(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131071
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】敷設管埋設測定装置
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20230913BHJP
G01C 15/02 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
G01C15/00 103C
G01C15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022050814
(22)【出願日】2022-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】522119329
【氏名又は名称】株式会社広伸
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸郎
(72)【発明者】
【氏名】森 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】増岡 昭男
(72)【発明者】
【氏名】檜皮 安弘
(57)【要約】 (修正有)
【課題】下水道、暗渠用の敷設管類の埋設作業工程において、所定の深度での水平度、更には左右振れをレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に関し、特に実際の作業現場において、限られた作業員数及び環境下、迅速、且つ適切に業務遂行できることを企図する。
【解決手段】敷設管内に向け照射するレーザー照射装置と、照射されたレーザー光を受光して埋設管の水平及び垂直状態を認識させる受光子を有する受光装置とより成るレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に於いて、受光装置Reの受光子1を上端の枢着軸4に設け、且つ枢着軸を中心に敷設管の所定埋設高低及び左右変位に対応して夫々独立して伸長開脚すると共に、而も下端が敷設管の内面に着座する左右支柱2,3と、更に、この敷設管内面に左右支柱の下端が着座した状態にて上端枢着軸を中心に開脚すると共に、左右支柱の伸長開脚状態を保持する保持装置とで成したものである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
▲1▼敷設管内に向け照射するレーザー照射装置と、このレーザー照射装置と一定間隔距離を介して敷設管内にて対峙すると共に、照射されたレーザー光をスポット的に受光して埋設管の水平及び垂直状態を前記レーザー照射装置に認識させる受光子を有する受光装置とより成るレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に於いて、
▲2▼前記受光装置の受光子を上端の枢着軸に設け、且つ該枢着軸を中心に敷設管の所定埋設高低及び左右変位に対応して夫々独立して伸長開脚すると共に、而も下端が敷設管の内面に着座する左右支柱と、
▲3▼更に、この敷設管内面に左右支柱の下端が着座した状態にて上端枢着軸を中心に開脚すると共に、左右支柱の伸長開脚状態を保持する保持装置とで成したことを特徴とする敷設管埋設測定装置。
【請求項2】
前記左右支柱は、一方支柱の上端を断面コ字型に形成し、該断面コ字型部の両片間に挿通すると共に、露見した枢軸の両端面を、受光子の標識体としたことを特徴とした請求項1記載の敷設管埋設測定装置。
【請求項3】
前記左右支柱は、一方支柱の上端に断面コ字型部を一体的形成し、この断面コ字型部の両片間に、他方支柱の上端の断面コ字型部を介在させると共に、枢着軸にて互いに開脚する様にしたことを特徴とした請求項1~2記載のいずれか1記載の敷設管埋設測定装置。
【請求項4】
前記左右支柱は、全長に亘って断面コ字型の外側コ字型支柱と、この外側コ字型支柱のコ字型内に収納されると共に、而も適宜伸延してその下端が敷設管の内面に着座する左右引出し支柱とでなしたことを特徴とする請求項1~3記載のいずれか1記載の敷設管埋設測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道、暗渠用の敷設管類の埋設作業工程において、所定の深度での水平度、更には左右振れをレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種、レーザー照射によって下水道、暗渠用の敷設管類の埋設作業工程において、所定の深度での水平度、更には左右振れを測定することは、広く知られている。
例えば、先行技術文献としては、下記特許文献1が存在する。
更に、この下記特許文献1は、単なるイメージ的発想に止まり、具体的に実施する迄には技術開示がなされていない。
特許文献2については、上記特許文献1に比し、実施化に向けた技術開示がなされているが、未だ漠然とした概念的で、而も下げ振りを敷設管の後方であるレーザ測定器側に垂下させ、前方にはターゲットであるレーザ受光器を対峙させたもの、更にはこのターゲットに代えて下げ振りとしたものが、開示されているが、何れにしても極めて大がかりな装置と実際の現場での対応となると些か課題を残す。
特許文献3は、単に管体の内周面に沿ってレーザを照射させ、内形状を測定させる記述に過ぎないものである。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用新案公報 平成1-102813号
【特許文献2】公開特許公報 特開2003-254751号
【特許文献3】公開特許公報 特開2013-250124号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、下水道、暗渠用の敷設管類の埋設作業工程において、所定の深度での水平度、更には左右振れをレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に関し、特に実際の作業現場において限られた作業員数及び環境下、迅速、且つ適切に業務遂行できることを企図する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、敷設管内に向け照射するレーザー照射装置と、一定距離を介して敷設管内にて対峙すると共に、照射されたレーザー光をスポット的に受光して埋設管の水平及び垂直状態を前記レーザー照射装置に認識させる前受光装置の受光子とより成るレーザー照射によって測定する敷設管埋設測定装置に於いて、前記受光装置の受光子を上端の枢着軸に設け、且つ該枢着軸を中心に敷設管の所定埋設高低及び左右変位に対応して夫々独立して伸長開脚すると共に、而も敷設管下端が敷設管内面に着座する左右支柱と、更にこの敷設管の内面に左右支柱の下端が着座した状態にて該左右支柱の伸長開脚状態を保持する保持装置とで成したことを特徴とするものである。
【0006】
更に本発明は、左右支柱は、一方支柱の上端を断面コ字型に形成し、該断面コ字型部の両片間に挿通すると共に、露見した枢軸の両端面を、受光子の標識体としたことを特徴とするものである。
【0007】
更に本発明は、左右支柱は、一方支柱の上端に断面コ字型部を一体的形成し、この断面コ字型部の両片間に、他方支柱の上端の断面コ字型部を介在させると共に、枢着軸にて互いに開脚する様にしたことを特徴とするものである。
【0008】
更に本発明は、左右支柱は、全長に亘って断面コ字型の外側コ字型支柱と、この外側コ字型支柱のコ字型内に収納されると共に、而も適宜伸延してその下端が敷設管の内面に着座する左右引出し支柱とでなしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1により、受光子を設けた枢着軸を中心に敷設管の所定埋設高低及び左右変位に対応して夫々独立して左右支柱を伸長開脚させると共に、その下端を敷設管の内面に着座させ、常に照射されたレーザー光をスポット的に受光し、埋設管の水平及び垂直状態を前記レーザー照射装置に認識させることとなり、所定の深度での水平度、更には左右振れを把握でき、実際の作業現場において限られた作業員数及び環境下、迅速、且つ適切に業務遂行できる。
【0010】
請求項2により、一方支柱の上端を断面コ字型に形成し、露見した枢軸の両端面を、受光子の標識体としたから、常に照射されたレーザー光をスポット的に、而も同じ位置、即ち同じ条件下にて受光することとなり、測定精度の信頼性を保つことが出来る。
【0011】
請求項3により、開脚動作は受光子の標識体を有しない他方の支柱が行うので、レーザー照射点である受光子は、常に所定位置に存在することとなり、測定精度の信頼性を保つことが出来る。
【0012】
請求項4により、外側コ字型支柱のコ字型内に他方のコ字型支柱が収納されると共に、而もその使用時は適宜伸延してその下端を敷設管の内面に着座させる様にしたから、不使用時において嵩張ることがなく、且つ破損することも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】同上のレーザー光をスポット的に受光する受光子装置の斜視図
【
図3】同上の敷設管内面に着座する左右支柱の開脚状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を実施形態の図面に基づいて説明する。
図1は本発明敷設管埋設測定装置を示す概略斜視図であって、レーザー光Laを照射するレーザー照射装置Lと、このレーザー照射装置Lと一定間隔距離を介して敷設管H内に対峙して位置すると共に、照射されたレーザー光Laをスポット的に受光する受光子装置Reとを示しており、受光子装置Reに照射されたレーザー光Laが所定位置である受光子装置Reから、水平軸方向X-X、更には垂直軸方向Y-Y線上の所定位置から乖離しているか否かをレーザー照射装置L側にて検知する。
而して、これらレーザー照射装置、受光子装置Reは、先行技術文献としても述べた様に、測量技術分野においては周知の事実である。
【0015】
図2は、レーザー光をスポット的に受光する受光子装置の斜視図であって、具体的構成について説明する。
図1に示す如く、レーザー照射装置Lから照射されたレーザー光Laを受光する受光子装置Reの受光子1は、
図3及び
図5に示す如く、下端2b、3bが夫々開脚して敷設管Hの内面に着座する左右支柱2、3の上端2a、3aの枢着軸4としており、この枢着軸4の両端4a、4aを受光子1そのものとし、両端4a、4aの何れの側、即ち受光子装置Reは、表裏何れの側にても対応でき、測量現場に於いて、方向性が問われることがない様、作業効率を考慮している。
【0016】
而して、左右支柱2、3は具体的には、
図3、5に示す構成となっており、
図3に示す如く、左右支柱2、3を、枢着軸4を中心にて互いに開脚させると共に、左右上側脚5、6を全長伸延させてその下端2b、3bを敷設管Hの内壁に着座させ、その受光子装置Reとしての枢着軸4を中心に敷設管Hの所定埋設高低及び左右変位、即ち水平軸方向X-X、更には垂直軸方向Y-Y線上での所定位置からの変位の有無を確認精査することが出来る。
【0017】
左右支柱2、3の下端2b、3bは、敷設管Hの曲面内壁への着座を考慮し、丸ピン2c、3cとしている。
而して左右支柱2、3は、所望に応じ左右上側脚5、6から更に左右下側脚7、8を引き出すこととし、丸ピン2c、3cが備えらる。
この左右下側脚7、8は、通常左右支柱2、3内に短くして収納されており、嵩張らず、保管、輸送時への対応とし、現場での敷設管Hの埋設測定時において、所定の長さに引き出すこととなる。
【0018】
図4は、左右支柱2、3から適宜伸延される左右下側脚7、8との具体的連結構成を示しており、左右支柱2、3はコ字型に形成されると共に、その上端2a、3aは受光子1でもある枢着軸4にて開脚自在となっている。
【0019】
而して、この断面コ字型に形成された左右支柱2、3は、夫々のコ字型内溝9、10に左右下側脚7、8を収納すると共に、而も適宜伸延してその下端の丸ピン2c、3cが敷設管Hの内底面に着座する。
更に、左右支柱2、3から伸延された状態を保持するため、
図4に示す如く、左右下側脚7、8をコ字型に形成すると共に、そのコ字型部7a、8aを左右支柱2、3のコ字型溝2d、に3dに篏合させ、コ字型部7a、8aのナット11に締結用ボルト12を直立させている。
【0020】
図5は受光子装置Reの拡大断面図であって、左右支柱2、3の一方上側脚5、即ち内側に位置する一方上側脚5に蝶ボルト9を直立させ、外側の他方上側脚6を締結して左右支柱2、3を夫々所定の開脚状態に保持する。
【0021】
更に
図3及び
図5に示す如く、下端2b、3bが夫々開脚して敷設管Hの内面に着座する左右支柱2、3の上端2a、3aの枢着軸4としており、この枢着軸4の両端4a、4aを受光子1そのものとし、両端4a、4aの何れの側、即ち受光子装置Reは、表裏何れの側にても対応でき、測量現場に於いて方向性が問われることがない様、作業効率を考慮している。
【符号の説明】
【0022】
La レーザー光
L レーザー照射装置
H 敷設管
Re 受光子装置
X-X線 水平軸方向
Y-Y線 垂直軸方向
1 受光子
2、3 左右支柱
4 枢着軸
5、6 左右上側脚
7、8 左右下側脚
9、10 コ字型内溝
11 ナット
12 締結用ボルト