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  • 特開-フローリング床の補修方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131080
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】フローリング床の補修方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/00 20060101AFI20230913BHJP
【FI】
E04F15/00 101F
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078926
(22)【出願日】2022-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2022035458
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522091922
【氏名又は名称】新垣 寛之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福島 康文
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】新垣 寛之
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA29
2E220AC03
2E220CA63
2E220CA66
2E220CA70
2E220DB05
2E220EA11
2E220FA11
(57)【要約】
【課題】長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に高さ調節具を取り付け、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて支持し、不要な道具を除去する。
【解決手段】前記高さ調節具は、上下一対の連動式の開閉板片を有し、下側の開閉板片の下端を前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒を有し、上側の開閉板片の上端は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒を有し、この上下スライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に高さ調節具を取り付け、目的の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて、不要な道具を除去することを特徴とするフローリング床の補修構造。
【請求項2】
前記高さ調節具は、フローリング床板の支持手段となる上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片の下端を前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒に支持し、上側の開閉板片の上端は長ネジ棒と螺合しない上下スライト筒に支持し、この上下スライト筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1記載のフローリング床の補修構造。
【請求項3】
前記開閉板片の開閉する根元側には、曲げ易いような曲げ筋を有することを特徴とする請求項2記載のフローリング床の補修構造。
【請求項4】
現地に応じた長さに切断した長ネジ棒を有し、その上端に取り付ける高さ調節具は、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローリング床の一部が経年劣化で位置ずれしたりして下降した部分を元の高さに戻す補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中古の集合住宅などにおいて、フローリング床が経年劣化で下降した場合、その上を歩いたり家具を置いたりすると、さらに下降するなどの不都合を来す。その場合、下降した部分を早めに補修して元の正常な高さに戻せると好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4578561 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の内容は、通常使用で生じる外力による床板の移動を規制するが,床板の膨張,収縮等が生じた時には床板の移動を許容し得る状態で根太等の支持材上に床板を固定することができる床板固定具を提供する。技術的には、幅方向の両側面それぞれに,長さ方向にスリットが形成された床板4を固定する床板固定具1であり,隣接配置された2枚の床板のそれぞれの側面に形成されたスリットに挿入される架橋片3と,この架橋片の幅方向における中間位置より床板表裏面方向に突出し床板両側面間に挟持されるスペーサ片2を可撓性合成樹脂材料で断面略十字状に一体形成され,前記スペーサ片を貫通する釘孔21を形成すると共に,前記床板の側面と接触する前記スペーサ片の側面に,前記スペーサ片2の前記床板側面の長さ方向に直交する方向に,所定間隔で列条を成す凸条を複数形成する構成である。
しかしながら、中古フローリングの補修に関する技術は見当たらない。
【0005】
前記のように経年劣化して、フローリングの一部が下降した場合に、下降した部分だけを元の高さに戻せると、好都合である。しかし、現地に行ってから、寸法を測定したり加工するのは効率が悪い。そこで本発明は、下降した高さに応じて予め加工した雄ネジ棒を用い、追加する高さ調節具を組み立てることで容易に可能とする。
本発明は、このような問題に鑑みて、フローリングの一部が経年劣化で沈下した場合に、沈下し下降した部分を元の高さに戻せる方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題次のような手段によって解決される。請求項1は、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に高さ調節具をネジで取り付け、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて支持し、不要な道具を除去することを特徴とするフローリング床の補修構造である。
【0007】
請求項2は、前記高さ調節具は、フローリング床板の支持手段となる上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片の下端を前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒に取り付け支持し、上側の開閉板片の上端は長ネジ棒と螺合しない上下スライト筒に取り付け支持し、この上下スライト筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1記載のフローリング床の補修構造である。
【0008】
請求項3は、前記開閉板片の開閉する根元側には、曲げ易いような曲げ筋を有することを特徴とする請求項2に記載のフローリング床の補修構造である。
【0009】
請求項4は、現地に応じた長さに予め切断した長ネジ棒を有し、その上端に取り付ける高さ調節具を、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に高さ調節具をネジで取り付け、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せて支持し、不要な道具を除去するので、フローリング床板の沈下した部分を元の高さに戻すことができる。
【0011】
請求項2のように、前記高さ調節具は、フローリング床板の支持手段となる上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片の下端を前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒に取り付け支持し、上側の開閉板片の上端は長ネジ棒と螺合しない上下スライト筒に取り付け支持し、この上下スライト筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転するので、上下二重の丈夫な支持手段にフローリング床板の下降部を載せて支持できる。
【0012】
請求項3のように、開閉板片の開閉する根元側に、曲げ易いような曲げ筋を有するので、各開閉板片を容易に軽い力で曲げて水平な支持板を形成することが出来る。
【0013】
請求項4のように、現地に応じた長さに予め切断してある長ネジ棒を有し、その上端にネジで取り付ける高さ調節具は、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の下降部を載せて支持する方法になっているので、フローリング床板の一部が経年劣化で沈下しても容易に補修できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フローリング床を示す斜視図である。
図2】フローリング床の補修部を支持するために立てるオネジ棒を示す平面図と側面図である。
図3】操作板を示す上面図と側面図と下面図と断面図である。
図4】スライド筒を示す側面図と下面図と断面図である。
図5】メネジ筒を示す上面図と側面図と断面図である。
図6】操作板とスライド筒とメネジ筒との組立方を順次示した断面図である。
図7】上下の開閉板片が段々と開いて行く過程を示す断面図である。
図8】組立て完了状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明によるフローリング床の補修方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1から図8は本発明の全容を順次説明する図である。図1は、コンクリート床の上にフローリング床を施工した斜視図であり、フローリング床に、図2のような長ネジ棒9を鉛直に挿通してある。この長ネジ棒9で沈下したフローリング床部分を支持し支えるので、長ネジ棒9の尖った下端が当接する箇所はコンクリート床のような硬い強固な部分が必要である。
【0016】
このフローリング床を補修する装置を手動操作する操作板11は、図3のように細長い板であり、下面に円筒12を接着固定し、円筒12の下端に凸部13を形成してある。この円筒12の下方に配置されるスライド筒14の下端外周には、開閉板片15…が開閉可能に取り付け支持してある。上端面には、前記凸部13が勘入する凹部16を形成してある。なお、メネジ山は有しない。
図5のように、雌ネジ筒17の上端外周には開閉板片18…の下端の曲げ筋19寄りが支持してある。この雌ネジ筒17には、断面図(3)のように雌メネジ山20が形成して有る。
【0017】
以上の各部品が図6乃至図8のようにして組立てられる。すなわち、雌ネジ筒17、スライド筒14、円筒12及び操作板11の順に組立てられる。なお、図のように先に長ネジ棒9を立てて上端から雌ネジ筒17を嵌め込んで、-ドライバーFで回転操作する。そして、雌ネジの下筒17を所定の高さに移動し、次に、その開閉板片18…の上端に、上側の開閉板片15…の下端を従動回転するように漣動式に凹凸で連結する。最後に円筒12を嵌め込んでから、操作板11を段々と繰り返し押し下げて、上下の開閉板片15…、18…を徐々に押し開いて図8のように四方に広げ、二重の支持板として機能させる。最後に図8のように、-ドライバーFを抜いて、円筒12と操作板11を除去してから、沈下下降するフローリング床部Aを載せて支持し、完了である。なお、穴や窪んだ部分にはパテを埋めたり専用のキャップで埋める。
なお、図の長ネジ棒9の上部を別体の逆ネジ棒にすると共に両雄ネジ棒を前記と同様な凹凸で連結し、スライド筒14を雌ネジ筒にすると、-ドライバーFで雄ネジ棒を回転させ、ネジの動きで上下の開閉板片15…、18…を均等にかつ連続的に解放でき、操作板11を段々に押し下げる操作は不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
フローリング床の経年劣化で沈下した部分を簡単容易な操作で元の状態に戻せる修理方法や修理構造であり、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端近傍に高さ調節具を取り付けて、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せるので、フローリング床板の沈下下降した部分を元の高さに戻すことができる。
【符号の説明】
【0019】
9 長ネジ棒
11 操作板
12 円筒
13 凸部
14 スライド筒
15… 開閉板片
16 凹部
17 雌ネジ筒
18… 開閉板片
20 メネジ山
A 沈降下降するフローリング床部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開放板片を有し、下側の開放板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開放板片は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開放板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目的の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持することを特徴とするフローリング床の補修構造。
【請求項2】
前記の上下スライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開放板片は前記下側の開放板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造。
【請求項3】
前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有することを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造。
【請求項4】
長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローリング床の一部が経年劣化で位置ずれしたりして下降した部分を元の高さに戻す補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中古の集合住宅などにおいて、フローリング床が経年劣化で下降した場合、その上を歩いたり家具を置いたりすると、さらに下降するなどの不都合を来す。その場合、下降した部分を早めに補修して元の正常な高さに戻せると好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4578561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の内容は、通常使用で生じる外力による床板の移動を規制するが,床板の膨張,収縮等が生じた時には床板の移動を許容し得る状態で根太等の支持材上に床板を固定することができる床板固定具を提供する。技術的には、幅方向の両側面それぞれに,長さ方向にスリットが形成された床板4を固定する床板固定具1であり,隣接配置された2枚の床板のそれぞれの側面に形成されたスリットに挿入される架橋片3と,この架橋片の幅方向における中間位置より床板表裏面方向に突出し床板両側面間に挟持されるスペーサ片2を可撓性合成樹脂材料で断面略十字状に一体形成され,前記スペーサ片を貫通する釘孔21を形成すると共に,前記床板の側面と接触する前記スペーサ片の側面に,前記スペーサ片2の前記床板側面の長さ方向に直交する方向に,所定間隔で列条を成す凸条を複数形成する構成である。
しかしながら、中古フローリングの補修に関する技術は見当たらない。
【0005】
前記のように経年劣化して、フローリングの一部が下降した場合に、下降した部分だけを元の高さに戻せると、好都合である。しかし、現地に行ってから、寸法を測定したり加工するのは効率が悪い。そこで本発明は、下降した高さに応じて予め加工した雄ネジ棒を用い、追加する高さ調節具を組み立てることで容易に可能とする。
本発明は、このような問題に鑑みて、フローリングの一部が経年劣化で沈下した場合に、沈下し下降した部分を元の高さに戻せる方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題次のような手段によって解決される。請求項1は、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開放板片を有し、下側の開放板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開放板片は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開放板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目的の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持することを特徴とするフローリング床の補修構造である。
【0007】
請求項2は、前記の上下スライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開放板片は前記下側の開放板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造である。
【0008】
請求項3は、前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有することを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造である。
【0009】
請求項4は、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開放板片を有し、下側の開放板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開放板片は長ネジ棒と螺合しない上下スライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開放板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目的の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持するので、フローリング床板の沈下した部分を元の高さに戻すことができる。
【0011】
請求項2のように、前記の上下スライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開放板片は前記下側の開放板片に連動して回転する構造であるので、上下二重の丈夫な支持手段にフローリング床板の下降部を載せて支持できる。
【0012】
請求項3のように、前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有するので、各開閉板片を容易に軽い力で曲げて水平な支持板を形成することが出来る。
【0013】
請求項4のように、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の前後と左右の開閉板片が開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持する方法になっているので、フローリング床板の一部が経年劣化で沈下しても容易に補修できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フローリング床を示す斜視図である。
図2】フローリング床の補修部を支持するために立てるオネジ棒を示す平面図と側面図である。
図3】操作板を示す上面図と側面図と下面図と断面図である。
図4】スライド筒を示す側面図と下面図と断面図である。
図5】メネジ筒を示す上面図と側面図と断面図である。
図6】操作板とスライド筒とメネジ筒との組立方を順次示した断面図である。
図7】上下の開閉板片が段々と開いて行く過程を示す断面図である。
図8】組立て完了状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明によるフローリング床の補修方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1から図8は本発明の全容を順次説明する図である。図1は、コンクリート床の上にフローリング床を施工した斜視図であり、フローリング床に、図2のような長ネジ棒9を鉛直に挿通してある。この長ネジ棒9で沈下したフローリング床部分を支持し支えるので、長ネジ棒9の尖った下端が当接する箇所はコンクリート床のような硬い強固な部分が必要である。
【0016】
このフローリング床を補修する装置を手動操作する操作板11は、図3のように細長い板であり、下面に円筒12を接着固定し、円筒12の下端に凸部13を形成してある。この円筒12の下方に配置されるスライド筒14の下端外周には、開閉板片15…が開閉可能に
取り付け支持してある。上端面には、前記凸部13が勘入する凹部16を形成してある。なお、メネジ山は有しない。
図5のように、雌ネジ筒17の上端外周には開閉板片18…の下端の曲げ筋19寄りが支持してある。この雌ネジ筒17には、断面図(3)のように雌メネジ山20が形成して有る。
【0017】
以上の各部品が図6乃至図8のようにして組立てられる。すなわち、雌ネジ筒17、スライド筒14、円筒12及び操作板11の順に組立てられる。なお、図のように先に長ネジ棒9を立てて上端から雌ネジ筒17を嵌め込んで、-ドライバーFで回転操作する。そして、雌ネジの下筒17を所定の高さに移動し、次に、その開閉板片18…の上端に、上側の開閉板片15…の下端を従動回転するように漣動式に凹凸で連結する。最後に円筒12を嵌め込んでから、操作板11を段々と繰り返し押し下げて、上下の開閉板片15…、18…を徐々に押し開いて図8のように四方に広げ、二重の支持板として機能させる。最後に図8のように、-ドライバーFを抜いて、円筒12と操作板11を除去してから、沈下下降するフローリング床部Aを載せて支持し、完了である。なお、穴や窪んだ部分にはパテを埋めたり専用のキャップで埋める。
なお、図の長ネジ棒9の上部を別体の逆ネジ棒にすると共に両雄ネジ棒を前記と同様な凹凸で連結し、スライド筒14を雌ネジ筒にすると、-ドライバーFで雄ネジ棒を回転させ、ネジの動きで上下の開閉板片15…、18…を均等にかつ連続的に解放でき、操作板11を段々に押し下げる操作は不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
フローリング床の経年劣化で沈下した部分を簡単容易な操作で元の状態に戻せる修理方法や修理構造であり、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端近傍に高さ調節具を取り付けて、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せるので、フローリング床板の沈下下降した部分を元の高さに戻すことができる。
【符号の説明】
【0019】
9 長ネジ棒
11操作板
12円筒
13 凸部
14スライド筒
15…開閉板片
16凹部
17 雌ネジ筒
18…開閉板片
20 メネジ山
A沈降下降するフローリング床部
【手続補正書】
【提出日】2022-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持することを特徴とするフローリング床の補修構造。
【請求項2】
前記のスライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造。
【請求項3】
前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有することを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造。
【請求項4】
長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローリング床の一部が経年劣化で位置ずれしたりして下降した部分を元の高さに戻す補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中古の集合住宅などにおいて、フローリング床が経年劣化で下降した場合、その上を歩いたり家具を置いたりすると、さらに下降するなどの不都合を来す。その場合、下降した部分を早めに補修して元の正常な高さに戻せると好都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4578561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の内容は、通常使用で生じる外力による床板の移動を規制するが,床板の膨張,収縮等が生じた時には床板の移動を許容し得る状態で根太等の支持材上に床板を固定することができる床板固定具を提供する。技術的には、幅方向の両側面それぞれに,長さ方向にスリットが形成された床板4を固定する床板固定具1であり,隣接配置された2枚の床板のそれぞれの側面に形成されたスリットに挿入される架橋片3と,この架橋片の幅方向における中間位置より床板表裏面方向に突出し床板両側面間に挟持されるスペーサ片2を可撓性合成樹脂材料で断面略十字状に一体形成され,前記スペーサ片を貫通する釘孔21を形成すると共に,前記床板の側面と接触する前記スペーサ片の側面に,前記スペーサ片2の前記床板側面の長さ方向に直交する方向に,所定間隔で列条を成す凸条を複数形成する構成である。
しかしながら、中古フローリングの補修に関する技術は見当たらない。
【0005】
前記のように経年劣化して、フローリングの一部が下降した場合に、下降した部分だけを元の高さに戻せると、好都合である。しかし、現地に行ってから、寸法を測定したり加工するのは効率が悪い。そこで本発明は、下降した高さに応じて予め加工した雄ネジ棒を用い、追加する高さ調節具を組み立てることで容易に可能とする。
本発明は、このような問題に鑑みて、フローリングの一部が経年劣化で沈下した場合に、沈下し下降した部分を元の高さに戻せる方法を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題次のような手段によって解決される。請求項1は、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持することを特徴とするフローリング床の補修構造である。
【0007】
請求項2は、前記のスライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転する構造であることを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造である。
【0008】
請求項3は、前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有することを特徴とする請求項1に記載のフローリング床の補修構造である。
【0009】
請求項4は、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持する方法であることを特徴とするフローリング床の補修方法である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を前記支持板に載せて支持するので、フローリング床板の沈下した部分を元の高さに戻すことができる。
【0011】
請求項2のように、前記のスライド筒とかみ合う操作板付きの円筒を有し、前記上側の開閉板片は前記下側の開閉板片に連動して回転する構造であるので、上下二重の丈夫な支持手段にフローリング床板の下降部を載せて支持できる。
【0012】
請求項3のように、前記開閉板片が水平に開く根元側には、曲げやすいような曲げ筋を有するので、各開閉板片を容易に軽い力で曲げて水平な支持板を形成することが出来る。
【0013】
請求項4のように、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端に取り付ける高さ調節具は、上下一対の開閉板片を有し、下側の開閉板片は前記長ネジ棒と螺合する雌ネジ筒の前後と左右の外壁に立設し、上側の開閉板片は長ネジ棒と螺合しないスライド筒の前後と左右の外壁に立設し、前記の上下一対の前後と左右の開閉板片が四方にかつ水平に開いて四方向の互いに重なった二重の支持板となり、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を上下二重の支持板に載せて安定支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フローリング床を示す斜視図である。
図2】フローリング床の補修部を支持するために立てるオネジ棒を示す平面図と側面図である。
図3】操作板を示す上面図と側面図と下面図と断面図である。
図4】スライド筒を示す側面図と下面図と断面図である。
図5】メネジ筒を示す上面図と側面図と断面図である。
図6】操作板とスライド筒とメネジ筒との組立方を順次示した断面図である。
図7】上下の開閉板片が段々と開いて行く過程を示す断面図である。
図8】組立て完了状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明によるフローリング床の補修方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1から図8は本発明の全容を順次説明する図である。図1は、コンクリート床の上にフローリング床を施工した斜視図であり、フローリング床に、図2のような長ネジ棒9を鉛直に挿通してある。この長ネジ棒9で沈下したフローリング床部分を支持し支えるので、長ネジ棒9の尖った下端が当接する箇所はコンクリート床のような硬い強固な部分が必要である。
【0016】
このフローリング床を補修する装置を手動操作する操作板11は、図3のように細長い板であり、下面に円筒12を接着固定し、円筒12の下端に凸部13を形成してある。この円筒12の下方に配置されるスライド筒14の下端外周には、開閉板片15…が開閉可能に取り付け支持してある。上端面には、前記凸部13が勘入する凹部16を形成してある。なお、メネジ山は有しない。
図5のように、雌ネジ筒17の上端外周には開閉板片18…の下端の曲げ筋19寄りが支持してある。この雌ネジ筒17には、断面図(3)のように雌メネジ山20が形成して有る。
【0017】
以上の各部品が図6乃至図8のようにして組立てられる。すなわち、雌ネジ筒17、スライド筒14、円筒12及び操作板11の順に組立てられる。なお、図のように先に長ネジ棒9を立てて上端から雌ネジ筒17を嵌め込んで、-ドライバーFで回転操作する。そして、雌ネジの下筒17を所定の高さに移動し、次に、その開閉板片18…の上端に、上側の開閉板片15…の下端を従動回転するように漣動式に凹凸で連結する。最後に円筒12を嵌め込んでから、操作板11を段々と繰り返し押し下げて、上下の開閉板片15…、18…を徐々に押し開いて図8のように四方に広げ、二重の支持板として機能させる。最後に図8のように、-ドライバーFを抜いて、円筒12と操作板11を除去してから、沈下下降するフローリング床部Aを載せて支持し、完了である。なお、穴や窪んだ部分にはパテを埋めたり専用のキャップで埋める。
なお、図の長ネジ棒9の上部を別体の逆ネジ棒にすると共に両雄ネジ棒を前記と同様な凹凸で連結し、スライド筒14を雌ネジ筒にすると、-ドライバーFで雄ネジ棒を回転させ、ネジの動きで上下の開閉板片15…、18…を均等にかつ連続的に解放でき、操作板11を段々に押し下げる操作は不要となる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
フローリング床の経年劣化で沈下した部分を簡単容易な操作で元の状態に戻せる修理方法や修理構造であり、長ネジ棒を現地に応じた長さに切断して立て、その上端近傍に高さ調節具を取り付けて、目標の高さに調節した後に、フローリング床板の補修部を載せるので、フローリング床板の沈下下降した部分を元の高さに戻すことができる。
【符号の説明】
【0019】
9 長ネジ棒
11 操作板
12 円筒
13 凸部
14 スライド筒
15… 開閉板片
16 凹部
17 雌ネジ筒
18… 開閉板片
20 メネジ山
A 沈降下降するフローリング床部