(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131279
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】石油燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23N 1/00 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
F23N1/00 105E
F23N1/00 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035928
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 寛明
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓介
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 奎太
(72)【発明者】
【氏名】有坂 拓真
【テーマコード(参考)】
3K068
【Fターム(参考)】
3K068FA02
3K068FB06
3K068FC02
3K068FC06
3K068FD05
3K068GA01
3K068HA07
3K068JA02
(57)【要約】
【課題】安価に適切な燃油の吐出量になる補正を実現する石油燃焼装置を提供する。
【解決手段】燃焼部17と、燃油を供給する電磁ポンプ12と、室温検知手段23と、制御部19とを備え、制御部19は、燃焼運転開始時に室温検知手段23の検出値により補正値を決定し、補正値により電磁ポンプ12の供給する油量を補正する石油燃焼装置に於いて、制御部19は、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて補正値を修正するので、燃焼運転開始時の電磁ポンプ12の周辺温度は室温と同じであることから、室温検知手段23の検出値により電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正値を決定して、部品を増やすことなく安価に電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量となるように調整することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼部と、該燃焼部に燃油を供給する電磁ポンプと、室温を検知する室温検知手段と、燃焼運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、燃焼運転開始時に前記室温検知手段の検出値により補正値を決定し、該補正値により前記電磁ポンプの供給する油量を補正する石油燃焼装置に於いて、前記制御部は、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて前記補正値を修正することを特徴とする石油燃焼装置。
【請求項2】
前記制御部は、小火力から中火力の間の火力で所定時間燃焼させる予備燃焼を行ってから、室温に基づいて火力が変動する自動運転又は所望の火力の手動運転の本燃焼に燃焼運転を進行させると共に、現在の運転の進行状況が前記本燃焼まで進行すると、前記補正値を油量増加方向に修正することを特徴とする請求項1記載の石油燃焼装置。
【請求項3】
前記制御部は、燃焼運転開始からの経過時間が所定時間を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正することを特徴とする請求項1記載の石油燃焼装置。
【請求項4】
前記制御部は、燃焼運転開始からの前記電磁ポンプの駆動回数を累積して記憶し、この累積して記憶した前記電磁ポンプの駆動回数が所定値を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正することを特徴とする請求項1記載の石油燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は石油燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、石油燃焼装置の燃料供給用として使用する電磁ポンプは、シリンダ内へ収められたフリーピストン状のプランジャーを電磁コイルにパルス電流を断続的に流すことにより発生する電磁力により往動させバネ圧で復動させて、この往動時に加圧された燃油の圧力で吐出用逆止弁を押し開かせながら該燃油を吐出するようになっている。
【0003】
又、電磁ポンプは、通常の運転時の周辺温度、例えば周辺温度が20℃位のときに実際の吐出量が設定した吐出量となるように調整されているが、石油燃焼装置はその使用環境が一定とは限らず、地域によっては冬季の燃焼運転開始時の周辺温度が-5℃以下の場合もあり、この場合、流体の粘度が温度により高くなり、又、電磁ポンプの電磁コイルの抵抗が小さくなって、実際の吐出量が設定した吐出量より多くなる問題があった。
【0004】
そこで、電磁ポンプの電磁コイルに直列に接続した吐出量調整用抵抗を設け、吐出量調整用抵抗に並列に負特性の温度検知用サーミスタを接続して、検出温度が低下すれば電磁ポンプの吐出量を減少させるようにした。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来のものでは、室温を検知する室温検知手段を備え、室温が設定した温度になるように燃焼部で燃油を燃焼して暖房を行う石油燃焼装置に、燃油の供給手段として電磁ポンプを使用した場合、停止状態から燃焼運転を開始した時は、室温と装置内の温度は同じなので、室温検知手段の検出した温度を電磁ポンプの周辺温度として補正値を決定し、その補正値により電磁ポンプの供給する油量を補正してよかったが、燃焼運転を開始してからだんだんと装置内の温度が上昇し、室温と装置内の温度差が大きくなると、室温検知手段の検出した温度を電磁ポンプの周辺温度として補正値を決定して、その補正値により電磁ポンプの供給する油量を補正するのでは補正量が適切ではない状態となり、燃焼が不安定になってしまう問題が発生してしまう。
【0007】
そこで、その問題を解決するため、電磁ポンプの周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を設けると、コストが上昇してしまう問題があった。
本発明はこのような点を鑑みてなしたもので、安価に適切な燃油の吐出量になる補正を実現することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、燃焼部と、該燃焼部に燃油を供給する電磁ポンプと、室温を検知する室温検知手段と、燃焼運転を制御する制御部とを備え、前記制御部は、燃焼運転開始時に室温検知手段の検出値により補正値を決定し、該補正値により電磁ポンプの供給する油量を補正する石油燃焼装置に於いて、前記制御部は、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて前記補正値を修正するものである。
【0009】
又、請求項2では、前記制御部は、小火力から中火力の間の火力で所定時間燃焼させる予備燃焼を行ってから、室温に基づいて火力が変動する自動運転又は所望の火力の手動運転の本燃焼に燃焼運転を進行させると共に、現在の運転の進行状況が本燃焼まで進行すると、前記補正値を油量増加方向に修正するものである。
【0010】
又、請求項3では、前記制御部は、燃焼運転開始からの経過時間が所定時間を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正するものである。
【0011】
又、請求項4では、前記制御部は、燃焼運転開始からの前記電磁ポンプの駆動回数を累積して記憶し、この累積して記憶した前記電磁ポンプの駆動回数が所定値を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正するものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の請求項1によれば、燃焼運転開始時に室温検知手段の検出値により補正値を決定し、該補正値により電磁ポンプの供給する油量を補正すると共に、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて補正値を修正するので、燃焼運転開始時の電磁ポンプの周辺温度は室温と同じであることから、室温検知手段の検出値により電磁ポンプの供給する油量を補正する補正値を決定して、電磁ポンプの吐出量が設定した吐出量となるように調整することができる。
【0013】
又、燃焼運転開始からの燃焼により電磁ポンプの周辺温度が上がり、それにより電磁ポンプの吐出量が変化するのを、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて補正値を修正するので、室温と装置内の温度との温度差が大きくなっても、電磁ポンプの周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプの吐出量が設定した吐出量となるように調整することができる。
【0014】
又、請求項2によれば、小火力から中火力の間の火力で所定時間燃焼させる予備燃焼を行ってから、室温に基づいて火力が変動する自動運転又は所望の火力の手動運転の本燃焼に燃焼運転を進行させると共に、現在の運転の進行状況が本燃焼まで進行すると、前記補正値を油量増加方向に修正するので、着火後の予備燃焼、その後の本燃焼と燃焼状態が移行したことで室温と装置内の温度との温度差が大きくなったと判断し、それにより電磁ポンプの吐出量が増加するように補正値を修正し、電磁ポンプの周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプの吐出量が設定した吐出量となるように調整することができる。
【0015】
又、請求項3では、燃焼運転開始からの経過時間が所定時間を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正するので、着火後に所定時間経過したことで、室温と装置内の温度との温度差が大きくなったと判断し、それにより電磁ポンプの吐出量が増加するように補正値を修正し、電磁ポンプの周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプの吐出量が設定した吐出量となるように調整することができる。
【0016】
又、請求項4では、燃焼運転開始からの前記電磁ポンプの駆動回数を累積して記憶し、この累積して記憶した電磁ポンプの駆動回数が所定値を超えると、前記補正値を油量増加方向に修正するので、電磁ポンプの駆動回数の累計値が所定値を超えたことで、室温と装置内の温度との温度差が大きくなったと判断し、それにより電磁ポンプの吐出量が増加するように補正値を修正し、電磁ポンプの周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプの吐出量が設定した吐出量となるように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】同油量補正制御を説明するフローチャート図。
【
図4】同その他の実施形態の油量補正制御を説明するフローチャート図。
【
図5】同その他の実施形態の油量補正制御を説明するフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、1は内部に燃焼ガスによって加熱された熱交換器2に対流ファン3で送風することで室内空気と熱交換を行い、吹き出し口4から温風を室内空間に放出する石油燃焼装置である。
【0019】
5は壁6を貫通して設置され内部に室外空気を取り込む給気管7と熱交換器2内で熱交換された低温の燃焼ガスを室外へ放出する排気管8を備えた二重管構造の給排気管であり、9は給気管7で取り込んだ室外空気を燃焼筒10内部に燃焼用空気として送風する燃焼ファンである。
【0020】
??11は燃油を一定油面に貯留するオイルレベラで、電磁ポンプ12で燃油を汲み上げて供給パイプ13から燃焼筒10下部にある気化部14に供給する。
【0021】
?15は気化部14底部裏面に取り付けられた温度センサから成るポットサーミスタであり、気化部14内の温度を監視して予熱や加熱動作が必要な場合は、棒状のセラミックヒータからなるポットヒータ16に指示を出すことで気化部14内を適当な温度にする。
【0022】
??17は燃焼筒10の下部に位置し気化部14を底部に内装した燃焼部であり、気化部14内でガス化された燃油と燃焼用空気を均一に混合して点火することで燃焼を行い、燃焼ガスを排出する。
【0023】
? 18は炎検知手段で、燃焼部17で発生した火炎に触れるように設置したフレームロッドからなり、火炎に流れる電流により生じるフレームロッド電圧を検出し、その検出レベルに基づいて、着火ミス、途中失火、あるいは酸欠による異常等を判断して燃焼を停止させるものである。
【0024】
?そして、対流ファン3によって石油燃焼装置1に取り込まれた室内空気は、熱交換器2によって加熱され温風となって吹き出し口4から室内に放出される。
【0025】
?19はCPU、メモリ、タイマ、入出力回路等を備え熱交換器2下方に設置されたマイコンからなる制御部である。
20は操作部で、燃焼運転開始と終了を指示する運転スイッチ21を備えたものである。
22は表示部で、操作部20と一体に設けられている。
【0026】
23はルームサーミスタからなる室温検知手段で、室温を検知するものである。
24はタイマー部で、制御部19からの計時開始信号により計時を開始し、計時時間を制御部19に出力すると共に、制御部19からの計時停止信号により計時を停止し、リセット信号により、計時した計時時間をリセットするものである。
【0027】
次に、燃焼運転開始からの電磁ポンプの供給する油量の補正制御について、
図3により説明する。
まず、運転スイッチ21をオン操作すると(S1)、制御部19は室温検知手段23が検知した室温が-5℃未満かを判定する。(S2)
【0028】
そして、(S2)で室温が-5℃未満と判定すると、電磁ポンプ12の周辺温度も-5℃未満と低く、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量よりかなり多くなると判断して、電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正値を-10%に設定する。(S3)
【0029】
上記の設定した油量とは、後述する本燃焼が安定している状態、つまり室温よりも電磁ポンプ12の周辺温度が高く、室温と電磁ポンプ12の周辺温度とが所定の温度差が生じている状態を基準にして定められており、補正値は、室温が低いほど制御上の設定油量を少なくなるように補正して、実際の電磁ポンプ12から吐出する油量を狙いの油量となるように予め定められている。
【0030】
そして、制御部19は、ポットヒータ16により燃焼筒10下部にある気化部14を加熱する予熱加熱を行う。(S4)
【0031】
又、(S2)で室温が-5℃以上と判定すると、次に室温が15℃以上かを判定する。(S5)
そして、(S5)で室温が15℃以上と判定すると、電磁ポンプ12の周辺温度も15℃以上と高く、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量と同じになると判断して、電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正をなしに設定し(S6)、(S4)へと進む。
【0032】
又、(S5)で室温が15℃未満と判定すると、室温が-5℃以上15℃未満であり、電磁ポンプ12の周辺温度も-5℃以上15℃未満で、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量よりやや多くなると判断して、電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正値を-6%に設定し(S7)、(S4)へと進む。
【0033】
そして、制御部19はタイマー部24に計時させてその計時時間が予熱加熱完了時間、本実施形態では計時時間が90秒に達すると、気化部14が燃焼開始温度に達したと判断して予熱加熱を終了し、オイルレベラ11内の燃油を電磁ポンプ12により気化部14に供給すると共に、燃焼ファン9から燃焼用空気を燃焼部17内に供給して着火動作を行う。
【0034】
そして、高温になった気化部14に供給された燃油は、ポットヒータ16の熱によって着火する。(S8)
制御部19は、炎検知手段18で着火を検知すると、燃焼状態を安定させるために、着火動作を終了して、予備燃焼を行う。(S9)
【0035】
予備燃焼として制御部19は、まずタイマー部24に計時させ、火力を小火力にした第一予備燃焼を第一予備燃焼時間継続する。
本実施形態では計時時間が80秒に達すると、第一予備燃焼を終了し、続いてタイマー部24をリセット後、再度計時させ、火力を中火力にした第二予備燃焼を第二予備燃焼時間する。
本実施形態では計時時間が160秒に達すると、第二予備燃焼を終了し、予備燃焼を終了する。
そして、安定して燃焼状態が継続できる状態になったと判断して、室温に基づいて火力が変動する自動運転又は所望の火力の手動運転の本燃焼に燃焼運転を進行させる。(S10)
【0036】
そして、制御部19は再度室温検知手段23が検知した室温が-5℃未満かを判定する。(S11)
そして、(S11)で室温が-5℃未満と判定すると、室温は低いものの着火から予備燃焼終了までの燃焼により電磁ポンプ12の周辺温度が室温よりも上がっていると判断する。
それにより、電磁ポンプ12の吐出する油量と設定した油量との差が小さくなっていると判断して、電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正値を-6%に設定する。(S12)
【0037】
そして制御部19は、炎検知手段18の検出値により本燃焼が安定していると判断すると(S13)、次に室温検知手段23が検知した室温が5℃以上かを判定する。(S14)
【0038】
(S14)で室温検知手段23が検知した室温が5℃以上と判定すると、室温と着火してから本燃焼が安定するまでの燃焼により、電磁ポンプ12の周辺温度が十分上がっていると判断する。
それにより、電磁ポンプ12の吐出する油量の補正は不要と判断して電磁ポンプ12の供給する油量の補正をなしに設定し(S15)、本燃焼を継続する。(S16)
【0039】
又、(S11)で室温が-5℃以上と判定すると、次に室温が15℃以上かを判定する。(S17)
そして、(S17)で室温が15℃以上と判定すると、電磁ポンプ12の周辺温度も15℃以上と高く、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量と同じになると判断して、(S15)へと進む。
【0040】
又、(S17)で室温が15℃で℃未満と判定すると、室温が-5℃以上15℃未満であるものの、着火してから本燃焼が安定するまでの燃焼により、電磁ポンプ12の周辺温度が上がっていると判断する。
それにより、電磁ポンプ12の吐出する油量と設定した油量との差がかなり小さくなっていると判断して、電磁ポンプ12の供給する油量を補正する補正値を-3%に設定し(S18)、(S13)に進む。
【0041】
以上のように燃焼運転開始時に室温検知手段23の検出値により補正値を決定し、該補正値により電磁ポンプ12の供給する油量を補正するので、燃焼運転開始時は室温と電磁ポンプ12の周辺温度は同じであり、電磁ポンプ12の周辺温度に対応した補正値となり、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量となるように調整することができる。
【0042】
又、燃焼運転開始からの燃焼により電磁ポンプ12の周辺温度が上がり、それにより電磁ポンプ12の吐出する油量が変化するのを、燃焼運転開始からの運転の進行状況に基づいて油量増加方向に補正値を修正するので、燃焼運転開始から運転の進行状況が進んで室温と装置内の温度との温度差が徐々に大きくなるように変化しても、電磁ポンプ12の周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量となるように調整することができる。
【0043】
上記の運転の進行状況とは、炎検知手段18で着火を検知した後、第一予備燃焼、第二予備燃焼、そして本燃焼へと燃焼状態が移行する中で、現状の燃焼状態がどこまで進んでいるかということである。
【0044】
次に本発明の第二の実施形態について、
図4により説明する。
尚、
図3に示した第一の実施形態と同じステップについては、同じステップ番号を使用するものである。
本実施形態では、(S8)で着火を行い、制御部19は、炎検知手段18で着火を検知すると、タイマー部24に計時を開始させる。(S19)
【0045】
そして、制御部19は、タイマー部24の計時時間が所定の燃焼時間に達すると(S20)、(S11)に進むものである。
この所定の燃焼時間とは、第一予備燃焼の燃焼時間と、第二予備燃焼の燃焼時間の合計で、本実施形態では、第一予備燃焼の燃焼時間80秒と第二予備燃焼の燃焼時間160秒の合計の240秒としているが、これに限らず、電磁ポンプ12の周辺温度が室温よりも上昇するまでの時間を試験等により予め定めてもよいものである。
【0046】
この第二の実施形態では、燃焼運転開始からの経過時間が所定時間に達することで予備燃焼が完了しており、その予備燃焼により電磁ポンプ12の周辺温度が上がって室温と装置内の温度との温度差が大きくなったと判断する。
【0047】
そして次に再度室温を検知し、その検知した室温により電磁ポンプ12の補正値を油量増加方向に修正することで、電磁ポンプ12の周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量となるように調整することができる。
【0048】
次に本発明の第三の実施形態について、
図5により説明する。
尚、
図3に示した第一の実施形態と同じステップについては、同じステップ番号を使用するものである。
本実施形態では、(S8)で着火を行い、制御部19は、炎検知手段18で着火を検知すると、電磁ポンプ12の駆動回数のカウントを開始させる。(S21)
【0049】
電磁ポンプ12の駆動回数のカウントは、例えば電磁ポンプ12を駆動させる駆動パルスの数をカウントするなどして、カウントしていく。
そして、電磁ポンプ12の駆動回数のカウント数が、所定値である予備燃焼終了回数に達すると(S22)、(S11)に進むものである。
【0050】
この予備燃焼終了回数とは、火力を小火力にした第一予備燃焼を第一予備燃焼時間継続するのに必要な電磁ポンプ12の駆動回数と、火力を中火力にした第二予備燃焼を第二予備燃焼時間するのに必要な電磁ポンプ12の駆動回数の合計である。
【0051】
本実施形態での予備燃焼終了回数は、小火力を80秒継続するための第一予備燃焼の電磁ポンプ12の駆動回数と、中火力を160秒継続するための第二予備燃焼の電磁ポンプ12の駆動回数の合計としているが、これに限らず、電磁ポンプ12の周辺温度が室温よりも上昇するまでの電磁ポンプ12の駆動回数を試験等により予め定めてもよいものである。
【0052】
この第三の実施形態では、燃焼運転開始からの電磁ポンプ12の駆動回数が所定回数である予備燃焼終了回数に達することで予備燃焼が完了しており、その予備燃焼により電磁ポンプ12の周辺温度が上がって室温と装置内の温度との温度差が大きくなったと判断する。
【0053】
そして次に再度室温を検知し、その検知した室温により電磁ポンプ12の補正値を油量増加方向に修正することで、電磁ポンプ12の周辺温度を検知する電磁ポンプ温度検知手段を新たに設けることなく、電磁ポンプ12の吐出する油量が設定した油量となるように調整することができる。
【符号の説明】
【0054】
12 電磁ポンプ
17 燃焼部
19 制御部
23 室温検知手段