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特開2023-13108乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサー
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  • 特開-乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサー 図1
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  • 特開-乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサー 図3
  • 特開-乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサー 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013108
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサー
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/60 20160101AFI20230119BHJP
【FI】
A23L17/60 103Z
A23L17/60 103B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117054
(22)【出願日】2021-07-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】505455417
【氏名又は名称】株式会社イツワ工業
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直人
(72)【発明者】
【氏名】内田 菜津希
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LT71
(57)【要約】
【課題】乾燥海苔製造装置で製造後の乾燥海苔を加工処理する際の作業性を向上させること。
【解決手段】本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔(1)を積層させて搬送する乾燥海苔搬送方法において、積層させた平板状の乾燥海苔(1)の所定枚数毎に上方に突出する突起(3,6,9,13)を有する乾燥海苔搬送用スペーサー(2,5,8,11)を介在させて搬送することにした。また、本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔(1)を積層させて搬送する際に積層させた平板状の乾燥海苔(1)の所定枚数毎に介在させて使用する乾燥海苔搬送用スペーサー(2,5,8,11)において、上方に突出する突起(3,6,9,13)を有することにした。さらに、本発明では、前記突起(3,6,9)を両端部まで伸延させた筋状に形成することにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する乾燥海苔搬送方法において、
積層させた平板状の乾燥海苔の所定枚数毎に上方に突出する突起を有する乾燥海苔搬送用スペーサーを介在させて搬送することを特徴とする乾燥海苔搬送方法。
【請求項2】
乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する際に積層させた平板状の乾燥海苔の所定枚数毎に介在させて使用する乾燥海苔搬送用スペーサーであって、
上方に突出する突起を有することを特徴とする乾燥海苔搬送用スペーサー。
【請求項3】
前記突起を両端部まで伸延させた筋状に形成したことを特徴とする請求項2に記載の乾燥海苔搬送用スペーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する乾燥海苔搬送方法、及び、その際に使用する乾燥海苔搬送用スペーサーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、食用に供される乾燥海苔は、乾燥海苔製造装置で矩形薄板状に製造された後に、複数枚の乾燥海苔が上下に積層されるとともに二つ折りに折り曲げられ、その状態で結束されて搬送される(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
その後、味付け海苔等に加工する際には、乾燥海苔を二つ折りに折曲された状態から再び矩形薄板状態に戻してから、表面に味付け処理等を行っている(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-341843号公報
【特許文献2】特開2017-139992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の乾燥海苔搬送方法では、矩形薄板状に製造された乾燥海苔を一端二つ折りにして搬送しているために、その後の加工処理時に乾燥海苔を二つ折りに折曲された状態から再び矩形薄板状態に戻す必要があり、労力や時間を要するとともに、乾燥海苔が破損してしまうおそれがあった。
【0006】
一方、乾燥海苔製造装置で製造された乾燥海苔を板状のまま複数枚積層させて搬送すると、乾燥海苔に含まれる水分によって上下の乾燥海苔がくっついてしまい、剥離作業に労力や時間を要するとともに、乾燥海苔が破損してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する乾燥海苔搬送方法において、積層させた平板状の乾燥海苔の所定枚数毎に上方に突出する突起を有する乾燥海苔搬送用スペーサーを介在させて搬送することにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する際に積層させた平板状の乾燥海苔の所定枚数毎に介在させて使用する乾燥海苔搬送用スペーサーにおいて、上方に突出する突起を有することにした。
【0009】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記突起を両端部まで伸延させた筋状に形成することにした。
【発明の効果】
【0010】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0011】
すなわち、本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔を積層させて搬送する際に、積層させた平板状の乾燥海苔の所定枚数毎に上方に突出する突起を有する乾燥海苔搬送用スペーサーを介在させて搬送することにしているために、搬送後にそのまま(薄板状態のまま)加工処理等を行うことができ、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る乾燥海苔搬送方法を示す説明図。
図2】本発明に係る乾燥海苔搬送用スペーサーを示す斜視図。
図3】同斜視図。
図4】同斜視図(a)、同側面断面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る乾燥海苔搬送方法及び乾燥海苔搬送用スペーサーの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
乾燥海苔は、海苔簀を搬送しながら、海苔簀に海苔原藻と水とを調合した海苔原料を抄製して矩形薄板状の海苔生地を形成した後に、海苔簀上の海苔生地を脱水するとともに熱風で強制的に乾燥し、乾燥した海苔生地(乾燥海苔)を海苔簀から剥離することによって、連続して大量に製造される。
【0015】
本発明においては、図1に示すように、連続して大量に製造された薄板平板状の乾燥海苔1を複数枚上下に積層させた状態で搬送する際に、所定枚数の乾燥海苔1毎に乾燥海苔搬送用スペーサー2を間に介在させて搬送するようにしている。
【0016】
乾燥海苔搬送用スペーサー2には、図2に示すように、上方に向けて突出する突起3と下方に向けて突出する突起4とが形成されている。
【0017】
これにより、乾燥海苔1と乾燥海苔搬送用スペーサー2とを上下に積層させた際に、乾燥海苔搬送用スペーサー2の突起3,4だけが乾燥海苔1の表面(裏面)に接触することになり、乾燥海苔1が乾燥海苔搬送用スペーサー2に密着してしまうのを防止することができる。
【0018】
また、乾燥海苔搬送用スペーサー2では、突起3,4を両端部まで伸延させた直線筋状に形成している。
【0019】
これにより、隣設する突起3,4の間に直線筋状の流路が形成されることになり、乾燥海苔1に残留する水分が蒸発した際に筋状の流路から水蒸気を排出させることができ、通気性に富んだ乾燥海苔搬送用スペーサー2とすることができる。
【0020】
図2に示す乾燥海苔搬送用スペーサー2では、上下に向けて突出させた筋状の突起3,4を連続する円弧形状に形成しているが、これに限られない。
【0021】
たとえば、図3(a)に示す乾燥海苔搬送用スペーサー5では、上方に向けて突出させた筋状の突起6と下方に向けて突出させた筋状の突起7とを矩形状に形成している。
【0022】
また、図3(b)に示す乾燥海苔搬送用スペーサー8では、上方に向けて突出させた筋状の突起9を円弧形状に形成するとともに、下方に向けて突出させた筋状の突起10を矩形状に形成している。
【0023】
さらに、図4に示す乾燥海苔搬送用スペーサー11では、平板状のベース12に上方に向けて突出させた円弧形状の突起13を前後左右に間隔をあけて形成している。なお、突起13を上方に向けて突出させた矩形状に形成してもよい。
【0024】
この乾燥海苔搬送用スペーサー11では、突起13を前後左右に間隔をあけて点在させることによって、隣設された突起13同士の間に前後方向の両端部及び左右方向の両端部にまで伸延する直線筋状の通気用の流路が形成されている。
【0025】
なお、乾燥海苔搬送用スペーサー11では、突起13の下方に凹部14を形成しており、乾燥海苔1とベース12との接触面積が小さくなるようにして、乾燥海苔1との密着を防いでいる。
【0026】
以上に説明したように、本発明では、乾燥海苔製造装置で製造した複数枚の乾燥海苔1を積層させて搬送する乾燥海苔搬送方法において、積層させた平板状の乾燥海苔1の所定枚数毎に上方に突出する突起3(6,9,13)を有する乾燥海苔搬送用スペーサー2(5,8,11)を介在させて搬送することにしている。
【0027】
そのため、本発明では、搬送後にそのまま(薄板状態のまま)加工処理等を行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明では、乾燥海苔搬送用スペーサー2(5,8)の突起3(6,9)を両端部まで伸延させた筋状に形成している。
【0029】
そのため、本発明では、乾燥海苔1を上下に積層させて搬送する際に、通気性を確保することができ、乾燥海苔1の品質の劣化等を防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 乾燥海苔
2,5,8,11 乾燥海苔搬送用スペーサー
3,4,6,7,9,10,13 突起
12 ベース
14 凹部
図1
図2
図3
図4