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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131067
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】コンロ
(51)【国際特許分類】
   F24B 1/18 20060101AFI20230913BHJP
   F24C 1/16 20210101ALI20230913BHJP
   F24B 3/00 20060101ALI20230913BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
F24B1/18 A
F24C1/16 B
F24B3/00 Z
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035745
(22)【出願日】2022-03-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月20日,https://www.instagram.com/p/CY8dzVQqr8F/ 令和4年2月5日, https://www.instagram.com/p/CZlHf0dplMs/ 令和4年2月9日, https://www.instagram.com/p/CZwMT4JJKAG/ 令和4年2月10日,https://www.instagram.com/p/CZyucONp3rJ/ 令和4年2月11日,https://www.instagram.com/p/CZ1yv5gv_6i/ 令和4年2月12日,https://www.instagram.com/p/CZ3LFdYPOgA/ 令和4年2月13日,https://www.instagram.com/p/CZ6CPiavsA2/ 令和4年2月14日,https://www.instagram.com/p/CZ78sfEvTcG/ 令和4年2月14日,https://www.instagram.com/p/CZ839unp26b/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年2月15日,https://www.instagram.com/p/CZ-pdzdh_1P/ 令和4年2月18日,https://www.instagram.com/p/CaHMQn2v5lJ/ 令和4年2月20日,https://www.instagram.com/p/CaLS-tphzU1/ 令和4年2月24日,https://www.instagram.com/p/CaWsZq-vnLJ/ 令和4年2月25日,https://www.instagram.com/p/CaYNku0BHpI/ 令和4年2月26日,https://www.instagram.com/p/Cabq7ttKjrv/ 令和4年2月27日,https://www.instagram.com/p/Cadc9NuvSX0/ 令和4年2月28日,https://www.instagram.com/p/CahB8NMv_gi/ 令和4年2月28日,https://www.instagram.com/p/CahFu_wpxFG/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月2日, https://www.instagram.com/p/CamIELKpis-/ 令和4年3月3日, https://www.instagram.com/p/CaorTf4p705/ 令和4年3月4日, https://www.instagram.com/p/CarQpgWDuFI/ 令和4年3月5日, https://www.instagram.com/p/CatJXCqvjnp/ 令和4年3月8日, https://www.instagram.com/p/Ca1egqMp2IW/ 令和4年2月14日,https://www.instagram.com/p/CZ9Pwl0P6TJ/ 令和4年3月6日, https://www.instagram.com/p/CawbwfUrkhQ/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月6日, https://adv-aichi.com/japan-brand-festival-2022/ 令和4年2月14日,https://twitter.com/hayanokenko/status/1493143597612363777 令和4年2月15日,https://twitter.com/hayanokenko/status/1493388738126221315 令和4年3月2日, https://twitter.com/hayanokenko/status/1498912079314829314
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月26日,https://hayanokenko.co.jp/2022/01/26/makuakeにて先行予約販売します!/ 令和4年2月10日,https://hayanokenko.co.jp/2022/02/10/makuakeの先行予約がスタート!/ 令和4年2月16日,https://hayanokenko.co.jp/2022/02/16/新製品コンテスト準大賞%e3%80%80受賞/ 令和4年2月17日,https://hayanokenko.co.jp/2022/02/17/新商品が新聞に掲載されました!/ 令和4年3月2日, https://hayanokenko.co.jp/2022/03/02/大垣市長表敬訪問/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年2月10日,https://www.makuake.com/project/base/ 令和4年2月18日,https://www.makuake.com/project/base/communication/ 令和4年2月21日,https://www.makuake.com/project/base/communication/ 令和4年2月26日,https://www.makuake.com/project/base/communication/ 令和4年3月4日, https://www.makuake.com/project/base/communication/ 令和4年3月7日, https://www.makuake.com/project/base/communication/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月27日,https://www.nc-net.or.jp/news/view/15713/ 令和4年2月14日,https://www.nc-net.or.jp/company/5681/product/detail_machine/11232/ 令和4年2月14日,https://www.nc-net.or.jp/company/5681/product/detail/155904/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年1月28日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000075958.html 令和4年2月2日, https://www.interstyle.jp/news/ismag_detail.php?id=519 令和4年2月18日,https://heim.jp/news/666946 令和4年3月3日, https://hinata.me/article/1495649299483280641 令和4年3月1日,https://www.atpress.ne.jp/news/299851?_ga=2.107208011.835515704.1647917698-1787776054.1646006396 令和4年1月18日,https://hayanokenko.shop-pro.jp/?mode=f17 令和4年2月4日, https://www.youtube.com/watch?v=SVqHGXj936g 令和4年3月2日, https://youtu.be/ZVxSL_URGXY
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年2月11日,中日新聞西濃版朝刊 令和4年2月15日,中部経済新聞岐阜版 令和4年2月18日,岐阜新聞西濃版 令和4年3月2日,中日新聞西濃版朝刊 令和4年2月8日,第93回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2022で展示 令和4年2月15日,インタースタイル2022で展示 令和4年3月4日,JAPAN BRAND FESTIVAL2022で展示 令和4年2月25日,大垣市役所市長室で公開
(71)【出願人】
【識別番号】318017501
【氏名又は名称】有限会社早野研工
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】早野 文仁
(72)【発明者】
【氏名】早野 悦子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 僚
(72)【発明者】
【氏名】秋山 朝子
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA04
4B040AA08
4B040AB11
4B040AC02
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CA16
4B040CB16
4B040GD02
4B040GD30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】載置面への熱の伝達を抑制可能なコンロを提供する。
【解決手段】載置面に載置されて使用されるコンロであって、内部空間を囲み下端が載置面に当接可能な側面部材20と、側面部材20の内部空間に配置され、固形燃料を載置可能であり、側面部材20と接している載置部材70,80と、載置部材70,80よりも下方で側面部材20と接している、金属で形成された放熱部材90と、を備える。載置部材70,80は、固形燃料を載置可能な載置部80と、その載置部80を支持する受け部70と、により構成され、受け部70が側面部材20と接している。受け部70は、載置部80の支持箇所よりも上方で側面部材20に接しており、受け部70と側面部材20とが接している箇所よりも下方では、載置部材70,80と側面部材20との間に空隙が設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置面に載置されて使用されるコンロであって、
内部空間を囲み下端が前記載置面に当接可能な側面部材と、
前記側面部材の前記内部空間に前記側面部材と接して配置され、固形燃料を載置可能な載置部材と、
前記載置部材よりも下方で前記側面部材と接している、金属で形成された放熱部材と、を備える、コンロ。
【請求項2】
前記載置部材は、前記固形燃料を載置可能な載置部と、その載置部を支持する受け部と、を備え、
前記受け部が前記側面部材と接している、請求項1に記載のコンロ。
【請求項3】
前記受け部は、
前記載置部の支持箇所よりも上方で前記側面部材に接しており、
前記受け部と前記側面部材とが接している箇所よりも下方では、前記載置部材と前記側面部材との間に空隙が設けられている、請求項2に記載のコンロ。
【請求項4】
前記受け部は、上方が開放されている箱状であり、
前記載置部は、前記受け部の内部空間に配置される、請求項2又は3に記載のコンロ。
【請求項5】
前記側面部材は、一対の対向する第1の面と、その第1の面よりも幅広である、一対の対向する第2の面と、を備える四角筒状であり、
前記載置部材は前記第1の面に接しており、
前記放熱部材は前記第2の面に接している、請求項1~4のいずれか1項に記載のコンロ。
【請求項6】
前記側面部材は、前記載置部材の下端よりも下方であり、且つ、前記放熱板より上方である位置に、開口が設けられている、請求項1~5のいずれか1項に記載のコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木炭等の固形燃料を熱源とし、バーベキュー等で用いられるコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木炭等の固形燃料を熱源としバーベキュー等で用いるコンロは、地面に直接置いて用いているため、固形燃料の載置部と地面との距離は必然的に大きくなり、コンロの脚から地面に伝わる熱は小さくなる。また、地面に熱が伝わったとしても、一般的には土等の地面で使用されるため、熱の問題は生じなかった。一方、卓上で用いるようなコンロでは、長い脚を用意することが無いため、固形燃料により生ずる熱の載置面への伝達を抑制する構成を設ける必要が生ずる。このようなコンロとしては、特許文献1に記載のコンロがある。特許文献1のコンロでは、本体断熱カバーを設けることで、載置面への熱の伝達を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-037902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコンロでは、載置面への熱の伝達を一定程度抑制可能であるものの、複数の異なる部材を組み合わせる必要があるうえ、あくまで断熱機能を得るのみであり断熱機能を超える過熱がなされた場合には、載置面へ熱が伝達されるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、固形燃料を使用するうえで、設置面への熱の伝達を好適に抑制可能なコンロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、載置面に載置されて使用されるコンロであって、内部空間を囲み下端が前記載置面に当接可能な側面部材と、前記側面部材の前記内部空間に配置され、固形燃料を載置可能であり、前記側面部材と接している載置部材と、前記本体部材よりも下方で前記側面部材と接している、金属で形成された放熱部材と、を備える。
【0007】
第1の構成では、固形燃料の燃焼により発せられた熱が本体部材から側面部材に伝達され、その側面部材に伝達された熱の一部が放熱部材へ伝達されるとともに放熱部材により放熱される。これにより、側面部材の下端へと伝達される熱が低減し、載置面の熱による損傷を抑制することができる。
【0008】
第2の構成は、第1の構成に加えて、前記載置部材は、前記固形燃料を載置可能な載置部と、その載置部を支持する受け部と、を備え、前記受け部が前記側面部材と接している。
【0009】
第2の構成では、固形燃料から載置面に至るまでの熱の伝達がより多くの部材を介するため、途中の部材での放熱効果をより期待することができる。
【0010】
第3の構成は、第2の構成に加えて、前記受け部は、前記載置部の支持箇所よりも上方で前記側面部材に接しており、前記受け部と前記側面部材とが接している箇所よりも下方では、前記載置部材と前記側面部材との間に空隙が設けられている。
【0011】
第3の構成では、受け部と側面部材との接触箇所から放熱部材と側面部材との接触箇所の間で載置部材と側面部材が接していないため、その接していない箇所では載置部材から側面部材への熱の伝達は抑制される。これにより、載置部材から側面部材への熱の伝達の大部分は上方の部分で行われることとなり、その熱の伝達箇所から放熱部材までの距離を大きくとることができる。したがって、熱の伝達箇所から放熱部材までの間の側面部材の放熱効果も期待でき、コンロ全体の放熱機能をより向上させることができる。
【0012】
第4の構成は、第2又は第3の構成に加えて、前記受け部は、上方が開放されている箱状であり、前記載置部は、前記受け部の内部空間に配置される。
【0013】
第4の構成では、載置部に載置された固形燃料からの輻射熱は直接側面部材に伝わらないため、側面部材へ伝達される熱を抑制することができ、コンロの下端にまで伝達される熱をより低減することができる。
【0014】
第5の構成は、第1~4のいずれかの構成に加えて、前記側面部材は、一対の対向する第1の面と、その第1の面よりも幅広である、一対の対向する第2の面と、を備える四角筒状であり、前記載置部材は前記第1の面に接しており、前記放熱部材は前記第2の面に接している。
【0015】
第5の構成では、載置部材と側面部材との接触面積を低減しつつ、放熱部材と側面部材との接触面積を増加させることができる。したがって、載置部材から側面部材への熱の伝達を抑制しつつ、側面部材から放熱部材への熱の伝達効率をより向上させることができ、コンロ全体の放熱機能を向上させることができる。
【0016】
第6の構成は、第1~5のいずれかの構成に加えて、前記側面部材は、前記載置部材の下端よりも下方であり、且つ、前記放熱板より上方である位置に、開口が設けられている。
【0017】
第6の構成では、開口を通過する空気により放熱部材の放熱を行うことができるため、コンロ全体の放熱機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コンロの斜視図である。
図2】コンロの底面側からの斜視図である。
図3】コンロの正面図である。
図4】コンロの側面図である。
図5】コンロの平面図である。
図6】コンロの底面図である。
図7】A-A線断面図である。
図8】B-B線断面図である。
図9】側面部材の斜視図である。
図10】側面部材の側面図である。
図11】炭受け部の斜視図である。
図12】炭受け部の正面図である。
図13】載置部の斜視図である。
図14】放熱板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態に係るコンロ10は、卓上等の載置面に載置され、木炭等の固形燃料を熱源として用いるものである。実施形態に係るコンロ10は、図1~6に示すように全体形状が略直方体状であり、平面視にて長方形状である。なお、以下の説明において、天地の方向を上下方向と定義し、平面視における長辺を前後側に位置していると定義し、短辺を左右側に位置していると定義する。また、コンロ10は、全体が鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属により形成されている。
【0020】
コンロ10は、図1~10に示すように、略四角筒状の側面部材20を備えている。側面部材20は、左右方向を長辺とし上下方向を短辺とする略長方形の板状である前側壁30と、前側壁30の左方の短辺から後方へ向けて延びる板状の左側壁40と、前側壁30の右方の短辺から後方へ向けて延び、左側壁40と同形状の右側壁50と、左側壁40の後端の辺と右側壁50の後端の辺とを繋ぐ、前側壁30と同形状の後側壁60とにより外形が規定されている。
【0021】
前側壁30の上端には、左右の端部近傍を除いて、左右方向(長手方向)に繰り返し連続する波状の凹凸部31が設けられている。この凹凸部31は、より具体的には、上方へ向く円弧状の凸部と、その凸部と連続し下方へ向く円弧状の凹部とが繰り返し設けられており、連続する波状となっている。この凹凸部31のやや下方には、前側壁30を前後方向(厚み方向)に貫通する縦孔32が複数設けられている。縦孔32の外形は、上下方向に延びる左右一対の平行な辺と、その辺の上端どうし及び下端どうしを結ぶ半円弧により規定されている。すなわち、縦孔32の外形は上下方向に延びる長円形である。この複数の縦孔32は、上下端の位置を一致させ、左右方向に平行に並ぶように設けられている。また、縦孔32の下端は、前側壁30の上下方向の中間よりもやや上方にまで至っている。
【0022】
前側壁30の下端は、左右の端部近傍を除いて、上方へ向けて矩形状に窪んだ、下側凹部33が設けられている。この下側凹部33の左右端は上方へ向けて垂直であり、下側凹部33の上端は、左右方向で水平となっている。前側壁30において、下側凹部33の上端からは後方へ向けて突出した支持部34が設けられている。この支持部34は、下側凹部33の上端全域に亘って設けられており、後方へ向けて均等に突出しており、上下方向の厚みは前側壁30の厚みと等しい。支持部34のやや上方には、前側壁30を前後方向(厚み方向)に貫通する横孔35が2つ設けられている。横孔35の外形は、左右方向に延びる上下一対の平行な辺と、その辺の左端どうし及び右端どうしを結ぶ半円弧により規定されている。すなわち、横孔35の外形は左右方向に延びる長円形である。この2つの横孔35の上下の位置は一致しており、左右方向に並んで設けられている。
【0023】
左側壁40は、高さが前側壁30と等しく、前後方向の幅は上下方向の高さよりもやや大きい略長方形状である。左側壁40の上端には、前後の端部近傍を除いて下方へ向けて矩形状に窪んだ、上側凹部41が設けられている。この上側凹部41の前後端は下方へ向けて垂直であり、上側凹部41の下端は前後方向で水平となっている。上側凹部41のやや下方には、左側壁41を左右方向に貫通する取付孔42が設けられている。この取付孔42は、側面視にて縦長の長方形状であり、前後方向の略中央に設けられている。取付孔42のやや下方には、略半円環状の把持部43が設けられている。この把持部43は断面円形の棒を屈曲させて形成されている。
【0024】
左側壁40の下端近傍には、左側壁40を左右方向(厚み方向)に貫通する横孔44が設けられている。横孔44の外形は、前後方向に延びる上下一対の平行な辺と、その辺の前端どうし及び後端どうしを結ぶ半円弧により規定されている。すなわち、横孔44の外形は前後方向に延びる長円形である。この横孔44が設けられている高さは、前側壁30の横孔35が設けられている高さと一致している。
【0025】
右側壁50は、左側壁40と左右対称な構成であり、左側壁40の上側凹部41、取付孔42、把持部43、及び横孔44と同様に、上側凹部51、取付孔52、把持部53、及び横孔54を備えている。なお、左側壁40と右側壁50とを纏めて、一対の対向する第1の面と称することができる。
【0026】
後側壁60は、前側壁30と前後対称な構成であり、前側壁30の凹凸部31、縦孔32、下側凹部33、支持部34、及び横孔35と同様に、凹凸部61、縦孔62、下側凹部63、支持部64、及び横孔65を備えている。なお、前側壁30と後側壁60とを纏めて、一対の対向する第2の面と称することができる。
【0027】
以上のように構成される側面部材20において、前側壁30の左側の下端、左側壁40の下端、及び、後側壁60の左側の下端は、コの字状となっており、載置面に対して接するものであるため、左側脚部21と称することができる。同様に、前側壁30の右側の下端、右側壁50の下端、及び、後側壁60の右側の下端は、コの字状となっており、載置面に対して接するものであるため、右側脚部22と称することができる。
【0028】
側面部材20には、図1~8に示すように、炭受け部70、載置部80、及び放熱板90が取り付けられて用いられる。炭受け部70は、図11及び12に示すように、上方が開口した箱状である。この炭受け部70は、前後側が長辺であり左右側が短辺の長方形の板である底部71を備えており、この底部71の前後左右の幅は、側面部材20の前後左右の幅よりも若干小さい。底部71の前端には、上方へ垂直に立設する長方形の板である前壁部72が設けられており、底部71の後端には上方へ垂直に立設する長方形の板である後壁部73が設けられている。これら前壁部72と後壁部73との高さは略等しい。
【0029】
底部71の左端には上方へ垂直に立設する略長方形の板である左壁部74が設けられており、底部71の右端には上方へ垂直に立設する略長方形の板である右壁部75が設けられている。これら左壁部74と右壁部75との高さは等しく、その高さは前壁部72及び後壁部73の高さよりも高く、側面部材20の上端から横孔35,44,54,65までの高さと略同等である。また、左壁部74及び右壁部75の上端近傍は、前後幅が絞られており、その絞られた箇所の前後幅は、側面部材20の左側壁40及び右側壁50の上側凹部41,51の前後幅と略等しい。
【0030】
左壁部74の上端には、左方へ張り出した左側取付部76が設けられており、右壁部75の上端には、右方へ張り出した右側取付部77が設けられている。これら左側取付部76及び右側取付部77の前後幅は、側面部材20の左側壁40及び右側壁50の上側凹部41,51の前後幅と略等しい。また、左側取付部76の左端から右壁部75の右端までの幅、及び、右側取付部77の右端から左壁部74の左端までの幅は、側面部材20の左右幅よりも若干大きい。
【0031】
載置部80は、図13に示すように、前後側が長辺であり左右側が短辺の略長方形の板である炭置き板81を備えており、この炭置き板81の前後左右の幅は、炭受け部70の内側の前後左右の幅よりもやや小さい。炭置き板81には、上下方向(厚み方向)に貫通する貫通孔82が複数設けられている。この貫通孔82は、前後方向に延びる長円形であり、左右方向に並列で並び、且つ、前後方向では直列で並んでいる。炭置き板81の左右の端部のそれぞれには、内側へ向けて半円状に窪んだ窪部83が設けられている。この窪部83の中心は、炭置き板81の前後方向の略中央に位置している。
【0032】
炭置き板81の前後端には、下方へ向けて垂直に張り出した支持脚84が設けられている。この支持脚84は、炭置き板81の前後端の全域に亘って設けられている。また、支持脚84の上下方向の高さは、炭受け部70の前側壁72及び後側壁73の高さの三分の一程度である。
【0033】
放熱板90は、図14に示すように、前後の辺を長辺とする長方形の板部91と、その長方形の短辺(左右側の辺)から上方へ向けて垂直に立設する板状の立設部92とを備えている。板部91の前後の幅は、側面部材20の前側壁30と後側壁60との間隔よりも小さく、前側壁30の内面から後側壁60の支持部64の先端までの間隔、及び、後側壁60の内面から前側壁30の支持部34の先端までの間隔よりも大きい。また、板部91の左右の幅は、左側壁40の内面と右側壁50との間隔よりも小さく、支持部34,64の左右幅よりも大きい。立設部92は板部の短辺の全域に亘って設けられており、その高さは、前側壁30及び後側壁60の支持部34,64と横孔35,65との間隔と略等しい。
【0034】
以上のように構成される炭受け部70、載置部80、及び放熱板90の、側面部材20への取り付け方法について説明する。まず、側面部材20の内部空間へ上方から放熱板90を入れ、放熱板90を支持部34,64の上に載置する。このとき、放熱板90の立設部92は各図に示すように上方を向いていてもよいし、下方を向いていてもよい。また、放熱板90の前後幅が、前側壁30の内面から後側壁60の支持部64の先端までの間隔、及び、後側壁60の内面から前側壁30の支持部34の先端までの間隔よりも大きいため、放熱板90が前後方向のいずれかに寄ったとしても、支持部34,64から落下することなく載置することができる。
【0035】
放熱板90を側面部材20の内部空間に載置した後、炭受け部70を取り付ける。炭受け部70は、左壁部74及び右壁部75の上端に設けられている左側取付部76及び右側取付部77が、上側凹部41,51に嵌まり込むように取り付ける。このとき、左側取付部76の左端から右壁部75の右端までの幅、及び、右側取付部77の右端から左壁部74の左端までの幅は、側面部材20の左右幅よりも若干大きいため、炭受け部70が左右方向のいずれかに寄ったとしても、上側凹部41,51から外れることなく取り付けることができる。また、左壁部74の左面から右壁部75に右面までの幅が、側面部材20の左側壁40の右面と右側壁50に左面との間隔よりも小さいため、左側壁40と左壁部74との間に隙間が生じ、且つ、右側壁50と右壁部75との間に隙間が生じるように取り付ける。
【0036】
側面部材20に放熱板90及び炭受け部70を取り付けた後、炭受け部70に載置部80を載置する。載置部80は、支持脚84を下方へ向けた状態で、炭受け部70に載置する。このとき、載置部80の炭受け板81の左右端は、炭受け部70の左壁部74及び右壁部75と間隔を空けることができるが、一方は接していてもよい。また、側面部材20に炭受け部70を取り付ける前に炭受け部70に載置部80を載置しておき、載置部80が載置された炭受け部70を側面部材20に取り付けるものとしてもよい。なお、炭受け部70と載置部80とを纏めて、固形燃料の載置に用いられる部材である載置部材と称することができる。
【0037】
以上のように構成されるコンロ10は、載置部80に固形燃料である木炭を載置し、その木炭を燃焼させて熱源とする。木炭の燃焼により生じた熱は、載置部80に直接伝わり、載置部80から炭受け部70へと直接伝わる。また、木炭の燃焼により発生する輻射熱は、載置部80、木炭の周囲を囲う炭受け部70の底部71、前壁部72、後壁部73、左壁部74、右壁部75へ伝わる。炭受け部70へと伝わった熱は、炭受け部70の左側取付部76及び右側取付部77から側面部材20の左側壁40及び右側壁50へと伝わる。
【0038】
側面部材20の左側壁40及び右側壁50へと伝わった熱は、下方及び側方へと伝わり、前側壁30及び後側壁60の支持部34,64にまで伝われば、その支持部34,64から放熱板90へと伝わることとなる。側面部材20へと伝わった熱は、前側壁30、左側壁40、右側壁50、後側壁60、及び放熱板90から外部空間へと放熱され、残余の熱が脚部21,22から載置面へと伝わることとなる。
【0039】
以上説明したコンロ10は、側面部材20の上端に各種の調理器具を乗せることで食材の加熱を行う。例えば、側面部材20の上端の凹凸部31,61を利用して金網を載置すれば、その凹凸31,61により金網のずれを抑制することができ、その金網に載せた食材を木炭の輻射熱により加熱することができる。また、側面部材20の上端に鉄板を載置すれば、木炭の輻射熱が鉄板へ伝わり鉄板上に載せた食材を加熱することができる。
【0040】
上記構成により、本実施形態に係るコンロ10は、以下の効果を奏する。
【0041】
・実施形態に係るコンロ10では、固形燃料の燃焼により発せられた熱が載置部80及び炭受け部80から側面部材20に伝達され、その側面部材20に伝達された熱の一部が放熱部材90へ伝達されるとともに放熱部材90により放熱される。これにより、側面部材20の下端へと伝達される熱が低減し、載置面の熱による損傷を抑制することができる。
【0042】
・炭受け部70と側面部材20との接触箇所から放熱部材90と側面部材20との接触箇所の間で炭受け部70と側面部材20が接していないため、その接していない箇所では炭受け部70から側面部材20への熱の伝達は抑制される。これにより、炭受け部70から側面部材20への熱の伝達の大部分は上方の部分で行われることとなり、その熱の伝達箇所から放熱部材90までの距離を大きくとることができる。したがって、熱の伝達箇所から放熱部材90までの間の側面部材20の放熱効果も期待でき、コンロ10全体の放熱機能をより向上させることができる。
【0043】
・炭受け部70が載置部80の前後左右及び下方を覆っているため、載置部80に載置された固形燃料からの輻射熱は直接側面部材20に伝わらない。したがって、側面部材へ伝達される熱を抑制することができ、コンロ10の下端にまで伝達される熱をより低減することができる。
【0044】
・炭受け部70は相対的に幅の狭い左側壁40及び右側壁50に接しており、放熱板90は相対的に幅の広い前側壁20及び後側壁60に接している。これにより、炭受け部70と側面部材20との接触面積を低減しつつ、放熱板90と側面部材20との接触面積を増加させることができる。したがって、炭受け部70から側面部材20への熱の伝達を抑制しつつ、側面部材20から放熱部材90への熱の伝達効率をより向上させることができ、コンロ10全体の放熱機能を向上させることができる。
【0045】
・放熱板90の上側に横孔35,44,54,65を備えており、放熱板90の下方には下側凹部33,63が設けられているため、放熱板90の上下を外気が通過する。したがって、その外気により放熱板90の放熱をより効率よく行うことができる
【0046】
<変形例>
・実施形態では、側面部材20、炭受け部70、載置部80、放熱板90を別体として設け、側面部材20に炭受け部70、載置部80、及び放熱板90を取り付ける構成としているが、複数の部材を溶接等により一体に形成してもよい。例えば、炭受け部70と載置部80は別体として構成しておき、側面部材20には放熱板90が予め取り付けられているものとしたり、炭受け部70と載置部80に関しては一体として構成したりしてもよい。
【0047】
・実施形態では、側面部材20を平面視にて長方形としたが、正方形としてもよいし、他の多角形状や円形等の他の形状としてもよい。この場合には、その側面部材の形状に応じて、炭受け部、載置部、放熱板の形状を変更すればよい。
【0048】
・実施形態では、放熱部材として板状の放熱板90を採用しているが、板状でなくてもよく、金属で形成されており、側面部材20から熱が伝達可能で放熱に適した形状であればよい。
【0049】
・実施形態では、側面部材20に横孔35,44,54,65を設けており、その横孔35,44,54,65を通過する気流により放熱板90の放熱を行うものとしているが、横孔35,44,54,65を設けなくてもよい。また、下側凹部33,63についても設けなくてもよい。これらの場合においても、一定程度の放熱機能を得ることができる。
【0050】
・炭受け部70については、上側凹部41,51のみで支持する者としているが、上側凹部よ41,51よりも下の部分にも追加の支持箇所を設けるものとしてもよいし、上側凹部41,51で支持しなくてもよい。すなわち、放熱板90による放熱機能を得るという都合上、少なくとも放熱板90よりは上方の位置で支持するものとすればよい。
【符号の説明】
【0051】
コンロ…10,側面部材…20,左側脚部…21,右側脚部…22,前側壁…30,凹凸部…31,縦孔…32,下側凹部…33,支持部…34,横孔…35,左側壁…40,上側凹部…41,横孔…44,右側壁…50,上側凹部…51,横孔…54,後側壁…60,凹凸部…61,縦孔…62,下側凹部…63,支持部…64,横孔…65,炭受け部…70,底部…71,前壁部…72,後壁部…73,左壁部…74,右壁部…75,載置部…80、放熱板…90
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