(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131309
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20230914BHJP
H04L 67/2871 20220101ALI20230914BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230914BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20230914BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20230914BHJP
【FI】
H04N7/15
H04L67/2871
G06F3/16 540
G06F3/16 530
H04N21/431
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035980
(22)【出願日】2022-03-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年10月1日に自社ウェブサイトのhttps://ebitendons.tento-net.com/にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】517153538
【氏名又は名称】株式会社TENTO
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】竹林 暁
(72)【発明者】
【氏名】吉川 綱希
(72)【発明者】
【氏名】藤原 尚聡
【テーマコード(参考)】
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164PA41
5C164UB81P
5C164VA07P
5C164VA09S
5C164VA16P
5E555AA25
5E555AA26
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5E555BA13
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5E555CC01
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5E555CC22
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5E555DC21
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA09
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザがオンライン上で行われているコミュニケーションを俯瞰しやすい情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、オンラインでの会話が可能なスペースへのログインを行うログイン要求を第1のユーザより受け付ける。表示制御ステップでは、ログイン要求を受け付けたときに、第1のユーザの存在する第1の領域と、第1の領域とは区別された第2の領域とを、それぞれスペース内の少なくとも一部の領域として第1のユーザが視認可能に表示させる。ここで、第2の領域には、第2の領域内での会話の様子が、第1のユーザが視認可能に表示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、オンラインでの会話が可能なスペースへのログインを行うログイン要求を第1のユーザより受け付け、
表示制御ステップでは、前記ログイン要求を受け付けたときに、前記第1のユーザの存在する第1の領域と、前記第1の領域とは区別された第2の領域とを、それぞれ前記スペース内の少なくとも一部の領域として前記第1のユーザが視認可能に表示させ、
ここで、前記第2の領域には、前記第2の領域内での会話の様子が、前記第1のユーザが視認可能に表示される、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
音声制御ステップでは、前記第1の領域内での会話で生じた第1の音声と、前記第2の領域内での会話で生じた第2の音声とを前記第1のユーザが認識可能に発生させる、もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記音声制御ステップでは、前記第2の音声の出力を前記第1の音声の出力よりも相対的に減衰させるように制御する、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記音声制御ステップでは、前記第2の音声の出力について、特定の周波数領域の音声出力及び/又は特定のユーザの音声出力を減衰させるように制御する、もの。
【請求項5】
請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記音声制御ステップでは、前記情報処理システムが複数の音声出力部を有する音声出力装置を備えるときに、前記スペース内における前記第1の領域と前記第2の領域との相対的な位置関係に基づいて、複数の前記音声出力部のそれぞれを制御する、もの。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
第2の受付ステップでは、前記第1の音声を前記第1の領域とは異なる他の領域では認識不能とするミュート要求を前記第1のユーザより受け付け、
前記音声制御ステップでは、前記ミュート要求を受け付けたときに、前記他の領域からは前記第1の音声を認識不能とする、もの。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
第3の受付ステップでは、前記第2の領域と、前記第2の領域とは区別された第3の領域とを統合させる統合要求を前記第1のユーザより受け付け、
前記表示制御ステップでは、前記統合要求を受け付けたときに、前記第2の領域と前記第3の領域とを統合させた領域を前記第1のユーザが視認可能に表示させる、もの。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
第4の受付ステップでは、前記第1のユーザの存在が前記スペース内の他のユーザから認識されないようにする秘匿要求を受け付け、
前記表示制御ステップでは、前記秘匿要求を受け付けたときに、前記第1のユーザが前記スペース内にログイン中であっても前記他のユーザから前記第1のユーザの存在を視認不能とする、もの。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御ステップでは、前記スペース内に存在する第2のユーザのログイン時の名前を第1の名前として、前記第1のユーザに視認可能に表示させ、
前記第1のユーザが所定の権限を有すること及び/又は前記第1のユーザが所定の操作を行ったことを条件として、前記第2のユーザの名前を、前記第1の名前とは異なる第2の名前として、前記第1のユーザに視認可能に表示させる、もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の名前は、前記第2のユーザの実名である、もの。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御ステップでは、前記第1の領域と前記第2の領域とを互いに識別可能に表示させる、もの。
【請求項12】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上でコミュニケーションをとる機会が増加し、これに伴い様々な技術開拓がなされている。たとえば、特許文献1には、ウェブ会議を実行するにあたり、ノイズ音量に応じて容易に通信方法を選択可能なウェブ会議システムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウェブ会議等を実行するにあたって、参加人数が多くなる場合はメンバーを少人数に区切り、グループ分けをした上で議論を促すことがある。しかしながら、自身の参加するグループ以外の議論の様子を把握することが有効であるというケースも少なくない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザがオンライン上で行われているコミュニケーションを俯瞰しやすい情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、オンラインでの会話が可能なスペースへのログインを行うログイン要求を第1のユーザより受け付ける。表示制御ステップでは、ログイン要求を受け付けたときに、第1のユーザの存在する第1の領域と、第1の領域とは区別された第2の領域とを、それぞれスペース内の少なくとも一部の領域として第1のユーザが視認可能に表示させる。ここで、第2の領域には、第2の領域内での会話の様子が、第1のユーザが視認可能に表示される。
【0007】
上記態様によれば、ユーザがオンライン上で行われているコミュニケーションを俯瞰しやすい情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
【
図2】第1のユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】第1のユーザ端末2に表示されるログイン画面の一例である。
【
図6】第1のユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。
【
図7】第2のユーザを管理するための機能を説明するための図である。
【
図8】スペースについての変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。一態様において、情報処理システム1は第1のユーザ端末2と、サーバ3と、第2のユーザ端末4とを備え、これらがネットワーク11を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。また、本実施形態に係る情報処理システム1は、第1のユーザによるスペースへのログインを行うログイン要求の受け付けと、所定の視覚情報を第1のユーザが視認可能に表示させる制御とを実行するものであるが、このログイン要求と、視覚情報の表示は必ずしも1つの第1のユーザ端末2で行われていなくてもよい。たとえば、ログイン要求のみを第1のユーザ端末2から受け付け、図示しない他の画像表示装置等に所定の視覚情報を表示させるように構成することも可能である。
【0015】
1.2 第1のユーザ端末2
第1のユーザ端末2は、典型的にはオンラインでの会話が可能なスペースにログインしようとする第1のユーザの所有する端末である。
図2は、第1のユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
第1のユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25と、音声出力部26とを有し、これらの構成要素が第1のユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0016】
表示部24は、例えば、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、第1のユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0017】
入力部25は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0018】
音声出力部26は、例えば、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。音声出力部26は、ユーザが認識可能な音声を出力する。音声出力部26は、無指向性スピーカーであってもよいし、指向性スピーカーであってもよいし、これらの両方を有していてもよい。
【0019】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0020】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、第1のユーザ端末2や第2のユーザ端末4とネットワーク11を介して種々の情報を通信する。
【0021】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、又は、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0022】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0023】
1.4 第2のユーザ端末4
第2のユーザ端末4は、オンラインでの通話が可能なスペースにログインしようとする第2のユーザの所有する端末である。この第2のユーザ端末4のハードウェア構成は、典型的には前述した第1のユーザ端末2のハードウェア構成と同様であり、ここでの説明を省略する。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0025】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例であるサーバ3は、受付部331と、表示制御部332とを備えるものである。なお、
図4にはサーバ3に備えられた機能として、音声制御部333と記憶管理部334を備えた態様を示している。
【0026】
受付部331は、第1のユーザから種々の要求や操作を受け付ける。この受け付ける要求や操作の詳細については後にさらに詳述する。
【0027】
表示制御部332は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された視覚情報そのものでもよいし、例えば各種端末に画面、画像、アイコン、テキスト等の視覚情報を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0028】
音声制御部333は、音声出力が可能な構成(ハードウェア、装置等)に対して、種々の音声を発生させるように制御する。
【0029】
記憶管理部334は、本実施形態の情報処理システム1に係るスペースにおいて記憶すべき種々の情報について管理するように構成される。典型的には、記憶管理部334は、ユーザの属性や個人情報、スペース内での入力・出力事項を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32が例示されるが、その他、第1のユーザ端末2に備えられる記憶部22、第2のユーザ端末4に備えられる記憶部であってもよい。また、この記憶領域は必ずしも情報処理システム1のシステム内である必要はなく、記憶管理部334は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0030】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の実行する情報処理方法の各ステップについて説明する。
【0031】
すなわち、本実施形態の情報処理システム1は、以下の各ステップを実行する。
(ステップ1)受付部331が、オンラインでの会話が可能なスペースへのログインを行うログイン要求を第1のユーザより受け付ける。
(ステップ2)表示制御部332が、ログイン要求を受け付けたときに、第1のユーザの存在する第1の領域と、第1の領域とは区別された第2の領域とを、それぞれスペース内の少なくとも一部の領域として第1のユーザが視認可能に表示させる。ここで、第2の領域には、第2の領域内での会話の様子が、第1のユーザが視認可能に表示される。
以下、これら各工程について、第1のユーザ端末2に表示される画面を参照しつつ説明する。
なお、本実施形態の情報処理システム1の適用シーンは、ビジネス、プライベート、地域コミュニティ、その他種々の場合であってよいが、以下では教育現場に取り入れたものを例に挙げて説明する。
【0032】
まず、(ステップ1)について説明する。本ステップでは、サーバ3の受付部331が、第1のユーザからのログイン要求を受け付けるが、この受け付けは典型的には第1のユーザ端末2に示されるログイン画面に対する操作を介して行われる。
図5は、第1のユーザ端末2に表示されるログイン画面の一例である。
【0033】
図5に示される表示画面Dでは、種々の入力フォームと、入室操作を行うボタンなどが表示されている。まず、入力フォームF11では、スペースにログインしようとする際のログイン名を入力することができる。また、入力フォームF12、入力フォームF13および入力フォームF14では、スペースにログインする際に用いるカメラ、マイク、スピーカーを設定することができる。
なお、スペースにログインする際にマイクが正常に作動するかをテストすることができるように、表示画面DにはオブジェクトOBJ11が設けられている。すなわち、表示画面Dに接したユーザがマイクに対して発声することで、このオブジェクトOBJ11として示したシークバーが作動し、スペースにログインした際に、相手に伝わる音声の出力度合いをログイン者に示すことができる。
なお、表示画面Dに示されるボタンBT11を押下した場合は、自身の発声した内容がミュートとなるように構成されている。
【0034】
その他、ユーザが用いるスピーカーが正常に作動するかをテストすることができるように、ボタンBT13が設けられている。すなわち、表示画面Dに接したユーザがこのボタンBT13をクリック操作等で押下することによって、所定の音声などが発生するように構成されており、これにより、ユーザがスペースにログインしている際に、相手が発声した内容を自身が認識できるかを事前にチェックすることができる。
【0035】
また、表示画面Dは、カメラが正常に作動しているかをテストするために、ログインしようとするユーザ自身を映し出す領域R100が表示されるように構成されている。この領域R100は入力フォームF12で設定したカメラが撮像した視覚情報を表示するものであり、ログインしようとするユーザが、自身が表示されるかをチェックするため用いられる。なお、表示画面Dに示されるボタンBT12を押下した場合は、カメラの撮像した内容の表示をオフとすることができる。
【0036】
種々の情報を入力したユーザは、表示画面Dに示されるボタンBT15を押下することにより、スペースへのログイン要求を行うことができる。なお、「観覧モード」と表示されているボタンBT14を押下する場合は、上述のログイン要求に加え、自身の存在がスペース内の他のユーザから認識されないようにする秘匿要求をさらに行うことができる。なお、この秘匿要求を行った場合の効果は追って説明することとする。
以上のようにして、スペースへのログインを行うログイン要求を第1のユーザが行うことができ、サーバ3の受付部331がこれを受け付けることで、(ステップ1)が達成される。
【0037】
続いて、(ステップ2)について説明する。本ステップでは所定の視覚情報が第1のユーザが視認可能に表示される。この視覚情報について
図6を用いて説明する。
【0038】
図6は、第1のユーザ端末2に表示される表示画面の一例である。この表示画面Dにはオンラインでの会話が可能なスペースSP1と、種々の制御を行うことが可能なオブジェクトが並んで表示されたコントロール領域CT1とが示されている。
本実施形態において、ログインした第1のユーザは、スペースSP1の中にある領域R1内に表示される(
図6においては、「ABC」が第1のユーザのログイン名である。この第1のユーザの存在する領域R1を「第1のテーブル」、「第1のルーム」や「第1の領域」と称してもよい。)。
このスペースSP1内においては、上述した領域R1の他に、領域R2~R6が表示されている(なお、この領域R2~R6を総じて「第2のテーブル」、「第2のルーム」や「第2の領域」と称してもよい。)。この第1の領域と、第2の領域との各領域には、第1のユーザ以外のユーザがログインし、所定の領域に存在していることが表示される。これに加え、この領域R2~R6では、典型的にはその領域で行われている会話の様子が表示され、スペースSP1内に存在する第1のユーザは、他の領域(領域R2~R6)内での会話の様子を視認することができる。ここで、会話の様子が視認できるとは、具体的には第2の領域に存在しているユーザの顔が表示され、当該ユーザが発言していることが視認できる態様や、また第2の領域で共有している画面が第1のユーザに認識可能に表示されている様子が視認できる態様が包含される。ここで、会話の様子の表示は動画として表示されるものであってもよいし、静止画を一定の時間間隔で撮像し、撮像された静止画を一定の時間間隔で表示させるものであってもよい。
また、本実施形態においては、第1の領域と第2の領域とを互いに識別可能に表示させることが好ましく、これにより、第1のユーザが、自身の存在する領域を認識させやすくする。具体的には、第1の領域と第2の領域とに異なる色を表示することや、異なる模様を各々の領域に付す態様等がこれに相当する。また、領域R2と領域R3との関係のように、第2の領域が複数ある場合は、これらの領域間についても識別可能とすることが好ましい。なお、
図6には領域ごとの名前として「ROOM1」や「ROOM2」といった名前が付されているが、この領域の名称については所定の権限を有する者が任意に設定することができる。また、スペースSP1に表示される各領域は、その領域についての説明(領域で行われる授業や会話の内容)が把握可能に表示されていてもよく、領域で取り扱う題材(電子ファイル)がダウンロード可能なアイコンが表示されていてもよい。ここで、アイコンとは、物事を簡単な絵柄で記号化し、表現するものである。例えば、アイコンとしては、該当するファイル、又はプログラムの内容を図、又は絵等で表しているものがある。また、関連性のある領域の群がある場合は、これらを一括して保存し、必要に応じてこの保存された内容を読み出すこともできる。なお、関連性のある領域の群の例としては、火曜日の授業に用いられるといった時間に関する共通性を有する領域の群や、ある特定の課目に用いられる目的に関する共通性を有する領域の群などが挙げられる。このような領域に関する設定も所定の権限がある者が行うことができる。
なお、他の領域(領域R2~R6)内での会話の様子はリアルタイムで表示されることが好ましいが、たとえば5分、又は4分、3分、2分、1分、30秒、20秒、10秒、5秒、3秒、1秒程度の誤差(表示時間の遅れ)が生じてもよい。
【0039】
このように領域R1に存在する第1のユーザは、他の領域にいる他のユーザの存在を認識可能であるが、逆に、他のユーザも第1のユーザが領域R1に存在していることも認識可能である。ただし、前述した秘匿要求を受け付けた場合(「観覧モード」としてログインした場合)、第1のユーザがスペース内にログイン中であっても他のユーザから第1のユーザの存在を視認不能とすることができる。
すなわち、上述のように秘匿要求を受け付けた場合は、第1のユーザがログイン中であっても、第1のユーザを表すアイコンが表示されず、また、第1のユーザが発声を行ったとしても、他のユーザに対してこの第1のユーザの発声が出力されないように音声制御が行われる。
教育現場に本情報処理システム1を適用した場合、受講生である子供の親が、子供の教育の習熟度合等を観覧するために、このような機能を用いることができ、好適である。
【0040】
また、本実施形態の情報処理システム1においては、音声制御部333が、第1の領域内での会話で生じた第1の音声と、第2の領域内での会話で生じた第2の音声とを第1のユーザが認識可能に発生させてもよい。
すなわち、領域R1に存在する第1のユーザは、この領域R1内での会話で生じた音声と、他の領域(たとえば領域R2と領域R3)内での会話で生じた音声との双方を認識可能であってもよい。すなわち、音声制御部333は、双方の領域での会話について第1のユーザが認識可能となるように音声出力を行うことができる。
【0041】
ここで、音声制御部333は、第2の音声の出力を第1の音声の出力よりも相対的に減衰させるように制御することができる。
すなわち、第1の領域に存在する第1のユーザが、自身の存在する領域(領域R1)で発生する音声を相対的に大きく、他の領域(領域R2~R6)で発生する音声について相対的に小さく認識するように、音声制御部333が音声の出力を制御することができる。これにより、ユーザ自身の存在する領域における音声と、他の領域における音声とを識別しやすくなる。
【0042】
ここで、この第2の音声の出力について、特定の周波数領域の音声出力及び/又は特定のユーザの音声出力を減衰させるように制御することもできる。
図示はしないが、第1のユーザが、所定の周波数領域(典型的には、高音領域、低音領域)や、特定のユーザについての音声出力を制限するように制御することもできる。これによっても、自身の存在する領域における音声と、他の領域における音声とを識別しやすくなる。なお、この制御は特定のユーザごとに対する制御と同様に、特定の領域ごと(すなわち、特定の領域に存在するユーザの集合体)に対しての制御であってもよく、第1のユーザの存在する領域R1に、他の領域の音声が聞こえないように設定することができる。また、このように領域R1に他の領域の音声が聞こえない状況であることを他のユーザに認識させるために、表示画面D中の領域R1にマーク等が付されて表示されてもよい。
なお、この音声出力の減衰に関する制御は、複数の技術を組み合わせてもよく、その態様は制限されない。具体的には、第1のユーザが第2の音声のある部分について音声出力の度合が減衰されていることを認識されていればよく、音声制御部333に入力された音声情報について、位相制御、時間軸上での伸張圧縮制御、ゲイン(増幅率)制御のいずれかの制御等が行われてもよい。
【0043】
さらに、音声制御部333は、情報処理システム1が複数の音声出力部を有する音声出力装置を備えるときに、スペース内における第1の領域と第2の領域との相対的な位置関係に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれを制御することができる。
具体的な例を挙げると、「複数の音声出力部を有する音声出力装置」は、第1のユーザ端末2に備えられた左右の音声出力部を有するステレオスピーカーであり、音声制御部333は、スペースSP1内の領域間の相対的な位置関係に基づいて、このステレオスピーカーの音声出力を制御することができる。
すなわち
図6においては、領域R2および領域R3が領域R1に対して左側に位置するが、この場合にあっては、領域R2および領域R3で生じた音声については、ステレオスピーカーの左側の音声出力部から出力するように制御することができる。なお、この場合であっても、ステレオスピーカーの右側の音声出力部からの出力を減衰させつつ行うことも可能である。
【0044】
以上、スペースSP1にログインした第1のユーザが領域R1に存在する場合を例に挙げて説明しているが、スペースSP1にログインしている第1のユーザは、他の領域にその存在を移すこともできる。たとえば、領域R2に移行したい場合は、表示画面Dにある領域R2部分をクリック操作等で押下することにより、自身の存在する領域を移動させることができる。この場合、典型的には自身の存在する領域R2部分が表示画面Dの略中央に位置するよう表示制御される。なお、第1のユーザが他の領域に存在を移せるかどうかは、たとえば第1のユーザが所定の権限を有しているか否かで制御されていてもよい。すなわち、本実施形態の情報処理システム1においては、スペースSP1に存在する各領域のいずれかについて、所定のユーザを入室不能とするロック機能が備えられていてもよい。なお、この入室不能となった領域に対して入室を行いたい場合は所定の権限を有する者に対して申請を行い、これが許可されることで、入室可能となるように制限されていてもよい。なお、この申請はある領域に存在するユーザに対して音声(具体的にはドアをノックするようなノック音)を発生させることで行われてもよいし、ある領域における所定のユーザ操作(具体的にはドアをノックする操作)で行われてもよい。
【0045】
また、スペースSP1にログインしているユーザは所定の目的に沿って新たな領域を開設することもできる。
すなわち、受付部331が、第2の領域と、第2の領域とは区別された第3の領域とを統合させる統合要求を第1のユーザより受け付けることができ、表示制御部332は、統合要求を受け付けたときに、第2の領域と第3の領域とを統合させた領域を第1のユーザが視認可能に表示させることができる。
【0046】
すなわち、スペースSP1にログインしている第1のユーザは、スペースSP1に存在するある領域(たとえば領域R6)を、他の領域(第3の領域)と統合させることができる。この他の領域(第3の領域)は、第1のユーザの存在する領域R1であってもよいし、スペースSP1内に存在する第2の領域のうちのいずれか(たとえば領域R2やR3、R4、R5等)であってもよいし、スペースSP1外にある異なるスペースの領域であってもよい。
この統合要求は、たとえば統合させる領域の有する固有のアドレスを所定のフォームに入力させることにより行うことができる。
このような統合を行うことにより、オンラインでのコミュニケーションの範囲を広げることが可能となる。
【0047】
また、
図6の表示画面D中にはコントロール領域CT1中に種々のボタンが表示されているので、このボタンの機能について説明する。
【0048】
ボタンBT21は、カメラのオン/オフを切り替えるボタンであり、ボタンBT22は、マイクのオン/オフを切り替える(出力可能なマイクをミュートとすることや、逆にミュートを解除する)ボタンである。
【0049】
なお、このミュート機能に関しては、第1のユーザの存在する領域R1と、その他の領域とを音声的に区別させるために用いるものであってもよい。すなわち、受付部331が、領域R1内で生じた第1の音声を領域R1とは異なる他の領域では認識不能とするミュート要求を第1のユーザより受け付けたときに、音声制御部333が、当該他の領域からはこの第1の音声を認識不能とする態様としてもよい。
この場合、第1のユーザが発声を行ったとしても、他のユーザに対してこの第1のユーザの発声が出力されないように音声制御が行われる(ただし、第1のユーザがログイン中であることを表すように、第1のユーザを表すアイコンが表示されてもよい。)。
【0050】
ボタンBT23は共有ボタンであり、自身のいる領域内で特定の画面、資料(ファイル)等を共有することができる。たとえば、
図6における領域R3として特定の動画を共有している態様が示されており、第1のユーザがこのボタンBT23を用いて資料を共有する場合は、自身のいる領域R1内で、領域R3で行われているものと同様の共有を行うことができる。
【0051】
ボタンBT24はメガホン機能を発現させるボタンであり、この機能によれば、自身のいる領域の内外全てのユーザに対して、自身の発声を認識可能な程度に音量の出力調整をすることができる。
【0052】
ボタンBT25は種々の設定を行うことのできる画面に移行することができるボタンであり、自身の用いているカメラや、マイク、スピーカー等の設定を変更することができる。設定できる項目は概ね
図5に示した項目と同様である。
【0053】
ボタンBT26は、各領域(各テーブル)に関する情報を設定・管理するために用いるボタンである。たとえば、このボタンBT26を押下すると、
図6に示されるようなスペースSP1内に領域R1~領域R6のある画面から、スペースSP1内に領域R1のみが表示される画面に切り替えることができる。その他、スペースSP1を管理する権限を有するユーザがログインしている場合では、このボタンBT26を押下することにより、各領域に参加しているユーザの名前(ログイン名と実名の片方又は双方であってよい)や、カメラやマイク等のデバイスの稼働状況を表示させることができる。典型的には、この各領域に参加しているユーザの名前と、デバイスの稼働状況とを一覧性を有するように表示させる。
【0054】
ボタンBT27はチャット機能であり、同一の領域内に存在するユーザ間でのチャットを実行することができる。このチャットはテキストのみのチャットであっても、スタンプのようなオブジェクトや画像の表示を交えたチャットであってもよい。
【0055】
ボタンBT28は録画機能であり、ユーザがスペースSP1にログイン中で行われたこと等をレコーディングすることができる機能である。このレコーディングされた内容は記憶部22に記憶される。
なお、この録画機能はスペースSP1にログインしている第1のユーザ端末2に示される表示画面Dに表示される画面をそのまま録画するものである。また、この録画機能は、ユーザの操作に関わらず、スペースSP1にログインしている各ユーザの表情や表示画面のそれぞれを自動的に記憶管理部334により特定の記憶領域に録画するものであって、後日、ある時間領域における各ユーザの行動やリアクションなど、すべてのストリームを確認できるように構成されるものであってもよい。すなわち、後者の場合は、保存したデータを再編成できるような構成としてもよい。また、録画機能は、スペースSP1にログインしているユーザに限られず、他のスペースにログインしているユーザの顔の画像、画面共有している資料の画像を時間軸に合わせて所定の記憶領域に、保存、管理するような構成としてもよい。
【0056】
ボタンBT29はログアウトを行うボタンであり、これを押下することにより、スペースからログアウトすることができる。
【0057】
また、本実施形態の情報処理システム1は、以下のような管理機能を有してもよい。この機能は、本情報処理システム1を教育現場に取り入れた場合にとくに有効である。
【0058】
すなわち、表示制御部332は、スペース内に存在する第2のユーザのログイン時の名前を第1の名前として、第1のユーザに視認可能に表示させることができる。また、表示制御部332は、第1のユーザが所定の権限を有すること及び/又は第1のユーザが所定の操作を行ったことを条件として、第2のユーザの名前を、第1の名前とは異なる第2の名前(典型的には第2のユーザの実名)として、第1のユーザに視認可能に表示させることができる。
【0059】
図7は、第2のユーザを管理するための機能を説明するための図である。すなわち、
図7(a)、(b)は
図6の領域R2内の様子を示すものであるが、ここで、この領域R2には「XYZ」と「OPQ」の二人のユーザが存在しているものとする。
これらユーザのログイン状況は、オブジェクトOBJ21とオブジェクトOBJ22の存在により認識することができる。すなわち、これらのオブジェクトは特定の領域に存在するユーザを表すものであり、ユーザ名の頭文字や、ユーザを印象付ける画像がこのオブジェクトに表示される。
ここで、たとえば第1のユーザがオブジェクトOBJ23(「カーソル」と称してもよい)をこのオブジェクトOBJ21に合わせると、第2のユーザである「XYZ」のログイン名がオブジェクトOBJ24として表示される(
図7(a)参照)。
【0060】
さらに、第1のユーザがオブジェクトOBJ23をオブジェクトOBJ24に合わせるように操作(カーソル操作)すると、オブジェクトOBJ24が「XYZ」の実名を表すオブジェクトOBJ25に変化して表示される(
図7(b)参照)。
このように実名を表示させてよいユーザか否かは、操作を行う第1のユーザが所定の権限を有しているか否かで制御されてもよい。たとえば、教育現場に本情報処理システム1が取り入れられている場合は、教師アカウントでログインしたときにこのような表示が可能に制御されていてもよい。
また、第2の名前として表示される名前は実名とは異なる態様でもよく、たとえば第2のユーザがスペースSP1以外のスペースや、その他SNS上でユーザが使用している名前であってもよい。
【0061】
以上に示したように、本実施形態の情報処理システムによれば、ユーザがオンライン上で行われているコミュニケーションを俯瞰しやすい空間が達成される。
【0062】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0063】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム1の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0064】
以上の実施形態では、
図6に示した表示画面D中の領域R1~R6として、それぞれが四角形として表示される態様が示されたが、各領域は四角形とは異なる形状であってもよい。
図8は、スペースについての変形例を説明するための図である。
図8に示される通り、スペースSP2中の各領域(領域R1~R4)は、それぞれ六角形の形状を有するように表示されてもよい。このとき、第1のユーザの存在する領域R1の六角形形状の辺に対し、他の領域を構成する形状の辺は、対向するように表示されてもよい。
このような表示内容とした上で、たとえば、音声制御部333が制御する音声出力装置をサラウンドスピーカーのように多方向から音声出力が可能な装置とすることで、各領域での発生する会話音声を、より臨場感を持たせて出力することが可能となる。
【0065】
以上の実施形態では、秘匿要求について
図5で示されるログイン画面で受け付ける態様を示したが、秘匿要求を受け付けるタイミングはこのログイン時に限られず、ログインした後であってもよい。たとえば、
図6におけるコントロール領域CT1の中に秘匿要求を受付可能なオブジェクトを設け、ユーザの必要に応じて、サーバ3が秘匿要求を受け付ける態様をとってもよい。
【0066】
以上の実施形態では、
図6中のコントロール領域CT1にあるボタンBT22を押下することで自身の発声を外部に聞こえなくする態様を示したが、このミュート機能は自動で行われていてもよい。たとえば、ログインしている第1のユーザがカメラに表示されない場合、サーバ3の受付部331が第1のユーザが不存在であることを受け付け、第1のユーザ端末2の集音した内容を他のユーザに認識不能とするように音声制御部333が制御してもよい。
【0067】
以上の実施形態では、
図6中のコントロール領域CT1にある各種ボタンを押下することで、種々の機能を発現する態様を示したが、たとえばチャット欄に所定のコマンドを入力することで、上述の種々の機能を発現させるように構成してもよい。典型的には、この所定のコマンドは「/(スラッシュ)」と、特定の機能を対応させたコマンドとの組み合わせである。
【0068】
以上の実施形態では、
図5に示されるログイン画面を介してユーザのログイン要求を受け付ける態様を示したが、必ずしもこのようなログイン画面を介してスペースへのログインを行う態様としなくてもよい。たとえば、スペース内の領域にパスワードを設定しておき、このパスワードを入力することで所定の領域に入る(すなわち、スペース内にログインする)態様とすることも可能である。
【0069】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶や制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、各種情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0070】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、音声制御ステップでは、前記第1の領域内での会話で生じた第1の音声と、前記第2の領域内での会話で生じた第2の音声とを前記第1のユーザが認識可能に発生させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記音声制御ステップでは、前記第2の音声の出力を前記第1の音声の出力よりも相対的に減衰させるように制御する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記音声制御ステップでは、前記第2の音声の出力について、特定の周波数領域の音声出力及び/又は特定のユーザの音声出力を減衰させるように制御する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記音声制御ステップでは、前記情報処理システムが複数の音声出力部を有する音声出力装置を備えるときに、前記スペース内における前記第1の領域と前記第2の領域との相対的な位置関係に基づいて、複数の前記音声出力部のそれぞれを制御する、もの。
前記情報処理システムにおいて、第2の受付ステップでは、前記第1の音声を前記第1の領域とは異なる他の領域では認識不能とするミュート要求を前記第1のユーザより受け付け、前記音声制御ステップでは、前記ミュート要求を受け付けたときに、前記他の領域からは前記第1の音声を認識不能とする、もの。
前記情報処理システムにおいて、第3の受付ステップでは、前記第2の領域と、前記第2の領域とは区別された第3の領域とを統合させる統合要求を前記第1のユーザより受け付け、前記表示制御ステップでは、前記統合要求を受け付けたときに、前記第2の領域と前記第3の領域とを統合させた領域を前記第1のユーザが視認可能に表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、第4の受付ステップでは、前記第1のユーザの存在が前記スペース内の他のユーザから認識されないようにする秘匿要求を受け付け、前記表示制御ステップでは、前記秘匿要求を受け付けたときに、前記第1のユーザが前記スペース内にログイン中であっても前記他のユーザから前記第1のユーザの存在を視認不能とする、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記スペース内に存在する第2のユーザのログイン時の名前を第1の名前として、前記第1のユーザに視認可能に表示させ、前記第1のユーザが所定の権限を有すること及び/又は前記第1のユーザが所定の操作を行ったことを条件として、前記第2のユーザの名前を、前記第1の名前とは異なる第2の名前として、前記第1のユーザに視認可能に表示させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の名前は、前記第2のユーザの実名である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記表示制御ステップでは、前記第1の領域と前記第2の領域とを互いに識別可能に表示させる、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムの各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0071】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0072】
1 :情報処理システム
2 :第1のユーザ端末
3 :サーバ
4 :第2のユーザ端末
11 :ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
26 :音声出力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :表示制御部
333 :音声制御部
334 :記憶管理部
BT11~BT15、BT21~BT29 :ボタン
CR1 :コントロール領域
D :表示画面
F11~F14 :入力フォーム
OBJ11、OBJ21~OBJ25 :オブジェクト
R1~R6、R100 :領域
SP1、SP2 :スペース