(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131058
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】紫外線照射装置及び紫外線光源モジュール
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035732
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】513104479
【氏名又は名称】パイクリスタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮村 幸春
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH19
4C180KK04
4C180LL04
(57)【要約】
【課題】汎用性に優れた紫外線照射装置及びこの紫外線照射装置に適した紫外線光源モジュールを提供する。
【解決手段】紫外線線照射装置10は、シートに紫外線を出力する紫外線発光ダイオードを有する光源部12が設けられた光源ユニットLU1を有する。光源ユニットLU1は、可撓性を有し、光源ユニットLU1を下方に向けて突出するように湾曲させた状態にして天井Ce等から紫外線照射装置10を吊り下げる。光源ユニットLU1の湾曲の程度を変化させることで、側方への光源部12からの紫外線の照射範囲を調整できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと、
前記シートに設けられ、紫外線を出力する出力部が前記シートの一方のシート面側に露呈した紫外線発光ダイオードを有する光源部と
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記シートに設けられ、前記シートよりも熱伝導性が高い放熱層を備えることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記シートに設けられ、前記紫外線発光ダイオードに同期して点灯及び消灯し、点灯時に可視光を出力する可視光発光ダイオードを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
シートと、
前記シートに設けられ、紫外線を出力する出力部が前記シートの一方のシート面側に露呈した紫外線発光ダイオードを有する光源部と、
前記紫外線発光ダイオードによる紫外線が照射される空間における人の存在を検知する人感センサを有するセンサ部と、
前記人感センサが人の存在を検知している場合に前記紫外線発光ダイオードを消灯する制御部と
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
前記紫外線発光ダイオードに対応させて前記シートに設けられ、可視光を出力する可視光発光ダイオードを備え、
前記制御部は、前記紫外線発光ダイオードに同期して前記可視光発光ダイオードを点灯及び消灯させる
ことを特徴とする請求項4に記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記紫外線発光ダイオードとしての前記シートの一方のシート面の互いに異なる部位に出力部が露呈した第1紫外線発光ダイオード及び第2紫外線発光ダイオードが設けられ、
前記人感センサとしての前記第1紫外線発光ダイオードの第1照射空間における人の存在を検知する第1人感センサ及び前記第2紫外線発光ダイオードの第2照射空間における人の存在を検知する第2人感センサが設けられ、
前記制御部は、前記第1人感センサが人の存在を検知している場合に前記第1紫外線発光ダイオードを消灯し、前記第2人感センサが人の存在を検知している場合に前記第2紫外線発光ダイオードを消灯する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記第1紫外線発光ダイオードと前記第2紫外線発光ダイオードとの間の前記シート上に前記紫外線発光ダイオードとしての第3紫外線発光ダイオードが設けられ、
前記制御部は、前記第1人感センサが人の存在を検知している場合に前記第1紫外線発光ダイオードとともに前記第3紫外線発光ダイオードを消灯し、前記第2人感センサが人の存在を検知している場合に前記第2紫外線発光ダイオードとともに前記第3紫外線発光ダイオードを消灯する
ことを特徴とする請求項6に記載の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記光源部は、
前記第1紫外線発光ダイオードに対応させて前記シートに設けられ、可視光を出力する第1可視光発光ダイオードと、
前記第2紫外線発光ダイオードに対応させて前記シートに設けられ、可視光を出力する第2可視光発光ダイオードと
を備え、
前記制御部は、前記第1紫外線発光ダイオードに同期して前記第1可視光発光ダイオードを点灯及び消灯させ、前記第2紫外線発光ダイオードに同期して前記第2可視光発光ダイオードを点灯及び消灯させる
ことを特徴とする請求項6または7に記載の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記シートに設けられ、前記光源部に電力を供給する配線を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【請求項10】
前記シートに取り付けられ、前記紫外線発光ダイオードからの紫外線の照射角度及び照射方向の一方または両方を変換するリフレクタを備える
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【請求項11】
基板と、前記基板の表面に設けられた紫外線を出力する紫外線発光ダイオード及び紫外線発光ダイオードと接続されているコネクタとを有し、前記紫外線発光ダイオードに対応する部分に前記紫外線発光ダイオードからの紫外線を一方のシート面側に出力するための貫通孔が設けられるとともに前記コネクタに接続されて前記紫外線発光ダイオードに電力を供給する配線がいずれか一方のシート面に形成されたシートの他方のシート面側に前記基板が配される光源基板部と、
前記紫外線発光ダイオードからの紫外線の照射角度及び照射方向の一方または両方を変換するリフレクタが設けられ、前記一方のシート面側に配され、前記光源基板部との間に前記シートを挟持することで、前記シートに対して前記光源基板部とともに固定されるリフレクタ部と
を備えることを特徴とする紫外線光源モジュール。
【請求項12】
前記リフレクタは、前記基板に対して回動自在であることを特徴とする請求項11に記載の紫外線光源モジュール。
【請求項13】
前記紫外線発光ダイオードからの紫外線を通す貫通孔が形成されるとともに、厚みが一方向に直線的に漸増し、前記リフレクタ部と前記シートとの間に配され、回転対称な複数の位置に配置できる第1スペーサと、
前記紫外線発光ダイオードからの紫外線を通す貫通孔が形成されるとともに、厚みが一方向に直線的に漸増し、前記基板と前記シートとの間に配され、回転対称な複数の位置に配置でき前記第1スペーサと厚みが漸増する向きが逆向きとなるように配置される第2スペーサと
を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の紫外線光源モジュール。
【請求項14】
請求項11ないし13のいずれか1項に記載の紫外線光源モジュールと、
前記シートと
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項15】
前記シートに設けられ、前記シートよりも熱伝導性が高い放熱層を備えることを特徴とする請求項4ないし10、14のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【請求項16】
前記シートに設けられ、前記紫外線発光ダイオードからの紫外線を反射する反射層を備えることを特徴とする請求項4ないし10、14、15のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【請求項17】
前記シートは、可撓性を有することを特徴とする請求項1ないし10、14ないし16のいずれか1項に記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置及び紫外線光源モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
紫外線を照射することによって、病原性や有害性を有する細菌、バクテリア、カビ等の微生物やウイルスを不活化する紫外線照射装置が知られている。紫外線照射装置では、一般的に、紫外線を出力する紫外線光源として紫外線ランプ(冷陰極蛍光管)が用いられている。また、紫外線光源として紫外線LED(発光ダイオード)を用いた紫外線照射装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の紫外線照射装置は、水処理用のものであって、中実または中空な石英等の導光部材の端部に紫外線LEDを取り付けた構造であり、この導光部材を処理対象である被処理水中に配して使用する。また、特許文献2には、吹出口から吹き出される空気の風向を調整するフラップに紫外線LEDからの紫外線を照射する空気処理装置が記載されている。さらに、特許文献3には、空気処理装置処理対象である液体が流れる処理流路の端部に処理流路内に紫外線を照射する発光素子を設けた紫外線照射装置の構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-146233号公報
【特許文献2】特開2021-124279号公報
【特許文献3】特開2021-145976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紫外線ランプを用いた紫外線照射装置では、紫外線ランプを取り付ける筐体やその筐体に内蔵された紫外線ランプを駆動するためのインバータ等が必要になり、容易に設置することができない。また、上記のような紫外線LEDを用いた紫外線照射装置は、用途や適用する装置が限定されたものであり汎用性がなかった。
【0005】
本発明は、汎用性に優れた紫外線照射装置及びこの紫外線照射装置に適した紫外線光源モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の紫外線照射装置は、シートと、前記シートに設けられ、紫外線を出力する出力部が前記シートの一方のシート面側に露呈した紫外線発光ダイオードを有する光源部とを備えるものである。
【0007】
本発明の紫外線照射装置は、シートと、前記シートに設けられ、紫外線を出力する出力部が前記シートの一方のシート面側に露呈した紫外線発光ダイオードを有する光源部と、
前記紫外線発光ダイオードによる紫外線が照射される空間における人の存在を検知する人感センサを有するセンサ部と、前記人感センサが人の存在を検知している場合に前記紫外線発光ダイオードを消灯する制御部とを備えるものである。
【0008】
本発明の紫外線光源モジュールは、基板と、前記基板の表面に設けられた紫外線を出力する紫外線発光ダイオード及び紫外線発光ダイオードと接続されているコネクタとを有し、前記紫外線発光ダイオードに対応する部分に前記紫外線発光ダイオードからの紫外線を一方のシート面側に出力するための貫通孔が設けられるとともに前記コネクタに接続されて前記紫外線発光ダイオードに電力を供給する配線がいずれか一方のシート面に形成されたシートの他方のシート面側に前記基板が配される光源基板部と、前記紫外線発光ダイオードからの紫外線の照射角度及び照射方向の一方または両方を変換するリフレクタが設けられ、前記一方のシート面側に配され、前記光源基板部との間に前記シートを挟持することで、前記シートに対して前記光源基板部とともに固定されるリフレクタ部とを備えるものである。
【0009】
本発明の紫外線照射装置は、上記紫外線光源モジュールと、上記シートとを備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の紫外線照射装置によれば、紫外線発光ダイオードを有する光源部をシートに設けたので、薄型、軽量であり、設置場所を選ばずまた容易に設置ができ、紫外線照射装置を汎用性に優れたものにできる。
【0011】
また、本発明の紫外線光源モジュールによれば、紫外線発光ダイオードをリフレクタとともにシートに容易に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る紫外線照射装置の使用状態を示す説明図である。
【
図3】シートの層構造と紫外線LEDの取り付け状態を一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図4】反射層と放熱層とを設けた光源ユニットの構造を示す断面図である。
【
図5】光源ユニットにリフレクタを設けた例を示す斜視図である。
【
図6】壁面に取り付けられる紫外線照射装置の例を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る紫外線照射装置の外観を示す斜視図である。
【
図8】紫外線光源モジュールの構成を示す分解斜視図である。
【
図9】コネクタにシート上の配線を接続した状態を示す斜視図である。
【
図10】シートに対して紫外線光源モジュールが傾いて組み付けられた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
図1において、紫外線照射装置10は、シート11とこのシート11上に設けた光源部12、反射層RL等からなるシート状の光源ユニットLU1と、光源ユニットLU1の両端部に固定された保持部材13a、13b、センサ部14等で構成され、光源部12からの紫外線を照射することによって、細菌、バクテリア、カビ等の微生物やウイルスを不活化する。
【0014】
光源ユニットLU1は、矩形状であって、可撓性を有する。紫外線照射装置10は、この光源ユニットLU1を、例えば図示されるように下方に向けて突出するように湾曲させた状態にして、天井Ce等から吊り下げて使用される。紫外線照射装置10は、例えば保持部材13a、13bに設けたフックF等を用いて吊り下げられる。保持部材13a、13bの間隔すなわち光源ユニットLU1の両端の間隔を増減して湾曲の程度を変化させることで、側方(
図1の左右方向)への光源部12による紫外線の照射範囲を調整できる。
【0015】
光源部12には、第1紫外線照射部15a、第2紫外線照射部15b及び第3紫外線照射部15cと、第1表示部17a及び第2表示部17bとが設けられている。光源ユニットLU1の面すなわちシート11のシート面に沿って保持部材13aと保持部材13bとを結ぶA方向において、シート11の中央部に第3紫外線照射部15cが設けられ、この第3紫外線照射部15cから一端側(保持部材13a側)に所定の間隔をあけて第1紫外線照射部15aが、他端側(保持部材13b側)に所定の間隔をあけて第2紫外線照射部15bがそれぞれ配されている。第3紫外線照射部15cとの間隔は、この例では第1紫外線照射部15aと第2紫外線照射部15bとの間隔と同じになっている。また、A方向において、シート11には第1紫外線照射部15aと第3紫外線照射部15cとの間に第1表示部17aが、第2紫外線照射部15bと第3紫外線照射部15cとの間に第2表示部17bがそれぞれ配されている。
【0016】
なお、以下の説明において、第1紫外線照射部15a、第2紫外線照射部15b、第3紫外線照射部15cを特に区別しない場合は、紫外線照射部15と総称し、第1表示部17aと第2表示部17bを特に区別しない場合は、表示部17と総称する。また、紫外線照射部15の個数、表示部17の個数は、限定されない。
【0017】
紫外線照射部15は、紫外線を照射するものであり、シート11に設けた紫外線を出力する紫外線発光ダイオード(以下、紫外線LEDと称する)21から構成される。各紫外線照射部15は、シート11の幅方向(
図1の紙面奥行き方向)に複数の紫外線LED21が所定の間隔でそれぞれライン状に並べられている。
【0018】
紫外線LED21は、その出力部21a(
図3参照)から、細菌、バクテリア、カビ等の微生物やウイルスを不活化する波長の紫外線、例えば波長が260nm程度の紫外線を出力するものが用いられている。紫外線LED21として、人への影響がほとんどないとされる波長が222nmの紫外線を出力するものを用いることも好ましい。
【0019】
各紫外線LED21は、それが配置された位置におけるシート11のシート面の法線方向をほぼ中心として広がりを持って紫外線を照射する。したがって、光源ユニットLU1を湾曲した状態で使用することにより、シート11の幅方向に直交する面内(
図1の紙面内)について、第1紫外線照射部15aは、その紫外線LED21が向く側方(図中左方向)からその下方の範囲に紫外線を照射する。同様に、第2紫外線照射部15bは、その紫外線LED21が向く側方(図中右方向)からその下方の範囲に紫外線を照射する。第3紫外線照射部15cは、主として下方の範囲に紫外線を照射する。第1紫外線照射部15a及び第2紫外線照射部15bの紫外線LED21からの紫外線の照射範囲は、光源ユニットLU1の湾曲の程度によって紫外線LED21の向きが上下方向に振られて変化するので、上述のように紫外線照射装置10による紫外線の照射範囲が調整される。
【0020】
紫外線照射装置10による紫外線の照射範囲は、光源ユニットLU1を湾曲した際に光源ユニットLU1が湾曲する方向に最も突出する部分(下方に向けて湾曲させた場合は最下点)を境界としたシート11の一端側の領域と他端側の領域とのいずれか一方または両方に紫外線照射部15(紫外線LED21)を設けることで、光源ユニットLU1の湾曲の程度によって変化するものである。なお、この例のように、シート11の一端と他端とを相互に近づけて光源ユニットLU1を湾曲する場合では、光源ユニットLU1(シート11)の最も突出する部分は、それを一端側と他端側の各領域に等分する中央線である。
【0021】
光源部12による紫外線が照射される照射空間における人の有無に応じて紫外線の照射が制御される。照射空間における人の有無は、センサ部14によって検知する。センサ部14は、保持部材13aに設けられた人感センサ14aと、保持部材13bに設けられた人感センサ14bとを有する。人感センサ14a、14bは、例えば人からの赤外線を検知することによって、その検知範囲に人が存在するか否かに応じた信号を出力するものである。人感センサ14aは、例えば、第1紫外線照射部15aの紫外線照射範囲を含みさらにシート11を湾曲させた状態であっても紫外線照射装置10の直下までを検知できるように検知範囲が調整されている。同様に、人感センサ14bは、第2紫外線照射部15bの紫外線照射範囲を含みさらにシート11を湾曲させた状態であっても紫外線照射装置10の直下までを検知できるように検知範囲が調整されている。
【0022】
人感センサ14a及び人感センサ14bのいずれもが人を検知していないときには、第1紫外線照射部15a、第2紫外線照射部15b及び第3紫外線照射部15cの各紫外線LED21が点灯する。人感センサ14aが人を検知しているとき、すなわちその検知範囲内に人が存在するときには、第1紫外線照射部15aの紫外線LED21とともに第3紫外線照射部15cの紫外線LED21を消灯する。また、人感センサ14bが人を検知しているときには、第2紫外線照射部15bの紫外線LED21とともに第3紫外線照射部15cの紫外線LED21を消灯する。したがって、人感センサ14aだけが人を検知している場合には、第2紫外線照射部15bの紫外線LED21だけが点灯し、人感センサ14bだけが人を検知している場合には、第1紫外線照射部15aの紫外線LED21だけが点灯する。なお、この例では、人感センサ14aが第1人感センサであり、人感センサ14bが第2人感センサである。
【0023】
上記のように紫外線照射部15の点灯と消灯を制御することによって、人に対して紫外線を照射しないようにするとともに、人がいない場合に無駄なく紫外線の照射が開始されるようにしている。
【0024】
紫外線が不可視光線であるため、紫外線LED21が点灯しているか否かは肉眼ではわからない。このため、第1紫外線照射部15a、第2紫外線照射部15b及び第3紫外線照射部15cの作動状態すなわち紫外線を照射しているか否かを表示する表示部17を設けている。表示部17は、シート11に設けた可視光(例えば青色の光)を出力する可視光発光ダイオード(以下、可視光LEDと称する)22から構成される。各表示部17は、シート11の幅方向に複数の可視光LED22が所定の間隔でそれぞれライン状に並べられている。
【0025】
第1表示部17aの可視光LED22は、第1紫外線照射部15aの紫外線LED21に同期して点灯、消灯され、第2表示部17bの可視光LED22は、第2紫外線照射部15bの紫外線LED21に同期して点灯、消灯される。したがって、第1表示部17aの可視光LED22は、第1紫外線照射部15aの紫外線LED21が点灯しているときに点灯し、第1紫外線照射部15aが消灯しているときに消灯する。第2表示部17bの可視光LED22は、第2紫外線照射部15bの紫外線LED21が点灯しているときに点灯し、第2紫外線照射部15bが消灯しているときに消灯する。これにより、いずれの紫外線照射部15が点灯または消灯しているかを知らせる。なお、複数の紫外線照射部15のそれぞれに対応させて表示部17を設けてもよい。
【0026】
この例では、第1紫外線照射部15aの紫外線LED21が第1紫外線LED、第2紫外線照射部15bの紫外線LED21が第2紫外線LED、第3紫外線照射部15cの紫外線LED21が第3紫外線LEDである。また、第1表示部17aの可視光LED22が第1可視光LED、第2表示部17bの可視光LED22が第2可視光LEDである。
【0027】
図2に示すように、光源ユニットLU1は、この例では矩形状であり、上記のようにそのA方向の両端に保持部材13a、13bが取り付けられている。光源ユニットLU1の形状、大きさ等は、紫外線照射装置10の設置場所、設置態様等に応じて適宜に決めることができる。
【0028】
光源ユニットLU1は、上述のようにシート11上に光源部12、反射層RL等が設けられている。反射層RLは、シート11の一方のシート面に設けられ、紫外線LED21からの紫外線を反射する。この反射層RLにより、紫外線を照射すべき空間に無駄なく照射する。この例では、反射層RLは、シート11の紫外線が出力される側のシート面11a(
図3参照)に設けている。これにより、紫外線LED21からの紫外線によるシート11の劣化が抑制される。この例では、反射層RLは、紫外線LED21及び可視光LED22からの熱を効率的に放熱させるため放熱層としても機能する。
【0029】
光源ユニットLU1には、紫外線照射部15の各紫外線LED21及び表示部17の各可視光LED22の部分に開口33が形成されており、それらの紫外線LED21及び可視光LED22が露呈している。これにより、開口33を通して紫外線LED21から紫外線がシート11面側に照射され、また可視光LED22の点灯が表示される。
【0030】
各紫外線照射部15は、上述のようにシート11の幅方向(図中B方向)に複数(この例では3個)の紫外線LED21がライン状に並べられ、各表示部17は、複数(この例では3個)の可視光LED22がライン状に並べられている。紫外線照射部15の紫外線LED21の個数、表示部17の可視光LED22の個数は、3個に限定するものではなく、1個または複数であればよい。また、紫外線照射部15の紫外線LED21と表示部17の可視光LED22の個数は異なってもよい。さらに、紫外線照射部15における紫外線LED21の配列、表示部17の可視光LED22の配列は、この例では1列にライン状に並べたものであるが、それらの配列は、これに限定されない。
【0031】
また、シート11には、各紫外線LED21及び可視光LED22に電力を供給するための複数の配線や制御回路27と人感センサ14a、14bとを接続するための配線等からなる配線部26と、例えば有機半導体で構成されるトランジスタ等で構成される制御回路27が設けられている。制御部としての制御回路27は、人感センサ14a、14bの検知結果に基づいて、上述のように各紫外線照射部15の紫外線LED21の点灯と消灯を制御し、また各表示部17の可視光LED22の点灯と消灯を制御する。なお、集積回路やディスクリート部品を基板に実装して制御回路27を構成してもよい。この場合には、その基板を例えば保持部材13aに収容すればよい。この例では、紫外線照射装置10には、保持部材13aに差し込まれるプラグ28より電力供給される。
【0032】
保持部材13a、13bは、例えば合成樹脂製で作製された中空な箱状であるが、形状等は限定されない。保持部材13a、13bには、2本のフックFがそれぞれ設けられている。なお、フックFに代えてリング状の部材を用いる等してもよい。保持部材13aの幅方向の一方の端部に人感センサ14aが配され、この保持部材13aとは反対側の保持部材13bの端部に人感センサ14bが配されている。なお、人感センサ14a、人感センサ14bの位置は、これに限定されず、例えば保持部材13a、13bの中央にそれぞれ設けてもよい。
【0033】
図3において、光源ユニットLU1のシート11のシート面11a上に配線部26、絶縁層31、反射層RLが設けられている。シート11は、合成樹脂、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)で作製され、可撓性及び絶縁性を有する。シート11の材料は限定されない。このシート11のシート面11a上に配線部26の各種配線及び制御回路27が形成されている。
図3では、紫外線LED21に電力を供給する一対の配線26a、26bを示してある。配線部26は、光源ユニットLU1の可撓性を阻害しない態様であれば、その形成手法等は限定されず、蒸着により形成したり、薄膜状の導線を貼り付けたりしてもよい。
【0034】
配線部26及び制御回路27を覆うように絶縁層31が形成され、絶縁層31の上面(シート11と反対側の面)に反射層RLが形成されている。絶縁層31は、絶縁性を有する材料で形成される。反射層RLは、紫外線の反射する金属材料より形成される。これらの絶縁層31、反射層RLは、配線部26と同様に、光源ユニットLU1の可撓性を阻害しない態様であれば、その形成手法等は限定されず、例えば蒸着や絶縁膜や金属薄膜の貼り付けにより形成してもよい。
【0035】
反射層RLの材料としてシート11よりも熱伝導性が高い材料を用いることによって反射層RLを放熱層として機能させている。この例では、Al(アルミニウム)で反射層RLを形成している。紫外線LED21の熱は、配線26a、26b、絶縁層31を介して反射層RLに伝わって反射層RLから放熱される。可視光LED22の熱についても同様である。このように紫外線LED21、可視光LED22からの熱を放熱することで、シート11が溶融することを防止している。
【0036】
なお、反射層RLを他方のシート面11bに設けることもできるが、上記のように反射層RLをシート面11a側すなわちシート11の紫外線が出力される側に設けることにより紫外線によるシート11の劣化を抑制できるのでより好ましい。
【0037】
紫外線LED21に対応する位置に絶縁層31及び反射層RLを貫通する孔の端部としての開口33が光源ユニットLU1の表面に露呈している。この例では、開口33を通して、紫外線LED21を配線26a、26bに例えば半田付けにより固定している。このため、開口33は、紫外線LED21とその周辺を露出する大きさに形成されている。紫外線LED21は、紫外線を出力する出力部21aが開口33から外側を望む姿勢で取り付けられる。これにより、紫外線LED21は、その出力部21aがシート面11a側に露呈した状態でシート11に設けられ、シート面11a側に紫外線を出力する。なお、可視光LED22についても同様であり、その出力部がシート面11a側に露呈した状態でシート11に設けられている。
【0038】
紫外線照射装置10を使用する場合には、上述のように光源ユニットLU1を湾曲させた形状にして紫外線を照射しようとする部屋等の空間の天井から吊す。上記のように構成される紫外線照射装置10は、軽量であるため、例えば天井埋込み型の空調機(エアコンディショナ)に掛けて利用することができる。また、天井にフックをピン止めする等で紫外線照射装置10を吊り下げることができる。また、光源ユニットLU1の湾曲の程度を増減することで、照射する空間の広さに応じて紫外線の照射範囲を変える。このように、紫外線照射装置10は、特別な配線や器具を天井に取り付けることなく、容易に設置することができ、また紫外線の照射範囲を調整することができる。
【0039】
紫外線照射装置10を作動させると、人感センサ14a、14bが人を検知していない状態で、各紫外線照射部15の紫外線LED21が点灯することで、紫外線が照射される。これにより、紫外線の照射空間における微生物やウイルスが不活化される。このときには、第1表示部17a及び第2表示部17bの各可視光LED22が点灯する。
【0040】
紫外線の照射空間に人が入ると、人感センサ14a、14bのいずれかによってその人が検知される。例えば、第1紫外線照射部15aからの紫外線の照射空間に人が入った場合には、人感センサ14aによって、その人が検知される。この人感センサ14aの検知結果に基づき、制御回路27は、第1紫外線照射部15a及び第3紫外線照射部15cの各紫外線LED21を消灯する。この結果、第2紫外線照射部15bの各紫外線LED21だけが点灯した状態になる。また、同時に制御回路27は、第1表示部17aの各可視光LED22を消灯し、第2表示部17bの各可視光LED22だけを点灯した状態にする。
【0041】
一方、第2紫外線照射部15bからの紫外線の照射空間に人が入った場合には、人感センサ14bによって、その人が検知される。この場合には、人感センサ14aの検知結果に基づき、制御回路27によって、第2紫外線照射部15b及び第3紫外線照射部15cの各紫外線LED21が消灯されて、第1紫外線照射部15aの各紫外線LED21だけが点灯した状態になる。また、第2表示部17bの各可視光LED22を消灯し、第1表示部17aの各可視光LED22だけを点灯した状態にする。
【0042】
第3紫外線照射部15cからの紫外線の照射空間に人が入った場合には、人感センサ14a、14bの少なくともいずれか一方によって、その人が検知される。このため、その場合には、上述と同様に、各紫外線照射部15の紫外線LED21及び表示部17の可視光LED22の点灯及び消灯が制御される。
【0043】
上記のように紫外線照射部15の紫外線LED21の点灯及び消灯が制御されることで、紫外線LED21からの紫外線が人に照射されて影響を与えることが防止される。また、可視光LED22の点灯、消灯によって紫外線が照射されているか否かを確認できる。
【0044】
なお、人感センサ14a、14bの検知範囲は、第1紫外線照射部15a、第2紫外線照射部15bの紫外線の有効な照射空間(範囲)の外側の空間から人の存在の有無を検知するようにすることが好ましい。このようにすれば、紫外線の有効な照射空間に入る前に紫外線照射部15の紫外線LED21を消灯することができる。
【0045】
図4は、シート面11a側に反射層RLとともに放熱層HLを層設した例である。この例では、シート11の絶縁層31上に、絶縁層31側から順番に放熱層HLと反射層RLとが層設されている。放熱層HLは、例えば反射層RLよりも熱伝導性が優れたCu(銅)等によって形成されている。このように反射層RLとは別に、放熱層HLを設けることで、紫外線LED21、可視光LED22からの熱を、より効果的に放熱することができる。なお、シート11の紫外線を出力する側とは反対側のシート面11bに放熱層を設けてもよい。また、
図4の例のようにシート面11a側に放熱層HLを設けるとともにシート面11bに放熱層を設けてもよい。
【0046】
図5は、紫外線LED21に対してリフレクタ38を設けた例を示している。この例におけるリフレクタ38は、截頭錐体型の筒状であり、内面が紫外線を反射する反射面になっている。このリフレクタ38は、相対的に内径の小さいその開口内に紫外線LED21が位置するように光源ユニットLU1の表面に接着等で取り付けられる。このようにリフレクタ38を取り付けることによって、紫外線LED21から出力される紫外線の照射角度を小さくして、照射範囲を狭くする。これにより、特定箇所への紫外線の照射強度が強くなり微生物やウイルスの不活化に要する時間を短縮できる。なお、リフレクタ38の形状を変えたり、シート11に対して傾けて取り付けたりすることで紫外線の照射方向も調整できる。
【0047】
上記では光源ユニットLU1を湾曲させて紫外線照射装置10を天井Ce等から吊り下げる場合について説明したが、光源ユニットLU1を平面にして天井Ceや壁等に取り付けて使用することもできる。また、光源ユニットLU1を湾曲させたり折り曲げたりして配置することもできる。
【0048】
図6は、部屋の壁やパーテーション等の壁面に設置する紫外線照射装置40の例を示している。紫外線照射装置40は、光源ユニットLU2と、この光源ユニットLU2の一端に固定された保持部43、保持部43に設けた人感センサ44とを備えている。光源ユニットLU2は、複数の紫外線LED21からなる紫外線照射部45と複数の可視光LED22からなる表示部47とを有している。これらの構成は、光源ユニットLU1の紫外線照射部15、表示部17と同様である。人感センサ44は、紫外線照射部45による紫外線の照射空間(範囲)を含む検知範囲で人の有無を検知する。人感センサ44が人を検知している場合には、紫外線照射部45の各紫外線LED21が消灯され、また表示部47の可視光LED22が消灯するように制御回路で制御される。
【0049】
上記紫外線照射装置40は、保持部43に設けたリング部材43aを壁面49に固定したピンP等に掛けて利用する。これにより、壁面49が向いた空間やその空間の下方の床やテーブル面等に紫外線を照射する。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態の紫外線照射装置は、紫外線光源モジュールを用いたものである。なお、第1実施形態と実質的に同じ部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
図7において、紫外線照射装置50は、光源ユニットLU3、保持部材13a、13b、複数の人感センサ52を備えている。この紫外線照射装置50は、保持部材13a、13bに設けたリング部材53を用いて天井等から吊して、第1実施形態の紫外線照射装置10(
図1参照)と同様に、光源ユニットLU3を下方に突出するように湾曲させた状態で使用する。なお、
図7では、説明の便宜上、上下方向を逆に描いてある。また、以下の説明においては、便宜的に
図7に示される上下方向を基準に説明、図示するが、その上下は実際に紫外線照射装置50の使用する向きを意味するものではない。
【0052】
光源ユニットLU3は、可撓性を有するものであり、配線部、制御回路、絶縁層(いずれも図示省略)を設けたシート55(
図8参照)に複数の紫外線光源モジュール(以下、単に光源モジュールという)57を組み付けたものである。この例では、シート55を透明なものにしているが、不透明なものでもよい。また、シート55に、反射層、放熱層を設けることが好ましい。
【0053】
図8に示すように、光源モジュール57は、光源基板部61と、スペーサ62、63と、円板部材64及び本体部材65からなるリフレクタ部66とを有している。スペーサ63とリフレクタ部66とは、シート55のシート面55a側すなわち紫外線を照射する側に配され、光源基板部61とスペーサ62とは、シート面55aとは反対側のシート面55b側に配される。
【0054】
光源基板部61は、この例では円板形状の基板本体61aと、この基板本体61aの上面に固定された紫外線LED21、コネクタ68、紫外線LED21とコネクタ68とを接続する薄膜状の配線69とを有する。紫外線LED21は、基板本体61aの中心に配され、コネクタ68は、基板本体61aの周縁に配されている。このコネクタ68は、シート55に設けた配線部と紫外線LED21を接続するために用いられる。光源基板部61の周縁には、固定ネジ71を通すための6個のネジ貫通孔61bが周方向に60°ピッチで設けられている。
【0055】
基板本体61aは、シート55に比べて熱伝導性の高い材料、例えば金属で形成されており、紫外線LED21からの熱を放熱する放熱部材としても機能する。なお、紫外線LED21と配線69とは、基板本体61aとの間に絶縁膜(図示省略)を介在させることで電気的に絶縁されている。
【0056】
スペーサ62は、光源基板部61とほぼ同径の円板に貫通孔62aや複数の切欠部62bを設けた板状部材である。スペーサ62の中央部に、紫外線LED21を露呈し紫外線を通すための貫通孔62aが設けられている。また、スペーサ62には、周縁を矩形状に切り欠いた6個の切欠部62bが周方向に60°ピッチで設けられている。これにより、スペーサ62の切欠部62bと切欠部62bとの間は扇状の突出部62cになっており、6個の突出部62cが形成されている。切欠部62bは、コネクタ68が配されるスペースとして用いられる。各突出部62cには、固定ネジ71を通すためのネジ貫通孔62dがそれぞれ設けられている。ネジ貫通孔62dは、スペーサ62の周方向に60°ピッチで設けられている。このスペーサ62は、その上面が斜面になっており、一方向に厚みが直線的に漸増している。
【0057】
スペーサ63は、上方から平面視したときにスペーサ62と同形状である。したがって、スペーサ63は、紫外線LED21を露呈し紫外線を通すための貫通孔63aと、周方向に60°ピッチで配された6個の切欠部63b、扇状の6個の突出部63c及び固定ネジ71を通すためのネジ貫通孔63dとがそれぞれ設けられている。このスペーサ63は、その下面が斜面になっており、一方向に厚みが直線的に漸減すなわちスペーサ62とは逆向きに厚みが直線的に漸増している。スペーサ62の上面の傾きとスペーサ63の下面の傾きは同じにされている。
【0058】
スペーサ62、63は、これらでシート55を挟持したときに、シート55に対する光源基板部61すなわち紫外線LED21と、リフレクタ部66との傾きを調整し、紫外線の照射方向を変えるためのものである。スペーサ63は、スペーサ62との間にシート55を挟んで、厚みが漸減(変化)する向きがスペーサ62と逆向きとなるように配置される。
図8では、スペーサ62は、矢線Cの向きに厚みが漸増し、スペーサ63は、矢線Cとは逆の向きに厚みが漸増する状態を示している。
【0059】
スペーサ62、63は、上記のように切欠部62b、63b及びネジ貫通孔62d、63dを設けた形状であるため、6回対称の形状であって、60°、120°、180°、240°、300°、360°の回転位置に回転対称を有する。これにより、スペーサ62、63は、回転対称な6つの位置に配置でき、その斜面の傾斜する向きを6通りに変化させることができる。これにより、シート55に対して、光源基板部61及びリフレクタ部66の傾きを6通りのいずれか1つに調整できる。なお、この例では、スペーサ63が第1スペーサであり、スペーサ62が第2スペーサである。
【0060】
リフレクタ部66の円板部材64は、光源基板部61とほぼ同径の円板状であり、その中央部に紫外線LED21を露呈し紫外線を通すための貫通孔64aが設けられている。また、円板部材64には、周方向に60°ピッチで固定ネジ71と螺合するネジ孔64bが設けられている。さらに、円板部材64のネジ孔64bよりも外側の周縁には、周方向に沿った円筒状のリブ64cが設けられている。
【0061】
本体部材65は、円筒状のリング65aと、このリング65aの上側の端面を覆うカバー65bと、カバー65bのほぼ中央に設けたリフレクタ65cとで構成される。リング65aの内側に円板部材64のリブ64cを嵌合することによって、円板部材64に対して回動自在にされている。リフレクタ65cは、紫外線LED21からの紫外線の照射角度及び照射方向を変換する。リフレクタ65cによる紫外線の照射方向は、本体部材65を回動することにより調整できる。なお、リフレクタ65cの形状は、紫外線の照射角度及び照射方向の変化させる大きさ等に応じて決めることができる。なお、リフレクタ65cによって照射角度のみを変換してもよい。この場合には、本体部材65を回動自在にしなくてもよい。
【0062】
シート55の光源モジュール57の取り付け位置には、紫外線LED21を露呈し紫外線を通すための貫通孔74が設けられている。また、シート55には、光源基板部61のコネクタ68が配される切欠部75が貫通孔74に繋げて形成され、この切欠部75内にはシート55の一部である帯状のフラップ76が突出している。フラップ76の表面には配線部の紫外線LED21に電力を供給する一対の配線77が形成されている。シート55の貫通孔74の周囲には固定ネジ71を通すための貫通孔78が周方向に60°ピッチで設けられている。
【0063】
上記のように構成される光源モジュール57は、貫通孔62a、74、63a、64aが重なり、これら貫通孔62a、74、63a、64a内に紫外線LED21が露呈されるようにして、下側から順番に光源基板部61、スペーサ62、シート55、スペーサ63、円板部材64、本体部材65を重ねる。このときに、
図9に示すように、コネクタ68にフラップ76を差し込んで、コネクタに配線77を接続する。この状態で、各部材の対応するネジ貫通孔に固定ネジ71をそれぞれ通して、固定ネジ71を円板部材64のネジ孔64bに螺合させる。また、円板部材64に本体部材65を取り付ける。
【0064】
このようにシート55に光源モジュール57を組み付けることによって、スペーサ62、63を介して光源基板部61とリフレクタ部66との間にシート55が狭持されて、シートに光源モジュール57が固定される。
図10に示すように、スペーサ62、63は、その厚みが互いに逆向きに漸増する向きとされるので、シート55に対して光源基板部61とリフレクタ部66とが、スペーサ62、63の斜面の角度と同じ角度θだけ傾いた状態で、シート11に光源モジュール57が固定される。
【0065】
上述のようにスペーサ62、63は、回転対称な6つの位置に配置できるため、シート55に対して、光源基板部61及びリフレクタ部66の傾きの方向を60°単位で調整して組み付けることができる。この傾きの調整とリフレクタ部66の本体部材65との回動とによって紫外線の照射方向、範囲を調整できる。これにより、光源ユニットLU3の湾曲による照射範囲の調整と相俟って、より適切に紫外線の照射範囲を調整できる。
【0066】
なお、光源基板部61及びリフレクタ部66の傾きの方向を60°単位で調整可能にしているが、これに限定されず、例えば45°単位、90°単位等で調整可能にしてもよい。この例では、光源基板部61及びリフレクタ部66の傾きを調整しているが、調整しない場合には、スペーサ62、63に代えて厚みが均一なスペーサを用いればよい。また、スペーサ62、63を介在させないで光源基板部61とリフレクタ部66との間にシート55を挟む構成としてもよい。また、リフレクタ部66の本体部材65を省略してもよい。
【符号の説明】
【0067】
10、40、50 紫外線照射装置
11、55 シート
12 光源部
14 センサ部
14a、14b、44、52 人感センサ
15a 第1紫外線照射部
15b 第2紫外線照射部
15c 第3紫外線照射部
17a 第1表示部
17b 第2表示部
21 紫外線LED
22 可視光LED
26 配線部
27 制御回路
38、65c リフレクタ
45 紫外線照射部
47 表示部
57 光源モジュール
61 光源基板部
62、63 スペーサ
66 リフレクタ部
HL 放熱層
LU1、LU2、LU3 光源ユニット
RL 反射層