(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023130995
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】ランドリー機器およびランドリー機器の表示制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 34/28 20200101AFI20230913BHJP
D06F 105/58 20200101ALN20230913BHJP
【FI】
D06F34/28
D06F105:58
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035628
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】鍵山 達也
(72)【発明者】
【氏名】中村 麻日奈
(72)【発明者】
【氏名】中島 英新
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA24
3B167AB42
3B167AC21
3B167AD02
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA49
3B167BA78
3B167BA91
3B167HA16
3B167HA34
3B167HA53
3B167HA54
3B167JC22
3B167KA32
3B167KA84
3B167KA90
3B167LA23
3B167LC02
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC20
3B167LC25
3B167LG11
3B167MA03
3B167MA13
(57)【要約】
【課題】使用状態が利用者に対して分かり易いランドリー機器およびランドリー機器の表示制御方法を提供する。
【解決手段】対象物に対して洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの処理を行うランドリー機器であって、行われる前記処理が互いに異なる複数のコースにそれぞれ対応した表示を行う、前記ランドリー機器の利用者により選択可能な複数のコース表示部と、前記ランドリー機器の状態を示す点灯可能な状態表示部と、前記状態表示部の表示制御を行う表示制御部とを備え、前記表示制御部は、待機状態と運転状態とにおいて、前記状態表示部を異なる色で点灯させることを特徴とした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に対して洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの処理を行うランドリー機器であって、
行われる前記処理が互いに異なる複数のコースにそれぞれ対応した表示を行う、前記ランドリー機器の利用者により選択可能な複数のコース表示部と、
前記ランドリー機器の状態を示す点灯可能な状態表示部と、
前記状態表示部の表示制御を行う表示制御部と
を備え、
前記表示制御部は、待機状態と運転状態とにおいて、前記状態表示部を異なる色で点灯させる
ことを特徴とするランドリー機器。
【請求項2】
利用者により選択されたコースを示すコース情報を取得するコース情報取得部を更に備え、
前記待機状態において前記コース情報取得部により前記コース情報が取得された場合、前記状態表示部の点灯色が前記運転状態における点灯色に変更される
ことを特徴とする請求項1記載のランドリー機器。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記コース情報取得部により前記コース情報が取得された場合、該コース情報に対応するコース表示部を点滅させ、取得されたコース情報に基づいて前記ランドリー機器が前記処理を実行し始めてから所定時間が経過するまでの間の初期処理状態において、該コース表示部を点滅表示とは異なる表示に変更する
ことを特徴とする請求項2記載のランドリー機器。
【請求項4】
前記状態表示部は、前記待機状態を含む前記ランドリー機器が利用可能な状態においては、該状態を利用者に報知するように前記状態表示部を点灯させ、前記運転状態を含む前記ランドリー機器が利用不可能な状態においては、該状態を利用者に報知するように前記状態表示部に対して前記利用可能な状態とは異なる表示制御を行う
ことを特徴とする請求項1~請求項3記載のランドリー機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記処理が終了した終了状態において、前記状態表示部の点灯色を前記待機状態における点灯色に変更すると共に、前記待機状態と比較して低照度で点灯させる
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項6】
前記ランドリー機器の利用者を検知する検知部から、利用者が検知されたことを示す検知信号を取得する検知信号取得部を更に備え、
前記表示制御部は、前記処理が終了し且つ前記検知信号取得部により前記検知信号が取得された場合、選択されたコースに対応するコース表示部を点灯させる
ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項7】
利用者から前記複数のコースのうちのいずれかの選択を受け付けた場合に複数の前記ランドリー機器のうちのいずれかを利用者が利用するランドリー機器として選択する集中精算機に対し、前記ランドリー機器は通信可能に接続され、
前記集中精算機により利用者が利用するランドリー機器として選択された場合、前記複数のコース表示部が点灯する
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記ランドリー機器が使用不能なエラー状態となった場合、前記状態表示部を前記待機状態及び前記運転状態とは異なる色で点灯させる
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記ランドリー機器が使用不能なエラー状態となった場合、エラー状態となった時点での前記複数のコース表示部の表示制御を維持する
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項10】
前記状態表示部は、前記コース表示部と比較して、少なくとも縦方向においてサイズが大きい
ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項記載のランドリー機器。
【請求項11】
対象物に対して洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの処理を行うランドリー機器であって、行われる前記処理が互いに異なる複数のコースにそれぞれ対応した表示を行う、該ランドリー機器の利用者により選択可能な複数のコース表示部を備えるランドリー機器の表示制御方法において、
表示制御部が、前記ランドリー機器の状態を示す点灯可能な状態表示部を、待機状態と運転状態とにおいて異なる色で点灯させる
ことを特徴とするランドリー機器の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類や布団などの洗濯物を洗濯及び/又は乾燥するランドリー機器およびランドリー機器の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のランドリー機器は、コインランドリー等の店舗に数十台設置されて利用者に提供されている。利用者は、衣類や布団などの洗濯物を持参し、利用料金を支払って洗濯を行う。コインランドリーは、一般的に無人営業であるため、精算を自動化する精算システムが導入されている。利用者は、各ランドリー機器ごとに設けられている精算機、または各ランドリー機器の精算を集中的に行う集中精算機に現金を投入して、セルフ方式でランドリー機器を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、使用状態が利用者に対して分かり易いランドリー機器およびランドリー機器の表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のランドリー機器は、対象物に対して洗濯及び乾燥の少なくともいずれかの処理を行うランドリー機器であって、行われる前記処理が互いに異なる複数のコースにそれぞれ対応した表示を行う、前記ランドリー機器の利用者により選択可能な複数のコース表示部と、前記ランドリー機器の状態を示す点灯可能な状態表示部と、前記状態表示部の表示制御を行う表示制御部とを備え、前記表示制御部は、待機状態と運転状態とにおいて、前記状態表示部を異なる色で点灯させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る洗濯乾燥機を示す正面図である。
【
図2】実施形態に係る洗濯乾燥機を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る5つのコースが選択可能な中型の洗濯乾燥機の表示操作パネルの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る洗濯乾燥機の制御系を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る洗濯乾燥機に料金が投入される場合の表示制御テーブルを示す図である。
【
図7】実施形態に係る洗濯乾燥機が集中精算機により操作制御される場合の表示制御テーブルを示す図である。
【
図8】実施形態に係る洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。本実施形態においては、本発明に係るランドリー機器を、被洗濯物を洗濯及び又は乾燥する洗濯乾燥処理を行う洗濯乾燥機に適用した場合を例にとり説明を行う。
【0008】
(洗濯乾燥機の構成)
本実施形態に係る洗濯乾燥機の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る洗濯乾燥機を示す正面図、
図2はその斜視図である。なお、
図2では、後述するフロントパネルや操作パネルを説明上一部省略している。
【0009】
図1及び
図2に示すように、洗濯乾燥機1は、直方体形の筐体20を備え、筐体20内部には、横向きの有底円筒体である外胴(シェル)30と、当該外胴30の内部に配置される横向きの有底円筒体であるドラム40とが設けられている。
【0010】
筐体20は、正面に設けられたフロントパネル20aのほぼ中央に、円形状のパネル開口20bを有する。外胴30は、衣類やシーツなどの洗濯物を出し入れする投入口60を有し、この投入口60がパネル開口20bに露出するように固定される。フロントパネル20aには、投入口60を開閉する開閉扉70がヒンジ機構(不図示)を介して設けられる。
図2に示すように、利用者は開閉扉70を開けてドラム40に被洗濯物を投入し、洗濯処理及び/又は乾燥処理(以後、洗濯物処理と称する)の運転終了後に、開閉扉70を開けてドラム40内の被洗濯物を取り出す。フロントパネル20aの上部には、利用者が洗濯物処理の運転に対する操作を行う表示操作パネル20cが配置される。
【0011】
(表示操作パネル20c)
図3は、本実施形態に係る5つのコースが選択可能な洗濯乾燥機の表示操作パネルの一例を示す図である。表示操作パネル20cは、表面の清掃が容易で清潔に保てるように前面が透明樹脂またはガラス製となっており、
図1及び
図3に示すように、複数のコース選択ボタン201を有している。コース選択ボタン201は、洗濯乾燥機1側で洗濯・乾燥コースを選ぶ際に、利用者の入力を受け付けるものである。本実施形態に係る洗濯乾燥機1は、各コース選択ボタン201に専用のコースを任意に設定することが可能である。例えば、本実施形態に係る洗濯乾燥機1が5つのコースが選択可能な中型機(ミドルサイズM)である場合、
図3に示すように、洗濯物の種類(衣服や羽毛布団、敷布団等)や処理量(重量)に応じて所要時間及び料金が異なる洗濯・乾燥コースを3コース、洗濯コースを1コース、乾燥コースを1コース等と割り振ることができる。これにより、コインランドリー店舗の地域ニーズ、利用状況、或いは店舗の特色に合わせたコース設定が可能となっている。なお、コース選択ボタン201は4つに限らず、より多く設けて多くのコースをカバーするようにしてもよい。
【0012】
コース選択ボタン201は、洗濯・乾燥/洗濯/乾燥の各コース名を示すコース名発光部201aと、当該コース名発光部201aの周りを囲うリング状のリング発光部201bとを有する。なお、本実施形態に係るリング発光部201bは、上下に分離されることでそれぞれ弧状をなす、上側に位置する第1リング発光部(
図3に示す符号201b-1a~201b-5a)と、下側に位置する第2リング発光部(
図3に示す符号201b-1b~201b-5b)とから構成される。なお、リング発光部201bは上下ではなく左右に分離されてもよい。コース名発光部201aとリング発光部201bは、表示操作パネル20cの背部に設けられたLED等のバックライトで点灯、点滅、及び消灯することが可能となっており、バックライト消灯時は、表示操作パネル20cを構成するアッパーパネルの背面と同色(例えば黒)となる。つまり、利用者に不要な文字盤等を見えないようにすると共に、不要な電力消費を抑制することができる。コース名発光部201aに示されるコース名は、アッパーパネルにて文字シートを差し替えること、又は文字ドット表示制御により、自由に変更することが可能となっている。
【0013】
コース名発光部201aとリング発光部201bは、それぞれ異なる色で発光させることが好ましい。例えばコース名発光部201aを白色で発光させ、リング発光部201bを白色とは異なる色で発光させてもよい。特に、リング発光部201bについては、コース毎に異なる色で発光するようにするとよい。例えば、洗濯コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、洗濯に対応する第1色、例えば洗濯を連想(イメージ)する青色系に発光するように構成される。また、乾燥コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、乾燥に対応する第2色、例えば乾燥を連想する橙色系に発光するように構成される。更に、洗濯・乾燥コースに対応するコース選択ボタン201のリング発光部201bは、第1リング発光部及び第2リング発光部のうち、一方が洗濯に対応する第1色、例えば洗濯を連想する青色系を発光するように構成され、他方が乾燥に対応する第2色、例えば乾燥を連想する橙色系を発光するように構成される。すなわち、上下で青色系の弧状発光と橙色系の弧状発光との2色を同時発光するように構成される。
【0014】
上述した5つのコースは、具体的には容量16kgの洗濯・乾燥コース、容量10kgの洗濯・乾燥コース、容量27kgの洗濯コース、容量16kgの乾燥コース、1枚のふとん洗濯コースとなっている。従って、容量16kgの洗濯・乾燥コースの第1リング発光部201b-1aは青色系、つまり洗濯に対応(連想)する色に発光し、第2リング発光部201b-1bは橙色系、つまり乾燥に対応する色に発光するように設定される。同様に、容量10kgの洗濯・乾燥コースの第1リング発光部201b-2aは青色系に発光し、第2リング発光部201b-2bは橙色系に発光するように設定される。また、容量27kgの洗濯コースの第1リング発光部201b-3aと第2リング発光部201b-3bは、共に青色系に発光するように設定される。また、容量16kgの乾燥コースの第1リング発光部201b-4aと第2リング発光部201b-4bは、共に橙色系に発光するように設定される。また、1枚のふとん洗濯コースの第1リング発光部201b-5aと第2リング発光部201b-5bは、共に青色系に発光するように設定される。ここでは、コース選択ボタン201の外側の上下にリング発光部(201b-1a~201b-5a、201b-1b~201b-5b)を配置するとしたが、コース選択ボタン201の内側の上下又は左右にリング発光部を配置するとしても良い。なお、第1リング発光部および第2リング発光部は、1つの半円リングとしたが、複数の小さなリングを繋いで半円リングを形成してもよい。
【0015】
このように、洗濯だけ、乾燥だけの場合は、当該コース内容を連想可能な1色で、また洗濯・乾燥を行うコースでは、それぞれを連想可能な異なる2色で発光させることにより、コース選択ボタン201がどのようなコース内容なのかを視覚的に表現し、利用者に感覚的にコース選択ボタン201がどのようなコース内容なのかを一目で理解させることができる。つまり、第1リング発光部(例えば、201b-1a)と第2リング発光部(例えば、201b-1b)とによって形成される円形の内側にコース名が表示されるため、利用者に対し分かり易い表示を提供することができる。この発光の配色は任意であり、例えば後に詳述する遠隔でのコース設定変更に応じて配色を変更可能とすることが好ましい。
【0016】
本実施形態のように洗濯乾燥機1自身、または洗濯乾燥機1に接続された集中精算機に料金が投入される前の待機時では、例えば、コース選択ボタン201を全て消灯して、人感センサ190(
図4参照)により利用者が検知された場合、全点灯するように制御すれば電気料金の削減の観点から好ましい。なお、コース選択ボタン201の点灯、消灯の具体的な制御については後に詳述する。人感センサ190は、洗濯乾燥機1(例えば、正面付近等)に設置されてもよく、店舗(例えば、入り口付近等)に設置されても良い。店舗に設けられている場合は、人感センサ190からの検知信号が洗濯乾燥機1に直接入力されるようにしても良く、洗濯乾燥機1と通信可能に接続されたサーバまたは集中精算機に入力され、これらを介して洗濯乾燥機1に検知結果が入力されるようにしてもよい。洗濯乾燥機1を利用する利用者の存在を検知する手段として、人感センサ190以外にカメラ映像による画像処理が用いられても良い。
【0017】
図1及び
図3に示すように、コース選択ボタン201それぞれの上部には、表示領域の1つとして、各コース選択ボタンが示すコース内容における被洗濯物の容量又は対象枚数を示す容量表示領域201cが設けられている。容量表示領域201cは、コース名発光部201a及びリング発光部201bと同様に、LED等のバックライトで点灯、点滅、及び消灯することが可能となっており、消灯時は表示操作パネル20cを構成するアッパーパネルの背面と同色(例えば黒)となる。容量表示領域201cに示される数値(被洗濯物が衣服であれば10kg、布団であれば1枚など)は、パネル背部にて文字シートを差し替える事、又は文字ドット表示制御により、自由に変更が可能となっている。
【0018】
容量表示領域201cそれぞれの上部には、各コース選択ボタンが示すコース内容(時間と料金)を表示する表示領域である設定領域202が設けられている。ここでは1つのコース選択ボタン201に対して縦に2つの設定領域202が設けられている。例えば、2つのうちの一方に所要利用時間を表示させ、他方に利用料金を表示させることができ、利用者に各コースの内容を認識させることができる。設定領域202及び後述する料金/残り時間表示領域203は、7seg表示であり、詳細は後述する遠隔操作による設定変更に応じて、表示を切り替えることができる。
【0019】
利用者が表示操作パネル20c下部に設けられた利用料金を支払うための料金投入部25(
図1参照)に料金を投入することにより、コース選択ボタン201が選択可能となる。利用者が所望のコース選択ボタン201を選択(指先をかざす)することで、当該コース選択ボタン201に対応付けられた洗濯・乾燥コースの洗濯物処理が実行される。なお、洗濯乾燥機1が集中精算機に接続される場合は、集中精算機において複数のコース選択ボタン201に対応するコース選択を行い、その料金を投入することにより、集中精算機に接続された複数の洗濯乾燥機1のうちの待機中にある1つの洗濯乾燥機1が選択され、利用可能となる。なお、集中精算機に料金を投入することにより、複数の洗濯乾燥機1のうちの待機中にある洗濯乾燥機1が選択され、当該洗濯乾燥機1においてコース選択ボタン201の選択が可能になるようにしてもよい。洗濯物処理が実行された際には、コース選択ボタン201に隣接する料金/残り時間表示領域203に、洗濯物処理に関する情報等が表示される。洗濯物処理に関する情報としては、例えば洗濯乾燥機1の利用時間、利用料金(超過料金、加重超過料金を含む)が挙げられる。
【0020】
また、
図1及び
図3に示すように、表示操作パネル20cは、複数のオプションボタン204を有する。本実施形態におけるオプションボタン204としては、例えばドラム40を被洗濯物を空の状態で回してドラム40内の洗浄を行うドラム洗浄ボタン204aや、洗濯乾燥機1の機能を説明する音声ナビボタン204bがある。その他のオプションボタン204としては、乾燥後の冷却後に、オゾンエアをドラム40内へ送出するなどしてドラム40内におけるウィルス等の不活化、除菌を行う除菌ボタン等を設定することができる。これらのオプションボタン204は、料金投入部25に料金を投入しなくとも操作可能なものもあり、例えば利用者は、被洗濯物をドラム40に投入するに先立ってドラム洗浄ボタン204aを選択することで、所定時間ドラム40の洗浄がなされ、ドラム40内がある程度除菌された状態にある洗濯乾燥機1を利用することができる。
【0021】
図1のコース選択ボタン201やオプションボタン204は、静電容量式のタッチスイッチパネルである。従って、直接タッチしなくても利用者が指先を近づけるだけでボタンが反応し、入力を受け付けることができる。これによれば、利用者は接触レスで操作が可能であるため、ボタンを介したウィルス感染等を予防することができる。さらに、利用者がうっかりタッチしてしまうことを想定し、コース選択ボタン201やオプションボタン204には、抗菌加工が施されており、菌やウィルスを減少させて二重の感染予防を実現している。抗菌加工としては、例えば抗菌塗装や抗菌ワックス、抗菌カバーガラスの使用等が挙げられる。
【0022】
図3に示すように表示操作パネル20cは、オプションボタン204と、図中左端のコース選択ボタン201、その上部の容量表示領域201c、及びその上部の設定領域202との境に、円弧状のフリッカランプ205が設けられている。フリッカランプ205は、表示操作パネル20cの縦幅より長いランプ(バックライト)を円弧状に搭載することで形成されており、バックライトが点灯することにより発光することができる。バックライトとしてはLEDを用いることが好ましい。
【0023】
フリッカランプ205は、洗濯乾燥機1の使用状況に応じて点灯、消灯、点滅、及び異なる色での発光等を行う。これにより利用者は、洗濯乾燥機1の使用状況、具体的には待機中(待機状態)であるか稼働中(運転状態)であるか等を視覚的に一目で認識することができる。つまりフリッカランプ205は、待機状態を含む洗濯乾燥機1が利用可能な状態においては、該状態を利用者に報知するように点灯され、運転状態を含む洗濯乾燥機1が利用不可能な状態においては、該状態を利用者に報知するように前記利用可能な状態とは異なる表示制御が行われる。その他、洗濯乾燥機1に料金投入部25が設けられておらず、集中精算機による遠隔精算を行うものである場合、自機が操作対象機である事を利用者に報知する様に、点灯、消灯、点滅の表示制御が実行されるようにしてもよい。なお、フリッカランプ(状態表示部)205は、円弧形状に限定されず、表示操作パネル20cの縦幅より長い曲線形状、又は斜線形状、又はそれらの組み合わせ形状で形成して良い。
【0024】
また、表示操作パネル20cには、料金/残り時間表示領域203の上部に除菌撃退温度ランプ206が設けられている。除菌撃退温度ランプ206は、細菌、又はウィルスの撃退温度に合わせて複数の菌撃退段階を表示する。除菌撃退温度ランプ206は、後述する出口温度センサ130(
図4参照)により取得したドラム出口温度等からドラム40内の温度が推定され、オプションボタン204に設けられる除菌ボタンに連動して、除菌効果が期待される温度帯での運転状態となった際に点灯又は点滅する。当該推定の手法としては、例えば閾値としてドラム40内が除菌に十分な温度となった際のドラム出口温度の最低値を閾値として洗濯乾燥機1に設定しておき、出口温度センサ130の検出結果が当該閾値以上であるか否かにより推定する手法が挙げられる。この一連の制御は、後述する制御装置100(
図4参照)により行われる。また、オゾンに代表されるウィルス等の不活化、除菌等の行程中も除菌撃退温度ランプ206を点灯または点滅させるとよい。
【0025】
また、
図3に示すように、除菌撃退温度ランプ206と料金/残り時間表示領域203との間には、衣類に合わせて複数段階に乾燥温度が変更可能な乾燥温度設定領域208が設けられている。この乾燥温度設定領域208には、乾燥時の温度を調節可能な調節ボタンが設けられることが好ましく、調節ボタンを、例えば高温ボタン、中温ボタン、低温ボタンからなるようにすれば、被洗濯物の素材に考慮して利用者が自由に乾燥温度を設定することができる。また、除菌撃退温度ランプ206の上部には、バックライトにより点灯可能な「燃焼中」の表示領域210及び「運転中」表示領域212が設けられている。
【0026】
次に、洗濯乾燥機1の制御系について説明する。
図4は、本実施形態に係る洗濯乾燥機の制御系を示すブロック図である。洗濯乾燥機1は、機器本体の主たる制御を行う制御装置100を備える。
【0027】
制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、入出力I/F103a、通信I/F103bとを備える。CPU101は制御装置100の主たる処理を実行するものであり、メモリ102はRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等を含み、CPU101の作業領域に使用されると共に、各種機能を実現するプログラム、当該機能により実行される処理に用いられるデータ等を記憶する記憶装置である。メモリ102には前述したコース選択ボタン201にそれぞれ設定された洗濯・乾燥コースのパラメータを示すコース情報と、詳細は後述する表示制御テーブルとが記憶されている。パラメータとしては、洗濯及び/又は乾燥処理を行うのか、処理の所要時間、料金、被洗濯物の重量等がある。
【0028】
入出力I/F103aは、表示操作パネル20cからの入力信号や、ドラム40内の水位を検出する水位センサ110、ドラム40に吸気される温度を検出する入口温度センサ120、ドラム40からの排気の温度を検出する出口温度センサ130、開閉扉70の開閉を検出する開閉センサ140、及び人感センサ190からの信号の入力に用いられる。また、入出力I/F103aは、ドラム40に吸気される空気を加熱する加熱ユニット150、ドラム40に吸気するファン160、ドラム40に給水する給水弁170、ドラム40から排水する排水弁180、ドラム40を回転駆動するモータM、開閉扉70の施錠/解錠を行う扉ロック80、及び表示操作パネル20cへの制御信号の出力に用いられる。通信I/F103bは、スマートフォンやタブレット端末等の端末機との無線通信に用いられる。無線通信規格は、様々なものを用いることができ、例えばBluetooth(登録商標)等の短距離無線通信やWi-Fi通信が挙げられる。
【0029】
制御装置100は、主としてCPU101とメモリ102とが協働することにより、加熱ユニット150、ファン160、モータMを制御してドラム40内に熱風が吸入した状態でドラム40を回転させる乾燥処理や、給水弁170、排水弁180、モータMを制御してドラム40内に給水された状態でドラム40を回転させる洗濯処理を行う。
【0030】
また、制御装置100は、通信I/F103bを有することにより、有線または無線通信を用いてリモートでの一括及び個別の設定が可能となっている。ここでの設定とは、例えばメモリ102に記憶されているコース選択ボタン201に対応付けられたコース情報や、その所要時間、料金などである。
【0031】
例えば、洗濯乾燥機1が店舗内に設けられたサーバに接続されている場合、洗濯乾燥機1のオーナーは、サーバにおいて専用のアプリケーションプログラムを立ち上げ、これを操作することによりリモートで個別または複数の洗濯乾燥機1の一括設定変更を行うことができる。また、洗濯乾燥機1の設定を変更する他の手法としては、コインランドリー店舗に設けたゲートウェイに複数の洗濯乾燥機1を通信可能に接続し、Wi-Fi等の無線通信によりスマートフォン等の端末機や外部サーバ経由で設定変更を行うようにしてもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置100は、信号取得部104と、判定処理部105と、コース情報取得部106と、運転制御部107と、表示制御部108とを機能として備える。信号取得部104は、人感センサ190により利用者が検知されたことを示す検知信号を含め、各種センサからの検出結果を示す各種信号を取得する。判定処理部105は、後述する洗濯乾燥機1の洗濯物処理に係る各種の判定処理を行う。コース情報取得部106は、利用者によるコース選択ボタン201の選択を受け付け、選択されたボタンに対応するコースの情報を取得する。なお、洗濯乾燥機1が集中精算機に接続されて集中精算機においてコース選択がなされ、自機が操作対象機として選択された場合は、その選択された選択コースの情報を集中精算機から取得する。
【0033】
運転制御部107は、信号取得部104により取得された信号とコース情報取得部106により取得されたコース情報とに基づいて、洗濯乾燥機1の洗濯物処理に係る運転制御を行う。表示制御部108は、信号取得部104により取得された信号やコース情報取得部106により取得されたコース情報、運転制御部107による運転制御の状況等に基づいて、コース選択ボタン201及びフリッカランプ205の点灯、点滅、異なる色での発光、照度ダウン等の表示制御を行う。
【0034】
図6は、本実施形態に係る洗濯乾燥機に料金が投入される場合の表示制御テーブルを示す図である。
図6に示すように、表示制御テーブルは、コース選択ボタン201及びフリッカランプ205の表示制御の設定内容を示す。例えば、料金投入部25(
図1参照)に料金が投入される洗濯乾燥機1の場合、表示制御部108は、この表示制御テーブルに基づいてコース選択ボタン201及びフリッカランプ205の表示制御を行う。表示制御テーブルの設定内容は、洗濯乾燥機1のオーナーにより変更可能である。
【0035】
具体的には、
図6に示す表示制御テーブルにおいて、パターンAは、洗濯乾燥機1が利用可能な状態であり且つ人感センサ190により利用者が検知されていない状態、つまり無人での待機状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205が青色で点灯され、全てのコース選択ボタン201のコース名発光部201a及びリング発光部201bが消灯される。これにより利用者は、店舗の中は言うまでもなく店舗の外からでも洗濯乾燥機1が利用可能な状態であることを視認できる。なお、洗濯乾燥機1が利用可能な状態とは、例えばコース選択時や洗濯乾燥処理実行中ではない状態であり、洗濯乾燥処理後に開閉扉70の開閉が行われた後の状態もここに含まれる。一方で、これら以外の状態は洗濯乾燥機1が利用中、つまり利用不可能な状態となる。パターンBは、洗濯乾燥機1が利用可能な状態であり且つ人感センサ190により利用者が検知された状態、つまり有人での待機状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205の青色での点灯が継続され、全てのコース選択ボタン201が点灯される。これにより、選択するコース選択ボタン201の視認性を高めることができる。この時、容量表示領域201c、設定領域202も点灯されることがコース選択ボタン201の内容を容易に理解できる観点から好ましい。なお、各パターンにおけるコース選択ボタン201の点灯は、コース名発光部201a及びリング発光部201bの両方でもよく、少なくともいずれかであればよい。
【0036】
パターンCは、利用者によりいずれかのコース選択ボタン201が選択された状態での表示制御であり、フリッカランプ205が緑色での点灯に変更され、選択されたコース選択ボタン201が点滅されると共に、選択されなかった未選択のコース選択ボタン201の点灯が照度ダウンの状態で維持される。これにより、選択されたコース選択ボタン201を他のボタンと区別でき、利用者は自身が選択したコースを容易に再確認することができる。また、フリッカランプ205の点灯色が緑色に変化することから、例え選択した利用者が一時的にその場を離れたとしても、店舗外内にいるこれから洗濯乾燥機1を利用しようとしている人(以後、他の利用者と称する)は当該洗濯乾燥機1が利用不可能な使用中の状態(詳細には使用されるであろう状態)であることを一目で認識できる。
【0037】
パターンDは、運転開始(洗濯物処理実行)と同時またはその直後から所定時間経過するまでの状態(初期処理状態)での表示制御であり、フリッカランプ205の緑色での点灯が維持され、選択されたコース選択ボタン201が回転点灯に変更されると共に、選択されなかった未選択のコース選択ボタン201が消灯される。ここでの所定時間は、適宜設定可能であり、数秒~数分程度あれば後述する効果を奏することができる。また、ここでの回転点灯は、例えばリング発光部201b背部の複数のバックライトが弧状に整列されている場合、その円周に沿って時計または反時計回りに順次バックライトが点灯または消灯することにより実現される。その他、リング発光部201bを3つ以上の弧状発光部により構成し、弧状発光部を時計または反時計回りに順次点灯または消灯することにより実現してもよい。これにより利用者に対する洗濯コース及び運転開始を直感的に認識させることができると共に、不要な電力消費を抑止することができる。特にフリッカランプ205の発光色が緑色に変更されることから、利用者は洗濯乾燥機1の運転が問題無く開始されたことを認識できると共に、他の利用者が洗濯乾燥機1が使用中の状態であることを直感的に認識することができる。
【0038】
パターンEは、初期処理状態後、つまり運転開始から所定時間経過後の状態(運転状態)且つ人感センサ190により利用者が検知されていない状態、つまり無人での運転状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205の緑色での点灯が継続され、全てのコース選択ボタン201が消灯される。これにより、利用者がいない状態においてコース選択ボタン201が消灯されることから不要な電力消費を抑止することができると共に、フリッカランプ205は緑色での点灯が継続されることから店舗外から他の利用者が当該洗濯乾燥機1が使用中であることを容易に認識することができる。なお、運転開始直後と所定時間経過後とでパターンDからパターンEに表示制御を変えることにより、所定時間経過するまでは選択されたコース選択ボタン201が回転点灯するため、消灯前に利用者に自身の選択したコースを再確認する十分な猶予を与えることができると共に、所定時間経過後に消灯するため不要な電力消費を抑止することができる。
【0039】
パターンFは、運転状態且つ人感センサ190により利用者が検知された状態、つまり有人での運転状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205の緑色での点灯が継続され、選択されたコース選択ボタン201が回転点灯されると共に、選択されなかった未選択のコース選択ボタン201が消灯される。これにより検知された人が使用中の洗濯乾燥機1の利用者である場合、利用者は洗濯乾燥機1の運転が問題無く継続していることを認識することができる。一方、検知された人が他の利用者である場合、当該他の利用者は洗濯乾燥機1が使用中であり且つ所定時間経過していることを容易に認識することができる。
【0040】
パターンGは、洗濯物処理終了後且つ人感センサ190により利用者が検知されていない状態、つまり無人での終了状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205が青色で且つパターンA及びBと比較して低照度で点灯されると共に、全てのコース選択ボタン201が消灯される。これにより店舗外の利用者や他の利用者は、洗濯乾燥機1が洗濯物処理が終了している状態にあることと、洗濯乾燥機1が運転終了しているが被洗濯物がドラム40内に収容された状態にあることとを容易に認識することができる。また、フリッカランプ205の低照度で青色点灯されパターンAとは表示制御が異なっているため、洗濯乾燥機1が利用可能な状態であると誤認されることもない。
【0041】
パターンHは、洗濯物処理終了後且つ人感センサ190により利用者が検知された状態、つまり有人での終了状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205の低照度青色点灯が維持されると共に、選択されたコース選択ボタン201がパターンBと比較して低照度で点灯され、選択されなかった未選択のコース選択ボタン201が消灯される。これにより利用者は、自身の選択したコースを今一度確認すると共に、洗濯乾燥機1の運転が終了し、被洗濯物を取り出しても問題ないことを直感的に認識することができ、他の利用者は洗濯乾燥機1が運転終了しているが被洗濯物がドラム40内に収容された状態にあることを容易に認識することができる。また、パターンHでの表示制御がなされた洗濯乾燥機1が複数ある場合、利用者は自身が利用した洗濯乾燥機1を誤認する可能性がある。しかしながら、選択されたコース選択ボタン201が低照度で点灯されていることから、このような事態を低減することができる。開閉扉70が開けられ、再び閉じられた場合は、パターンHから再びパターンBの表示制御に移行することとなり、利用者が退店する等して検知されなくなるとパターンAの表示制御に移行することとなる。
【0042】
また、洗濯乾燥機1が運転中や待機中において、エラー状態、例えば内部機器の故障発生の検知や操作が受け付けずに停止(フリーズ)する等の状態となり、使用不能な状態となった場合、表示制御部108により、エラー表示としてフリッカランプ205及びコース選択ボタン201が赤色で発光されることが好ましい。パターンIは、エラー全般の状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205が低照度の赤色で点滅され、コース選択ボタン201においては故障発生時の表示制御パターンが維持される。パターンJは、タッチセンサ異常(例えばコース選択ボタン201や集中精算機のコース選択ボタンの故障等)を示す表示制御であり、フリッカランプ205が低照度の赤色で点灯され、コース選択ボタン201においては故障発生時の表示制御パターンが維持される。これにより利用者やオーナー、修理作業者は、洗濯乾燥機1のどの運転状態においてエラーが発生したかと、エラーの大まかな種類とを認識することができる。また、パターンKは、修理後や設定変更、清掃中等の調整中の状態を示す表示制御であり、フリッカランプ205及び全てのコース選択ボタン201が消灯される。
【0043】
また、
図6に示す表示制御テーブルは、洗濯乾燥機1に料金が投入される場合のものであると説明したが、不図示の集中精算機により店舗内の複数の洗濯乾燥機1が操作制御される場合は、
図7に示す表示制御テーブルが用いられる。集中精算機を使用する場合は、複数の洗濯乾燥機1が店舗内に配置されていることから、利用者はコース選択後に自身が利用する洗濯乾燥機1がいずれであるかわからない。しかしながら、
図7に示すコース選択後の表示制御であるパターンCによれば、
図6に示す表示制御テーブルとは異なりフリッカランプ205を緑色で点滅させることができる。これにより、他の利用しない洗濯乾燥機1はフリッカランプ205が青色で点灯していることから、利用者は利用する洗濯乾燥機1を直感的に見分けて認識することができる。このような集中精算機によるコース選択の場合は、コース選択ボタン201はコース選択を受け付けることはせず、利用者が指先を近づけても反応しないようにするとよい。
【0044】
なお、表示制御テーブルは、
図6及び
図7に示すものに限定するものではない。洗濯乾燥機1が待機中であるか運転中であるかを一目で認識できるよう、点灯、点滅、消灯のいずれか1つから他方に変更及び/又は発光色の変更を行えばよく、また発光色も青及び緑のみではなく、黄や紫、橙など他の色での発光を行わせるようにしてもよい。
【0045】
(装置動作)
以下、この表示制御テーブルに基づく本実施形態に係る洗濯乾燥機1の動作について詳細に説明する。
図8は、本実施形態に係る洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。なお、ここでの表示制御は、フリッカランプ205及びコース選択ボタン201のみに言及し、容量表示領域201cや、設定領域202、料金/残り時間表示領域203、オプションボタン204、除菌撃退温度ランプ206、乾燥温度設定領域208、および表示領域210,212の表示制御についての説明は省略する。
【0046】
図8に示すように、先ず洗濯乾燥機1の電源が投入されると、表示制御部108は、洗濯乾燥機1が待機中を示すパターンAの表示制御を行う(S101)。次に、判定処理部105は、人感センサ190からの検知信号が信号取得部104により取得されたか否かに基づいて、利用者が検知されたか否かを判定する(S102)。利用者が検知されていない場合(S102,NO)、パターンAの表示制御が継続される。一方、利用者が検知された場合(S102,YES)、表示制御部108は、パターンBの表示制御を行う(S103)。
【0047】
パターンBの表示制御後、判定処理部105は、コース情報取得部106により利用者が選択したコース情報が取得されたか否かにより、コースが選択されたか否かを判定する(S104)。利用者が料金投入部25に規定の料金を投入していない、または投入したがコース選択ボタン201の選択を行っていない等の状況で、未だコース情報が取得されていない場合(S104,NO)、検知された人が利用者でない可能性もあるため、ステップS102の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。一方、コース情報が取得された場合(S104,YES)、表示制御部108は、パターンCの表示制御を行う(S105)。
【0048】
パターンDの表示制御後、運転制御部107は、取得されたコース情報に基づいて洗濯物処理を実行する(S106)。洗濯物処理の実行と同時または直後に、表示制御部108は、パターンDの表示制御を行う(S107)。パターンDの表示制御から所定時間経過後、判定処理部105は、利用者が検知されたか否かを判定する(S108)。ここでの所定時間は、パターンDの表示制御が継続される予め設定された時間であり、利用者が自身の選択したコースを確認するに十分な時間、具体的には数秒~数分程度あればよい。利用者が検知されていない場合(S108,NO)、表示制御部108は、パターンEの表示制御を行う(S109)。一方、利用者が検知された場合(S108,YES)、表示制御部108は、パターンFの表示制御を行う(S110)。
【0049】
パターンE,Fいずれかの表示制御後、判定処理部105は、洗濯物処理が終了したか否かを判定する(S111)。洗濯物処理が終了したか否かは、取得されたコース情報に対応付けられた洗濯物処理の処理時間に基づくものであり、当該処理時間は例えば「16kgの洗濯・乾燥コース」のコース選択ボタン201が選択された場合、60分となる。未だ洗濯物処理が終了していない場合(S111,NO)、ステップS108の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。一方、洗濯物処理が終了した場合(S111,YES)、判定処理部105は、利用者が検知されたか否かを判定する(S112)。利用者が検知されていない場合(S112,NO)、表示制御部108は、パターンGの表示制御を行い(S113)、ステップS112の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。一方、利用者が検知された場合(S112,YES)、表示制御部108は、パターンHの表示制御を行う(S114)。
【0050】
パターンHの表示制御後、判定処理部105は、開閉センサ140からの検出信号が信号取得部104により取得されたか否かに基づいて、開閉扉70が開けられたか否かを判定する(S115)。開閉センサ140からの検出信号が取得されておらず、開閉扉70が開けられていない場合(S115,NO)、ドラム40内に被洗濯物が収容された状態であり、検知された人が利用者でない可能性もあるため、ステップS112の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。一方、開閉センサ140からの検出信号が取得され、開閉扉70が開けられた場合(S115,YES)、被洗濯物が取り出され、洗濯乾燥機1が利用可能な状態となったとして、ステップS102の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。開閉扉70が開けられた直後は、利用者は検知された状態にあるため、自ずとステップS103のパターンBの表示制御がなされることとなる。一方、利用者が被洗濯物を取り出して退店すると、ステップS102の判定処理結果からS102,NOのルートとなるため、ステップS101のパターンAでの表示制御に切り替わることとなる。
【0051】
なお、洗濯乾燥機1が集中精算機により操作制御される場合は、集中精算機においてコース選択がなされ且つ料金が投入された後、集中精算機により自機が操作対象機として選択されたか否かを、ステップS104において判定することが好ましい。自機が操作対象機として選択された場合にはステップS105へ移行し、選択されなかった場合はパターンBの表示制御が維持されたままステップS102の利用者が検知されたか否かの判定処理へ移行する。当該判定時には、コース情報が集中精算機から取得されるとよい。なお、この判定は、集中精算機からコース情報を取得したか否かにより判定するようにしてもよく、自機が操作対象機であることを示す信号を受信したか否かにより判定してもよい。
【0052】
以上に説明した本実施形態によれば、洗濯乾燥機1が待機中で利用可能な状態ではフリッカランプ205を青色で点灯すると共にコース選択ボタン201を消灯し、洗濯乾燥機1が利用される状態においてはコース選択ボタン201を消灯した上でフリッカランプ205を緑色で点灯する。そのため、店舗外からでも洗濯乾燥機1の使用状態、つまり使用可能な待機状態であるか使用不可能な運転状態にあるかを、消費電力を抑えた上で利用者に容易に認識させることができる。
【0053】
なお、本実施形態においては本発明に係るランドリー機器を洗濯乾燥機に適用した例を説明したが、当該ランドリー機器は洗濯機や乾燥機にも適用可能であることは言うまでもない。
【0054】
また、本実施形態においては、コース選択時やその前の段階において開閉扉70の開閉動作がなされたとしても、コース選択ボタン201及びフリッカランプ205の表示制御は変わらない。しかしながら、開閉扉70の開閉動作に応じて表示制御が変わるようにしてもよい。例えば、開閉動作がなされた場合、フリッカランプ205が緑色で点灯されると共に、全てのコース選択ボタン201が点灯されるようにしてもよい。これにより、利用者のみならず他の利用者も当該洗濯乾燥機1が開閉扉70が開閉された状態にあることが認識できる。なお、ここでの開閉動作とは開閉扉70が開けられている状態と、閉められた状態を意味し、閉められた直後に開閉動作がなされる前の表示制御に戻るようにしてもよく、閉められてから所定秒数経過するまで、上記の開閉動作に係る表示制御が維持されるようにしてもよい。
【0055】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 洗濯乾燥機(ランドリー機器)
104 信号取得部(検知信号取得部)
106 コース情報取得部
108 表示制御部
190 人感センサ(検知部)
201 コース選択ボタン(コース表示部、検知部)
205 フリッカランプ(状態表示部)