(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131008
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60G 9/04 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
B60G9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035648
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 幸彦
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA69
3D301AA85
3D301CA28
3D301DA94
3D301DB12
(57)【要約】
【課題】ビームとリインフォースメントとの溶接部分の終端近傍において、剛性の低下を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】ビームと、アームと、リインフォースメントと、を備える。ビームの形材は、車幅方向に関して、ビームの一端を含む端部区間と、端部区間に隣接する中間区間とを有する。形材の車幅方向に延びるエッジには、端部区間と中間区間との間の境界に、端部区間に対して中間区間が突出するように段差が設けられている。形材の端部区間では、リインフォースメントのエッジの一部が、第1の溶接ビードに沿って形材の外面に溶接されている。形材の中間区間では、リインフォースメントのエッジの他の一部が、第2の溶接ビードに沿って形材の内面に溶接されている。第1の溶接ビードは、端部区間と中間区間との間の境界を超えて、中間区間内へ延びている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向に沿って延びる形材を有するビームと、
前記車幅方向に平行な中心軸に対して揺動可能であるとともに、前記ビームの一端が接続されたアームと、
前記ビームと前記アームとの両者に亘って溶接されたリインフォースメントと、
を備え、
前記ビームの前記形材は、前記車幅方向に関して、前記ビームの前記一端を含む端部区間と、前記端部区間に隣接する中間区間とを有し、
前記形材の前記車幅方向に延びるエッジには、前記端部区間と前記中間区間との間の境界に、前記端部区間に対して前記中間区間が突出するように段差が設けられており、
前記形材の前記端部区間では、前記リインフォースメントのエッジの一部が、第1の溶接ビードに沿って前記形材の外面に溶接されており、
前記形材の前記中間区間では、前記リインフォースメントの前記エッジの他の一部が、第2の溶接ビードに沿って前記形材の内面に溶接されており、
前記第1の溶接ビードは、前記端部区間と前記中間区間との間の前記境界を超えて、前記中間区間内へ延びている、
車両。
【請求項2】
前記第1の溶接ビードの前記車幅方向内側に位置する一端と、前記第2の溶接ビードの前記車幅方向外側に位置する一端とは、前記車幅方向に平行な同一直線上に位置する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記リインフォースメントの一部は、前記第1の溶接ビードとともに、前記端部区間と前記中間区間との間の前記境界を超えて、前記中間区間内へ延びている、請求項1又は2に記載の車両。
【請求項4】
前記ビームは、トーションビーム式サスペンションのトーションビームであり、
前記アームは、トーションビーム式サスペンションのトレーリングアームである、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記ビームは、前記車幅方向に沿って延びるとともに、その両端が前記形材に接続されたバーを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、車両の車幅方向に沿って延びる形材を有するビームを補強する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車両の車幅方向に沿って延びるビーム(例えば、トーションビーム)と、車幅方向に平行な中心軸に対して揺動可能であるとともに、ビームの一端が接続されたアーム(例えば、トレーリングアーム)と、ビームとアームとの両者に亘って溶接されたリインフォースメントと、を備える車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、車両に前方衝突が発生した場合、車幅方向に延びるビーム対して、車幅方向に直交する方向(例えば、車両前後方向)の大きな荷重が加えられる。ビームとリインフォースメントとの溶接部分では、リインフォースメントによって、ビームの剛性が向上する。しかしながら、ビームの溶接部分の終端近傍におけるリインフォースメントが溶接されていない部分(以下、非溶接部分と称する)では、非溶接部分の剛性が、溶接部分と比較して低下することがある。その結果、衝突時の大きな荷重がビームに加えられた場合に、非溶接部分で、ダメージが生じるおそれがある。本明細書では、ビームの非溶接部分において、剛性の低下を抑制することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する車両は、ビームと、アームと、リインフォースメントと、を備える。ビームは、車幅方向に沿って延びる形材を有する。アームは、前記車幅方向に平行な中心軸に対して揺動可能であるとともに、前記ビームの一端が接続されている。リインフォースメントは、前記ビームと前記アームとの両者に亘って溶接されている。前記ビームの前記形材は、前記車幅方向に関して、前記ビームの前記一端を含む端部区間と、前記端部区間に隣接する中間区間とを有する。前記形材の前記車幅方向に延びるエッジには、前記端部区間と前記中間区間との間の境界に、前記端部区間に対して前記中間区間が突出するように段差が設けられている。前記形材の前記端部区間では、前記リインフォースメントのエッジの一部が、第1の溶接ビードに沿って前記形材の外面に溶接されている。前記形材の前記中間区間では、前記リインフォースメントの前記エッジの他の一部が、第2の溶接ビードに沿って前記形材の内面に溶接されている。前記第1の溶接ビードは、前記端部区間と前記中間区間との間の前記境界を超えて、前記中間区間内へ延びている。
【0006】
上述した構成によると、ビームの形材は、形材の端部区間ではリインフォースメント及び第1の溶接ビードによって外面から補強され、中間区間では、リインフォースメント及び第2の溶接ビードによって内面から補強される。これにより、形材は、リインフォースメントによって両面から補強される。しかしながら、本発明者らは、形材の両面からリインフォースを補強する構造において、端部区間と中間区間の間の境界、すなわち、リインフォースメントのエッジが形材の外面から内面に跨る部分において、ビームの剛性が局所的に低下することを発見した。上述した構成によると、第1の溶接ビードは、端部区間と中間区間との間の境界を超えて、中間区間内へ延びている。このため、第1の溶接ビードが、端部区間と中間区間との間の境界部分を補強する。このように、本明細書が開示する車両は、ビームの非溶接部分において、剛性の低下を抑制することができる。
【0007】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施例の車両100のサスペンション2の斜視図を示す。
【
図3】第1実施例のサスペンション2の下面視を示す。
【
図4】第2実施例のサスペンション2aの下面視を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の一実施形態では、前記第1の溶接ビードの前記車幅方向内側に位置する一端と、前記第2の溶接ビードの前記車幅方向外側に位置する一端とは、前記車幅方向に平行な同一直線上に位置してもよい。このような構成によると、ビームに直交する方向に荷重が加えられた場合に、当該荷重が、第1の溶接ビードと第2の溶接ビードとの両者に均等に伝達される。その結果、一方の溶接ビードへの荷重が局所的に大きくならないため、ビームの剛性を向上させることができる。
【0010】
本技術の一実施形態では、前記リインフォースメントの一部は、前記第1の溶接ビードとともに、前記端部区間と前記中間区間との間の前記境界を超えて、前記中間区間内へ延びてもよい。このような構成によると、リインフォースメントの一部が、リインフォースメントのエッジが形材の外面から内面にわたって乗り換える部分を補強する。ビームの非溶接部分において、剛性の低下を抑制することができる。
【0011】
本技術の一実施形態では、前記ビームは、トーションビーム式サスペンションのトーションビームであり、前記アームは、トーションビーム式サスペンションのトレーリングアームであってもよい。但し、別の実施形態では、ビーム及びアームは、例えば、スイングアクスル式のサスペンションを構成してもよい。
【0012】
本技術の一実施形態では、前記ビームは、前記車幅方向に沿って延びるとともに、その両端が前記形材に接続されたバーを有してもよい。但し、別の実施形態では、ビームは形材のみで構成され、バーを有さなくてもよい。
【0013】
(実施例)
図面を参照して実施例の車両について説明する。
図1は、実施例の車両100の下方から見たサスペンション2の斜視図を示す。サスペンション2は、いわゆるトーションビーム式のサスペンションである。サスペンション2は、トーションビーム3と、トーションビーム3の両端に接続された一対のトレーリングアーム8R、8Lと、一対のリインフォースメント10R、10Lと、を備える。以下では、車両100の上方向(すなわち、図中座標軸の矢印UPの方向)を、単に「上」と記載し、その反対方向を「下」と記載する。同様に、車両100の前方向(すなわち、図中座標軸の矢印FRの方向)を、単に「前」と記載し、その反対方向を「後」と記載する。さらに、車両100の左方向(すなわち、図中座標軸の矢印LHの方向)を「左」と記載し、その反対方向を「右」と記載する。また、車両100の左右方向について「車幅方向」と記載することがある。
【0014】
車両100は、前輪駆動車である。サスペンション2の両端には、車両100の後輪(図示省略)が回転可能に接続される。すなわち、サスペンション2は、車両100の車幅方向に延びている。一対のトレーリングアーム8R、8Lは、車両100の後輪を介して路面から受ける反力によって、車両100の上下方向に揺動する。すなわち、一対のトレーリングアーム8R、8Lは、車両100の車幅方向に平行な軸を中心として揺動可能である。これにより、一対のトレーリングアーム8R、8Lは、当該反力を懸架ばね(図示省略)に伝達する。懸架ばねは、一対のトレーリングアーム8R、8Lから伝達された反力を吸収する。
【0015】
トーションビーム3は、形材4と、バー6と、を備える。トーションビーム3は、一対のトレーリングアーム8R、8Lを連結する部材である。トーションビーム3は、例えば、路面から車両100の左右の後輪へ異なる反力が付加されたときに、自身が変形することによって、一対のトレーリングアーム8R、8Lの相対的な揺動を許容する。
【0016】
形材4は、板状の鋼材によって構成され、バー6に沿って車幅方向に延びている。形材4は、車両100の上側(すなわち、
図1の紙面右側)からバー6を覆う。詳細は後述するが、形材4は、バー6の後側(すなわち、
図1の紙面上側)を覆うように屈曲している。形材4の内面は、バー6と対向する。
【0017】
形材4の右側の端は、トレーリングアーム8Rに溶接によって接続されている。形材4とトレーリングアーム8Rとの両者には、リインフォースメント10Rが溶接によって固定されている。同様に、形材4の左側の端は、トレーリングアーム8Lに接続されている。形材4とトレーリングアーム8Lとの両者には、リインフォースメント10Lが溶接によって固定されている。
【0018】
バー6は、車幅方向に延びるパイプ材であり、形材4の内側に配置される。詳細は
図2を参照して後述するが、バー6の右側の端は、形材4の右側の端部と、リインフォースメント10Rとに接続されている。同様に、バー6の左側の端は、形材4の左側の端部と、リインフォースメント10Lとに接続されている。
【0019】
一対のリインフォースメント10R、10Lは、板状の鋼材によって構成される。リインフォースメント10Rは、形材4の右側端部の内面と対向する。リインフォースメント10Rは、形材4とともにバー6を挟み込む。リインフォースメント10Rの左側の先端部には、U字形状のスリットが設けられている。当該スリットにより、リインフォースメント10Rは、上下に分岐する。バー6は、リインフォースメント10Rのスリットを通過して車幅方向に延びる。リインフォースメント10Lは、リインフォースメント10Rと同様の構成を有する。サスペンション2は、車幅方向に対称形状を有する。このため、本明細書では、主に、サスペンション2の右側端部の構造について説明する。
【0020】
図2を参照して、各部材4、6、10Rの詳細構造について説明する。
図2は、
図1の破線IIに囲まれた範囲の拡大図を示す。先に述べたように、バー6は、形材4とリインフォースメント10Rとの間を車幅方向に延びている。バー6の右側端には、接合部材7が設けられている。接合部材7は、形材4の内面と、リインフォースメント10Rの内面とに固定されている。すなわち、バー6は、接合部材7を介して、形材4及びリインフォースメント10Rに接続されている。
【0021】
形材4は、形材4の車両内側(すなわち、
図2の紙面左側)に位置するフランジ4Fを備える。フランジ4Fは、形材4の後側(すなわち、
図2の紙面上側)の面から後方に延びている。フランジ4Fは、形材4の剛性を向上させる。車幅方向に関して、フランジ4Fは、形材4の右側の端まで延びておらず、リインフォースメント10Rの中央部付近まで延びている。
【0022】
形材4は、さらに、エッジ40を備える。エッジ40は、形材4の端末線である。エッジ40は、車幅方向の内側では、フランジ4Fの先端を車幅方向に延びる。エッジ40は、車幅方向の外側では、フランジ4Fの右側の終端線に沿って前方(すなわち、
図2の紙面下方)に延びた後、さらに上方(すなわち、
図2の紙面右側)に延びる。その結果、エッジ40は、フランジ4Fの右側の終端部に位置する段差42を備える。エッジ40は、段差42に沿って上方に移動した後、車幅方向の外側で、再び車幅方向に延びる。このように、形材4のエッジ40は、上下に変位する。
【0023】
段差42の左側では、リインフォースメント10Rは、形材4のフランジ4Fの前側(すなわち、
図2の紙面下側)に延び、形材4の内面と溶接される。リインフォースメント10Rは、段差42の右側では、形材4のエッジの後側(すなわち、
図2の紙面上側)に延び、形材4の外面と溶接される。このように、リインフォースメント10Rは、段差42の左側で形材4を内面側から補強し、段差42の右側で形材4を外面側から補強する。これにより、リインフォースメント10Rを形材4の両側から補強することができる。その結果、サスペンション2のトーションビーム3の剛性を向上させることができる。
【0024】
しかしながら、リインフォースメント10Rが形材4の内面から外面に跨る部位では、リインフォースメント10Rと形材4とを溶接することができない。本発明者らは、段差42近傍において、トーションビーム3の剛性が低下し得ることを発見した。以下、
図3を参照して、本実施例の車両100が、段差42近傍において、トーションビーム3の剛性が低下することを防止するために備える構造について説明する。
【0025】
図3は、形材4とリインフォースメント10Rとの接合部の詳細構造を示す背面図である。なお、
図3及び
図4では、図の下側が車両100の上側を示す。形材4は、車幅方向に関して、端部区間S2と、端部区間S2に隣接する中間区間S1と、を備える。端部区間S2は、形材4の右側(すなわち、
図3の紙面左側)端部に位置しており、トレーリングアーム8Rと接合される。中間区間S1は、車幅方向に関して、形材4の中央部分に位置している。
【0026】
中間区間S1では、形材4のエッジ40は、端部区間S2における形材4のエッジ40よりも下方(すなわち、
図3の紙面上方)に突出している。その結果、各区間S1、S2の境界B1には、車両100の上下方向に延びる段差42が設けられる。
【0027】
先に述べたように、リインフォースメント10Rは、形材4を、両側から補強する。中間区間S1では、リインフォースメント10Rのエッジの中間部11が形材4の内面(すなわち、
図3の紙面奥側の面)に溶接され、端部区間S2では、リインフォースメント10Rのエッジの端部12が形材4の外面に溶接される。リインフォースメント10Rのエッジの中間部11は、第1の溶接ビード21に沿って形材4の内面に溶接される。リインフォースメント10Rのエッジの端部12は、第2の溶接ビード22に沿って形材4の外面に溶接される。これにより、リインフォースメント10Rは、形材4を両側から補強することができる。
【0028】
図3に示されるように、第2の溶接ビード22は、リインフォースメント10Rのエッジの端部12の終端を超えて、車幅方向に延びている。第2の溶接ビード22は、さらに、各区間S1、S2の境界B1を、距離W1だけ超えて、車幅方向に延びている。その結果、第2の溶接ビード22は、中間区間S1内に距離W1だけ入り込む。第2の溶接ビード22は、溶接棒(図示省略)を溶融することによって形成される。このため、リインフォースメント10Rのエッジの端部12の終端を超えて車幅方向に延びている第2の溶接ビード22は、形材4の外面の厚みを増加させる。その結果、第2の溶接ビード22は、形材4の外面(すなわち、
図3の紙面手前側の面)を補強する。このように、本実施例の車両100では、第2の溶接ビード22が各区間S1、S2の境界B1を超えて車幅方向に延びているため、段差42(すなわち、境界B1)近傍において、トーションビーム3の剛性が低下することを防止することができる。
【0029】
さらに、第2の溶接ビード22は、車両内側(すなわち、
図3の紙面右側)ほど下方(すなわち、
図3の紙面上方)に変位するように屈曲している。その結果、第2の溶接ビード22の車両内側の端E2と、第1の溶接ビード21の車両外側の端E1とは、車幅方向に平行な直線L1上に位置する。その結果、上下方向に関して、各端E1、E2とエッジ40との間の距離は、略同一となる。これにより、例えば、車両下方からトーションビーム3に荷重が加えられた場合に、当該荷重は、各溶接ビード21、22に均等に伝達される。このため、一方の溶接ビードへの荷重が局所的に大きくならないため、トーションビーム3の剛性を向上させることができる。
【0030】
(第2実施例)
図4を参照して、第2実施例の車両100が備えるサスペンション2aの構造について説明する。第2実施例のサスペンション2aは、上述した第1実施例のサスペンション2のリインフォースメント10Rに代えて、リインフォースメント30Rを備えるが、それ以外の構造については、同様である。
【0031】
第2実施例のリインフォースメント30Rは、形材4の外面上をのびる延在部31を有する。延在部31は、リインフォースメント30Rの一部である。延在部31のエッジの端部32は、車幅方向に沿って延びる。その結果、第2の溶接ビード23の車両内側の端E3は、第1の溶接ビード21の車両外側の端E1よりも上方(すなわち、
図4の紙面下方)に位置する。延在部31のエッジの端部32は、第2の溶接ビード23に沿って形材4の外面に溶接される。その結果、第2の溶接ビード23が、各区間S1、S2の境界B1を距離W1だけ超えて、車幅方向に延びる。同様に、延在部31も、境界B1を距離W1だけ超えて、車幅方向に延びる。これにより、本実施例のサスペンション2aでは、第2の溶接ビード23に加え、延在部31が、段差42(すなわち、境界B1)近傍を補強することができる。
【0032】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0033】
(変形例1)サスペンション2は、トーションビーム式のサスペンションでなくてもよい。例えば、サスペンション2は、スイングアクスル式のサスペンションであってもよい。
【0034】
(変形例2)トーションビーム3は、バー6を備えなくてもよい。トーションビーム3は、バー6に代えて、別の形材を備えてもよい。
【0035】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0036】
2、2a :サスペンション
3 :トーションビーム
4 :形材
4F :フランジ
6 :バー
7 :接合部材
8L、8R :トレーリングアーム
10L、10R、30R :リインフォースメント
11 :中間部
12、32 :端部
21 :第1の溶接ビード
22、23 :第2の溶接ビード
31 :延在部
40 :エッジ
42 :段差
100 :車両
B1 :境界
E1、E2 :端
S1 :中間区間
S2 :端部区間