(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131338
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 35/06 20060101AFI20230914BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B65G35/06 F
B65G1/04 531A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036032
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】516065135
【氏名又は名称】株式会社IHI物流産業システム
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】三井 達弥
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022BB03
3F022BB04
3F022JJ09
3F022KK01
3F022LL12
3F022LL14
3F022MM57
(57)【要約】
【課題】走行可能な台車上に昇降台と移載ユニットが設けられた物品搬送装置において、動力源を台車と異なる位置に配置可能とする。
【解決手段】走行可能な走行台車3と、走行台車3上にて昇降可能なキャリッジ4と、キャリッジ4上にて水平方向に出し入れ可能なフォーク5bを有する移載ユニット5と、動力を生成して走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に動力を伝達する駆動ユニット6とを備え、駆動ユニット6は、走行台車3の外部に設置されると共に動力を生成する動力源と、動力源で生成された動力を走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に伝達する索状体とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な台車と、
前記台車上にて昇降可能な昇降台と、
前記昇降台上にて水平方向に出し入れ可能な物品移載アームを有する移載ユニットと、
動力を生成して前記台車、前記昇降台及び前記移載ユニットに前記動力を伝達する駆動ユニットと
を備え、
前記駆動ユニットは、
前記台車の外部に設置されると共に前記動力を生成する動力源と、
前記動力源で生成された動力を前記台車、前記昇降台及び前記移載ユニットに伝達する索状体と
を備える
ことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
前記台車、前記昇降台及び前記移載ユニットを収容する隔壁部を備え、
前記動力源は、前記隔壁部の外部に配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、
前記動力源として、走行用モータを備え、
前記索状体として、前記走行用モータと前記台車とを接続する走行用索状体を備え、
前記走行用索状体の一端は、前記台車の走行方向における一方側から前記台車に固定され、
前記走行用索状体の他端は、前記台車の走行方向における他方側から前記台車に固定されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記駆動ユニットは、
前記昇降台の第1側面に設けられた第1昇降用スプロケットと、
前記昇降台の前記第1側面と反対側の第2側面に設けられた第2昇降用スプロケットと
を備え、
前記動力源として、第1昇降用モータと、第2昇降用モータとを備え、
前記索状体として、前記第1昇降用モータに接続されて前記第1昇降用スプロケットを下方から支持する第1昇降用索状体と、前記第2昇降用モータに接続されて前記第2昇降用スプロケットを下方から支持する第2昇降用索状体とを備える
ことを特徴とする請求項1~3いずれか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記駆動ユニットは、
前記索状体として、前記台車を間に挟んで前記第1昇降用モータと反対側に位置する前記第1昇降用索状体の端部と、前記台車を間に挟んで前記第2昇降用モータと反対側に位置する前記第2昇降用索状体の端部と接続する連結索状体とを備え、
前記連結索状体を支持する支持スプロケットをさらに備える
ことを特徴とする請求項4記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記駆動ユニットは、前記第1昇降用索状体と第2昇降用索状体とに接続されると共に第1昇降用索状体及び第2昇降用索状体から伝達される動力を前記移載ユニットに伝達可能な移載ユニット駆動機構を備えることを特徴とする請求項4または5記載の物品搬送装置。
【請求項7】
前記移載ユニット駆動機構は、
前記第1昇降用索状体と前記第2昇降用索状体が反対方向に進行する場合に前記移載ユニットに前記動力を伝達し、前記第1昇降用索状体と前記第2昇降用索状体が同一方向に進行する場合に前記移載ユニットに前記動力を伝達しないデファレンシャルギアユニットを備える
ことを特徴とする請求項6記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、自動倉庫等において荷物を搬送するスタッカクレーンが開示されている。特許文献1に開示されたスタッカクレーンは、クレーン台車に立設されたマストに沿って昇降する移載装置を備えている。また、特許文献1に開示されたスタッカクレーンは、移載装置を昇降させるための昇降駆動部や、移載装置に出退動作をさせるための出退駆動部等がクレーン台車上に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたスタッカクレーンや、スタッカクレーンよりも小型で同様の構造を有する搬送装置では、走行可能な台車上に動力源が配置される。このため、動力源は、台車と共に移動する。例えば、低温環境、高温環境、防爆環境等の特殊環境にて台車が移動される場合には、特殊環境が動力源の動作環境に適せず、動力源を台車に設置することが困難な場合もある。また、動力源のメンテナンスを行う場合には、作業者が台車の近くまで入って作業を行う必要がある。動力源が台車上に配置されていると、動力源のメンテンナンスを行うために、特殊環境を壊す必要がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、走行可能な台車上に昇降台と移載ユニットが設けられた物品搬送装置において、動力源を台車と異なる位置に配置可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
本発明の第1の態様は、物品搬送装置であって、走行可能な台車と、上記台車上にて昇降可能な昇降台と、上記昇降台上にて水平方向に出し入れ可能な物品移載アームを有する移載ユニットと、動力を生成して上記台車、上記昇降台及び上記移載ユニットに上記動力を伝達する駆動ユニットとを備え、上記駆動ユニットが、上記台車の外部に設置されると共に上記動力を生成する動力源と、上記動力源で生成された動力を上記台車、上記昇降台及び上記移載ユニットに伝達する索状体とを備えるという構成を採用する。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記台車、上記昇降台及び上記移載ユニットを収容する隔壁部を備え、上記動力源が、上記隔壁部の外部に配置されているという構成を採用する。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記駆動ユニットが、上記動力源として、走行用モータを備え、上記索状体として、上記走行用モータと上記台車とを接続する走行用索状体を備え、上記走行用索状体の一端が、上記台車の走行方向における一方側から上記台車に固定され、上記走行用索状体の他端が、上記台車の走行方向における他方側から上記台車に固定されているという構成を採用する。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第1~第3いずれかの態様において、上記駆動ユニットが、上記昇降台の第1側面に設けられた第1昇降用スプロケットと、上記昇降台の上記第1側面と反対側の第2側面に設けられた第2昇降用スプロケットとを備え、上記動力源として、第1昇降用モータと、第2昇降用モータとを備え、上記索状体として、上記第1昇降用モータに接続されて上記第1昇降用スプロケットを下方から支持する第1昇降用索状体と、上記第2昇降用モータに接続されて上記第2昇降用スプロケットを下方から支持する第2昇降用索状体とを備えるという構成を採用する。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記駆動ユニットが、上記索状体として、上記台車を間に挟んで上記第1昇降用モータと反対側に位置する上記第1昇降用索状体の端部と、上記台車を間に挟んで上記第2昇降用モータと反対側に位置する上記第2昇降用索状体の端部と接続する連結索状体とを備え、上記連結索状体を支持する支持スプロケットをさらに備えるという構成を採用する。
【0012】
本発明の第6の態様は、上記第4または第5の態様において、上記駆動ユニットが、上記第1昇降用索状体と第2昇降用索状体とに接続されると共に第1昇降用索状体及び第2昇降用索状体から伝達される動力を上記移載ユニットに伝達可能な移載ユニット駆動機構を備えるという構成を採用する。
【0013】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、上記移載ユニット駆動機構が、上記第1昇降用索状体と上記第2昇降用索状体が反対方向に進行する場合に上記移載ユニットに上記動力を伝達し、上記第1昇降用索状体と上記第2昇降用索状体が同一方向に進行する場合に上記移載ユニットに上記動力を伝達しないデファレンシャルギアユニットを備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、動力源で生成された動力が索状体によって台車、昇降台及び移載ユニットに伝達される。このため、動力源を台車上から外して配置することができる。したがって、本発明によれば、走行可能な台車上に昇降台と移載ユニットが設けられた物品搬送装置において、動力源を台車と異なる位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態における物品搬送装置の模式的な側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態における物品搬送装置の模式的な斜視図である。
【
図3】移載ユニット支持部等を含む+Y側から見た本発明の一実施形態における物品搬送装置の部分拡大図である。
【
図4】移載ユニット支持部等を含む-Y側から見た本発明の一実施形態における物品搬送装置の部分拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態における物品搬送装置が備える接続具を含む拡大斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態における物品搬送装置が備える第1昇降用チェーンの部分拡大図である。
【
図7】本発明の一実施形態における物品搬送装置が備える第2昇降用チェーンの部分拡大図である。
【
図8】本発明の一実施形態における物品搬送装置が備えるキャリッジ等を+Z方向から見た平面図である。
【
図9】本発明の一実施形態における物品搬送装置が備える移載ユニット駆動機構の模式的な概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る物品搬送装置の一実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の物品搬送装置1の模式的な側面図である。
図2は、本実施形態の物品搬送装置1の模式的な斜視図である。本実施形態の物品搬送装置1は、例えば、自動的に物品の搬出入や物品の保管を行う自動保管装置に設けられる。自動保管装置は、例えば、物品搬送装置1の他に、物品を収容するための収容棚や、自動保管装置に対して荷物を搬出入するための搬出入装置を備える。本実施形態の物品搬送装置1は、収容棚と搬出入装置との間での物品の移動や、収容棚内における物品の移動を行う。なお、物品搬送装置1が搬送する物品の大きさは特に限定されるものではない。例えば数tの物品を搬送する物品搬送装置や、数kgの物品を搬送する物品搬送装置として、本実施形態の物品搬送装置1を用いることができる。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の物品搬送装置1は、レール2と、走行台車3(台車)と、キャリッジ4(昇降台)と、移載ユニット5と、駆動ユニット6と、隔壁部7とを備えている。なお、以下の説明において、走行台車3の走行方向をX方向とし、X方向と直交する水平方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。また、X方向のうち、一方側を+X側とし、他方側を-X側とする。また、Y方向のうち、一方側を+Y側とし、他方側を-Y側とする。また、Z方向のうち、上側を+Z側とし、下側を-Z側とする。
【0019】
レール2は、X方向に沿って直線状に延伸するように敷設されている。レール2は、床面に設けられており、走行台車3をX方向に沿って案内する。なお、本実施形態においては、レール2が床面に設けられている。しかしながら、例えば、隔壁部7の天井にレールを敷設することも可能である。また、床面と天井との両方にレールを敷設することも可能である。
【0020】
走行台車3は、駆動ユニット6から動力が供給されることでレール2に沿って走行可能とされている。この走行台車3は、基台3aと、マスト3bと、上部フレーム3cとを備えている。基台3aは、マスト3bが立設される台部である。また、基台3aは、レール2に当接するローラを複数備えている。これらのローラがレール2に当接した状態で転動することで、基台3a(すなわち走行台車3)がレール2に沿って円滑に移動することができる。なお、駆動ユニット6は、後述のように、走行用モータ10と走行用チェーン20とを含むユニットを備える。走行台車3は、このような走行用モータ10と走行用チェーン20とを含むユニットから動力が供給されることで走行する。
【0021】
マスト3bは、基台3a上に2本設けられている。これらのマスト3bは、X方向に配列されている。これらのマスト3b同士の間は、キャリッジ4の昇降空間である。これらのマスト3bは、Z方向に沿って延伸しており、キャリッジ4をZ方向に案内する。上部フレーム3cは、一方のマスト3bの上端と他方のマスト3bの上端とを接続する。例えば、天井にレールが設けられている場合には、上部フレーム3cに対してレールに当接するローラが設けられる。
【0022】
キャリッジ4は、マスト接続部4aと、移載ユニット支持部4bとを備えている。このキャリッジ4は、駆動ユニット6から動力が伝達されることによって、マスト3bに沿って昇降される。なお、駆動ユニット6は、後述のように、第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12と、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とを含むユニットを備える。キャリッジ4は、このような第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12と、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とを含むユニットから動力が供給されることで昇降される。
【0023】
マスト接続部4aは、各々のマスト3bに対して設けられている。つまり、マスト接続部4aは、2つ設けられている。一方のマスト接続部4aが一方のマスト3bに対してZ方向に移動可能に接続されている。他方のマスト接続部4aが他方のマスト3bに対してZ方向に移動可能に接続されている。
【0024】
移載ユニット支持部4bは、一方のマスト接続部4aと他方のマスト接続部4aとに架設されている。この移載ユニット支持部4bは、X方向に延伸する形状に形成されている。また、移載ユニット支持部4bは、移載ユニット5を下方から支持する。
【0025】
図3は、移載ユニット支持部4b等を含む+Y側から見た物品搬送装置1の部分拡大図である。
図3に示すように、移載ユニット支持部4bは、+Y側に向けられた側面4c(第1側面)を有する。この側面4cは、キャリッジ4の側面を形成している。この側面4cには、駆動ユニット6の後述する+X側昇降用スプロケット44(第1昇降用スプロケット)及び-X側昇降用スプロケット47(第1昇降用スプロケット)等が設けられている。これらの+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47は、駆動ユニット6の後述する第1昇降用チェーン21によって下方から支持されている。つまり、移載ユニット支持部4b(すなわちキャリッジ4)は、+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47を介して第1昇降用チェーン21によって支持されている。
【0026】
図4は、移載ユニット支持部4b等を含む-Y側から見た物品搬送装置1の部分拡大図である。
図4に示すように移載ユニット支持部4bは、-Y側に向けられた側面4d(第2側面)を有する。この側面4dは、側面4cと反対側に向けられたキャリッジ4の側面を形成している。この側面4dには、駆動ユニット6の後述する+X側昇降用スプロケット55(第2昇降用スプロケット)及び-X側昇降用スプロケット57(第2昇降用スプロケット)等が設けられている。これらの+X側昇降用スプロケット55及び-X側昇降用スプロケット57は、駆動ユニット6の後述する第2昇降用チェーン22によって下方から支持されている。つまり、移載ユニット支持部4b(すなわちキャリッジ4)は、+X側昇降用スプロケット55及び-X側昇降用スプロケット57を介して第2昇降用チェーン22によって支持されている。
【0027】
移載ユニット5は、キャリッジ4上に設置されており、物品をY方向に沿って移動させる。この移載ユニット5は、基部5aと、フォーク5b(物品移載アーム)とを備えている。基部5aは、キャリッジ4の移載ユニット支持部4bに+Z方向から固定されている。つまり、基部5aは、キャリッジ4によって下方から支持されている。この基部5aは、フォーク5bをY方向に移動可能に支持する。
【0028】
フォーク5bは、駆動ユニット6から動力が伝達されることで、キャリッジ4上にてY方向に出し入れ可能とされている。このフォーク5bは、搬送対象の物品を下方から支持し、Y方向に移動させる。つまり、本実施形態においては、移載ユニット5は、キャリッジ4上にて水平方向に出し入れ可能なフォーク5bを備えている。なお、駆動ユニット6は、後述のように、第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12と、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とを含むユニットを備える。フォーク5bは、このような第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12と、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とを含むユニットから動力が供給されることで移動される。
【0029】
駆動ユニット6は、動力を生成して、走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に動力を伝達する。この駆動ユニット6は、後述する走行用モータ10と走行用チェーン20とを含むユニットと、後述する第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12と、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とを含むユニットを備える。
図2に示すように、本実施形態において駆動ユニット6は、走行用モータ10(動力源)と、第1昇降用モータ11(動力源)と、第2昇降用モータ12(動力源)とを備えている。
【0030】
これらの動力源は、外部から電力が供給されることで回転動力を生成するモータである。走行用モータ10は、走行台車3を走行させるための動力を生成する。第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、キャリッジ4を昇降させるための動力を生成する。また、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、フォーク5bの移動の動力としても用いられる。つまり、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、移載ユニット5を駆動するための動力を生成する。
【0031】
これらの走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、本実施形態において隔壁部7の外部に配置されている。本実施形態においては、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、走行台車3に対して+X側に位置する。
【0032】
また、駆動ユニット6は、
図2に示すように、走行用チェーン20(走行用索状体)と、第1昇降用チェーン21(第1昇降用索状体)と、第2昇降用チェーン22(第2昇降用索状体)と、連結チェーン23(連結索状体)とを備えている。
【0033】
これらのチェーンは、動力源で生成された動力を走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に伝達する。走行用チェーン20は、走行用モータ10で生成された動力を走行台車3に対して動力を伝達する。第1昇降用チェーン21は、第1昇降用モータ11で生成された動力をキャリッジ4及び移載ユニット5に対して伝達する。第2昇降用チェーン22は、第2昇降用モータ12で生成された動力をキャリッジ4及び移載ユニット5に対して伝達する。
【0034】
走行用チェーン20は、走行用モータ10と走行台車3とを接続する。走行用チェーン20の一端は、+X側から走行台車3に固定されている。また、走行用チェーン20の他端は、-X側から走行台車3に固定されている。駆動ユニット6は、
図2に示すように、走行用スプロケット30を備えている。走行用スプロケット30は、走行台車3よりも-X側に配置されている。なお、走行用スプロケット30は、不図示の支持部によって回転可能に支持されている。走行用チェーン20は、走行台車3よりも+X側に位置する走行用モータ10と、走行台車3よりも-X側に位置する走行用スプロケット30とに回し掛けられている。
【0035】
走行用チェーン20の引き回し形状について、走行用チェーン20の一端から他端に向けて順に説明する。走行用チェーン20は、走行台車3の+X側の端部に固定された一端から走行用モータ10に向かうように、X方向に沿って+X側に向かって延伸する。続いて、走行用チェーン20は、走行用モータ10に+X側から回し掛けられて-X方向に案内される。続いて、走行用チェーン20は、走行用モータ10から走行用スプロケット30に向かうように、X方向に沿って-X側に向かって延伸する。続いて、走行用チェーン20は、走行用スプロケット30に-X側から回し掛けられて+X側に案内される。続いて、走行用チェーン20は、走行用スプロケット30から走行台車3に向かうように、X方向に沿って+X側に向けて延伸する。そして、走行用チェーン20の他端は、走行台車3の-X側の端部に-X側から固定される。
【0036】
走行用モータ10を駆動すると、走行用チェーン20が走行用モータ10及び走行用スプロケット30に支持された状態で進行する。この結果、走行台車3がX方向に沿って走行する。例えば、走行用モータ10を一方向に回転させると、走行用モータ10の一端が+X側に向けて走行台車3を引き、走行台車3が+X側に走行する。また、走行用モータ10を他方向に回転させると、走行用モータ10の他端が-X側に向けて走行台車3を引き、走行台車3が-X側に走行する。
【0037】
第1昇降用チェーン21は、第1昇降用モータ11に接続されている。第1昇降用チェーン21の一端21aは、走行台車3よりも+X側で第1昇降用モータ11の上方に位置している。第1昇降用チェーン21の一端21aは、例えば不図示の支持部を介して隔壁部7に固定されている。第1昇降用チェーン21の他端21bは、走行台車3よりも-X側にて連結チェーン23に連結されている。
【0038】
駆動ユニット6は、
図2に示すように、第1上部スプロケット40と、第1床部スプロケット41とを備えている。また、駆動ユニット6は、
図3に示すように、+X側基台スプロケット42と、+X側上部フレームスプロケット43と、+X側昇降用スプロケット44と、+X側案内スプロケット45と、-X側案内スプロケット46と、-X側昇降用スプロケット47と、-X側上部フレームスプロケット48と、-X側基台スプロケット49とを備えている。これらの第1上部スプロケット40と、第1床部スプロケット41と、+X側基台スプロケット42と、+X側上部フレームスプロケット43と、+X側昇降用スプロケット44と、+X側案内スプロケット45と、-X側案内スプロケット46と、-X側昇降用スプロケット47と、-X側上部フレームスプロケット48と、-X側基台スプロケット49とは、第1昇降用チェーン21を案内するスプロケットである。
【0039】
第1上部スプロケット40は、走行台車3よりも+X側でかつ第1昇降用モータ11の上方に配置されている。第1床部スプロケット41は、走行台車3よりも-X側でレール2に近い高さに配置されている。なお、第1上部スプロケット40及び第1床部スプロケット41は、不図示の支持部によって回転可能に支持されている。
【0040】
+X側基台スプロケット42は、走行台車3の基台3aに回転可能に支持されている。+X側基台スプロケット42は、
図3に示すように、基台3aの+X側の端部に配置されている。+X側上部フレームスプロケット43は、走行台車3の上部フレーム3cに回転可能に支持されている。+X側上部フレームスプロケット43は、上部フレーム3cの+X側の端部に配置され、+X側基台スプロケット42の上方に位置する。
【0041】
+X側昇降用スプロケット44と、+X側案内スプロケット45と、-X側案内スプロケット46と、-X側昇降用スプロケット47とは、キャリッジ4の移載ユニット支持部4bの+Y側に向けられた側面4cに回転可能に支持されている。+X側昇降用スプロケット44は、移載ユニット支持部4bの最も+X側の端部に配置されており、+X側上部フレームスプロケット43の下方に位置する。
【0042】
+X側案内スプロケット45は、X方向において、+X側昇降用スプロケット44と後述する第1入力ギア81との間に配置されている。-X側案内スプロケット46は、X方向において、-X側昇降用スプロケット47と第1入力ギア81との間に配置されている。これらの+X側案内スプロケット45と、-X側案内スプロケット46とは、第1昇降用チェーン21を第1入力ギア81の下側に接触するように案内する。-X側昇降用スプロケット47は、移載ユニット支持部4bの最も-X側の端部に配置されており、-X側上部フレームスプロケット48の下方に位置する。
【0043】
-X側上部フレームスプロケット48は、走行台車3の上部フレーム3cに回転可能に支持されている。-X側上部フレームスプロケット48は、上部フレーム3cの-X側の端部に配置され、-X側基台スプロケット49の上方に位置する。-X側基台スプロケット49は、走行台車3の基台3aに回転可能に支持されている。-X側基台スプロケット49は、
図3に示すように、基台3aの-X側の端部に配置されている。
【0044】
第1昇降用チェーン21の引き回し形状について、第1昇降用チェーン21の一端21aから他端21bに向けて順に説明する。第1昇降用チェーン21は、第1昇降用モータ11の上方に位置する一端21aから下方に向かって延伸し、垂下部21cを形成した後に上方に向かって延伸する。続いて、第1昇降用チェーン21は、垂下部21cから第1上部スプロケット40に向かうように上方に延伸し、第1上部スプロケット40に上方から回し掛けられる。
【0045】
続いて、第1昇降用チェーン21は、第1上部スプロケット40から第1昇降用モータ11に向かうように下方に延伸し、第1昇降用モータ11に下方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、第1昇降用モータ11から+X側基台スプロケット42に向かうようにX方向に沿って延伸し、+X側基台スプロケット42に下方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、+X側基台スプロケット42から+X側上部フレームスプロケット43に向かうように上方に延伸し、+X側上部フレームスプロケット43に上方から回し掛けられる。
【0046】
続いて、第1昇降用チェーン21は、+X側上部フレームスプロケット43から下方に延伸し、+X側昇降用スプロケット44に下方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、+X側昇降用スプロケット44から-X側に向けて延伸し、+X側案内スプロケット45及び-X側案内スプロケット46を介して、-X側昇降用スプロケット47に下方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、-X側昇降用スプロケット47から上方に延伸し、-X側上部フレームスプロケット48に上方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、-X側上部フレームスプロケット48から下方に延伸し、-X側基台スプロケット49に下方から回し掛けられる。
【0047】
続いて、第1昇降用チェーン21は、-X側基台スプロケット49から第1床部スプロケット41に向かうようにX方向に沿って延伸し、第1床部スプロケット41に対して下方から回し掛けられる。続いて、第1昇降用チェーン21は、第1床部スプロケット41から上方に延伸する。そして、第1昇降用チェーン21の他端21bは、連結チェーン23に接続される。
【0048】
第2昇降用チェーン22は、第2昇降用モータ12に接続されている。第2昇降用チェーン22の一端22aは、走行台車3よりも+X側で第2昇降用モータ12の上方に位置している。第2昇降用チェーン22の一端22aは、例えば不図示の支持部を介して隔壁部7に固定されている。第2昇降用チェーン22の他端22bは、走行台車3よりも-X側にて連結チェーン23に連結されている。
【0049】
駆動ユニット6は、
図2に示すように、第2上部スプロケット50と、第2床部スプロケット51とを備えている。また、駆動ユニット6は、
図4に示すように、+X側基台スプロケット52と、+X側上部フレームスプロケット53と、+X側昇降用スプロケット54と、+X側昇降用スプロケット55と、-X側案内スプロケット56と、-X側昇降用スプロケット57と、-X側上部フレームスプロケット58と、-X側基台スプロケット59とを備えている。これらの第2上部スプロケット50と、第2床部スプロケット51と、+X側基台スプロケット52と、+X側上部フレームスプロケット53と、+X側昇降用スプロケット54と、+X側昇降用スプロケット55と、-X側案内スプロケット56と、-X側昇降用スプロケット57と、-X側上部フレームスプロケット58と、-X側基台スプロケット59とは、第2昇降用チェーン22を案内するスプロケットである。
【0050】
第2上部スプロケット50は、走行台車3よりも+X側でかつ第2昇降用モータ12の上方に配置されている。第2床部スプロケット51は、走行台車3よりも-X側でレール2に近い高さに配置されている。なお、第2上部スプロケット50及び第2床部スプロケット51は、不図示の支持部によって回転可能に支持されている。
【0051】
+X側基台スプロケット52は、走行台車3の基台3aに回転可能に支持されている。+X側基台スプロケット52は、
図4に示すように、基台3aの+X側の端部に配置されている。+X側上部フレームスプロケット53は、走行台車3の上部フレーム3cに回転可能に支持されている。+X側上部フレームスプロケット53は、上部フレーム3cの+X側の端部に配置され、+X側基台スプロケット52の上方に位置する。
【0052】
+X側昇降用スプロケット54と、+X側昇降用スプロケット55と、-X側案内スプロケット56と、-X側昇降用スプロケット57とは、キャリッジ4の移載ユニット支持部4bの+Y側に向けられた側面4cに回転可能に支持されている。+X側昇降用スプロケット54は、移載ユニット支持部4bの最も+X側の端部に配置されており、+X側上部フレームスプロケット53の下方に位置する。
【0053】
+X側昇降用スプロケット55は、X方向において、+X側昇降用スプロケット54と後述する第2入力ギア84との間に配置されている。-X側案内スプロケット56は、X方向において、-X側昇降用スプロケット57と第2入力ギア84との間に配置されている。これらの+X側昇降用スプロケット55と、-X側案内スプロケット56とは、第2昇降用チェーン22を第2入力ギア84の上側に接触するように案内する。-X側昇降用スプロケット57は、移載ユニット支持部4bの最も-X側の端部に配置されており、-X側上部フレームスプロケット58の下方に位置する。
【0054】
-X側上部フレームスプロケット58は、走行台車3の上部フレーム3cに回転可能に支持されている。-X側上部フレームスプロケット58は、上部フレーム3cの-X側の端部に配置され、-X側基台スプロケット59の上方に位置する。-X側基台スプロケット59は、走行台車3の基台3aに回転可能に支持されている。-X側基台スプロケット59は、
図4に示すように、基台3aの-X側の端部に配置されている。
【0055】
第2昇降用チェーン22の引き回し形状について、第2昇降用チェーン22の一端22aから他端22bに向けて順に説明する。第2昇降用チェーン22は、第2昇降用モータ12の上方に位置する一端22aから下方に向かって延伸し、垂下部22cを形成した後に上方に向かって延伸する。続いて、第2昇降用チェーン22は、垂下部22cから第2上部スプロケット50に向かうように上方に延伸し、第2上部スプロケット50に上方から回し掛けられる。
【0056】
続いて、第2昇降用チェーン22は、第2上部スプロケット50から第2昇降用モータ12に向かうように下方に延伸し、第2昇降用モータ12に下方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、第2昇降用モータ12から+X側基台スプロケット52に向かうようにX方向に沿って延伸し、+X側基台スプロケット52に下方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、+X側基台スプロケット52から+X側上部フレームスプロケット53に向かうように上方に延伸し、+X側上部フレームスプロケット53に上方から回し掛けられる。
【0057】
続いて、第2昇降用チェーン22は、+X側上部フレームスプロケット53から下方に延伸し、+X側昇降用スプロケット54に下方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、+X側昇降用スプロケット54から-X側に向けて延伸し、+X側昇降用スプロケット55及び-X側案内スプロケット56を介して、-X側昇降用スプロケット57に下方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、-X側昇降用スプロケット57から上方に延伸し、-X側上部フレームスプロケット58に上方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、-X側上部フレームスプロケット58から下方に延伸し、-X側基台スプロケット59に下方から回し掛けられる。
【0058】
続いて、第2昇降用チェーン22は、-X側基台スプロケット59から第2床部スプロケット51に向かうようにX方向に沿って延伸し、第2床部スプロケット51に対して下方から回し掛けられる。続いて、第2昇降用チェーン22は、第2床部スプロケット51から上方に延伸する。そして、第2昇降用チェーン22の他端22bは、連結チェーン23に接続される。
【0059】
第1昇降用チェーン21は、+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47を下方から支持する。また、第2昇降用チェーン22は、+X側昇降用スプロケット54及び-X側昇降用スプロケット57を下方から支持する。これらの第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22によってキャリッジ4が支持されている。
【0060】
このような第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの長さと、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの長さとが、同時に短くなることで、+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47と、+X側昇降用スプロケット54及び-X側昇降用スプロケット57とが持ち上げられ、キャリッジ4が上昇する。また、第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの長さと、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの長さとが、同時に長くなると、キャリッジ4は自重によって下降する。
【0061】
連結チェーン23は、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22とを連結する。走行台車3を間に挟んで第1昇降用モータ11と反対側に位置する第1昇降用チェーン21の他端21b(端部)と、走行台車3を間に挟んで第2昇降用モータ12と反対側に位置する第2昇降用チェーン22の他端22b(端部)とを、連結チェーン23は接続する。
【0062】
図2に示すように駆動ユニット6は、連結チェーン23と第1昇降用チェーン21とを接続するための接続具60と、連結チェーン23と第2昇降用チェーン22とを接続するための接続具61とを有している。
図5は、接続具60を含む拡大斜視図である。
図5に示すように、接続具60に接続された第1昇降用チェーン21は、ピンの軸芯がY方向と平行である。一方、接続具60に接続された連結チェーン23は、ピンの軸芯がX方向と平行である。つまり、接続具60は、第1昇降用チェーン21のピンの軸芯と連結チェーン23のピンの軸芯とがZ方向から見て交差するように、第1昇降用チェーン21と連結チェーン23とを接続する。
【0063】
また、同様に、接続具61に接続された第2昇降用チェーン22は、ピンの軸芯がY方向と平行である。一方、接続具61に接続された連結チェーン23は、ピンの軸芯がX方向と平行である。つまり、接続具61は、第2昇降用チェーン22のピンの軸芯と連結チェーン23のピンの軸芯とがZ方向から見て交差するように、第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを接続する。
【0064】
このような第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22とは、ピンの軸芯がY方向と平行であり、
図2に示すように、X-Z平面において湾曲可能である。一方で、連結チェーン23は、ピンの軸芯がX方向と平行であり、
図2に示すように、Y-Z平面において湾曲可能である。このように湾曲可能な面が異なる第1昇降用チェーン21と、連結チェーン23とが、接続具60を介して接続されている。また、湾曲可能な面が異なる第2昇降用チェーン22と、連結チェーン23とが、接続具61を介して接続されている。
【0065】
また、駆動ユニット6は、連結チェーン23が上方から回し掛けられる連結チェーン用スプロケット70(支持スプロケット)を備えている。連結チェーン用スプロケット70は、第1床部スプロケット41と第2床部スプロケット51との上方に配置されている。なお、連結チェーン用スプロケット70は、不図示の支持部によって回転可能に支持されている。
【0066】
また、駆動ユニット6は、第1昇降用チェーン21の途中部位に設けられる第1カウンタウェイト71と、第2昇降用チェーン22の途中部位に設けられる第2カウンタウェイト72とを備えている。
図6は、第1昇降用チェーン21の部分拡大図である。
図6に示すように、第1カウンタウェイト71は、第1昇降用チェーン21の第1上部スプロケット40と垂下部21cとの間の部位に設けられている。
図7は、第2昇降用チェーン22の部分拡大図である。
図7に示すように、第2カウンタウェイト72は、第2昇降用チェーン22の第2上部スプロケット50と垂下部22cとの間の部位に設けられている。
【0067】
ここで、例えば、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分が+X側に向かうように第1昇降用チェーン21を回転する。また、同時に、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分が+X側に向かうように第2昇降用チェーン22を回転する。第1昇降用チェーン21の他端21bと、第2昇降用チェーン22の他端22bとは、連結チェーン23によって接続されている。このため、このように第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12を回転させると、第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの距離と、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの距離とが短くなる。つまり、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さが短くなる。この結果、キャリッジ4が上昇する。
【0068】
また、例えば、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分が-X側に向かうように第1昇降用チェーン21を回転する。また、同時に、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分が-X側に向かうように第2昇降用チェーン22を回転する。第1昇降用チェーン21の他端21bと、第2昇降用チェーン22の他端22bとは、連結チェーン23によって接続されている。このため、このように第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12を回転させると、第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの距離と、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの距離とが長くなる。つまり、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さが長くなる。この結果、キャリッジ4が下降する。
【0069】
また、例えば、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分が+X側に向かうように第1昇降用チェーン21を回転する。また、同時に、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分が-X側に向かうように第2昇降用チェーン22を回転する。このような場合には、第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの距離が短くなり、その分、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの距離が長くなる。つまり、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さは変化しない。この結果、キャリッジ4は昇降されない。
【0070】
また、例えば、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分が-X側に向かうように第1昇降用チェーン21を回転する。また、同時に、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分が+X側に向かうように第2昇降用チェーン22を回転する。このような場合には、第1昇降用チェーン21の他端21bから第1昇降用モータ11までの距離が長くなり、その分、第2昇降用チェーン22の他端22bから第2昇降用モータ12までの距離が短くなる。つまり、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さは変化しない。この結果、キャリッジ4は昇降されない。
【0071】
図8は、キャリッジ4等を+Z方向から見た平面図である。この図に示すように、駆動ユニット6は、移載ユニット駆動機構80を備えている。移載ユニット駆動機構80は、キャリッジ4に回転可能に支持されている。
図9は、移載ユニット駆動機構80の模式的な概略構成図である。
図9に示すように、移載ユニット駆動機構80は、第1入力ギア81と、第1入力シャフト82と、第1サイドギア83と、第2入力ギア84と、第2入力シャフト85と、第2サイドギア86と、第1ピニオン87と、第2ピニオン88と、ピニオンシャフト89と、ケース90と、リングギア91と、ドライブピニオン92と、出力シャフト93とを備えている。
【0072】
第1入力ギア81は、キャリッジ4の側面4cに対向して配置されている。
図3に示すように、第1入力ギア81は、X方向において、+X側案内スプロケット45と、-X側案内スプロケット46との間に配置されている。第1入力ギア81は、下側が第1昇降用チェーン21と接続されている。
【0073】
第1入力シャフト82は、
図8に示すように、キャリッジ4の側面4cを貫通して設けられており、不図示のベアリングによってキャリッジ4に対して回転可能に支持されている。
図9に示すように、第1入力シャフト82の一端には、第1入力ギア81が固定されている。また、第1入力シャフト82の他端には、第1サイドギア83が固定されている。
【0074】
第1サイドギア83は、
図9に示すように、ヘリカルギアであり、ケース90の内部に収容されている。この第1サイドギア83は、ケース90の内部にて、第1ピニオン87及び第2ピニオン88と噛合されている。
【0075】
第2入力ギア84は、キャリッジ4の側面4dに対向して配置されている。
図4に示すように、第2入力ギア84は、X方向において、+X側昇降用スプロケット55と、-X側案内スプロケット56との間に配置されている。第2入力ギア84は、上側が第2昇降用チェーン22と接続されている。
【0076】
第2入力シャフト85は、
図8に示すように、キャリッジ4の側面4dを貫通して設けられており、不図示のベアリングによってキャリッジ4に対して回転可能に支持されている。
図9に示すように、第2入力シャフト85の一端には、第2入力ギア84が固定されている。また、第2入力シャフト85の他端には、第2サイドギア86が固定されている。なお、リングギア91の中央部には不図示の開口が設けられており、第2入力シャフト85は、上記開口に挿通されている。このため、第2入力シャフト85は、リングギア91と別に回転することが可能である。
【0077】
第2サイドギア86は、
図9に示すように、ヘリカルギアであり、ケース90の内部に収容されている。この第2サイドギア86は、ケース90の内部にて、第1ピニオン87及び第2ピニオン88と噛合されている。
【0078】
第1ピニオン87と第2ピニオン88とは、ピニオンシャフト89に固定されており、ケース90の内部に回転可能に支持されている。第1ピニオン87と第2ピニオン88との各々は、ヘリカルギアであり、第1サイドギア83と第2サイドギア86とに噛合されている。
【0079】
ピニオンシャフト89は、上述のように第1ピニオン87と第2ピニオンとが固定されたシャフトである。ピニオンシャフト89は、第1入力シャフト82及び第2入力シャフト85の延伸方向(Y方向)と直交する方向に延伸するように配置されている。ピニオンシャフト89は、両端部の各々が不図示のベアリング等によってケース90に対して回転可能に支持されている。
【0080】
ケース90は、第1サイドギア83、第2サイドギア86、第1ピニオン87及び第2ピニオン88を収容している。また、このケース90は、リングギア91が固定されている。ケース90がY方向と平行な軸(Y軸と称する)を中心とする周方向に回転することで、リングギア91が回転される。
【0081】
リングギア91は、上述のようにケース90に固定されている。リングギア91は、ヘリカルギアであり、ドライブピニオン92と噛合されている。ドライブピニオン92は、ケース90の上方に配置されている。ドライブピニオン92は、ヘリカルギアであり、リングギア91と噛合されている。出力シャフト93は、ドライブピニオン92に固定されている。出力シャフト93は、ドライブピニオン92が回転されることで、Z方向と平行な軸(Z軸と称する)を中心とする周方向に回転される。出力シャフト93は、移載ユニット5と接続されている。
【0082】
出力シャフト93がZ軸を中心とする周方向に回転されることで、移載ユニット5のフォーク5bがY方向に沿って移動される。例えば、+Z方向から見て、出力シャフト93がZ軸に対して右回りに回転されると、フォーク5bは+Y方向に移動される。また、例えば、+Z方向から見て、出力シャフト93がZ軸に対して左回りに回転されると、フォーク5bは-Y方向に移動される。
【0083】
このような移載ユニット駆動機構80は、デファレンシャルギアユニットからなる。なお、移載ユニット駆動機構80は、デファレンシャルギアユニットと異なる機構をさらに有していてもよい。つまり、移載ユニット駆動機構80は、デファレンシャルギアユニットを備えていればよい。このような移載ユニット駆動機構80は、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22とに接続されている。移載ユニット駆動機構80は、第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22から伝達される動力を移載ユニット5に伝達可能である。
【0084】
例えば、+Y方向から見て、第1入力ギア81と第2入力ギア84とがY軸周りに同一方向に回転された場合には、ケース90がY軸周りに回転し、リングギア91及びドライブピニオン92を介して出力シャフト93から移載ユニット5に動力が伝達される。より詳細には、第1入力ギア81と第2入力ギア84とがY軸周りに同一方向に回転されると、第1ピニオン87及び第2ピニオン88に対して反対方向に力が加わり、第1ピニオン及び第2ピニオン88がピニオンシャフト89を中心として回転することができない。この結果、ピニオンシャフト89がY軸を中心として回転され、さらにケース90及びリングギア91もピニオンシャフト89と同軸回転される。したがって、ドライブピニオン92及び出力シャフト93がZ軸を中心とする周方向に回転される。
【0085】
ここで、第1昇降用チェーン21は、第1入力ギア81の下側と噛合している。また、第2昇降用チェーン22は、第2入力ギア84の上側と噛合している。このため、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向とが反対である場合に、第1入力ギア81の回転方向と、第2入力ギア84の回転方向とが同一になる。したがって、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向とが反対である場合に、移載ユニット5に動力が伝達される。
【0086】
例えば、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向が+X方向であり、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向が-X方向である場合には、出力シャフト93がZ軸に対して左回りに回転される。この結果、フォーク5bは例えば-Y方向に移動される。
【0087】
例えば、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向が-X方向であり、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向が-X方向である場合には、出力シャフト93がZ軸に対して右回りに回転される。この結果、フォーク5bは例えば+Y方向に移動される。
【0088】
一方で、例えば、+Y方向から見て、第1入力ギア81と第2入力ギア84とがY軸周りに反対方向に回転された場合には、ケース90がY軸周りに回転されず、リングギア91及び出力シャフト93も回転されずに移載ユニット5に動力が伝達されない。より詳細には、第1入力ギア81と第2入力ギア84とがY軸周りに反対方向に回転されると、第1ピニオン87及び第2ピニオン88に対して同一方向に力が加わり、第1ピニオン及び第2ピニオン88がピニオンシャフト89を中心として回転する。この結果、ピニオンシャフト89がZ軸を中心として周方向に回転するのみであり、ケース90は回転しない。したがって、リングギア91及び出力シャフト93も回転されずに移載ユニット5に動力が伝達されない。
【0089】
ここで、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向とが同一である場合に、第1入力ギア81の回転方向と、第2入力ギア84の回転方向とが反対になる。したがって、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向とが同一である場合に、移載ユニット5に動力が伝達されない。
【0090】
このように移載ユニット駆動機構80は、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22が反対方向に進行する場合に移載ユニット5に上記動力を伝達する。一方で、移載ユニット駆動機構80は、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22が同一方向に進行する場合に移載ユニット5に動力を伝達しない。
【0091】
図1に戻り、隔壁部7は、走行台車3の走行可能な範囲を覆うように設けられている。この隔壁部7は、隔壁部7の内部の環境を保持することが可能である。つまり、隔壁部7は、隔壁部7の内部空間を外部空間と隔離する。例えば、隔壁部7の内部は、低温環境、高温環境、あるいは防爆環境とすることができる。また、本実施形態においては、隔壁部7は、動力源である走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12を収容していない。つまり、走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12は、隔壁部7の外部に位置する。隔壁部7の一部には、走行用チェーン20、第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーンが挿通される開口部が設けられている。
【0092】
なお、隔壁部7と別に、動力源(走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12)を収容する動力源用隔壁部が設けられていてもよい。この動力源用隔壁部の内部には、第1上部スプロケット40や第2上部スプロケット50を収容してもよい。
【0093】
このような本実施形態の物品搬送装置1では、走行台車3を走行させる場合には、走行用モータ10を不図示の制御装置の制御の下に駆動する。走行用モータ10が駆動されて回転動力が生成されると、走行用チェーン20が走行用モータ10及び走行用スプロケット30に回し掛けられた状態で移動される。このような走行用チェーン20に移動によって走行台車3がX方向に沿って移動される。
【0094】
例えば、走行台車3の+X側の端部に接続された走行用チェーン20の一端が+X方向に移動されるように走行用チェーン20が移動されると、走行台車3が+X側に走行する。また、例えば、走行台車3の-X側の端部に接続された走行用チェーン20の他端が-方向に移動されるように走行用チェーン20が移動されると、走行台車3が-X側に走行する。
【0095】
ここで、走行台車3が走行すると、走行台車3に支持されたキャリッジ4もX方向に移動される。キャリッジ4がX方向に移動されると、第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22が停止しているため、キャリッジ4が第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22に対して相対的に移動される。
【0096】
ただし、走行台車3が走行しても、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さは変化しない。このため、走行台車3が走行しても、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12が駆動されなければ、キャリッジ4の高さは維持される。
【0097】
また、走行台車3が走行した場合に、移載ユニット駆動機構80の第1入力ギア81から見た第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84から見た第2昇降用チェーン22の進行方向とは、同一である。このため、第1入力ギア81と第2入力ギア84とは、上述のように反対方向に回転される。この結果、移載ユニット駆動機構80のケース90及びリングギア91は回転されない。したがって、走行台車3が走行しても、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12が駆動されなければ、移載ユニット5に動力が伝達されない。
【0098】
また、本実施形態の物品搬送装置1では、キャリッジ4を昇降させる場合には、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを不図示の制御装置の制御の下に駆動する。ここでは、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分と、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分とが、同一方向に向かうように第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを駆動する。
【0099】
第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さが短くなるように、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを駆動すると、キャリッジ4が上昇する。第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さが長くなるように、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを駆動すると、キャリッジ4が下降する。
【0100】
ただし、キャリッジ4を昇降させた場合に、移載ユニット駆動機構80の第1入力ギア81から見た第1昇降用チェーン21の進行方向と、第2入力ギア84から見た第2昇降用チェーン22の進行方向とは、同一である。このため、第1入力ギア81と第2入力ギア84とは、上述のように反対方向に回転される。この結果、移載ユニット駆動機構80のケース90及びリングギア91は回転されない。したがって、キャリッジ4を昇降させても、移載ユニット5に動力が伝達されない。
【0101】
また、本実施形態の物品搬送装置1では、移載ユニット5のフォーク5bを移動させる場合には、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを不図示の制御装置の制御の下に駆動する。ここでは、第1昇降用モータ11に接続された第1昇降用チェーン21の部分と、第2昇降用モータ12に接続された第2昇降用チェーン22の部分とが、反対方向に向かうように第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータを駆動する。このため、第1入力ギア81と第2入力ギア84とは、上述のように同一方向に回転される。この結果、移載ユニット駆動機構80のケース90及びリングギア91が回転される。したがって、移載ユニット5に動力が伝達されて、フォーク5bが移動される。
【0102】
例えば、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向が+X方向であり、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向が-X方向である場合には、出力シャフト93がZ軸に対して左回りに回転される。この結果、フォーク5bは例えば-Y方向に移動される。また、例えば、第1入力ギア81における第1昇降用チェーン21の進行方向が-X方向であり、第2入力ギア84における第2昇降用チェーン22の進行方向が-X方向である場合には、出力シャフト93がZ軸に対して右回りに回転される。この結果、フォーク5bは例えば+Y方向に移動される。
【0103】
ただし、移載ユニット5のフォーク5bを移動させる場合であっても、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さは変化しない。このため、移載ユニット5のフォーク5bを移動させる場合であっても、キャリッジ4は昇降されない。
【0104】
以上のような本実施形態の物品搬送装置1は、走行台車3と、キャリッジ4と、移載ユニット5と、駆動ユニット6とを備える。走行台車3は、走行可能である。キャリッジ4は、走行台車3上にて昇降可能である。移載ユニット5は、キャリッジ4上にて水平方向に出し入れ可能なフォーク5bを有する。駆動ユニット6は、動力を生成して走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に動力を伝達する。また、駆動ユニット6は、動力源(走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12)と、索状体(走行用チェーン20、第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22)とを備える。動力源は、走行台車3の外部に設置されると共に動力を生成する。索状体は、動力源で生成された動力を走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に伝達する。
【0105】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、動力源で生成された動力が索状体によって走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5に伝達される。このため、動力源を走行台車3上から外して配置することができる。したがって、本実施形態の物品搬送装置1によれば、走行可能な走行台車3上にキャリッジ4と移載ユニット5が設けられた物品搬送装置において、動力源を走行台車3と異なる位置に配置することができる。
【0106】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、動力源を走行台車3と異なる位置に配置するため、動力源が走行台車3と移動することがない。このような動力源のメンテナンスを走行台車3から離れた位置で行うことができる。また、走行台車3が低温環境、高温環境、防爆環境等の特殊環境に配置されている場合であっても、このような特殊環境を壊すことなく、動力源のメンテナンスを行うことが可能になる。また、上述のような特殊環境に動力源を配置する必要がないため、動力源を特殊環境に対して適合させることなく設計することができる。
【0107】
また、本実施形態の物品搬送装置1は、隔壁部7を備える。隔壁部7は、走行台車3、キャリッジ4及び移載ユニット5を収容する。また、動力源(走行用モータ10、第1昇降用モータ11及び第2昇降用モータ12)は、隔壁部7の外部に配置されている。
【0108】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、走行台車3が走行する空間が隔壁部7によって覆われている。このため、走行台車3が走行する空間を容易に特殊環境にすることができる。
【0109】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、駆動ユニット6は、動力源として、走行用モータ10を備える。また、駆動ユニット6は、索状体として、走行用モータ10と走行台車3とを接続する走行用チェーン20を備える。また、走行用チェーン20の一端は、走行台車3の走行方向における一方側から走行台車3に固定されている。また、走行用チェーン20の他端は、走行台車3の走行方向における他方側から走行台車3に固定されている。このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、走行用モータ10を駆動することによって、走行用チェーン20に固定された走行台車3を走行させることができる。
【0110】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、駆動ユニット6は、キャリッジ4の側面4cに設けられた+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47と、キャリッジ4の側面4cと反対側の側面4dに設けられた+X側昇降用スプロケット54及び-X側昇降用スプロケット57とを備えている。また、駆動ユニット6は、動力源として、第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12とを備えている。また、駆動ユニット6は、索状体として、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22とを備えている。第1昇降用チェーン21は、第1昇降用モータ11に接続されて+X側昇降用スプロケット44及び-X側昇降用スプロケット47を下方から支持する。第2昇降用チェーン22は、第1昇降用チェーン21と、第2昇降用モータ12に接続されて+X側昇降用スプロケット54及び-X側昇降用スプロケット57を下方から支持する。このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、第1昇降用モータ11と第2昇降用モータ12とを駆動することで、キャリッジ4を昇降させることができる。
【0111】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、駆動ユニット6は、索状体として、連結チェーン23を備えている。連結チェーン23は、走行台車3を間に挟んで第1昇降用モータ11と反対側に位置する第1昇降用チェーン21の端部と、走行台車3を間に挟んで第2昇降用モータ12と反対側に位置する第2昇降用チェーン22の端部と接続する。また、駆動ユニット6は、連結チェーン23を支持する連結チェーン用スプロケット70をさらに備える。
【0112】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さを変更することができる。また、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22と連結チェーン23とを1つのチェーンとして考えた場合に、第1昇降用モータ11から第2昇降用モータ12に至るまでのチェーンの長さを変更することなく、チェーンを進行させることができる。したがって、キャリッジ4を昇降させることなく、チェーンを進行させることができる。
【0113】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、駆動ユニット6は、移載ユニット駆動機構80を備えている。移載ユニット駆動機構80は、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22とに接続されると共に第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22から伝達される動力を移載ユニット5に伝達可能である。
【0114】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、第1昇降用チェーン21及び第2昇降用チェーン22を用いて移載ユニット5のフォーク5bを移動させることができる。このため、本実施形態の物品搬送装置1によれば、フォーク5bを移動させるための動力源を別途設ける必要がない。
【0115】
また、本実施形態の物品搬送装置1において、移載ユニット駆動機構80は、デファレンシャルギアユニットを備える。デファレンシャルギアユニットは、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22が反対方向に進行する場合に移載ユニット5に動力を伝達し、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22が同一方向に進行する場合に移載ユニット5に動力を伝達しない。
【0116】
このような本実施形態の物品搬送装置1によれば、第1昇降用チェーン21と第2昇降用チェーン22の進行方向を、同一方向か反対方向かのいずれかに選択することで、キャリッジ4の昇降と、フォーク5bの移動とを個別に行うことができる。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0118】
例えば、上記実施形態においては、動力源として、走行用モータ10と、第1昇降用モータ11と、第2昇降用モータ12とを備える構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、動力源として、フォーク5bを移動させるための動力源を別に備えてもよい。
【0119】
また、上記実施形態においては、索状体として、チェーンを用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、索状体として、ワイヤやベルトを用いることも可能である。このような場合には、必要に応じてプーリを用いてもよい。なお、索状体として例えばワイヤを用いた場合には、上述の接続具60及び接続部61を省略することができる。
【符号の説明】
【0120】
1……物品搬送装置、3……走行台車(台車)、4……キャリッジ(昇降台)、4c……側面(第1側面)、4d……側面(第2側面)、5……移載ユニット、5a……基部、5b……フォーク(物品載置アーム)、6……駆動ユニット、7……隔壁部、10……走行用モータ(動力源)、11……第1昇降用モータ(動力源)、12……第2昇降用モータ(動力源)、20……走行用チェーン(走行用索状体)、21……第1昇降用チェーン(第1昇降用索状体)、21a……一端、21b……他端、22……第2昇降用チェーン(第2昇降用索状体)、22a……一端、22b……他端、23……連結チェーン(連結索状体)、44……+X側昇降用スプロケット(第1昇降用スプロケット)、47……-X側昇降用スプロケット(第1昇降用スプロケット)、54……+X側昇降用スプロケット(第2昇降用スプロケット)、57……-X側昇降用スプロケット(第2昇降用スプロケット)、70……連結チェーン用スプロケット(連結索状体)、80……移載ユニット駆動機構(デファレンシャルギアユニット)