(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131145
(43)【公開日】2023-09-21
(54)【発明の名称】ハウジングのアライメントを改善した自動車用カメラ
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20230913BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20230913BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230913BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20230913BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20230913BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20230913BHJP
【FI】
G03B17/02
G02B7/02 Z
G03B15/00 V
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023034548
(22)【出願日】2023-03-07
(31)【優先権主張番号】10 2022 105 422.5
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン、プレンダーガスト
(72)【発明者】
【氏名】ショーン、マグリービー
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
5C122DA14
5C122EA01
5C122EA55
5C122FA18
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動車用カメラのハウジング部間の互いに対するアライメントを向上させる。
【解決手段】自動車用カメラ2は、第1ハウジング部5と、第1ハウジング部に第1ハウジング部のレンズ開口10において接続するレンズユニット4と、第1ハウジング部に、第1ハウジング部のフランジ6において接続する第2ハウジング部8と、を備え、フランジは、レンズ開口を包囲して、レンズ開口から離れるように配向される4つの側面11a、11b、12a、12bを備える段差構造9を形成する。第2ハウジング部は、4つの側面のうちの第1側面11aに接触するとともに、第2ハウジング部8は、4つの側面のうち、第1側面に対して垂直な第2側面11bに接触する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-第1ハウジング部(5)と、前記第1ハウジング部(5)に前記第1ハウジング部(5)のレンズ開口(10)において接続するレンズユニット(4)と、ハウジング内部が形成されるような態様において第1ハウジング部(5)に接続する第2ハウジング部(8)と、前記ハウジング内部に配置される回路基板(7)と、を備える自動車用カメラ(2)であって、
-前記第2ハウジング部(8)は、前記第1ハウジング部(5)に、前記第1ハウジング部(5)のフランジ(6)において接続し、前記フランジ(6)は、前記レンズ開口(10)を包囲する段差構造(9)が前記第1ハウジング部(5)の外側輪郭に形成されるような態様において前記レンズ開口(10)を包囲し、前記段差構造(9)は、前記レンズ開口(10)から離れるように配向される4つの側面(11a、11b、12a、12b)を備える、
自動車用カメラ(2)において、
-前記第2ハウジング部(8)は、4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの第1側面(11a)に接触するとともに、前記第2ハウジング部(8)は、4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうち、前記第1側面(11a)に対して垂直な第2側面(11b)に接触する、
-前記段差構造(9)は、前記第1側面(11a)において第1凸特徴部(13a)を備え、前記第2ハウジング部(8)は、前記第1側面(11a)と前記第1凸特徴部(13a)において接触する、および/または、
-前記段差構造(9)は、前記第2側面(11b)において第2凸特徴部(13b)を備え、前記第2ハウジング部(8)は、前記第2側面(11b)と前記第2凸特徴部(13b)において接触する、
ことを特徴とする自動車用カメラ(2)。
【請求項2】
隙間(14a)が、前記第2ハウジング部(8)と4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの第3側面(12a)との間に存在し、かつさらなる隙間(14b)が、前記第2ハウジング部(8)と4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの、前記第3側面(12a)に対して垂直な第4側面(12b)との間に存在する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用カメラ(2)。
【請求項3】
-前記第1側面(11a)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第1壁厚(D)は、前記第3側面(12a)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第3壁厚(d)よりも大きい、および/または、
-前記第1壁厚(D)は、前記第4側面(12b)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第4壁厚(d)よりも大きい、および/または、
-前記第2側面(11a)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第2壁厚(D)は、前記第3壁厚(d)よりも大きい、および/または、
-前記第2壁厚(D)は、前記第4壁厚(d)よりも大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動車用カメラ(2)。
【請求項4】
前記第1側面(11a)は平坦面を有する、および/または、前記第2側面(11b)は平坦面を有する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の自動車用カメラ(2)。
【請求項5】
前記第1ハウジング部(5)と前記第2ハウジング部(8)とは、レーザー溶接により互いに接続される、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車用カメラ(2)。
【請求項6】
-前記第1ハウジング部(5)および前記第2ハウジング部(8)は、それぞれ金属からなる、または、
-前記第1ハウジング部(5)は、前記フランジ(6)を備える第1金属部品を備え、前記第2ハウジング部(8)は、前記フランジ(6)に接続する第2金属部品を備える、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の自動車用カメラ(2)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の自動車用カメラ(2)を備える自動車(1)。
【請求項8】
自動車用カメラ(2)を製造するための方法であって、
-前記自動車用カメラのレンズユニット(4)を取り付けるためのレンズ開口(10)を備える第1ハウジング部(5)と、第2ハウジング部(8)とが、ハウジング内部が形成されるような態様において前記第1ハウジング部(5)のフランジ(6)において互いに接続し、
-前記フランジ(6)は、前記レンズ開口(10)を包囲する段差構造(9)が前記第1ハウジング部(5)の外側輪郭に形成されるような態様において前記レンズ開口(10)を包囲し、前記段差構造(9)は、前記レンズ開口(10)から離れるように配向される4つの側面(11a、11b、12a、12b)を備える、
方法において、
-前記第2ハウジング部(8)を前記第1ハウジング部(5)に接続する前に、前記第2ハウジング部(8)を、4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの第1側面(11a)に接触させるとともに、前記第2ハウジング部(8)を、4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうち、前記第1側面(11a)に対して垂直な第2側面(11b)に接触させる、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第2ハウジング部(8)を前記第1側面(11a)および前記第2側面(11b)に接触させるために、前記第1ハウジング部(5)と前記第2ハウジング部(8)とを、前記第1側面(11a)および前記第2側面(11b)に対して垂直な平面内において互いに移動させる、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
隙間(14a)が前記第2ハウジング部(8)と4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの第3側面(12a)との間に存在し、かつさらなる隙間(14b)が前記第2ハウジング部(8)と4つの前記側面(11a、11b、12a、12b)のうちの、前記第3側面(12a)に対して垂直な第4側面(12b)との間に存在するような態様において、前記第1ハウジング部(5)と前記第2ハウジング部(8)とは、互いに対して配置される、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1ハウジング部(5)と前記第2ハウジング部(8)とは、レーザー溶接により互いに接続される、
ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
-前記第1側面(11a)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第1壁厚は、第3側面(12a)と前記レンズ開口(10)との間における前記第1ハウジング部(5)の第3壁厚よりも大きく、
-前記レーザー溶接は、前記フランジ(6)の輪郭に沿って実施され、前記第1壁厚は、溶接オーバーラップ領域に存在する、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1ハウジング部は、押出プロセスにより、または成形プロセスにより作製される、
ことを特徴とする請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部に前記第1ハウジング部のレンズ開口において接続するレンズユニットと、ハウジング内部が形成されるような態様において第1ハウジング部に接続する第2ハウジング部と、前記ハウジング内部に配置される回路基板と、を備える自動車用カメラにおいて、前記第2ハウジング部は、前記第1ハウジング部に、前記第1ハウジング部のフランジにおいて接続し、前記フランジは、前記レンズ開口を包囲する段差構造が前記第1ハウジング部の外側輪郭に形成されるような態様において前記レンズ開口を包囲し、前記段差構造は、前記レンズ開口から離れるように配向される4つの側面を備える自動車用カメラを対象とする。さらに、本発明は、自動車、および自動車用カメラを製造するための方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
自動車に配置されるように設計されたカメラは、自動車用カメラと表記され得る。自動車の外部環境を映す自動車用カメラは、種々のドライバー支援機能や自動車の一部または完全な自動運転のための他の機能に使用されている。ただし、自動車用カメラは、車両の内部を捕捉するためにも採用され得るとともに、これに応じて配置され得る。したがって、自動車用カメラは、大きな温度変動および/または他の環境状態にさらされ得る。さらに、自動車用カメラは、車両の走行中の振動を原因とする機械的応力にもさらされる。したがって、自動車のための自動車用カメラは、前記条件下で所望のように動作し、かつ十分に良好な画質を達成するように設計されなくてはならない。そして、画像は、ドライバー支援システムや他の電子車両ガイドシステムに提供され得る。これらのシステムは、画像を、ドライバー支援のための入力として、または少なくとも部分的に車両を自動的にガイドするために使用し得る。
【0003】
上述の自動車用カメラの第1ハウジング部と第2ハウジング部とのアライメントは、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを互いに接続するための再現性の高い堅牢な接続プロセスのために重要であろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、自動車用カメラのハウジング部間の互いに対するアライメントを向上させることである。
【0005】
この目的は、独立請求項のそれぞれの主題により達成される。さらなる実施態様および好適な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
本発明は、第2ハウジング部の内面と第1ハウジング部のレンズ開口を包囲する段差構造の2つの垂直な側面との間に横方向接触が生じるように、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを設計するという発想に基づいている。このようにして、段差構造の残りの2つの側面における公差が依然として許容されると同時に、製造中またはハウジング部を互いに接続する際の2つのハウジング部の正確なアライメントが達成される。
【0007】
本発明の態様によれば、自動車用カメラが提供される。自動車用カメラは、第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部に前記第1ハウジング部のレンズ開口において接続するレンズユニットと、を備える。また、自動車用カメラは、ハウジング内部が形成されるような態様において第1ハウジング部に接続する第2ハウジング部を備える。自動車用カメラは、例えば撮像チップを有する回路基板であって、前記ハウジング内部に配置される回路基板を備える。前記第2ハウジング部は、前記第1ハウジング部に、前記第1ハウジング部のフランジにおいて接続し、前記フランジは、前記レンズ開口を包囲する段差構造が前記第1ハウジング部の外側輪郭に形成されるような態様において前記レンズ開口を包囲する。前記段差構造は、前記レンズ開口から各々離れるように配向される、すなわち換言すれば外側方向に向く4つの側面を備える。前記第2ハウジング部は、4つの前記側面のうちの第1側面に接触する。また、前記第2ハウジング部は、4つの前記側面のうちの第2側面に接触する。特に、アセンブリスペースに対面する第2ハウジング部の内側面が、第1側面および第2側面に接触する。ここで、第1側面は、第2側面に対して垂直である。
【0008】
ハウジング内部は、第1ハウジング部と第2ハウジング部との組み合わせにより形成される筐体として理解され得る。第1ハウジング部および第2ハウジング部は、例えば、自動車用カメラのハウジング本体を形成し得る。第1ハウジング部は、前方ハウジング本体、またはレンズホルダ本体とも表記され得る。レンズユニットは、レンズハウジング、ならびにレンズハウジング内の単数または複数のレンズを備え得る。レンズユニットを第1ハウジング部に締結するために、レンズハウジングを、例えば螺合接続により、例えばレンズハウジングの雄ねじおよび第1ハウジング部の雌ねじを使用することにより、またはその逆により、第1ハウジング部に接続する。第2ハウジング部は、後方ハウジング本体とも表記され得る。
【0009】
レンズユニット、すなわち単数または複数のレンズは、光軸を備えている。光軸は、特に、レンズ開口の長手方向軸に対して平行である。この結果、フランジ面は、光軸に対して垂直であり得るとともに、4つの側面は、光軸、ならびに、第1側面および第2側面に接触する第2ハウジング部の内面に対して平行である。
【0010】
具体的には、フランジは、それぞれ光軸またはレンズ開口の長手方向軸に対して径方向に延びる。ここで、以下において、径方向および軸方向とは、特に定めない限り、光軸またはレンズ開口の長手方向軸をそれぞれ指す。
【0011】
換言すれば、フランジは、光軸に対して垂直な方向に延びるため、第2ハウジング部に対面するフランジのフランジ面も同様に、光軸に対して垂直である。
【0012】
段差構造の基本的な形状は、特に、長方形または正方形である。換言すれば、第1側面および第2側面は隣接する側面であり、これらは互いに対して垂直である。同様に、4つの側面のうちの第3側面および第4側面は、2つのさらなる隣接する側面であり、これらは互いに対して垂直である。ここで、第3側面は、例えば第1側面に対して平行であり得るとともに、第4側面は第2側面に対して平行であり得る。
【0013】
側面は、必ずしも完全に平面である必要はないことに留意されたい。具体的には、それらは、単数または複数の凸部、リブ等を備えてもよいし備えなくてもよい。本例において、凸部またはリブは、例えば、第2ハウジング部に接触し得るとともに、それぞれの側面の一部としてみなされ得る。
【0014】
段差構造は、例えば、フランジ面と、フランジ面に対して垂直な4つの側面とにより形成され得る、またはこれらからなり得る。
【0015】
第1ハウジング部と第2ハウジング部とは、例えば、溶接により、例えばレーザー溶接により、特にフランジまたはフランジ面において互いに接続され得る。
【0016】
具体的には、第2ハウジング部の内面に対して垂直な第2ハウジング部の表面であって、第1ハウジング部に対面する表面が、フランジ面に接触し得るとともに、フランジ面にレーザー溶接され得る。
【0017】
第1側面および第2側面が第2ハウジング部に接触するとともに互いに対して垂直であるため、互いに対する第1ハウジング部および第2ハウジング部の光軸に対して垂直な平面における独自のアライメントが、自動車用カメラの組立時に達成され得る。具体的には、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを接続する前に、フランジ面を、第2ハウジング部および第1ハウジング部に接触させ得る。そして、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを、光軸に対して垂直な平面内において、第2ハウジング部に対する第1側面および第2側面の接触が確立するまで、互いに対してシフトさせ得る。その後、第1ハウジング部と第2ハウジング部とは、例えばレーザー溶接により互いに接続され得る。
【0018】
このようにして、光軸に垂直な方向におけるハウジング部同士の互いに対する位置決めの不確実性が最小化され得る。これにより、第1ハウジング部および第2ハウジング部により形成されるカメラ本体の外面が、誤ったアライメントを理由として接続領域に段差や凸部を有することがないように製造され得るという利点が得られる。特に、このようにして、ハウジング部間におけるオフセットがまったくない、またはほとんどない再現性を達成することにより、レーザー溶接または他の接続プロセスの質を向上させることができる。このため、接続プロセスの結果は、より再現性があり、より信頼性があるものとなる。
【0019】
自動車用カメラのいくつかの実施態様によれば、隙間が、前記第2ハウジング部、具体的には前記第2ハウジング部の内面と4つの前記側面のうちの第3側面との間に存在する。さらなる隙間が、前記第2ハウジング部、具体的には前記第2ハウジング部の内面と4つの前記側面のうちの第4側面との間に存在する。ここで、前記第4側面は、前記第3側面に対して垂直である。
【0020】
隙間は、横方向距離または間隙とも表記され得る。特に、隙間の存在により、上述のように互いに接続する前の第1ハウジング部および第2ハウジング部を製造する際に、一定の公差が得られる。換言すれば、第1側面と第2ハウジング部との間に間隙が存在せず、かつ第2ハウジング部と第2側面との間に間隙が存在しないため、光軸に対して垂直な方向における公差は、第2ハウジング部と第3側面との間の隙間、および第2ハウジング部と第4側面との間の隙間それぞれにより吸収され得る。
【0021】
いくつかの実施態様によれば、前記第1側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第1壁厚は、前記第3側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第3壁厚よりも大きい。
【0022】
第1壁厚は、レンズ開口の内側と、第1側面と第2ハウジング部との接触エリアとの間の距離に相当する。同じことが同様に、第3壁厚にも当てはまる。したがって、第3壁厚は、レンズ開口の内側と隙間との間の距離により与えられる。
【0023】
換言すれば、光軸と、第1側面と第2ハウジング部との接触エリアとの間の距離は、光軸と第3側面における隙間との間の距離よりも大きい。
【0024】
同じことが、同様に他の側面にも当てはまる。特に、前記第1壁厚は、前記第4側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第4壁厚よりも大きくてもよい、および/または、前記第2側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第2壁厚は、前記第3壁厚よりも大きくてもよい、および/または、前記第2壁厚は、前記第4壁厚よりも大きくてもよい。
【0025】
それぞれの壁厚間の差は、例えば、1ミリメートルよりも小さくてもよく、例えば、0.5ミリメートルより小さくてもよく、例えば0.2ミリメートルより小さくてもよい。
【0026】
換言すれば、光軸に対して平行な方向から見て、レンズ開口を包囲する段差構造は、レンズ開口と正確に同軸上に整列していない。このようにして、第1側面および第2側面は第2ハウジング部に接触し、隙間ならびにさらなる隙間が上述のように実現されることが達成され得ると同時に、第1ハウジング部と第2ハウジング部とを接続した後のハウジング本体の外寸は、依然として対称的であり得る。
【0027】
いくつかの実施態様によれば、前記第1側面は平坦面を有する、および/または、前記第2側面は平坦面を有する。また、第3側面および/または第4側面は、例えばそれぞれ平坦面を有し得る。
【0028】
特に、平面は、それぞれの側面において、径方向におけるリブまたは凸部、または径方向における溝がないものとして理解され得る。
【0029】
この結果、第2ハウジング部と第1側面との接触面積、ならびに第2ハウジング部と第2側面との接触面積は、非常に大きくなり得る。さらに、このようにして、段差構造におけるアンダーカットが回避され得るため、例えば押出プロセスまたは射出成型プロセスにより、第1ハウジング部は非常に単純に製造される。したがって、フライス加工等の機械加工ステップが回避され得る。
【0030】
代替的な実施態様によれば、前記段差構造は、前記第1側面において第1凸特徴部を備え、前記第2ハウジング部は、前記第1側面と前記第1凸特徴部において接触する。代替的または追加的に、前記段差構造は、前記第2側面において第2凸特徴部を備え、前記第2ハウジング部は、前記第2側面と前記第2凸特徴部において接触する。
【0031】
換言すれば、第2ハウジング部は、第1凸特徴部および/または第2凸特徴部と接触する。
【0032】
凸特徴部は、例えばリブとも表記され得る。そして、凸特徴部は、必ずしも、それぞれの側面全体に沿って延びる必要はない。
【0033】
凸特徴部は、製造スタッフが視覚的に容易に認識できるため、組立中の取り扱いが簡単になり得るという利点を有する。
【0034】
いくつかの実施態様によれば、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、レーザー溶接により、特にフランジまたはフランジ面と対応する第2ハウジング部の接触面との接触領域において、互いに接続される。
【0035】
この結果、自動車用カメラは、第2ハウジング部が第1ハウジング部に接続する位置において、光軸およびレンズ開口を周方向に包囲する溶接シームを有する。
【0036】
いくつかの実施態様によれば、第1ハウジング部は金属からなり、第2ハウジング部は金属またはさらなる金属からなる。
【0037】
金属および/またはさらなる金属は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鋼または他の金属合金であり得る。
【0038】
他の実施態様において、前記第1ハウジング部は、前記フランジを備える第1金属部品を備え、前記第2ハウジング部は、前記フランジに接続する第2金属部品を備える。
【0039】
金属部品およびさらなる金属部品は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鋼または他の金属合金を含み得る、またはこれからなり得る。
【0040】
本発明のさらなる様相によれば、自動車用カメラ、特に本発明による自動車用カメラを製造するための方法が提供される。
【0041】
本方法のいくつかの実施態様によれば、前記自動車用カメラのレンズユニットを取り付けるためのレンズ開口を備える第1ハウジング部と、第2ハウジング部とは、ハウジング内部が形成されるような態様において前記第1ハウジング部のフランジにおいて互いに接続する。前記フランジは、前記レンズ開口を包囲する段差構造が前記第1ハウジング部の外側輪郭に形成されるような態様において前記レンズ開口を包囲し、前記段差構造は、前記レンズ開口から離れるように配向される4つの側面を備える。本方法によれば、前記第2ハウジング部を前記第1ハウジング部に接続する前に、前記第2ハウジング部を、4つの前記側面のうちの第1側面に接触させるとともに、前記第2ハウジング部を、4つの前記側面のうちの第2側面に接触させる。ここで、前記第2側面は、前記第1側面に対して垂直である。
【0042】
ハウジング内部は、特に、ハウジング内部に自動車用カメラの回路基板を配置するように形成される。本方法のいくつかの実施態様において、回路基板は、ハウジング内部に配置される。
【0043】
換言すれば、第2ハウジング部、具体的には第2ハウジング部の内面を第1側面および第2側面に接触させた直後に、例えばレーザー溶接により、第1ハウジング部を第2ハウジング部に接続する。
【0044】
本方法のいくつかの実施態様によれば、前記第2ハウジング部を前記第1側面および前記第2側面に接触させることを目的として、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを、前記第1側面および前記第2側面に対して、具体的にはレンズユニットの光軸に対して垂直な平面内において互いに移動させる。
【0045】
レンズユニットは、第1ハウジング部を第2ハウジング部に接続する前または後に、例えば螺合接続により、第1ハウジング部にレンズ開口において締結され得る。
【0046】
いくつかの実施態様によれば、隙間が前記第2ハウジング部と4つの前記側面のうちの第3側面との間に存在するとともに、さらなる隙間が前記第2ハウジング部と4つの前記側面のうちの第4側面との間に存在するような態様において、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、互いに対して配置され、前記第4側面は、前記第3側面に対して垂直である。
【0047】
特に、上述のように第2ハウジング部を第1側面および第2側面に接触させる際、隙間およびさらなる隙間は維持される。これは、特に、第2ハウジング部が第1側面および第2側面に接触した時点で、自動的に生じ得る。
【0048】
いくつかの実施態様によれば、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、レーザー溶接により互いに接続される。
【0049】
特に、溶接輪郭が、第1ハウジング部と第2ハウジング部との接触領域により与えられる。レーザー溶接プロセスは、例えば、第1側面または第2側面が第2ハウジング部に接触した位置において開始され得る。そして、レーザー溶接用のレーザーが、溶接輪郭に沿って、開始点に再び到達するまでガイドされ得る。その後、レーザーは、第1ハウジング部および第2ハウジング部の対応する材料部分が2回溶接される溶接オーバーラップ領域が形成されるような態様において、さらにガイドされ得る。
【0050】
好適な実施形態において、溶接オーバーラップ領域は、第1側面または第2側面が第2ハウジング部と接触する領域の全体に存在する。
【0051】
特に、それぞれの側面と第2ハウジング部との接触が、それぞれの側面の対応する凸部またはリブにより確立される実施形態において、レーザー溶接オーバーラップ領域は、対応する凸部構造により規定される領域全体に存在する。
【0052】
この結果、溶接オーバーラップ領域は、大きい壁厚を有する領域にある。これは、溶接プロセスおよびハウジング本体の安定性に対して有益である。
【0053】
特に、いくつかの実施態様において、前記第1側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第1壁厚は、前記側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第3壁厚よりも大きく、前記レーザー溶接は、前記フランジの輪郭に沿って実施され、前記第1壁厚は、溶接オーバーラップ領域に存在する。
【0054】
特に、第1壁厚は、第3壁厚および第4壁厚よりも大きい。
【0055】
代替的に、前記第2側面と前記レンズ開口との間における前記第1ハウジング部の第2壁厚は、前記第3壁厚および/または第4壁厚よりも大きく、前記レーザー溶接は、前記第2壁厚が溶接オーバーラップ領域に存在するような態様において、前記フランジの輪郭に沿って実施される。
【0056】
いくつかの実施態様によれば、前記第1ハウジング部は、押出プロセスにより、または成形プロセス、例えば射出成型プロセスにより作製される。
【0057】
このような実施態様において、第1側面および第2側面は、特に、凸部構造のない平坦面として製造される。したがって、フライス加工等の機械加工後処理ステップが回避され得る。
【0058】
本発明による自動車用カメラを製造するための方法のさらなる実施態様は、本発明による自動車用カメラの種々の実施態様から直接的に導かれ、その逆もまた同様である。特に、本発明による自動車用カメラの様々な実施態様に関する個々の特徴および/または説明は、本発明による方法のそれぞれの実施態様について同様に適用することができ、その逆もまた同様である。
【0059】
本発明のさらなる様相によれば、本発明による自動車用カメラまたは本発明によるカメラシステムを備える自動車が提供される。
【0060】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面および図面の説明から明らかである。本明細書において上述した特徴および特徴の組み合わせ、ならびに図面の説明において後述する特徴および特徴の組み合わせ、および/または図に示した特徴は、記載したそれぞれの組み合わせだけでなく、他の組み合わせも本発明に含まれ得る。特に、最初に策定された請求項のすべての特徴を有していない、特徴の実施形態および組み合わせも、本発明に含まれる。さらに、特許請求の範囲の記載に記載された特徴の組み合わせを超える、または逸脱する特徴の実施形態および組み合わせは、本発明に含まれる。
【0061】
以下に、特定の例示的実施態様およびそれぞれの概略図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図面において、同一または機能的に同一の要素は、同じ参照符号により示され得る。同一または機能的に同一の要素の説明は、異なる図面に対して必ずしも繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】
図1は、本発明による自動車用カメラの例示的実施態様を有する自動車を概略的に示す。
【
図2】
図2は、本発明による自動車用カメラのさらなる例示的実施態様の分解側面図および分解斜視図を概略的に示す。
【
図3】
図3は、本発明による自動車用カメラのさらなる例示的実施態様の第1ハウジング部の斜視図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、
図3の第1ハウジング部の上面図を概略的に示す。
【
図5】
図5は、自動車用カメラの
図3の第1ハウジング部の上面図、および第2ハウジング部の対応する切欠図を概略的に示す。
【
図6】
図6は、本発明による自動車用カメラのさらなる例示的実施態様の第1ハウジング部の斜視図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1において、少なくとも1つの自動車用カメラ2、例えば、本発明の例示的実施態様にしたがって実現された前方カメラ、側方カメラ、および/または後方カメラを備える自動車1を上面図にて示す。ここで、自動車1は、乗用車として形成されている。自動車1は、例えば、自動車用カメラ2を制御する、および/または、自動車用カメラ2からカメラ画像を受信する制御ユニット3を備え得る。
【0064】
図示例において、自動車1は、自動車1の周囲に分散配置された4つの自動車用カメラ2を備えている。自動車用カメラ2のうちの1つは、後方エリアに配置され、自動車用カメラ2のうちの1つは自動車1の前方エリアに配置され、残りの2つの自動車用カメラ2は、それぞれ側方エリアに、具体的にはサイドミラーの近傍に配置されている。ただし、自動車用カメラ2の個数および配置は、他の例において異なり得る。代替的または追加的に、単数または複数の本発明による自動車用カメラが、自動車1の車内スペースまたは車室を捕捉するように配置され得る。
【0065】
自動車用カメラ2は、特にそれぞれの個々の自動車部品に設置される。自動車部品は、例えば、バンパー、または外部ミラー、またはサイドトリムであり得る。自動車部品は、ヘッドライナー、または内部リム、またはステアリングホイールセンターのカバー、または内部ミラーであってもよい。上述の自動車部品は、非限定的な例としてのみみなされるべきである。
【0066】
実施形態において、自動車1の周囲環境領域は、自動車用カメラ2により捕捉され得る。具体的には、周囲環境領域を示す画像シーケンスまたはビデオデータが、自動車用カメラ2により提供され得る。ビデオデータは、カメラ2から制御ユニット3に送信され得る。制御ユニット3により、カメラ2のビデオデータが自動車1のユーザに表示され得るように、自動車1の表示装置(図示せず)が制御され得る。したがって、電子車両ガイドシステムは、自動車1の走行において自動車1のドライバーを支援するためのドライバー支援システムとして動作し得る。代替的または追加的に、制御ユニット3は、ビデオデータを処理し得るとともに、自動車1の単数または複数のそれぞれのアクチュエータ(図示せず)に対する少なくとも1つの制御信号を生成し得る。アクチュエータは、制御信号に基づいて、自動車1を自動的にまたは部分的に自動的に制御し得る。
【0067】
図2は、本発明による自動車用カメラ2の例示的実施態様の分解斜視図(左側)および対応する分解側面図(右側)を示す。自動車用カメラ2は、自動車1において、または、例えば
図1で説明した対応する電子車両ガイドシステムにおいて使用され得る。
【0068】
自動車用カメラ2は、第1ハウジング部、具体的にはレンズホルダ本体5と、第2ハウジング部、具体的には後方ハウジング本体8と、を含むハウジングを備えている。後方ハウジング本体8は、後方ハウジング本体8とレンズホルダ本体5との組み合わせにより包囲される領域内にアセンブリスペースまたはハウジング内部が形成されるような態様において、レンズホルダ本体5に接続している。
【0069】
自動車用カメラ2は、レンズハウジングを有するレンズユニット4をさらに備えている。レンズユニット4は、レンズホルダ本体5に、後方ハウジング本体8およびアセンブリスペースの反対側において取り付けられている。特に、レンズハウジングは雄ねじを備え得るとともに、レンズホルダ本体5は雌ねじを備え得る。そして、レンズホルダ本体5は、レンズハウジングに雌ねじにより締結され得る。代替的な実施態様において、レンズホルダ本体5が雌ねじを備え得るとともに、レンズハウジングがレンズホルダ本体5の雄ねじに接続する雌ねじを備え得る。
【0070】
例えば、レンズハウジングは、例えばほぼ円筒形の内形を有する中空シャフトであって、レンズユニット4の単数または複数の光学レンズおよび自動車用カメラ2をそれぞれ包囲する中空シャフトを備え得る。レンズの光軸は、特に、中空シャフトの長手方向軸に対して平行、またはこれと同一である。したがって、中空シャフトの長手方向軸は、レンズユニット4の長手方向軸、およびカメラ2の長手方向としてそれぞれみなされ得る。以下では、特に表記しない場合、長手方向軸と表記する。例えば、雄ねじは、中空シャフトの外面に配置され得る。
【0071】
レンズホルダ本体5は、貫通孔により形成されたレンズ開口10を備え得る。レンズ開口10は、レンズハウジングの中空軸と整列して、自動車用カメラ2にレンズおよびレンズハウジングを介して中空軸および貫通孔を通って入射する光が、アセンブリスペースに入射することを可能としている。アセンブリスペース内に、自動車用カメラ2の回路基板7が配置され得る。回路基板7は、自動車用カメラ2の撮像チップ(図示せず)を有するとともに、中空シャフト、貫通孔、および光軸ならびに長手方向軸と同様にそれぞれ整列している。したがって、自動車用カメラ2に入射し、中空シャフトおよび貫通孔を通ってアセンブリスペースに入射した光は、撮像チップのアクティブ光学面にぶつかり得る。撮像チップは、後方ハウジング本体8の開口、および対応するケーブル接続部(図示せず)、または無線接続部を介して制御ユニット3に送信され得るそれぞれの撮像信号を生成する。代替的に、回路基板7は、デジタル信号プロセッサ、DSP、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット、GPU等の前処理回路を備えて、撮像信号を前処理し得る、および前処理された撮像信号を制御ユニットに提供し得る。次いで、制御ユニット3は、撮像信号または前処理された撮像信号にそれぞれ応じて、ビデオデータを生成し得る。
【0072】
本発明によれば、後方ハウジング本体8は、レンズホルダ本体5に、レンズホルダ本体5のフランジ6において接続する。フランジ6は、レンズ開口10を包囲する段差構造9、具体的には直角の段差構造9がレンズホルダ本体5の外側輪郭に形成されるような態様においてレンズ開口10を包囲している。具体的には、段差構造9は、光軸に対して垂直であるとともに後方ハウジング本体8に対面するフランジ6のフランジ面と、レンズ開口10から離れるように配向されるとともに光軸に対して平行であり、したがってフランジ面に対して垂直である4つの側面11a、11b、12a、12bと、を組み合わせることより形成される。
【0073】
自動車用カメラ2を組み立てた場合、後方ハウジング本体8、具体的には後方ハウジング本体8の内面は、4つの側面11a、11b、12a、12bのうちの第1側面11a、および4つの側面11a、11b、12a、12bのうちの、第1側面11aに対して垂直である第2側面11bに接触している。特に、後方ハウジング本体8は、一方では、残りの2つの側面12a、12bとは接触していない。すなわち換言すれば、それぞれの隙間14a、14bまたは間隙が、例えば
図5に示すように、後方ハウジング本体8と側面12a、12bとの間に存在している。
【0074】
図3は、自動車用カメラ2のさらなる例示的実施態様のレンズホルダ本体5の斜視図を概略的に示す。ここでは、段差構造9は、第1側面11aにおける第1凸特徴部13aと、第2側面11bにおける第2凸特徴部13bと、を備えている。対応する上面図を
図4に示す。凸特徴部13a、13bは、後方ハウジング本体8の内面に向けて延びるそれぞれのリブとしてみなされ得る。特に、後方ハウジング本体8は、さらなる上面
図5から分かるように、第1凸特徴部13aおよび第2凸特徴部13bと接触している。これに対し、それぞれの隙間14a、14bが、後方ハウジング本体8と第3側面11aとの間、および後方ハウジング本体8と第4側面11bとの間に存在している。
【0075】
図6において自動車用カメラ2のさらなる例示的実施態様のレンズホルダ本体5の斜視図において概略的に示される代替的な実施態様において、段差構造9は、凸特徴部13a、13bを備えていないが、第1側面11aおよび第2側面11bは、それぞれ平坦面を有している。これにもかかわらず、レンズ開口10と第1側面11aとの間、およびレンズ開口10と第2側面11bとの間のそれぞれの壁厚Dは、レンズ開口10と第3側面12aとの間、およびレンズ開口10と第4側面12bとの間の壁厚よりもそれぞれ大きい。換言すれば、フランジ6の幅は、第3側面12aおよび第4側面12bにおけるフランジ6の厚さに比較して、第1側面11aおよび第2側面11bにおいて小さい。したがって、これらの実施態様においても、後方ハウジング本体8は、第1側面11aおよび第2側面11bに接触している一方で、隙間14a、14bが第3側面12aと後方ハウジング本体8との間、および第4側面12bと後方ハウジング本体8との間にそれぞれ存在している。
【0076】
製造中に、後方ハウジング本体8を押して、
図3~
図5のような実施態様においてはレンズホルダ本体5の凸特徴部13a、13bに接触させるために、または
図6のような実施態様においては位置決め用側面11a、11bに接触させるために、グリッパが使用され得る。これは、後方ハウジング本体8をレンズホルダ本体5に対して位置決めする助けとなる。側面11a、11b、または存在する場合には凸特徴部13a、13bも、レーザー溶接オーバーラップ領域として使用され得る。レーザー溶接オーバーラップ領域は、既に溶接された部分の上にレーザーが溶接する領域として理解され得る。これは、典型的には、プロセスの傷つきやすいエリアであり、材料噴出を防止するために局所的に増加した壁厚を有することが有益であり得る。
【0077】
後方ハウジング本体の外側とレンズホルダ本体の外側との嵌め合いは、レーザー溶接に関して重要な要因であり得る。本発明によれば、後方ハウジングおよびレンズホルダ本体はより正確に配置され得る。これにより、嵌め合いのばらつきが低減される。対応する特徴は、例えば、レーザー溶接プロセスについても利用され得る。
【外国語明細書】