(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013115
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ミストスクリーン形成装置およびミストスクリーン形成システム
(51)【国際特許分類】
G03B 21/56 20060101AFI20230119BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20230119BHJP
B05B 14/00 20180101ALI20230119BHJP
B05B 17/04 20060101ALI20230119BHJP
G03B 21/608 20140101ALI20230119BHJP
【FI】
G03B21/56
B05B12/00 Z
B05B14/00
B05B17/04
G03B21/608
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117062
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】505272308
【氏名又は名称】株式会社星光技研
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】東川 真也
(72)【発明者】
【氏名】牧 新一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 真悟
【テーマコード(参考)】
2H021
4D073
4D074
4F035
【Fターム(参考)】
2H021BA11
4D073AA10
4D073BB03
4D073CA18
4D073CB02
4D073DC02
4D073DC09
4D073DC22
4D074AA10
4D074BB03
4D074DD02
4D074DD17
4D074DD22
4D074DD32
4F035AA01
4F035BA01
4F035BA23
4F035BB35
(57)【要約】
【課題】 通路等に設置する場合は床面に埋設するか或いは装置の前後にスロープを設置する等の施工が必要になること。
【解決手段】 このミストスクリーン形成装置100は、箱型かつ縦型の筐体1と、当該筐体1の内部かつ下部に設置され水滴となったミストを回収する回収部2と、両側面に縦方向に連設した複数のファン7と、前面に配置された整流板6とを備えている。このミストスクリーン形成装置100は例えば廊下の側方の壁面近傍に縦置き配置する。このため、廊下の床面に何等かの施工をする必要はなくなる。また、置くだけで完了することから設置や移動が大変楽である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立する縦型の箱状の筐体と、
当該筐体の側面に設けたエア供給口と、
前記筐体の背面に設けたミスト供給口と、
前記筐体の正面に設けた開口と、
当該開口に設けた多数の穴から構成される整流板と、を備え、
前記筐体にはエア供給口とミスト供給口とを分離する位置に仕切板が配置されると共に前記背面と共に略閉じたミスト供給エリアを構成し、当該仕切板の端縁同士が近接してミストを噴出する細長い開口を形成し、
前記エア供給口と前記開口とを分離する位置にエアフィルターとしての板体が配置されると共に前記側面、前記仕切板及び当該板体によりエア供給エリアを構成し、
前記整流板と前記板体との間には空間が形成されていることを特徴とするミストスクリーン形成装置。
【請求項2】
更に、前記ミスト供給口にミスト供給管の一端が接続され且つその他端がミストを発生させるミスト発生装置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のミストスクリーン形成装置。
【請求項3】
更に、前記筐体の下部に水滴の回収部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミストスクリーン形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載のミストスクリーン形成装置を複数有し、当該ミストスクリーン形成装置の数より少ない数のエア供給手段と当該エア供給手段に一端が接続され他端が分岐して前記ミストスクリーン形成装置の筐体に接続したミストスクリーン形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型に設置してスクリーン状のミストを横方向に噴出する噴霧器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載されているような噴霧器が知られている。この噴霧器であるミストスクリーン形成装置は、装置の上方にミストスクリーンを形成するものであり、水タンクから供給された水を用いてミストを発生させるミスト発生装置と、前記発生させたミストを整流するミスト整流器と、整流後のミストを上方に所定形状で噴出させるミストガイドと、エアを上方に噴出すると共に前記エアを所定形状で噴出するエアガイドを前記ミストガイドの両側に設けたエア噴出装置とから構成される。形成されるミストスクリーンは、装置上方にスクリーン状ないし膜状にミストが噴出されると共にその両側に膜状のエアが噴出されて、スクリーン厚さ方向でエア層、ミスト層、エア層からなる三層構造を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の噴霧器は、上方にミストを噴出するため装置を床面に設置する必要がある。このため、通路等に設置する場合は床面に埋設するか或いは装置の前後にスロープを設置する等の施工が必要になるという問題点があった。本発明は、係る課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(最後に請求項をコピー)
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置(噴霧器)を示す斜視図である。
【
図6】ミストスクリーン形成装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図7】ミストスクリーン形成装置の配置例を示す平面図である。
【
図8】ミストスクリーン形成装置の変形例を示す説明図である。
【
図9】ミストスクリーン形成装置の変形例を示す説明図である。
【
図10】ミストスクリーン形成装置の変形例を示す説明図である。
【
図11】ミストスクリーン形成装置の変形例を示す説明図である。
【
図12】上下方向に首を振る構成を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示したミストスクリーン形成装置を示す動作説明図である。
【
図14】ミスト回収装置を追加した場合の装置構成を示す斜視図である。
【
図15】ミストスクリーン形成装置の変形例を示す説明図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係るミストスクリーン形成装置を示す構成図である。
【
図17】本発明の実施の形態3に係るミストスクリーン形成装置を示す斜視図である。
【
図18】本発明の実施の形態4に係るミストスクリーン形成システムを示す構成図である。
【
図19】本発明の実施の形態5に係るミストスクリーン形成装置を示す一部拡大図である。
【
図20】
図19に示したミストスクリーン形成装置を示す断面図である。
【
図21】
図19に示したミストスクリーン形成装置の部品図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置(噴霧器)を示す斜視図である。
図2は、
図1の水平方向断面図である。
図3は、筐体下部の内部構成を示す説明図である。
図6は、ミストスクリーン形成装置の全体構成を示す斜視図である。このミストスクリーン形成装置100は、箱型かつ縦型の筐体1と、当該筐体1の内部かつ下部に設置され水滴となったミストを回収する回収部2と、両側面に縦方向に連設した複数のファン7と、前面に配置された整流板6とを備えている。
【0008】
筐体1の下部には箱状の回収部2が設けられている。筐体1の内下部の前記回収部2の上側には受け皿3が設けられている。受け皿3の一部にはドレンホース4が接続され、このドレンホース4は、前記回収部2に接続される。回収部2は、内部に水を貯留するタンクである。必要に応じてドレンホース4を抜いて筐体1の前面に設けた扉18を開いて取り出し、内部の水を所望の場所に排水する。回収部2の扉18は筐体1の前面に設けるのが好ましい。前面に設けることで設置場所の壁面に近接して設置した場合でも容易に回収部2のタンクを取り出すことができる。
図4は、扉18を閉じた状態を示す斜視図である。
【0009】
筐体1は、板金製である。筐体1は、縦方向に長い箱状体であり、正面には開口部5が設けられ且つ当該開口部5にはハニカム構造の整流板6が配置されている。両側面には多数の穴(エア供給口)が設けられ、当該穴に複数のファン7が設けられている。背面板8には、ミスト供給口9が設けられている。筐体1の内部であって穴とミスト供給口9との間にはこれらを分離するように仕切板10が縦方向に配置され、断面視において略三角形になるように且つ背面を含めて形成し、略閉じた三角柱状の空間を形成する。
図5の切断図に示すように、正面側の端縁はミストを噴出する細長い開口11を形成する。この三角形の空間をミスト供給エリア51とする。
【0010】
更に内部の正面側には繊維で成型した目の粗いエアフィルター状の板体12が配置されている。この板体12、仕切板10及びファン7を設けた測面を含めて断面視で三角形状を形成している。この三角形のエリアをエア供給エリア52とする。前記板体12によりファン7から供給されてエアを均一に整流する。正面に配置された整流板6は、ハニカム構造であり各穴によりミストを整流して噴出させる。なお、前記整流板6は、所定の長さの穴を面上に多数形成している板状体であればハニカム構造に限定されない。
【0011】
ミスト供給エリア51を構成する背面板8にはミスト供給口9が上下二個設けられ、このミスト供給口9にはミスト供給管20が接続される。ミスト供給口9の正面にはミストが直進しないようにする遮蔽板91が設けられる。前記ミスト供給管20はミスト発生装置30に接続されている。ミスト発生装置30は、内部が水槽となり当該水槽の底部に前記超音波発生器が配置される(図示省略)。超音波発生器は、圧電素子により超音波を発生させるものである。また、ミスト発生装置30には内部で発生したミストをミスト供給管20から送出するためのファンが設けられている(図示省略)。ミスト供給管20は、ミスト発生装置30の上部から2本が延出し、端部がミスト供給口9に接続される。ミスト供給管20の端部は装置本体の水槽内部に開口しており、水槽内で前記超音波発生器により水面から分離発生させたミストは、ミスト供給管20を介して前記ミスト供給エリア51に供給される。なお、ミスト供給管20はフレキシブルに変形する管とするのが施工上好ましい。
【0012】
整流板6と前記板体12との間には一定の空間13が設けられる。この空間13において供給されたエアとミストとが合流する。前記ミスト供給エリア51には細長い開口11が正面側に形成されると共に、前記エア供給エリア52からは均一に板体12から前記空間13にエアが押し出る。エアの圧により噴出したミストは層状のまま整流板6に至る。また、エアがスポンジ状の板体12により染み出すようにまんべんなく前記空間13に出てくることから、開口11から勢いよく噴出したミスト流を両側から抑えるような形になる。また、均一にエアが供給されているのでミスト流に乱れを生じさせない。このため、ミストは開口11からの噴出状態を維持して整流板6に至り、前面に噴出されることになる。
【0013】
ミストは空間13において主に整流板6で結露し、水滴となって下方に落ちる。またその他の部位においても水滴となって下方に落ちる。この水滴は受け皿3に落ちてドレンホース4を介して回収部2に流れる。筐体1は、土台15の上に設置される。土台15は所定厚の略円形の板状体である。土台15の底面には図示しない足が複数設けられる。
【0014】
このミストスクリーン形成装置100は、所望の場所に設置される。例えば廊下の側方に設置しミスト発生装置30はその横に配置する。
図7は、ミストスクリーン形成装置100の配置例を示す平面図である。このミストスクリーン形成装置100を廊下Rの側方の壁面W近傍に配置することで、廊下Rの床面Fに何等かの施工をする必要はなくなる。また、置くだけで完了することから設置や移動が大変楽である。なお、ミストスクリーン形成装置100により形成したミストスクリーンSに対して所定の場所(天井等に設置)からプロジェクタPで動画を投影することもできるし、レーザ光線を照射して所定のインフォメーションを投影することもできる。このように、ミストスクリーンに対して反射する光を投射することで所望の情報をミスト上に表示する。
【0015】
次に、設置したミストスクリーン形成装置100を移動する場合、筐体1からミスト発生装置30を外して搬送する。ミスト発生装置30も比較的小型であるため容易に搬送できる。このミストスクリーン形成装置100は、縦型の筐体1によりミストスクリーンを横方向に形成するので、設置場所の床面への施工作業が不要であり簡単に設置し、簡単に移動できる。また、横方向にミストを噴出することで後述するようにミストの回収が行いやすいものとなる。
【0016】
また、
図8に示すように、前記土台15は回転台40としても良い。回転台40にすることでミストスクリーンの形成方向を自在に変更できる。また、回転台40は手動で回転するように土台板41に回転軸を介して回転テーブル42を設け、当該回転テーブル42に上記筐体1を載置した構造にできる。また、自動で所定の角度回転が可能になるように、土台板41にモータドライブ装置(図示省略)を装着して回転テーブル42を左右方向の所望角度に回転させても良い。
【0017】
回転可能することでミストスクリーンをミスト扉として使用できる。例えば、図示しないセンサーにより人を検知すると前記モータドライブ装置を駆動して筐体1を回転させてミストスクリーンの扉を開くように動作させる。そして人が通過すると回転テーブル42を回転させてミストスクリーンの扉を閉める。
【0018】
更に、
図9に示すように、前記回収部2は筐体1の外に設置する構造としても良い。この場合、回収部2のタンクの容量を大きくできることから、長時間の使用が可能となる。また、
図10に示すように、ドレンホース4をミスト発生装置30の装置本体の水槽に接続し、水を戻すようにしても良い。このようにすれば、回収した水をミストの発生に再利用できる。
【0019】
更に、
図11に示すように、ミスト発生装置30を筐体1の下部に設置すると共に前記回収部2を省略し、当該ミスト発生装置30の水槽に回収した水を還流させるようにしても良い。具体的には、ドレンホース4はミスト発生装置30の水槽に接続し、受け皿3で回収した水を水槽に戻す。また、係る構成では、ミスト供給管20がミスト発生装置30から延出し、上記同様に筐体1の背面板8に接続される。このため、全体がコンパクトになり且つ設置面積を小さくできる。このため、設置場所の自由度が高まる。また、回収部2が不要であり回収した水を還流してミストとして再利用できる。
【0020】
図12は、上下方向に首を振る構成を示す斜視図である。
図13は、
図12に示したミストスクリーン形成装置を示す動作説明図である。このミストスクリーン形成装置100の土台55は、矩形の傾斜テーブル56と、当該傾斜テーブル56の回転支点となる円柱体57と、傾斜テーブル56の前後方向で当該傾斜テーブル56を支持しているフレーム58とから構成される。通常の状態(ミストスクリーンを水平方向に噴出する場合)では、円柱体57で支持されつつ前後のフレーム58で傾斜テーブル56が支持されることから、筐体1自体は直立を維持し、その結果、噴出するミストスクリーンは水平方向となる。
【0021】
次に、フレーム58を外して円柱体57により傾斜テーブル56を線状支持すると傾斜テーブル56は一方向に傾く。具体的には、傾斜テーブル56の一辺が床面に接し、傾斜テーブル56の一部が線状に円柱体57に接し、この状態で筐体1は傾いておりその結果ミストスクリーンは傾斜して噴出することになる。円柱体57は固定位置で支持しているものではないため、円柱体57の位置によって傾きを調整できる。円柱体57は摩擦力で傾斜テーブル56と床面との間で固定される。なお、滑りにくくするため前記円柱体57の表面にはゴムなどの滑り止め面を設けても良い。傾斜テーブル56の裏面にも同様に滑り止め面を設けても良い。
【0022】
このように、このミストスクリーン形成装置100では、簡単な構造で筐体1の上下方向の傾きを調整できる。また、短時間で簡単に傾斜させることができる。なお、傾斜手段は、かかる構成の他、公知のねじ付きの足を傾斜テーブル56の四隅に設けたものでもよい(図示省略)。
【0023】
図14は、ミスト回収装置を追加した場合の装置構成を示す斜視図である。同図に示すように、上記ミストスクリーン形成装置100に対してミスト回収装置70を追加しても良い。ミスト回収装置70は、筐体1と同じ高さの筐体71を有し、この筐体71の正面(ミストスクリーン形成装置100に対向する面)が開口しており、内部が空洞となる。筐体71の裏側には複数の穴が設けられ、当該穴にはミスト回収管72が接続されている。ミスト回収管72には吸引機73及び復水器74が接続されており、吸引機73により吸引したミストは復水器74の内部で水に変換される。復水器74はミスト回収管72によりミストスクリーン形成装置100のミスト発生装置30の水槽に接続されているので、復水された水は水槽に戻る。
【0024】
また、筐体71の下部には受け皿が設けられ、筐体71内面で凝固したミストが下方に流れ、受け皿で回収される。受け皿にはドレンホース75が設けられる。ドレンホース75はミスト回収管72に接続される。
【0025】
また、
図15に示すように、筐体71の正面に網状又は不織布状の吸水体76を設置し、この吸水体76にミストを衝突付着させて水滴として回収するようにしても良い。その場合、水滴は下方に流れ落ちる。吸引機及び復水器は省略できる。筐体71の下部には水を溜めるタンクから構成された回収部77を設ける。この場合、筐体71に接続する管等が省略されるため、独立して設置できる。筐体71の受け皿に落ちた水は受け皿のドレン78から回収部77に落ちて溜められる。なお、吸水体76には、マイクロファイバークロスのような吸水性が高い素材を用いることができる。ミストが衝突することで吸水体76が水を吸収し、その水が下方に移動して回収部77に回収される。回収した水はミストスクリーン形成装置のミスト発生装置の水槽に戻して再利用する。
【0026】
このミスト回収装置70を有するミストスクリーン形成装置100によれば、ミストの回収をすることで設置場所の湿度の上昇を抑制すると共にミストに使用した水を循環して使用できるので、水の使用量が減少する。また、ミストスクリーン形成装置100が横方向にミストスクリーンを形成することからミスト回収装置70を縦型のものとして設置可能となる。このため、設置場所の自由度が高くなる。
【0027】
(実施の形態2)
図16は、本発明の実施の形態2に係るミストスクリーン形成装置を示す構成図である。このミストスクリーン形成装置200は、実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置100の正面にシャッター201を設けた構成である。シャッター201は二枚に分割されており(シャッター201a、シャッター201b)、筐体1の正面の下方から順に設けられる。シャッター201は、金属製の板からなり筐体1に対して着脱可能である。同図の例では、正面の上部は開放しており、略中央から下部までがシャッター201で閉じてある。
【0028】
シャッター201で閉じているところは、ミストがシャッター201で阻止されるため当該範囲でミストスクリーンが形成されず、空間13に送られたミストは水滴となって下方に落ちる。水滴は受け皿3で回収され回収部2で回収される。回収した水は、定期的に取り出して処分する。シャッター201で閉じてない正面からは通常のミストスクリーンSが水平方向に形成される。また、上側のシャッター201aを開放すればその分だけミストスクリーンSの上下幅が広くなる。シャッター201は水滴が落ちることから下から順に設けるのが好ましい。
【0029】
シャッター201は扉のように開閉式にしても良い(図示省略)。更に、前記空間13の内部にシャッター201a,201bの境界部分で上下分割するような仕切板を設けても良い(図示省略)。水滴を落下させるために一部にドレン穴を設ける。仕切板を設けることでシャッター201を装着した状態で空間13内のミストの流れが変化して開放している部分に影響を与えるのを防止できる。仕切板で略閉鎖された空間13ではミストが充満して水滴となり受け皿3に落ちる。
【0030】
(実施の形態3)
図17は、本発明の実施の形態3に係るミストスクリーン形成装置を示す斜視図である。このミストスクリーン形成装置300は、筐体301が上下方向で分割され且つ連結可能な構造となる。同図の例では、三分割構造であり連結した状態で実施の形態1に示したミストスクリーン形成装置100と略同一構成となる。なお、同図では上側の筐体301の上部天板は説明のために省略している。各筐体301は上記実施の形態1と同様の構造である。更に、図示しないが筐体301を追加して上方に延長することができる。筐体301同士の連結部分には、差込部を設けて一方の端縁を他方の端縁に差し込む形で連結する。
【0031】
一つの筐体301は、上記実施の形態1と同様に、内部の仕切板10、板体12、ファン7、ミスト供給口13、前面の整流板6を有する。ミスト供給エリア51及びエア供給エリア52は各筐体301を連結した状態で内部で連通して一体化する。背面板8のミスト供給口9は各筐体301に設けられるが、省略することもできる。この分割構成にした場合、所望の高さまで筐体301を延長または短縮できる。このため、必要な面積のミストスクリーンを形成できる。
【0032】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4に係るミストスクリーン形成システムを示す構成図である。ミストスクリーン形成システム400は、複数のミストスクリーン形成装置100を連結した構成である。当該ミストスクリーン形成システム400では、各ミストスクリーン形成装置100に対してそれぞれミスト発生装置30が接続される。また、エアの供給はエア供給装置401からエア供給管402により供給する。各ミストスクリーン形成装置100は筐体1側面のファン7を省略し、エア供給装置401からエアの供給を受ける。
【0033】
エア供給装置401は、大型の箱状筐体402の内部に大型のファンを備えており、箱状筐体402は外部からのエア導入口を有すると共にフィルターを備える(これらは公知の要素であるから図示省略)。また、箱状筐体401の上部にエア供給管402が接続される。エア供給管402にはフレキシブルに変形する管を用いるのが好ましい。エア供給管402は先端で分岐してそれぞれ別のミストスクリーン形成装置100の筐体1に接続される。
【0034】
当該ミストスクリーン形成システム400によれば、ミストスクリーンSは三層に形成される。また、ミスト発生装置30を個別に設けたのでミストの種類を変えることができる。例えば、第一のミストスクリーン形成装置100のミストは消臭剤が混合されたものを使用し、第二のミストスクリーン形成装置100のミストは殺菌効果がある液体を噴出するものとし、第三のミストスクリーン形成装置100のミストは通常の水を噴出するものとできる。また、両端のミストスクリーン形成装置100からのミストはシャッターとして機能させるための通常の水によるミストスクリーンSとし、中央のミストスクリーン形成装置100はウイルス除去の効果があるミストスクリーンSとする。このように、中央のミストの成分を閉じ込めるような形でミストスクリーンSを形成しても良い。
【0035】
ミストスクリーン形成システム400は、ミスト発生装置30を各筐体1で共通にしても良い。その場合はミスト供給管は3つに分岐するものを用いて各筐体に接続する。特に、多数のミストスクリーン形成装置100を設置する場合、ミスト発生装置30及び/又はエア供給装置401を共用とすることでシステム全体のコストダウンを図ることができる。なお、システムを構成するミストスクリーン形成装置は4個以上としても良い。
【0036】
(実施の形態5)
図19は、本発明の実施の形態5に係るミストスクリーン形成装置を示す一部拡大図である。
図20は、
図19に示したミストスクリーン形成装置を示す断面図である。
図21は、
図19に示したミストスクリーン形成装置の部品図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。このミストスクリーン形成装置500は、実施の形態1に係るミストスクリーン形成装置100と同様であるが、開口11に整流器501を備えた点が異なる。ハニカム状の整流板6は、前記開口11の前面には設けない。換言すれば、整流板6は、開口11の左右両側に配置される。
【0037】
整流器501は、短冊形状の板体502に複数のフィン503が一列に等間隔で設けられ、各フィン503は斜め下方向に傾斜している。この傾斜によりフィン503に結露した水滴が傾斜方向に流れて落ちる。この傾斜方向には開口部11を形成する仕切板10に移り、下方に流れ落ちる。流れ落ちた水は受け皿3で受けられ回収部2で回収される。また、傾斜により一方向に素早く水滴を流し、下方に流すことでミストと共に水滴が飛ぶのを防止できる。特に、フィン503は一枚の板体502に取り付けられ反対側が開放されているので水滴を流すのに好適である。反対側には、短冊状の板体504が配置される。フィン503の端縁と板体504との間にはわずかに隙間が形成される。
【0038】
また、フィン503は短冊形状であり略水平方向に且つ短辺方向で傾斜して配置されるところ、ミスト流の下流となる側の短辺が斜めにカットされていることから水滴がミスト流にながされつつ当該端縁を伝って流れる。このため、ミスト流により水滴がフィン503からはがれて飛ばされるのを防止できる。
【0039】
また、当該整流器により噴出するミストが一定方向に整流される。開口部11からのミストを前面までガイドするので噴出したミストスクリーンがきれいに形成される。なお、前記整流板6の厚さ(整流に寄与する長さ)よりも長いフィン503を使用しても良い(図示省略)。その場合、整流板6はそのままで開口部11にのみ高い整流効果を持たせることができる。また、整流板6の流路(各ハニカム部分)の断面積より小さい断面積を形成するようにフィン503を設けることで、整流効果を高いものとすることができる。
【0040】
なお、開口部11への装着は、板体を仕切板10の先端に張り付ける形となり、交換も容易である。
【0041】
なお、上記実施の形態において、回収部2は、タンクの代わりに排水用のポンプを接続して内部の水を排水するようにしても良い(図示省略)。また、タンクに排水用のポンプを接続しても良い。このようにすれば、タンクを取り出して手動で排水する手間を省略できる。
【符号の説明】
【0042】
100 ミストスクリーン形成装置
1 筐体
2 回収部
3 受け皿
4 ドレンホース
5 開口部
6 整流板
7 ファン
11 開口
20 ミスト供給管
30 ミスト発生装置
【手続補正書】
【提出日】2021-07-15
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、縦型に設置してスクリーン状のミストを横方向に噴出するミストスクリーン形成装置およびミストスクリーン形成システムに関するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、自立する縦型の箱状の筐体と、当該筐体の側面に設けたエア供給口と、前記筐体の背面に設けたミスト供給口と、前記筐体の正面に設けた開口と、当該開口に設けた多数の穴から構成される整流板と、を備え、前記筐体にはエア供給口とミスト供給口とを分離する位置に仕切板が配置されると共に前記背面と共に略閉じたミスト供給エリアを構成し、当該仕切板の端縁同士が近接してミストを噴出する細長い開口を形成し、前記エア供給口と前記開口とを分離する位置にエアフィルターとしての板体が配置されると共に前記側面、前記仕切板及び当該板体によりエア供給エリアを構成し、前記整流板と前記板体との間には空間が形成されていることを特徴とする。
更に、前記ミスト供給口にミスト供給管の一端が接続され且つその他端がミストを発生させるミスト発生装置に接続されるようにしても良い。更に、前記筐体の下部に水滴の回収部を設けても良い。
また、上記のミストスクリーン形成装置を複数設け、当該ミストスクリーン形成装置の数より少ない数のエア供給手段と当該エア供給手段に一端が接続され他端が分岐して前記ミストスクリーン形成装置の筐体に接続してミストスクリーン形成システムとしても良い。