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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131096
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】電気掃除機システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/10 20060101AFI20230913BHJP
   A47L 9/16 20060101ALI20230913BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
A47L9/10 D
A47L9/16
A47L5/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171854
(22)【出願日】2022-10-26
(62)【分割の表示】P 2022035496の分割
【原出願日】2022-03-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有輝
(72)【発明者】
【氏名】福元 大地
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AG02
3B062AH05
(57)【要約】
【課題】集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃を回収可能な電気掃除機システムSの実現。
【解決手段】電気掃除機システムSは、電気掃除機1が、第一電動送風機14を有する本体部10と第一集塵部50とを備えたものであり、第一集塵部50が、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52と、集塵空間排気部80を有するとともに第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵容器52の底部の開口部を開閉可能な開閉部52cと、構造体54と第一電動送風機14との間に配されるフィルタとを有し、構造体54が、集塵空間排気部80を有する第一内筒60を開口部に向けて延び、塵埃回収装置100が、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するものであり、第二集塵部110と、吸引力を発生させる第二電動送風機120とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機、及び塵埃回収装置を備えたものであって、
前記電気掃除機が、吸引力を発生させる第一電動送風機を有する本体部と、塵埃が集塵される第一集塵部と、を備えたものであり、
前記第一集塵部が、集塵部流入口を有する第一集塵容器と、集塵空間排気部を有するとともに、前記第一集塵容器との間に集塵空間を構成する構造体と、前記第一集塵容器の底部の開口部を開閉可能な開閉部と、前記構造体と前記第一電動送風機との間に配されるフィルタと、を有するものであり、
前記構造体が、前記集塵空間排気部を有する第一内筒を前記開口部に向けて延びるように形成したものであり、
前記塵埃回収装置が、前記電気掃除機の前記第一集塵部から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部と、吸引力を発生させる第二電動送風機と、を備えたものであることを特徴とする、電気掃除機システム。
【請求項2】
前記電気掃除機又は前記塵埃回収装置が、前記開閉部を開状態とする開手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気掃除機システム。
【請求項3】
前記第一集塵部は、前記開閉部が閉じた状態でロックするロック部を前記開閉部または前記第一集塵容器のいずれかに有し、
前記塵埃回収装置は、前記ロック部に当接することでロックを解除する開手段を備え、
前記開閉部は、前記開手段により前記ロック部のロックが解除されると開状態となる、請求項1または2に記載の電気掃除機システム。
【請求項4】
前記ロック部は、閉状態の前記開閉部の回動軸とは反対側に位置することを特徴とする、請求項3に記載の電気掃除機システム。
【請求項5】
前記塵埃回収装置及び前記電気掃除機の一方側に前記開手段としての当接部が設けられ、他方側に被当接部が設けられたものであり、
前記開閉部は、前記当接部が前記被当接部に当接することを条件として開くものであることを特徴とする、請求項2に記載の電気掃除機システム。
【請求項6】
前記フィルタが配される収容空間が、前記第一内筒と連通するとともに、前記開閉部を開いた状態において前記第一内筒と前記第二集塵部とが連通することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項7】
前記電気掃除機には、前記集塵空間に流入する空気を調整するための開閉可能な開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項8】
前記電気掃除機には、前記本体部のうち前記集塵部流入口と対向する開口を開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項9】
前記電気掃除機には、前記集塵部流入口を開閉可能な開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項10】
前記電気掃除機は、前記本体部と連通する吸込具を備え、
前記吸込具の吸込口から前記集塵部流入口のどこかに、開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項11】
前記塵埃回収装置に前記開手段としての当接部が設けられ、
前記電気掃除機に被当接部が設けられたものであり、
第1当接部が第1被当接部に当接することで、前記開閉部が閉じた状態でロックするロック部をロック解除するとともに、第2当接部が第2被当接部に当接することで、前記開閉部が開状態となる、請求項2に記載の電気掃除機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生させ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機が提供されている。この電気掃除機は、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものとされている。前述の特許文献に開示されている電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、ファンモータの気流によって弁を開くことで、掃除機本体側のダストケースから設置台側のダストケースにゴミを排出できるものとされている。また、特開2016-26686号公報に開示されているように、内筒から排気されて排気経路上を流れる空気を更に濾過するエアフィルタが配されるサイクロン集塵装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-283327号公報
【特許文献2】特開2016-26686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献に開示されている電気掃除機のような構成とした場合は、循環する気流によって塵埃を設置台側のダストケースに回収することができるものの、ダストケースから排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃まで回収することは難しい。
【0005】
そこで本発明は、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃を回収することが可能な電気掃除機システムSを実現することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の電気掃除機システムは、電気掃除機、及び塵埃回収装置を備えたものであって、前記電気掃除機が、吸引力を発生させる第一電動送風機を有する本体部と、塵埃が集塵される第一集塵部と、を備えたものであり、前記第一集塵部が、集塵部流入口を有する第一集塵容器と、集塵空間排気部を有するとともに、前記第一集塵容器との間に集塵空間を構成する構造体と、前記第一集塵容器の底部の開口部を開閉可能な開閉部と、前記構造体と前記第一電動送風機との間に配されるフィルタと、を有するものであり、前記構造体が、前記集塵空間排気部を有する第一内筒を前記開口部に向けて延びるように形成したものであり、前記塵埃回収装置が、前記電気掃除機の前記第一集塵部から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部と、吸引力を発生させる第二電動送風機と、を備えたものであることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の電気掃除機システムは、電気掃除機の第一集塵部を構成する第一集塵容器の底部に設けられた開口部を、開閉部によって開閉可能としたものである。また、電気掃除機システムは、電気掃除機の第一集塵部から塵埃を回収するための塵埃回収装置を備えており、第二電動送風機により吸引力を発生させて塵埃を第二集塵部に集塵可能なものとされている。さらに、電気掃除機システムにおいては、構造体が、集塵空間排気部を有する第一内筒を、第一集塵容器の底部の開口部に向けて延びるように形成したものとされている。そのため、電気掃除機システムは、開手段によって第一集塵容器の底部に設けられた開閉部を開いた状態において塵埃回収装置に設けられた第二電動送風機を作動させることにより、構造体をなす第一内筒を介してフィルタに吸引力を作用させ、第二集塵部側に吸引することができる。従って、電気掃除機システムは、第一集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上述した課題を解決した電気掃除機システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機システムを示す側面図である。
図2図1に示した電気掃除機システムの断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4図1に示した電気掃除機において第一電動送風機が収容された部分を露出させた状態を示す要部拡大図である。
図5】第一電動送風機を示した図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
図6図1のA-A断面図である。
図7】開閉部を閉状態とした電気掃除機について、第一集塵部近傍を拡大視した斜視図である。
図8】開閉部を開状態とした電気掃除機について、第一集塵部近傍を拡大視した斜視図である。
図9】掃除機本体に装着される集塵部を示す断面図である。
図10図9の集塵部を示す斜視図である。
図11図9の集塵部を示す分解斜視図である。
図12図9の集塵部において外筒の内部に第一内筒を配した状態を示す斜視図である。
図13図9の集塵部を構成する第一内筒を示す斜視図である。
図14図9の集塵部が備える第二内筒を示す分解斜視図である。
図15図2のB部拡大図である。
図16】集塵回収装置の蓋を外した状態を示す斜視図である。
図17】受部を示す斜視図である。
図18図2のC部拡大図である。
図19】開閉部にロック部を設けた構成の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機システムSについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、電気掃除機システムSの全体構成について概略を説明した後、要部についてさらに詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りの無い限り上下方向、幅方向、前後方向等の位置関係については、図1に示すように電気掃除機1を立設させた状態を基準として説明する。また、以下の説明においては、特に断りのない限り、図1に示した状態における上下方向(電気掃除機1の長手方向)を第一方向、第一方向に対して交差する方向(図示例では水平方向)を第二方向と称す。また、図1に示した状態における水平方向のうち、第二方向として説明したものとは異なる方向として区別して説明する必要があるものについては第三方向と称して説明する。
【0011】
≪電気掃除機システムSの全体構成について≫
図1図2に示すように、電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えている。また、本実施形態の電気掃除機システムSは、スタンド200を備えているが、塵埃回収装置100の一部としてスタンド200が含まれていてもよい。電気掃除機システムSは、電気掃除機1をスタンド200にセットした状態において、電気掃除機1に集められた塵埃を塵埃回収装置100に回収できるものとされている。以下、電気掃除機システムSを構成する各部の構成についてさらに詳細に説明する。
【0012】
≪電気掃除機1の全体構成について≫
図1図5等に示すように、電気掃除機1は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機1は、例えば、充電式のものや、電源コードを介して外部電源から電力を得るものとすることができる。図1図2に示すように、電気掃除機1は、本体部10、第一集塵部50、延長管180、及び吸込具190を備えている。
【0013】
本体部10は、電気掃除機1の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、図2に示すように、本体部10は、筐体をなす本体ケース12の内部に、空気を吸引して気流を発生させるための第一電動送風機14やその他の電子部品を駆動する駆動回路、その他の部品等を備えている。
【0014】
また、本体部10は、バッテリー収容部15と、ハンドル部16と、制御部17とを備えている。バッテリー収容部15には、バッテリー15aが収容されている。バッテリー15aは、第一方向にスライドさせることにより、本体部10の外部から着脱可能とされている。ハンドル部16は、電気掃除機1の使用者が本体部10を把持するために設けられた部分である。電気掃除機1は、例えばハンドル部16により構成された開口部分に使用者が親指を除く指を通す等することにより、本体部10を把持できる構成とされている。また、制御部17は、電気掃除機1の動作制御を行うものである。制御部17をなす電子基板は、本体部10の内部に収容されている。
【0015】
また、本体部10には、延長管180又は吸込具190を接続するための吸込口38yを備えた管部38xが設けられている。吸込口38yは、本体部10の下端側(第一方向の一方側)に開口するように形成されている。また、管部38xは、第一方向に対して交差する第二方向において、第一集塵部50と並ぶように配されている。
【0016】
第一集塵部50は、電気掃除機1により吸引された塵芥が集められる部分である。第一集塵部50は、本体部10に対して連続するように設けられている。具体的には、第一集塵部50は、本体部10の軸線方向(第一方向)と直交する方向に、管部38xと並ぶよう配される。第一集塵部50は、電気掃除機1において特徴的な構成を備えているため、具体的な構造については後に詳述する。
【0017】
延長管180は、本体部10と吸込具190とを着脱可能に接続する筒状の部材である。延長管180は、一端側が本体部10に設けられた吸込口38yに差し込み可能な形状とされ、他端が吸込具190に対して接続可能な形状とされている。延長管180を介して本体部10と吸込具190とを接続することにより、吸込具190から本体部10に至る一連の連通した経路(風路)を形成できる。
【0018】
吸込具190は、本体部10の吸込口38yに対して直接的、あるいは延長管180を介して間接的に接続されるものである。吸込具190は、吸込口192及び継手部194を有する。吸込口192は、底面に向けて開口している。また、継手部194は、吸込口38yあるいは延長管180に接続可能とされている。吸込具190についても、特徴的な部分については、後に詳細に説明する。
【0019】
電気掃除機1は、大略、上述したような構成とされている。電気掃除機1は、これを構成する各部のレイアウト、ハンドル部16及び第一集塵部50の構造等について、特徴的なものとされている。以下、これらの特徴的な構成について、さらに詳細に説明する。
【0020】
≪ハンドル部16の構成について≫
本体部10において、第一方向(図1における上下方向。電気掃除機1の長手方向。)の一方側(図1の下方側)に向けて本体ケース12が延びるように形成されているのに対し、ハンドル部16は、第一方向の他方側(図1の上方側)に向けて延びるように形成されている。図1図4に示すように、ハンドル部16は、第一延伸部16a、第二延伸部16b、湾曲部16c及び操作部16eを備える。本体部10(本体ケース12)とハンドル部16との間に開口部16dは形成されている。
【0021】
第一延伸部16aは、ハンドル部16において第一方向に延びる部分である。第一延伸部16aは、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側(図示例では上方側)から第一方向に向けて延びている。第一延伸部16aの大きさは、適宜設定することが可能であるが、本実施形態では把持のしやすさ等を考慮して6cm以上10cm以下の範囲の大きさとされている。
【0022】
第二延伸部16bは、第一方向と直交する第二方向(図示例では水平方向)に延びる部分である。第二延伸部16bについても、第一延伸部16aと同様に、適宜の大きさとすることが可能であるが、本実施形態では把持のしやすさ等を考慮して6cm以上10cm以下の範囲の大きさとされている。また、本実施形態では、第二延伸部16bは、第一延伸部16aと同一の大きさとされている。これにより、ハンドル部16は、第一延伸部16a及び第二延伸部16bのいずれを把持しても同様の使用感で使用できるものとされている。
【0023】
湾曲部16cは、第一延伸部16aと第二延伸部16bとを接続する湾曲した形状の部分である。ハンドル部16は、湾曲部16cを設けることにより、第一延伸部16aと第二延伸部16bとの境界部分がアール状に湾曲しつつ、第一延伸部16aから第二延伸部16bにかけて段差等なく、連続的に繋がった形状とされている。これにより、ハンドル部16は、第一延伸部16a及び第二延伸部16bの一方を把持した状態において、手をハンドル部16に沿って滑らせることにより、第一延伸部16a及び第二延伸部16bの他方側に把持位置を変更することができる。すなわち、ハンドル部16は、手を離すことなく、把持形態の変更を行える。
【0024】
開口部16dは、ハンドル部16において、第一延伸部16a、第二延伸部16b、及び湾曲部16cと、本体ケース12との間に形成された開口領域である。開口部16dは、ハンドル部16を把持する際に手を指し入れるために使用できる。開口部16dは、第一方向(図1の上下方向)において、第一電動送風機14よりも他方側(図1の上方側)に存在している。
【0025】
操作部16eは、電気掃除機1の運転操作等を行うために設けられたものである。操作部16eは、各種のスイッチ等を備えたものとすることができる。操作部16eは、第一延伸部16a、第二延伸部16b、及び湾曲部16cのいずれに設けられていても良いが、本実施形態では通常の使用形態において把持される可能性の高い第一延伸部16aに設けられている。操作部16eは、第一延伸部16aをなす部分のうち、いずれの箇所に設けられていても良い。本実施形態では、操作部16eは、使用時に親指で操作しやすいように、開口部16dとは反対側を向く面に設けられている。
【0026】
≪バッテリー15aについて≫
バッテリー15aは、本体部10の軸線方向と直交する方向(第二方向)に、第一電動送風機14と並ぶよう配される。別の表現をすれば、第一電動送風機14とバッテリー収容部15とが本体部10の軸線方向(第一方向)と直交する方向(第二方向)に並ぶよう配される。また、第一方向から見て、バッテリー15aは、少なくとも一部において第一集塵部50とオーバーラップするように配されている。
【0027】
≪制御部17について≫
制御部17は、本体部10の内部において、第一電動送風機14を基準として、バッテリー15aとは反対側に配されている。すなわち、制御部17は第一電動送風機14に対して第二方向の一方側(電気掃除機1の正面側)に配され、バッテリー15aは第一電動送風機14に対して第二方向の他方側(電気掃除機1の背面側)に配されている。制御部17は、第一方向において、本体部10をなす管部38x(吸込口38y)の投影領域内に存在している。また、制御部17は、第一方向において、ハンドル部16の開口部16dより他方側(図1において下方側)の領域に配されている。
【0028】
≪第一電動送風機14について≫
図4図6に示すように、第一電動送風機14は、ケース体14aによって覆われた状態で本体部10の内部に収容されている。ケース体14aは、周面14bに排気開口14xを備えている。排気開口14xは、第一方向(上下方向)に対して交差する水平方向であって、第二方向(電気掃除機1の前後方向)に直交する第三方向(電気掃除機1の左右方向)の一方側(図示例では電気掃除機1の右側面の方向)に存在している。これに対し、本体部10の外周部に設けられた外部排気開口10xは、第三方向の他方側(図示例では電気掃除機1の左側面の方向)に設けられている。すなわち、ケース体14aに設けられた排気開口14xは、本体部10に設けられた外部排気開口10xに対して、第三方向において反対側に設けられている。
【0029】
また、上述したように、第一電動送風機14に対して第二方向(電気掃除機1の前後方向)に外れた位置に制御部17が設けられている。すなわち、排気開口14xに対して周方向に所定量(本実施形態では約90度)離れた位置に、制御部17が設けられている。また、制御部17からさらに周方向に所定量(本実施形態では約90度)離れた位置に、外部排気開口10xが設けられている。そのため、排気開口14xから外部排気開口10xに至る経路の途中に、制御部17が配置されている。これにより、第一電動送風機14から排出される排気風は、制御部17を通過する経路で本体部10の外部に排気される。また、排気開口14x及び外部排気開口10xは、第三方向から見て少なくとも一部においてオーバーラップするように配されていてもよいし、ズレていてもよい。
【0030】
また、第一電動送風機14は、その中心位置が、第一集塵部50の第一方向(電気掃除機1の長手方向。図1に示す姿勢において上下方向)に沿う方向に延びる中心軸線を基準として、第一方向に対して交差する第二方向(図1に示す姿勢において水平方向)においてバッテリー15aが存在する側とは反対側に外れた位置に存在している。
【0031】
≪第一集塵部50の構成について≫
以下、第一集塵部50について、図1図3や、図7図14等を参照しつつ詳細に説明する。第一集塵部50は、本体部10に対して着脱可能に設けられている。第一集塵部50は、いわゆるサイクロン式の集塵装置とされている。すなわち、第一集塵部50は、第一電動送風機14を作動させることにより吸引された空気を第一集塵容器52に導入し、第一集塵容器52内で旋回気流を形成した後、空気を排出させる過程において空気中に含まれている塵埃を集塵できるものとされている。また、第一集塵部50は、いわゆる単段あるいは複数段の分離方式のものを採用できるが、本実施形態では単段式の分離方式を採用したものとされている。
【0032】
図1図3に示すように、第一集塵部50は、本体部10に対して第一方向(電気掃除機1の長手方向)の一方側(下方側)に配される。第一集塵部50は、第一集塵容器52(外筒)、及び構造体54を有し、これらの間に集塵空間56が形成されたものである。第一集塵部50は、集塵空間56内に導入された空気を、構造体54と第一集塵容器52との間で旋回する旋回気流を形成可能なものとされている。第一集塵部50は、本体部10において第一電動送風機14の下方側の位置に着脱可能とされている。例えば、第一集塵部50は、底部側が管部38xに係止され、上部側が本体ケース12とロックまたはロック解除となるロックボタン52jが設けられる構成であってもよいし、底部側が管部38xとロックまたはロック解除となるロックボタンが設けられ、上部側が本体ケース12と係止する構成であってもよい。
【0033】
図7図9等に示すように、第一集塵容器52は、塵埃を内部に堆積するための容器である。第一集塵容器52は、中空の筒体とされている。これにより、第一集塵部50は、第一集塵容器52の内部に集塵空間56を形成する第一集塵室52aを備えたものとされている。第一集塵容器52は、軸心方向の他方側(上方側)が開口されている。また、第一集塵容器52は、第一集塵室52aの下端側に、廃棄口52b、及び開閉部52cを有する。
【0034】
第一集塵容器52は、軸心方向の一方側(下方側)に廃棄口52b(開口部)を有する。廃棄口52bは、第一集塵室52aから塵埃を廃棄可能とするための開口である。廃棄口52bは、第一集塵室52aの下端部において開口している。また、開閉部52cは、第一集塵室52aの底部において廃棄口52bを閉塞可能である。そのため、開閉部52cを開状態とすると、廃棄口52bを介して第一集塵室52aに溜まった塵埃を廃棄できる。開閉部52cの一例として、蓋又は弁が考えられるが、本実施形態では廃棄口52bを閉塞可能な蓋が開閉部52cとされている。開閉部52cは、回動軸52eを中心として回動可能なように、第一集塵室52a(第一集塵容器52を構成する外筒)に対して接続されている。開閉部52cは、回動軸52eより一方側の領域に被当接部52fを有し、他方側の領域に閉塞部52gを有する。
【0035】
被当接部52fは、後に詳述する受部130に設けられた当接部152が当接可能なものである。また、閉塞部52gは、廃棄口52bを閉塞する部分である。開閉部52cは、回動軸52eよりも被当接部52f側の部分において、付勢部材52h(本実施形態ではトーションバネ)によって付勢されている。これにより、閉塞部52gが廃棄口52bを閉じる方向に付勢されている。また、開閉部52cは、被当接部52fに当接部152を当接させる等して、付勢部材52hによる付勢力に反するように被当接部52fに力を作用させることにより、閉塞部52gが廃棄口52bから離反するように閉塞部52gを回動させ、廃棄口52bを開くことができる。なお、廃棄口52bは、第一集塵容器52の軸心方向に対して垂直な開口面としているが、第一集塵容器52の軸心方向に対して傾斜した開口面であってもよい。例えば、廃棄口52bの開口面は、回動軸52eから遠ざかるに従い、第一集塵容器52の軸心方向の一方側又は他方側に向かうよう傾斜していればよい。これにより、第一集塵室52a内の塵埃が塊となり易くなるため、塵埃回収装置100によって吸引がし易くなる。
【0036】
なお、ここでは当接部152が被当接部52fに当接することで、開閉部52cを開く構成を例に説明したが、これに限定するものではない。すなわち、付勢部材52hで付勢しない構成とし、図19に示すように開閉部52c(閉塞部52g)が第一集塵容器52の廃棄口52bを閉じた状態でロックするロック部を開閉部52c(閉塞部52g)または第一集塵容器52のいずれかに設け、ロック解除で開閉部52cが開く構成とするとともに、そのロック部に当接可能な当接部152Aを当接部152に代えて受部130に設け、当接部152Aがロック部に当接することでロック解除となるようにしてもよい。この場合、当接部152Aが当接する被当接部52f1をロック部が有することになる。なお、図19に示すように、ロック部は、回動軸によって回動する構成であることが好ましい。なお、図19では、開閉部52cの回動軸52eは図示していないが、ロック部とは反対側に位置している。
【0037】
他に、上述のように付勢部材52hで付勢された開閉部52cを前提として、当接部152が被当接部52fに当接する構成に加えて、開閉部52c(閉塞部52g)が第一集塵容器52の廃棄口52bを閉じた状態でロックするロック部に当接可能な当接部152Aを受部130に設ける構成であってもよい。この場合、当接部152が被当接部52fに当接するより先に、当接部152Aがロック部(被当接部52f1)に当接することが好ましい。このようにすれば、開閉部52cをスムーズに開くことができる。一方、開閉部52cが廃棄口52bを閉じる場合についても、開閉部52cから当接部152が離れ、開閉部52cが付勢により廃棄口52bを閉じてから、ロック部から当接部152Aが離れ、開閉部52cをロックすることが好ましい。そのように、当接部152より当接部152Aの長さが長くなるよう、適切に設計されていることが好ましい。閉塞部52gに開口を設けるとともに、当該開口を開閉可能に閉塞部52gに回動可能に弁や蓋を設けた構成としてもよい。この場合、当接部152と被当接部52f,52f1とによって前述の弁や蓋を開く操作を機構的に行える。
【0038】
図10図11等に示すように、第一集塵容器52は、周部に集塵部流入口52x(流入口)を有する。集塵部流入口52xは、吸込口38yから管部38xの内部に形成された風路内に吸引された空気を第一集塵容器52の内部に流入させるための入口となる部分である。集塵部流入口52xは、管部38xの端部に設けられた開口に相当する位置に設けられ、例えば第一集塵容器52の第一方向(軸線方向)の中間部に位置する。そのため、第一集塵部50を本体部10に取り付けることにより、集塵部流入口52xと管部38xの内部に形成された風路とを連通させることができる。また、集塵部流入口52xは、管部38xの内部に形成された風路から排出された空気を第一集塵容器52の内周面の接線方向に向けて集塵空間56の内部に導入可能とされている。そのため、集塵部流入口52xから集塵空間56の内側に導入された空気は、第一集塵容器52の内周面に沿って流れる旋回流を形成する。
【0039】
図9図11に示すように、構造体54は、第一集塵容器52の内部に配される部材である。構造体54は、第一集塵容器52との間に空気が流入する集塵空間56を構成する部材である。構造体54は、第一集塵容器52と軸心位置が略一致するように配されている。構造体54は、軸線方向一方側(図中上方側)から他方側(図中下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成された部分(後述のテーパー部70)を有する。構造体54は、第一内筒60(内筒)及び一側筒部64を有するとともに、必須の構成ではないが接続体62をさらに有する。第一内筒60は、一側筒部64と接続されるが、接続体62が設けられる場合は一側筒部64及び接続体62の少なくとも一方と接続される。
【0040】
図9図12図13等に示すように、第一内筒60は、テーパー部70、及び延出部72を備えている。また、第一内筒60は、テーパー部70の外周部に第一ガイド部74、及び第二ガイド部76を備えている。また、第一内筒60は、必須の構成ではないがテーパー部70の内周部に第三ガイド部78を備えたものとされている。
【0041】
テーパー部70は、軸線方向一方側(図中上方側)から他方側(図中下方側)に向かうにつれて外形が小さくなるように形成された部分である。テーパー部70は、円錐台状に形成されており、軸線方向一方側から他方側に向かうにつれて軸心側に向けて外周面が直線的に傾斜するように形成されている。テーパー部70は、軸線方向一方側(上方側)に向けて開口する一方で、軸線方向他方側(下方側)において閉塞された閉塞部70aを備えたものとされている。
【0042】
図9に示すように、テーパー部70は、軸線方向一方側における大径部70bの外径が、第一集塵容器52の内径と略一致するように形成されている。また、大径部70bの外周面には周方向に延びる周溝70cが設けられている。テーパー部70は、周溝70cに装着されたOリング等からなる気密部材(第一気密部材70d)により、第一集塵容器52の内周面との間に形成される隙間を封止する第一封止部73を形成できる。すなわち、閉塞部70aを第一集塵容器52の底部側に向けた姿勢としてテーパー部70を第一集塵容器52の内側にセットすることにより、周溝70cに装着された第一気密部材70dと第一集塵容器52の内周面とが密接した第一封止部73が形成される。また、第一封止部73よりも軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)において、テーパー部70(第一内筒60)と第一集塵容器52との間に集塵空間56が形成される。また、第一封止部73は、集塵空間56に連通した集塵部流入口52xよりも上方側に形成される。
【0043】
テーパー部70は、上述したようにして集塵空間56を形成する機能に加え、集塵空間56から排気するための集塵空間排気部80としての機能も有する。具体的には、テーパー部70には、内外を連通するように形成された通気孔70eが周方向に多数設けられている。テーパー部70は、樹脂成形により構成されていてもよいし、メッシュ部材82で構成されてもよい。メッシュ部材82は、樹脂材料、金属材料又はこれらの組み合わせによって構成される網状のものとされている。そのため、集塵空間排気部80をなす通気孔70eを通過する空気に含まれている塵埃を、メッシュ部材82によって捕捉することができる。メッシュ部材82よりも樹脂成形の方が、テーパー部70の表面が滑らかになるため、塵埃の引っ掛かりを低減させることが可能である。
【0044】
延出部72は、テーパー部70からさらに軸線方向他方側に延びるように形成された部分であるが、本実施形態では軸線方向他方側の端部(図示例では下端部)を基端として軸線方向他方側に向けて延びている。延出部72は、集塵空間56の内部において第一集塵容器52の底部から軸線方向一方側(図示例では上方側)に離間するように形成されている。延出部72は、閉塞部70aの周囲を取り囲むように形成されている。これにより、延出部72は、上端側が閉塞部70aによって閉塞され、下端側において開口した筒状の形状とされている。閉塞部70aの周囲を取り囲むように延出部72が設けられていることにより、集塵空間56の軸心側の位置において第一集塵容器52の底部から舞い上がってきた気流や塵埃が閉塞部70aに衝突し、軸線方向に対して交差する方向に拡がり難くなる。その結果、電気掃除機1においては、気流に含まれている毛や埃などの塵埃がテーパー部70に絡みつきにくくなる。延出部72は、筒形状である。延出部72は、上端から下端に亘って同一の外形寸法を有する筒形状であるか、上端から下端に向けて外形が小さくなるテーパー状の筒形状であることが好ましい。これにより、第一ガイド部74によってガイドされて軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)に向けてスムーズに案内されてきた気流や塵埃が延出部72にて絡み付くことを抑制できる。なお、延出部72は、筒状に限定されるものではなく、軸線方向に延びる複数の延出部材が互いに間隔を空けて設けられる構成であってもよい。
【0045】
また、閉塞部70aは、中心側が外側に対して第一集塵容器52の底部に向けて凸形状となっていても良く、さらに好ましくは湾曲していても良い。これにより、集塵空間56の軸心側の位置において第一集塵容器52の底部から舞い上がってきた気流や塵埃が閉塞部70aにて延出部72に向けて移動させ易くなる。
【0046】
また、第一集塵容器52の底として一体的に形成された底部、又は第一集塵容器52の周部に設けられた支軸を介して回動可能に軸支される等して第一集塵容器52の底を開閉可能とされた蓋状の第一集塵容器52の底部には、塵埃が旋回気流により動くことを規制する複数のリブ(突起部)52dが設けられてもよい。複数のリブ52iは、構造体54に向かって延び、周方向に間隔を空けて配される。また、前述したように第一集塵容器52の底として一体的に形成された底部又は第一集塵容器52の底を開閉可能な蓋状のものには、複数のリブ52iに代えて、又は、複数のリブ52iに加えて、構造体54(閉塞部70a)に向かって延びる突出部が設けられてもよい。複数のリブ52iとともに突出部が設けられる場合には、突出部の周囲に複数のリブ52iが軸線に対して交差する方向(本実施形態では径方向)に間隔を空けて配される。また、突出部は、柱状であり、例えば、円柱状、角柱状、断面が十字の柱状、又は、構造体54側に向けてテーパー形状となった円柱状、角柱状、断面が十字の柱状とすると良い。これにより、閉塞部70aの下方に集まる塵埃が気流により動くことを抑制することができる。第一集塵容器52の底を回動により開閉可能な蓋状のものとした場合には、塵埃が突出部やリブ52iに絡まっても、塵埃の廃棄が容易である。
【0047】
図12図13に示すように、第一ガイド部74は、テーパー部70の外周側に設けられたリブ状の部分であり、第一集塵容器52の内周面に当接している。第一ガイド部74は、テーパー部70や延出部72を第一集塵容器52の底部側に向けた姿勢として構造体54を第一集塵容器52に挿入した状態において、第一集塵容器52と第一内筒60との間に配される。第一ガイド部74は、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入して第一集塵容器52の内周に沿う方向に旋回する気流を、軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部側)に案内するための案内部材として機能する。第一ガイド部74は、軸線方向の一方側から他方側(図示例では上方側から下方側)に向かうに連れて集塵部流入口52xに近づくよう延びている。第一ガイド部74の端部は、集塵部流入口52xに達していてもよい。別の表現をすると、第一ガイド部74は、軸線方向の一方側から他方側(図示例では上方側から下方側)に向かうに連れて、集塵部流入口52xに対して気流の旋回方向上流側の位置から集塵部流入口52xに向けて近づくよう延びている。なお、第一ガイド部74は、構造体54に設けられる構成を例に説明したが、第一集塵容器52の内周面に設ける構成であってもよい。この場合、第一ガイド部74は、テーパー部70(構造体54)の外周面に当接することが好ましい。
【0048】
第二ガイド部76は、第一ガイド部74と同様に、テーパー部70の外周側に設けられたリブ状の部分である。第二ガイド部76は、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入する気流を案内するためのガイド部材として機能するリブである。第二ガイド部76は、第一集塵容器52と第一内筒60との間において、軸線方向と交差し、旋回方向に沿って延びるように形成されている。第二ガイド部76は、上述した第一ガイド部74の終端部と連結されている。
【0049】
第三ガイド部78は、第一内筒60の内周側に設けられたリブ状のものである。第三ガイド部78は、第一内筒60の内部空間84の内部に配される。第三ガイド部78は、内部空間84内に複数、周方向に所定の間隔毎に設けられている。第三ガイド部78は、内部空間84の周方向一方側から他方側に延びるように形成されている。本実施形態では、構造体54を軸線方向に対して直交する平面で切断して軸線方向一方側(上方側)から見た状態において、第三ガイド部78の基端部(テーパー部70の内周面との接続部)に対して先端部(自由端)が右回り方向(旋回方向と同じ方向)に離れた位置に来るように形成されている。なお、接続体62が設けられる場合には、テーパー部70(第一内筒60)と接続体62との間で形成される内部空間84に第三ガイド部78が配される。
【0050】
接続体62は、集塵空間56の内部に流入した空気を第一集塵部50の外部に流出させるための気流流出部67として機能するものであり、必須の構成ではないが気流流出部67にフィルタを有していてもよい。また、接続体62は、第一内筒60と着脱可能に接続されていてもよく、この場合、接続体62のうち軸線方向他方側の端部が第一内筒60の内部にて接続される。図9等に示すように、接続体62は、例えば筒状の枠体で構成されている。以下では、一例として、接続体62を第二内筒62Aとして説明する。第二内筒62Aは、第一内筒60に対して内側(第一集塵部50の軸心側)に配されるものである。第二内筒62Aは、第一内筒60及び一側筒部64の双方あるいは一方に対して接続される。本実施形態では、第二内筒62Aは、第一内筒60に対して接続されている。これにより、第一内筒60と第二内筒62Aとの間には、内部空間84が形成されている。上述した第三ガイド部78は、内部空間84の内部において周方向に所定の間隔毎に複数設けられている。
【0051】
図14に示すように、第二内筒62Aは、第二内筒外枠90、第二内筒内枠92、及び第二内筒フィルタ94(フィルタ)を有する。
【0052】
第二内筒外枠90は、円筒状であって、筒軸方向の中間部に支柱部90a、開口部90bを有する。支柱部90aは、筒軸方向に延びる柱状の部分であり、第二内筒外枠90の周方向に所定の間隔毎に複数(本実施形態では4つ)設けられている。開口部90bは、第二内筒外枠90において、周方向に並ぶ支柱部90a,90aの間において開口した部分である。
【0053】
第二内筒内枠92は、第二内筒外枠90の内側に配される筒状の部材である。第二内筒内枠92は、筒軸方向の中間部に支柱部92a、開口部92bを有する。支柱部92aは、筒軸方向に延びる柱状の部分であり、第二内筒内枠92の周方向に所定の間隔毎に複数(本実施形態では4つ)設けられている。開口部92bは、第二内筒内枠92において、周方向に並ぶ支柱部92a,92aの間において開口した部分である。
【0054】
第二内筒フィルタ94は、第二内筒62Aを介して内部空間84から排出される空気に含まれている塵埃を捕捉するためのものである。第二内筒フィルタ94は、細かい孔が多数形成されたメッシュ状のものである。第二内筒フィルタ94は、第二内筒外枠90及び第二内筒内枠92に沿って湾曲させた状態とされ、第二内筒外枠90と第二内筒内枠92との間に挟み込まれる。これにより、第二内筒フィルタ94は、第二内筒62Aの壁部となると共に、第二内筒外枠90の開口部90b、及び第二内筒内枠92の開口部92bを通過しようとする空気に含まれている塵埃を捕捉可能とされている。なお、本実施形態では、第二内筒フィルタ94を配する構成としたが、設けなくてもよい。
【0055】
図9図11に示すように、一側筒部64は、上述した第二内筒62Aに対して、第一集塵容器52の底部側から離れる方向(軸線方向一方側)に設けられている。一側筒部64は、第二内筒62Aと一体的又は着脱可能に設けられ、第二内筒62Aに対して上方側に隣接する位置に設けられている。図11に示すように、一側筒部64は、拡径部64a、中間部64b、及びフィルタ配置部64cを有する。
【0056】
拡径部64aは、第二内筒62A側から上方側に連続する部分である。拡径部64aは、上方側に向かうに連れてテーパー状に拡大するように形成されている。また、中間部64bは、拡径部64aに対して軸線方向上方側に隣接する位置に設けられた部分である。中間部64bは、第一集塵容器52の軸線方向に延びるように形成されている。一側筒部64の外周面には周方向に延びる周溝64dが設けられている。一側筒部64は、周溝64dに装着されたOリング等からなる気密部材(第二気密部材64e)により、第一集塵容器52の内周面との間に形成される隙間を封止する第二封止部65を形成できる。フィルタ配置部64cは、第一集塵容器52の内径と略同一とされている。そのため、フィルタ配置部64cの外周面と、第一集塵容器52の内周面との間には、殆ど隙間が形成されていない。
【0057】
また、フィルタ配置部64cは、内周側において中間部64bとの境目をなす部分に段部64fが形成されている。この段部64fには、気密部材64jが配される環状の溝部が設けられ、第二フィルタ64hの下端部に当接することで、気密性を向上させている。フィルタ配置部64cの内側には、第一フィルタ64g、及び第二フィルタ64hが配されている。第一フィルタ64gは、例えば不織布やスポンジ等によって構成されたフィルタである。第一フィルタ64gは、段部64fの上に配されている。また、第二フィルタ64hは、プリーツ型のフィルタと、このフィルタの周囲を囲む枠体64iとを少なくとも有する。気密部材64jは、この枠体64iの下端部に当接する。また、第二フィルタ64hをなすプリーツフィルタは、第一フィルタ64gの上に配され、枠体64iは第一フィルタ64gの周囲を囲うように内部に有する。また、第二フィルタ64hは、枠体64iの上面において気密部材64kが配され、気密部材64kが吸気側構成部42aに当接することで、気密性を向上させている。なお、第二フィルタ64hのプリーツフィルタと第一フィルタ64gとが離間することで、その空間で空気が分散するため、プリーツフィルタの表面を有効に活用することができる。これにより、フィルタが早期に目詰まりを起こして吸引力が低下するという課題を解決することができる。
【0058】
≪塵埃回収装置100について≫
図15等に示すように、塵埃回収装置100は、スタンド200を構成する支柱202の背面側に配されている。塵埃回収装置100は、電気掃除機1の第一集塵部50と連通することで、電気掃除機1から塵埃を回収するものである。塵埃回収装置100は、第二集塵部110及び第二電動送風機120を含む装置本体、並びに受部130を具備している。好ましくは、電気掃除機1が塵埃回収装置100と接続された状態で、塵埃回収装置100の装置本体は、第一電動送風機14及びバッテリー15aの少なくとも一方の直下に位置している。これにより、支柱202の背面側及び電気掃除機1の下方の空間を活用することができる。また、塵埃回収装置100は、受部130に空間部132、及び支持部134を設けるとともに、連通部136を介して受部130と第二集塵部110とが連通するように接続した構成とされている。さらに、塵埃回収装置100は、受部130に電気掃除機1の第一集塵部50を配置することにより、第一集塵部50を開状態とするための開手段150を備えている。これにより、塵埃回収装置100は、第一集塵部50を開状態として第二電動送風機120の作動に伴って発生する吸引力を作用させ、第一集塵部50から連通部136を介して第二集塵部110に塵埃を回収可能なものとされている。以下、各部の構成について、さらに詳細に説明する。
【0059】
第二集塵部110は、電気掃除機1の第一集塵部50から吸引された塵埃が集塵される部分である。第二集塵部110は、内部にそのまま塵埃を集めるものや、第一集塵部50のようにサイクロン式の集塵部等とすることが可能であるが、本実施形態では紙パックを取り付けることにより紙パックの内側に塵埃を集めることができるもの(いわゆる「紙パック式」のもの)とされている。図15図16に示すように、第二集塵部110は、第二集塵容器112と、接続部114とを有する。
【0060】
第二集塵容器112は、内部に第二集塵室112aを有する中空の容器とされている。また、第二集塵容器112の内部には、塵埃回収用の紙パック(図示せず)の接続部分に設けられた台紙を挟み込んで固定するための紙パック固定部112bが設けられている。さらに、第二集塵容器112を構成する面(本実施形態では周面)において、紙パック固定部112bに対して紙パックを取り付けた状態において紙パックの台紙に設けられた開口に対応する位置には、連通孔112cが設けられている。また、第二集塵容器112は、蓋112dを着脱することによって開閉可能とされている。そのため、蓋112dを取り外して第二集塵室112aの内側に紙パックを配し、紙パックの台紙を紙パック固定部112bに固定することにより、紙パックの開口と連通孔112cとを連通させることができる。また、第二集塵容器112を構成する面(本実施形態では底面)のうち、第二電動送風機120が収容される第二電動機収容室140(送風機配置空間)との間を隔てる面には、通気孔112eが設けられている。
【0061】
接続部114は、受口114aと、接続路114bとを有する。受口114aは、受部130と第二集塵部110とを繋ぐ連通部136をなす管部136bが接続される部分である。接続路114bは、受口114aと、第二集塵容器112に設けられた連通孔112cとを、空気や塵埃が通過可能なように繋ぐ通路である。
【0062】
第二電動送風機120は、動作に伴い吸引力を発生させることができるものである。第二電動送風機120は、第二集塵部110の第二集塵容器112に対して、通気孔112eを介して連通した第二電動機収容室140に配置されている。第二電動送風機120は、第二集塵容器112に対して吸引力を作用させることができるのであれば、その配置や設置姿勢等は適宜のものとすることができる。本実施形態では、第二電動送風機120の動作に伴って、第二電動送風機120が備えるモータの径方向に振動が発生しやすい傾向にあること、及び第二電動機収容室140が塵埃回収装置100の底部側に配置されること等を考慮し、塵埃回収装置100の装置本体が配置される床との接触部分において振動音が発生するのを抑制すべく、第二電動送風機120が備えるモータの回転軸が上下方向に向くように配置されている。
【0063】
図1図3等に示すように、受部130は、電気掃除機1の第一集塵部50を受け入れるものである。具体的には、受部130は、第一集塵部50の下端側の部分が嵌合するように形成された第一集塵部用凹部130aを有する。また、図7に示すように、受部130には、本体部10のうち吸込口38yを有する筒状部の周部の一部において嵌合又は当接するように形成された延長管用凹部130bを有する。好ましくは、本体部10の上記筒状部は、段差形状を有し、その段差面10aを受部130が下方から支持していてもよい。なお、延長管用凹部130bは、延長管180が周部の一部において嵌合又は当接してもよい。さらに、受部130には、開手段150が設けられている。
【0064】
開手段150は、第一集塵部50の第一集塵室52aを開状態とするためのものである。開手段150は、第一集塵部50に設けられた開閉部52cを回動させることにより、構造的(機構的)に開状態とすることができるものである。具体的には、図18に示すように、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させた際に、開閉部52cの被当接部52fが到来する位置において、突起状に突出した当接部152が開手段150として機能するように設けられている。第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させると、第一集塵部50側の被当接部52fに対して当接部152が当接する。第一集塵部50を第一集塵部用凹部130aに嵌め込むことにより、当接部152から被当接部52fに対して、付勢部材52hの付勢力に反する方向に押圧力が作用し、開閉部52cが回動軸52eを中心に回動して開状態になる。一方、第一集塵部用凹部130aから第一集塵部50を取り外すことにより両者の嵌合が解除されると、当接部152から被当接部52fに対して作用していた押圧力が解除される。これに伴い、付勢部材52hの付勢力によって開閉部52cが閉状態に戻る。なお、開閉部52cが閉状態に戻った場合に、開閉部52cが第一集塵容器52と係止する構成としてもよい。なお、上述したように、受部130に、当接部152に代えて、または、当接部152に加えて当接部152Aを設けてもよい。
【0065】
また、受部130に設けられた空間部132は、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させることによって開状態となる開閉部52cを受け入れ可能な空間を、第一集塵部用凹部130aに対して開閉部52cの開方向(本実施形態では下方側)の位置に形成している。そのため、開閉部52cは、受部130と干渉することなく、スムーズに開閉動作を行うことができる。
【0066】
さらに、受部130には支持部134が設けられており、第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌合させることによって開状態となる開閉部52cを支持部134によって支持できるものとされている。本実施形態では、開閉部52cが開状態になると、開閉部52cが傾斜した状態になる。そのため、支持部134は、開状態となった開閉部52cに沿うように傾斜した状態で形成されている。
【0067】
受部130は、連通部136を介して第一集塵部50から第二集塵部110に向けて塵埃を吸引可能なように連通している。連通部136は、第一集塵部用凹部130aに連通した連通口136aと、連通口136aに接続された管部136bとを有する。管部136bは、ホースやパイプ等(本実施形態ではパイプ)によって構成される。連通部136は、受部130の第一集塵部用凹部130aに嵌め込むことにより開状態となった第一集塵部50と連通する。連通部136は、開状態となった開閉部52c、及び連通部136の内壁の間隔が、第一集塵部50から第二集塵部110への塵埃の吸引方向下流側に向かうにつれて狭くなるように形成されている。また、管部136bは、連通口136aとの接続側とは反対側の部分が、第二集塵部110の接続部114に設けられた受口114aに接続されている。これにより、受部130は、第二集塵部110に対して上方側において、管部136bによって支持された状態とされている。そのため、受部130の第一集塵部用凹部130aに第一集塵部50を嵌め込むことにより、受部130を介して管部136bによって電気掃除機1が支持された状態になる。また、管部136bは、受部130の延長管用凹部130bに嵌め込まれた延長管180と並んだ状態になる。そのため、延長管180の先端側に接続された吸込具190をスタンド200に配置しつつ、第一集塵部50を受部130に嵌め込んだ状態とすることにより、電気掃除機1は、並べて配置された延長管180及び管部136bによって安定的に支持された状態になる。
【0068】
≪電気掃除機システムSの制御について≫
電気掃除機システムSは、電気掃除機1が塵埃回収装置100に接続された場合に、塵埃回収装置100が動作を開始する構成とすることができる。電気掃除機1が塵埃回収装置100に接続され、電気掃除機1がスタンド200に設けられたスイッチに接触することでONになることで、塵埃回収装置100が吸引動作を開始する形態としてもよい。別の形態としては、充電機構を有するスタンド200とし、スタンド200と電気掃除機1との通電を検知した場合に、塵埃回収装置100が吸引動作を開始する形態としてもよい。この場合、充電用の配線とは別に、スタンド200の通電端子と制御部17とを通電の検知用に配線を行う構成とすればよい。
【0069】
≪変形例≫
本実施形態の電気掃除機システムSは、上述したような構成とされているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において上述したものと相違するものとすることができる。例えば、本実施形態においては、受部130に第一集塵部50を嵌め込むことにより、被当接部52fに対して自ずと当接部152が当接する構成としたものを例示したが、本発明はこれに限定されない。
【0070】
具体的には、被当接部52f及び当接部152のいずれか一方又は双方の部材を動作させるための操作部を設け、操作部の操作によって両者が当接する構成とすることが可能である。この場合、操作部は、電気掃除機1又は塵埃回収装置100のいずれかに、操作部の操作により動作させる部材とともに設けられると良い。さらに詳細には、当接部152を可動式のものとして構成としつつ、操作部を操作することにより当接部152を被当接部52fに当接させることができるものとすると良い。これにより、電気掃除機システムSのユーザが、所望のタイミングで、閉塞部52gを開いたり、第一集塵部50から第二集塵部110に塵埃を移送したりすることができる。
【0071】
また、当接部152を可動式のものとする場合、当接部152(開手段150)は、第一集塵部50側に設けても良い。例えば、当接部152を例えばシャフト状のもの等とし、閉塞部52gに対して当接部152が第一集塵容器52内側から押すことにより、閉塞部52gを開状態とできるものとすると良い。この場合、当接部152が閉塞部52gにおいて当接する位置が被当接部52f2(不図示)である。好ましくは、当接部152は、閉塞部52gのうち回動軸52eから第一集塵容器52の軸心位置より離れた位置を被当接部52f2として押す構成であると良い。閉状態で閉塞部52gが第一集塵容器52と係止する係止構造がある場合、回動軸52eよりも係止構造側を当接部152が押す構成であることが好ましい。なお、閉塞部52gに開口を設けるとともに、当該開口を開閉可能に閉塞部52gに回動可能に弁や蓋を設けた構成としてもよい。この場合、可動式かどうかに関わらず当接部152と被当接部52f,52f2とによって前述の弁や蓋を開く操作を機構的に行える。
【0072】
また、塵埃回収装置100は、装置本体と受部130を管部136bによって接続する構成としたが、これに限定されるものではない。装置本体が受部130を有する構成とし、接続路114bと接続される受部130に第一集塵部50が嵌合する高さまで、接続路114bとともに装置本体を延ばすこともできる。この場合、管部136bを別途設ける必要がない。
【0073】
また、第一集塵部50は、第一集塵容器52の底部を開口する構成であったが、側面を開口することで廃棄口を構成してもよい。この場合であっても、第一集塵容器52の側面の廃棄口側から受部130が受け入れるようにすればよく、開閉部52cは回動により斜め方向又は水平方向に開くことができる。
【0074】
なお、本実施形態の電気掃除機1は、本体部10と吸込具190とを延長管180で接続した状態で、塵埃回収装置100と接続される場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。電気掃除機1は、本体部10の吸込口38yに吸込具190が取り付けられた状態で、塵埃回収装置100と接続されるようにしてもよい。
【0075】
上述した電気掃除機システムSは、電気掃除機1の本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込み、開閉部52cを開いた状態において第二電動送風機120を作動させることにより、第一集塵部50にある塵埃のみならず、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)に付着した塵埃も吸引できる構成とすると良い。具体的には、電気掃除機1の構造体54について、延出部72を第一集塵部50の底をなす閉塞部52g(開閉部52c)に向かって延びており、好ましくは閉じられた開閉部52cの底に当接する。そして、第一内筒60に設けられていた閉塞部70aを設けない構成とする等して、閉塞部70aに相当する部分に開口を設ける。これにより、第一内筒60と延出部72とを連通させる。このような構成とすることにより、電気掃除機1の本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込み、開閉部52cを開いた状態において第二電動送風機120を作動させることにより、第二電動送風機120による吸引力が第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hにも作用し、これに付着した塵埃を除去することができるようになる。
【0076】
また、第二電動送風機120の吸引によって、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入する空気を調整するために開閉弁を設けた構成とし、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hに付着した塵埃を除去する場合にこの開閉弁を閉じ、その他の場合に開閉弁を開くようにしても良い。そのように開閉弁が閉じられれば、第二電動送風機120による吸引力で、外部排気開口10xから第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)を経て、延出部72内を通過し、塵埃回収装置100へと空気が流れ易くなるので、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)に付着した塵埃を吸引することができる。
【0077】
なお、前述の開閉弁は、吸込具190の吸込口から集塵部流入口52xのどこかに設けられればよく、好ましくは管部38xのうち集塵部流入口52xと対向する開口を開閉する開閉弁170であると良い(図3参照)。この開閉弁170は、電気的に開閉される構成であってもよいし、手動による操作で開閉される構成(例えばシャッター機構)であってもよい。開閉弁170が電気的に開閉可能なものである場合には、開閉するための操作ボタンが電気掃除機1に有ってもよいし、電気掃除機1の塵埃回収装置100への装着によって、電気掃除機1が塵埃回収装置100との間で上述の通電を検知することで閉じ、通電を検知しなくなると開くようにしてもよい。
【0078】
また、本体部10を塵埃回収装置100の受部130に嵌め込んだ状態において、閉塞部52gの周囲を取り囲むようにOリング等の気密部材160を設けることが好ましい。気密部材160は、受部130又は第一集塵容器52の底部のいずれか一方又は双方に設けると良い。
【0079】
≪電気掃除機システムS及び電気掃除機1の構成により得られる効果等について≫
以下、上述した電気掃除機システムS及び電気掃除機1により得られる効果等について、本発明の態様ごとに説明する。
【0080】
[本発明の第一の態様に係る電気掃除機について]
従来、実公昭61-47961号公報に開示されているような充電式掃除機が提供されている。この充電式掃除機は、掃除機本体にファンモータ及びファンモータに給電する充電式二次電池を設け、掃除機本体の吸込口に延長管を介して床用吸込口を接続するとともに、掃除機本体の重心位置が掃除機本体の把持部の中心よりも後部になるように構成したものとされている。
ここで、特許文献1の充電式掃除機は、把持部が形成する手を差し入れるための開口部がファンモータの回転軸を基準に二次電池と反対側に存在している。このような構成とした場合、使用者の手首に負担が掛かりやすく、操作性に劣るといった問題がある。
そこで本発明は、従来技術のものよりも操作性を向上させた電気掃除機の実現を目的とした。
(1-1)電気掃除機1は、吸引力を発生させる第一電動送風機14(電動送風機)を有する本体部10と、塵埃が集塵される第一集塵部50と、ハンドル部16と、を備え、本体部10の第一方向の一方側に第一集塵部50(集塵部)が配され、本体部10の第一方向の他方側にハンドル部16が配されており、ハンドル部16が、第一方向に延びる第一延伸部16aと、第一方向と直交する第二方向に延びる第二延伸部16bと、第一延伸部16aと第二延伸部16bとを接続する湾曲した形状の湾曲部16cと、を有するものであることを特徴とするものである。
【0081】
電気掃除機1は、ハンドル部16が、本体部10の第一方向に延びる第一延伸部16aに加え、第一方向と直交する第二方向に延びる第二延伸部16bを備えている。そのため、電気掃除機1は、使用形態等に応じて第一延伸部16a及び第二延伸部16bのいずれかを適宜把持しやすい方の延伸部を把持して使用できる。さらに、電気掃除機1は、第一延伸部16aと第二延伸部16bとを接続する部分に、湾曲した形状の湾曲部16cが設けられている。そのため、電気掃除機1は、第一延伸部16a及び第二延伸部16bのいずれか一方から他方に持ちかえる操作を、使用者の手首などに負担を掛けることなくスムーズに行える。従って、本発明によれば、操作性の高い電気掃除機1を提供できる。
【0082】
(1-2)電気掃除機1は、上記(1-1)の電気掃除機において、第一延伸部16aに操作部16eが設けられていることを特徴とするものであると良い。
【0083】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、ハンドル部16を把持した状態で容易に操作部16eを操作可能な利便性の高いものとすることができる。
【0084】
(1-3)電気掃除機1は、上記(1-1)~(1-2)の電気掃除機において、第一延伸部16aが、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側から延びていることを特徴とするものであると良い。
【0085】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14に対して第二方向に隣接する位置にハンドル部16を配する場合に比べて、第一電動送風機14を配するための空間を十分に確保することができる。
【0086】
(1-4)電気掃除機1は、上記(1-1)~(1-3)の電気掃除機において、第二方向において、第一電動送風機14と並んで配されるバッテリー15aを備えることを特徴とするものであると良い。
【0087】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14と同様に重量物であるバッテリー15aが、第一電動送風機14に対して第一の方向に外れた位置に配されるのを抑制できる。これにより、電気掃除機1は、第一の方向に亘って重量物が配されるのを抑制し、安定感が高く操作性の高いものとすることができる。
【0088】
(1-5)電気掃除機1は、上記(1-4)の電気掃除機において、第一電動送風機14の中心位置が、第一集塵部50の第一方向に沿う方向に延びる中心軸線Lを基準として、第二方向においてバッテリー15aが存在する側とは反対側に外れた位置に存在していることを特徴とするものであると良い。
【0089】
上述したように、電気掃除機1は、第一集塵部50の中心軸線Lを基準として第二方向の一方側にバッテリー15aを配しつつ、他方側に第一電動送風機14の中心位置が来るように第一電動送風機14を配したレイアウトとすることにより各部をコンパクトに配した構成とすることができる。これにより、電気掃除機1は、小型化を図ることができる。
【0090】
(1-6)電気掃除機1は、上記(1-1)~(1-5)の電気掃除機において、第一集塵部50及びバッテリー15aが、第一方向から見て少なくとも一部においてオーバーラップするように配されていることを特徴とするものであると良い。
【0091】
電気掃除機1は、上述したようなレイアウトで第一集塵部50及びバッテリー15aを配することにより、第一方向に対して交差する第二方向にコンパクトな構成とすることができる。
【0092】
(1-7)電気掃除機1は、上記(1-1)~(1-6)の電気掃除機において、第一延伸部16aの長さが、6cm以上10cm以下であることを特徴とするものであると良い。
【0093】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一延伸部16aを把持して使用しやすいものとすることができる。
【0094】
(1-8)電気掃除機1は、上記(1-1)~(1-7)の電気掃除機において、第二延伸部16bの長さが、6cm以上10cm以下であることを特徴とするものであると良い。
【0095】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第二延伸部16bを把持して使用しやすいものとすることができる。
【0096】
[本発明の第二の態様に係る電気掃除機について]
従来、実公昭61-47961号公報に開示されているような充電式掃除機が提供されている。この充電式掃除機は、掃除機本体にファンモータおよびファンモータに給電する充電式二次電池を設け、掃除機本体の吸込口に延長管を介して床用吸込口を接続するとともに、掃除機本体の重心位置が掃除機本体の把持部の中心よりも後部になるよう構成したものとされている。
【0097】
ここで、上述した従来技術の充電式掃除機は、例えば電池容量の向上等のために二次電池が大きくなった場合に、掃除機本体が大型化してしまうといった問題がある。
【0098】
そこで本発明は、バッテリーを搭載しつつ、小型化を実現可能な電気掃除機の提供を目的とした。
【0099】
(2-1)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機1は、吸引力を発生させる第一電動送風機14(電動送風機)を有する本体部10と、本体部10の第一方向の一方側に配され、塵埃が集塵される第一集塵部50と、本体部10の第一方向の他方側に配されるハンドル部16と、第一方向と直交する第二方向において、第一電動送風機14と並んで配されるバッテリー15aと、を備え、第一電動送風機14の中心位置が、第一集塵部50の第一方向に沿う方向に延びる中心軸線Lを基準として、第二方向においてバッテリー15aが存在する側とは反対側に外れた位置に存在していることを特徴とするものである。
【0100】
電気掃除機1は、第一集塵部50の中心軸線Lを基準として第二方向の一方側にバッテリー15aを配しつつ、他方側に第一電動送風機14の中心位置が来るように第一電動送風機14を配したレイアウトとされている。これにより、電気掃除機1は、バッテリー15aを搭載しつつ、各部をコンパクトに配した構成とし、小型化を図ることができる。
【0101】
(2-2)電気掃除機1は、上記(2-1)の電気掃除機において、第一集塵部50及びバッテリー15aが、第一方向から見て、少なくとも一部においてオーバーラップするように配されていることを特徴とするものであると良い。
【0102】
電気掃除機1は、上述したようなレイアウトで第一集塵部50及びバッテリー15aを配することにより、第一方向に対して交差する第二方向にコンパクトな構成とすることができる。
【0103】
(2-3)電気掃除機1は、上記(2-1)~(2-2)の電気掃除機において、ハンドル部16が、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側から延びていることを特徴とするものであると良い。
【0104】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14に対して第二方向における位置に、第一電動送風機14を配するための空間を十分に確保することができる。
【0105】
(2-4)電気掃除機1は、上記(2-1)~(2-3)の電気掃除機において、ハンドル部16が、手を指し入れるための開口部16dを構成し、開口部16dが、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側に存在することを特徴とするものであると良い。
【0106】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第二方向において、少なくとも第一電動送風機14を配置する空間を確保することができる。
【0107】
(2-5)電気掃除機1は、上記(2-1)~(2-4)の電気掃除機において、第一電動送風機14を制御する制御部17を備え、制御部17が、第一電動送風機14を基準として、バッテリー15aとは反対側に配されていることを特徴とするものであると良い。
【0108】
電気掃除機1は、上述したようなレイアウトで第一電動送風機14を基準としてバッテリー15a及び制御部17を設けた構成とすることにより、コンパクトな構成とすることができる。
【0109】
(2-6)電気掃除機1は、上記(2-1)~(2-5)の電気掃除機において、本体部10が、塵埃を吸引するための吸込口38yを有する管部38xを有し、管部38xが、第二方向において、第一集塵部50と並ぶよう配されており、制御部17が、第一方向において、管部38xの投影領域内に存在することを特徴とするものであると良い。
【0110】
電気掃除機1は、上述したように管部38x及び第一集塵部50を第二方向に並ぶように配しつつ、制御部17を管部38xの投影領域内に存在する構成とすることにより、第一電動送風機14とバッテリー15aとの間に制御部を配する構成と比べて、バッテリー15aを第一電動送風機14にできるだけ近づけることができるため、第二方向においてコンパクトにレイアウトできる。このような構成とすることにより、電気掃除機1は、より一層の小型化を図れる。
【0111】
[本発明の第三の態様に係る電気掃除機について]
従来、実公昭61-47961号公報に開示されているような充電式掃除機が提供されている。この充電式掃除機は、掃除機本体にファンモータおよびファンモータに給電する充電式二次電池を設け、掃除機本体の吸込口に延長管を介して床用吸込口を接続するとともに、掃除機本体の重心位置が掃除機本体の把持部の中心よりも後部になるよう構成したものとされている。
【0112】
ここで、上述した従来技術の充電式掃除機は、例えば電池容量の向上等のために二次電池が大きくなった場合に、掃除機本体が大型化してしまうといった問題がある。
【0113】
そこで本発明は、バッテリーを搭載しつつ、小型化を実現可能な電気掃除機の提供を目的とした。
【0114】
(3-1)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機1は、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10と、本体部10の第一方向の一方側に配され、塵埃が集塵される第一集塵部50と、本体部10の第一方向の他方側に配されるハンドル部16と、第一方向と直交する第二方向において、第一電動送風機14と並んで配されるバッテリー15aと、第一電動送風機14を制御する制御部17と、を備え、制御部17が、第一電動送風機14を基準として、バッテリー15aとは反対側に配されることを特徴とするものである。
【0115】
電気掃除機1は、上述したようなレイアウトで第一電動送風機14を基準としてバッテリー15a及び制御部17を設けた構成とすることにより、バッテリー15aを搭載しつつコンパクトな構成とすることができる。
【0116】
(3-2)電気掃除機1は、上記(3-1)の電気掃除機において、第一集塵部50及びバッテリー15aが、第一方向から見て、少なくとも一部においてオーバーラップするように配されていることを特徴とするものであると良い。
【0117】
電気掃除機1は、上述したようなレイアウトで第一集塵部50及びバッテリー15aを配することにより、バッテリー15aを搭載しつつ、第一方向に対して交差する第二方向にコンパクトな構成とすることができる。
【0118】
(3-3)電気掃除機1は、上記(3-1)~(3-2)の電気掃除機において、ハンドル部16が、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側から延びていることを特徴とするものであると良い。
【0119】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14に対して第二方向における位置に、第一電動送風機14を配するための空間を十分に確保することができる。
【0120】
(3-4)電気掃除機1は、上記(3-1)~(3-3)の電気掃除機において、ハンドル部16が、手を指し入れるための開口部16dを構成し、開口部16dが、第一方向において、第一電動送風機14よりも他方側に存在することを特徴とするものであると良い。
【0121】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第二方向において、少なくとも第一電動送風機14を配置する空間を確保することができる。
【0122】
(3-5)電気掃除機1は、上記(3-1)~(3-4)の電気掃除機において、本体部10が、塵埃を吸引するための吸込口38yを有する管部38xを有し、管部38xが、第二方向において、第一集塵部50と並ぶよう配されており、制御部17は、第一方向において、管部38xの投影領域内に存在することを特徴とするものであると良い。
【0123】
電気掃除機1は、上述したように管部38x及び第一集塵部50を第二方向に並ぶように配しつつ、制御部17を管部38xの投影領域内に存在する構成とすることにより、第一電動送風機14とバッテリー15aとの間に制御部を配する構成と比べて、バッテリー15aを第一電動送風機14にできるだけ近づけることができるため、第二方向においてコンパクトにレイアウトできる。このような構成とすることにより、電気掃除機1は、より一層の小型化を図れる。
【0124】
(3-6)電気掃除機1は、上記(3-1)~(3-5)の電気掃除機において、制御部17は、第一方向において、開口部16dより他方側に存在することを特徴とするものであると良い。
【0125】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第二方向において、少なくとも第一電動送風機14を配置する空間を確保することができる。
【0126】
(3-7)電気掃除機1は、上記(3-1)~(3-6)の電気掃除機において、第一電動送風機14の排気風を、制御部17を通過する経路で本体部10の外部に排気できることを特徴とするものであると良い。
【0127】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14から出る排気風を活用して制御部17の冷却を図れる。これにより、電気掃除機1は、制御部17の冷却構造を簡素化し、小型化を図ることができる。
【0128】
(3-8)電気掃除機1は、上記(3-7)の電気掃除機において、第一電動送風機14を覆うケース体14aを有し、ケース体14aが、制御部17と第一電動送風機14とが並ぶ方向および第一方向に直交する第三方向の一方側に排気開口14xを備えたものであり、本体部10が、第三方向の他方側に外部排気開口10xを有するものであることを特徴とするものであると良い。
【0129】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、第一電動送風機14から排出されて排気開口14xを介してケース体14aの外に排出された排気風を、第三方向において反対側に設けられた外部排気開口10xまで移動させてから排出する構成とすることができる。これにより、制御部17をより一層効率良く冷却することができる。また、電気掃除機1は、上述した構成とすることにより、排気風の通過経路を長く確保できる。これにより、電気掃除機1は、排気音の流れに伴う騒音を抑制できる。
【0130】
(3-9)電気掃除機1は、上記(3-8)の電気掃除機において、外部排気開口10x及び排気開口14xが、第三方向から見て少なくとも一部においてオーバーラップすることを特徴とするものであると良い。
【0131】
電気掃除機1は、かかる構成とすることにより、排気風の通過経路を十分に確保し、排気音の流れに伴う騒音を抑制できる。
【0132】
[本発明の第四の態様に係る電気掃除機について]
従来、特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生させ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機が提供されている。この特許文献に開示されている電気掃除機は、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものとされている。また、特許文献に開示されている電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、ファンモータの気流によって弁を開くことで、掃除機本体側のダストケースから設置台側のダストケースにゴミを排出できるものとされている。
【0133】
しかしながら、特許文献1の電気掃除機は、循環する気流によって塵埃を設置台側のダストケースに回収するものであるため、本体側のダストケースに塵埃が残りやすいという問題があった。
【0134】
そこで本発明は、電気掃除機側の塵埃を容易に回収可能な電気掃除機ユニットを実現することを目的とした。
【0135】
(4-1)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えたものであって、電気掃除機1が、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10と、塵埃が集塵される第一集塵部50と、を備えたものであり、第一集塵部50が、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52(外筒)と、集塵空間排気部80を有するとともに、第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵容器52の底部の開口部16dを開閉可能な開閉部52cと、を有するものであり、構造体54が、中心軸線方向の一方側から他方側に向かうに従って、外形が小さくなるテーパー部70を有するものであり、塵埃回収装置100が、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部110と、吸引力を発生させる第二電動送風機120と、を備えたものであり、電気掃除機1又は塵埃回収装置100が、開閉部52cを開状態とする開手段150を備えたものである。
【0136】
電気掃除機システムSは、電気掃除機1の第一集塵部50を構成する第一集塵容器52の底部に設けられた開口部16dを、開閉部52cによって開閉可能としたものである。また、電気掃除機システムSは、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するための塵埃回収装置100を備えており、第二電動送風機120により吸引力を発生させて塵埃を第二集塵部110に集塵可能なものとされている。さらに、電気掃除機システムSは、電気掃除機1又は塵埃回収装置100が、開閉部52cを開状態とする開手段150を備えたものとされている。そのため、電気掃除機システムSは、開手段150によって第一集塵容器52の底部に設けられた開閉部52cを開くことにより、重力の影響により、第一集塵部50に集められた塵埃を落下させることができる。これに加えて、開閉部52cを開いた状態において塵埃回収装置100に設けられた第二電動送風機120を作動させることにより、塵埃に対して第二集塵部110に向かう方向への吸引力を作用させることができる。そのため、電気掃除機システムSは、第一集塵部50に集められた塵埃に対して、重力及び第二電動送風機120による吸引力の双方を作用させ、第二集塵部110に塵埃を集めることができる。従って、電気掃除機システムSは、電気掃除機1側に集められた塵埃を、塵埃回収装置100において容易かつスムーズに回収できる。
【0137】
(4-2)電気掃除機システムSは、上記(4-1)の電気掃除機システムSにおいて、構造体54が、テーパー部70を有する第一内筒60(内筒)と、第一内筒60から中心軸線方向の他方側に延びる延出部72と、を有することを特徴とするものであると良い。
【0138】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、集塵空間56において旋回し、集塵空間56の軸心側の位置においてテーパー部70側に舞い上がる気流が発生した状態において、気流やこれに含まれている塵埃の流れが延出部72によって阻害される。すなわち、上述した構成とした場合、集塵空間56の軸心側の位置において第一集塵容器52の底部から舞い上がってきた気流や塵埃が、軸線方向に対して交差する方向に拡がり難くなる。これにより、電気掃除機システムSは、集塵空間56において、気流に含まれている毛や埃などの塵埃がテーパー部70に絡みつきにくいものとすることができる。
【0139】
なお、上記実施形態においては、延出部72を筒状の形状とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。電気掃除機1は、例えば、ブラシや櫛の歯のようなものを第一内筒60から軸線方向他方側に延びるように設け、これを延出部72として備えたものすることも可能である。
【0140】
(4-3)電気掃除機システムSは、上記(4-2)の電気掃除機システムSにおいて、延出部72は、中心軸線方向の他方側の端部が開閉部52cから離間していることを特徴とするものであると良い。
【0141】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、集塵空間56の内容積を十分に確保しつつ、第一集塵容器52の底部から舞い上がる気流が外側に広がることを抑制できる。つまり、電気掃除機システムSは、上述した構成とすることにより、第一内筒60の下方かつ延出部72の内側に塵埃が集まり易くなる。
【0142】
(4-4)電気掃除機システムSは、第一内筒60は、上記(4-2)~(4-3)の電気掃除機システムSにおいて、中心軸線方向の他方側の端部が閉塞されていることを特徴とするものであると良い。
【0143】
電気掃除機システムSは、上述した構成とすることにより、第一内筒60の軸線方向他方側の端部が塵埃によって目詰まりするのを回避できる。
【0144】
なお、本実施形態では第一内筒60の軸線方向他方側の端部を閉塞した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一内筒60の軸線方向他方側の端部を閉塞しないようにしても良い。なお、第一内筒60の軸線方向他方側の端部を閉塞しない場合には、当該部位が塵埃によって目詰まりしにくい構成とすると良い。
【0145】
(4-5)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-4)の電気掃除機システムSにおいて、構造体54又は第一集塵容器52が、中心軸線方向の一方側から他方側に向かうにつれて、旋回方向の上流側から集塵部流入口52xに向けて近づくよう延びる第一ガイド部74を有することを特徴とするものであると良い。
【0146】
電気掃除機システムSは、上述したような第一ガイド部74を備えているため、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入した気流が、第一ガイド部74によってガイドされて軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部)側に向けてスムーズに案内される。つまり、本実施形態の電気掃除機1においては、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入して軸線方向一方側(上方側)にて生じる旋回気流を軸線方向他方側に向かい易くすることにより、気流に含まれている毛や埃などの塵埃が第一内筒60のテーパー部70に巻き付くのを抑制できる。
【0147】
なお、本実施形態では、上述したような第一ガイド部74を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一ガイド部74を設けない構成としたり、第一ガイド部74に代わる他のガイド部材を設けた構成としたりしても良い。第一ガイド部74を設けない場合には、例えば集塵部流入口52xにおける気流の流入方向が軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部)に向くように集塵部流入口52xの形状等を最適化する等の方策を講じると良い。また、第一ガイド部74に代わる他のガイド部材を設ける場合には、第一ガイド部74と同様に、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入した気流が軸線方向他方側に向けてスムーズに流れるようにガイドするものとしたり、集塵部流入口52xから流入した気流が集塵空間56の周方向に一周回るまでの間に気流の向きが軸線方向他方側に変わるようにガイドするものとしたりすると良い。
【0148】
(4-6)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-4)の電気掃除機システムSにおいて、構造体54又は第一集塵容器52が、集塵部流入口52x(流入口)から集塵空間56に流入する気流を案内する第二ガイド部76を有し、第二ガイド部76は、軸線方向と交差する方向に延びるように設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0149】
本実施形態の電気掃除機1は、上述したような第二ガイド部76を備えているため、集塵部流入口52xから集塵空間56に気流をスムーズに導入して旋回させることができる。
【0150】
なお、本実施形態では、上述した第二ガイド部76を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第二ガイド部76を設けない構成としたり、第二ガイド部76に代えて同等の機能を発揮する構成を設けたりしても良い。
【0151】
(4-7)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-6)の電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50が、集塵部流入口52xよりも中心軸線方向の一方側において、構造体54と接触する接触部を有することを特徴とするものであると良い。接触部は、例えば、ブラシまたはブレード、これらの組み合わせであれば良い。
【0152】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、第一集塵部50から構造体54を取り外す場合に、接触部により構造体54に絡む塵埃を除去することができる。
【0153】
(4-8)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-7)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100及び電気掃除機1の一方側に開手段150としての当接部(当接部152、152A)が設けられ、他方側に被当接部(被当接部52f、52f1)が設けられたものであり、開閉部52cは、当接部が被当接部に当接することで開くものであることを特徴とするものであると良い。
【0154】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、当接部及び被当接部が当接するように塵埃回収装置100に対して電気掃除機1を配置することにより、開手段150によって開閉部52cを開状態とすることができる。
【0155】
(4-9)電気掃除機システムSは、上記(4-8)の電気掃除機システムSにおいて、電気掃除機1が塵埃回収装置100に装着されることを条件として、当接部(当接部152、152A)が被当接部(被当接部52f、52f1)に当接することを特徴とするものであると良い。
【0156】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、電気掃除機1を塵埃回収装置100に接続することにより、自ずと当接部152が被当接部52fに当接させ、開閉部52cを開状態とすることができる。これにより、電気掃除機システムSは、開閉部52cを開状態とするために別途操作を必要とせず、利便性の面においても優れている。
【0157】
(4-10)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-10)の電気掃除機システムSにおいて、構造体54又は第一集塵容器52は、中心軸線方向の一方側から他方側に向かうにつれて、旋回方向の上流側から集塵部流入口52xに向けて近づくよう延びる第一ガイド部74を有することを特徴とするものであると良い。
【0158】
本実施形態の電気掃除機1は、上述したような第一ガイド部74を備えているため、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入した気流が、第一ガイド部74によってガイドされて軸線方向他方側(第一集塵容器52の底部)側に向けてスムーズに案内される。つまり、本実施形態の電気掃除機1においては、集塵部流入口52xから集塵空間56に流入して軸線方向一方側(上方側)にて生じる旋回気流を軸線方向他方側に向かい易くすることができる。これにより、気流に含まれている毛や埃などの塵埃が構造体54に巻き付くのを抑制できる。したがって、集塵装置において毛や挨などの塵埃が巻き付くのを抑制可能な電気掃除機1を提供することができる。
【0159】
(4-11)電気掃除機システムSは、上記(4-10)の電気掃除機システムSにおいて、当接部152と被当接部52fとが当接するように、当接部152を動作させる開操作部を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0160】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、操作部16eの操作により当接部152と被当接部52fとを当接させて開閉部52cを開状態とすることができるようになる。これにより、電気掃除機システムSは、ユーザの意図に応じて開閉部52cを開状態とすることができるようになる。
【0161】
(4-12)電気掃除機システムSは、上記(4-11)の電気掃除機システムSにおいて、開操作部が、電気掃除機1又は塵埃回収装置100のいずれかにおいて、操作部16eの操作により動作させる部材とともに設けられることを特徴とする、ものであると良い。
【0162】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、操作部16eの操作により動作する部材によって当接部(当接部152、152A)と被当接部(被当接部52f、52f1)とを当接させ、開閉部52cを開状態とすることができるようになる。
【0163】
(4-13)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-12)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100は、第一集塵部50を受け入れる受部130を備え、受部130は、開手段150を有することを特徴とする、ものであると良い。
【0164】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、受部130に第一集塵部50が受け入れられるように電気掃除機1を配置することにより、開手段150によって開閉部52cを開状態とすることが可能なものとすることができる。
【0165】
(4-14)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-13)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100が、開手段150としての当接部152を有し、開閉部52cが、回動軸を中心として回動可能とされ、回動軸より一方側の領域に当接部152が当接可能な被当接部52fを有し、回動軸より他方側の領域に開口部16dを閉塞する閉塞部を有し、被当接部52fに当接部152が当接することにより、閉塞部が開口部16dから離れるように回動して開状態になるものであることを特徴とする、ものであると良い。
【0166】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、回動軸52eを支点、被当接部52fにおいて当接部152が当接する箇所を作用点として、テコの原理により開手段150を開閉させることができる。そのため、上記実施形態において例示したように、被当接部52fに過剰に大きな力を作用させなくても、閉塞部52gを回動させることができる。
【0167】
(4-15)電気掃除機システムSは、上記(4-1)~(4-14)の電気掃除機システムSにおいて、第一集塵部50は、開口部16dの開口面が中心軸方向に対して傾斜していることを特徴とする、ものであると良い。
【0168】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、第一集塵室52a内の塵埃が塊となり易くなるため、塵埃回収装置100によって吸引がし易くなる。
【0169】
(4-16)電気掃除機システムSは、上記(4-8)の電気掃除機システムSにおいて、電気掃除機1に開手段150としての当接部(当接部152、152A)が設けられ、塵埃回収装置100に被当接部(被当接部52f、52f1)が設けられたものであり、第1当接部(当接部152A)が第1被当接部(被当接部52f1)に当接することで、開閉部52cが閉じた状態でロックするロック部をロック解除するとともに、第2当接部(当接部152)が第2被当接部(被当接部52f)に当接することで、開閉部52cが開状態となる。
【0170】
[本発明の第五の態様に係る電気掃除機について]
従来、特開2004-283327号公報に開示されているように、吸引用気流を発生させ、発生した気流によりゴミを集塵する電気掃除機が提供されている。この電気掃除機は、ゴミを集塵して格納する本体側のダストケースを有する掃除機本体と、本体側のダストケースからのゴミを収納する設置台側のダストケースを有する設置台とにより構成され、掃除機本体を設置台に設置したとき、掃除機本体の本体側のダストケース内のゴミを設置台側のダストケース内に排出する手段を備えたものとされている。前述の特許文献に開示されている電気掃除機は、掃除機本体及び設置台のそれぞれに弁を設け、ファンモータの気流によって弁を開くことで、掃除機本体側のダストケースから設置台側のダストケースにゴミを排出できるものとされている。
【0171】
また、特開2016-26686号公報に開示されているように、内筒から排気されて排気経路上を流れる空気を更に濾過するエアフィルタが配されるサイクロン集塵装置が開示されている。
【0172】
しかしながら、上述した特許文献に開示されている電気掃除機のような構成とした場合は、循環する気流によって塵埃を設置台側のダストケースに回収することができるものの、ダストケースから排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃まで回収することは難しい。
【0173】
そこで本発明は、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃を回収することが可能な電気掃除機システムSを実現することを目的とした。
【0174】
(5-1)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えたものであって、電気掃除機1が、吸引力を発生させる第一電動送風機14を有する本体部10と、塵埃が集塵される第一集塵部50と、を備えたものであり、第一集塵部50が、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52と、集塵空間排気部80を有するとともに、第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵容器52の底部の開口部(例えば廃棄口52b)を開閉可能な開閉部52cと、構造体54と第一電動送風機14との間に配されるフィルタ(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h、または、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)と、を有するものであり、構造体54が、集塵空間排気部80を有する第一内筒60を開口部に向けて延びるように形成したものであり、塵埃回収装置100が、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部110と、吸引力を発生させる第二電動送風機120と、を備えたものであることを特徴とする、ものである。
【0175】
電気掃除機システムSは、電気掃除機1の第一集塵部50を構成する第一集塵容器52の底部に設けられた開口部を、開閉部52cによって開閉可能としたものである。また、電気掃除機システムSは、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するための塵埃回収装置100を備えており、第二電動送風機120により吸引力を発生させて塵埃を第二集塵部110に集塵可能なものとされている。さらに、電気掃除機システムSにおいては、構造体54が、集塵空間排気部80を有する第一内筒60を、第一集塵容器52の底部の開口部に向けて延びるように形成したものとされている。そのため、電気掃除機システムSは、開手段150によって第一集塵容器52の底部に設けられた開閉部52cを開いた状態において塵埃回収装置100に設けられた第二電動送風機120を作動させることにより、構造体54をなす第一内筒60を介してフィルタに吸引力を作用させ、第二集塵部110側に吸引することができる。従って、電気掃除機システムSは、第一集塵容器52から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収できる。
【0176】
(5-2)電気掃除機システムSは、上記(5-1)の電気掃除機システムSにおいて、フィルタ(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h、または、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)が配される収容空間が、第一内筒60と連通するとともに、開閉部52cを開いた状態において第一内筒60と第二集塵部110とが連通することを特徴とする、ものであると良い。
【0177】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、収容空間に配されたフィルタに対して第二集塵部110が備える第二電動送風機120によって発生する吸引力を確実に作用させることができる。これにより、電気掃除機システムSは、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃をより一層確実に回収できる。
【0178】
(5-3)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-2)の電気掃除機システムSにおいて、電気掃除機1又は塵埃回収装置100が、開閉部52cを開状態とする開手段150を備えることを特徴とする、ものであると良い。
【0179】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、開手段150によって第一集塵容器52の底部に設けられた開閉部52cを開き、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を第二集塵部110に回収することができる。
【0180】
(5-4)電気掃除機システムSは、上記(5-3)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100及び電気掃除機1の一方側に開手段150としての当接部(当接部152、152A)が設けられ、他方側に被当接部(被当接部52f、52f1)が設けられたものであり、開閉部52cは、当接部が被当接部に当接することを条件として開くものであることを特徴とする、ものであると良い。
【0181】
電気掃除機システムSは、かかる構成とされているため、当接部及び被当接部が当接するように塵埃回収装置100に対して電気掃除機1を配置することにより、開手段150によって開閉部52cを開状態とすることができる。
【0182】
(5-5)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-4)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100は、第一集塵部50を受け入れる受部130を備えたものであり、受部130は、開手段150を有するものであることを特徴とする、ものであると良い。
【0183】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、受部130に第一集塵部50が受け入れられるように電気掃除機1を配置することにより、開手段150によって開閉部52cを開状態とすることが可能なものとすることができる。
【0184】
(5-6)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-5)の電気掃除機システムSにおいて、塵埃回収装置100は、開手段150としての当接部152を有し、開閉部52cは、回動軸を中心として回動可能とされ、回動軸より一方側の領域に当接部152が当接可能な被当接部52fを有し、回動軸より他方側の領域に開口部(例えば廃棄口52b)を閉塞する閉塞部を有し、被当接部52fに当接部152が当接することを条件として、閉塞部が開口部から離れるように回動して開状態になることを特徴とする、ものであると良い。
【0185】
電気掃除機システムSは、かかる構成とすることにより、回動軸52eを支点、被当接部52fにおいて当接部152が当接する箇所を作用点として、テコの原理により開手段150を開閉させることができる。そのため、上記実施形態において例示したように、被当接部52fに過剰に大きな力を作用させなくても、閉塞部52gを回動させることができる。
【0186】
(5-7)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-6)の電気掃除機システムSにおいて、受部130又は第一集塵容器52の底部のいずれかに設けられる気密部材160を備え、気密部材160によって第一集塵容器52と受部130とが気密に接触することを特徴とする、ものであると良い。
【0187】
かかる構成によれば、受部130に第一集塵容器52を嵌め込んだ状態において、両者の間を気密に接続することができる。これにより、第一集塵部50側から第二集塵部110側に塵埃を吸引する際にスムーズに塵埃を回収できるようになる。
【0188】
(5-8)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-7)の電気掃除機システムSにおいて、前記電気掃除機には、集塵空間に流入する空気を調整するための開閉可能な開閉弁が設けられることを特徴とする、ものであると良い。
【0189】
かかる構成によれば、開閉弁を閉じた状態で第二電動送風機120を作動させることにより、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収することができる。
(5-9)電気掃除機システムSは、上記(5-1)~(5-8)の電気掃除機システムSにおいて、前記電気掃除機には、本体部10のうち集塵部流入口52xと対向する開口を開閉可能な開閉弁が設けられることを特徴とする、ものであると良い。
かかる構成によれば、開閉弁を閉じた状態で第二電動送風機120を作動させることにより、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収することができる。
【0190】
(5-10)電気掃除機システムSは、上記(5-4)の電気掃除機システムSにおいて、電気掃除機1に開手段150としての当接部(当接部152、152A)が設けられ、塵埃回収装置100に被当接部(被当接部52f、52f1)が設けられたものであり、第1当接部(当接部152A)が第1被当接部(被当接部52f1)に当接することで、開閉部52cが閉じた状態でロックするロック部をロック解除するとともに、第2当接部(当接部152)が第2被当接部(被当接部52f)に当接することで、開閉部52cが開状態となる。
【0191】
[本発明の第六の態様に係る電気掃除機について]
上記[本発明の第五の態様に係る電気掃除機について]における課題と同じ課題を解決するために、本発明は、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着する塵埃を回収することが可能な電気掃除機システムSを実現することを目的とした。
【0192】
(6-1)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えたものであって、電気掃除機1が、吸引力を発生させる第一電動送風機14と、第一電動送風機14の排気風を外部に排出するための外部排気開口10xとを有する本体部10と、塵埃が集塵される第一集塵部50と、を備えたものであり、第一集塵部50が、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52と、集塵空間排気部80を有するとともに、第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵容器52の開口部(例えば廃棄口52b)を開閉可能な開閉部(例えば開閉部52c)と、構造体54と第一電動送風機14との間に配されるフィルタ(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h、または、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)と、を有するものであり、前記電気掃除機には、集塵空間に流入する空気を調整するための開閉可能な開閉弁が設けられ、塵埃回収装置100が、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部110と、吸引力を発生させる第二電動送風機120と、を備えたものであることを特徴とする、ものである。
【0193】
かかる構成によれば、開閉弁を閉じた状態で第二電動送風機120を作動させることにより、外部排気開口10xからフィルタを経て塵埃回収装置100に空気が流れ易くすることができる。これにより、第一集塵容器52から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収することができる。従って、電気掃除機システムSは、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収できる。
【0194】
(6-2)上述した課題を解決すべく提供される電気掃除機システムSは、電気掃除機1、及び塵埃回収装置100を備えたものであって、電気掃除機1が、吸引力を発生させる第一電動送風機14と、第一電動送風機14の排気風を外部に排出するための外部排気開口10xとを有する本体部10と、塵埃が集塵される第一集塵部50と、を備えたものであり、第一集塵部50が、集塵部流入口52xを有する第一集塵容器52と、集塵空間排気部80を有するとともに、第一集塵容器52との間に集塵空間56を構成する構造体54と、第一集塵容器52の開口部(例えば廃棄口52b)を開閉可能な開閉部(例えば開閉部52c)と、構造体54と第一電動送風機14との間に配されるフィルタ(第一フィルタ64g及び第二フィルタ64h、または、第一フィルタ64g及び第二フィルタ64hの一方が配される場合は片方のフィルタ)と、を有するものであり、前記電気掃除機には、本体部10のうち集塵部流入口52xと対向する開口を開閉可能な開閉弁が設けられ、塵埃回収装置100が、電気掃除機1の第一集塵部50から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部110と、吸引力を発生させる第二電動送風機120と、を備えたものであることを特徴とする、ものである。
【0195】
かかる構成によれば、開閉弁を閉じた状態で第二電動送風機120を作動させることにより、外部排気開口10xからフィルタを経て塵埃回収装置100に空気が流れ易くすることができる。これにより、第一集塵容器52から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収することができる。従って、電気掃除機システムSは、集塵容器から排出される空気を濾過するフィルタに付着した塵埃を回収できる。
【0196】
(6-3)電気掃除機システムSは、上述の(6-1)~(6-2)の電気掃除機システムSにおいて、上述の(5-3)~(5-7)の構成を有していてもよい。
【0197】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0198】
本発明は、電気掃除機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0199】
1 :電気掃除機
10 :本体部
10x :外部排気開口
14 :第一電動送風機
14a :ケース体
14x :排気開口
15a :バッテリー
16 :ハンドル部
16a :第一延伸部
16b :第二延伸部
16c :湾曲部
16d :開口部
16e :操作部
17 :制御部
38x :管部
38y :吸込口
50 :第一集塵部(集塵部)
52 :第一集塵容器(外筒)
52a :第一集塵室
52c :開閉部
52e :回動軸
52f :被当接部
52g :閉塞部
52x :集塵部流入口
54 :構造体
56 :集塵空間
60 :第一内筒(内筒)
70 :テーパー部
72 :延出部
74 :第一ガイド部
76 :第二ガイド部
80 :集塵空間排気部
94 :第二内筒フィルタ(フィルタ)
100 :塵埃回収装置
110 :第二集塵部
120 :第二電動送風機
130 :受部
150 :開手段
152 :当接部
160 :気密部材
S :電気掃除機システム
図1
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図19
【手続補正書】
【提出日】2023-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機、及び塵埃回収装置を備えたものであって、
前記電気掃除機が、吸引力を発生させる第一電動送風機を有する本体部と、塵埃が集塵される第一集塵部と、を備えたものであり、
前記第一集塵部が、集塵部流入口を有する第一集塵容器と、集塵空間排気部を有するとともに、前記第一集塵容器との間に集塵空間を構成する構造体と、前記第一集塵容器の底部の開口部を開閉可能な開閉部と、前記構造体と前記第一電動送風機との間に配されるフィルタと、を有するものであり、
前記構造体が、前記集塵空間排気部を有する第一内筒を前記開口部に向けて延びるように形成したものであり、
前記塵埃回収装置が、前記電気掃除機の前記第一集塵部から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部と、吸引力を発生させる第二電動送風機とを備え、
前記電気掃除機又は前記塵埃回収装置が、前記開閉部を開状態とする開手段を備え、
前記塵埃回収装置及び前記電気掃除機の一方側に前記開手段としての当接部が設けられ、他方側に被当接部が設けられたものであり、
前記開閉部は、前記当接部が前記被当接部に当接することを条件として開くものであることを特徴とする、電気掃除機システム。
【請求項2】
電気掃除機、及び塵埃回収装置を備えたものであって、
前記電気掃除機が、吸引力を発生させる第一電動送風機を有する本体部と、塵埃が集塵される第一集塵部と、を備えたものであり、
前記第一集塵部が、集塵部流入口を有する第一集塵容器と、集塵空間排気部を有するとともに、前記第一集塵容器との間に集塵空間を構成する構造体と、前記第一集塵容器の底部の開口部を開閉可能な開閉部と、前記構造体と前記第一電動送風機との間に配されるフィルタと、を有するものであり、
前記構造体が、前記集塵空間排気部を有する第一内筒を前記開口部に向けて延びるように形成したものであり、
前記塵埃回収装置が、前記電気掃除機の前記第一集塵部から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部と、吸引力を発生させる第二電動送風機とを備え、
前記第一集塵部は、前記開閉部が閉じた状態でロックするロック部を前記開閉部または前記第一集塵容器のいずれかに有し、
前記塵埃回収装置は、前記ロック部に当接することによりロックを解除することで前記開閉部を開状態とする開手段を備え、
前記開閉部は、前記開手段により前記ロック部のロックが解除されると開状態となることを特徴とする、電気掃除機システム。
【請求項3】
前記ロック部は、閉状態の前記開閉部の回動軸とは反対側に位置することを特徴とする、請求項2に記載の電気掃除機システム。
【請求項4】
電気掃除機、及び塵埃回収装置を備えたものであって、
前記電気掃除機が、吸引力を発生させる第一電動送風機を有する本体部と、塵埃が集塵される第一集塵部と、を備えたものであり、
前記第一集塵部が、集塵部流入口を有する第一集塵容器と、集塵空間排気部を有するとともに、前記第一集塵容器との間に集塵空間を構成する構造体と、前記第一集塵容器の底部の開口部を開閉可能な開閉部と、前記構造体と前記第一電動送風機との間に配されるフィルタと、を有するものであり、
前記構造体が、前記集塵空間排気部を有する第一内筒を前記開口部に向けて延びるように形成したものであり、
前記塵埃回収装置が、前記電気掃除機の前記第一集塵部から塵埃を回収するものであり、塵埃が集塵される第二集塵部と、吸引力を発生させる第二電動送風機とを備え、
前記電気掃除機又は前記塵埃回収装置が、前記開閉部を開状態とする開手段を備え、
前記塵埃回収装置に前記開手段としての当接部が設けられ、
前記電気掃除機に被当接部が設けられたものであり、
第1当接部が第1被当接部に当接することで、前記開閉部が閉じた状態でロックするロック部をロック解除するとともに、第2当接部が第2被当接部に当接することで、前記開閉部が開状態となることを特徴とする、電気掃除機システム。
【請求項5】
前記フィルタが配される収容空間が、前記第一内筒と連通するとともに、前記開閉部を開いた状態において前記第一内筒と前記第二集塵部とが連通することを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項6】
前記電気掃除機には、前記集塵空間に流入する空気を調整するための開閉可能な開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項7】
前記電気掃除機には、前記本体部のうち前記集塵部流入口と対向する開口を開閉可能な開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項8】
前記電気掃除機には、前記集塵部流入口を開閉可能な開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の電気掃除機システム。
【請求項9】
前記電気掃除機は、前記本体部と連通する吸込具を備え、
前記吸込具の吸込口から前記集塵部流入口のどこかに、開閉機構が設けられることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載の電気掃除機システム。