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特開2023-131213ベントナイト含有遮水層の品質管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131213
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ベントナイト含有遮水層の品質管理方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/08 20060101AFI20230914BHJP
   G01N 33/24 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E02D1/08
G01N33/24 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035812
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】516129792
【氏名又は名称】一般社団法人NB研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】成島 誠一
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA05
2D043AB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】法面や狭隘な個所であってもベントナイト含有遮水層の貫入抵抗力を測定し、品質を管理することができるベントナイト含有遮水層の品質管理方法を提供する。
【解決手段】ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含む遮水層に貫入される貫入部と、前記貫入部が前記遮水層から受ける貫入抵抗力を検出する抵抗力検出部とを備え、手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置を前記貫入部が調査対象遮水層に略直角に貫入できるように当接させる当接工程6と、前記貫入部を前記遮水層内に進入させ、前記貫入部が受ける貫入抵抗力を前記抵抗力検出部で検出する抵抗力検出工程7と、前記抵抗力検出工程7で検出した貫入抵抗力を換算装置が受信し、前記換算装置が前記貫入抵抗力から透水係数を換算する透水係数換算工程9と、判定装置が前記透水係数換算工程9で算出された透水係数がしきい値以下であることを判定する判定工程11とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含有する遮水層の品質を管理するベントナイト含有遮水層の品質管理方法であって、前記ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含有する遮水層に貫入される貫入部と、前記貫入部が前記遮水層から受ける貫入抵抗力を検出する抵抗力検出部とを備え、手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置を前記貫入部が前記遮水層に略直角に貫入できるように当接させる当接工程と、前記貫入部を前記遮水層内に進入させ、前記貫入部が受ける貫入抵抗力を前記抵抗力検出部で検出する抵抗力検出工程と、前記抵抗力検出工程で検出した前記貫入抵抗力を換算装置が受信し、前記換算装置が前記貫入抵抗力から透水係数を換算する透水係数換算工程と、判定装置が前記透水係数換算工程で算出された透水係数がしきい値以下であることを判定する判定工程とを含むベントナイト含有遮水層の品質管理方法。
【請求項2】
前記貫入抵抗力検出装置は、軸方向の先端側から基端側に進むに従って前記軸方向に直交する断面の断面積が増大する断面積増大部を有し、少なくともその断面積増大部が前記遮水層に貫入される前記貫入部と、前記軸方向に沿って前記貫入部を移動させて前記貫入部を前記遮水層に貫入させる移動機構と、前記移動機構を保持する筐体と、前記貫入部が前記遮水層から受ける貫入抵抗力を連続して検出する前記抵抗力検出部と、前記筐体に設けられ、前記軸方向に対して直交する接地基準面を画定する設置部を備え、
前記貫入部は、通常状態において前記筐体の内部に位置することを特徴とする請求項1に記載のベントナイト含有遮水層の品質管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は法面や狭隘な個所のベントナイトを含有した遮水層の貫入抵抗力を測定し、貫入抵抗力から透水係数を算出して品質を管理することができるベントナイト含有遮水層の品質管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川ブランケットや水田基盤、溜池、処分場の遮水構造或は跡地オーバーカバー基盤等、恒久的に遮水しなければならない箇所に用いられる低透水性天然粘土鉱物砕石材料およびその密度測定方法に関する品質管理技術として、例えば特許文献1に記載のベントナイト含有遮水層の品質管理方法が知られている。この特許文献1に記載の品質管理方法は、例えばベントナイト混合土の場合には、原料土によっては均一に混合できないため品質にばらつきがあり、混合するにあたりメチレンブルー吸着試験やファンネル粘性試験等の品質管理が煩雑で精度にも問題を有していたことから、簡易支持力測定器(キャスポル)を利用して恒久的に遮水でき品質も均一な低透水性天然粘土鉱物砕石材料およびその密度測定方法を提供しようとするものである。
【0003】
しかして、ベントナイト砕石やベントナイト混合土を遮水層として用いたベントナイト含有遮水層の品質管理方法の品質は、普通一般に締固め度や透水係数で管理しており、例えば特許文献1に示すような簡易支持力測定器や、RI測定器等で締固め度の測定が行われている。
【0004】
ところで、上記簡易支持力測定器は、重力加速度簡易締固め測定器であるが、このような装置は自由落下の重力加速度で打撃測定するため、被打撃面が略水平状態でなければ事実上測定することができない。付言すると、法面や斜面での測定はできないという問題点があった。また、三脚がセット出来ない狭隘な個所での測定ができないという問題点があった。
【0005】
一方、RI測定器は、ラジオアイソトープと線源棒を挿入することで締固め度を測定するものの、線源棒の長さが普通一般に20cm以上あるため、前記簡易支持力測定器と同様に法面や斜面および薄層20cm以下の締固め測定ができないのみならず、測定時間がセットから測定まで30分程度要する、測定箇所が限られる等の問題点があった。
【0006】
そのような訳で、これらの測定器を用いた場合、法面や狭隘な個所のベントナイト含有遮水層の貫入抵抗力等の測定は出来ず、遮水層の品質管理は非常に難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-130149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上のような従来の測定器の欠点に鑑み、法面や狭隘な個所であってもベントナイト含有遮水層の貫入抵抗力を測定し、遮水層の品質を管理することができるベントナイト含有遮水層の品質管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のベントナイト含有遮水層の品質管理方法は、ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含有する遮水層の品質を管理するベントナイト含有遮水層の品質管理方法であって、ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含む遮水層に貫入される貫入部と、前記貫入部が前記遮水層から受ける貫入抵抗力を検出する抵抗力検出部とを備え、手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置を前記貫入部が調査対象遮水層に略直角に貫入できるように当接させる当接工程と、前記貫入部を前記遮水層内に進入させ、前記貫入部が受ける貫入抵抗力を前記抵抗力検出部で検出する抵抗力検出工程と、前記抵抗力検出工程で検出した貫入抵抗力を換算装置が受信し、前記換算装置が前記貫入抵抗力から透水係数を換算する透水係数換算工程と、判定装置が前記透水係数換算工程で算出された透水係数がしきい値以下であることを判定する判定工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のベントナイト含有遮水層の品質管理方法の前記貫入抵抗力検出装置は、前記貫入抵抗力検出装置は、軸方向の先端側から基端側に進むに従って前記軸方向に直交する断面の断面積が増大する断面積増大部を有し、少なくともその断面積増大部が前記遮水層に貫入される前記貫入部と、前記軸方向に沿って前記貫入部を移動させて前記貫入部を前記遮水層に貫入させる移動機構と、前記移動機構を保持する筐体と、前記貫入部が前記遮水層から受ける貫入抵抗力を連続して検出する前記抵抗力検出部と、前記筐体に設けられ、前記軸方向に対して直交する接地基準面を画定する設置部を備え、前記貫入部は、通常状態において前記筐体の内部に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1及び請求項2に記載された各発明においては、貫入抵抗力検出装置の抵抗力検出部で検出することができるので、貫入抵抗力から容易に遮水層の透水係数を算出することができる。
(2)また、手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置を用いて貫入抵抗力を測定することができるので、法面等の傾斜面や狭隘な個所でも遮水層の貫入抵抗力を測定することができる。
したがって、法面等の傾斜面や狭隘な個所でも透水係数を算出でき、遮水層の品質管理を行うことができる。
(3)手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置を用いて貫入抵抗力を測定することができるので、容易に貫入抵抗力を測定することができ、短時間に多数の測定点で貫入抵抗力を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図1】第1実施形態のベントナイト含有遮水層の品質管理方法の工程図。
図2】貫入抵抗力検出装置の概要図。
図3】貫入抵抗力検出装置、換算装置及び判定装置のブロック図。
図4】法面における当接工程の説明図。
図5】貫入抵抗力と締固め度の関係を示す表。
図6】遮水層の含水比と締固め密度の関係を示す表。
図7】貫入抵抗力と締固め密度の関係を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1乃至図7に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は遮水構造の土構造物等におけるベントナイト砕石又はベントナイト混合土を用いた遮水層の品質を管理することができるベントナイト含有遮水層の品質管理方法(以下、品質管理方法という)である。
【0015】
この品質管理方法1は、図1に示すように、ベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含む遮水層2に貫入される貫入部3と、前記貫入部3が遮水層2から受ける貫入抵抗力を検出する抵抗力検出部4とを備え、手で把持した状態で扱うことができる貫入抵抗力検出装置5を前記貫入部3が調査対象の前記遮水層2の表面に略直角に貫入できるように当接させる当接工程6と、前記貫入部3を前記遮水層2内に進入させ、前記貫入部3が受ける貫入抵抗力を前記抵抗力検出部4で検出する抵抗力検出工程7と、前記抵抗力検出工程7で検出した貫入抵抗力を換算装置8が受信し、前記換算装置8が前記貫入抵抗力から透水係数を換算する透水係数換算工程9と、判定装置10が前記透水係数換算工程9で算出された透水係数がしきい値以下であることを判定する判定工程11とで構成されている。
【0016】
貫入抵抗力検出装置5は、本実施形態では、図2に示すように軸方向の先端側から基端側に進むに従って前記軸方向に直交する断面の断面積が増大する断面積増大部3aを有し、少なくともその断面積増大部3aが遮水層に貫入される前記貫入部3と、前記軸方向に沿って前記貫入部を移動させて前記貫入部3を遮水層に貫入させる移動機構12と、前記移動機構12及び貫入部3を保持する筐体13と、前記貫入部3が遮水層2から受ける貫入抵抗力を連続して検出する前記抵抗力検出部4と、前記筐体13の下端部に設けられ、前記軸方向に対して直交する接地基準面を画定する設置部14を備えている。
【0017】
貫入部3は、先端部が尖った円錐状の部品であり、使用時における上端部付近が移動機構12にロードセル等の抵抗力検出部4を介して接続されている。
【0018】
筐体13は、本実施形態では使用時における下端部が開口した筒状の部材であり、上端部側に移動機構12が設けられ、下端部側に貫入部3が設けられている。この移動機構12は、本実施形態では回転源15と貫入部3が同調するように接続されたボールねじ機構16とで構成されており、回転源15を回転させることにより、ボールねじ機構16が上下に変位し、この変位に貫入部3が同調することにより貫入部3が上下方向に変位する。
【0019】
なお、貫入部3は通常状態(ボールねじ機構が上限部に位置する状態、当接工程6を行う状態)においては、前記筒状の筐体13の内部に位置する。付言すると、通常状態においては、貫入部3の先端部が筐体13の内部に埋没している状態でとなっている。
【0020】
設置部14は前記筒状の筐体13の先端部(使用状態における下端部)に形成されたフランジ状の部位で、この部位を遮水層2の表面に当接させることにより貫入部3が遮水層2に対して略垂直となるように形成されている。
【0021】
この貫入抵抗力検出装置5は、手で把持した状態で使用できる程度の大きさ、重さに形成されているため、法面や斜面等の斜め状態の遮水層2や遮水層2の狭隘な箇所の貫入抵抗力を検出することができ、このような箇所の品質管理をすることができる。
【0022】
当接工程6は、図4に示すように貫入抵抗力検出装置5を手で把持した状態での貫入部3の先端部を品質管理するための試験を行う調査対象のベントナイト砕石又はベントナイト混合土を含む遮水層2に対して略直角に当接させる工程である。ここで、前述したように設置部14を遮水層2の表面に当接させることにより貫入部3が遮水層2に対して略垂直となる。
【0023】
抵抗力検出工程7では、貫入抵抗力検出装置5を手で把持した状態で移動機構12を作動させて貫入部3を前記遮水層内に進入させ、前記貫入部3が受ける貫入抵抗力を前記抵抗力検出部4で検出する。このとき検出された貫入抵抗力は有線又は無線により接続された換算装置8に送信される。
【0024】
なお、貫入抵抗力検出装置5とキャスポルによる衝撃加速度Iaと貫入抵抗力Pcおよび貫入抵抗力検出装置5とコーン指数qcの相関関係を図5に示す。
【0025】
含水比および締固め度を変え,計12点実施したqcとIaの関係より求めた決定係数はR2=0.924,貫入抵抗力検出装置5におけるPcとIaの決定係数はR2=0.908を示していることから,これらの測定器は相関性があると考えられる。
【0026】
一方,qcとPcの関係より求めた決定係数はR2=0.800と前者に比べばらつきが見られるが,Pcが260N以下ではR2=0.998と非常に高い相関性を示している。
【0027】
従って,貫入抵抗力検出装置5での測定および施工管理が可能であると推察できる。
【0028】
日本道路協会「道路土工指針」における建設機械(ダンプトラック)の走行に必要なコーン指数qc=1200kN/m2以上に対し,衝撃加速度はIa=12.9,この時の貫入抵抗力がPc=164.7Nを示しており,前述したPcが260N以下を対象とした場合においてはPc=150.3Nを示すことから,反力が人力によるものでも可能な範囲であると考えられる。
【0029】
以上のことから、貫入抵抗力検出装置5は、既存の測定出力である衝撃加速度インパクト値やコーン指数と同等以上の感度の良い貫入抵抗力を測定することができる。
【0030】
このように、従来法であるキャスポルやコーン貫入試験の出力値と高い相関があり、測定時間はセットから10秒以内に測定できるため、測定頻度を多くでき母集団が大きくなることで品質管理の精度が向上し今まで不可能であった法面等の傾斜面や狭隘部の貫入抵抗力の測定が可能になった。
【0031】
なお、平面部においてもキャスポルと比較し測定時間が短く、測定時間短縮向上することができるものである。
【0032】
透水係数換算工程9では、換算装置8が抵抗力検出工程7で検出した貫入抵抗力を受信し、この貫入抵抗力から透水係数を算出する。この換算装置8には、遮水層2に用いられるベントナイトを含有する土壌について、予め室内試験により透水係数と締固め密度の関係を測定し、締固め密度から透水係数を算出可能な換算式が記憶されている。
【0033】
換算装置8は、貫入抵抗力を受信すると、まず貫入抵抗力から遮水層2の締固め密度を算出する。
【0034】
貫入抵抗力から締固め密度を算出すると、次に、予め室内試験により測定した透水係数と締固め密度の関係から導き出した換算式により、締固め密度から透水係数を算出する。
【0035】
判定工程11では、換算装置8により算出された透水係数を判定装置10が受信し、判定装置10が遮水層2の透水係数が所定の品質を満たすものであるか判定する。なお、換算装置8と判定装置10は別個の装置を用いてもよいし、本実施形態のように換算装置8と判定装置10を備えるインジケータ17により換算と判定を行ってもよい。
【0036】
判定装置10には、遮水層2を形成する構造物ごとに求められる透水係数の上限値が記憶されており、換算装置8によって算出された透水係数がこの上限値をしきい値として、これを下回っているか判定する。なお、透水係数は、1秒間あたりの透水量を示す指数であるため、上限値を下回るということは透水しづらい(遮水性がよい)ということである。
【0037】
判定装置10によって透水係数の判定が行われ、上限値を下回っている場合には、透水性が良好である旨を表示し、上限値を上回っている場合には、不適格である旨を表示する。この表示は適宜変更することができ、管理者等が透水係数がしきい値を満たす(上限値を下回る)か否かを判断できる表示であればよい。
【0038】
なお、透水係数換算工程9や判定工程11について付言すると、遮水層2の締固め密度が大きいほど透水係数は低くなる。これは、密実にするほど土粒子間の空隙が小さくなるため、水と接触すると膨潤し空隙を閉塞することで遮水する。さらにベントナイト板状結晶構造のベンナイトの結晶間に水が取り込まれ遮水する機能がある。この二つの遮水メカニズムにより水を遮水することに適用している。
【0039】
ベンナイト砕石を締固めるには、適度な含水比幅を見出している。含水比が低すぎればフカフカの状態で締固めしにくい、逆に含水比が高すぎればべたべたして締固め出来ない。
【0040】
そこで、コーン貫入試験で指標されているコーン指数1,200KN/m2以上だと経験的にトラフィカビリティーが良く、転圧機械や大型ダンプが通行できる強度であるので、締固めし易さとしてこの指標がベースになっている。
【0041】
例えばベントナイト砕石又はベントナイト混合土の締固め密度Dc85%時透水試験結果から透水係数3.6×10-11m/secであった場合、図6に示すように、ベントナイト砕石を含有した遮水層の貫入抵抗力検出装置5による貫入抵抗力と含水比毎の各締固め密度からベントナイト砕石の各締固め度は含水比により締固め度が変化し最適締固め含水比時が頂点最高値となる。
【0042】
貫入抵抗力が270.5N以上であれば確実に締固め密度Dcは85%以上であり、透水係数3.6×10-11m/secを満たす遮水層であると判定できる。なお、締固め密度が90%の場合には透水係数2.0×10-11m/secとなり、締固めするほど透水係数は低下し安全側になる。図7は各締固め度の貫入抵抗値最高値で、これが検量線とし現場指標として品質管理のしきい値とする。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は土構造物の遮水層の品質管理を行う産業で利用される。
【符号の説明】
【0044】
1:ベントナイト含有遮水層の品質管理方法、
2:遮水層、 3:貫入部、
4:抵抗力検出部、 5:貫入抵抗力検出装置、
6:当接工程、 7:抵抗力検出工程、
8:換算装置、 9:透水係数換算工程、
10:判定装置、 11:判定工程、
12:移動機構、 13:筐体、
14:設置部、 15:回転源、
16:ボールねじ機構、 17:インジケータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7