に接続部24aで接続された配線パターン24が設けられている。これにより、発光素子1の発する熱を基板裏面の配線パターン22,24から効率よく放熱することができる。
【0034】
延在部32の直下の基板2には、金属で充填された導通ビア25が設けられている。基板2の下面には、導通ビア25に接触する配線パターン23が設けられている。環状金属パターン3は、導通ビア25および延在部32を介して、配線パターン23と電気的に接続されている。
【0035】
また、延在部34には、保護用電気回路素子(ツェナーダイオード)35が搭載されている。保護用電気回路素子35は、ボンディングワイヤ36により、載置部5に接続されている。
【0036】
<発光素子1>
発光素子1は、上面から発光するものであればどのような構造のものであってもよい。ここでは、赤外光を発光する発光素子1を用いる。その一例の構造について図7(a)、(b)を用いて説明する。
【0037】
発光素子1は、支持基板72の上に、光反射性のp側電極層73により、発光構造の半導体積層体をメタルボンディングした構造である。半導体積層体は、p側電極層73側から順に、p型半導体層74と、多重量子井戸構造(MQW)の発光層75と、n型半導体層76とを積層した構造である。半導体積層体は、GaAsP系半導体(AlGaAs、AlGaInP、AlGaInAsP等)であり、支持基板72とは異なる成長用半導体基板(例えばGaAs基板等)上に成長させた後、成長用半導体基板を取り外し、p側電極層73をメタルボンディング層として、支持基板72上に固定される。支持基板72の下面には、支持基板電極(アノード)71が配置されている。n型半導体層76の上には、複数のライン状のn側電極77が配置され、その上にn側電極パッド(カソード)79、80が配置されている。これにより、n側電極パッド(カソード)79、80から供給された電力を、複数のライン状のn側電極77により、n型半導体層76の全面に均一に供給することができる。半導体積層体の上面及び側面は、n側電極パッド79の上面を除き、保護膜(SiO)78で覆われている。
【0038】
<製造方法>
本実施形態の半導体発光装置の製造方法と、各部の材質の一例について説明する。
【0039】
まず、環状金属パターン3を備えた基板2の製造工程について図8(a)~(g)、図9(a)~(c)を用いて説明する。
【0040】
図8(a)、(b)のように、基板2となるガラス繊維強化エポキシ板に、金属コア21を挿入するための貫通孔401を切削等により形成する。
【0041】
一方、図8(c)、(d)のように、銅板402にレジストを塗布し、レジストをパターニングした後、エッチングする。これにより、金属コア21となる部分を残し、環状金属パターン3および載置部5の厚さ(例えば、数十μm)まで銅板をエッチングする。
【0042】
図8(e)、(d)のように、銅板402の金属コア21を、基板2の上面から貫通孔401に挿入し、接着剤406として、例えばプリプレグ(硬化前のエポキシ樹脂シート)を用いて両者を接着する。加熱圧着によりプリプレグを軟化させた後硬化させることにより、銅板402を基板2に固定する。
【0043】
図8(g)のように、基板2に、ビア孔403を例えばスポットレーザを照射することにより形成する。
【0044】
図9(a)のように、基板2の裏面に、銅層404を形成する。銅層404は、例えば、第1ステップとして、無電解Cuメッキにより薄膜銅層を形成した後、第2ステップとして、電解Cuメッキにより、無電界Cuメッキの薄膜銅層上に厚膜のCuメッキ層を形成することにより形成する。この時、ビア孔403にもCuがメッキされて、ビア孔403を充填し、導通ビア25が形成される。
【0045】
図9(b)のように、基板2の上面の銅板402と裏面の銅層404をパターニングし、上面の環状金属パターン3と載置部5、および、裏面の配線パターン22~24を形成する。具体的にはまず、銅板402と銅層404にフォトリソグラフィーにてレジストパターンを形成する。次に、レジストパターンから露出した銅板402と銅層404をエッチングにより除去し、上面の環状金属パターン3と載置部5、および、裏面の配線パターン22~24を形成する。
【0046】
図9(c)のように、環状金属パターン3、載置部5、および、配線パターン22~24の表面に、腐食防止層405を形成する。腐食防止層405は、電界メッキにて、厚さ数μmのニッケル(Ni)層と金(Au)層を順に積層し、Ni/Au層(ここで、/は、積層を示す)を形成する。Ni/Au層は、Cuの腐食(酸化)を防止する。また、腐食しない性質を持つAu層によって、載置部5および延在部34上にそれぞれ発光素子1および保護用電気回路素子35を後述のように実装する際、はんだ(Au-Sn共晶を含むはんだ(ここで、-は、合金を示す))が接合し易くなる。
【0047】
以上により、基板2を製造することができる。
【0048】
つぎに、図10図11(a)、(b)を用いて基板2に、発光素子1等を実装し、さらに封止部材4aまたは4bを形成する工程について説明する。
【0049】
まず、図10のフローのステップS1において、上記図9(c)の工程で完成させた基板2の載置部5および延在部34上に、はんだ(例えば、微粒子のAu-Sn共晶を含むはんだペースト)を塗布する。載置部5および延在部34のはんだペースト上に発光素子1及び保護用電気回路素子35をそれぞれ搭載する。基板2を、例えばリフロー炉で300℃に加熱することにより、Au-Sn共晶を溶融させた後、固化させ、発光素子1と保護用電気回路素子35を載置部5および延在部34に接合する(図11(a))。
【0050】
ステップS2において、発光素子1の一対のn側電極パッド79上にバンプボンディング等によりバンプをそれぞれ形成する。ワイヤボンディング装置により、ワイヤ6を基板2の延在部31にファースト(1st)ボンドし、発光素子1のn側電極パッド79のバンプ上にセカンド(2nd)ボンドすることにより接続する。同様に、ワイヤ7を基板2の延在部33にファーストボンドし、発光素子1のn側電極パッド80のバンプ上にセカンドボンドすることにより接続する(図11(b))。
【0051】
ステップS3において、発光素子1の発する光(ここでは例えば赤外光)を透過する特性の未硬化の樹脂4を、注入ノズルを用いて、発光素子1の上部から発光素子1の周囲の空間に注入(塗布)する(ポッティング)。このとき、注入した樹脂4は、図2(a)~(e)を用いてすでに説明したように、図2(a)~(e)の順番に濡れ広がるので、注入量(第1適正量または第2適正量)を選択し、注入流量、注入ノズル上昇速度を調整することにより、樹脂4の外周の縁を、環状金属パターン3の環状部30の内周または外周のいずれかで選択的に停止させることができる、かつ、樹脂4の高さを調整することができる。例えば、環状部30の内周30-1を基準とした樹脂レンズ(凸レンズ形状の封止部材4a)を形成する場合、内周30-1の半径Rに相当する高さに注入ノズルをセットし、所定の速度で未硬化の樹脂4を注入する。樹脂が内周30-1に沿った形状になったら、樹脂4の注入量を1/3~1/10まで減少し、樹脂4の注入量と内周30-1の半径R(レンズ半径)を基準とする柱の体積が等価になるように注入ノズルを上昇する。最後に、所望する高さになったら樹脂4の注入を止め、樹脂4からノズルを離間する。このような操作でレンズ半径Rよりも高さが高いレンズを形成することができる。また、H/R比(H:レンズ高さ、Rレンズ半径)に応じて、未硬化の樹脂4にチクソトロピー剤を添加することで安定したレンズ形成が可能になる。その後、所定の温度(例えば、150℃)で所定時間(例えば60分)加熱硬化して封止部材4aまたは4bを形成する。
【0052】
これにより、中心軸が発光素子1の光軸と中心軸と一致した所望のレンズ形状の封止部材4aまたは4bをポッティングで成形することができる。
【0053】
以上により、本実施形態の半導体発光装置を製造する。
【0054】
<半導体発光装置の動作>
本実施形態の半導体発光装置の基板2の裏面側の配線パターン(カソード)23は、導通ビア25により環状金属パターン3の延在部32に接続されている。よって、配線パターン(カソード)23は、環状金属パターン3、延在部31,33およびワイヤ6,7を介して、発光素子1のn側電極パッド(カソード)79、80に電気的に接続されている。また、基板2の裏面の配線パターン(アノード)24は、接続部24a、配線パターン22、金属コア21および載置部5を介して、発光素子1の裏面の支持基板電極(アノード)71に電気的に接続されている。
【0055】
よって、配線パターン(カソード)23と配線パターン24(アノード)間に電力を供給することにより、発光素子1に電力が供給され、発光層75が発光する。
【0056】
発光層75から発せられた光は、直接、または光反射性のp側電極層73により反射されて、発光素子1の上面から上方に向かって出射される。発光素子1から出射された光は、凸レンズ形状の封止部材4aまたは4bに入射し、封止部材4aまたは4bの上面から出射され、レンズ形状に準じた所定の配光を形成する。
【0057】
以上により、本実施形態の発光装置は、基板2に備えた環状金属パターン3によって、発光素子1の周囲にポッティングで成形した凸レンズを、所望の曲面の凸レンズ形状になる封止部材を備えた半導体発光装置を提供することを可能とした。
【0058】
<本実施形態の半導体発光装置を適用した装置>
本実施形態の半導体発光装置は、樹脂製の封止部材4aまたは4bにより発光素子1を封止し、しかも出射光をレンズ(封止部材4aまたは4b)により集光することができ、金属コア21で発光素子1の熱を効率よく放熱することでき、かつ、保護用電気回路素子35も搭載できるため、環境の変化への耐性、小さなスポット径、および、大光量が要求される可視から赤外の波長域の半導体発光装置として、特に好適に用いることができる。
【0059】
例えば、保護用電気回路素子35を搭載するハイパワー赤外LED全般に適用でき、特に、車両に搭載して用いられるセンサーの光源として好適である。具体例としては、車両内の1以上の乗員に向かって光を照射する光源と、乗員からの反射光を検出するセンサーまたはカメラと、センサーまたはカメラの検出結果から乗員の状態を判定する判定部とを備えた車両用乗員検知システム(ドライバーモニタリングシステム(DMS))の光源として好適に用いることができる。このシステムは、車両に乗り込んでいる1以上の乗員に対して光源光を照射し、その反射光をセンサーまたはカメラで検出または撮像し、検出結果又は検出画像から乗員の状態を判定部が検知することで、乗員に対して警告等を発することができる。この光源として、本実施形態の半導体発光装置を用いることにより、配光特性を封止部材4a、4bの形状により異ならせることができるため、前方のみならず後部座席の乗員に対しても集光して大光量の光を照射できる。
【0060】
<<比較例1>>
比較例1の半導体発光装置について図12(a),(b)を用いて説明する。
【0061】
比較例1の半導体発光装置は、本実施形態の半導体発光装置と同様の構造であるが、環状金属パターン3の延在部131~134の形状が実施形態とは異なる。比較例1の延在部131~134は、環状部30の内周部に直接接続され、ネック形状部が形成されていない。そのため、延在部131と環状部30との接続部の周方向の両端が、環状部30の中心Oに対してなす角θnは、32°である。
【0062】
比較例1の基板2に樹脂4をポッティングした場合、ネック形状部がないため、図2(a)とは異なり、樹脂4は、環状部30と延在部131~134との間には入り込むことはできない。よって、樹脂4が延在部131~134の上に這い上がって濡れ広がろうとする圧力の方が、環状部30の上に這い上がって濡れ広がろうとする圧力よりも大きくならず、環状部30よりも先に延在部131~134上に樹脂4が濡れ広がるとは限らない。
【0063】
よって、樹脂4で覆われない延在部131~134が生じ得、封止部材4aまたは4bは、周方向に一様な円形にならず、いびつな形状になりうる。いびつな形状の封止部材4aまたは4bは、光軸が発光素子1の光軸に対してずれるため、発光素子1の出射光を精度よく所望の位置に集光させることができない。
【0064】
<<比較例2>>
比較例2の半導体発光装置について図13を用いて説明する。
【0065】
比較例2の半導体発光装置は、本実施形態の半導体発光装置と同様の構造であるが、環状部30の一部が切り欠かれている。また、延在部34を備えていない。他の延在部31~33と、ネック形状部31a~33aは実施形態1と同様に備えている。なお、図13において、保護用電気回路素子135は、載置部5側に搭載され、環状部30とワイヤボンディングにより接続されている。保護用電気回路素子135は、実施形態の保護用電気回路素子135とは極性が逆の素子である。
【0066】
比較例2の基板2に樹脂4をポッティングした場合、環状部30の一部が切り欠かれているため、樹脂4の量が第1適正量(環状部30の内周まで濡れ広がる量)の場合、環状部30を切り欠いた部分で樹脂4がくぼむ。そのため、形成される封止部材4aの形状が歪み、半導体発光装置の指向特性が悪化する。
【0067】
一方、樹脂4の量が第2適正量(環状部30の外周まで濡れ広がる量)の場合、環状部30を切り欠いた部分から、環状部30よりも外側に樹脂4が流出する。そのため、形成される封止部材(レンズ)の形状が歪み、半導体発光装置の指向特性が悪化する。
【0068】
以上、本発明の実施形態について実施例を基に説明したが、本発明の主旨の範囲において構造、製造方法等は適宜変更することができる。例えば、環状金属パターン3内に発光素子1を複数配置することもできる。また、発光素子1として可視光から紫外光を放射するものを選択することもできる。また、樹脂4に拡散剤や着色材を加えることもできる。また、基板2の基材として光反射性または光吸収性のセラミックとすることもできる。
【0069】
また、例えば、環状金属パターン3の環状部30の幅内の内周部と外周部に段差を設けることもできる。このようにすることで、レンズ径Rを細かく設定できるようになる。
【0070】
また、環状金属パターン3の外側に離間した環状金属パターンを設けることもできる。この場合、外側に設けた環状金属パターンの内周側にはネック部を有する延在部を設けておくことで、上述した作用・効果により、樹脂4によって大きな半径Rのレンズを歪みなく形成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 発光素子
2 基板
3 環状金属パターン
4 樹脂
4a 封止部材
4b 封止部材
5 載置部
6 ワイヤ
7 ワイヤ
O 中心
21 金属コア
22 配線パターン
23 配線パターン
24 配線パターン
24a 接続部
25 導通ビア
30 環状部
31 延在部
31a ネック形状部
32 延在部
32a ネック形状部
33 延在部
33a ネック形状部
34 延在部
34a ネック形状部
35 保護用電気回路素子
71 支持基板電極(アノード)
72 支持基板
73 p側電極層
74 p型半導体層
75 発光層
76 n型半導体層
77 n側電極
78 保護膜
79 n側電極パッド
80 n側電極パッド
131 延在部
132 延在部
133 延在部
134 延在部
135 保護用電気回路素子
401 貫通孔
402 銅板
403 ビア孔
404 銅層
405 腐食防止層
406 接着剤
We 幅
Wn 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13