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特開2023-131301美容キット及びそれを用いた美容方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131301
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】美容キット及びそれを用いた美容方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20230914BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230914BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20230914BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230914BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230914BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230914BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20230914BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q19/02
A61K8/36
A61K8/02
A61K8/19
A61K8/67
A61K8/35
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035967
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】海田 安夫
(72)【発明者】
【氏名】赤田 美奈
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB131
4C083AB132
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC471
4C083AC542
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD392
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD641
4C083AD642
4C083BB04
4C083BB49
4C083CC03
4C083CC22
4C083DD06
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE12
4C083EE16
(57)【要約】
【課題】
短期間で効果を実感できる美容キット及びそれを用いた美容方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料と、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料からなる、美容キット及びそれを用いた美容方法。特に泡洗浄料を適用する際に20秒以上マッサージを行うことが効果的である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料と、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料からなる、美容キット。
【請求項2】
高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用した後に、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を肌に適用することを特徴とする美容方法。
【請求項3】
泡洗浄料を肌に適用する際に、20秒以上マッサージを行うことを特徴とする請求項2に記載の美容方法(医療用途を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容キット及びそれを用いた美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シワ、タルミ、色素沈着・色調変化、皮膚の弾性低下、皮膚表面形態の乱れなどの皮膚症状の悪化の要因としては、例えばシワやタルミは、乾燥、加齢等による真皮線維芽細胞の機能低下や、それに伴うコラーゲンやエラスチン等の真皮マトリックスの減少や変性、さらには紫外線等の外来ストレスによる酸化障害などが重要な要因となっている。また、皮膚の色黒などを含む色素沈着・色調変化は一部不明な点もあるがホルモンの異常や日光の紫外線の刺激によるメラニン色素の産生が原因であり、その中でも、シミやソバカスはメラニン色素が異常沈着することが、その要因であると考えられている。
【0003】
このような悩みを解決するために、様々な方法が従来から検討されている。例えば、プルランとトラネキサム酸又はその塩を含有する皮膚外用剤(特許文献1)、エチルクロロゲン酸を有効成分とする美白剤(特許文献2)、トラネキサム酸、ウレタン樹脂、ジェランガムを含有する皮膚外用剤(特許文献3)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-091643号公報
【特許文献2】特開2014-227393号公報
【特許文献3】特開2021-167284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の皮膚外用剤や美白剤単独では、効果を実感できるまで時間がかかるという課題があった。
そこで本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、短期間で効果を実感できる美容キット及びそれを用いた美容方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)
高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料と、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料からなる、美容キット。
(2)
高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用した後に、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を肌に適用することを特徴とする美容方法。
(3)
泡洗浄料を肌に適用する際に、20秒以上マッサージを行うことを特徴とする請求項2に記載の美容方法(医療用途を除く)。
【発明の効果】
【0007】
本発明の美容キットは、短期間でシミ、メラニン量が減少し、肌の明るさが増加し、赤みが減少するという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、使用試験1前後のシミの量の変化を示す図である。
【0009】
図2図2は、使用試験1前後のメラニンの量の変化を示す図である。
【0010】
図3図3は、使用試験2前後のL値の変化を示す図である。
【0011】
図4図4は、使用試験2前後のa値の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0013】
本発明の泡洗浄料は、化粧品、医薬部外品のいずれの用途にも用いられ得る。
【0014】
本発明の泡洗浄料に用いる高級脂肪酸塩を構成する高級脂肪酸としては、飽和若しくは不飽和のいずれであってもよく、直鎖又は分岐鎖を有してもよい。高級脂肪酸を構成する炭素数は、8~24、特に10~24のものが好ましい。これらの脂肪酸は1種を単独で、また2種以上を併用して用いてもよい。直鎖飽和脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、パーム核脂肪酸などが挙げられる。分岐鎖脂肪酸としては、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、マッサージ効果の面から、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸から選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、ベヘン酸を用いることが最も好ましい。これらの高級脂肪酸と塩を形成するアルカリ剤としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノ-2-メチルプロパンジオールなどのアルカノールアミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらのうち、特に2-アミノ-2-メチルプロパノール、アルギニンが好ましい。
【0015】
また、これらの高級脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩として洗浄料に配合する必要はなく、上記高級脂肪酸とアルカリ剤とをそれぞれ別個に添加し、脂肪酸塩を形成させてもよい。
【0016】
高級脂肪酸及びその塩の配合量は、高級脂肪酸として泡洗浄料全量に対し、1~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。1質量%未満の配合では十分な洗浄力を発揮しない場合がある。10質量%を超えて配合すると、泡洗浄料の粘度が上昇し、吐出できない場合がある。
【0017】
本発明の泡洗浄料に用いる高級アルコールとしては、炭素数が8~30の高級アルコールを用いる。係る高級アルコールは、直鎖もしくは分岐鎖状で、飽和もしくは不飽和の炭化水素の1価アルコールであり、1種を単独で、もしくは2種以上を併用して用いる。具体的には、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、オレイルアルコール、カルナービルアルコール、セリルアルコールなどが例示される。これらの高級アルコールの中でも、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコールから選択される1種または2種以上が好ましく用いられ、さらには、ベヘニルアルコールがマッサージ性の観点から最も好ましい。
【0018】
高級アルコールの配合量は、泡洗浄料全量に対し、1~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。1質量%未満の配合では十分なマッサージ性を発揮しない場合がある。10質量%を超えて配合すると、泡洗浄料の粘度が上昇し、吐出できない場合がある。
【0019】
本発明の泡洗浄料に用いるHLB値が12以上のノニオン界面活性剤としては、通常の洗浄料に用いられるものであればいずれでも良い。具体的にはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0020】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸POE(80)ソルビタン(HLB値19.0)、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(HLB値16.9)、モノラウリン酸POE(6)ソルビタン(HLB値15.5)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(HLB値15.6)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB値14.9)等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ヘキサグリセリル(HLB値14.5)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB値15.5)等が挙げられる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸POE(10)(HLB値12.5)、モノステアリン酸POE(25)(HLB値15.0)、モノステアリン酸POE(240)(HLB値17.5)等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、POE(9)ラウリルエーテル(HLB値14.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB値13.5)、POE(20)フィトステロールエーテル(HLB値15.5)、POE(30)フィトステロールエーテル(HLB値18.0)、POE(25)フィトスタノール(HLB値14.5)等が挙げられる。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、POE(40)硬化ヒマシ油(HLB値12.5)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB値14.0)等が挙げられる。
【0021】
ここで、本発明におけるHLB値(Hydphile-Lipophile Balance)とは、親水性-親油性のバランスを示す指標であり、小田・寺村らによる下記(式1)で計算されるものである。
HLB値=「無機性値(IV)/有機性値(OV)」×10・・・(式1)
(甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、11~17頁、三共出版、1984年発行参照)
【0022】
HLB値が12以上のノニオン界面活性剤の配合量は、泡洗浄料全量に対し、1~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。1質量%未満の配合では洗い流し性能が劣る場合がある。10質量%を超えて配合しても、洗い流し向上効果が認められない場合があり、非効率的である。
【0023】
本発明の泡洗浄料に用いる噴射剤は、二酸化炭素を必須成分として含有する。
【0024】
二酸化炭素は噴射剤全量の1~100質量%とすることが、美容効果の点から好ましい。
【0025】
噴射剤は二酸化炭素を単独で用いてもよいが、他の噴射剤と混合して用いることができる。係る他の噴射剤としては、窒素、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン及びこれらの混合物である液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル、イソペンタン等のその他液化ガスを、本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
【0026】
本発明の泡洗浄料における噴射剤の充填量は、吐出直後の泡質向上の観点、泡洗浄料時の再起泡性を向上させる観点、及び、適度な噴射速度を得る観点から、前記泡洗浄料原液及び噴射剤の合計量を100質量%とした場合、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
【0027】
本発明の泡洗浄料は、エアゾール容器に充填して用いられる。該エアゾール容器としては、金属製等の公知の耐圧容器、ならびに、耐圧容器の内部に内袋が収容された二重構造容器が挙げられる。二重構造容器においては、内袋に泡洗浄料を充填し、耐圧容器と内袋との間に噴射剤を充填することが好ましい。
【0028】
本発明の泡洗浄料の調製方法は特に制限されない。例えば、エアゾール容器を構成する耐圧容器に泡洗浄料を充填してバルブを取り付け、次いでバルブ部分から噴射剤を充填することにより調製できる。
【0029】
本発明の泡洗浄料には、本発明の効果を損なわない限りにおいて上記必須成分の他の基剤を配合することができる。係る基剤としては、具体的には、油剤、上記以外の界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0030】
本発明のL-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料に用いるL-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体としては、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体としては、L-アスコルビン酸グルコシド、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステル、L-アスコルビン酸-3-リン酸エステル、L-アスコルビン酸-6-リン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-ポリリン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステル等のL-アスコルビン酸モノエステル類、L-アスコルビン酸-2-パルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-6-パルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸-6-ステアリン酸エステル等のL-アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L-アスコルビン酸-2,6-ジブチルエステル、及びL-アスコルビン酸-2,6-ジパルミチン酸エステル等のL-アスコルビン酸ジアルキルエステル類、L-アスコルビン酸トリステアレート、L-アスコルビン酸トリオレエート、L-アスコルビン酸トリパルミテート等のL-アスコルビン酸トリアルキルエステル類、L-アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL-アスコルビン酸トリエステル類、L-アスコルビルテトライソパルミテート等のL-アスコルビン酸テトラアルキルエステル類、dl-α-トコフェロール2-L-アスコルビン酸リン酸ジエステル、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、及びトリイソプロパノールアミン塩等が挙げられる。この中でもアスコルビン酸2-グルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウムを用いることが好ましい。市販品としては、AA2G(株式会社林原)、シーメート(BASFジャパン株式会社)、NIKKOLVC-PMG(日光ケミカルズ株式会社)等が挙げられる。
【0031】
ハイドロキノン又はその誘導体としては特にハイドロキノン配糖体であるアルブチンを用いることが好ましい。市販品としては、ARBUTIN (HYINDAI BIOLAND株式会社)、アルブチン(日本精化株式会社)、ARBUTIN(SK Bioland株式会社)、アルブチン I(株式会社嚢西化学工業総公司)等が挙げられる。
【0032】
L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上の配合量は、化粧料全量中1~10質量%が好ましい。1質量%未満の配合では本発明の美容効果を得られない場合がある。10質量%を超えて配合しても、さらなる美容効果の向上が認められない場合があり、非効率的である。
【0033】
本発明の化粧料には、抗炎症剤を配合することが好ましい。係る抗炎症剤としては、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、アズレン、サリチル酸、アラントイン、それらの誘導体及びそれらの塩が挙げられる。
【0034】
グリチルリチン酸、その誘導体及びそれらの塩としては、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が挙げられる。この中でもグリチルリチン酸ジカリウムを用いることが好ましい。市販品としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(いずれもアルプス薬品工業株式会社)、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム(いずれも丸善製薬株式会社)、グリチルリチン酸ジカリウム「コウキ」、グリチルリチン酸モノアンモニウム「コウキ」(いずれも宏輝株式会社)等が挙げられる。
【0035】
グリチルリチン酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は化粧料全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、2質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.8質量%以下、洗い流さないものには0.5質量%以下がより好ましい。
【0036】
グリチルレチン酸、その誘導体及びそれらの塩としては、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリン等が挙げられる。この中でもグリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルを用いることが好ましい。市販品としては、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル(いずれもアルプス薬品工業株式会社)、グリチルレチン酸、シーオーグレチノール(登録商標)(いずれも丸善製薬株式会社)、アグリチノン、アグリチノンステアリル(いずれも株式会社常盤植物化学研究所)、グリチルレチン酸「コウキ」、グリチルレチン酸ステアリル「コウキ」(いずれも宏輝株式会社)等が挙げられる。
【0037】
グリチルレチン酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は化粧料全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、2質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.8質量%以下、洗い流さないものには0.5質量%以下がより好ましい。
【0038】
アズレン、その誘導体及びそれらの塩としては、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、アズレン、グアイアズレン、グアイアズレンスルホン酸エチル、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カマズレン等が挙げられる。この中でもグアイアズレンスルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。市販品としては、グアイアズレン、水溶性アズレン(いずれも甲南化工株式会社)等が挙げられる。
【0039】
アズレン、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は化粧料全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
【0040】
サリチル酸、その誘導体及びそれらの塩としては、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸エチルへキシル等が挙げられる。これらの中でもサリチル酸エチルへキシル、サリチル酸ナトリウムを用いることが好ましい。市販品としては、SALICYLIC ACID(Solvay)、サリチル酸メチル(株式会社エーピーアイコーポレーション)、サリチルサンナトリウム(吉富ファインケミカル株式会社)、サリチル酸エスカロール587(アシュランド・ジャパン株式会社)、パルソール EHS(DSM株式会社)等が挙げられる。
【0041】
サリチル酸、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は化粧料全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
【0042】
アラントイン、その誘導体及びそれらの塩としては、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。この中でもアラントインを用いることが好ましい。市販品としては、アラントイン(アシュランド・ジャパン株式会社)、アラントイン、ALCA(いずれも川研ファインケミカル株式会社)、RonaCare(登録商標) Allantoin(Meeck KgaA)等が挙げられる。
【0043】
アラントイン、その誘導体及びそれらの塩を配合する場合、その配合量は化粧料全量に対し、0.0001質量%以上が好ましい。また、1質量%以下が好ましく、洗い流すものには0.5質量%以下、洗い流さないものには0.3質量%以下がより好ましい。
【0044】
本発明の化粧料には、本発明の美容効果を損なわない範囲において、化粧料に配合し得る任意の成分を配合することができる。係る成分として具体的には、油剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0045】
本発明の化粧料の性状は特に限定されず、オイル状、ジェル状、ゲル状、固形等の形態を取り得る。
【0046】
本発明の化粧料は定法により調製することができる。
【0047】
本発明の美容キットは、高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料と、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料からなる。
【0048】
本発明の美容方法は、高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用した後に、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を肌に適用することを特徴とする。
【0049】
本発明の美容方法は、高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用し洗い流した後に、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を肌に適用する。
【0050】
本発明の美容方法は、高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用した後に、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を肌に適用すればよく、洗浄料を適用後すぐに、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を適用しても、高級脂肪酸塩と高級アルコールとHLB値が12以上のノニオン界面活性剤を含有し、二酸化炭素を噴射剤として含有する泡洗浄料を肌に適用した後に、導入美容液、化粧水等を肌に適用後、L-アスコルビン酸及びその塩又はその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体から選択される2種以上を有効成分とする化粧料を適用してもよい。
【0051】
本発明の美容方法は、泡洗浄料を肌に適用する際に、20秒以上マッサージを行うと、さらに美容効果が高まる。マッサージ時間は20秒以上であればよく、特に上限は設けないが10分以内、さらには1分以内が好ましい。
【0052】
また、マッサージは自ら行っても、他者が行ってもよい。
【0053】
マッサージの方法は特に限定されないが、指先で円を描くように、クルクルとやさしくマッサージすることが好ましい。なお、本発明のマッサージには、医療行為は含まれない。
【0054】
本発明の美容キット及びそれを用いた美容方法は、美白効果に優れる。
【実施例0055】
本発明の実施例を示す。実施例はあくまでも本発明の一例であり、これによって本発明が限定されるものではない。なお、配合量は断りのない限り質量%で示す。
【0056】
本発明の泡洗浄料の処方例を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
本発明の化粧料の処方例を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
本発明の美容キットを用いた、使用試験について説明する。
【0061】
使用試験1(シミ、メラニン量)
(被験者)
27歳~41歳(平均年齢32.5歳)の健常男女4名を被験者とした。
(使用方法及び使用期間)
1日2回、2週間連続して使用試験を行った。半顔に表1に示した泡洗浄料、もう片方の半顔にノエビア99プラスクレンジングフォーム(ジェルントル)を用いて洗顔を行った。洗顔の際、表1に示した泡洗浄料は、手や顔がぬれていない状態で、適量(ピンポン玉半個分)を手にとり、半顔に泡を広げ、指先で円を描くように、クルクルとやさしくマッサージ(30秒程度)し、水またはぬるま湯で十分に洗い流した。その後、全顔に通常使用している化粧水を塗布した後、表2に示した化粧料を適量塗布した。
(測定方法)
使用試験開始前と、2週間後の肌をVISIA Evo(Canfield Scientic)を用いて、シミ、メラニン量の測定を行った。測定時には、予めクレンジング、洗顔後、温度:20~22℃、湿度:45~55%にて調整された室内にて15分馴化することで初期条件を整え、測定を行った。
(評価方法)
使用試験開始前のシミ、メラニン量を100とした場合の2週間後のシミ、メラニン量を測定結果とした。結果を表3、図1、2に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
表3、図1、2に示した通り、本願発明の美容キット使用群は、シミ、メラニン量ともキット未使用群と比較して大幅に減少し、高い美容効果を発揮することが示された。
【0064】
使用試験2(肌色変化)
(被験者)
27歳~41歳(平均年齢32.5歳)の健常男2名を被験者とした。
(使用方法及び使用期間)
1日2回、2週間連続して使用試験を行った。片腕前腕部に表1に示した泡洗浄料、もう片方の前腕部にノエビア99プラスクレンジングフォーム(ジェルントル)を用いて洗顔を行った。洗顔の際、表1に示した泡洗浄料は、手や顔がぬれていない状態で、適量(ピンポン玉1個分)を手にとり、前腕部に泡を広げ、指先で円を描くように、クルクルとやさしくマッサージ(30秒程度)し、水またはぬるま湯で十分に洗い流した。その後両腕に、通常使用している化粧水を塗布した後、表2に示した化粧料を適量塗布した。
(測定方法)
使用試験開始前と、2週間後の肌を分光測色計CM-700d(コニカミノルタジャパン株式会社)を用いて、明るさ(L)、赤み(a)の測定を行った。測定時には、予め洗浄後、温度:20~22℃、湿度:45~55%にて調整された室内にて15分馴化することで初期条件を整え、測定を行った。
(評価方法)
使用試験開始前後の明るさ(L)、赤み(a)の差を算出した。結果を表4、図3、4に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
表4、図3、4に示した通り、本願発明の美容キット使用群は、肌の明るさを表す指標であるL値が大幅に上昇し、肌の赤みを表す指標であるa値が大幅に減少し、高い美容効果を発揮することが示された。
図1
図2
図3
図4