(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131061
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 5/00 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
B25J5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035736
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 達彦
(72)【発明者】
【氏名】柚木崎 創
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707JU02
3C707KS24
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT04
3C707WA14
3C707WA16
3C707WM22
(57)【要約】
【課題】ロボットへの搭乗状態及び非搭乗状態の双方でのユーザの操作を簡易な構成により可能にするロボットを提供する。
【解決手段】ロボットは、人を乗せる本体と、前記本体に乗っている人が掴むハンドルと、前記本体を移動する移動装置と、前記ロボットに着脱可能であり、前記ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作端末と、前記操作端末から受け取る指令に従って前記ロボットを制御する制御装置とを備え、前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作端末は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作端末が操作される位置に配置される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットであって、
人を乗せる本体と、
前記本体に乗っている人が掴むハンドルと、
前記本体を移動する移動装置と、
前記ロボットに着脱可能であり、前記ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作端末と、
前記操作端末から受け取る指令に従って前記ロボットを制御する制御装置とを備え、
前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作端末は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作端末が操作される位置に配置される
ロボット。
【請求項2】
前記操作端末は、ディスプレイと、人によって操作される操作子とを含み、
前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作子は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作子が操作される位置に配置される
請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記操作子は、前記ディスプレイの両側に配置される複数のジョイスティックを含み、
前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記複数のジョイスティックは、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記複数のジョイスティックが操作される位置に配置される
請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記操作端末は、ディスプレイを含み、
前記操作端末は、前記本体に人が乗っている場合に用いられる第1画面と、前記ロボットから人が離れている場合に用いられる第2画面とを、選択的に表示する
請求項1から3のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項5】
前記操作端末は、前記ロボットに取り付けられた状態で前記第1画面を表示し、前記ロボットから取り外された状態で前記第2画面を表示する
請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記ロボットは、カメラをさらに備え、
前記操作端末は、前記第2画面に、前記カメラによって取得された画像と当該画像の画像処理後の画像とのいずれか又は両方を表示する
請求項4又は5に記載のロボット。
【請求項7】
前記操作端末は、前記制御装置と無線通信する無線通信器と、前記制御装置と有線接続される端子とを含み、
前記操作端末は、無線通信及び有線通信のどちらを介しても、前記制御装置に指令を送ることで、前記ロボットを操作する
請求項1から6のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項8】
前記操作端末は、前記無線通信器と前記制御装置との無線接続よりも、前記端子と前記制御装置との有線接続を優先して、前記制御装置と通信する
請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
前記操作端末は、ディスプレイを含み、
前記操作端末は、前記無線通信器と前記制御装置とが無線接続されている状態と、前記端子と前記制御装置とが有線接続されている状態との間で、前記ディスプレイに異なる画面を表示する
請求項7又は8に記載のロボット。
【請求項10】
前記ロボットは、電力源としての電池をさらに備え、
前記操作端末は、電力源としての二次電池をさらに含み、
前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して、前記ロボットの前記電池から電力供給を受ける
請求項7から9のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項11】
前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して、前記ロボットの前記電池から電力供給を受けつつ前記制御装置と通信する
請求項10に記載のロボット。
【請求項12】
前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して前記ロボットの前記電池から電力供給を受けつつ、前記無線通信器と前記制御装置との無線接続を介して前記制御装置と通信する
請求項10に記載のロボット。
【請求項13】
前記移動装置は、
前記本体に連結され且つ屈曲動作する2つ以上の脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む2つ以上の脚部と、
複数の前記関節を駆動する複数の関節アクチュエータとを含み、
前記制御装置は、前記複数の関節アクチュエータを制御する
請求項1~12のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項14】
前記移動装置は、
1つ以上の回動可能なホイールと、
前記1つ以上のホイールを駆動する1つ以上のホイールアクチュエータとを含み、
前記制御装置は、前記1つ以上のホイールアクチュエータを制御する
請求項1~13のいずれか一項に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1及び2は、不整地移動能力を備えるロボットを開示する。これらのロボットはそれぞれ、胴体の両側部に配置された一対の車輪と、胴体に前後端に配置された4つの脚と、胴体の上に配置されたシートとを備える。特許文献1及び2のロボットは、車輪のみ、脚のみ、又は、車輪及び脚を使用して移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4482677号公報
【特許文献2】特許4724845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2のロボットは、シートに座ったオペレータによって操作されるように構成される。本開示は、ロボットへの搭乗状態及び非搭乗状態の双方でのユーザの操作を簡易な構成により可能にするロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係るロボットは、人を乗せる本体と、前記本体に乗っている人が掴むハンドルと、前記本体を移動する移動装置と、前記ロボットに着脱可能であり、前記ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作端末と、前記操作端末から受け取る指令に従って前記ロボットを制御する制御装置とを備え、前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作端末は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作端末が操作される位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施の形態に係るロボットの構成の一例を示す斜視図
【
図3】
図1のロボットの歩行状態の構成の一例を示す側面図
【
図4】
図1のロボットの車輪走行状態の構成の一例を示す側面図
【
図5】
図1のロボットに取り付けられた状態の操作端末の構成の一例を示す図
【
図6】
図1のロボットから取り外された状態の操作端末の構成の一例を示す図
【
図7】実施の形態に係るロボットのコントローラの構成の一例を示すブロック図
【
図8】実施の形態に係る操作端末に表示される第1画面の一例を示す図
【
図9】実施の形態に係る操作端末に表示される第2画面の一例を示す図
【
図10】変形例に係るロボットの構成の一例を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下において、本開示の例示的な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。本明細書及び請求項では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
【0008】
図1を参照しつつ、実施の形態に係るロボット1の構成を説明する。
図1は、実施の形態に係るロボット1の構成の一例を示す斜視図である。限定されないが、本実施の形態では、ロボット1は、4足歩行ロボットである。ロボット1は、単独でも、人間を載せた状態でも4足歩行する構造を有する。限定されないが、本実施の形態では、ロボット1は、四肢哺乳動物を模した外観を有し、例えば、馬、牛、鹿、ヤギ及び羊のような人間が騎乗できる体型の四肢哺乳動物を模した外観を有する。ロボット1は、1人の人間がロボット1に跨って乗る構造を有するが、例えば前後に並ぶ2人以上の人間がロボット1に跨って乗る構造を有してもよい。ロボット1は、上記の四肢哺乳動物又はモータサイクルと同等の大きさを有してもよく、それ故コンパクトな構造を有し得る。ロボット1は、人間の手軽な移動手段である小型又は超小型モビリティとして機能できる。
【0009】
ロボット1は、胴体10と、2つ以上の脚部と、コントローラ40と、操作端末50とを備える。限定されないが、本実施の形態では、ロボット1は、胴体10に連結され且つ屈曲動作する4つの脚部30A、30B、30C及び30Dを備える。コントローラ40は、制御装置の一例であり、ロボット1全体を制御する。胴体10は、人間が跨って着座する座部11を胴体10における上方向Duの位置に含み、座部11に着座した状態の人間が足を載せるフットレスト12を胴体10における下方向Ddの位置に含む。
【0010】
本明細書及び請求項において、胴体10における「前方向Df」、「後方向Db」、「上方向Du」、「下方向Dd」及び「側方向Dl」は、胴体10を基準として胴体10に設定される方向である。前方向Dfは、4足歩行時のロボット1の前進方向に向いた方向である。後方向Dbは、前方向Dfと反対方向である。側方向Dlは、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2を含み、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2は、互いに反対方向であり、前方向Df及び後方向Dbと交差する方向、例えば、垂直な方向である。上方向Du及び下方向Ddは、互いに反対方向であり、前方向Df、後方向Db、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2と交差する方向、例えば、垂直な方向である。上方向Duは、4足歩行時のロボット1の上方向に向いた方向である。
【0011】
図2は、
図1のロボット1の側面図である。
図2に示すように、座部11は、前方向Dfから後方向Dbに延びるシート11Aを含む。限定されないが、本実施の形態では、シート11Aは、1人の人間が跨って着座できる大きさを有するが、2人以上の人間が跨って着座できる大きさを有してもよい。
【0012】
2つのフットレスト12が、胴体10の側方向Dl1及びDl2に配置される。限定されないが、本実施の形態では、2つのフットレスト12は、胴体10から垂下した状態で配置される。フットレスト12は、胴体10に対して、不動に固定されるが、上下方向、前後方向、又は、これらを組み合わせた方向等に、位置を変更できるように可動であってもよい。
【0013】
ロボット1は、首部20をさらに備える。首部20は、柱状の形状を有し、座部11よりも前方向Dfの位置で胴体10から上方向Duに延びる。首部20は、胴体10に不動に固定される、又は、胴体10と一体化される。
【0014】
ロボット1は、首部20に、座部11に着座した状態の人間が掴むハンドル23をさらに備える。限定されないが、本実施の形態では、ハンドル23は、首部20よりも側方向Dl1及びDl2に突出する。ハンドル23は、首部20に不動に固定される。ハンドル23は、座部に着座した状態の人間が掴むバー23aを含む。バー23aは、側方向Dl1及びDl2に延びる直線状の形状を有する。ハンドル23は、バー23aの両端に、人間が掴む部分であるハンドルグリップ23bを含む。
【0015】
例えば、首部20は、必須ではなく、ハンドル23は、ロボット1における首部20以外のいかなる部分に配置されてもよい、例えば、ハンドル23は、胴体10に配置されてもよい。ハンドル23は、胴体10に乗った状態、例えば、座部11に着座した状態の人間が掴むことができる位置に配置されればよい。
【0016】
1つのバー23aが、首部20の後方向Dbに配置されるが、首部20を貫通して配置されてもよく、2つのバー23aが、首部20から側方向Dl1及びDl2に延びるように配置されてもよい。バー23aは、首部20に対して可動であってもよい。例えば、バー23aは、自転車又はモータサイクルのハンドルバーのように回動可能であってもよい。ハンドル23の構造は、上記に限定されず、人間の手が掴むことができる構造であればよく、例えば、側方向Dl1及びDl2に延びる弧状若しくはU字状のバー、航空機の操縦桿、自動車のステアリング、手摺、U字状等の取っ手、又は、乗馬用の手綱のような構造を有してもよい。この場合も、ハンドル23は、首部20に対して不動であっても可動であってもよい。
【0017】
ロボット1は、首部20の上方向Duの端部に、四肢哺乳動物の頭部を模した頭部21をさらに備える。ロボット1は、頭部21に、ロボット1の周囲を走査する第1センサ22Aを含む。第1センサ22Aは、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。第1センサ22Aは、頭部21以外のロボット1の部分に配置されてもよい。胴体10、首部20及び頭部21は、ロボット1の本体の一例である。
【0018】
限定されないが、本実施の形態では、第1センサ22Aは、カメラを含む。カメラの撮影方向は、前方向Dfに方向付けられている。第1センサ22Aは、被写体までの距離を検出可能な3次元カメラを含むが、単に画像を取得可能なカメラを含んでもよい。3次元カメラの例は、ステレオカメラ、TОFカメラ(トフカメラ:Time-of-Flight-Camera)、縞投影等のパターン光投影カメラ、又は光切断法を用いたカメラ等である。第1センサ22Aは、全方位の視野を有する全天球型又は半球型の360度カメラであるが、広角カメラ等の限定された視野を有するカメラであってもよい。
【0019】
第1センサ22Aは、対象物までの距離を検出可能なセンサであってもよい。このようなセンサ22は、光波、レーザ、磁気、電波、電磁波、超音波又はこれらの2つ以上の組み合わせ等を用いて検出を行うように構成され、光電センサ、レーザセンサ、電波式センサ、電磁波式センサ、超音波センサ、各種ライダ(LiDAR)又はこれらの2つ以上の組み合わせ等を含んでもよい。
【0020】
ロボット1は、胴体10内に、第2センサ22Bと第3センサ23Cとを含む。第2センサ22Bは、胴体10の動きを検出する。限定されないが、本実施の形態では、第2センサ22Bは、ジャイロセンサを含み、胴体10の角速度を検出する。例えば、第2センサ22Bは、直交する3軸周りの角速度を検出する。第2センサ22Bは、加速度センサをさらに含み、胴体10の加速度を検出してもよい。例えば、第2センサ22Bは、直交する3軸方向の加速度を検出してもよい。このような第2センサ22Bは、慣性計測装置を含んでもよい。第2センサ22Bは、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。
【0021】
第3センサ23Cは、ロボット1の位置を検出する。例えば、第3センサ23Cは、ロボット1の地球上の位置を検出してもよい。第3センサ23Cは、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ、又は、これらの2つ以上の組み合わせ等を含んでもよい。限定されないが、本実施の形態では、第3センサ23Cは、GNSSを含み、第2センサ22Bのジャイロセンサ及び加速度センサを利用する。GNSSによる位置の検出結果と、ジャイロセンサ及び加速度センサによる位置及び姿勢の検出結果とを用いることによって、ロボット1の位置の検出精度が向上する。第3センサ22Cは、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。第3センサ23Cは、胴体10以外のロボット1の部分に配置されてもよい。
【0022】
図1に示すように、脚部30A及び30Bは、胴体10における前方向Dfの部分と接続され、ロボット1の前脚として機能し得る。脚部30C及び30Dは、胴体10における後方向Dbの部分と接続され、ロボット1の後脚として機能し得る。脚部30Aから30Dと胴体10との接続位置は、上記に限定されず、いかなる位置であってもよい。
【0023】
脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、2つ以上の関節を含む。限定されないが、本実施の形態では、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、胴体10に連結される基部関節31A、31B、31C及び31Dと、基部関節31A、31B、31C及び31Dと脚部30A、30B、30C及び30Dの先端との間に配置される中間関節32A、32B、32C及び32Dとを含む。さらに、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dと、先端リンク34A、34B、34C及び34Dとを含む。
【0024】
中間リンク33Aから33Dはそれぞれ、関節同士を連結し、脚部30Aから30Dの骨格の一部を形成する。先端リンク34Aから34Dはそれぞれ、中間関節32Aから32Dと連結され且つ脚部30Aから30Dの先端まで延び、脚部30Aから30Dの骨格の一部を形成する。基部関節31Aから31Dはそれぞれ、2つ以上の自由度で動作可能であり、中間関節32Aから32Dはそれぞれ、1つ以上の自由度で動作可能である。
【0025】
限定されないが、本実施の形態では、基部関節31Aから31Dはそれぞれ、2つの自由度で動作可能であり、胴体10に対して、ピッチング方向の屈曲とローリング方向の屈曲とを可能である。基部関節31Aから31Dはそれぞれ、中間リンク33Aから33Dに、ピッチング方向である前後方向Df及びDbの揺動と、ローリング方向である側方向Dl1及びDl2の揺動とを組み合わせた動作を可能にする。中間関節32Aから32Dはそれぞれ、1つの自由度で動作可能であり、中間リンク33Aから33Dと先端リンク34Aから34Dとがなす角度を変えるように屈曲する。中間関節32Aから32Dはそれぞれ、先端リンク34Aから34Dに、ピッチング方向である前後方向Df及びDbの揺動を可能にする。
【0026】
ロボット1は、基部関節31Aから31D及び中間関節32Aから32Dそれぞれを駆動する複数の関節アクチュエータJAを備える。基部関節31Aから31Dはそれぞれ、2つの方向の屈曲のための2つの関節アクチュエータJAを含む。中間関節32Aから32Dはそれぞれ、1つの方向の屈曲のための1つの関節アクチュエータJAを含む。限定されないが、本実施の形態では、関節アクチュエータJAはいずれも、サーボモータと、減速機と、エンコーダ等の回転センサとを含む。サーボモータは、コントローラ40によって制御され、回転センサは、サーボモータの回転量を検出し、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。減速機は、サーボモータの回転速度を減速し且つ回転駆動力を増大しつつ、サーボモータの回転駆動力を関節に伝達する。
【0027】
ロボット1は、中間関節32A、32B、32C及び32Dそれぞれに、回動可能な1つ以上の従動ホイール38A、38B、38C及び38Dをさらに備える。従動ホイール38Aから38Dはそれぞれ、基部関節31Aから31Dと中間関節32Aから32Dとが動作することでロボット1を支持する支持面に接触してロボット1を移動可能に支持するように、中間関節32Aから32Dに配置される。
【0028】
図3は、
図1のロボット1の歩行状態の構成の一例を示す側面図である。
図4は、
図1のロボット1の車輪走行状態の構成の一例を示す側面図である。
図3及び
図4では、フットレスト12の図示が省略されている。
図3及び
図4に示すように、ロボット1は、走行装置90を胴体10にさらに備える。
【0029】
走行装置90は、胴体10に格納されることができる。さらに、走行装置90は、胴体10に格納された状態から下方向Ddに胴体10から突出して、ロボット1を支持する支持面に接触するように動作可能であり、当該支持面と接触している状態でロボット1を移動させることができる。
【0030】
走行装置90は、走行ホイール91A及び91Bと、第1アクチュエータ92A及び92Bと、支持体93と、第2アクチュエータ94とを含む。第1アクチュエータ92A及び92Bはそれぞれ、走行ホイール91A及び91Bを回転駆動し、ホイールアクチュエータの一例である。第2アクチュエータ94は、支持体93を動作させる。アクチュエータ92A、92B及び94はいずれも、サーボモータと、減速機と、エンコーダ等の回転センサとを含む。サーボモータは、コントローラ40によって制御され、回転センサは、サーボモータの回転量の検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。減速機は、サーボモータの回転駆動力を駆動対象に伝達する。
【0031】
支持体93は、胴体10に配置及び固定され、胴体10上で走行ホイール91A及び91Bを支持する。限定されないが、本実施の形態では、支持体93は、互いに動作可能に接続された複数のリンクを含むリンク機構を含み、リンク機構の先端部分で走行ホイール91A及び91Bを同軸上で回動可能に支持する。支持体93は、第1位置と第2位置との間で、走行ホイール91A及び91Bを移動するように、第2アクチュエータ94の駆動力によって動作する。第1位置では、
図4に示すように走行ホイール91A及び91Bが、下方向Ddに胴体10から突出する。第2位置では、
図3に示すように走行ホイール91A及び91Bが、胴体10に接近且つ胴体10に格納される。
【0032】
例えば、歩行状態では、
図3に示すように、コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを第2位置に格納するように、第2アクチュエータ94を制御する。コントローラ40は、先端リンク34Aから34Dの先端をロボット1の支持面に接触させて、脚部30Aから30Dに歩行動作させるように、脚部30Aから30Dの関節アクチュエータJAを制御する。
【0033】
車輪走行状態では、
図4に示すように、コントローラ40は、従動ホイール38Aから38Dをロボット1の支持面に接触させるように、脚部30Aから30Dの関節アクチュエータJAを制御する。コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを第1位置に突出させるように、第2アクチュエータ94を制御する。
【0034】
コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを駆動するように、第1アクチュエータ92A及び92Bを制御する。コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを同じ回転方向且つ同じ回転速度で回転駆動することで、ロボット1を前進又は後進させる。コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを、同じ回転方向且つ異なる回転速度、又は、異なる回転方向で回転駆動することで、ロボット1を左旋回又は右旋回させる。コントローラ40は、基部関節31Aから31Dの関節アクチュエータJAを駆動して、中間リンク33Aから33Dを旋回させることで、ロボット1を左旋回又は右旋回させてもよい。
【0035】
図2に示すように、ロボット1は、胴体10内に、コントローラ40と、二次電池モジュール60と、電源回路70と、第2通信器80とをさらに含む。限定されないが、本実施の形態では、コントローラ40と、二次電池モジュール60と、電源回路70と、第2通信器80とは、胴体10の第1胴体部分10a内に配置される。二次電池モジュール60は、ロボット1の電力源として機能する。二次電池モジュール60は、1つ以上の二次電池を含む。二次電池は、電力の充電及び放電を可能な電池である。二次電池の例は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、全固体電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等である。二次電池モジュール60は電池の一例である。
【0036】
電源回路70は、二次電池モジュール60に対する電力の需給を制御する回路である。電源回路70は、コントローラ40の指令等に従って、電力制御をするように構成される。例えば、電源回路70は、コンバータ、インバータ、トランス及びアンプ等の機器を含んでもよい。
【0037】
電源回路70は、商用電源等の外部電源と接続されるように構成される。電源回路70は、外部電源から電力の供給を受け付け、当該電力を二次電池モジュール60に供給し蓄電させる。電源回路70は、二次電池モジュール60に供給する電力を制御する。電源回路70は、二次電池モジュール60に蓄積される電力を、ロボット1内の電力を消費する構成要素に供給する。電源回路70は、各構成要素に供給する電力を制御する。電源回路70は、ロボット1と接続された操作端末50に、二次電池モジュール60に蓄積された電力を制御しつつ供給する。
【0038】
第2通信器80は、操作端末50と無線通信するための装置である。第2通信器80は、操作端末50が含む無線通信用の第1通信器51と直接的に又は間接的に無線通信するように構成されてもよい。間接的な無線通信では、通信器51及び80は、無線通信を介して通信ネットワークと接続し、通信ネットワークを介して互いと通信するように構成されてもよい。通信器51及び80が使用する無線通信は、特に限定されない。
【0039】
通信ネットワークは特に限定されず、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、インターネット、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。通信ネットワークは、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))及びZigBee(登録商標)などの近距離無線通信、ネットワーク専用回線、通信事業者の専用回線、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、モバイル通信網、インターネット網、衛星通信、又は、これらの2つ以上の組み合わせを用いるように構成され得る。モバイル通信網は、第4世代移動通信システム及び第5世代移動通信システム等を用いるものであってもよい。通信ネットワークは、1つ又は複数のネットワークを含むことができる。
【0040】
図5は、
図1のロボット1に取り付けられた状態の操作端末50の構成の一例を示す図である。
図6は、
図1のロボット1から取り外された状態の操作端末50の構成の一例を示す図である。
図5及び
図6に示すように、ロボット1及び操作端末50は、操作端末50がロボット1に着脱可能であるように構成される。限定されないが、本実施の形態では、操作端末50は、首部20に着脱可能である。例えば、首部20は、操作端末50を保持する台、架台又はマウント等の保持具を含んでもよく、操作端末50の少なくとも一部が係合又は嵌合する凹部又は穴を含んでもよい。限定されないが、本実施の形態では、操作端末50は、首部20に配置された凹部20aに一部が嵌ることで、首部20によって保持される。つまり、操作端末50がロボット1に取り付けられる。
【0041】
ロボット1に取り付けられた状態の操作端末50は、人間が2つの手のいずれか又は両方でハンドルグリップ23bを掴みつつ操作端末50を操作できるような、ハンドル23の近傍位置に配置される。限定されないが、本実施の形態では、凹部20aは、人間が2つの手でハンドルグリップ23bそれぞれを掴みつつ操作端末50を操作できるような位置に配置される。凹部20aは、ハンドルグリップ23b同士の間に配置される。
【0042】
操作端末50は、ロボット1の操作に関する指令の入力を受け付け、コントローラ40に出力する。操作端末50は、無線通信、有線通信、又は、これらの両方を介してコントローラ40と通信するように構成される。限定されないが、本実施の形態では、操作端末50は、無線通信及び有線通信のいずれも用いるように構成される。操作端末50は、無線通信及び有線通信のどちらを介してロボット1と接続されていても、ロボット1を操作することができる。操作端末50は、無線通信用の第1通信器51と、有線接続用の第1端子52とを含む。
【0043】
第1通信器51は、ロボット1の第2通信器80と無線通信する。通信器51及び80の構造は特に限定されないが、使用される無線通信に適合する構造であればよい。
【0044】
第1端子52は、信号の送受信を可能であるが、電力の需給も可能である構造を有してもよい。第1端子52は、首部20に配置された端子20bと接続可能な構造を有する。端子20bは、コントローラ40と接続されている。端子52及び20bの間では、いかなる有線通信が用いられてもよい。
【0045】
第1端子52が端子20bと接続された状態では、操作端末50は、コントローラ40と通信可能であるが、二次電池モジュール60から電力供給を受けるように構成されてもよい。端子52及び20bの構造は特に限定されないが、使用される有線通信及び電力供給に適合する構造であればよい。
【0046】
例えば、端子52及び20bは、互いに嵌合又は係合することで電子信号及び電力を受け渡す構造を有してもよく、互い接触することで電子信号及び電力を受け渡す構造を有してもよい。端子52及び20bのいずれか又は両方は、ケーブルと接続されており、位置を変えることができてもよい。端子52及び20bのいずれか又は両方は、操作端末50及び首部20に固定されてもよい。限定されないが、本実施の形態では、端子20bは、凹部20a内で突出する1つ以上のピン又はヘッダのような構造を有し、第1端子52は、端子20bを受け入れるジャック又はレセプタクルのような構造を有する。本明細書及び請求項において、「端子」は、プラグ、ジャック、レセプタクル及びアダプタ等のコネクタも含む。
【0047】
操作端末50は、1つ以上の第2端子53と、提示装置54と、入力装置55とをさらに含む。第2端子53は、操作端末50と外部機器とを接続する端子である。例えば、第2端子は、イヤホンジャック及びUSBインタフェース等のジャック又はレセプタクルのような構造を有してもよい。
【0048】
提示装置54は、ロボット1に関する様々な情報を提示する。限定されないが、本実施の形態では、提示装置54は、ディスプレイ54Aと、スピーカ54Bと、インジケータランプ及びウォーニングランプ等の表示ランプ54Cとを含む。ディスプレイ54Aは、接触による入力機能と画面表示機能とを有するタッチパネルであるが、画面表示機能のみを有してもよい。
【0049】
入力装置55は、種々の入力を受け付け、受け付けた入力情報をコントローラ40に出力する。入力装置55は操作子の一例である。入力装置55は、ジョイスティック、キー、スライドスイッチ、ボタンスイッチ、レバー及びマイクロフォンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0050】
限定されないが、本実施の形態では、入力装置55は、2つのジョイスティック55Aと、複数のボタンスイッチ55Bと、キーボード55Cと、マイクロフォン55Dとを含む。2つのジョイスティック55Aは、ディスプレイ54Aの両側に配置される。ジョイスティック55Aは、ディスプレイ53Aの画面上での選択、及び、ロボット1のマニュアル操作等の入力を受け付ける。例えば、ジョイスティック55Aは、マニュアル操作におけるロボット1の移動方向及び移動速度の入力を受け付けてもよい。入力装置55は、1つのジョイスティック55Aを含んでもよく、2つ以上のジョイスティック55Aを含んでもよい。キーボード55Cは、2つのジョイスティック55Aの間に配置される。限定されないが、本実施の形態では、ディスプレイ53Aはスライド可能である。ディスプレイ53Aは、キーボード55Cを覆い隠す位置とキーボード55Cを露出させる位置との間で両矢印SDの方向にスライドする。
【0051】
限定されないが、本実施の形態では、ディスプレイ54A、ジョイスティック55A、ボタンスイッチ55B及びキーボード55Cは、人間が2つの手でハンドルグリップ23bそれぞれを掴みつつこれらを操作できるような位置にある。
【0052】
本実施の形態では、操作端末50は、ポータブルゲーム端末のような構造及びサイズを有する。操作端末50は、ロボット1に専用に開発された端末であってもよく、市場で入手可能な汎用的な端末であってもよい。本実施の形態の操作端末50は、汎用的な端末であり、ロボット1を制御するためのプログラムのインストールを受けることにより、操作端末50の機能を有する。操作端末50は、人間が持ち運び可能であるサイズを有することが好ましい。例えば、操作端末50は、小型ノートブックパソコンのようなパーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。
【0053】
本実施の形態では、入力装置55の機能の一部は、タッチパネル式のディスプレイ53Aによって実現される。入力装置55の機能の一部は、ハンドル23によって実現されてもよい。ハンドル23が可動である場合、入力装置55は、ハンドル23の回動量及び回動速度を検出するエンコーダ等の回転センサを含んでもよい。入力装置55は、ハンドル23の回動量及び回動速度を、ロボット1の操作等のための入力情報として受け付けてもよい。ハンドル23が不動である場合、入力装置55は、2つのハンドルグリップ23b又は近傍に配置される力センサを含んでもよい。入力装置55は、力センサによって検出される力の大きさ及び方向を、ロボット1の操作等のための入力情報として受け付けてもよい。
【0054】
図7は、実施の形態に係るロボット1のコントローラ40の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、コントローラ40は、コンピュータを含み、例えば、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ等であってもよい。コントローラ40は、プロセッサP及びメモリMを含む。同様に、操作端末50も、プロセッサP及びメモリMを含む。プロセッサP及びメモリMは、他の装置との指令、情報及びデータ等の送受信を行う。プロセッサP及びメモリMは、種々の機器からの信号の入力及び制御対象への制御信号の出力を行う。
【0055】
例えば、メモリMは、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体メモリ、ROM(Read-Only Memory)等の不揮発性の半導体メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含んでもよい。メモリMは、プロセッサPが実行するプログラム、及び種々のデータ等を記憶する。
【0056】
コントローラ40及び操作端末50について、それぞれの複数の機能の少なくとも一部の機能は、プロセッサP及びメモリMの協働により実現されてもよい。プロセッサPと、RAM及びROMを含むメモリMとは、コンピュータシステムを形成する。例えば、コンピュータシステムは、プロセッサPがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、上記機能を実現してもよい。
【0057】
コントローラ40及び操作端末50について、それぞれの機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。例えば、コントローラ40及び操作端末50はそれぞれ、単一のコンピュータによる集中制御により処理を実行してもよく、複数のコンピュータの協働による分散制御により処理を実行してもよい。
【0058】
以下に限定するわけでないが、例えば、プロセッサPは、CPU(中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びリコンフィギュラブルプロセッサ等を含み得、IC(Integrated Circuit)チップ及びLSI(Large Scale Integration)などの集積回路等に形成されたハードウェア回路である論理回路又は専用回路によって処理を実現してもよい。コントローラ40及び操作端末50の複数の機能は、個別に1チップ化された集積回路によって実現されてもよく、一部又は全てを含むように1チップ化された集積回路によって実現されてもよい。
【0059】
コントローラ40は、センサ22Aから22C、二次電池モジュール60、電源回路70、第2通信器80、脚部30Aから30Dの関節アクチュエータJA、並びに、走行装置90のアクチュエータ92A、92B及び94と接続される。
【0060】
コントローラ40は、第1センサ22Aから検出結果を示す信号を受け取り処理する。第1センサ22Aが3次元カメラを含む場合、コントローラ40は、第1センサ22Aから受け取る画像を処理して、当該画像に含まれる被写体と、当該被写体と第1センサ22Aとの距離とを検出してもよい。さらに、コントローラ40は、当該被写体の3次元位置を検出してもよい。例えば、コントローラ40は、各画素が色彩、濃淡などにより被写体の3次元位置を示す距離画像、強調表示及びマーキングなどにより画像内の被写体の情報を示す画像、進行方向などの指標を含む画像、又はこれらの2つ以上を組み合わせた画像等を生成してもよい。第1センサ22Aが、上記画像処理を行う処理回路等を含んでもよい。コントローラ40は、処理結果を、操作端末50に出力してもよく、ロボット1の制御等の自己が実行する処理に使用してもよい。
【0061】
コントローラ40は、第2センサ22Bから検出結果を示す信号を受け取り処理する。コントローラ40は、第2センサ22Bから受け取る信号を処理して、胴体10の角速度及び加速度を検出してもよい。第2センサ22Bが、角速度及び加速度の検出処理を行う処理回路等を含んでもよい。コントローラ40は、検出結果を、操作端末50に出力してもよく、ロボット1の姿勢制御等の自己が実行する処理に使用してもよい。
【0062】
コントローラ40は、第3センサ22Cから検出結果を示す信号を受け取り処理する。コントローラ40は、第3センサ22Cから受け取る信号を処理して、ロボット1の位置を検出してもよい。第3センサ22Cが、ロボット1の位置の検出処理を行う処理回路等を含んでもよい。コントローラ40は、検出結果を、操作端末50に出力してもよく、ロボット1の姿勢制御等の自己が実行する処理に使用してもよい。
【0063】
コントローラ40は、コントローラ40と操作端末50との接続及び通信を制御する。コントローラ40は、無線接続と有線接続とのうちから、実行する接続方法を決定し、決定された接続方法での接続を確立する。コントローラ40は、操作端末50から受信する信号を処理して、当該信号に含まれる指令を実行する。コントローラ40は、当該信号に含まれる情報及びデータを、メモリM等に格納する、及び、自己が実行する処理に使用する。コントローラ40は、種々の情報及びデータ等を操作端末50に送信する。例えば、コントローラ40は、無線接続状態に応じた情報及びデータ等を操作端末50に送信し、有線接続状態に応じた情報及びデータ等を操作端末50に送信してもよい。
【0064】
限定されないが、本実施の形態では、コントローラ40が操作端末50と有線接続されている場合、コントローラ40は、操作端末50と信号を送受信し、二次電池モジュール60の電力を操作端末50に供給する。よって、操作端末50は、有線接続を介して、ロボット1から電力供給を受けつつロボット1を操作することができる。コントローラ40が操作端末50と無線接続されている場合、コントローラ40は、操作端末50と信号を送受信する。よって、操作端末50は、無線接続を介して、ロボット1を操作することができる。
【0065】
例えば、コントローラ40は、操作端末50から受け取る指令に従って、実行する接続方法を決定してもよい。操作端末50は、無線接続を実行する指令を、無線通信を介してコントローラ40に送信してもよく、有線接続を実行する指令を、無線通信又は有線通信を介してコントローラ40に送信してもよい。
【0066】
例えば、コントローラ40は、操作端末50から受け取る信号に応じて、実行する接続方法を決定してもよい。コントローラ40は、操作端末50から無線通信を介して信号を受信すると、無線接続の実行を決定してもよい。コントローラ40は、操作端末50の第1端子52が端子20bに接続されると、有線接続の実行を決定してもよい。コントローラ40は、第1端子52と端子20bとの接続後、操作端末50から有線通信を介して信号を受信すると、有線接続の実行を決定してもよい。
【0067】
コントローラ40は、操作端末50とコントローラ40との無線接続よりも、操作端末50とコントローラ40との有線接続を優先してもよい。例えば、コントローラ40は、操作端末50とコントローラ40とが無線接続されている状態で、操作端末50とコントローラ40との有線接続を確立すると、有線通信のみを用いて操作端末50と信号を送受信してもよく、無縁接続を切断してもよい。
【0068】
コントローラ40の上記制御の代わりに又は加えて、操作端末50が、操作端末50とコントローラ40との無線接続よりも、操作端末50とコントローラ40との有線接続を優先するように構成されてもよい。例えば、操作端末50は、操作端末50とコントローラ40とが無線接続されている状態で、操作端末50とコントローラ40との有線接続が確立されると、有線通信のみを用いてコントローラ40と信号を送受信してもよく、無縁通信を遮断してもよい。
【0069】
コントローラ40及び操作端末50は、操作端末50とコントローラ40との無線接続及び有線接続を併用するように構成されてもよい。コントローラ40及び操作端末50は、コントローラ40及び操作端末50の有線接続を介して、二次電池モジュール60の電力の操作端末50への供給を行いつつ、コントローラ40及び操作端末50の無線接続を介して互いに信号を送受信してもよい。
【0070】
コントローラ40は、電源回路70を介して、外部電源EPと接続される。コントローラ40は、電源回路70を制御することで、二次電池モジュール60への外部電源EPの電力の充電を制御する。
【0071】
コントローラ40は、電源回路70を介して、脚部30Aから30Dそれぞれの関節アクチュエータJAと接続される。コントローラ40は、関節アクチュエータJAへの電流の指令値を電源回路70に出力し、電源回路70は、当該指令値に従った電流を、二次電池モジュール60から関節アクチュエータJAに供給する。コントローラ40は、電源回路70を介して、関節アクチュエータJAの回転センサの検出結果及び当該関節アクチュエータJAの電流値を取得して、電流の指令値を決定する際のフィードバック情報として使用する。つまり、コントローラ40は、関節アクチュエータJAのサーボモータをサーボ制御する。
【0072】
コントローラ40は、電源回路70を介して、走行装置90のアクチュエータ92A、92B及び94と接続される。コントローラ40は、アクチュエータ92A、92B及び94への電流の指令値を電源回路70に出力し、電源回路70は、当該指令値に従った電流を、二次電池モジュール60からアクチュエータ92A、92B及び94に供給する。コントローラ40は、電源回路70を介して、アクチュエータ92A、92B及び94の回転センサの検出結果及び当該アクチュエータの電流値を取得して、電流の指令値を決定する際にフィードバック情報として使用する。つまり、コントローラ40は、アクチュエータ92A、92B及び94のサーボモータをサーボ制御する。
【0073】
ここで、操作端末50は、入力装置55を介して、ロボット1の種々の設定、自動運転モードでの実行タスクの設定、移動目的地の設定、運転モードの選択、動作モードの選択、及び、手動運転モードでのマニュアル操作等のための入力を受け付け、上記入力内容を示す信号をコントローラ40に送信する。
【0074】
運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとを含む。自動運転モードでは、コントローラ40は、所定のプログラムに従って、指定された実行タスクを自律的に実行するように、ロボット1を制御する。手動運転モードでは、コントローラ40は、操作端末50のジョイスティック55A等に入力されるマニュアル操作に従った動作を実行するように、ロボット1を制御する。
【0075】
動作モードは、歩行モードと車輪走行モードとを含む。歩行モードでは、コントローラ40は、4つの脚部30A、30B、30C及び30Dで歩行するように、ロボット1を制御する。車輪走行モードでは、コントローラ40は、走行装置90の走行ホイール91A及び91Bで走行するように、ロボット1を制御する。
【0076】
実行タスクは、自動運転モードでロボット1が実行する仕事であり、一連の動作を含む。移動目的地は、ロボット1の移動先の目的地である。移動目的地は、第3センサ22CのGNSSに対して設定されてもよい。移動目的地は、自動運転モード及び手動運転モードのいずれにおいても設定されてもよい。
【0077】
自動運転モードでは、コントローラ40は、操作端末50から受け取る実行タスク及び移動目的地等を含む指令に従って、自動運転用のプログラムを実行する。例えば、歩行モードの自動運転用のプログラムは、ロボット1が実行すべき脚部30Aから30Dの位置及び速度等の情報を含む制御データを含む。車輪走行モードの自動運転用のプログラムは、ロボット1が実行すべきロボット1の位置、移動方向及び速度等の情報を含む制御データを含む。制御データは、教示作業を通じて設定される教示データであってもよい。
【0078】
コントローラ40は、制御データ及びセンサ22Aから22Cの検出信号の処理結果等を用いて、歩行モードでの脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出し、車輪走行モードでのロボット1の目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、第1センサ22Aに関する処理結果を用いることで、ロボット1の周囲の地表面の状態及び物体の位置等に対応した目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、第2センサ22Bに関する処理結果を用いることで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるような目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、第3センサ22Cに関する処理結果を用いることで、移動目的地への経路に対応した目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、脚部30Aから30Dを目標位置及び目標速度等にするように、関節アクチュエータJAへの電流の指令値を決定する。コントローラ40は、ロボット1を目標位置及び目標速度等にするように、走行装置90のアクチュエータ92A及び92Bへの電流の指令値を決定する。
【0079】
手動運転モードでは、コントローラ40は、手動運転用のプログラムを実行する。コントローラ40は、操作端末50のジョイスティック55A等に入力されるマニュアル操作の内容を示す信号を、操作端末50から受け取る。
【0080】
コントローラ40は、手動運転用のプログラムに従ってマニュアル操作の内容を示す信号を処理することで、歩行モードでの脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出し、車輪走行モードでのロボット1の目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、脚部30Aから30Dを目標位置及び目標速度等にするように、関節アクチュエータJAへの電流の指令値を決定する。コントローラ40は、ロボット1を目標位置及び目標速度等にするように、走行装置90のアクチュエータ92A及び92Bへの電流の指令値を決定する。
【0081】
コントローラ40は、目標位置及び目標速度等の算出に、センサ22Aから22Cの検出信号の処理結果を用いてもよい。コントローラ40は、第1センサ22Aに関する処理結果を用いることで、ロボット1の周囲の地表面及び物体との衝突及び接触等を回避するような目標位置及び目標速度等を算出してもよい。コントローラ40は、第2センサ22Bに関する処理結果を用いることで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるような目標位置及び目標速度等を算出してもよい。これにより、マニュアル操作による指令が、ロボット1の前進、後進、左旋回、右旋回及び進行速度等を示す単純な指令であっても、コントローラ40は、ロボット1の周囲の状況及びロボット1のバランスに対応してロボット1に動作させることができる。
【0082】
コントローラ40は、自動運転モード及び手動運転モードそれぞれの歩行モード及び車輪走行モードにおいて、プログラム、第1センサ22Aの検出結果、又は操作端末50からの指令に対応して、脚部30Aから30Dと走行装置90とを併用してもよい。コントローラ40は、センサ22A及び22Bに関する処理結果を用いて、脚部30Aから30Dと走行装置90とのバランスをとるように、それぞれの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0083】
コントローラ40は、歩行モードと車輪走行モードとの間の動作モードの切り替え動作を、自律的に実行してもよく、操作端末50からの指令に従って実行してもよい。例えば、コントローラ40は、第1センサ22Aの検出結果に基づく地表面の状態に応じて、動作モードを自律的に決定してもよい。
【0084】
コントローラ40は、運転モード、動作モード、無線接続、有線接続、操作端末50の状態及びこれらの2つ以上の組み合わせに応じて、操作端末50に送信する情報及びデータ等を取捨選択してもよい。操作端末50は、運転モード、動作モード、無線接続、有線接続及びこれらの2つ以上の組み合わせに応じて、コントローラ40から受信する情報及びデータ等を取捨選択して用いてもよく、ディスプレイ53Aに表示される対象物及び画面自体のいずれか又は両方を変更してもよい。
【0085】
例えば、操作端末50は、操作端末50がロボット1に取り付けられているか否かという操作端末50の状態に応じて、ディスプレイ53Aに表示される対象物及び画面自体のいずれか又は両方を変更してもよい。例えば、操作端末50及びロボット1のいずれか又は両方は、近接センサ又は接触センサを備え、当該センサの検出結果に基づき、ロボット1への操作端末50の取り付けの有無を検出してもよい。近接センサは、既知のいかな構造を有してもよく、例えば、磁界又は電界を利用するものであってもよい。
【0086】
例えば、操作端末50は、操作端末50がロボット1に取り付けられている状態では、胴体10に人間が乗っている場合に用いられる第1対象物又は第1画面をディスプレイ53Aに表示してもよい。例えば、操作端末50は、操作端末50がロボット1から取り外されている状態では、操作端末50がロボット1から人が離れている場合に用いられる第2対象物又は第2画面をディスプレイ53Aに表示してもよい。
【0087】
図8は、実施の形態に係る操作端末50に表示される第1画面の一例を示す図である。
図9は、実施の形態に係る操作端末50に表示される第2画面の一例を示す図である。
図8に示すように、第1画面S1は、ロボット1上での操作に好適な表示対象物を含む。限定されないが、本実施の形態では、表示対象物は、ロボット1の位置を示す地
図S1Aと、ロボット1の動作状態S1Bと、電池の状態S1Cと、通信状態S1Dとを含む。操作端末50は、ロボット1の位置を示す地図、ロボット1の動作状態及び二次電池モジュール60の状態についての情報をコントローラ40から受信する。第1対象物は、第1画面S1に含まれる表示対象物の1つ以上を含んでもよい。
【0088】
地図は、ロボット1の位置及び目的経路等を地図上で表し、第3センサ22Cの検出結果等を用いてコントローラ40又は操作端末50によって生成され得る。ロボット1の動作状態は、ロボット1の移動速度、姿勢、重心バランス、歩容状態、運転モード及び動作モード等を含んでもよい。電池の状態は、操作端末50の二次電池及び二次電池モジュール60の蓄電残量及び温度、並びに、二次電池モジュール60から操作端末50への電力の供給状態等を含んでもよい。通信状態は、操作端末50とコントローラ40との間で使用されている通信を示す。
【0089】
図9に示すように、第2画面S2は、ロボット1の遠隔操作に好適な表示対象物を含む。限定されないが、本実施の形態では、表示対象物は、第1センサ22Aのカメラによって取得された画像と当該画像の画像処理後の画像とのいずれか又は両方の画像S2Aと、ロボット1の位置を示す地
図S2Bと、ロボット1の動作状態S2Cと、電池の状態S2Dと、通信状態S2Eとを含む。表示対象物は、第1センサ22Aに関する処理結果に基づき検出される、ロボット1の周囲の地表面状態及び物体の位置等を含んでもよい。第2対象物は、第2画面S2に含まれる表示対象物のうちの、第1センサ22Aの画像と当該画像の画像処理後の画像とのいずれか又は両方を少なくとも含む。画像処理後の画像は、距離画像、画像内の被写体の情報を示す画像、指標を含む画像又はこれらの組み合せ等であってもよい。
【0090】
例えば、操作端末50は、操作端末50とコントローラ40とが無線接続されている状態と、操作端末50とコントローラ40とが有線接続されている状態との間で、ディスプレイ53Aに表示される対象物及び画面自体のいずれか又は両方を変更してもよい。例えば、操作端末50とコントローラ40とが有線接続されている状態では、操作端末50は、第1対象物又は第1画面S1をディスプレイ53Aに表示してもよい。操作端末50とコントローラ40とが無線接続されている状態では、第2対象物又は第2画面S2をディスプレイ53Aに表示してもよい。操作端末50とコントローラ40とが有線接続及び無線接続されている状態では、第1対象物又は第1画面S1をディスプレイ53Aに表示してもよい。
【0091】
上述のような実施の形態に係るロボット1において、脚部30Aから30Dの基部関節31Aから31Dは、胴体10に対してピッチング方向とローリング方向との2つの軸周りに屈曲するように構成されるが、これに限定されない。例えば、基部関節31Aから31Dは、中間リンク33Aから33Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対して、ピッチング方向とヨーイング方向との2つの軸周り、ローリング方向とヨーイング方向との2つの軸周り、又は他の2つの軸周りに屈曲するように構成されてよい。基部関節31Aから31Dは、胴体10に対して3つ以上の軸周りに屈曲するように構成されてよい。
【0092】
実施の形態に係るロボット1において、脚部30Aから30Dの中間関節32Aから32Dは、胴体10に対してピッチング方向に屈曲するように構成されるが、これに限定されない。例えば、中間関節32Aから32Dは、脚部30Aから30Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対して、ヨーイング方向、ローリング方向又は他の方向に屈曲するように構成されてもよい。中間関節32Aから32Dは、2つ以上の軸周りに屈曲するように構成されてよい。1つの脚部が2つ以上の中間関節を含む場合、中間関節の屈曲方向は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0093】
実施の形態に係るロボット1の外観は、四肢哺乳動物を模した外観に限定されない。例えば、脚部30Aから30Dを含まないロボット1の外観は、いかなる外観であってもよい。例えば、脚部30Aから30Dを含まないロボット1の外観は、モータサイクル、自転車、3つ以上の車輪を備える自動車、船舶及び航空機等の様々な乗り物を模した外観であってもよい。
【0094】
(変形例)
実施の形態に係るロボット1は、移動装置として脚部30Aから30Dを含む4足歩行ロボットであるが、ロボットは4足歩行ロボットに限定されない。ロボットは、2足歩行するヒューマノイドであってもよく、搬送車を備えるロボットであってもよい。ロボットは、人間を乗せて移動できるように構成されればよい。
【0095】
例えば、
図10は、変形例に係るロボット1Aの構成の一例を示す側面図である。
図10に示すように、ロボット1Aは、台車300と、台車300上に配置されたロボットアーム100と、コントローラ40と、操作端末50とを備える。1つのロボットアーム100が配置されるが、2つ以上のロボットアーム100が配置されてもよい。ロボットアーム100は、1つ以上の関節と、1つ以上の関節を駆動するアクチュエータとを含む。アクチュエータは、コントローラ40によって制御される。
【0096】
台車300は、走行装置310と、2つ以上の従動ホイール320と含む。走行装置310は、同軸上に配置された走行ホイール311及び312と、走行ホイール311及び312を回転駆動するアクチュエータ313及び314とを含む。2つ以上の従動ホイール320と走行ホイール311及び312とは、台車300を支持する支持面に同時に接触するように配置される。従動ホイール320は、進行方向を自在に変えることができ、例えば、自在キャスタである。アクチュエータ313及び314は、走行装置90と同様に、コントローラ40によって制御される。
【0097】
ロボット1Aは、台車300に、ハンドル330と、座部340とを備える。座部340は、1人以上の人間が着座できる大きさを有する。ロボット1Aは、台車300内に、コントローラ40と、二次電池モジュール60と、電源回路70と、第2通信器80とをさらに含む。
【0098】
操作端末50は、台車300又はハンドル330に着脱可能であるように構成される。例えば、操作端末50は、台車300に取り付けられた保持具、又は、台車300に形成された凹部に取り付けられてもよい。操作端末50は、ハンドル330に取り付けられた保持具に取り付けられてもよい。ロボット1Aに取り付けられた状態の操作端末50は、人間が2つの手のいずれか又は両方でハンドル330を掴みつつ操作端末50を操作できるような、ハンドル330の近傍位置に配置される。
【0099】
変形例に係るロボット1Aの他の構成は、実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。変形例に係るロボット1Aによれば、実施の形態に係るロボット1と同様の効果が得られる。
【0100】
変形例に係るロボット1Aにおいて、台車300は、ホイール311、312及び320を用いて移動するように構成されるが、これに限定されない。例えば、台車300は、クローラを用いて移動するように構成されてもよい。
【0101】
変形例に係るロボット1Aは、人間が座部340に着座して台車300に乗るように構成されるが、人間が立った状態で台車300に乗るように構成されてもよい。
【0102】
変形例に係るロボット1Aにおいて、ロボットアーム100の型式は、垂直多関節型であるが、これに限定されない。例えば、ロボットアーム100の型式は、水平多関節型、極座標型、円筒座標型、直角座標型、又はその他の型式であってもよい。
【0103】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態及び変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0104】
例えば、実施の形態及び変形例に係るロボット1及び1Aにおいて、アクチュエータは、サーボモータを駆動源として含み、サーボモータは、回転式の電気モータであるが、アクチュエータの駆動源は、回転式の電気モータに限定されない。例えば、アクチュエータは、回転式の電気モータ、直動式の電気モータ、回転式の液圧若しくはガス圧モータ、直動式の液圧若しくはガス圧モータ、又は、これらの2つ以上の組み合わせを駆動源として含んでもよい。上記の種々のモータは、サーボモータであってもなくてもよい。
【0105】
実施の形態及び変形例に係るロボット1及び1Aは、二次電池モジュール60を電力源とするが、これに限定されない。例えば、ロボット1及び1Aは、商用電源等の外部電源を電力源としてもよい。この場合、ロボット1及び1Aは、外部電源と有線又は接触を介して電気的に接続され、外部電源から電力供給を受けつつ稼働してもよい。
【0106】
実施の形態及び変形例に係るロボット1及び1Aは、操作端末50以外に操作装置をさらに備えてもよい。例えば、ロボットは、本体に操作装置を備えてもよい。操作装置は、操作端末50の入力装置55の少なくとも一部と同様の機能を有する入力装置を含んでもよく、入力装置55と異なる入力装置を含んでもよい。操作装置の入力装置は、ロボットに乗っている人間の操作に適した構造を有してもよく、例えば、ハンドルに配置されてもよく、ハンドルを含んでもよい。操作端末50及び操作装置は、操作端末50がロボット1又は1Aに取り付けられると、操作端末50の機能の少なくとも一部が操作装置によって実現されるように構成されてもよい。操作端末50及び操作装置は、同時に機能するように構成されてもよく、代替的に機能するように構成されてもよい。
【0107】
実施の形態及び変形例に係るロボット1及び1Aは、人間が座部に着座して当該ロボットに乗るように構成されるが、これに限定されない。本開示のロボットは人を乗せることができればよい。例えば、ロボット1及び1Aは、人間が立った状態又は臥せた状態で当該ロボットに乗るように構成されてもよい。
【0108】
本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の一態様に係るロボットは、人を乗せる本体と、前記本体に乗っている人が掴むハンドルと、前記本体を移動する移動装置と、前記ロボットに着脱可能であり、前記ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作端末と、前記操作端末から受け取る指令に従って前記ロボットを制御する制御装置とを備え、前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作端末は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作端末が操作される位置に配置される。
【0109】
上記態様によると、ロボットに取り付けられた操作端末は、ハンドルを掴む操作者によって操作可能であるロボット搭載の操作器として機能し得る。これにより、ロボットに搭載される操作機器の低減が可能である。さらに、ロボットから取り外された操作端末は、ロボットの遠隔操作器として機能し得る。操作端末は、ロボット搭載の操作器としてもロボットの遠隔操作器としても機能することができる。よって、ロボットへの搭乗状態及び非搭乗状態の双方でのユーザの操作が、1つの操作端末を用いる簡易な構成により可能である。
【0110】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、ディスプレイと、人によって操作される操作子とを含み、前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記操作子は、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記操作子が操作される位置に配置されてもよい。上記態様によると、ロボットに取り付けられた操作端末の操作子は、ハンドルを掴む操作者によって操作可能である。よって、ロボットに搭載される操作子の低減が可能である。
【0111】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作子は、前記ディスプレイの両側に配置される複数のジョイスティックを含み、前記操作端末が前記ロボットに取り付けられた状態では、前記複数のジョイスティックは、人によって前記ハンドルが掴まれつつ前記複数のジョイスティックが操作される位置に配置されてもよい。
【0112】
上記態様によると、ジョイスティックは、自在に動くことができるため、ロボットの操作を簡易にする。ジョイスティックを含む操作端末は、例えば、ゲーム操作器のような操作感覚でのロボットの操作を可能にする。さらに、ロボットに取り付けられた操作端末のジョイスティックは、ハンドルを掴む操作者によって操作可能である。ジョイスティックの間にディスプレイがあるため、操作者は、ジョイスティックを操作しつつ、ディスプレイを容易に視認できる。操作端末は、ロボットの遠隔操作とロボット上での操作との双方において、ゲーム操作のような感覚でのロボットの操作を可能にする。
【0113】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、ディスプレイを含み、前記操作端末は、前記本体に人が乗っている場合に用いられる第1画面と、前記ロボットから人が離れている場合に用いられる第2画面とを、選択的に表示してもよい。上記態様によると、操作端末は、ロボットの遠隔操作とロボット上での操作とのそれぞれに適切な画面を表示することができる。よって、操作端末は、操作者の操作を容易にすることができる。
【0114】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、前記ロボットに取り付けられた状態で前記第1画面を表示し、前記ロボットから取り外された状態で前記第2画面を表示してもよい。上記態様によると、操作端末は、ロボットへの操作端末の着脱に応じて、表示画面を切り替えることができる。例えば、操作端末は、ロボットへの操作端末の着脱、ロボットと操作端末との距離、又はこれらの両方を検出し、検出結果に基づき自律的に画面を切り替えてもよい。操作端末は、操作者によって操作端末に入力される指令に従って画面を切り替えてもよい。例えば、指令は、画面の切り替え、操作の切り替え、制御装置との通信形態の切り替え、又は、これらの2つ以上の組み合わせ等であってもよい。
【0115】
本開示の一態様に係るロボットは、カメラをさらに備え、前記操作端末は、前記第2画面に、前記カメラによって取得された画像と当該画像の画像処理後の画像とのいずれか又は両方を表示してもよい。上記態様によると、ロボットの遠隔操作の際、操作端末は、カメラの画像等を表示する。よって、操作端末は、操作者の操作を容易にすることができる。
【0116】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、前記制御装置と無線通信する無線通信器と、前記制御装置と有線接続される端子とを含み、前記操作端末は、無線通信及び有線通信のどちらを介しても、前記制御装置に指令を送ることで、前記ロボットを操作してもよい。上記態様によると、操作端末は、無線通信及び有線通信のいずれか又は両方で制御装置と通信し、ロボットを操作することができる。操作端末と制御装置との間で確実な通信が可能になる。
【0117】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、前記無線通信器と前記制御装置との無線接続よりも、前記端子と前記制御装置との有線接続を優先して、前記制御装置と通信してもよい。上記態様によると、操作端末は、操作端末と制御装置との接続をより確実に確立することができる。例えば、操作端末は、制御装置と無線接続されている状態で有線接続されると、有線接続を介した通信を優先し通信を確実にすることができる。
【0118】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、ディスプレイを含み、前記操作端末は、前記無線通信器と前記制御装置とが無線接続されている状態と、前記端子と前記制御装置とが有線接続されている状態との間で、前記ディスプレイに異なる画面を表してもよい。
【0119】
上記態様によると、操作端末は、制御装置との接続状態に応じて、画面を切り替える。例えば、操作端末は、有線接続状態の場合に、ロボット上での操作用の第1画面を表示してもよく、無線接続状態の場合に、遠隔操作用の第2画面とを、選択的に表示してもよい。操作端末は、接続状態に基づき、操作者の操作状況に適した画面を表示することができる。
【0120】
本開示の一態様に係るロボットは、電力源としての電池をさらに備え、前記操作端末は、電力源としての二次電池をさらに含み、前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して、前記ロボットの前記電池から電力供給を受けてもよい。上記態様によると、操作端末と制御装置との有線接続を介して、操作端末は、ロボットの電池から電力供給を受けることができる。長時間の安定した操作端末の稼働が可能である。
【0121】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して、前記ロボットの前記電池から電力供給を受けつつ前記制御装置と通信してもよい。上記態様によると、操作端末と制御装置との有線接続を介して、操作端末は、制御装置との通信とロボットの電池からの電力取得とを確実に行うことができる。
【0122】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記操作端末は、前記端子と前記制御装置との有線接続を介して前記ロボットの前記電池から電力供給を受けつつ、前記無線通信器と前記制御装置との無線接続を介して前記制御装置と通信してもよい。上記態様によると、操作端末と制御装置との有線通信のための装置が不要である。操作端末及びロボットの構造の簡略化が可能である。
【0123】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記移動装置は、前記本体に連結され且つ屈曲動作する2つ以上の脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む2つ以上の脚部と、複数の前記関節を駆動する複数の関節アクチュエータとを含み、前記制御装置は、前記複数の関節アクチュエータを制御してもよい。上記態様によると、操作端末は、脚部を使用して歩行し且つ人を乗せることができるロボットに対して、遠隔操作及びロボット上での操作が可能である。
【0124】
本開示の一態様に係るロボットにおいて、前記移動装置は、1つ以上の回動可能なホイールと、前記1つ以上のホイールを駆動する1つ以上のホイールアクチュエータとを含み、前記制御装置は、前記1つ以上のホイールアクチュエータを制御してもよい。上記態様によると、操作端末は、ホイールを使用して走行し且つ人を乗せることができるロボットに対して、遠隔操作及びロボット上での操作が可能である。
【0125】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0126】
上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0127】
本開示は、その本質的な特徴の精神から逸脱することなく、様々なかたちで実施され得るように、本開示の範囲は、明細書の記載よりも添付の請求項によって定義されるため、例示的な実施の形態及び変形例は、例示的なものであって限定的なものではない。請求項及びその範囲内にあるすべての変更、又は、請求項及びその範囲の均等物は、請求項によって包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0128】
1,1A ロボット
10 胴体(本体)
22A 第1センサ(カメラ)
23,330 ハンドル
30A,30B,30C,30D 脚部(移動装置)
40 コントローラ
50 操作端末
51 第1通信器
52 第1端子
54A ディスプレイ
55 入力装置(操作子)
55A ジョイスティック
60 二次電池モジュール(電池)
91A,91B,311,312 走行ホイール
92A,92B,313,314 アクチュエータ(ホイールアクチュエータ)
300 台車(本体)
90,310 走行装置(移動装置)
JA 関節アクチュエータ